JP2009197307A - 高温強度、耐水蒸気酸化性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温強度、耐水蒸気酸化性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】900℃という高温でも高い強度と優れた耐水蒸気酸化性を有するとともに、室温での加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼を提案する。
【解決手段】質量%で、C:0.015%以下、Si:0.10%以下、Mn:2.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:14.0〜20.0%、Ni:1.0%以下、N:0.015%以下、Nb:0.3〜1.0%、Cu:1.0〜2.5%、Al:0.01〜0.30%、Mo:0.8〜3.0%、W:1.0〜5.0%かつ(Mo+W):3.0〜5.8%を満たして含有し、さらに、上記成分が下記(1)式および(2)式;
0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
を満たして含有するフェライト系ステンレス鋼。
【選択図】図1

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼に関し、特に、自動車やオートバイの排気管や触媒外筒材、火力発電プラントの排気ダクト等の高温環境下で使用される部材に用いられる、高温強度、耐水蒸気酸化性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
自動車のエキゾーストマニホールドや排気パイプ、コンバータケース、マフラー等に代表される排気系部材に用いられる材料には、成形性と耐熱性に優れることが要求される。そのため、このような用途には、従来、室温での成形性に優れかつ高温での耐力も比較的高い、NbとSiを添加したType429(14Cr−0.9Si−0.4Nb系)鋼のようなCr含有鋼が多く使用されている。しかし、エンジン性能の向上に伴い、排ガス温度が上昇する傾向にあり、その温度が900℃近くまで上昇してくると、Type429鋼では、高温耐力が不足するようになってきている。
この問題に対しては、NbとMoを添加して高温耐力を向上させたCr含有鋼や、JIS G4305に規定されているSUS444(19Cr−0.2Nb−1.8Mo)鋼等が開発されている。しかし、自動車の燃費向上や排気ガスの規制強化に対応して、エンジンから排出されるガスの温度はさらに上昇する趨勢にあり、自動車の排気系部材に用いられる材料には、より優れた耐熱性が要求されるようになってきている。また、排気系部材に用いられる材料の高温強度を高めることは、部材の薄肉化を可能とし、自動車車体の軽量化にも寄与するため、高温強度の向上に対する要求はますます強くなっている。
このような状況下において、排気系部材用の材料が各種開発されている。例えば、特許文献1〜5には、Nb,Moの添加に加えてさらにWを添加することにより、高温強度や耐酸化性を向上させたCr含有鋼やフェライト系ステンレス鋼が開示されている。また、特許文献6〜8には、Nb,Mo,Wの添加に加えてさらにCuを添加することにより、高温強度を向上させたCr含有鋼やフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特開2002−212685号公報 特開2003−213377号公報 特開2004−018921号公報 特開2004−018914号公報 特開2004−076154号公報 特開2005−206944号公報 特開2001−303202号公報 特開2002−004011号公報
しかしながら、特許文献1〜5に開示されたCr含有鋼やフェライトステンレス鋼は、排気系部材に用いるには、耐熱性が不十分である。また、特許文献6〜8に開示されたCr含有鋼やフェライト系ステンレス鋼は、Nb,Mo,W,Cuのような合金元素を多量に添加する必要があるため、鋼板の加工性が低下し、部品への加工を温間で行わなければならないという問題がある。特に、Cuを1%超え添加すると、鋼板製造工程の最終焼鈍冷却時にε−Cuが析出し、室温加工性が低下するという問題がある。また、Cuを1%超え添加すると、900℃以上の水蒸気を含んだ環境中では、耐酸化性が低下するという、従来知られていなかった新たな問題点が明らかになってきた。