JP5349132B2 - 柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造および柱・梁接合の施工方法 - Google Patents

柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造および柱・梁接合の施工方法 Download PDF

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Description

この発明は、下側鋼管柱と、この下側鋼管柱よりも幅狭の上側鋼管柱とで構成される柱幅変化鋼管柱における上下両鋼管柱の継ぎ部に鉄骨梁を接合する場合に適用される柱・梁接合構造および柱・梁接合の施工方法に関する。
上記柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造としては、従来、図9に示すテーパ管形式や、図10に示す厚肉プレート形式が多く採用されてきた。
テーパ管形式は、下端の断面形状が下側鋼管柱1の断面形状に合致し、上端の断面形状が上側鋼管柱2の断面形状に合致するテーパ管20を用いる形式である。テーパ管20は、台形のプレート20aを4枚溶接して製作する。このテーパ管20を準備しておき、外周が下側鋼管柱1よりも周囲に張り出す下側ダイアフラム6を介して、下側鋼管柱1の上端にテーパ管20の下端を接合する。また、外周が上側鋼管柱2よりも周囲に張り出す上側ダイアフラム7を介して、テーパ管20の上端に上側鋼管柱2の下端を接合し、テーパ管20の側面および上下のダイアフラム6,7に鉄骨梁3の端面を接合する。上側鋼管柱2にかかる荷重は、テーパ管20を介して下側鋼管柱1に伝達される。鉄骨梁3は一般にはH形鋼であり、上側のフランジ部3aが上側ダイアフラム7に接合され、下側のフランジ部3aが下側ダイアフラム3に接合され、ウェブ部3bがテーパ管20の側面に接続される。
厚肉プレート形式は、上側のダイアフラムとして、外周が下側鋼管柱1よりも周囲に張り出す厚肉プレート21を用いる形式である。この厚肉プレート21を介して、下側鋼管柱1の上端と上側鋼管柱2の下端とを接合し、下側鋼管柱1および厚肉プレート21に鉄骨梁3の端面を接合する。上側鋼管柱2にかかる荷重は、厚肉プレート21を介して下側鋼管柱1に伝達される。図の例では、下側鋼管柱1が、鉄骨梁3の下端の高さ位置で下側鋼管柱本体4と下側鋼管柱分割体5とに分割され、これら下側鋼管柱本体4と下側鋼管柱分割体5との間にダイアフラム6を介在させてある。鉄骨梁3がH形鋼である場合、上側のフランジ部3aが厚肉プレート21に接合され、下側のフランジ部3aがダイアフラム6に接合され、ウェブ部3bが下側鋼管柱分割体5の側面に接続される。
特開平6−49900号公報 特開平10−266339号公報
テーパ管形式の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造は、以下の問題があった。すなわち、テーパ管20は、4枚の台形をした板材20aをそれぞれが互いに適正な角度をなす状態に溶接で接合して製作されるが、その製作に高度な技術と手間を要する。また、鉄骨梁3の端部もテーパ管20の形状に合わせて加工しなければならず、この加工にも時間がかかる。
厚肉プレート形式の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造は、以下の問題があった。すなわち、厚肉プレート21の厚みが40mmを超える場合、厚肉プレート21の設計基準強度を低減しなければならない。このことは、建築基準法に基づく告示による。また、上下の鋼管柱1,2の柱幅差が100mmを超える場合、耐力上は問題ないが、剛性を確保するために厚肉プレート21の厚みが大きくなる場合がある。厚みが40mmを超える厚肉プレートは、一般的な建築資材としては市販されておらず、特注品の扱いとなるため、コスト高になる。
この発明の目的は、必要な耐力および剛性を確保することができ、材料の加工がし易く、かつ溶接作業が容易な柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造を提供することである。
この発明の他の目的は、溶接作業を容易に行え、かつ材料の無駄がない柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合部の施工方法を提供することである。
