JP5349184B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガス(流体)を流すための燃料ガス流路(流体流路)と、カソード側電極に対向して酸化剤ガス(流体)を流すための酸化剤ガス流路(流体流路)とが設けられている。さらに、セパレータの周縁部には、前記セパレータの積層方向に貫通して、燃料ガス流路に連通する流体連通孔である燃料ガス入口連通孔及び燃料ガス出口連通孔と、酸化剤ガス流路に連通する流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔とが形成されている。
また、セパレータ間には、電解質膜・電極構造体を冷却するための冷却媒体流路(流体流路)が設けられるとともに、積層方向に貫通して前記冷却媒体流路に連通する流体連通孔である冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔が形成されている。すなわち、内部マニホールド型燃料電池を構成している。
その際、流体流路と流体連通孔とは、流体を円滑且つ均等に流すために平行溝部等を有する連結流路(連結ブリッジ部)を介して連通している。ところが、セパレータと電解質・電極構造体とを、シール部材を介装して締め付け固定する際に、このシール部材が連結流路内に進入してしまい、所望のシール性を維持することができず、しかも流体が良好に流れないという問題がある。
そこで、特許文献1に開示されている固体高分子型燃料電池スタックでは、図13に示すように、セパレータ1の面内に蛇行する反応ガス、例えば、酸化剤ガス流路2が形成されている。この酸化剤ガス流路2は、セパレータ1の周縁部に積層方向に貫通した酸化剤ガス供給用貫通孔3と酸化剤ガス排出用貫通孔4とに連通している。セパレータ1にはパッキン5が配置されており、このセパレータ1の面内で貫通孔3、4と酸化剤ガス流路2とを連通するとともに、他の貫通孔をこれらからシールしている。
貫通孔3、4と酸化剤ガス流路2とを連通する連結流路6a、6bには、この連結流路6a、6bを覆ってSUS板7が配置されている。SUS板7は長方形状に構成されており、それぞれ2箇所に耳部7a、7bが設けられるとともに、各耳部7a、7bは、セパレータ1に形成された段差部8に嵌合している。
このように、特許文献1では、SUS板7が連結流路6a、6bを覆っているために、高分子膜(図示せず)及びパッキン5が酸化剤ガス流路2に落ち込むことがなく、所望のシール性を確保して、反応ガスの圧力損失の増大を防止することができる、としている。
特開2001−266911号公報
上記の特許文献1において、セパレータ1の面にゴムブリッジ(ゴム製流路部材)を介して連結流路6a、6bを形成する場合がある。しかしながら、シールの荷重変動やゴムの耐久劣化等に起因するゴムブリッジの変形により、連結流路6a、6bが閉塞されるおそれがある。このため、酸化剤ガス等の供給不良が惹起し、燃料電池の出力性能が低下するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、経済的且つ簡単な構成で、連結ブリッジ部の潰れによる流路の閉塞を可及的に阻止することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックに関するものである。
そして、金属セパレータには、流体流路と流体連通孔との間を連通する連結ブリッジ部が設けられるとともに、前記連結ブリッジ部は、前記金属セパレータに一体に設けられる樹脂製通路部材を有し、複数の前記樹脂製通路部材は、前記金属セパレータ上に樹脂製連結部を介して連続的に成形されている。
また、金属セパレータと樹脂製通路部材との間には、ゴム製被覆部材が介装されることが好ましい。
また、樹脂製通路部材は、金属セパレータに設けられた開口部を介して前記金属セパレータの両面に一体成形されることが好ましい。
さらに、金属セパレータには、シール部材が一体成形されるとともに、樹脂製通路部材と前記シール部材とは、積層方向に互いの一部を重ね合わせて成形されることが好ましい。
本発明によれば、連結ブリッジ部が樹脂製通路部材を有するため、ゴムブリッジ部に比べて耐久劣化による寸法変化を良好に抑制することができる。従って、経済的且つ簡単な構成で、連結ブリッジ部の潰れによる流路の閉塞を可及的に阻止することが可能になり、流体の円滑な流通を確保して所望の出力性能を確実に維持することができる。
本発明に関連する燃料電池スタックを構成する燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの、図1中、II−II線断面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの一方の面の説明図である。 前記第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。 本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 本発明に関連する燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックの要部断面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの要部斜視説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池スタックを構成するセパレータの説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明に関連する燃料電池スタック10は、複数の燃料電池12を水平方向(矢印A方向)又は鉛直方向(矢印C方向)に積層して構成される。
