JP2009147555A - 車載用電子制御ユニットの故障予測システム - Google Patents

車載用電子制御ユニットの故障予測システム Download PDF

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Abstract

【課題】車外と通信して類似故障情報を参照することなく、自車両内で測定する各ECUの応答時間を用いて故障予測を行う。
【解決手段】複数の電子制御ユニットに通信線30を介して故障予測用の統括ECUを接続しており、統括ECUは、往復時間検出用の送信メッセージmsを他のECUに送信すると共に、他のECUから応答されるメッセージを受信する送受信部11と、送信メッセージの送信時から受信時までの応答時間を計測する応答時間計測部12と、車両始動時に、各ECUの応答時間の閾値を設定する演算処理部14と、始動後に周期的に他のECUへメッセージを送信し、応答時間と閾値を用いて該ECUの故障を予測する判定処理部13と、を備え、閾値を、複数回の応答時間と該応答時間の初期値との差分の絶対値から実測差分累積値を求め、該実測差分累積値を用いて最小二乗法により予想差分累積値を求め、該予想差分累積値から所定の幅としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載用電子制御ユニットの故障予測システムに関し、詳しくは、多重通信線を介して接続している多数の電子制御ユニットについて、これら電子制御ユニット間のメッセージの送受信によって故障を予測するものである。
従来、車両においては、車載機器を制御する電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)を多重通信用通信線を介して接続し、ECU間でメッセージを送受信する車載用通信システムが採用されている。
このような車載用通信システムにおいてECUに故障が発生した場合、ECUから多量のメッセージが送信されて通信システムの通信負荷が増大したり、また、該ECUのメッセージの送受信がなされずに該ECUに接続された車載機器の制御ができないなどの問題が生じる。このため、種々の故障検知システムが提案されている。
例えば、特開2007−28037号公報(特許文献1)に開示されている故障検知診断対処装置は、故障が発生したことを検知する故障検知処理部と、自己診断対処情報を記憶した記憶部と、車外装置とネットワークを介して通信を行い故障に対応する診断対処情報を取得する通信部と、記憶部に記憶した自己診断対処情報あるいは車外通信により取得した診断処理情報に基づいて故障の診断を行う診断処理部と、診断の結果に基づいて故障に対処する故障対処処理部とを備えている。
現在までに自身(自ECU)のシステムに起きた故障に対しては自己診断対処情報に基づいて故障対処処理部が故障に対処すると共に、今までに自身のシステムに生じたことのない未知の故障に対しては、ネットワークを介して車外の故障検知診断対処装置から診断処理情報を取得し、故障に対処している。
しかし、特許文献1においては、類似故障例が記憶部または車外の故障検知診断対処装置に記憶されていないときには、故障と判断できない場合が生じるという問題がある。
即ち、特許文献1は、車両で起こった故障等の事象に対して、ネットワークを介して車外の故障検知診断対処装置にあるデータベース等に接続し、類似事象が故障と判断されている診断処理情報がないかを検索し、検索結果を自車両が受信している。また記憶部に記憶された自己診断対処情報からも類似事象を検索している。このため、車外の故障検知診断対処装置のデータベース等や自身の記憶部に類似事象例が入っていない場合には、ある事象が故障であったとしても、特許文献1の故障検知診断対処装置は故障と検知することができない。
また、特許文献1では、ネットワークを介して車外と通信しているため、故障検知診断対処装置に車外との通信部が必要となりコストアップとなるという問題となる。
さらに、車外との通信ができない場所を車両が走行している場合には、車外の故障検知診断対処装置のデータベース等に接続できず診断処理情報を取得できないため、該診断処理情報を用いて故障の検知ができないという問題がある。
特開2007−28037号公報
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、車外と通信して類似故障情報を参照することなく、自車両内で電子制御ユニットとのメッセージの送受信から電子制御ユニットに発生する故障を予測できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、複数の電子制御ユニットに通信線を介して故障予測用の統括電子制御ユニットを接続しており、
