JP6434701B2 - 冷間ロール成形角形鋼管柱と通しダイアフラムの溶接接合構造 - Google Patents
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ここで、前記ダイアフラムは、柱、梁よりも早期に塑性化しないように、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合をする必要がある。前記ダイアフラムは、柱、梁の設計基準強度と同等かそれ以上の設計基準強度が必要であると、指針書(例えば下記非特許文献1、2を参照)に示されている。
また、ラーメン骨組による鉄骨構造において、建物の居住空間を広くするには、柱径を小さくすることが好ましい。そのためには柱の設計基準強度を大きくすることが考えられ、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合をする必要があり、ダイアフラムの設計基準強度も大きくする必要がある。
ここで、前記冷間ロール成形角形鋼管の原材料は、汎用的に流通している圧延鋼材である。ダイアフラムに使用される圧延鋼材も、前記冷間ロール成形角形鋼管の原材料の圧延鋼材と同じ設計基準強度であることが一般的である。しかし、冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度は、製造時に塑性加工を受けるため、圧延鋼材の設計基準強度よりも大きくなる。
したがって、同一の圧延鋼材を使用した場合では、冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度とダイアフラムの設計基準強度の比(ダイアフラムの設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度)は、1.0未満となる。
そこで、一般的に、ダイアフラムに使用する圧延鋼材は、冷間ロール成形角形鋼管に使用する圧延鋼材の設計基準強度よりも大きい設計基準強度とされる。
また、ダイアフラムとして使用される圧延鋼板の強度区分が520N/mm2級超、つまり、設計基準強度が355N/mm2〜365N/mm2超になると、低温割れ防止の観点から予熱を行う必要がある。前記予熱の目安温度は、「鉄骨工事技術指針」等で気温が5度と示されている。気温が5度未満であれば、予熱して溶接施工する必要がある。そのためダイアフラムに設計基準強度が355N/mm2〜365N/mm2超の圧延鋼材を使用すると、気温が5度を下回る場合が多い寒冷地では、予熱処理が施工手間となり、溶接施工コストが割高となる。
また、冷間ロール成形角形鋼管柱とダイアフラムとを溶接接合する際に、溶接材料の強度は、冷間ロール成形角形鋼管柱またはダイアフラムの強度のうち大きい方の強度以上とする必要がある。そのためダイアフラムの強度が高いと、必然的に強度の大きい溶接材料を使用することになり、コストが高くなるうえに、種類も限定されて使い勝手が悪い。
具体的には、図5中のA欄で示した従来の冷間ロール成形角形鋼管とダイアフラムの組み合わせにおいて、冷間ロール成形角形鋼管の強度区分が490N/mm2級、基準強度が365N/mm2の場合、ダイアフラムの強度区分は550N/mm2級、基準強度は385N/mm2となる。そうすると、この基準に対応可能な鉄骨製作工場のグレードは「S」のみで、工場数は22となり、生産量がかなり制限される。つまり、ダイアフラムの設計基準強度を冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度よりも低く設定できれば、対応可能なグレードが多くなり、鉄骨製作工場の工場数が増えるから生産性が高まる。
しかし、この指針書に記載された基準は、法律で決められた基準ではなく、あくまで構造物の健全性を考慮した場合、設計上好ましい基準値として設けられた内容に過ぎない。
つまり、ダイアフラムの設計基準強度を冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度よりも低く設定しても、前記指針書で示された効果と同等の効果を得ることができれば、前記指針書の内容と異なる基準で設計した構造であっても特に問題ないことになる。
冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の溶接接合構造において、
前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度を326N/mm2〜400N/mm2の範囲とし、前記通しダイアフラム2の設計基準強度が325N/mm2〜365N/mm2の範囲として、前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度と通しダイアフラム2の設計基準強度の比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が0.813〜0.997の範囲に設定され、
および、前記冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の板厚比(通しダイアフラム2の板厚dt/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)が1.0以上で、かつ、前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctと前記通しダイアフラム2の溶接接合部3の寸法dSとの比(通しダイアフラムの溶接接合部3の寸法dS/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)を、1.0よりも大きくなるように設定されて、両者1、2が溶接接合されていることを特徴とする。
前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の外径cdは、150mm〜550mmの範囲で構成されていることを特徴とする。
(イ)冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度を326N/mm2〜400N/mm2の範囲とし、前記通しダイアフラム2の設計基準強度が325N/mm2〜365N/mm2の範囲として、
(ロ)前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度と通しダイアフラム2の設計基準強度の比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が0.813〜0.997の範囲とされ、