燃料電池12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)14が、第1金属セパレータ16及び第2金属セパレータ18に挟持される。第1金属セパレータ16及び第2金属セパレータ18は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、あるいはめっき処理鋼板等により構成されるとともに、後述する流路を形成するために波板形状にプレス加工されている。
図1に示すように、燃料電池12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔22a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔24bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔22b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔20bが、矢印C方向に配列して設けられる。
図1及び図3に示すように、第1金属セパレータ16の電解質膜・電極構造体14側の面16aには、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路(流体流路)26が設けられる。酸化剤ガス流路26は、第1金属セパレータ16を波形状に成形することにより設けられる複数の溝部を備えている。酸化剤ガス流路26と酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bとは、連結ブリッジ部28a、28bを介して連通する。第1金属セパレータ16の面16bには、酸化剤ガス流路26の裏面形状である冷却媒体流路29の一部が形成される。
第1金属セパレータ16の面16a、16bには、この第1金属セパレータ16の外周端縁部を周回して、第1シール部材(ゴム製シール部材)30が射出成形等により一体成形される。第1シール部材30は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコンゴム、フロロシリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
連結ブリッジ部28aは、図3及び図4に示すように、面16a上に互いに離間して矢印C方向に断続的に配列される複数の樹脂製通路部材32aを有し、前記樹脂製通路部材32a間に通路33aが形成される。樹脂製通路部材32aは、第1金属セパレータ16の面16aに、例えば、インサート成形等により一体成形される他、別体に成形された後に前記面16aに貼り付けることにより一体に設けることもできる。
樹脂製通路部材32aは、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PA(ポリアミド)、PEN(ポリエーテルニトリル)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等で構成される。
連結ブリッジ部28bは、上記の連結ブリッジ部28aと同様に、複数の樹脂製通路部材32bを有するとともに、前記樹脂製通路部材32b間に通路33bが形成されており、その詳細な説明は省略する(図3参照)。
図1及び図5に示すように、第2金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体14側の面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通し、矢印B方向に延在する燃料ガス流路(流体流路)34が形成される。燃料ガス流路34は、複数の溝部を備えるとともに、前記燃料ガス流路34と燃料ガス入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔24bとは、連結ブリッジ部36a、36bを介して連通する。第2金属セパレータ18の面18bには、燃料ガス流路34の裏面形状である冷却媒体流路29の一部が形成される。
第2金属セパレータ18の面18a、18bには、この第2金属セパレータ18の外周端部を周回して、第2シール部材(ゴム製シール部材)38が射出成形等により一体成形される。第2シール部材38は、第1シール部材30と同一に構成される。
連結ブリッジ部36aは、図5に示すように、矢印C方向に配列される複数の樹脂製通路部材40aを有し、前記樹脂製通路部材40a間に通路42aが形成される。連結ブリッジ部36bは、同様に複数の樹脂製通路部材40bを有するとともに、前記樹脂製通路部材40b間に通路42bが形成されており、その詳細な説明は省略する。
図1に示すように、第2金属セパレータ18の面18aとは反対の面18bには、冷却媒体入口連通孔22aと冷却媒体出口連通孔22bとに連通する冷却媒体流路(流体流路)29が形成される。冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bの近傍に位置して、連結ブリッジ部44a、44bが形成される。連結ブリッジ部44a、44bは、矢印C方向に配列される複数の樹脂製通路部材46a、46bを有し、前記樹脂製通路部材46a、46b間に通路48a、48bが形成される。
