JP5347316B2 - 靱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や2輪車の排気管やプラントの排気ダクト、熱交換器、燃料電池などの高温環境下で使用される部材用として好適な、優れた耐熱性を有するNb含有フェライト系ステンレス鋼を製造するための熱延鋼板に関する。
エキゾーストマニホールド,排気パイプ,コンバータケース,マフラー等に代表される自動車排気部材には,高温で特性を保つための優れた耐熱性が要求される。特にNbは高温耐力を高める効果が大きく、Nbを多量に含有したフェライト系ステンレス鋼がこれまで多く使用されている。
しかしながら、Nbは高温域で炭窒化物や金属間化合物であるLaves相を形成しやすく、多量に析出したこれらの析出物は鋼の靱性を低下させる。従来Nb含有フェライト系ステンレス鋼に対しては、主に最終焼鈍(冷延鋼板のときは冷延板焼鈍、パイプのときはパイプ焼鈍)時の冷却速度を早める方法で析出抑制が図られてきた。
例えば、特許文献1には、Nb含有フェライト系ステンレス鋼の最終焼鈍時に、冷却速度を水冷以上とすることにより析出物量を減少させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、Nb含有フェライト系ステンレス熱延鋼板の低温靭生を、成分限定により改善する技術が開示されている。
特許第2923825号公報 特許第3705391号公報
しかし、上述したように、析出物量を低減することは靭性向上に有効であるが、熱延鋼板においては、製造上熱間圧延工程において、冷却速度を速めるだけでは、析出物量を低減し十分に靭性を改善することは難しかった。
従って、Nb含有フェライト系ステンレス熱延鋼板の靭性を改善する技術が望まれており、本願発明はそのような要望に答えるための技術であり、熱間圧延以降の工程に於いて靱性に優れたNb含有フェライト系ステンレス熱延鋼板を提案することを目的とする。
発明者等は,フェライト系ステンレス熱延鋼板の靭性と析出物量、析出サイトの関係について鋭意研究を重ね、結晶粒界上の析出物の量を適切に制御することにより、靭性に優れるフェライト系ステンレス熱延鋼板を得られることを知見した。また、そのようにして得られた熱延鋼板を用いることで、靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を得られることも知見した。その要旨は、以下の通りである。
第一の発明は、結晶粒界上析出物の占有率を、結晶粒界上において各析出物の占める長さと結晶粒界長さとの比として、式(1)で算出し、該占有率を0.5以下としたことを特徴とする靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板である。
Figure 0005347316
第二の発明は、質量%で、C<0.020%、Si≦0.25%、Mn<2.00%、P<0.060%、S<0.008%、Cr:12.0〜20.0%、Ni<1.00%、Nb:10×(C(%)+N(%))〜0.80%、N<0.020%、B:0.0005〜0.0100%を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、熱間圧延工程において、式(2)および式(3)を満足する熱間圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板である。
900〜700℃までの冷却速度≧50×(Nb質量%)・・・(2)
900℃以下の仕上圧延各パスの圧下率(%)≧0.1×(圧延温度(℃)−700℃)
・・・(3)
第三の発明は、更に質量%で、Mo<5.00%、W<5.00%の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項2に記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板である。
第四の発明は、更に質量%で、Ti<0.5%、Zr<0.5%の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板である。
第五の発明は、更に質量%で、Co<3%、Cu<2.00%、V<0.5%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板である。
第六の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱延鋼板を用いて製造された、靭性に優れたフェライト系ステンレス冷延鋼板である。
本発明によれば、結晶粒界上の析出物の占有割合を制御することで、靭性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板を得られる。
以下本発明を詳細に説明する。
1.実験結果について
本発明者等が行った基礎的な実験結果について説明する。なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、全て質量%をあらわす。
