JP5349858B2 - 中空樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、空孔率を落とすことなく、極めて強度の高い中空樹脂粒子を製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明は、以下の2つの製造方法である。
第1発明;製造工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする、中空樹脂粒子(P)の製造方法。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の有機溶剤(B)の溶液(C1)であって、溶液(C1)の重量に基づいて樹脂(p)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C1)を製造する。
製造工程(2);体積平均粒子径が0.02〜1μmである微粒子(M)を水中に分散した水分散液(D)を製造する。
製造工程(3);溶液(C1)と水分散液(D)を混合、分散し分散液(E1)を製造する。
製造工程(4);製造工程(3)の分散終了後から1時間以内に、溶液(C1)中の有機溶剤(B)の含有量が溶液(C1)の重量に対して10重量%以下になるまで、分散液(E1)の脱溶剤を行って粒子形成を行ない、中空樹脂粒子(P)を製造する。
第2発明;製造工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする、中空樹脂粒子(P)の製造方法。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の前駆体(p0)の有機溶剤(B)の溶液(C2)であって、溶液(C2)の重量に基づいて前駆体(p0)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C2)を製造する。
製造工程(2);体積平均粒子径が0.02〜1μmである微粒子(M)を水中に分散した水分散液(D)を製造する。
製造工程(3);溶液(C2)と水分散液(D)を混合、分散し分散液(E2)を製造するとともに前駆体(p0)の重合反応を行なう。
製造工程(4);製造工程(3)の分散終了後から1時間以内に、溶液(C2)中の有機溶剤(B)の含有量が溶液(C2)の重量に対して10重量%以下になるまで分散液(E2)の脱溶剤を行って粒子形成を行ない、中空樹脂粒子(P)を製造する。
中空樹脂粒子(P)中の空孔(S)の数は2個以上であり、中空樹脂粒子の強度の観点か
ら好ましくは3〜100個、さらに好ましくは10〜30個である。
空孔(S)は独立した空間であって、通常は空気が存在するが、水、有機溶剤及び香料等の薬剤の溶解液、懸濁液が存在していてもよい。
を有し、中空樹脂粒子の強度の観点から好ましくは1〜30体積%、さらに好ましくは2
〜30体積%、より好ましくは3〜25体積%を有する。
空間容積が1体積%未満の場合は空孔率が下がり、本来の中空粒子としての機能が損なわれる。40体積%を超える場合は強度が著しく低下し、圧力を加えると破断してしまう。
各々の空孔(S)の容積のばらつきは小さい方が好ましい。平均空孔径に対する標準偏差は80%以下が好ましく、より好ましくは50%以下である。
これらの樹脂成分(p)の中でも、柔軟性及び破断強度の観点からウレタン結合及びウレア結合の少なくとも一方を含有するものが特に好ましい。
の観点から好ましい。架橋樹脂(p1)の含有率は、樹脂成分(p)の重量に基づいて、
好ましくは0〜90重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。
で被覆されている中空樹脂粒子(P)が好ましい。中空樹脂粒子(P)の粒子形成時、微
粒子(M)で(P)の表面を被覆することで、(P)の粒径を安定させることができ、効
率的に空孔率を上げることができるからである。(P)の粒子の表面が、微粒子(M)か
らなる膜で被覆されている場合が、粒径を安定させる観点からさらに好ましい。
例えばビニル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
微粒子(M)としては、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散液が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
第1発明
第1発明は、製造工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の有機溶剤(B)の溶液(C1)であって、溶液(C1)の重量に基づいて樹脂(p)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C1)を製造する。
溶液(C1)の重量に基づいて、溶液(C1)中の樹脂(p)の濃度は、好ましくは1.0〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。
樹脂(p)の濃度が、0.5重量%未満であれば、粒子としての強度が保てなくなる。
樹脂(p)の濃度が、30重量%を超えれば、粒子内部が樹脂で詰まってしまい中空粒子にならない。
有機溶剤(B)に所定の濃度になるように樹脂(p)を加え、樹脂(p)が溶解し均一になるまで攪拌する。操作は室温(10〜40℃)、常圧下で行なうことが好ましい。
微粒子(M)の体積平均粒子径は、0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.3μmである。
微粒子(M)の体積平均粒子径が0.02μm未満であれば、一次粒子として存在が困難となり、凝集する恐れがある。微粒子(M)の体積平均粒子径が1μmを超えれば、中空樹脂粒子の粒径を安定化させる効果がなくなる。
