JP2022035608A - 異形鋼矢板 - Google Patents

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Abstract

【課題】開先加工と矯正作業の手間を軽減し、剛性が大きく、ハンドリング等に際しての変形が小さい等の新規な特徴を有する異形鋼矢板を提供する。【解決手段】フランジ及びフランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びたウェブを有する本体鋼矢板(20)と、フランジの所定個所で裁断された鋼矢板(30)とを備え、裁断された鋼矢板の裁断された部分が、本体鋼矢板のフランジとウェブとの交差部であるR部又はR部の近傍に溶接接合されていることを特徴とする異形鋼矢板(10)が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は一般に、異形鋼矢板に関する。より詳細には、本発明は、開先加工と矯正作業の手間を軽減し、剛性が大きく、ハンドリング等に際しての変形が小さい等の新規な特徴を有する異形鋼矢板に関する。
鋼矢板を使用する際、鋼矢板の幅を拡張したり、鋼矢板の長手方向に存在する2基以上の継手が意図的に非平行に設置された異形鋼矢板を製作したりすることがある。このような場合、鋼矢板を裁断し、裁断した鋼矢板の間に鋼板を配置し、裁断した鋼矢板と鋼板を溶接接合することによって、異形鋼矢板が製作されている(例えば、非特許文献1参照)。
一般社団法人鋼管杭・鋼矢板技術協会編、「鋼矢板Q&A」、平成29年3月、第16頁
しかしながら、上述のような従来の異形鋼矢板の製作方法には、以下の課題がある。第1に、鋼矢板の裁断時に裁断鋼矢板が変形するので、矯正作業が必要になる。第2に、溶接接合する鋼板として、裁断鋼矢板と同等程度の強度を有し且つ溶接部の性能に悪影響を及ぼさない化学成分を有するものを用いる必要があるが、このような鋼板の調達が容易ではない(特に高強度鋼板の調達時に、この傾向が顕著である)。第3に、裁断鋼矢板と鋼板の溶接接合部には開先加工を施し十分な溶け込みを確保する必要がある。第4に、鋼板の剛性が小さいため、裁断鋼矢板と鋼板の溶接接合部には冷却に伴う収縮により大きな変形が発生し、矯正作業に手間を要する。第5に、鋼板を溶接接合した後に、所望形状の異形鋼矢板となるように、さらに矯正する必要がある。第6に、以上の各工程で必要とされる矯正作業は、変形が大きいほど手間を要し、コストも嵩む。
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、上述の従来技術の課題を克服し、開先加工と矯正作業の手間を軽減し、剛性が大きく、ハンドリング等に際しての変形が小さい等の新規な特徴を有する異形鋼矢板を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載された異形鋼矢板は、フランジ及び前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びたウェブを有する本体鋼矢板と、フランジの所定個所で裁断された鋼矢板とを備え、前記裁断された鋼矢板の裁断された部分が、前記本体鋼矢板の前記フランジと前記ウェブとの交差部であるR部又は前記R部の近傍に溶接接合されていることを特徴とするものである。
本願請求項2に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1の異形鋼矢板において、前記本体鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板であることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載された異形鋼矢板は、前記請求項2の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板を裁断したものであることを特徴とするものである。
本願請求項4に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1の異形鋼矢板において、前記本体鋼矢板が、前記ウェブの端部にそれぞれ設けられた継手部をさらに有する鋼矢板であることを特徴とするものである。
本願請求項5に記載された異形鋼矢板は、前記請求項4の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板が、前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びた一対のウェブと、前記ウェブの端部にそれぞれ設けられた継手部を有する鋼矢板を裁断したものであることを特徴とするものである。