この発明の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造は、下側鋼管柱の上端面に、この下側鋼管柱の上端開口を閉じて周囲に張り出すダイアフラムを溶接で接合し、前記ダイアフラムの上面に、前記下側鋼管柱よりも幅狭の上側鋼管柱の下端を溶接で接合し、前記ダイアフラムの端面に、前記下側鋼管柱に接合される鉄骨梁の端面を接合してなり、前記ダイアフラムの下面に補強プレートを重ねて設け、この補強プレートは、上側鋼管柱の内周面に整合するかもしくはそれ以下の寸法の切抜穴を有し、かつ外周が下側鋼管柱の内周面に略合致して嵌る形状であり、前記下側鋼管柱の上端面と前記ダイアフラムの下面と前記補強プレートの外周面を相互に溶接で接合し、前記補強プレートの前記切抜穴の開口縁を前記ダイアフラムの下面に溶接で接合したことを特徴とする。
この構造によれば、上側鋼管柱にかかる上下方向等の力が、ダイアフラムおよび補強プレートを介して下側鋼管柱に伝わる。その際、ダイアフラムおよび補強プレートにおける平面位置が上側鋼管柱の内周に相当する部分には力がかからない。そのため、補強プレートは、補強作用を得るうえで無駄となる部分、つまり最大で上側鋼管柱の内周面に整合する範囲を切抜穴として省き、鋼材使用量を節減している。すなわち、ダイアフラムを補強プレートで補強することで耐力および剛性の向上を図っているのであるが、ダイアフラム全体を補強するのでなく、応力集中が起こる部分だけを補強してある。これでも、耐力および剛性を確保する上で問題にならない。補強プレートは、ダイアフラムに重ねて設けるため、板厚が標準以上に厚い特殊な鋼板を用いる必要がなく、コスト増が抑えられる。
補強プレートは切削加工だけで製作することができるので、加工が容易である。また、ダイアフラムの下面に補強プレートを重ね、下側鋼管柱の上端面とダイアフラムの下面と補強プレートの外周面とを相互に溶接で接合し、補強プレートの切抜穴の開口縁をダイアフラムの下面に溶接で接合した構造とすることにより、補強プレートを下側鋼管柱とダイアフラムとの溶接箇所の裏当て金とすることができ、溶接作業を容易に行える。
この発明において、前記補強プレートは、平板から切抜プレートを切り抜いて前記切抜穴を形成したものであってよい。この切抜穴は、前記上側鋼管柱の内周面に整合する形状である。その場合、前記切抜プレートを前記上側鋼管柱の内周に嵌り込み状態として前記ダイアフラムの上面に載せ、前記上側鋼管柱の下端面と前記ダイアフラムの上面と前記切抜プレートの外周面とを相互に接合することができる。
平板から切抜プレートを切り抜いて切抜穴を形成することで、補強プレートを容易に製作することができる。切り抜かれた切抜プレートは、上側鋼管柱とダイアフラムとの溶接箇所の裏当て金として使用することができる。すなわち、切抜プレートを上側鋼管柱の内周に嵌り込み状態としてダイアフラムの上面に載せ、上側鋼管柱の下端面とダイアフラムの上面と切抜プレートの外周面とを相互に接合する。これにより、上側鋼管柱に曲げモーメントが加わったとき、切抜プレートが上側鋼管柱と一体になって曲げ動作に追従し、上側鋼管柱に加わった曲げモーメントをダイアフラムが広い面積で受けることができる。そのため、上側鋼管柱とダイアフラムの溶接箇所が損傷しにくい。
この発明において、前記下側鋼管柱が、前記鉄骨梁の下端の高さ位置で、下側鋼管柱分割体と下側鋼管柱本体とに上下分割され、これら下側鋼管柱分割体の下面と下側鋼管柱本体の上面との間に、前記ダイアフラムである上側ダイアフラムとは別の下側ダイアフラムを介在させて、前記下側鋼管柱分割体および下側鋼管柱本体に上下面を溶接で接合し、前記下側ダイアフラムの端面に前記鉄骨梁の端面を接合してもよい。
上記構成とすれば、鉄骨梁がフランジ部を水平にして配置したH形鋼である場合に、鉄骨梁の上側フランジ部の端面を上側ダイアフラムに、下側フランジ部の端面を下側ダイアフラムに、ウェブ部の端面を下側鋼管柱分割体にそれぞれ溶接で接合させられて、耐力と剛性に優れた構造になる。
この発明の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合部の施工方法は、平板から前記切抜プレートを切り抜いて前記補強プレートを製作し、この補強プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと下側鋼管柱の上端面との溶接を行い、前記切抜プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと前記上側鋼管柱の下端面との溶接を行う。