0.01%C-0.01%N-0.1%Si-15%Cr-0.5%Nb-0.0015%B鋼をベースとした100Kg鋼塊を種々溶製し、1200℃に加熱後、種々の条件で熱間圧延を施すことにより、板厚4〜6mmの熱延鋼板を作製した。得られた鋼板について、以下に示す方法により結晶粒界上析出物の占有率と靭性を評価した。
(a)結晶粒界上析出物の占有率
得られた熱延鋼板の圧延方向に垂直な任意の切断面から試料を採取し、析出物の分布を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行った。図2に走査型電子顕微鏡による結晶粒界上析出物の観察結果の一例を示す。結晶粒界長さ3mmに相当する視野を詳細に観察し、結晶粒界2の長さと結晶粒界上に析出している析出物3の長さを測定した。
ここで、結晶粒界2の長さは、図2に示すように、走査型電子顕微鏡の1視野に出現した全結晶粒界長さの合計値(A)+(B)+(C)である。そして、結晶粒界上析出物の占有率を式(1)により算出した。
Figure 0005347316
(b)靱性
熱延鋼板から、JISZ2242の規定に準拠して、Vノッチの方向を板幅方向とするVノッチシャルピー試験片を採取し、25℃(常温)でシャルピー試験を実施し、シャルピー衝撃値を判定した。ここで、本発明に於いて「熱延鋼板の靱性に優れる」とは、シャルピー衝撃値が25J/cm以上になることをいう。
更に、熱延鋼板を用いて熱延板焼鈍、酸洗、冷延、焼鈍した冷延焼鈍板の靭性も調査した。冷延焼鈍板の作製方法は特に限定されることは無いが、析出物量の観点から、焼鈍後の冷却速度を30℃/s程度以上とすることが望ましい。冷延焼鈍板の靭性は、−80〜+25℃の温度範囲でシャルピー試験を行い、その延性脆性遷移温度を判定した。ここで、本発明に於いて「冷延鋼板の靱性に優れる」とは、延性脆性遷移温度が−30℃未満になることをいう。
図1に得られた熱延鋼板の靭性に及ぼす結晶粒界上析出物の占有率の影響の一例を示す。結晶粒界上析出物の占有率を0.5以下に制御することで、シャルピー衝撃値は25J/cm2以上となり、良好な靭性となることがわかる。従って本発明の課題である、靭性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板を得るには粒界上析出物の占有率を0.5以下とすることが必要である。
2.成分組成について
本発明に係る靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板の成分組成の限定理由は、以下の通りである。
C:0.020%未満
Cは鋼の強度を増加させる元素であるが、0.020%以上含むと靱性および成形性の低下が顕著となるため、0.020%未満とした。成形性を考慮すると、C含有量は低いほど好ましく、より好適には0.008%以下である。
Si:0.25%未満
Siは本発明において重要な元素である。Siは合金元素の析出を促進する元素であり、Siを低減することで粒界上析出物の占有率は減少する。Siを低減するほどその効果は大きいが、低減しすぎると耐酸化性の低下を招く。好ましくは0.01%以上、0.15%未満である。
Mn:2.00%未満
Mnは脱酸剤としての作用を有するとともに、酸化皮膜の密着性を向上させる元素である。しかしながら、過剰に添加されると粗大なMnSを形成し、成形性、耐食性を低下させる。このため、本発明では、2.00%未満に限定した。より好適には1.50%未満である。
P:0.060%未満
Pは成形性、靱性を低下させる元素であり、できるだけ低減するのが望ましいが、脱Pコストの観点から、0.060%未満に限定した。より好適には0.030%未満である。
S:0.008%未満
Sは耐食性を低下させる元素であるであり、できるだけ低減するのが望ましいが、脱Sコストの観点から、0.008%未満に限定した。より好適には0.005%未満である。
Cr:12.0%以上、20.0%以下
Crは耐食性、耐酸化性を向上させる元素であり、このような効果は12.0%以上の添加で認められる。ただし、過剰に添加されると靱性を低下させるので、20.0%以下に限定した。より好適には13.0%以上、19.0%以下である。
Ni:1.00%未満
Niは靱性を向上させる元素であるが、過剰な添加は原料コストの増大を招くので1.00%未満に限定した。より好適には0.01%以上、0.80%未満である。
Nb:10×(C(%)+N(%))%以上、0.80%以下
NbはC、Nを固定することにより鋼の成形性や耐食性等を向上させ、また鋼に固溶することにより、高温強度を高める効果を有する。このような効果は10×(C(%)+N(%))%以上の含有で認められる。しかしながら、過剰な添加は靱性の低下を招くため0.80%以下に限定した。より好適には0.20%以上、0.70%以下である。
N:0.020%未満
Nは鋼の靱性および成形性を低下させる元素であり、0.020%以上含むと靱性および成形性の低下が顕著となる。このため、0.020%未満に限定した。より好適には0.010%未満である。