本願請求項6に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項の異形鋼矢板において、前記本体鋼矢板の前記フランジと前記裁断された鋼矢板の前記フランジが同一直線上に位置していることを特徴とするものである。
本願請求項7に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板が、前記R部を中心として時計回り又は反時計回りに回転した状態で前記本体鋼矢板に接合されていることを特徴とするものである。
本願請求項8に記載された異形鋼矢板は、フランジ、前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びたウェブ、前記ウェブの端部に連続して設けられたアーム部、及び前記アーム部の端部に連続して設けられた継手部を有する本体鋼矢板と、所定個所で裁断された鋼矢板とを備え、前記裁断された鋼矢板の裁断された部分が、前記本体鋼矢板の前記ウェブと前記アーム部との交差部であるR部又は前記R部の近傍に溶接接合されていることを特徴とするものである。
本願請求項9に記載された異形鋼矢板は、前記請求項8の異形鋼矢板において、前記本体鋼矢板が、ハット形鋼矢板であることを特徴とするものである。
本願請求項10に記載された異形鋼矢板は、前記請求項9の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板を裁断したものであることを特徴とするものである。
本願請求項11に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1から請求項10のいずれか1項の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板の裁断された前記部分が、外面及び内面と直交していることを特徴とするものである。
本願請求項12に記載された異形鋼矢板は、前記請求項1から請求項10のいずれか1項の異形鋼矢板において、前記裁断された鋼矢板の裁断された前記部分が、外面及び内面に対して傾斜していることを特徴とするものである。
本発明によれば、自然開先として利用できる本体鋼矢板のR部又はR部の近傍に、裁断された鋼矢板の裁断側を溶接接合して異形鋼矢板を製作するため、製作コストを低減することができる。また、R部は剛度が大きいため、溶接部の冷却に伴う収縮変形が少なくて済むため、矯正コストを低減できる。また、従来のように裁断した鋼矢板と鋼板を溶接接合することによって形成される異形鋼矢板ではないので、鋼板の調達に要する労力が不要になる。さらに、異形鋼矢板が本体鋼矢板と裁断された鋼矢板によって形成されるため、全体の剛性が大きく、ハンドリングや土中部への打設時に生ずる変形を小さくすることができる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図1(b)は、図1(a)の線1b‐1bに沿って見た図である。 図2(a)は、溶接接合個所を示した図であって、図1(a)の部分2aの拡大図、図2(b)は、溶接接合個所の変形形態を示した図、図2(c)及び図2(d)は、溶接接合個所の別の変形形態を示した図である。 図3(a)は、ハット形鋼矢板を示した平面図、図3(b)は、U形鋼矢板を示した平面図、図3(c)は、ハット形鋼矢板同士の継手部の嵌合個所を示した拡大図,図3(d)は、U形鋼矢板同士の継手部の嵌合個所を示した拡大図である。 図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る異形鋼矢板の変形形態を示した図、図4(c)は、図4(a)の部分4cの拡大図、図4(d)は、図4(b)の部分4dの拡大図である。 第1の実施形態に係る異形鋼矢板の別の変形形態を示した図である。 図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図6(b)は、図6(a)の線6b‐6bに沿って見た図である。 第2の実施形態に係る異形鋼矢板の変形形態を示した図である。 図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、第2の実施形態に係る異形鋼矢板の別の変形形態を示した図、図8(d)は、図8(a)の部分8dの拡大図、図8(e)は、図8(b)の部分8eの拡大図、図8(f)は、図8(c)の部分8fの拡大図である。 図9(a)は、本発明の第3の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図9(b)は、図9(a)の線9b‐9bに沿って見た図、図9(c)は、図9(a)の部分9cの拡大図である。 第3の実施形態に係る異形鋼矢板の変形形態を示した図である。