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を有利に解決し、900℃という高温でも高い強度と優れた耐水蒸気酸化性を有するとともに、室温での加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼を提案することにある。ここで、本発明でいう「高い強度」とは、900℃における0.2%耐力が27MPa以上かつ650℃における0.2%耐力が280MPa以上であることをいう。また、「優れた耐水蒸気酸化性」とは、露点が+55℃の空気中に1000℃×200時間保持したときの酸化増量が5mg/cm以下であることをいう。また、「室温での加工性に優れる」とは、室温(20℃)での孔拡げ率が120%以上であることをいう。
発明者らは、上記課題を解決するために、フェライト系ステンレス鋼が有する成分系に着目し、鋭意検討を重ねた。その結果、フェライト系ステンレス鋼に、Nbを0.3〜1.0mass%、(Mo+W)を3.0〜5.8mass%添加し、さらにCuを1.0〜2.5mass%添加することにより幅広い温度域で高い高温強度を得ることができることを見出した。また、上記Cu添加に伴う穴拡げ性の低下に対しては、適正量のAlを添加し、さらに、Cr,Mo,W,Al,Cuの含有量を、下記(1)式;
0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
を満たすよう適正範囲に制御すること、また、上記Cu添加による耐水蒸気酸化性の低下に対しては、Si含有量を低減した上で、さらに、Cr,Mo,W,NbおよびCuの含有量を、下記(2)式;
Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
を満たすよう適正範囲に制御することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、C:0.015mass%以下、Si:0.10mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:14.0〜20.0mass%、Ni:1.0mass%以下、N:0.015mass%以下、Nb:0.3〜1.0mass%、Cu:1.0〜2.5mass%、Al:0.01〜0.30mass%、Mo:0.8〜3.0mass%、W:1.0〜5.0mass%かつ(Mo+W):3.0〜5.8mass%を満たして含有し、さらに、上記成分が下記(1)式および(2)式;
0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、上記成分組成に加えてさらに、B:0.003mass%以下、Ti:0.25mass%以下、REM:0.08mass%以下、Zr:0.5mass%以下、V:0.5mass%以下およびCo:0.5mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、900℃という高温でも、耐熱性に優れるだけでなく、高い耐力と優れた耐水蒸気酸化性を有し、しかも、室温での加工性にも優れるフェライト系ステンレス鋼を得ることができる。そのため、本発明のフェライト系ステンレス鋼は、自動車排気系部材や火力発電システムの排気経路部材、固体酸化物形の燃料電池用部材の材料として好適に用いることができる。さらに、本発明のフェライト系ステンレス鋼は、耐食性向上に有効なMo,Wを含有しているので、耐食性が要求される使途にも用いることができる。
本発明を開発する契機となった基礎実験について説明する。
C:0.005〜0.007mass%、N:0.004〜0.006mass%、Mn:0.4mass%、Cr:15〜17mass%、Nb:0.4〜0.6mass%、Mo:1.5mass%、W:2.7mass%、Cu:1.6mass%およびAl:0.03mass%をベース組成とし、Siの含有量を種々に変化させた鋼を実験室的に溶製し、熱間圧延し、冷間圧延し、仕上焼鈍して板厚2mmの冷延鋼板とし、下記の穴拡げ試験に供した。
穴拡げ試験は、試験片の中央に初期孔径d(=10mmφ)の孔を打ち抜き加工し、この孔に円錐状のポンチを押し込み、孔の周辺部に発生した亀裂が板厚を貫通したときの孔径dを測定するものであり、このとき下記式で求められる値λを穴拡げ率と定義する。
穴拡げ率λ(%)={(d−d)/d}×100
図1は、その結果を示したものであり、鋼板の成分組成が下記(1)式;
