JP5343920B2 - 故障予兆検出装置 - Google Patents
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Description
このように構成された故障予兆検出装置によれば、複数の車載機器全体としての総合的な故障予兆の検出を行うことができる。例えば、相互に関連した2つのセンサが車両に搭載され、2つのセンサのうち一方のセンサの故障予兆評価指標が大きく他方のセンサの故障予兆評価指標が小さい場合には異常ではないが、両方のセンサの故障予兆評価指標が大きい場合には異常となるような場合に有効な検出方法である。
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
図1は、本実施形態の故障予兆検出システム1の構成を示すブロック図である。
まず故障予兆検出装置2は、所定の処理プログラムに基づいて処理を実行するCPU21と、種々の処理プログラムが格納されたROM22と、種々のデータを格納するRAM23と、電力が供給されない状態でも記憶されたデータを保持可能なEEPROM24と、車両に搭載されたセンサ11の出力をA/D変換するADコンバータ25と、CPU21を車内LAN5と接続する通信インターフェース(以下、通信I/Fという)26と、車両外部に設置された外部装置との間で各種情報を無線通信により送受信する無線通信部27とから構成される。
このように構成された故障予兆検出システム1において、故障予兆検出装置2は、故障予兆判定値(後述)を算出する故障予兆判定値算出処理と、故障診断装置12に対して故障予兆診断結果の応答を行う故障予兆診断結果応答処理と、故障予兆評価指標(後述)をリセットする故障予兆評価指標リセット処理を実行する。
またS20にて、センサ値が異常でない場合には(S20:NO)、S80にて、前回異常フラグF1がセットされているか否かを判断する。ここで、前回異常フラグF1がクリアされている場合には(S80:NO)、S122に移行する。
この故障予兆評価指標算出処理が実行されると、CPU21は、まずS210にて、RAM23から異常発生継続時間指示値Tcを取得する。さらにS220にて、RAM23からセンサ正常閾値差積算値Sdを取得する。そしてS230にて、RAM23からセンサ正常閾値差最大値Mxを取得する。またS240にて、RAM23からセンサ正常閾値差最小値Mnを取得する。
次に、S270で実行される故障予兆評価指標記憶処理の手順を図4を用いて説明する。図4は故障予兆評価指標記憶処理を示すフローチャートである。
次に、故障予兆検出装置2のCPU21が実行する故障予兆評価指標リセット処理の手順を図6を用いて説明する。図6は故障予兆評価指標リセット処理を示すフローチャートである。この故障予兆評価指標リセット処理は、故障予兆検出装置2のCPU21が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
図9に示すように、まず時刻t1でセンサ値が正常上限値を超える。そして時刻t2を経過した後にセンサ値が正常上限値以下となる。このため、時刻t1〜t2での故障予兆評価指標If1が算出される。なお図9では、このときの異常発生継続時間指示値Tcが3であり、センサ正常閾値差積算値Sdの平均値が1.3であるので故障予兆評価指標If1は3.9である。そして、この時点での故障予兆評価指標Ifは1つであるので、このときの故障予兆判定値Jf1は故障予兆評価指標If1に等しい(図9では、Jf1=3.9)。
このように構成された故障予兆検出システム1では、故障予兆を評価するための故障予兆評価指標Ifの算出のために、異常発生が継続している時間(異常発生継続時間)を用いている。すなわち、短期間の異常が発生している場合よりも、長い期間継続して異常が発生している場合のほうについて故障予兆評価指標Ifの値への寄与を大きくすることができる。つまり、短期間のみ異常発生と判断される原因となるノイズが、故障予兆の検出に及ぼす影響を低減することができる。これにより、故障していないセンサ11がノイズの頻発のために交換されてしまうという事態の発生を抑制することができる。
以下に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
次に、第2実施形態の故障予兆判定値算出処理の手順を図10を用いて説明する。図10は、第2実施形態の故障予兆判定値算出処理を示すフローチャートである。
すなわち、S120の処理が終了すると、S130にて、EEPROM24に記憶されている複数の故障予兆評価指標Ifについて、時間経過に伴い増加する傾向があるか否かを判定する。ここで、増加する傾向がない場合には(S130:NO)、故障予兆判定値算出処理を一旦終了する。
このように構成された故障予兆検出システム1における故障予兆検出の具体例を図11を用いて説明する。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態の故障予兆判定値算出処理は、S5,S75,S85,S160〜S180の処理が追加された点以外は、第1実施形態と同じである。
正常上限値と正常下限値は車両の負荷に応じて変動する(図13の矢印Y21,22を参照)。そしてセンサ値が正常上限値を超えて更に正常上限値以下となる毎、またはセンサ値が正常下限値未満となり更に正常下限値以上となる毎に故障予兆評価指標Ifが算出され、図13に示すように、故障予兆評価指標If21,If22,If23,If24,If25,If26がEEPROM24に記憶されている。そして、故障予兆評価指標If21,If22,If23,If24,If25,If26が算出される毎に、センサ正常度は、故障予兆評価指標の大きさに応じた減少量Qd21,Qd22,Qd23,Qd24,Qd25,Qd26分減少する。また、故障予兆評価指標Ifが算出されていない期間中は、その時間経過に応じてセンサ正常度が増加する。
このように構成された故障予兆検出システム1では、算出された故障予兆評価指標Ifの大きさに基づいて、センサ正常度を減少させ、センサ正常度が報知閾値未満である場合に(S165:YES)、センサ11に故障予兆があると判定する(S170)。これにより、センサ正常度と報知閾値の2つの値の大小関係のみで故障予兆の有無を判断することができ、故障予兆の検出方法を簡略化することができる。
例えば上記第1実施形態では、図6の故障予兆評価指標リセット処理において、電源オフからリセット判定時間経過した場合にはEEPROM24に記憶されている全ての故障予兆評価指標Ifを消去するものを示した。しかし、所定値以上の故障予兆評価指標Ifについてはリセット対象から除外するようにしてもよい。このように構成された故障予兆検出システム1における故障予兆検出の具体例を図14を用いて説明する。
また上記第1実施形態では、センサ値が正常上限値を超えて更に正常上限値以下となる毎に故障予兆評価指標Ifを算出するものを示した。しかし、予め設定された定期検出期間毎に故障予兆評価指標Ifを算出するようにしてもよい。