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施形態に係る異形鋼矢板について説明する。本発明の好ましい実施形態に係る異形鋼矢板は、本体鋼矢板と、フランジ等の所定個所で裁断された鋼矢板とを備え、裁断された鋼矢板の裁断された部分が本体鋼矢板のR部又はR部の近傍に溶接接合されている。ここで「R部」とは、詳細には後述するように、本体鋼矢板のフランジとウェブとの交差部、又は本体鋼矢板のウェブとアーム部との交差部である。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図1(b)は、図1(a)の線1b‐1bに沿って見た図である。図1(a)において全体として参照符号10で示される本発明の第1の実施形態に係る異形鋼矢板は、本体鋼矢板20と、裁断された鋼矢板30とを備えている。
本体鋼矢板20は、ハット形鋼矢板である。ハット形鋼矢板20は、図3(a)に示されるように、土水圧等の荷重が作用した場合に主として曲げモーメントに抵抗するフランジ22、アーム部24及び継手部26と、主としてせん断力に抵抗するウェブ28とを有している。より詳細に説明すると、ハット形鋼矢板20では、フランジ22の両縁部から外方に向かって拡がるように一対のウェブ28がそれぞれ連続して配置され、各ウェブ28にフランジ22と略平行になるようにアーム部24がそれぞれ連続して配置されており、各アーム部24に継手部26がそれぞれ連続して設けられている。フランジ22とウェブ28との交差部がR部29となる。
ハット形鋼矢板20の継手部26の一方には上方開口爪26aが形成され、継手部26の他方には下方開口爪26bが形成されている。上方開口爪26aと下方開口爪26bは、互いに相補する形状に形作られており、一方のハット形鋼矢板20の継手部26の上方開口爪26aに、隣接する他方のハット形鋼矢板20の継手部26の下方開口爪26bを嵌め込むことによって、或いは、一方のハット形鋼矢板20の継手部26の下方開口爪26bに、隣接する他方のハット形鋼矢板20の継手部26の上方開口爪26aを嵌め込むことによって、所望の枚数のハット形鋼矢板20を嵌合させることができる。図3(c)は、ハット形鋼矢板20同士の継手部の嵌合個所を示した拡大図である。
裁断された鋼矢板30は、フランジ32の所定個所で裁断されたハット形鋼矢板である。すなわち、裁断された鋼矢板30は、フランジ32、アーム部34、継手部36、及びウェブ38を有するハット形鋼矢板において、フランジ32の所定個所を裁断することによって形成される。裁断された鋼矢板30は、鋼矢板20の長手方向所定範囲において溶接接合される。なお、図1(b)では、裁断された鋼矢板30の上端、下端が本体鋼矢板20の上端、下端とそれぞれ一致しているものとして図示されているが、裁断された鋼矢板30の上端、下端は、必ずしも本体鋼矢板20の上端、下端と一致している必要はない。
異形鋼矢板10は、裁断された鋼矢板30の裁断側が、ハット形鋼矢板20のR部29又はR部29の近傍において溶接接合されることによって形成される。 打設機械の制約上、裁断された鋼矢板30の上端がハット形鋼矢板20の上端よりも下に位置する場合や、構造物の安定上、裁断された鋼矢板30の下端が、ハット形鋼矢板20の下端よりも下に位置する場合もある。
図2(a)は、図1(a)の部分2aを示したものであって、溶接接合された個所の拡大図である。図2(a)に示される例において、裁断された鋼矢板30のフランジ32の裁断された部分32aがフランジ32の外面32b及び内面32cと直交しており、フランジ32が本体鋼矢板20のR部29又はR部29の近傍に溶接されるが、R部29を自然開先として活用することができる。隙間が狭小のためR部29を自然開先として十分に活用することができない場合には、フランジ32の裁断された部分32aにフランジ32の外面32b及び内面32cに対して傾斜を付けることにより、十分な開先を得ることができる(図2(b)参照)。
溶接接合個所において、開先と反対側に裏当て材を設置してもよい。図2(c)は、フランジ32の裁断された部分32aが直交面である場合における裏当て材の設置例を示した図、図2(d)は、フランジ32の裁断された部分32aが傾斜面である場合における裏当て材の設置例を示した図である。裏当て材を設置することにより、良好な溶接が可能になる。なお、図示されている裏当て材は丸鋼であるが、鋼板や他の適当な部材を裏当て材として用いてもよい。裏当て材は、溶接によって設置されるが、全周溶接である必要はなく、落下しない程度の断続溶接でもよい。
本体鋼矢板20と裁断された鋼矢板30との溶接は、必ずしも連続溶接である必要はなく断続溶接でもよいが、断続溶接を採用する場合は、溶接接合部の強度を考慮して、適切な溶接設計により決定するのがよい。実務的には、溶接部分の長さが非溶接部分の長さよりも長くするのが好ましい。