0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
を満たす場合に、穴拡げ率120%以上が得られることがわかる。
次に、C:0.006mass%、N:0.007mass%N、Si:0.06mass%、Mn:0.4mass%、Cr:16mass%、Nb:0.49mass%、Mo:1.7mass%、W:2.3mass%およびCu:1.39mass%をベース組成とし、Alの含有量を種々に変化させた鋼を実験室的に溶製し、熱間圧延し、冷間圧延し、仕上焼鈍して板厚2mmの冷延鋼板とした。次いで、この冷延鋼板から試験片を採取し、露点+55℃で1000℃に加熱した大気雰囲気の炉中に200時間保持する水蒸気酸化試験に供し、試験前後の重量変化から酸化増量を測定した。
図2は、その結果を示したものであり、鋼の成分組成が下記(2)式;
Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
を満たす場合に、酸化増量が5mg/cm以下となり、優れた耐水蒸気酸化性が得られることがわかった。
本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を加えて開発されたものである。
次に、本発明の係るフェライト系ステンレス鋼が有すべき成分組成について説明する。
C:0.015mass%以下
Cは、鋼の強度を高めるのに有効な元素であり、所望の強度を確保するためには0.001mass%以上含有するのが好ましい。一方、Cを0.015mass%超え含有すると、靭性および成形性の劣化が顕著となる。よって、本発明では、C:0.015mass%以下とする。なお、成形性を確保する観点からは、C含有量は低いほど望ましく、0.008mass%以下とするのが好ましい。より好ましくは、Cは0.002〜0.008mass%である。
Si:0.10mass%以下
Siは、本発明のフェライト系ステンレス鋼のように、Nb,Mo,Wを含有し、さらにCuを1mass%以上含有する鋼の場合、上述した基礎実験からわかるように、穴拡げ性を改善するには、(1)式左辺の値が低いほどよく、したがって、影響係数の大きいSiの含有量は低いほど望ましい。そこで、本発明では、室温での穴拡げ性や靭性の向上を図る観点から、Siの含有量を0.10mass%以下とする。より好ましくは、Si:0.07mass%以下である
Mn:2.0mass%以下
Mnは、脱酸剤として、また、鋼板強度を高めるために添加されるが、過剰なMnの添加は、高温でのγ相の生成を促進し、耐熱性を低下させる。よって、本発明では、Mn含有量を2.0mass%以下とする。好ましくは1.5mass%以下である。
P:0.040mass%以下
Pは、鋼中に不可避に混入する不純物であり、靭性を低下させる有害な元素であるので、できるだけ低減するのが望ましい。よって、本発明では、0.040mass%以下とする。好ましくは0.030mass%以下である。
S:0.010mass%以下
Sは、鋼中に不可避に混入する不純物であり、鋼板の伸びおよびr値を低下させるほか、ラーベス相の析出を促進して鋼を硬質化し、成形性を低下させる有害な元素である。また、ステンレス鋼の基本特性である耐食性を低下させる元素でもあるので、できるだけ低減するのが望ましい。よって、本発明では、Sを0.010mass%以下とする。
Cr:14.0〜20.0mass%
Crは、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を確保するために必要な成分であり、特に、本発明の鋼では、耐水蒸気酸化性を向上させる重要な元素である。上記効果を得るためには、Crは14.0mass%以上添加する必要がある。一方、Crは、鋼を固溶強化し、室温での硬さを上昇させて延性を低下させる。特に、Crを20.0mass%超え含有すると、この影響が顕著となるため、Cr含有量は20.0mass%以下とする。よって、本発明では、Crは14.0〜20.0mass%の範囲とする。
Ni:1.0mass%以下
Niは、鋼の靭性を向上させる元素である。しかし、Niは、高価であるばかりでなく、強力なγ相形成元素であり、高温でγ相の生成を促し、耐酸化性を低下させる。よって、Niは1.0mass%以下とする。好ましくは、0.05〜0.6mass%の範囲である。
N:0.015mass%以下
Nは、鋼の靭性および成形性を低下させる元素であり、0.015mass%超え含有すると、この影響が顕著となる。このため、Nは、できるだけ低減するのが好ましく、本発明では、0.015mass%以下とする。好ましくは0.010mass%以下である。