図15に示すように、まず、時刻t41から開始され時間ΔT後に終了する検出期間Td41内で故障予兆評価指標Ifが算出される。このときの故障予兆評価指標Ifは1つのみであり、この大きさが6であるので、検出期間Td41内で故障予兆評価指標If41は6と算出される。そして、この時点での故障予兆評価指標Ifは1つであるので、このときの故障予兆判定値Jf41は故障予兆評価指標If41に等しい(図15では、Jf41=6)。
図16は、出力系機器であるエアミックスダンパについての故障予兆の具体例を示す図である。
Claims (15)
- 車両に搭載された車載機器の故障検出に用いられるパラメータである機器故障検出パラメータと予め設定された異常判定値とを比較し、この比較結果に基づいて、前記車載機器に異常が発生しているか否かを判断する異常発生判断手段と、
前記車載機器に異常が発生していると前記異常発生判断手段により判断された場合に、この異常発生が継続している時間である異常発生継続時間、及び前記機器故障検出パラメータと前記異常判定値との差であるパラメータ判定値差を用いて、前記車載機器の故障予兆を評価するための故障予兆評価指標を算出する故障予兆評価指標算出手段と、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標を記憶する故障予兆評価指標記憶手段と、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標を用いて、前記車載機器の故障予兆を検出する故障予兆検出手段と
を備えることを特徴とする故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆検出手段は、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標の平均値である故障予兆評価指標平均値を算出し、前記故障予兆評価指標平均値が予め設定された第1故障予兆判定値以上である場合に、前記車載機器に故障予兆があると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆検出手段は、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標が、時間経過とともに増加する傾向にあるか否かを判断し、増加傾向にあると判断した場合に、前記車載機器に故障予兆があると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆評価指標の増加傾向に基づいて、前記車載機器の故障時期を予測する第1故障時期予測手段を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆検出手段は、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標の大きさに基づいて、前記車載機器の状態の正常度合いを示す機器正常度を減少させ、前記機器正常度が予め設定された第2故障予兆判定値未満である場合に、前記車載機器に故障予兆があると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の故障予兆検出装置。 - 前記機器正常度の減少傾向に基づいて、前記車載機器の故障時期を予測する第2故障時期予測手段を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の故障予兆検出装置。 - 前記車載機器は、前記車両に搭載された制御対象を駆動させるための出力系機器であり、
前記機器故障検出パラメータは、前記出力系機器の駆動量であり、
前記異常判定値は、前記出力系機器の駆動量を指示する指示値である
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆評価指標算出手段は、
一定周期毎に繰り返される予め設定された定期検出期間毎に、前記定期検出期間内に算出された前記故障予兆評価指標の合計値を算出し、
前記故障予兆検出手段は、
前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標の合計値を用いて、前記車載機器の故障予兆を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆評価指標算出手段は、
前記異常発生継続時間内の前記パラメータ判定値差のうち、最大値および最小値の少なくとも一方を除外して、前記故障予兆評価指標を算出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記車両には複数の前記車載機器が搭載され、
前記故障予兆検出手段は、
複数の前記車載機器それぞれの前記故障予兆評価指標の合計値を用いて、前記車載機器の故障予兆を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記車両には複数の前記車載機器が搭載され、
前記故障予兆検出手段は、
複数の前記車載機器それぞれの前記故障予兆評価指標の合計値に対して、複数の前記車載機器それぞれの前記故障予兆評価指標が占める割合に基づいて、複数の前記車載機器それぞれの故障予兆を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記異常発生判断手段は、
予め設定された判定変更条件に基づいて、前記異常判定値を変更する
ことを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆評価指標算出手段により算出された前記故障予兆評価指標、及び前記故障予兆検出手段による検出結果の少なくとも一方を無線送信する無線送信手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記故障予兆検出手段が前記車載機器の故障予兆を検出した場合に、前記車載機器を特定可能な情報を報知する故障予兆報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。 - 前記車載機器はセンサであり、
前記センサの出力値と前記出力値に対応する測定値との対応関係を示す対応テーブルが、前記センサの劣化の程度に応じて複数設けられており、
前記故障予兆検出手段が前記センサの故障予兆を検出した場合に、前記センサの前記故障予兆評価指標の値に応じて前記センサが劣化したと見なし、この劣化の程度に応じて、複数の前記対応テーブルの中から前記対応テーブルを選択するテーブル選択手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の故障予兆検出装置。
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