前記統括電子制御ユニットは、
往復時間検出用の送信メッセージを前記他の電子制御ユニットに送信すると共に、前記他の電子制御ユニットから応答される前記メッセージを受信する送受信部と、
前記往復時間検出用のメッセージの送信時から受信時までの応答時間を計測する応答時間計測部と、
車両始動時に、前記他の電子制御ユニットに対して複数回の前記メッセージを送信して前記各電子制御ユニットの前記応答時間の閾値を設定する演算処理部と、
始動後に周期的に前記他の電子制御ユニットへ前記メッセージを送信し、その応答時間と前記閾値を用いて、該電子制御ユニットの故障を予測する判定処理部と、
を備え、
前記演算処理部で、前記閾値を、複数回の前記応答時間と、該応答時間の初期値との差分の絶対値から実測差分累積値を求め、該実測差分累積値を用いて最小二乗法により予想差分累積値を求め、該予想差分累積値から所定の時間幅としている車載用電子制御ユニットの故障予測システムを提供している。
本発明の車載用電子制御ユニットの故障予測システムにおいては、多重通信線を介して接続した多数の電子制御ユニットの故障を予測するための統括電子制御ユニット(統括ECU)を設けている。総括ECUは、他のECUに往復時間検出用の送信メッセージを送信し、他のECUから返信されるメッセージを受信するまでの応答時間を検出し、該応答時間が所定の時間幅(閾値)と比較して、返信したECUの往復時間が閾値を越えていると該ECUに故障が発生している、あるいは故障が発生しつつあると、予測している。
このように、本発明の故障予測システムは、総括ECUから他のECUに往復時間検出用メッセージの送信時から受信時までの応答時間を用いて、車両内の情報だけでECUの故障予測を行うことができる。
また、特許文献1のように車外通信を行って車外のデータベース等に接続する必要がないため、通信部を設ける必要がなくコストを低く抑えることができると共に、車外通信を行うことができない場合であっても故障予測を行うことができる。
さらに、従来では、応答時間を所定の基準値と単純に比較して故障予測を行っているが、本発明では、閾値の演算に、初期値と他の応答時間との差分累計値を用いると共に、最小二乗法を用いて近似して予想差分累計値を求めているため、従来の方法と比べて故障予測の精度を向上させることができる。
前記統括電子制御ユニットから送信する前記メッセージに対して前記他の電子制御ユニットが送信する応答メッセージには、該電子制御ユニットのCPU負荷率及び/または送受信部に設けた送受信バッファの使用率が含まれ、
前記統括電子制御ユニットの前記判定処理部は、受信した応答メッセージよりCPU負荷率及び/または送受信バッファの使用率を読み取り、該CPU負荷率及び/または送受信バッファの使用率が基準値以上である場合、前記閾値と対比する故障予測の判定を行うことが好ましい。
他のECUに処理すべきメッセージ等が多数ある場合には、他のECUが統括ECUからの往復時間検出用の送信メッセージを受信しても応答メッセージを送信するまでに時間がかかることがあり、このような場合にまで故障が近いと判断するのは故障予測の精度が低下する。このため、判定処理部は、受信した応答メッセージより読み取ったCPU負荷率及び/または送受信バッファの使用率が低い場合にのみ故障予測を行うことで、故障予測の精度を向上させることができる。
前記演算処理部は、車両始動時に加えて、判定処理部での故障予測毎に閾値を設定してもよい。
自動車の始動後、時間の経過と共に応答時間が徐々に長くなっているが、ECUの故障とは言えない場合においては、自動車の始動後に定めた閾値を用い続けていると、ある時点から故障が検知され続けることになる。一方、演算処理部が故障予測毎に閾値を設定し直すことで、このような時間の経過と共にECUの応答時間が徐々に長くなる場合を故障と判断しないため、故障予測の精度を向上させることができる。
前述したように、本発明の車載用電子制御ユニットの故障予測システムによれば、統括ECUを設け、該総括ECUが他のECUに往復時間検出用の送信メッセージを送信すると、他のECUが該送信メッセージを受信したことを示す応答メッセージを統括ECUに送信する構成としているので、統括ECUは、メッセージの送信時から受信時までの応答時間を用いて、車両内の情報だけでECUの故障予測を行うことができる。
さらに、閾値の演算に、初期値と他の応答時間との差分累計値を用いると共に、最小二乗法を用いて近似して予想差分累計値を求めているため、故障予測の精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図12に、本発明の実施形態の車載用電子制御ユニットの故障予測システム10を示す。