B:0.0005%以上、0.0100%以下
Bは本発明において重要な元素である。Bは加工性、特に2次加工性を向上させる元素として知られているが、本明細書において定義する粒界上析出物の占有率を低減する効果を持つ。このような効果は0.0005%以上で顕著となるが、0.0100%を超えて添加するとBNが析出し、加工性が低下するため、0.0100%以下に限定する。より好適には0.0005%以上、0.0050%以下である。
Mo:5.00%未満、W:5.00%未満
Moは鋼に固溶することにより高温強度および耐食性を高める。このような効果は0.80%以上の添加で認められるが、5.00%以上含むと成形性が低下し、原料コストの増大も招くため、5.00%未満に限定した。より好適には1.00%以上、4.00%未満である。WもMo同様の効果を有するが、5.00%以上添加で成形性が低下する。好適範囲は1.00%以上、4.00%未満である。
Ti:0.5%未満、Zr:0.5%未満
Ti、Zrは成形性を向上させる元素であり、NbよりC、Nとの親和力が強いためNbの固溶量を増加させる。このような効果は0.02%以上で顕著となるが、0.5%以上添加すると粗大なTi(C,N)が析出し、表面性状を劣化させるため、0.5%未満に限定する。より好適には0.02%以上、0.40%未満である。
Co:3%未満、Cu:2.00%未満、V:0.5%未満
Coは高温強度を向上させる元素であり、必要に応じて含むことができる。このような効果は0.5%以上の添加で顕著となるが、3%以上添加すると、鋼が脆化するため3%未満に限定する。より好適には、0.8%以上、2%未満である。
Cuは成形性および耐食性を向上させる元素である。このような効果は0.05%以上の添加で顕著となるが、2.00%以上の過剰な添加により脆化するため、2.00%未満に限定する。より好適には0.05%以上1.5%未満である。
Vは成形性を向上させる元素である。このような効果は0.05%以上で顕著となるが、0.05%以上添加すると、粗大なV(C,N)が析出し、表面性状を劣化させるため、0.5%未満に限定する。より好適には0.05%以上、0.40%未満である。
3.製造方法について
本発明に係るフェライト系ステンレス熱延鋼板の製造方法は、含有成分を上述した成分組成の範囲に限定し、熱延中の冷却速度および圧下率と圧延温度との関係を制御する点以外に関しては、特に限定されるものではなく、通常公知の方法がすべて適用できる。以下、各製造プロセスで使用する装置については、公知につき図示しない。
例えば、製鋼工程は、転炉、電気炉等で上記した適正組成範囲に調整した溶鋼を溶製し、強攪拌・真空酸素脱炭処理(SS−VOD)により2次精錬を行うのが好適である。鋳造方法は、生産性、品質の面から連続鋳造が好ましい。
鋳造により得られたスラブは、必要により再加熱し、熱間圧延する。熱間圧延の粗圧延を含む900℃以上の圧延においては、通常の圧延条件で良い。また、700℃以下の温度域においても、コイル状に巻取られ、常温に冷却されるまでの冷却速度などは、限定されない。
(a)900〜700℃までの冷却速度≧50×(Nb質量%)
本発明において、Nb含有金属間化合物などが析出しやすい900〜700℃の間に曝される時間を可能な限り短くすることが重要である。冷却速度を増加することは析出サイトばかりでなく析出量の低減にも有効である。冷却下限速度はNb含有量により決まり、上記の範囲にすることが必要である。冷却速度は速いほど好ましい。
(b)900℃以下の仕上圧延各パスの圧下率(%)≧0.1×(圧延温度(%)−700℃)
本発明において、Nb含有金属間化合物などが析出しやすい温度域(900℃以下)の圧延条件(圧延温度と圧下率)を制御することも重要である。析出物が結晶粒界上に析出しにくくなるメカニズムについては不明な点が多いが、上記の圧延温度/圧下率条件範囲に限定することで結晶粒界上析出物の占有率を低減することが可能であることを知見した。
特に低温域において圧下率を高めることが有効であり、1パスあたり10%以上とすることが好ましい。特に析出量の少なくなる条件(冷却速度の速い条件)と組み合わせることが結晶粒界上析出物の占有率を低減するうえで有効である。
表1に示す成分組成を有する種々のフェライト系ステンレス鋼を溶製した。得られた鋼塊を1200℃に加熱後、熱間圧延により板厚4〜6mmの熱延鋼板とした。熱間圧延の900〜700℃において、冷却水放射、噴霧などにより、所望の冷却速度とした。また、900℃以下の圧延における圧下率と圧延温度の関係も変化させた。
更に、得られた熱延鋼板を900〜1200℃で熱延板焼鈍した後酸洗し、冷間圧延により板厚1.5〜2.5mmの冷延板とし、900℃〜1200℃の仕上げ焼鈍を行った。
このようにして得られたフェライト系ステンレス鋼の熱延鋼板および冷延焼鈍板について試験用の試料を採取して、以下に記載の評価方法に基づいて、電子顕微鏡観察、シャルピー試験を行った。
(a)結晶粒界上析出物の占有率評価
