JP5342128B2 - 中空樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空樹脂粒子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、小粒径の中空樹脂粒子の簡便な製造方法に関する。
従来、中空樹脂粒子としては低沸点炭化水素とビニルモノマーの均一混合液を水性媒体中で懸濁重合を行い熱膨張性マイクロカプセルを製造した後、加熱膨張を行うことにより中空樹脂粒子を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、熱膨張性マイクロカプセルから得られる中空樹脂粒子は製造プロセス上、加熱膨張工程を有するが、加熱時に変形可能なシェルとするために、シェル強度を強く出来ないという問題があった。
国際公開W099/43758号パンフレット
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、シェル強度の高い中空樹脂粒子を提供することである。
本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、微粒子(A)を含有する樹脂(b)をシェルとし、樹脂(b)がポリウレタン樹脂であることを特徴とする中空樹脂粒子である。
本発明の中空樹脂粒子は、シェル強度が高いとの効果を有する。
本発明の中空樹脂粒子は、微粒子(A)を含有する樹脂(b)をシェルとする。微粒子(A)の体積平均粒径は、シェル形成の観点から3μm以下であることが好ましく、中空樹脂粒子のシェル強度の観点より好ましくは0.001μm以上であり、さらに好ましくは0.005μm以上、特に好ましくは0.01μm以上であり、さらに好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。
本発明の中空樹脂粒子を構成するシェルにおける、微粒子(A):樹脂(b)の重量比は好ましくは20:80〜90:10、より好ましくは30:70〜70:30である。
微粒子(A)としては、樹脂(a0)からなる樹脂微粒子(A0)、樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)、親水性無機微粒子(A2)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのなかで、好ましいものは、樹脂微粒子(A0)、および樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)である。
樹脂(a0)としては、水性分散液を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えばビニル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。樹脂(a0)としては、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散液が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
樹脂(a0)は、水性分散液(G)中で樹脂微粒子(A0)を形成することが必要であることから、少なくとも水性分散液(G)を形成する条件下で水に完全に溶解していないことが必要である。そのため、樹脂が共重合体である場合には、樹脂を構成する疎水性モノマーと親水性モノマーの比率は、選ばれるモノマーの種類によるが、一般に疎水性モノマーが10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。疎水性モノマーの比率が、10%以下になるとビニル系樹脂が水溶性になり、樹脂微粒子(A0)の貯蔵安定性が損なわれる。ここで、親水性モノマーとは、親水基を有するモノマー、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン基、燐酸基、チオール基等を有するモノマー、及びその塩をいうものとする。
樹脂(a0)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは40℃〜250℃、より好ましくは70℃〜200℃である。水性分散体(X)を作製する温度よりTgが低いと、樹脂微粒子(A0)によるシェル強度を増す効果が小さくなる。なお、本発明におけるTgは、DSC測定から求められる値である。
樹脂微粒子(A0)が水や分散時に用いる溶剤に対して、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、樹脂(a0)の分子量、溶解度パラメータ(以下、SP値と記載。)(SP値の計算方法はPolymerEngineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2,P.147〜154による)、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
なお、SP値は、Fedors法によって計算される値であり、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
樹脂(a0)には、架橋構造を導入させても良い。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。
樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)の製造方法は特に限定されず、アルキルリチウムなどの有機金属やシランカップリング剤などの金属アルコキシドと無機粒子表面の官能基を反応させる化学的手法や、湿式スプレー法、乾式混合法、超臨界流体を用いた複合化などの機械的手法などが挙げられる。
無機微粒子(A1)としては特に限定されず、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、シロキサン化合物などが挙げられる。
親水性無機微粒子(A2)としては、例えばシリカ、マグネシア、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物、および炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩が挙げられる。
本発明の樹脂(b)としては、樹脂(a)と同様に、公知の樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、その具体例についても、(a)と同様のものが使用できる。(b)は、用途・目的に応じて適宜好ましいもの選択することができる。樹脂(b)として好ましいものは、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、およびポリエステル樹脂が挙げられる。
本発明の中空樹脂粒子の製造方法において、用いられる溶剤(c)のSP値は、7〜11であることが好ましく、8.0〜10.8であることがさらに好ましい。
溶剤(c)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
本発明の中空樹脂粒子の製造方法は、第1工程:体積平均粒径が好ましくは0.001〜3μmの微粒子(A)が分散した水性分散液(G)を製造する、第2工程:溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液であって樹脂(b)又は前駆体(b0)の濃度が0.1〜40重量%である樹脂(b)又は前駆体(b0)の溶液を水性分散液(G)に分散させ、第3工程:前駆体(b0)を分散させた場合、(b0)を重合させて樹脂(b)とし、第4工程:溶剤(c)を、系外に留去または水中に抽出して除去することにより、微粒子(A)を含有する樹脂(b)をシェルとする中空樹脂粒子を形成させる、以上の3つの工程からなる。
以下、各工程について順に説明する。
第1工程において、樹脂(a0)からなる樹脂微粒子(A0)が分散されてなる水性分散液(G)を製造する方法は、特に限定されないが、以下の(1)〜(8)の方法が好ましい。
(1)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の乳化剤又は分散剤存在下の重合反応により、直接、微粒子(A)の水性分散液を製造する方法、
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて微粒子(A)の水性分散液を製造する方法、
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
(4)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(5)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(6)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(7)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法、
(8)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)、または親水性無機微粒子(A2)からなる微粒子(A)が分散されてなる水性分散液(G)を製造する方法は、特に限定されないが、あらかじめ作製した樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)、または親水性無機微粒子(A2)を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散機により分散させる方法が好ましい。水性分散液(G)中の微粒子(A)の含有量は、水性分散液(G)の重量に対して、5〜60重量%が好ましく、10〜50重量%がさらに好ましい。
本発明における分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
第2工程において、溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液であって、樹脂(b)又は前駆体(b0)の濃度が0.1〜40重量%であることが好ましく、3〜35重量%がさらに好ましい。樹脂(b)又は前駆体(b0)の溶液を水性分散液(G)に加え、分散することにより、溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液と微粒子(A)からなる粒子が形成される。
溶剤(c)の重量に対する樹脂(b)又は前駆体(b0)の濃度が40重量%を超えると中空形状になりにくく、0.1重量%を下回るとシェル強度が弱くなる。
溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液を微粒子(A)の水性分散液に分散させる際、分散時の温度としては、通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃である。圧力は通常0〜1MPa、好ましくは0〜0.3MPaである。
溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液を微粒子(A)の水性分散液に分散させる際、上記に例示の分散装置を用いることができる。
水性分散液(G)に対する溶剤(c)の樹脂(b)又は樹脂(b)の前駆体(b0)の溶液の重量としては、生産性の観点から、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは8〜60重量%である。
本発明の樹脂(b)の前駆体(b0)としては、ビニル基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、加水分解性シリル基、ブロック化カルボキシル基、ブロック化アミノ基およびブロック化イソシアネート基など反応性基を有するものが好ましい。
樹脂(b)の前駆体(b0)としては、2種類以上の混合物、又はその反応生成物であってもよく、例えばジオールとポリイソシアネート、3価以上のポリオール、ジオール及びポリイソシアネート、ポリアミンとポリイソシアネート、ジカルボン酸と3価以上のポリオール、3価以上のポリカルボン酸とポリアミン、ポリチオールとポリアミン、3価以上のポリカルボン酸とポリエポキシド、ポリアミンとポリエポキシド、ウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
第3工程において、前駆体(b0)を重合させる際の温度としては、通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃である。圧力は通常0〜1MPa、好ましくは0〜0.3MPaである。
樹脂(b)の数平均分子量(以下、Mnともいう。)は、通常2,000〜50万、好ましくは4,000〜20万であり、(b)のSP値は、通常7〜18、好ましくは8〜14である。
樹脂(b)の前駆体(b0)の数平均分子量(以下、Mnともいう。)は、通常1,000以下であり、SP値は、通常7〜18、好ましくは8〜14である。
第4工程において、溶剤(c)を系外に留去または水中に抽出して除去する方法としては、例えば以下の〔1〕〜〔3〕及びこれらを組合せた方法等が適用できる。
〔1〕一般的な攪拌脱溶剤槽やフィルムエバポレータ等において、加熱及び/又は減圧により脱溶剤する方法。
〔2〕液面、あるいは液中において不活性ガスをブローして脱溶剤する方法。
〔3〕第3工程までで製造された水性分散液を水性媒体で希釈し、(c)を水連続相中に抽出する方法。
上記〔1〕の方法で、加熱する際の温度は、樹脂(a0)が結晶性であれば融点(Tm)以下、また樹脂(a0)が非晶性であればガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、通常TmあるいはTgの5℃以下が好ましく、より好ましくは10℃以下、特に好ましくは20℃以下である。減圧する際の減圧度(ゲージ圧)は、−0.03MPa以下が好ましく、より好ましくは−0.05MPa以下である。
上記〔3〕の方法は、溶剤(c)が水性媒体に対する溶解性を有する場合に、好ましい方法である。一般的には、〔1〕の方法が好ましい。
溶剤(c)を除去する時間としては、生産性の観点から48時間以内が好ましく、より好ましくは36時間以内、最も好ましくは30時間以内である。
溶剤(c)の残存量としては水性分散液(G)に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。
水性分散体(X)から水性媒体を除去することにより中空樹脂粒子を取り出せる。
水性媒体を除去する方法としては特に限定されず、例えばろ過を行う方法、遠心分離する方法、凍結乾燥する方法等が適用できる。
本発明の中空樹脂粒子の体積平均粒径Dは、好ましくは0.1μm以上50μm以下であり、粉体としての安定性の観点からより好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であり、中空構造の安定性の観点からより好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下である。
また、(D)の粒度分布の幅を示す指標である[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]は粉体流動性の観点から1.0〜1.3が好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。
樹脂粒子(D)の体積平均粒径DV及び個数平均粒子径DNはフロー式粒子像解析装置、例えばシスメックス株式会社製:FPIA−2100を使用し、試料は例えば水性分散体(X)をイオン交換水で希釈したものを用い測定することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」、%は重量%を意味する。
特性値の測定方法は以下の通りである。
なお、実施例1、2、および5は参考例である。
<中空樹脂粒子の体積平均粒子径>
体積平均粒子径および粒度分布の測定は、フロー式粒子像分析装置を用い、以下の条件で測定した。
装置 :シスメックス社製 FPIA−3000
測定範囲 :0.5μm〜200μm
<微粒子(A)の体積平均粒子径>
動的光散乱粒子径測定法[測定器は大塚電子社製:DLS−7000、試料は樹脂粒子水分散液をイオン交換水で400倍に希釈して調製した。]で測定した。
<比重>