(ハ)更に、冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の板厚比(通しダイアフラム2の板厚dt/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)が1.0以上等の条件で溶接接合する構成としたから、
通しダイアフラム2が、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度よりも低い設計基準強度の圧延鋼材で構成され、材料コストを大幅に削減できるし、溶接接合部3が、冷間ロール成形角形鋼管柱1及び通しダイアフラム2よりも先に壊れてしまう不都合が生じない。
また、溶接材料の強度は冷間ロール成形角形鋼管柱1または通しダイアフラム2の強度のうち、高い方の強度以上とする必要があるが、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度よりも低い設計基準強度の圧延鋼材で構成するので、溶接材料の強度を低く設計でき、溶接材料は限定されないし、溶接コストも削減できる。
また、通しダイアフラム2の設計基準強度は、325N/mm2〜365N/mm2の範囲であるから、寒冷地であっても予熱をする必要がなく、予熱処理の手間が省けるため、施工性が非常に良く、溶接コストを削減することができる。
更に、上記の設計基準強度の範囲で成る圧延鋼材を製造できる鉄骨製作工場のグレード(R、M、H、S)が増え、工場数が大幅に増加するので、生産性が非常に高まる。
具体的には、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度を326N/mm2〜400N/mm2の範囲とし、通しダイアフラム2の設計基準強度が325N/mm2〜365N/mm2の範囲として、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度と通しダイアフラム2の設計基準強度の比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が0.813〜0.997の範囲とする。冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の板厚比(通しダイアフラム2の板厚dt/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)が1.0以上である。更に、前記冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctと前記通しダイアフラム2の溶接接合部3の寸法dSとの比(通しダイアフラムの溶接接合部3の寸法dS/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)を、1.0よりも大きくなるように設定されている。
先ず、図1は、柱梁鉄骨構造の枢要部を示している。冷間ロール成形角形鋼管柱1に溶接接合された上下の通しダイアフラム2へ、H形鋼で成る梁材4のフランジ部が溶接接合されている。
次に、図2及び3は、冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の溶接接合部3を示している。図中の符号30は溶接材料、符号31は裏当て金である。なお、溶接ボンド部の設計基準強度は、通しダイアフラムの設計基準強度と同じである。
上記「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の欄で既に述べたように、通例、通しダイアフラム2は、図4中の「従来の組合せ」欄で示したように、冷間ロール成形角形鋼管柱1以上の設計基準強度の圧延鋼材で構成される。つまり、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度と通しダイアフラム2の設計基準強度の比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が1.0以上となる構成とされている。前記通しダイアフラム2の設計基準強度が冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度よりも低いと、該通しダイアフラム2が先行して塑性変形してしまい、その後は当該箇所だけが変形してしまうからである。
本発明に係る冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の溶接接合構造は、上記の発想を逆転させた構成である。
そして、図3に示すように、前記冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の板厚比(通しダイアフラム2の板厚dt/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)が1.0以上である。冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctが、通しダイアフラム2の板厚dtよりも厚いと、通しダイアフラム2が、同冷間ロール成形角形鋼管柱1よりも先に壊れてしまう不都合が生じるからである。因みに、本発明では、冷間ロール成形角形鋼管柱1より通しダイアフラム2の材料自体の強度を低下させているため、通しダイアフラム2のせん断耐力が低下する。そのため、冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctを通しダイアフラム2の板厚dtより薄くすることで、通しダイアフラム2のせん断耐力を向上させている。
数式<1>と数式<2>の比を数式<3>に示す。数式<3>の値が接合部係数α(例えば、1.20)以上であれば、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足(構造物の健全性を維持)しているということである。
c M p = c Z p × c σ y ・・・<1>
dMu =dZp×dσt ・・・<2>
ただし、前記cMp、dMu は次式<3>を満足するものとする。
dMu≧α・cMp ・・・<3>
ここで、
前記cZpの算出は、ctおよびcdを使用する。
前記dZpの算出は、(ct+1/4ct)および(cd+2×1/4×ct)を使用する。
cMp :冷間ロール成形角形鋼管の全塑性曲げ耐力