得られた熱延鋼板および冷延焼鈍板の圧延方向に垂直な任意の切断面から試料を採取し、析出物の分布を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行った。図2に示した実験結果と同様に、結晶粒界長さ3mmに相当する視野を詳細に観察し、結晶粒界の長さと結晶粒界上に析出している析出物の長さを測定した。
ここで、結晶粒界の長さは、図2に示した場合と同様に、走査型電子顕微鏡の1視野に出現した全結晶粒界長さの合計値(A)+(B)+(C)で表した。そして、結晶粒界上析出物の占有率を式(1)により算出した。算出した値が0.5以下を本発明の範囲とした。
Figure 0005347316
(b)靱性評価
熱延板および冷延焼鈍板の各々から、JISZ2242の規定に準拠して、Vノッチの方向を板幅方向とするVノッチシャルピー試験片を採取した。そして、熱延板については、25℃(常温)でシャルピー試験を実施し、シャルピー衝撃値を判定した。シャルピー衝撃値は、25J/cm以上を本発明の範囲と判断した。
冷延焼鈍板については、−80〜+25℃の温度範囲でシャルピー試験を行い、その延性脆性遷移温度を判定した。延性脆性遷移温度は、−30℃未満を本発明の範囲と判断した。
Figure 0005347316
表1に、900〜700℃の冷却速度および900℃以下の各パスの圧延条件(圧延温度と圧下率から計算される値(圧下率(%)−0.1×(圧延温度(%)-700℃))で、0以上が発明の範囲内)、熱延鋼板の結晶粒界上析出物の占有率、熱延鋼板の靭性評価(25J/cm2以上を○、25J/cm2未満を×)を示す。表の結果から判るように、熱延鋼板の結晶粒界上析出物の占有率が0.5以下のときに良好な靭性を得られる。
更に、得られた熱延鋼板を900〜1200℃で熱延板焼鈍し、酸洗した後、冷間圧延により板厚1.5〜2.5mmの冷延板とし、900℃〜1200℃の仕上げ焼鈍を行った。得られた冷延鋼板の靭性評価(延性脆性遷移温度で−30℃未満を○、−30℃以上を×)もあわせて表1に示す。熱延鋼板で結晶粒界上析出物の占有率を0.5以下とした発明鋼は冷延焼鈍板においても良好な靭性となっている。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、靱性に優れるので、自動車用排気系部材として好適な部材が得られる。また、自動車用排気系部材と同様の特性が要求され、主に高温環境で使用されるような種々の部材にも適用できる。
結晶粒界上析出物の占有率とシャルピー衝撃値との関係を説明する図である。 結晶粒界上の析出物の観察例を説明する図である。
符号の説明
1 結晶粒
2 結晶粒界
3 析出物

Claims (5)

  1. 質量%で、C<0.020%、Si≦0.25%、Mn<2.00%、P<0.060%、S<0.008%、Cr:12.0〜20.0%、Ni<1.00%、Nb:10×(C(%)+N(%))〜0.80%、Mo<5.00%、N<0.020%、B:0.0005〜0.0100%を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、熱間圧延工程において、式(2)および式(3)を満足する熱間圧延を行い、結晶粒界上析出物の占有率を、結晶粒界上において各析出物の占める長さと結晶粒界長さとの比として、式(1)で算出し、該占有率を0.5以下としたことを特徴とする靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板。
    Σ(結晶粒界上において各析出物の占める長さ)/Σ(結晶粒界長さ)・・・(1)
    900〜700℃までの冷却速度≧50×(Nb質量%)・・・(2)
    900℃以下の仕上圧延各パスの圧下率(%)≧0.1×(圧延温度(℃)−700℃)
    ・・・(3)
  2. 更に質量%で、W<5.00%を含有することを特徴とする請求項に記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板。
  3. 更に質量%で、Ti<0.5%、Zr<0.5%の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項または請求項に記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板。
  4. 更に質量%で、Co<3%、Cu<2.00%、V<0.5%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の靱性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼板。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の熱延鋼板を用いて製造された、靭性に優れたフェライト系ステンレス冷延鋼板。
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