図1及び図2に示すように、電解質膜・電極構造体14は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜50と、前記固体高分子電解質膜50を挟持するアノード側電極52及びカソード側電極54とを備える。
アノード側電極52及びカソード側電極54は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、互いに固体高分子電解質膜50を介装して対向するように、前記固体高分子電解質膜50の両面に形成されている。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、燃料ガスは、図5に示すように、第2金属セパレータ18の燃料ガス入口連通孔24aから連結ブリッジ部36aを通った後、燃料ガス流路34に導入される。燃料ガス流路34では、燃料ガスが矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体14を構成するアノード側電極52に供給される。
一方、酸化剤ガスは、図2〜図4に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aから第1金属セパレータ16に連結ブリッジ部28aを通って酸化剤ガス流路26に導入される。これにより、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路26を矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体14を構成するカソード側電極54に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体14では、カソード側電極54に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極52に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、アノード側電極52に供給されて消費された燃料ガスは、連結ブリッジ部36bを通って燃料ガス出口連通孔24bに排出される(図5参照)。同様に、カソード側電極54に供給されて消費された酸化剤ガスは、連結ブリッジ部28bを通って酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される(図3参照)。
また、冷却媒体入口連通孔22aに供給された冷却媒体は、図1に示すように、連結ブリッジ部44aを通って第1及び第2金属セパレータ16、18間の冷却媒体流路29に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体14を冷却した後、連結ブリッジ部44bを通って冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
この場合、図2〜図4に示すように、第1金属セパレータ16に設けられる連結ブリッジ部28aは、矢印C方向に配列される複数の樹脂製通路部材32aを有し、前記樹脂製通路部材32a間に通路33aが形成されている。
このため、連結ブリッジ部28aは、通常のゴムブリッジ部に比べて耐久劣化による寸法変化を良好に抑制することができる。しかも、燃料電池12に積層荷重により圧縮変形し難い。従って、経済的且つ簡単な構成で、連結ブリッジ部28aの潰れによる通路33aの閉塞を可及的に阻止することが可能になり、燃料電池12は、酸化剤ガスの円滑な流通を確保して所望の出力性能を確実に維持することができるという効果が得られる。
なお、他の連結ブリッジ部28b、36a、36b、44a及び44bにおいても同様に、燃料ガス及び冷却媒体の円滑な流通を確保することが可能になる。また、以下に説明する第の実施形態以降においても、同様である。
図6に示すように、本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータ60は、連結ブリッジ部62aを設ける。連結ブリッジ部62aは、第1金属セパレータ60の面60a上に樹脂製連結部64aを介して矢印C方向に連続的に配列される複数の樹脂製通路部材66aを有し、前記樹脂製通路部材66a間に通路68aが形成される。
このように構成される第の実施形態では、特に連結ブリッジ部62aと第1金属セパレータ60との間に隙間が発生することがない。これにより、第1金属セパレータ60の電位差腐食を可及的に阻止することが可能になる他、上記と同様の効果が得られる。しかも、複数の樹脂製通路部材66aは、樹脂製連結部64aを介して一体に構成されるため、製造が容易になるとともに、第1金属セパレータ60から脱落することを可及的に阻止することができる。
図7に示すように、本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータ70は、連結ブリッジ部72aを設ける。連結ブリッジ部72aは、第1金属セパレータ70の面70a上に設けられるとともに、両側の樹脂製連結部74a、74aの間に矢印C方向に連続的に配列される複数の樹脂製通路部材76aを有する。樹脂製通路部材76a間には、通路78aが形成される。
このように構成される第の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、通路78aが閉塞することを可及的に阻止することができる。