図1に示すように、1つの多重通信線30に多数のECU10B(10B−1〜10B−10)と統括ECU10Aを接続している。通信プロトコルはCAN(Controller Area Network)である。
前記総括ECU10Aは他ECU10Bの故障予測用のECUである。
統括ECU10Aは、図2に示すように、送受信部11と、応答時間計測部12と、判定処理部13と、演算処理部14と、記憶部15を備えている。
送受信部11は通信線30と接続しており、往復時間検出用の送信メッセージmsを他のECU10Bに送信すると共に、他のECU10Bが送信した応答メッセージmrを受信している。
応答時間計測部12は送受信部11と接続しており、送信メッセージmsの送信時から応答メッセージmrの受信時までの応答時間を計測している。
演算処理部14は応答時間計測部12と接続しており、車両始動時に、他のECU10Bに対して送信メッセージmsを複数回送信して、応答時間計測部12より各ECU10Bの応答時間を取得し、該応答時間を用いてECU10B毎にECU10Bの故障予測のための閾値を設定している。
該閾値の設定の仕方は詳細に後述するが、複数回の前記応答時間と、該応答時間の初期値との差分の絶対値から実測差分累積値を求め、該実測差分累積値を用いて最小二乗法により予想差分累積値を求め、該予想差分累積値から所定の時間幅としている。
判定処理部13は、応答時間計測部12と接続すると共に送受信部11と接続しており、始動後に周期的に他のECU10Bに送信メッセージmsを送信し、その応答時間から実測差分累計値を求め、該実測差分累計値が予測差分累計値を中心とした閾値の範囲内にあるか否かを判断している。閾値の範囲内であれば、ECUは故障ではないと判断し、閾値の範囲外であれば、該ECUは故障が近いと判断する。
また、他のECU10Bからの応答メッセージmrからCPU負荷率及び送受信バッファの使用率を読み取り、該CPU負荷率及び送受信バッファの使用率が基準値以上である場合にのみ、閾値と対比する故障予測の判定を行っている。
記憶部15は応答時間計測部12及び演算処理部14及び判定処理部13と接続しており、各ECU10Bの応答時間を記憶している。また、演算処理部14で求めた閾値を記憶すると共に、判定処理部13で使用した閾値を記憶している。
統括ECU10A以外の他のECU10Bは、図3に示すように、送受信部16と処理部17を備えている。
送受信部16は通信線30と接続しており、統括ECU10Aが送信する送信メッセージmsを受信すると共に、該送信メッセージmsに応答する応答メッセージmrを送信している。
また、送受信部16は、バッファ16aを備えている。バッファ16aは送信メッセージms及び応答メッセージmrの送受信の際にメッセージを一時的に記憶している。
処理部17はCPUで構成しており送受信部16と接続している。処理部17は、単位時間のうち実行中のタスクがCPUを占有している時間の割合であるCPU負荷率を算出すると共に、送受信部16のバッファ16aの記憶容量に対する使用量の割合であるバッファ使用率も算出している。
また、処理部17は応答メッセージmrにCPU負荷率とバッファ使用率を書き込み、送受信部16を介して応答メッセージmrを統括ECU10Aに送信している。
統括ECU10A、他のECU10Bは、具体的には、図4に示すように、マイコン20と入出力I/F21からなる。マイコン20はCPU21と、ROM22、RAM23、ポート24からなる。
統括ECU10Aの演算処理部14、判定処理部13、応答時間計測部12はCPUにより構成し、記憶部15はROM22またはRAM23から構成し、送受信部11はポート24及びCANコントローラ等の入出力I/F21から構成している。
また、前述したように、他のECU10Bの処理部17はCPUから構成し、送受信部16は入出力I/F21及びポート24から構成している。
なお、本実施形態では統括ECU10Aは故障予測専用のECUとしているが、故障予測専用のECU10Bとはせずに、他のECU10Bと同様に車両の電子機器等の制御を行うものであってもよい。
次に、本発明の故障予測システム10の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。
なお、これらの動作はすべて記憶部15に記憶されたソフトウェアを演算処理部14、判定処理部13、応答時間計測部12が実行することで行っている。
まず、自動車の始動時であるイグニッションキー(図示せず)のオン時に、統括ECU10Aの演算処理部14は故障予測に用いる閾値を演算している(S1)。