微粒子(M)を室温(10〜40℃)、常圧下で所定量の水に混ぜて、均一になるまで攪拌することにより水分散液(D)を製造する。
微粒子(M)を水中に分散する際、分散剤、粘度調整剤等を使用するのが好ましい。分散剤、粘度調整剤等は、分散する前に水中に含有させておいてもよいし、分散する際に添加してもよい。微粒子(M)は通常少量の活性剤、粘度調整剤等を含有した水分散体として入手できるので、それらを使用してもよい。
分散剤としては微粒子(M)を安定に分散できるものであれば特に限定されないが、アルキルアリルこはく酸ナトリウム塩(例えばエレミノール JS−2(三洋化成工業製))、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)が好ましい。
粘度調整剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等が好ましい。
SP値は、Fedors法によって計算される。
なお、SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但しただし、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
操作は室温(10〜40℃)、常圧下で行なうのが好ましい。
分散粒子の粒径安定化効果を調整する観点から、溶液(C1)に酸(例えば酢酸等が好ましい。)およびアミン(例えばケチミン化合物等が好ましい。)を加え、かき混ぜた後すばやく水分散液(D)中に投入することが好ましい。
(C1)を(D)中に投入後、すぐにホモミキサーで目的粒径に達するまで高速攪拌(回転数は3000〜20000rpmが好ましい。)し、分散液(E1)を得る。
溶液(C1):水分散液(D)の重量比は3:7〜5:5である。
製造工程(3)において、分散の終了時点は、溶液(C1)が水分散液(D)中に分散された液滴の体積平均粒子径が、0.1〜20μmになった時点が好ましい。
液滴の体積平均粒子径の測定方法は、フロー式画像解析粒子径測定装置(FPIA3000[シスメックス社製])を用いて測定する。
本工程で樹脂粒子(P)中に2個以上の空孔を有する中空樹脂粒子が形成される。
中空樹脂粒子を形成した後、分散液中には、なお10重量%未満の有機溶剤(B)が残存しているため、必要に応じて該有機溶剤(B)を除去する工程を行なう。
上記脱溶剤の工程と本工程を区別するために本工程は溶剤(B)除去工程と記載することとする。溶剤(B)除去工程は減圧下、又は常圧下に蒸留操作により行う。
溶剤(B)除去工程は中空樹脂粒子(P)の合着を防止するために実施することが好ましい。
方法1
フィルムエバポレーター又はフラッシュエバポレーターにより脱溶剤を行なう。
分散終了後から1時間以内に脱溶剤を行なう必要があるから、具体的には、例えば製造工程(3)の分散を少量で連続的に行い、フィルムエバポレーター又はフラッシュエバポレーターにより少量で連続的に脱溶剤を行なう方法が挙げられる。脱溶剤は、1時間以内に溶液(C1)中の有機溶剤(B)の含有量が溶液(C1)の重量に対して10重量%以下にし、必要に応じその後も引き続き溶剤(B)除去工程を行う。
脱溶剤条件は使用する溶剤によるが、温度は25〜70℃、圧力は200〜760mmHgが好ましい。
脱溶剤は溶液(C1)中の有機溶剤(B)の含有量が溶液(C1)の重量に対して10重量%以下になるまで行なう。有機溶剤(B)の含有量はガスクロマトグラフィーによる分析で行なう。
(Step1:測定試料の調整)
1.00〜1.50gの分散液(E1)をすばやく精秤して、10mlのジメチルホルムアミド(DMF)に投入する。続いて、内部標準溶液(1重量%標準物質in DMF)を2.5ml添加する。標準物質は有機溶剤(B)の種類から適当なものを選択する。例えば、有機溶剤(B)が酢酸エチルの場合は酢酸イソプロピルなどが好ましい。
得られた混合溶液を手で1分間激しく振り混ぜて試料の固まりを砕いた後、マグネティックスターラーで10分間撹拌して、2分間超音波を照射して酢酸エチルを抽出する。
(Step2:ガスクロマトグラフィー測定)
Step1で作成した試料を装置に注入し、以下の条件で分析を行う。
カラム
: DB−1、内径0.53mm、長さ30m、膜厚3μm
カラム温度
: 40℃→100℃(5℃/min)→180℃(20℃/min)
注入量
: 1μl
注入口温度
: 180℃
検出器温度
: 180℃
有機溶剤(B)が、20℃における水100gに対する(B)の溶解度が0.1〜30gである場合は、製造工程(3)の分散終了後1時間以内に、水を添加し、溶液(C1)中の有機溶剤(B)を溶液(C1)中から水中に抽出することにより脱溶剤を行うことができる。加える水の重量は、溶剤の割合が溶剤の水への溶解度を下回るまで水を一気に加えることにより、水中へ溶剤を抽出する。
例えば有機溶剤(B)に酢酸エチルを用いる場合には、溶液(C1)に対して加える水の重量は、溶液(C1)の重量に対して400〜500重量%が好ましい。
操作は室温(10〜40℃)、常圧下で行なうのが好ましい。
脱溶剤は溶液(C1)中の有機溶剤(B)の含有量が溶液(C1)の重量に対して10重量%以下になるまで行なう。有機溶剤(B)の含有量は加える水の量および有機溶剤(B)の水への溶解度から計算できる。
脱溶剤後、必要に応じその後も引き続き溶剤(B)除去工程を行う。
また、白色顔料等の余計な着色があってはならない用途や、乳化に用いた活性剤が使用に際し悪影響を及ぼすような用途で中空樹脂粒子(P)を使用する場合は、以下の方法で精製することが好ましい。すなわち、遠心分離およびイオン交換水への再分散を繰り返すことにより粒子を洗浄し、分散液の電導度が200μS以下になるまで洗浄を繰り返す。