dMu :冷間ロール成形角形鋼管−通しダイアフラム溶接接合部の最大曲げ耐力
cZp :冷間ロール成形角形鋼管の塑性断面係数
dZp :冷間ロール成形角形鋼管−通しダイアフラム溶接接合部の塑性断面係数
cσy:冷間ロール成形角形鋼管の設計基準強度
dσt:通しダイアフラムの引張強さ
α :接合部係数(1.20)
(1)冷間ロール成形角形鋼管柱1の数値について
外径cdは400mm×400mmである。
板厚ctは22mmである。
前記外径cd及び板厚ctから求められる塑性断面係数cZpは4,390cm3である。
設計基準強度cσyは365N/mm2である。
前記数値を上記数式<1>へ代入すると、全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm3×365N/mm2=1,602,350kN・mmとなる。
(2)通しダイアフラム2の数値について
溶接接合部の外径(cd+2×1/4×ct)は411mm×411mmである。
冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctと溶接の余盛り(1/4×ct)の和である溶接接合部3の寸法dSは、27.5mmである。
前記外径及び溶接接合部3の寸法dSから求められる塑性断面係数dZpは5,550cm3である。
引張強さ(dσt)は490N/mm2である。
前記数値を上記数式<2>へ代入すると、最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm3×490N/mm2=2,719,500kN・mm
(3)全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)を上記数式<3>へ代入
前記(1)と(2)で求めた全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)により、dMu/cMp=2,719,500kN・mm/1,602,350kN・mm =1.697>1.2(α)となる。
また、冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚と通しダイアフラム2の溶接接合部3の寸法との比(溶接接合部3の寸法dS/冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ct)は、27.5mm/22mm>1.0となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
<下限値である0.813についての検討>
同様に、上記した手法に倣い、前記0.813〜0.997のうち下限値である0.813について、保有耐力接合を満足(構造物の健全性を維持)しているか否かについて検討する。具体的には、図4中の「本発明の組合せ」欄の上から4行目の、前記cσyが400N/mm 2 で、前記dσtが490N/mm 2 (設計基準強度は図5より325N/mm 2 )で、前記比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が325/400≒0.813のときを検討する。
(1)冷間ロール成形角形鋼管柱1の数値について
外径cdは400mm×400mmである。
板厚ctは22mmである。
前記外径cd及び板厚ctから求められる塑性断面係数cZpは4,390cm3である。
設計基準強度cσyは400N/mm2である。
前記数値を上記数式<1>へ代入すると、全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm3×400N/mm2=1,756,000kN・mmとなる。
(2)通しダイアフラム2の数値について
溶接接合部の外径(cd+2×1/4×ct)は411mm×411mmである。
冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctと溶接の余盛り(1/4×ct)の和である溶接接合部3の寸法dSは、27.5mmである。
前記外径及び溶接接合部3の寸法dSから求められる塑性断面係数dZpは5,550cm3である。
引張強さ(dσt)は490N/mm2である。
前記数値を上記数式<2>へ代入すると、最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm3×490N/mm2=2,719,500kN・mm
(3)全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)を上記数式<3>へ代入
前記(1)と(2)で求めた全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)により、dMu/cMp=2,719,500kN・mm/1,756,000kN・mm =1.549>1.2(α)となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
<上限値である0.997についての検討>
同様に、上記した手法に倣い、前記0.813〜0.997のうち上限値である0.997について、保有耐力接合を満足(構造物の健全性を維持)しているか否かについて検討する。具体的には、図4中の「本発明の組合せ」欄の上から1行目の、前記cσyが326N/mm 2 で、前記dσtが490N/mm 2 (設計基準強度は図5より325N/mm 2 )で、前記比(通しダイアフラム2の設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度)が325/326≒0.997のときを検討する。
(1)冷間ロール成形角形鋼管柱1の数値について
外径cdは400mm×400mmである。
板厚ctは22mmである。
前記外径cd及び板厚ctから求められる塑性断面係数cZpは4,390cm3である。
設計基準強度cσyは326N/mm2である。
前記数値を上記数式<1>へ代入すると、全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm3×326N/mm2=1,431,140kN・mmとなる。
(2)通しダイアフラム2の数値について
溶接接合部の外径(cd+2×1/4×ct)は411mm×411mmである。
冷間ロール成形角形鋼管柱1の板厚ctと溶接の余盛り(1/4×ct)の和である溶接接合部3の寸法dSは、27.5mmである。