この施工方法によれば、1枚の平板から得られる補強プレートおよび切抜プレートをダイアフラムと下側鋼管柱との溶接箇所の裏当て金、切抜プレートをダイアフラムと上側鋼管柱との溶接箇所の裏当て金としてそれぞれ用いる。そのため、溶接作業を容易に行える。また、材料の無駄がなく、かつ補強プレートおよび切抜プレートが同時に得られるので、加工能率がよい。
この発明の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造は、下側鋼管柱の上端面に、この下側鋼管柱の上端開口を閉じて周囲に張り出すダイアフラムを溶接で接合し、前記ダイアフラムの上面に、前記下側鋼管柱よりも幅狭の上側鋼管柱の下端を溶接で接合し、前記ダイアフラムの端面に、前記下側鋼管柱に接合される鉄骨梁の端面を接合した柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造において、前記ダイアフラムの下面に補強プレートを重ねて設け、この補強プレートは、上側鋼管柱の内周面に整合するかもしくはそれ以下の寸法の切抜穴を有し、かつ外周が下側鋼管柱の内周面に略合致して嵌る形状であり、前記下側鋼管柱の上端面と前記ダイアフラムの下面と前記補強プレートの外周面を相互に溶接で接合し、前記補強プレートの前記切抜穴の開口縁を前記ダイアフラムの下面に溶接で接合したため、必要な耐力および剛性を確保することができ、材料の加工がし易く、かつ溶接作業が容易である。
この発明の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合部の施工方法は、平板から前記切抜プレートを切り抜いて前記補強プレートを製作し、この補強プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと下側鋼管柱の上端面との溶接を行い、前記切抜プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと前記上側鋼管柱の下端面との溶接を行うことにより、溶接作業を容易に行え、かつ材料の無駄がない。
(A)はこの発明の一実施形態にかかる柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の平面図、(B)はそのIB−IB断面図である。 図1(B)の部分拡大図である。 同柱・梁接合構造の分解図である。 (A)はこの発明の異なる実施形態にかかる柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の平面図、(B)はそのIVB−IVB断面図である。 同柱・梁接合構造の補強プレートおよび切抜プレートの斜視図である。 (A)はこの発明のさらに異なる実施形態にかかる柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の平面図、(B)はそのVIB−VIB断面図である。 同柱・梁接合構造の補強プレートおよび切抜プレートの斜視図である。 この発明のさらに異なる実施形態にかかる柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の断面図である。 従来の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の側面図である。 従来の異なる柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の側面図である。
この発明の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造は、太さが異なる下側鋼管柱1と上側鋼管柱2との継ぎ部に、左右一対の鉄骨梁3を接合したものである。この例では、下側鋼管柱1および上側鋼管柱2は共に角形鋼管からなり、下側鋼管柱1の方が上側鋼管柱2よりも縦横の幅寸法がいずれも大きい。形式的には、両鋼管柱1,2の中心軸が同一線上に位置する中柱形式である。下側鋼管柱1は、鉄骨梁3の下端の高さ位置で、下側鋼管柱本体4と下側鋼管柱分割体5とに上下分割されている。鉄骨梁3はH形鋼からなり、フランジ部3aが水平を向く姿勢で配置されている。フランジ部3aの端面はウェブ部3bの端面よりも若干後退させてあり、かつウェブ部3bの端部におけるフランジ部3a付近に切欠き状の逃がし3cが形成されている。