第2発明は、製造工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の前駆体(p0)の有機溶剤(B)の溶液(C2)であって、溶液(C2)の重量に基づいて前駆体(p0)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C2)を製造する。
溶液(C2)の重量に基づいて前駆体(p0)の濃度は、好ましくは粒子強度および空隙率の観点から1〜10重量%である。
前駆体(p0)の濃度が0.5重量%未満であれば、粒子強度が低下してしまい、30重量%を超えれば空隙率の低下につながる。
第1発明と同様に行なう。
溶液(C2)を水分散液(D)中に分散し分散液(E2)を製造する工程は、第1発明と同様に行なう。
樹脂(p)の前駆体(p0)がポリイソシアネート化合物(p01)の場合は、溶液(C2)を水中に分散した時から、イソシアネート基の水伸長反応により前駆体(p0)の重合反応が開始する。前駆体(p0)が不飽和基含有化合物(p02)の場合は、加熱等を行なうことにより重合反応を開始する。
本工程で樹脂粒子(P)中に2個以上の空孔を有する中空樹脂粒子が形成されるが、そのメカニズムとしては、樹脂の伸長に伴う相分離であると推定される。
脱溶剤は、発明1と同様に行なう。
また、必要に応じ脱溶剤工程後も、引き続き溶剤(B)除去工程を行うことが好ましい。
分散液(F)を得た後、重合反応を完結させるために熟成反応を行なうことが好ましい。具体的操作としては、例えば、分散液(F)を50〜100℃で数時間攪拌することが好ましい。
また、バインダー(結合剤)としては、例えば、デンプン、変性デンプン、カゼイン等の天然バインダー、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル系重合体エマルジョン、ポリクロロプレンラテックス、ポリビニルアルコール等の合成バインダーを挙げることができ、これらのバインダーは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、特に、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを単独で又はデンプン、カゼイン等の天然バインダーと組合せて用いることが好ましい。バインダーの配合量は、好ましくは、顔料及び中空樹脂粒子(P)の合計100重量部に対して3〜30重量部、さらに好ましくは、5〜25重量部である。バインダーの配合量が3重量部未満であると、バインダーとしての効果が得られないことがあり、30重量部を超えると紙塗工用組成物又はコーティング用組成物の粘度が上昇して塗工作業性が劣ることがある。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらによっていかなる制限を受けるものではない。なお、以下の記載において「部」及び「%」は、特別に規定しない限り重量部および重量%を示す。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、25℃で、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度85℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液(M−1)]を得た。[微粒子分散液(M−1)]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、ヒドロキシル価が56のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、ダイセル化学工業(株)製]2,000部を投入し−0.2MPaの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと記載することがある。)457部を投入し、110℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート含量は3.6%であった。これを前駆体(p0−1)とする。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、エチレンジアミン50部とメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと記載することがある。)50部を仕込み、生成水を除去しながら50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を[硬化剤1]とする。
ビーカー内に水393部、[微粒子分散液(M−1)]120部、カルボキシメチルセルロースの1%水溶液281部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)139部を25℃で均一になるまで混合攪拌し、乳白色の液体を得た。この液体にさらに酢酸エチルを67部加え、25℃で均一になるまで混合撹拌し、酢酸エチルで飽和させた乳白色の水溶液を得た。これを水分散液(D−1)とする。
製造例4において水を513部に増量し、[微粒子分散液(M−1)]120部を加えないこと以外は製造例4と同様にして水溶液を調製した。これを水分散液(D−2)とする。
<製造例6>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧下、230℃で6時間重縮合し、数平均分子量2,400、水酸基価51、酸価5の変性されていないポリエステル樹脂(p−1)を得た。
撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに−0.15MPa(ゲージ圧力、以下同じである。)の減圧で5時間反応した。その後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、重量平均分子量72,000、遊離イソシアネート含量0.7%の[ウレタン変性ポリエステル1]前駆体(p0−2)を得た。