10mlのメスシリンダーに中空樹脂粒子を正確に0.1g量りとり、その容器にイオン交換水を総量が10mlになるよう入れる。その際入れたイオン交換水の重量を測定しておき、下記式により比重を算出する。
Figure 0005342128
<シェル強度>
フィッシャースコープH100C(フィッシャーインスツルメント製)を使用し、25℃雰囲気下、試料台上で粒子の中心方向に対し該粒子に荷重をかけ、粒子径の10%まで変位した際の荷重値、変位値から上記で記載した次式にて算出される10%変位時圧縮弾性率を測定した。
[10%変位時圧縮弾性率]=3F/(2SR)1/2
ここでFは圧縮荷重を表す。Sは圧縮変位、Rは粒子半径を表す。測定は25℃において行なった。圧縮荷重、圧縮変位は測定値を用いた。粒子半径は上記体積平均粒子径を用いた。
<分子量>
分子量測定に際しては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により、以下の条件で測定した。
装置 :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム :TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
溶液注入量:100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン
<製造例1>イソシアネート基とケチミン基を有する樹脂前駆体(b0−1)の製造
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、ジメチルシリコーンの両末端を水酸基で変性したポリヘキサメチレンイソフタレートジオール(Mn2,000、ヒドロキシル価56)171.4部、イソホロンジアミン54部とメチルエチルケトン21部を投入し60℃に加熱して8時間熟成後、減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)で脱水した。続いてイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと記載)28.6部、キシレン1100部を投入し、110℃で10時間反応を行い、イソシアネート基含量0.98%のイソシアネート基とケチミン基を有する樹脂前駆体(b0−1)275部のキシレン溶液1375部を合成した。
<製造例2>水性分散液(G−1)の製造
耐圧反応容器に、イオン交換水740部、ドデシル硫酸ナトリウム50部、過硫酸アンモニウム10部、を仕込み、反応容器内の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉として攪拌を開始し、80℃まで昇温した。ついで、スチレン60部、メタクリル酸メチル60部、ジビニルベンゼン80部の比率(重量比)で混合したモノマー200部を2時間かけて滴下した。さらに、同温度で2時間熟成し、樹脂粒子が分散した水性分散液(G−1)を得た。水性分散液(G−1)中の樹脂微粒子(A0−1)の体積平均粒径は0.06μmであった。ここで使用する過硫酸アンモニウムは重合開始剤である。
<製造例3>水性分散液(G−2)
水性分散液(G−2)として、親水性無機微粒子コロイダルシリカ(A2−1)(体積平均粒径0.35μm、固形分濃度20重量%)[扶桑化学工業(株)製]を用いた。
<製造例4>水性分散液(G−3)
キシレン3020部にポリスチレン(重量平均分子量:37,000)37部を加え溶解した後、炭酸カルシウム(ルミナス、丸尾カルシウム社製)120部を加え、超音波を照射して均一に分散させた。この分散液を液滴量40pl(ピコリットル)で噴霧させ、ポリスチレンで被覆された炭酸カルシウム粒子(A1−1)を作成した。さらにこの粒子26部をイオン交換水1174部に加え、ダイノミル[シンマルエンタープライゼス社製]で12時間分散することにより水性分散液(G−3)を得た。水性分散液(G−3)中の(A1−1)の体積平均粒径は0.36μmであった。
<実施例1>
ビーカー内に樹脂(b−1)(ポリスチレン、重量平均分子量:37,000)160部とキシレン(SP値8.8)640部とを混合、溶解し、固形分濃度20重量%の溶液(L−1)を得た。
また、別のビーカー内に水性分散液(G−1)130部と水1070部を配合し、良く撹拌した。
そこに、(L−1)を添加し、25℃でTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて、12000rpmで2分間撹拌した。
分散液をフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤した後、分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥し、本発明の中空樹脂粒子(D−1)を得た。
<実施例2>
ビーカー内に樹脂(b−1)(ポリスチレン、重量平均分子量:37,000)160部とペンタン(SP値7.0)640部とを混合、溶解し、固形分濃度20重量%の溶液(L−2)を得た。
また、別のビーカー内に水性分散液(G−2)130部と水1070部を配合し、良く撹拌した。
そこに、(L−2)を添加し、25℃でTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて、12000rpmで2分間撹拌した。
分散液をフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤した後、分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥し、本発明の中空樹脂粒子(D−2)を得た。