前記外径及び溶接接合部3の寸法dSから求められる塑性断面係数dZpは5,550cm3である。
引張強さ(dσt)は490N/mm2である。
前記数値を上記数式<2>へ代入すると、最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm3×490N/mm2=2,719,500kN・mm
(3)全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)を上記数式<3>へ代入
前記(1)と(2)で求めた全塑性曲げ耐力(cMp)と最大曲げ耐力(dMu)により、dMu/cMp=2,719,500kN・mm/1,431,140kN・mm =1.900>1.2(α)となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
<0.973、0.888、0.913についても検討>
その他、図4中の「本発明の組合せ」欄の上から3行目の0.973、5行目の0.888、および6行目の0.913についても検討する。
前記0.973の場合、前記cσyが365N/mm 2 で、前記dσtが520N/mm 2 (設計基準強度は355N/mm 2 )である。
上記手法と同様に、これらの数値を前記数式<1>〜<3>に代入すると、
<1>全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm 3 ×365N/mm 2 =1,602,350kN・mm
<2>最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm 3 ×520N/mm 2 =2,886,000kN・mm
<3>dMu/cMp=2,886,000kN・mm/1,602,350kN・mm =1.801>1.2(α)となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、この場合も構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
同様に、0.888の場合、前記cσyが400N/mm 2 で、前記dσtが520N/mm 2 (設計基準強度は355N/mm 2 )である。
上記手法と同様に、これらの数値を前記数式<1>〜<3>に代入すると、
<1>全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm 3 ×400N/mm 2 =1,756,000kN・mm
<2>最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm 3 ×520N/mm 2 =2,886,000kN・mm
<3>dMu/cMp=2,886,000kN・mm/1,756,000kN・mm =1.644>1.2(α)となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、この場合も構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
同様に、0.913の場合、前記cσyが400N/mm 2 で、前記dσtが520N/mm 2 (設計基準強度は365N/mm 2 )である。
上記手法と同様に、これらの数値を前記数式<1>〜<3>に代入すると、
<1>全塑性曲げ耐力cMp=cZp×cσy=4,390cm 3 ×400N/mm 2 =1,756,000kN・mm
<2>最大曲げ耐力(dMu)=dZp×dσt=5,550cm 3 ×520N/mm 2 =2,886,000kN・mm
<3>dMu/cMp=2,886,000kN・mm/1,756,000kN・mm =1.644>1.2(α)となる。
したがって、上記冷間ロール成形角形鋼管柱1及びダイアフラム2の数値は、柱及び梁の設計耐力よりも一定以上の設計耐力を有する保有耐力接合を満足しているので、この場合も構造物の健全性を維持できる範囲といえる。
上記のとおり、本発明に係る冷間ロール成形角形鋼管柱1と通しダイアフラム2の溶接接合構造は、通しダイアフラム2を冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度よりも低い設計基準強度の圧延鋼材で構成するので、一般的な強度の材料を使用することができ、材料コストを削減することができる。
また、溶接材料の強度は冷間ロール成形角形鋼管柱1または通しダイアフラム2の強度のうち、高い方の強度以上とする必要があるが、冷間ロール成形角形鋼管柱1の設計基準強度よりも低い設計基準強度の圧延鋼材で構成することで、溶接材料の強度を低く設計することができるから、溶接材料の種類は限定されないし、溶接コストも削減できる。
また、通しダイアフラム2の設計基準強度は、325N/mm2〜365N/mm2の範囲であるから、寒冷地であっても予熱をする必要がない。つまり、その溶接手間を省くことができるから、施工性が非常に良く、溶接コストを削減することができる。
2 通しダイアフラム
3 溶接接合部
4 梁
Claims (2)
- 冷間ロール成形角形鋼管柱と通しダイアフラムの溶接接合構造において、
前記冷間ロール成形角形鋼管柱の設計基準強度を326N/mm2〜400N/mm2の範囲とし、前記通しダイアフラムの設計基準強度が325N/mm2〜365N/mm2の範囲として、前記冷間ロール成形角形鋼管柱の設計基準強度と通しダイアフラムの設計基準強度の比(通しダイアフラムの設計基準強度/冷間ロール成形角形鋼管柱の設計基準強度)が0.813〜0.997の範囲に設定され、
および、前記冷間ロール成形角形鋼管柱と通しダイアフラムの板厚比(通しダイアフラムの板厚/冷間ロール成形角形鋼管柱の板厚)が1.0以上で、かつ、前記冷間ロール成形角形鋼管柱の板厚と前記通しダイアフラムの溶接接合部の寸法との比(通しダイアフラムの溶接接合部の寸法/冷間ロール成形角形鋼管柱の板厚)を、1.0よりも大きくなるように設定されて、両者が溶接接合されていることを特徴とする、冷間ロール成形角形鋼管柱と通しダイアフラムの溶接接合構造。 - 前記冷間ロール成形角形鋼管柱の外径は、150mm〜550mmの範囲で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した冷間ロール成形角形鋼管柱と通しダイアフラムの溶接接合構造。
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