表1に示すような配合部数を容器中に入れ、均一になるまで混合撹拌し、透明な溶液(C)を得た。ただし、溶液(C)調製時に硬化剤1は一番最後に加えるものとする。
ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(p0−3)(デュラネートTPA-100、旭化成ケミカルズ株式会社製)
有機溶剤(B−1)酢酸エチルの相溶性パラメータは9.0であり、微粒子(M−1)の相溶性パラメータ9.5であり、その差は0.5である。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水109.5部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製商品名:F65)0.2部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を投入した。その一方で、メタクリル酸メチル90部、メタクリル酸10部、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート0.5部、乳化剤(花王(株)製商品名:F65)0.1部及び水40部を混合撹絆してモノマー混合物の水性分散体を調製した。このモノマー混合物の水性分散体の20%を前記反応容器に投入し、攪拌しながら温度75℃まで昇温して1時間重合反応を行なった。その後温度を75℃に保ちながら、残りのモノマー混合物の水性分散体を連続的に2時間かけて反応容器に添加した。さらに、2時間熟成を行い、固形分40%、粒子径200nm、重量平均分子量70,000のポリマー粒子の水性分散体を得た。容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水186部を投入し、ポリマー粒子の水性分散体を固形分で10部(水性分散体で25部)、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を投入した。その一方で、メタクリル酸メチル69.5部、メタクリル酸30部、ジビニルベンゼン0.5部(純度80%)、乳化剤(花王(株)製商品名:F65)0.1部及び水40部を混合攪拌してモノマー混合物の水性分散体を調製した。次に、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持し、上記モノマー混合物の水性分散体を反応容器に連続的に3時間かけて投入した。その後、さらに2時間熟成を行ない、固形分31%、粒子径400nmの[核微粒子1]の水性分散体を得た。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調製直後の表1の溶液(C2−1)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数12,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−1)を得た。分散液(E2−1)の液滴の体積平均粒子径は4.1μmであった。酢酸エチルの20℃における水100gに対する溶解度は8.1gである。
続いて、水4000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、すみやかに分散液(E2−1)1000部を投入して、希釈し、中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を8%まで減少させて脱溶剤を行なった。
50℃で5時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−1)を得た。得られた分散液(F−1)を濾別、50℃で24時間乾燥を行い中空樹脂粒子(P−1)を得た。体積平均粒径は3.9μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調製直後の表1の溶液(C2−2)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−2)を得た。分散液(E2−2)の液滴の体積平均粒子径は4.0μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−2)を得た。得られた分散液(F−2)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−2)を得た。体積平均粒径は3.5μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−3)を得た。分散液(E2−3)の液滴の体積平均粒子径は3.9μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−3)を得た。得られた分散液(F−3)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−3)を得た。体積平均粒径は3.6μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−4)を得た。分散液(E2−3)の液滴の体積平均粒子径は4.0μmであった。