上記各構造材、すなわち下側鋼管柱本体4、下側鋼管柱分割体5、上側鋼管柱2、および左右一対の鉄骨梁3の接合には、下側ダイアフラム6、上側ダイアフラム7、補強プレート8、および切抜プレート9が用いられる。下側ダイアフラム6と上側ダイアフラム7は同形、同寸法の鋼板で、それぞれを下側鋼管柱分割体5の上下の端面に当てた状態で、外縁端が下側鋼管柱分割体5よりも少し張り出す形状、寸法とされている。補強プレート8は、上記ダイアフラム6,7と同じか、または同程度の厚みを有する鋼板からなり、上側鋼管柱2の内周面に整合する切抜穴8aを有し、かつ外周が下側鋼管柱1の内周面に略合致して嵌る形状とされている。切抜プレート9は、上側鋼管柱2の内周に嵌り込む形状の鋼板である。例えば、切抜プレート9は、補強プレート8の製作時に切抜穴8aを切り抜いたときに生じる切抜プレートをそのまま使用することができる。切抜プレート9として、補強プレート8の製作時に生じる切抜プレートを使用しない場合は、補強プレート8の切抜穴8aの寸法を、上側鋼管柱2の内周面の寸法以下としてもよい。
この柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の施工方法を説明する。
下側鋼管柱本体4の上端面に下側ダイアフラム6を載せ、この下側ダイアフラム6の下面と下側鋼管柱本体4の上端外周とを溶接で接合する。上記下側ダイアフラム6の上に下側鋼管柱分割体5を載せ、下側ダイアフラム6の上面と下側鋼管分割体5の下端外周とを溶接で接合する。これにより、下側鋼管柱分割体5の下面と下側鋼管柱本体4の上面との間に下側ダイアフラム6を介在させて、下側鋼管柱本体4と下側鋼管柱分割5とが接合される。
また、上側ダイアフラム7の下面に補強プレート8を重ね、補強プレート8の切抜穴8aの開口縁の全周を上側ダイアフラム7の下面に溶接部A(図2)で溶接により接合する。この上側ダイアフラム7と補強プレート8の接合体を、下側鋼管柱分割体5の上端に配置し、図2に示すように、下側鋼管柱分割体5の上端面と上側ダイアフラム7の下面と補強プレート8の外周面とを、全周にわたり相互に溶接部Bで溶接により接合する。つまり、補強プレート8は、下側鋼管柱5と上側ダイアフラム7とを溶接する際の裏当て金としても機能している。詳しくは、下側鋼管柱分割体5の上端面に上側ダイアフラム7の下面との間に台形溝状の開先10を形成する面取部を設けておき、この開先10に溶接ビードを盛る。補強プレート8の下面と下側鋼管柱分割体5の内周面との間の角部も、全周にわたり溶接部Cで隅肉溶接を施す。
さらに、上側ダイアフラム7の上に切抜プレート9を載せ、中心軸を下側鋼管柱1と合致させて配置した上側鋼管柱2の下端内周に前記切抜プレート9を嵌り込ませ、上側鋼管柱2の下端面と上側ダイアフラム7の上面と切抜プレート9の外周面とを、全周にわたり相互に溶接部Dで溶接により接合する。つまり、切抜プレート9は、上側鋼管柱2と上側ダイアフラム7とを溶接する際の裏当て金として機能している。詳しくは、上側鋼管柱2の下端面に上側ダイアフラム7の上面との間に台形溝状の開先11を形成する面取部を設けておき、この開先11に溶接ビードを盛る。
そして、下側鋼管柱分割体5と同じ高さ位置に鉄骨梁3を保持し、鉄骨梁3の上側のフランジ部3aを上側ダイアフラム7に溶接で接合し、下側のフランジ部3aを下側ダイアフラム6に溶接で接合し、ウェブ部3bを下側鋼管柱分割体5の側面に溶接で接合する。これにより、柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の施工が完了する。
この柱・梁接合構造は、上側鋼管柱2にかかる力が、上側ダイアフラム7および補強プレート8を介して下側鋼管柱1に伝わる。上側ダイアフラム7が補強プレート8で補強されているため、十分な耐力および剛性を確保できる。上側ダイアフラム7および補強プレート8における平面位置が上側鋼管柱2の内周に相当する部分には力がかからないので、補強プレート8が切抜穴8aを有していても問題にならない。つまり、上側ダイアフラム7全体を補強するのでなく、応力集中が起こる部分だけを補強してある。補強プレート8に切抜穴8aを設けることにより、使用鋼材を削減できる。また、補強プレート8は、下側鋼管柱分割体5と上側ダイアフラム7との溶接箇所の裏当て金として機能するため、溶接作業を容易に行える。
補強プレート8に切抜穴8aを加工する際に生じる切抜プレート9は、上側ダイアフラム7と上側鋼管柱2との溶接箇所の裏当て金に利用される。そのため、溶接作業を容易に行える。また、切抜プレート9を裏当て金として使用することにより、上側鋼管柱2に曲げモーメントM(図2)が加わったとき、切抜プレート9が上側鋼管柱2と一体になって曲げ動作に追従するため、上側鋼管柱2に加わった曲げモーメントMを、上側ダイアフラム7が広い面積で受けることができる。そのため、上側鋼管柱とダイアフラムの溶接箇所が損傷しにくい。図2の符号Fは、上側ダイアフラム7に生じる反力の総和を表している。