Nb:0.3〜1.0mass%
Nbは、C,Nを固定し、高温強度や成形性、耐食性、溶接部の耐粒界腐食性を向上する元素である。このような効果は、Nb:0.3mass%以上の含有で認められる。一方、1.0mass%超え含有すると、鋼が脆化する。よって、Nbは0.3〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.4〜0.6mass%の範囲である。
Cu:1.0〜2.5mass%
Cuは、500〜750℃の温度域でε−Cuとして析出することにより、室温〜析出温度の広範な温度範囲での強度の向上に有効に寄与する。特に、本発明が目的とする650℃における0.2%耐力:280MPa以上を達成するためには、1.0mass%以上のCu添加が必要である。一方、Cuの含有量が2.5mass%を超えると、鋼板製造の最終焼鈍における冷却時にε−Cuが多量に析出し、穴拡げ性の低下や靭性の低下が著しくなる。よって、高強度化と加工性、靭性との両立を図るため、Cuは1.0〜2.5mass%の範囲とする。
Al:0.01〜0.30mass%
Alは、耐水蒸気酸化性の向上に必要な元素であり、後述する(2)式左辺の係数からわかるように、比較的少量の添加でも大きな効果が得られる。しかし、Alの含有量が0.01mass%以下では、本発明が目的とする耐水蒸気酸化性は得られない。一方、0.3mass%を超えて添加すると、穴拡げ性に対して悪影響を及ぼすようになる。よって、本発明では、Alの含有量は0.01〜0.30mass%の範囲とする。より好ましくは、0.02〜0.10mass%の範囲である。
Mo:0.8〜3.0mass%
Moは、鋼中に固溶状態で存在することにより、高温での耐力を増加させ、耐食性や耐酸化性を向上させる効果を有する、本発明では重要な成分である。このような効果は、0.8mass%以上の添加で認められる。一方、3.0mass%超え含有すると、ラーベス相の析出が顕著となり、固溶状態で存在するMo量が減少して、高温耐力や耐食性の向上への寄与が小さくなるとともに、常温での強度が増して加工性が低下する。よって、Moは0.8〜3.0mass%の範囲とする。好ましくは、1.0〜3.0mass%の範囲である。
W:1.0〜5.0mass%
Wは、Moと同様、鋼中に固溶状態で存在することにより、高温耐力を増加させ、耐食性や耐酸化性を向上させる効果を有するため、本発明では重要な成分である。このような効果は、1.0mass%以上の含有で認められる。一方、5.0mass%を超えるとラーベス相の析出が顕著となり、固溶状態で存在するW量が飽和するばかりか、靭性や加工性が低下する。よって、Wは1.0〜5.0mass%の範囲とする。好ましくは2.0〜4.0mass%の範囲である。
(Mo+W):3.0〜5.8mass%
MoおよびWは、上述したように同様の効果を有する成分である。しかし、本発明が目標とする高温強度、即ち、900℃における0.2%耐力:27MPa以上、650℃における0.2%耐力:280MPa以上を達成するためには、MoとWの合計量(Mo+W)は3.0mass%以上が必要である。一方、(Mo+W)が5.8mass%を超えると、上述した効果が飽和すると共に、靭性や加工性の低下が起こるようになる。よって、(Mo+W)は、3.0〜5.8mass%の範囲とする。好ましくは3.5〜5.0mass%の範囲である。
0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
鋼板の穴拡げ性は、種々の冶金学的要因に影響される。特に、本発明の鋼板のように、高温強度特性を得るため、Nb,Mo,W,Cuを多量に含有する成分系では、Nb,Mo,W添加によるラーベス(Laves)相の析出や、Cu添加によるε−Cu相の析出が生じている。このような鋼板では、加工時に、これらの析出相と母相との界面が亀裂発生の起点となり、穴拡げ性が低下する。特に、図1に示したように、(1)式の左辺の値が11を超える場合には、穴拡げ性は急激に低下する。よって、本発明では、0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11を満たすよう各成分組成を適正範囲に制御する必要がある。
ここで、上記(1)式の左辺は、穴拡げ性に影響を及ぼす各成分の寄与度を表す式である。この式から、係数の大きいSi,Cuを適正範囲に制御することが、穴拡げ性の改善には極めて重要であることがわかる。
Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
Cuは、耐水蒸気酸化性を低下させる成分である。したがって、Cuのよる悪影響を除くためには、耐水蒸気酸化性を向上する成分であるCr,Mo,WおよびAlとのバランスを適正範囲とする必要がある。特に、本発明のように、耐酸化性向上元素であるSiを低減した成分系では、このバランスを保つことは極めて重要である。図2に示したように、本発明の成分系では、耐水蒸気酸化性を向上するには、上述した(2)式の左辺を13.5以上とすることが必要であり、この条件を満たすことにより、水蒸気酸化による酸化増量を、本発明の目標値、即ち、露点+55℃の空気中で1000℃×200時間連続加熱する水蒸気酸化試験を行ったときの酸化増量を5mg/cm以下とすることができる。よって、本発明では、Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5を満たすよう各成分組成を適正範囲に制御する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、上記成分に加えてさらに、B,Ti,REM,Zr,VおよびCoのうちから選ばれる1種または2種以上を下記の範囲で含有することができる。
B:0.003mass%以下
Bは、加工性、特に2次加工性の向上に有効な元素である。この効果は、B:0.0005mass%以上で発現する。一方、0.003mass%を超える含有は、BNを多量に生成して加工性の低下を招く。よって、Bを添加する場合は、0.003mass%以下とするのが好ましい。
Ti:0.25mass%以下
Tiは、伸びやr値を向上させるのに有効な成分である。しかしながら、0.25mass%を超えて添加すると、耐水蒸気酸化性の低下が顕著になる。よって、Tiを添加する場合には0.25mass%以下とする。
REM:0.08mass%以下、Zr:0.5mass%
REM(希土類元素),Zrは、いずれも耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて含有することができる。しかし、REM:0.08mass%を超える含有は、鋼を脆化させる。また、Zr:0.5mass%を超える含有は、Zr金属間化合物が析出し、やはり鋼を脆化させる。このため、REMを添加する場合は0.08mass%以下、Zrを添加する場合は0.5mass%以下とするのが好ましい。
V:0.5mass%以下
Vは、成形性の向上に有効な元素である。しかし、0.5mass%を超える過剰な含有は、粗大なV(C,N)が析出して表面性状を劣化させる。このため、Vを添加する場合は、0.5mass%以下とするのが好ましい。
Co:0.5mass%以下
Coは、靭性の向上に有効な元素であるが、0.5mass%超え添加しても、その効果は飽和する。また、Coは高価な成分でもあるので、添加する場合は0.5mass%以下が好ましい。
なお、本発明の鋼板は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の作用効果を害さない範囲であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
本発明のフェライト系ステンレス鋼の製造方法は、とくに限定されるものではなく、公知の方法を適用することができる。例えば、本発明に適合する成分組成を有する鋼を転炉や電気炉等の公知の方法で溶製し、さらに必要に応じて取鍋精錬、真空精錬等の2次精錬を施したのち連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼片(スラブ)とする。その後、熱間圧延、熱延板焼鈍、酸洗、冷間圧延、仕上焼鈍、酸洗の各工程を順次経て冷延焼鈍板とするのが好ましい。なお、上記冷間圧延は、1回または中間焼鈍を挟む2回以上行ってもよい。また、冷間圧延以外に、仕上焼鈍、酸洗工程も繰り返して行ってもよい。また、熱延板焼鈍は、省略してもよい。さらに、鋼板表面に光沢性が要求される場合には、スキンパス等を施してもよい。
表1に示した成分組成を有するNo.1〜20の鋼を真空溶解炉で溶製し、50kgの鋼塊とした後、これらの鋼塊を1170℃に加熱後、熱間圧延して板厚5mmの熱延板とした。次いで、これらの熱延板を、熱延板焼鈍(焼鈍温度:1040℃)し、酸洗し、冷間圧延(冷延圧下率:60%)し、仕上焼鈍(焼鈍温度:1050℃、平均冷却速度:20℃/sec)し、酸洗して、板厚2mmの冷延焼鈍板とした。なお、参考例として、特許文献6〜8に実施例として記載された鋼板についても、同様にして冷延焼鈍板を作製し、表1にNo.21〜24として示した。