該閾値の求め方は、詳細は後述するが、往復時間検出用の送信メッセージmsを複数回(本実施形態では10回)他のECU10Bに送信し、他のECU10Bが送信する応答メッセージmrを受信するまでの応答時間を計測している。該応答時間から閾値を求めている。
閾値を求めた後は、判定処理部13が往復時間検出用の送信メッセージmsを周期的に他のECU10Bに送信し、他のECU10Bから応答メッセージmrを受信する。
次に、受信した応答メッセージmrに記載されたCPU負荷率とバッファ使用率を基準値と比較して、故障予測検知を実行するか否かを判断している(S2)。
CPU負荷率とバッファ使用率が基準値以下の場合には、統括ECU10Aの判定処理部13は、送信メッセージmsを送信してから応答メッセージmrを受信するまでの応答時間及び前記閾値を用いて故障予測検知を実行する(S3)。
この後、再びステップS2に戻り、CPU負荷率とバッファ使用率が基準値以下の場合には、故障予測検知の実行を繰り返す。
前記ステップ1の閾値の求め方、ステップ2およびステップ3の判定処理部13における故障予測の判定について、下記に詳述する。
まず、前記ステップS1における閾値の求め方について詳述する。
まず、自動車の始動であるイグニッションキー(図示せず)のオン時に、統括ECU10A及び他のECU10Bのソフトウェアは初期化処理を行う。該初期化処理後に、統括ECU10Aの演算処理部14は他のECU10Bに対して往復時間検出用の送信メッセージmsを送信し、他のECU10Bから応答メッセージmrを受信する。統括ECU10Aの応答時間計測部12は各ECU10Bの応答時間を計測し、記憶部15に記憶する。このように、初期化処理後に送信した送信メッセージmsに対する各ECU10Bの応答時間を初期値とする。
図6は初期値の例であり、本実施形態では統括ECU10Aの他に10のECU10B−1〜10B〜10が通信線30に接続されているので、演算処理部14は10のECU10Bからの応答時間である初期値を記憶部15に記憶させる。
なお、初期化処理後に送信した送信メッセージmsに対する各ECU10Bの応答時間を初期値とするのは、初期化処理後は他のECU10BのCPU負荷率とバッファ使用率が低く応答時間が短いと考えられ、初期値を定めるのに適しているからである。
次に、各ECU10Bに対して送信メッセージmsを9回送信し、初期値を定めた図6の送信メッセージmsと合わせて10回分の送信メッセージmsに対する応答時間を計測する。
図7はECU10B−1の10回分の応答時間を示したものであり、1回目の応答時間が図6のECU10B−1の応答時間(初期値)である。
次に、1回目の応答時間である初期値と2回目以降の応答時間との差分を求め、その絶対値を求める。
さらに、図7の下段に示すように、該差分の絶対値の累計値である差分累計値を求める。
この10回分の差分累計値を最小二乗法を用いて直線近似する。直線近似式を式1と置くと、aとbは式2、式3で求められる。
ここで、Xは差分累計値の測定回数、Yは差分累計値、nは測定回数でありXと等しい値である。
である。図7の差分累計値は、式2、3より、a=3.45、b=−5.4となり、式4と近似される。
Figure 2009147555
Figure 2009147555
Figure 2009147555
Figure 2009147555
図8は、測定した差分累計値と、式4で求めた差分累計値をグラフに示したものである。式4で求めた差分累計値を予想差分累計値と称し、図7に示した測定した差分累計値を実測差分累計値と称す。図8では、実測差分累計値は10回分であり、11回以降は式4で求めた差分累計値のみが示されている。
図9は、測定10回分の実測差分累計値と予想差分累計値の差分を回数毎に算出した結果である。該差分値を差分絶対値と称す。測定10回分の差分絶対値のうち、一番大きい値を選択し、該最大値の二乗を求める。図9の例では、差分絶対値の最大値は2.33であるため、最大値の二乗は5.43である。
予想差分累計値に差分絶対値の最大値の二乗を加えた値を第1閾値、予想差分累計値から差分絶対値の最大値の二乗を引いた値を第2閾値とする。即ち、第1閾値及び第2閾値は、(式1で求めた予想差分累計値)±(差分絶対値の最大値の二乗)である。図10は第1閾値と第2閾値を示している。
前述したように、予想差分累計値は式1で定められ、測定回数毎に値が増加していくため、故障予測を行う度に予想差分累計値を算出し、第1閾値及び第2閾値も算出する。
演算処理部14は、このような予想差分累計値、第1閾値及び第2閾値を、故障予測を行うECU10B毎に設定しており、記憶部15に記憶させている。
なお、本実施形態では、車両の始動時に式2、式3によりa、bを演算した後は、判定処理部での故障予測において該a、bの値を用いているが、演算処理部14は自動車の始動後に閾値を求めるだけでなく、判定処理部13が故障予測を行うたびに、式1のa、bを求めて閾値を演算し直してもよい。