上記実施形態は、下側鋼管柱1と上側鋼管柱2の中心軸の平面位置が同じの中柱形式であるが、図4または図6に示すように、下側鋼管柱1と上側鋼管柱2の中心軸の位置が異なっている場合にも、この発明の柱・梁接合構造を適用することができる。図4は、下側鋼管柱1の1辺と上側鋼管柱2の1辺が平面位置で重なる側柱形式である。側柱形式の場合、補強プレート8は図5に示す形状となり、切抜穴8aは1辺が外に開口する切欠き状である。図6は、下側鋼管柱1の一隅と上側鋼管柱2の一隅が平面位置で重なる隅柱形式である。隅柱形式の場合、補強プレート8は図7に示す形状となり、切抜穴8aは隣合う2辺が外に開口する切欠き状である。つまり、側柱形式および隅柱形式についても、上側ダイアフラム7の応力集中が起こる部分だけを補強プレート8で補強する。これにより、前記同様の作用、効果が得られる。
ただし、側柱形式や隅柱形式の場合、下側鋼管柱1と上側鋼管柱2の側板間の平面距離が大きく離れた箇所で応力集中が起きやすいので、中柱形式の場合よりも、補強プレート8の厚みを厚くするのが望ましい。
図8は、図1〜図3の実施形態において、上側ダイアフラム7の上面と切抜プレート9の下面との間に炭素シート12を介在させた例である。炭素シート12は、例えば上側ダイアフラム7の上面に全面にわたって貼り付ける。このように炭素シート12を設ければ、上側ダイアフラム7と切抜プレート9との接触箇所を補強する作用が得られ、耐力および剛性をより一層高めることができる。炭素シート12の代わりに、他の剛性の高い素材からなるシート状材を用いてもよい。
1…下側鋼管柱
2…上側鋼管柱
3…鉄骨梁
4…下側鋼管柱本体
5…下側鋼管柱分割体
6…下側ダイアフラム
7…上側ダイアフラム
8…補強プレート
8a…切抜穴
9…切抜プレート

Claims (4)

  1. 下側鋼管柱の上端面に、この下側鋼管柱の上端開口を閉じて周囲に張り出すダイアフラムを溶接で接合し、前記ダイアフラムの上面に、前記下側鋼管柱よりも幅狭の上側鋼管柱の下端を溶接で接合し、前記ダイアフラムの端面に、前記下側鋼管柱に接合される鉄骨梁の端面を接合した柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造において、
    前記ダイアフラムの下面に補強プレートを重ねて設け、この補強プレートは、上側鋼管柱の内周面に整合するかもしくはそれ以下の寸法の切抜穴を有し、かつ外周が下側鋼管柱の内周面に略合致して嵌る形状であり、前記下側鋼管柱の上端面と前記ダイアフラムの下面と前記補強プレートの外周面を相互に溶接で接合し、前記補強プレートの前記切抜穴の開口縁を前記ダイアフラムの下面に溶接で接合したことを特徴とする柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造。
  2. 請求項1において、前記補強プレートが、平板から切抜プレートを切り抜いて前記切抜穴を形成したものであり、この切抜穴は前記上側鋼管柱の内周面に整合する形状であり、前記切抜プレートを前記上側鋼管柱の内周に嵌り込み状態として前記ダイアフラムの上面に載せ、前記上側鋼管柱の下端面と前記ダイアフラムの上面と前記切抜プレートの外周面とを相互に接合した柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造。
  3. 請求項1または請求項2において、前記下側鋼管柱が、前記鉄骨梁の下端の高さ位置で、下側鋼管柱分割体と下側鋼管柱本体とに上下分割され、これら下側鋼管柱分割体の下面と下側鋼管柱本体の上面との間に、前記ダイアフラムである上側ダイアフラムとは別の下側ダイアフラムを介在させて、前記下側鋼管柱分割体および下側鋼管柱本体に上下面を溶接で接合し、前記下側ダイアフラムの端面に前記鉄骨梁の端面を接合した柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造。
  4. 請求項2記載の柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合構造の施工方法であって、平板から前記切抜プレートを切り抜いて前記補強プレートを製作し、この補強プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと下側鋼管柱の上端面との溶接を行い、前記切抜プレートを裏当て金として用いて前記ダイアフラムと前記上側鋼管柱の下端面との溶接を行う柱幅変化鋼管柱の柱・梁接合部の施工方法。
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