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る異形鋼矢板10の変形形態を示した図である。すなわち、図1に示される異形鋼矢板10では、本体鋼矢板20のフランジ22と裁断された鋼矢板30のフランジ32が同一直線上に位置しているが、図4(a)及び図4(b)に示される異形鋼矢板10では、本体鋼矢板20のフランジ22と裁断された鋼矢板30のフランジ32が同一直線上に位置していない(図4(a)では、裁断された鋼矢板30が溶接部を中心として反時計回りに回転した状態で接合されており、図4(b)では、裁断された鋼矢板30が溶接部を中心として時計回りに回転した状態で接合されている)点で、図1に示される異形鋼矢板10と相違している。なお、図4(c)は、図4(a)の部分4cの拡大図、図4(d)は、図4(b)の部分4dの拡大図である。R部29を自然開先として有効に活用することができるように、図4(c)の形態では裁断された面が傾斜面となっており、図4(d)の形態では裁断された面が直交面となっている。
図5(a)~図5(c)は、第1の実施形態に係る異形鋼矢板10の別の変形形態を示した図である。すなわち、図1に示される異形鋼矢板10では、本体鋼矢板20と裁断された鋼矢板30がともにハット形鋼矢板であるが、図5(a)~図5(c)に示される異形鋼矢板10では、本体鋼矢板20がハット形鋼矢板であるが、裁断された鋼矢板30がU形鋼矢板である点で、図1に示される異形鋼矢板10と相違している。R部29を自然開先として有効に活用することができるように、図5(a)及び図5(c)の形態では裁断された面が直交面となっており、図5(b)の形態では裁断された面が傾斜面となっている。
(第2の実施形態)
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図6(b)は、図6(a)の線6b‐6bに沿って見た図である。図6(a)において全体として参照符号40で示される本発明の第2の実施形態に係る異形鋼矢板は、本体鋼矢板50と、裁断された鋼矢板60とを備えている。
本体鋼矢板50は、U形鋼矢板である。U形鋼矢板50は、図3(b)に示されるように、土水圧等の荷重が作用した場合に主として曲げモーメントに抵抗するフランジ52と、主としてせん断力に抵抗するウェブ54とを有し、ウェブ54の端部に継手部56が設けられている。より詳細に説明すると、U形鋼矢板50では、フランジ52の両縁部から外方に向かって拡がるように一対のウェブ54がそれぞれ連続して配置され、各ウェブ54の端部に継手部56がそれぞれ連続して設けられている。フランジ52とウェブ54との交差部がR部58となる。
U形鋼矢板50の継手部56の一方には係止爪56aが形成され、継手部56の他方にも係止口爪56bが形成されている。係止爪56aと係止爪56bは、互いに相補する形状に形作られており、一方のU形鋼矢板50の継手部56の係止爪56aに、隣接する他方のU形鋼矢板50の継手部56の係止爪56bを嵌め込むことによって、所望の枚数のU形鋼矢板50を嵌合させることができる。図3(d)は、U形鋼矢板50同士の継手部の嵌合個所を示した拡大図である。
裁断された鋼矢板60は、フランジ62の所定個所で裁断されたU形鋼矢板である。すなわち、裁断された鋼矢板60は、フランジ62、ウェブ64、及び継手部66を有するU形鋼矢板において、フランジ62の所定個所を裁断することによって形成される。裁断された鋼矢板60は、鋼矢板40の長手方向所定範囲において溶接接合される。なお、図6(b)では、裁断された鋼矢板60の上端、下端が本体鋼矢板50の上端、下端とそれぞれ一致しているものとして図示されているが、裁断された鋼矢板60の上端、下端は、必ずしも本体鋼矢板50の上端、下端と一致している必要はない。
異形鋼矢板40は、裁断された鋼矢板60の裁断側が、U形鋼矢板50のR部58又はR部58の近傍において溶接接合されることによって形成される。打設機械の制約上、裁断された鋼矢板60の上端がU形鋼矢板50の上端よりも下に位置する場合や、構造物の安定上、裁断された鋼矢板60の下端が、U形鋼矢板50の下端よりも下に位置する場合もある。
異形鋼矢板40の溶接接合個所の詳細は、上述の異形鋼矢板10の溶接接合個所の詳細と同様である。第1の実施形態と同様に、R部58を自然開先として有効に活用することができるように、裁断された面は、状況に応じて直交面又は傾斜面のいずれかが選択される。
図7(a)及び図7(b)は、第2の実施形態に係る異形鋼矢板40の変形形態を示した図である。すなわち、図6に示される異形鋼矢板40では、本体鋼矢板50のフランジ52と裁断された鋼矢板60のフランジ62が同一直線上に位置しているが、図7(a)及び図7(b)に示される異形鋼矢板40では、本体鋼矢板50のフランジ52と裁断された鋼矢板60のフランジ62が同一直線上に位置していない(図7(a)では、裁断された鋼矢板60が溶接部を中心として反時計回りに回転した状態で接合されており、図7(b)では、裁断された鋼矢板60が溶接部を中心として時計回りに回転した状態で接合されている)点で、図6に示される異形鋼矢板40と相違している。