<実施例3>
ビーカー内に樹脂前駆体(b0−1)8部とペンタン(SP値7.0)792部とを混合、溶解し、固形分濃度0.1重量%の溶液(L−3)を得た。
また、別のビーカー内に水性分散液(G−1)130部と水1070部を配合し、良く撹拌した。
そこに、(L−3)を添加し、25℃でTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて、12000rpmで2分間撹拌した。
分散液をフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤した後、分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥し、本発明の中空樹脂粒子(D−3)を得た。
<実施例4>
ビーカー内に樹脂前駆体(b0−1)320部とメチルセロソルブ(SP値11)480部とを混合、溶解し、固形分濃度40重量%の溶液(L−4)を得た。
また、別のビーカー内に水性分散液(G−2)130部と水1070部を配合し、良く撹拌した。
そこに、(L−4)を添加し、25℃でTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて、12000rpmで2分間撹拌した。
分散液をフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤した後、分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥し、本発明の中空樹脂粒子(D−4)を得た。
<実施例5>
ビーカー内に樹脂(b−1)(ポリスチレン、重量平均分子量:37,000)160部とキシレン(SP値8.8)640部とを混合、溶解し、固形分濃度20重量%の溶液(L−5)を得た。
水性分散液(G−3)1200部を入れた別のビーカー内に(L−5)を添加し、25℃でTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて、12000rpmで2分間撹拌した。
分散液をフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤した後、分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥し、本発明の中空樹脂粒子(D−5)を得た。
<比較例1>
脱イオン水120重量部、20%コロイダルシリカ水溶液21.6重量部、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.0重量部及び硫酸ナトリウム42重量部を均一に混合した後、これに、アクリロニトリル39.5重量部(745ミリモル)、メチルメタクリレート10重量部(100ミリモル)、n−ペンタン13重量部及びアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部からなる溶液を加え、ホモミキサー(特殊機械(株)製 ROBOMICS、4000rpm)を用いて2分間撹拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を耐圧反応容器に移し、ゲージ圧0.25MPa、60℃にて20時間重合させた。次いで分級後、乾燥機中で40℃で1時間乾燥した。さらに電気炉中で100℃、30分間加熱膨張工程を行い、比較用中空樹脂粒子(R−1)を得た。
実施例1〜5、比較例1について、得られた中空樹脂粒子の比重及びシェル強度について、上記の方法で評価して表1の結果を得た。
実施例1〜4は、比較例1に比べて、シェル強度が高いことがわかる。
本発明の中空樹脂粒子の製造方法は、加熱膨張工程を特に必要とせず、簡便なプロセスにより中空樹脂粒子を製造することが出来る。また、本発明の中空樹脂粒子の製造方法によれば、およそ30μm以下の小粒径の中空樹脂粒子を得ることができる。
Figure 0005342128
本発明の中空樹脂粒子は、汎用樹脂のフィラー、塗料用添加剤、電子部品等の用途に幅広く用いることができる。

Claims (3)

  1. 微粒子(A)を含有する樹脂(b)をシェルとし、樹脂(b)がポリウレタン樹脂であることを特徴とする中空樹脂粒子であって、微粒子(A)が、樹脂(a0)を含有する樹脂微粒子(A0)、樹脂(a0)により被覆された無機微粒子(A1)及び親水性無機微粒子(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、親水性無機微粒子(A2)が、シリカ、マグネシア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である中空樹脂粒子
  2. 微粒子(A)の体積平均粒径が0.001〜3μmである請求項1に記載の中空樹脂粒子。
  3. 樹脂(b)の前駆体(b0)が溶解度パラメータが7〜11の溶剤(c)に溶解した溶液であって溶液の重量に基づいて前駆体(b0)の濃度が0.1〜40重量%である溶液を、微粒子(A)の水性分散液(G)中に分散させ、前駆体(b0)を重合させて樹脂(b)とし、溶剤(c)を系外に留去または水中に抽出して除去することにより、微粒子(A)を含有する樹脂(b)をシェルとする中空樹脂粒子の水性分散体(X)を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空樹脂粒子の製造方法。
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