図8に示すように、本発明に関連する燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータ80は、連結ブリッジ部28aを設ける。第1金属セパレータ80と連結ブリッジ部28aを構成する樹脂製通路部材32aとの間には、被覆部材、例えば、ゴム被覆成形部82が介装される。
ゴム被覆成形部82は、第1シール部材30と一体に、又は別体に第1金属セパレータ80の面80aに成形される。ゴム被覆成形部82は、ゴム製フイルムで構成してもよい
図9に示すように、本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータ90は、第の実施形態の連結ブリッジ部62aを設ける。第1金属セパレータ90と連結ブリッジ部62aを構成する樹脂製連結部64aとの間には、被覆部材、例えば、ゴム被覆成形部92が介装される。ゴム被覆成形部92は、第1シール部材30と一体に、又は別体に第1金属セパレータ90の面90aに成形される。
図10に示すように、本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータ100は、第の実施形態の連結ブリッジ部72aを設ける。第1金属セパレータ100と連結ブリッジ部72aを構成する樹脂製連結部74aとの間には、被覆部材、例えば、ゴム被覆成形部102が介装される。ゴム被覆成形部102は、第1シール部材30と一体に、又は別体に第1金属セパレータ100の面100aに成形される。
このように構成される第3及びの実施形態では、上記の第1及びの実施形態と同様の効果が得られる。しかも、ゴム被覆成形部82、92及び102により、金属の電位差腐食を良好に防止するとともに、金属イオンの溶出を阻止することができる。
図11に示すように、本発明の第の実施形態に係る燃料電池スタック110を構成する燃料電池112は、電解質膜・電極構造体14が、第1金属セパレータ114及び第2金属セパレータ18に挟持される。
図11及び図12に示すように、第1金属セパレータ114には、連結ブリッジ部116aが設けられるとともに、前記連結ブリッジ部116aは、樹脂製通路部材118aを有する。第1金属セパレータ114には、複数の孔部(開口部)120が形成され、樹脂製通路部材118aは、前記孔部120を介して前記第1金属セパレータ114の両面114a、114bに一体成形される。樹脂製通路部材118a間には、通路122aが形成される。
第1金属セパレータ114の外周端縁部には、両面114a、114bにわたって第1シール部材124が一体成形される。樹脂製通路部材118aと第1シール部材124とは、積層方向(矢印A方向)に互いの一部を重ね合わせて成形される。
このように構成される第の実施形態では、樹脂製通路部材118aが、孔部120を介して第1金属セパレータ114の両面114a、114bに一体成形されている。従って、樹脂製通路部材118aと第1金属セパレータ114とを一層強固且つ確実に一体化させることが可能になる。しかも、例えば、一方の面114aから樹脂材料が供給されると、孔部120を介して反対の面114bに前記樹脂材料が供給されるため、製造が容易になる。
さらに、樹脂製通路部材118aと第1シール部材124とは、積層方向に互いの一部を重ね合わせて成形されている。このため、樹脂製通路部材118aと第1シール部材124との間隙から水が浸入することがなく、前記第1シール部材124の膨潤を可及的に阻止することができる。
なお、第1〜第の実施形態では、2枚の金属セパレータで電解質膜・電極構造体を挟持する構成を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、3枚の金属セパレータと2枚の電解質膜・電極構造体を備え、前記金属セパレータと前記電解質膜・電極構造体とを交互に積層する発電ユニットを用いるとともに、各発電ユニット間に冷却媒体流路を形成して前記発電ユニットを積層する燃料電池スタックを採用してもよい。
10、110…燃料電池スタック 12、112…燃料電池
14…電解質膜・電極構造体
16、18、60、70、80、90、100、114…金属セパレータ
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…酸化剤ガス流路
28a、28b、36a、36b、44a、44b、62a、72a、116a…連結ブリッジ部
29…冷却媒体流路 30、38、124…シール部材
32a、32b、40a、40b、46a、46b、66a、76a、118a…樹脂製通路部材
33a、33b、42a、42b、48a、48b、68a、78a、122a…通路
34…燃料ガス流路 50…固体高分子電解質膜
52…アノード側電極 54…カソード側電極
64a、74a…樹脂製連結部
82、92、102…ゴム被膜成形部 120…孔部

Claims (1)

  1. 電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックであって、
    前記金属セパレータには、前記流体流路と前記流体連通孔との間を連通する連結ブリッジ部が設けられるとともに、
    前記連結ブリッジ部は、前記金属セパレータに一体に設けられる樹脂製通路部材を有し、複数の前記樹脂製通路部材は、前記金属セパレータ上に樹脂製連結部を介して連続的に成形され
    前記金属セパレータと前記樹脂製通路部材との間には、ゴム製被覆部材が介装されることを特徴とする燃料電池スタック。
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