図8(a)~図8(c)は、第2の実施形態に係る異形鋼矢板40の別の変形形態を示した図である。すなわち、図6に示される異形鋼矢板40では、本体鋼矢板50と裁断された鋼矢板60がともにU形鋼矢板であるが、図8(a)~図8(c)に示される異形鋼矢板40では、本体鋼矢板50がU形鋼矢板であるが、裁断された鋼矢板60がハット形鋼矢板である点で、図6に示される異形鋼矢板40と相違している。
(第3の実施形態)
図9(a)は、本発明の第3の実施形態に係る異形鋼矢板を示した平面図、図9(b)は、図9(a)の線9b‐9bに沿って見た図である。図9(a)において全体として参照符号70で示される本発明の第3の実施形態に係る異形鋼矢板は、本体鋼矢板80と、裁断された鋼矢板90とを備えている。
本体鋼矢板80は、異形鋼矢板10と同様に、ハット形鋼矢板である。ハット形鋼矢板80は、ハット形鋼矢板20と同様に、フランジ82と、アーム部84と、継手部86と、ウェブ88とを有している。異形鋼矢板70では、アーム部84とウェブ88との交差部がR部89となる。
裁断された鋼矢板90は、フランジ92の所定個所で裁断されたハット形鋼矢板である。すなわち、裁断された鋼矢板90は、フランジ92、アーム部94、継手部96、及びウェブ98を有するハット形鋼矢板において、フランジ92の所定個所を裁断することによって形成される。裁断された鋼矢板90は、鋼矢板80の長手方向所定範囲において溶接接合される。なお、図9(b)では、裁断された鋼矢板90の上端、下端が本体鋼矢板80の上端、下端とそれぞれ一致しているものとして図示されているが、裁断された鋼矢板90の上端、下端は、必ずしも本体鋼矢板80の上端、下端と一致している必要はない。
異形鋼矢板70は、裁断された鋼矢板90の裁断側が、ハット形鋼矢板80のR部89又はR部89の近傍において溶接接合されることによって形成される。 打設機械の制約上、裁断された鋼矢板90の上端がハット形鋼矢板80の上端よりも下に位置する場合や、構造物の安定上、裁断された鋼矢板90の下端が、ハット形鋼矢板20の下端よりも下に位置する場合もある。
図9(c)は、図9(a)の部分9cを示したものであって、溶接接合された個所の拡大図である。図9(a)に示される例において、裁断された鋼矢板90のフランジ92の裁断された部分92aにフランジ92の外面及び内面に対して傾斜を付けることにより、十分な開先を得ることができる。また、溶接接合個所において、図2(c)及び図2(d)と同様な要領で、開先と反対側に裏当て材を設置してもよい。裏当て材は、溶接によって設置されるが、全周溶接である必要はなく、落下しない程度の断続溶接でよいのは、図2(c)及び図2(d)に示される例と同様である。
本体鋼矢板80と裁断された鋼矢板90との溶接は、必ずしも連続溶接である必要はなく断続溶接でもよいが、断続溶接を採用する場合は、溶接接合部の強度を考慮して、溶接部分の長さが被溶接部分の長さよりも長くするのが好ましい。
図10(a)~図10(c)は、第3の実施形態に係る異形鋼矢板70の変形形態を示した図である。すなわち、図10(a)に示される形態は、裁断された鋼矢板90として、フランジ92の所定個所を裁断したU形鋼矢板90を使用し、U形鋼矢板90の裁断個所を、その上端及び下端がハット形鋼矢板80の上端及び下端とそれぞれ実質的に同じ位置にある状態で、R部89又はR部89の近傍において溶接接合することによって、形成される。図10(b)に示される形態は、裁断された鋼矢板90として、アーム部94で裁断したハット形鋼矢板90を使用し、ハット形鋼矢板90の裁断個所を、その上端及び下端がハット形鋼矢板80の上端及び下端とそれぞれ実質的に同じ位置にある状態で、R部89又はR部89の近傍において溶接接合することによって、形成される。図10(c)に示される形態は、裁断された鋼矢板90として、ウェブ94で裁断したU形鋼矢板90を使用し、U形鋼矢板90の裁断個所を、その上端及び下端がハット形鋼矢板80の上端及び下端とそれぞれ実質的に同じ位置にある状態で、R部89又はR部89の近傍において溶接接合することによって、形成される。
異形鋼矢板70の溶接接合個所の詳細は、上述の異形鋼矢板10、40の溶接接合個所の詳細と同様である。第1及び第2の実施形態と同様に、R部89を自然開先として有効に活用することができるように、裁断された面は、状況に応じて直交面又は傾斜面のいずれかが選択される。