続いて、分散液(E2−4)1000部を30分間静置した後、水4000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を8%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で脱溶剤を行った後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−4)を得た。得られた分散液(F−4)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−4)を得た。体積平均粒径は3.6μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−5)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数6,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−5)を得た。分散液(E2−5)の液滴の体積平均粒子径は36.2μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−5)を得た。得られた分散液(F−5)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−5)を得た。体積平均粒径は35.3μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−6)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−6)を得た。分散液(E2−6)の液滴の体積平均粒子径は4.0μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−6を得た。得られた分散液(F−6)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−6)を得た。体積平均粒径は3.5μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−7)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数16,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−7)を得た。分散液(E2−7)の液滴の体積平均粒子径は2.5μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−7)を得た。得られた分散液(F−7)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−7)を得た。体積平均粒径は2.0μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C1−1)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E1−1)を得た。分散液(E1−1)の液滴の体積平均粒子径は3.9μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−8を得た。得られた分散液(F−8を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−8)を得た。体積平均粒径は3.5μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C1−2)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E1−2)を得た。分散液(E1−2)の液滴の体積平均粒子径は3.9μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−9を得た。得られた分散液(F−9)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−9)を得た。体積平均粒径は3.5μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)550部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)450部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数3,500rpmで1分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−8)を得た。分散液(E2−8)の液滴の体積平均粒子径は42.1μmであった。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−10)を得た。得られた分散液(F−10)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−10)を得た。体積平均粒径は40.1μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)700部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)300部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数16,000rpmで20分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2−9)を得た。分散液(E2−9)の液滴の体積平均粒子径は1.0μmであった。
続いて、水4000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、すみやかに分散液(E2−9)1000部を投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を6%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F−11)を得た。得られた分散液(F−10)を遠心分離、乾燥を行い中空樹脂粒子(P−11)を得た。体積平均粒径は0.5μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C1−1)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数10,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E1’−1)を得た。分散液(E1’−1)の液滴の体積平均粒子径は5.5μmであった。