上記のようにして得た各種冷延焼鈍板について、下記の評価試験に供した。
(1)高温強度
それぞれの冷延焼鈍板から、圧延方向を引張方向とした引張試験片を各2本ずつ採取し、JIS G0567の規定に準拠して、900℃および650℃の温度で、歪速度:0.3%/minで高温引張試験を行い、900℃における0.2%耐力(σ0.2at900℃)および650℃における0.2%耐力(σ0.2at650℃)を測定した。そして、高温強度の評価は、σ0.2at900℃は、27MPa以上を良(○)、27MPa未満を不良(×)と、また、σ0.2at650℃は、280MPa以上を良(○)、280MPa未満を不良(×)と判定した。
(2)穴拡げ性
それぞれの冷延焼鈍板に、d=10mmφの初期穴を打ち抜きして開けた後、その穴に円錐ポンチを押し込んで穴拡げ試験を行い、穴の周囲に板厚を貫通する割れが発生した時の穴径dを測定し、穴拡げ率λを下記式;
穴拡げ率λ(%)={(d−d)/d}×100
から求めた。孔拡げ性の評価は、各冷延焼鈍板についてそれぞれ5回の試験を実施し、そのλの平均値が120%以上を良(○)、120%未満を不良(×)と判定した。
(3)耐水蒸気酸化性
それぞれの冷延焼鈍板から、30mm×20mmのサンプルを切り出し、このサンプル上部に4mmφの穴を開け、表面および端面をエメリー紙(#320)で研磨後、脱脂し、1000℃に加熱し、露点+55℃に加湿した大気雰囲気の炉内に吊り下げ、200時間保持した。上記試験後、サンプルの質量を測定し、試験前の質量との差を算出し、酸化増量を求めた。この水蒸気酸化試験は、2回実施し、その平均値が5mg/cm以下のものを耐水蒸気酸化性が良(○)、5mg/cmを超えたものを耐水蒸気酸化性不良(×)と判定した。
上記試験の結果を表2に示す。表2から、本発明例の鋼板は、いずれも900℃における0.2%耐力(σ0.2at900℃)が27MPa以上、650℃における0.2%耐力(σ0.2at650℃)が280MPa以上という優れた高温強度を有し、しかも、穴拡げ率が120%以上と加工性に優れ、さらに、酸化増量5mg/cm以下と耐水蒸気酸化性にも優れていることがわかる。これに対して、本発明の範囲外である比較例あるいは先行技術の鋼板は、いずれも、上記特性のうちの1以上を満足していないことがわかる。
Figure 2009197307
Figure 2009197307
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、自動車排気系部材や火力発電システムの排気経路部材、固体酸化物形の燃料電池用部材の材料として好適に用いることができる他、さら耐食性が要求される用途にも用いることができる。
孔拡げ率に及ぼす(1)式左辺の影響を示すグラフである。 酸化増量に及ぼす(2)式左辺の影響を示すグラフである。

Claims (2)

  1. C:0.015mass%以下、Si:0.10mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:14.0〜20.0mass%、Ni:1.0mass%以下、N:0.015mass%以下、Nb:0.3〜1.0mass%、Cu:1.0〜2.5mass%、Al:0.01〜0.30mass%、Mo:0.8〜3.0mass%、W:1.0〜5.0mass%かつ(Mo+W):3.0〜5.8mass%を満たして含有し、さらに、上記成分が下記(1)式および(2)式;
    0.2×Cr+10×Si+0.3×Mo+0.2×W+2×(Nb−0.4)+5×(Cu−1)≦11 ・・・(1)
    Cr+2×Mo+0.5×W+12×Al−4×Cu≧13.5 ・・・(2)
    を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.003mass%以下、Ti:0.25mass%以下、REM:0.08mass%以下、Zr:0.5mass%以下、V:0.5mass%以下およびCo:0.5mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
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