以上のように構成された異形鋼矢板10、40、70は、剛性の大きな本体鋼矢板20、50、80と裁断された鋼矢板30、60、90によって形成されるため、全体の剛性がさらに大きく、ハンドリングや土中部への打設時に生ずる変形を小さくすることができる。また、本体鋼矢板20、50、80の剛性が大きいので、裁断された鋼矢板30、60、90の溶接に伴う変形を小さくすることができる。また、従来のように裁断した鋼矢板と鋼板を溶接接合することによって形成される異形鋼矢板ではないので、鋼板の調達に要する労力が不要になる。さらに、本体鋼矢板20、50、80のR部29、58、89を自然開先として利用できるので、製作コストを低減することができるとともに、R部29、58、89の肉厚が大きいため、溶接時の変形を小さくすることができる。
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図示されている構成要素の細部は、単なる例示的なものにすぎず、これらの細部を修正してもよい。
また、前記実施形態では、ハット形鋼矢板とU形鋼矢板を用いて異形鋼矢板が形成されているが、ハット形鋼矢板及びU形鋼矢板以外の鋼矢板を用いて異形鋼矢板を形成してもよい。
10 異形鋼矢板(第1の実施形態)
20 本体鋼矢板(ハット形鋼矢板)
22 フランジ
24 アーム部
26 継手部
28 ウェブ
29 R部
30 裁断された鋼矢板(ハット形鋼矢板、U形鋼矢板)
32 フランジ
40 異形鋼矢板(第2の実施形態)
50 本体鋼矢板(U形鋼矢板)
52 フランジ
54 ウェブ
56 継手部
58 R部
60 裁断された鋼矢板(U形鋼矢板、ハット形鋼矢板)
62 フランジ
70 異形鋼矢板(第3の実施形態)
80 本体鋼矢板(ハット形鋼矢板)
82 フランジ
84 アーム部
86 継手部
88 ウェブ
89 R部
90 裁断された鋼矢板(ハット形鋼矢板、U形鋼矢板)
92 フランジ
94 アーム部又はウェブ

Claims (12)

  1. フランジ及び前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びたウェブを有する本体鋼矢板と、
    フランジの所定個所で裁断された鋼矢板とを備え、
    前記裁断された鋼矢板の裁断された部分が、前記本体鋼矢板の前記フランジと前記ウェブとの交差部であるR部又は前記R部の近傍に溶接接合されていることを特徴とする異形鋼矢板。
  2. 前記本体鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板であることを特徴とする請求項1に記載された異形鋼矢板。
  3. 前記裁断された鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板を裁断したものであることを特徴とする請求項2に記載された異形鋼矢板。
  4. 前記本体鋼矢板が、前記ウェブの端部にそれぞれ設けられた継手部をさらに有する鋼矢板であることを特徴とする請求項1に記載された異形鋼矢板。
  5. 前記裁断された鋼矢板が、前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びた一対のウェブと、前記ウェブの端部にそれぞれ設けられた継手部を有する鋼矢板を裁断したものであることを特徴とする請求項4に記載された異形鋼矢板。
  6. 前記本体鋼矢板の前記フランジと前記裁断された鋼矢板の前記フランジが同一直線上に位置していることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された異形鋼矢板。
  7. 前記裁断された鋼矢板が、前記R部を中心として時計回り又は反時計回りに回転した状態で前記本体鋼矢板に接合されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された異形鋼矢板。
  8. フランジ、前記フランジの両端部から外方に向かって拡がるようにそれぞれ延びたウェブ、前記ウェブの端部に連続して設けられたアーム部、及び前記アーム部の端部に連続して設けられた継手部を有する本体鋼矢板と、
    所定個所で裁断された鋼矢板とを備え、
    前記裁断された鋼矢板の裁断された部分が、前記本体鋼矢板の前記ウェブと前記アーム部との交差部であるR部又は前記R部の近傍に溶接接合されていることを特徴とする異形鋼矢板。
  9. 前記本体鋼矢板が、ハット形鋼矢板であることを特徴とする請求項8に記載された異形鋼矢板。
  10. 前記裁断された鋼矢板が、ハット形鋼矢板又はU形鋼矢板を裁断したものであることを特徴とする請求項9に記載された異形鋼矢板。
  11. 前記裁断された鋼矢板の裁断された前記部分が、外面及び内面と直交していることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された異形鋼矢板。
  12. 前記裁断された鋼矢板の裁断された前記部分が、外面及び内面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された異形鋼矢板。
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