反応容器に、水240部を投入し、製造例8に示した[核微粒子1]の水性分散体を固形分で15部(水性分散体で48.4部)、メタクリル酸メチル5部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.4部を投入した。その一方で、スチレン94部、乳化剤(花王(株)製商品名:F65)0.1部及び水40部を混合攪拌してモノマーの水性分散体を調製した。次に、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持して30分間でメタクリル酸メチルの重合を行い、[核微粒子1]にポリメタクリル酸メチルが複合した複合樹脂粒子を得た、続けてこの反応容器内の液を攪拌しながら80℃に保持して上記モノマーの水性分散体を反応容器に連続的に4時間かけて投入し複合樹脂粒子の表層にスチレンを重合・積層させた。この際、モノマーの水性分散体を投入開始後2時間経過時に、アクリル酸1部を反応容器に一括投入してスチレンと共重合させた。すべてのモノマーの投入終了後2時間熟成を行ない、固形分26.5%、粒子径0.8μm、の樹脂粒子水性分散体を得た。次いで、得られた樹脂粒子水性分散体を25%水酸化アンモニウムを用いてpH10に調整し、24時間放置、その後、攪拌しながら80℃に昇温し3時間加熱処理を行い、粒子径1.0μm、内径0.9nm、体積空孔率56%の単一の空孔を有する球状の中空樹脂粒子(P’−2)の水性分散体を得た。
ビーカー内に水分散液(D−2)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)400部をすみやかに水分散液(D−2)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2’−1)を得た。分散液(E2’−1)の液滴の体積平均粒子径は4.5μmであった。
続いて、水7000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、すみやかに分散液(E2’−1)1000部を投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を5%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F’−2)を得た。得られた水性分散液を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P’−3)を得た。体積平均粒径は4.1μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−3)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2’−2)を得た。分散液(E2’−2)の液滴の体積平均粒子径は3.5μmであった。
続いて、水7000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、すみやかに分散液(E2’−2)1000部を投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を5%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F’−3)を得た。得られた分散液(F’−3)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P’−4)を得た。体積平均粒径は3.0μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−4)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2’−3)を得た。分散液(E2’−3)の液滴の体積平均粒子径は4.2μmであった。
続いて、水7000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、すみやかに分散液(E2’−3)1000部を投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を5%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F’−4)を得た。得られた分散液(F’−4)を濾別、乾燥を行い中空樹脂粒子(P’−5)を得た。体積平均粒径は3.9μmであった。
ビーカー内に水分散液(D−1)600部を用意し、調整直後の表1の溶液(C2−2)400部をすみやかに水分散液(D−1)へ添加した後、TKホモミキサー(プライミクス社製)を使用し、25℃、回転数14,000rpmで5分間混合し、多官能イソシアネートの水伸長中空樹脂粒子が分散した分散液(E2’−4)を得た。分散液(E2’−4)の液滴の体積平均粒子径は2.8μmであった。
分散液(E2’−4)1000部を2時間静置した後、水7000部を入れた撹拌棒および温度計をセットした反応容器に投入し、希釈し中空樹脂粒子内部の酢酸エチル濃度を5%まで減少させて脱溶剤を行った。
50℃で7時間、減圧(−0.02MPa)で溶剤を除去した後、95℃まで温度を上げ、8時間熟成を行い、分散液(F’−5)を得た。得られた分散液(F’−5)を濾別、乾燥を行い樹脂粒子(P’−6)を得た。体積平均粒径は2.3μmであった。
樹脂粒子(P’−6)の平均空孔径の測定を試みたが、中空の空孔は得られなかった。
また、比較例3に示すように、微粒子(M)を添加しない系では、空孔率が低かった。比較例4では油相中の樹脂濃度が0.3重量%と低く、中空粒子ではあるが、粒子としての強度がほとんどなかった。逆に比較例5では樹脂濃度が50重量%と高いため、空孔数および空孔率が低かった。その他、比較例6に示すように、脱溶剤までの時間を長くすると中空粒子は得られなかった。また、実施例2〜4に示したように、2つ以上の空孔を有する中空樹脂粒子は、同一の粒子径の中空樹脂粒子において、空孔数が多い程強度が強い。
(1)体積平均粒径の評価
フロー式画像解析粒子径測定装置(FPIA3000[シスメックス社製])を用いて、体積平均粒径を測定した。
中空樹脂粒子(P)を市販のエポキシ樹脂中に分散させ、加熱により硬化させた後、ダイヤモンドカッターで、該樹脂を切断した断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察する。
画像中の空孔の空孔径を確認。20個の粒子を測定し、その平均を平均空孔径とした。
上記(2)の方法で測定した平均空孔径から、空孔の平均体積を計算する。
下記の方法で粒子の空孔率を測定し、その空孔率を空孔の平均体積で割り、算出した。
市販のパウダーテスターを用いて固め比重を測定し、その積層状態が細密充填であると仮定し、下記数式に従い空間容積を計算した。実施例記載の樹脂の比重はすべて1.15であった。
中空樹脂粒子(P)をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量%水溶液中に固形分が20重量%になるよう混合した後、超音波洗浄機を用いて60分間分散させた。得られた分散液を表面をコロナ処理したPETフィルム上に乾燥後20μmの厚さになるようワイヤーコーターを用いて塗工した後、50℃で24時間乾燥させた。得られたフィルムをフィッシャー硬度計で荷重を与え、破断点(降伏点)を評価した。フィッシャー硬度計の圧子は一辺が100μmの正方形の面を持つものを用い、最大荷重を200mNに設定した。荷重の印加速度は5mN/秒とした。中空樹脂粒子に破断点以上の負荷がかかった場合、中空樹脂粒子はもとの形に戻ることが出来ないため、破断点をもって、強度とした。
Claims (7)
- 製造工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする、中空樹脂粒子(P)の製造方法。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の有機溶剤(B)の溶液(C1)であって、有機溶剤(B)の20℃における水100gに対する溶解度が0.1〜30gであり、溶液(C1)の重量に基づいて樹脂(p)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C1)を製造する。
製造工程(2);体積平均粒子径が0.02〜1μmである微粒子(M)を水中に分散し
た水分散液(D)を製造する。
製造工程(3);溶液(C1)と水分散液(D)を混合、分散し分散液(E1)を製造す
る。
製造工程(4);製造工程(3)の分散終了後から1時間以内に、溶液(C1)中の有機
溶剤(B)の含有量が溶液(C1)の重量に対して10重量%以下になるまで、分散液(
E1)の脱溶剤を行って粒子形成を行ない、中空樹脂粒子(P)を製造する。ただし、脱
溶剤は、製造工程(3)の分散終了後水を添加し、溶液(C1)中の有機溶剤(B)を溶
液(C1)中から水中に抽出する方法である。 - 製造工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする、中空樹脂粒子(P)の製造方法。
製造工程(1);中空樹脂粒子(P)のシェルを形成する樹脂(p)の前駆体(p0)の有機溶剤(B)の溶液(C2)であって、有機溶剤(B)の20℃における水100gに対する溶解度が0.1〜30gであり、溶液(C2)の重量に基づいて前駆体(p0)の濃度が0.5〜30重量%である溶液(C2)を製造する。
製造工程(2);体積平均粒子径が0.02〜1μmである微粒子(M)を水中に分散した水分散液(D)を製造する。
製造工程(3);溶液(C2)と水分散液(D)を混合、分散し分散液(E2)を製造するとともに前駆体(p0)の重合反応を行なう。
製造工程(4);製造工程(3)の分散終了後から1時間以内に、溶液(C2)中の有機
溶剤(B)の含有量が溶液(C2)の重量に対して10重量%以下になるまで分散液(E
2)の脱溶剤を行って粒子形成を行ない、中空樹脂粒子(P)を製造する。ただし、脱溶
剤は、製造工程(3)の分散終了後水を添加し、溶液(C2)中の有機溶剤(B)を溶液
(C2)中から水中に抽出する方法である。 - 前駆体(p0)がポリイソシアネート化合物(p01)である請求項2に記載の製造方法。
- ポリイソシアネート化合物(p01)がジイソシアネート化合物の3量体である請求項3に記載の製造方法。
- 有機溶剤(B)の相溶性パラメータと微粒子(M)の相溶性パラメータとの差が、0.01〜3である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 製造工程(3)において、溶液(C1)又は溶液(C2)が水分散液(D)中に分散された液滴の体積平均粒子径が、0.1〜40μmになるまで分散を行なう請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 微粒子(M)が、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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