記憶部15に前回までの測定回数の和ΣX、差分累計値の和ΣY、ΣXY、ΣXの値を記憶しておき、今回測定した測定回数X、差分累計値YからXY、Xを求めて前回のΣX、ΣY、ΣXY、ΣXの値に足し合わせて今回のΣX、ΣY、ΣXY、ΣXを求め、式2、式3を演算してa、bを求める。式1より、予想差分累計値を演算し、予想差分累計値に差分絶対値の最大値の二乗を加えた値を第1閾値、予想差分累計値に差分絶対値の最大値の二乗を引いた値を第2閾値とする。
前記図5のステップS2の判定処理部13による故障予測を行うか否かの判断について具体的に説明する。
応答時間は、図11(B)〜(D)に示すように、他のECU10BのCPU負荷率が高いとき、バッファ使用率が高いとき、CPU負荷率とバッファ負荷率の両方が高いときには、ECU10Bの故障が近い場合でなくても応答時間が長くなる場合がある。このような場合には故障予測検知を行わない。
そこで、判定処理部13は、応答メッセージmrに記載された他のECU10BのCPU負荷率とバッファ使用率を読み取り、図11(A)のように、CPU負荷率とバッファ使用率の両方が低いときにのみ、故障予測検知を行う。
本実施形態では、CPU負荷率及びバッファ使用率の基準値を30%とし、CPU負荷率及びバッファ使用率が基準値である30%より低い場合に故障予測検知を行っている。
また、図11では、CPU負荷率及びバッファ使用率が70%以上のときをCPU負荷率及びバッファ使用率が高いとしている。
なお、他のECU10Bは、CPU負荷率、バッファ使用率のいずれかを応答メッセージmrに記載し、統括ECU10Aの判定処理部13は応答メッセージmrから読み取ったCPU負荷率、バッファ使用率のいずれかが基準値より低い場合に、故障予測検知を行ってもよい。
前記図5のステップS3である、判定処理部による故障予測について説明する。
統括ECU10Aの演算処理部14が複数の往復時間検出用の送信メッセージmsを送信して、応答時間から閾値を求めた後、判定処理部13は同様の送信メッセージmsを他のECU10Bに送信し、故障予測検知を行う。
統括ECU10Aの送受信部11は、往復時間検出用の送信メッセージmsを送信し、他のECU10Bから応答メッセージmrを受け取る。応答時間計測部12は応答時間を計測し、判定処理部13に送信する。
判定処理部13は、該応答時間と初期値との差分の絶対値を求め、さらに実測差分累計値を求める。記憶部15は前回の実測差分累計値を記憶しておき、前回の実測差分累計値に今回測定の差分の絶対値を加えることで、今回の実測差分累計値を求める。今回の実測差分累計値は記憶部15に記憶しておく。
さらに、判定処理部13は、車両の起動時に算出した式4の予想差分累計値から、第1閾値と第2閾値を求める。第1閾値と第2閾値についても、前回の値を記憶部15に記憶しておき、前回の値に式2で求まるaの値を加えて今回の第1閾値と第2閾値としている。今回の第1閾値と第2閾値は記憶部15に記憶しておく。
判定処理部13は、このように求めた実測差分累計値が、図10に示すように、第1閾値と第2閾値の時間幅の範囲内であれば、ECU10Bに故障がないと判断している。また、実測差分累計値が第1閾値と第2閾値の時間幅の範囲を超えた場合には、故障が近いと判断している。
本発明の車載用電子制御ユニットの故障予測システム10によれば、統括ECU10Aが他のECU10Bに往復時間検出用の送信メッセージmsを送信すると、他のECU10Bが該送信メッセージmsを受信したことを示す応答メッセージmrを統括ECU10Aに送信する構成としているので、統括ECU10Aは、メッセージの送信時から受信時までの応答時間を用いて、車両内の情報だけでECU10Bの故障予測を行うことができる。
さらに、閾値の演算に、初期値と他の応答時間との差分累計値を用いると共に、最小二乗法を用いて近似して予想差分累計値を求めているため、故障予測の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、図1に示すように1本の通信線30に統括ECU10Aと他のECU10Bが接続されているが、図12に示すように、統括ECU10Aはボデー制御ECU10C−1、駆動制御ECU10C−2、電源制御ECU10C−3と接続し、ボデー制御ECU10C−1、駆動制御ECU10C−2、電源制御ECU10C−3が複数のECU10Bと通信線30で接続されているものであってもよい。この場合、統括ECU10Aはボデー制御ECU10C−1、駆動制御ECU10C−2、電源制御ECU10C−3を介して各ECU10Bに送信メッセージmsを送信すると共に、応答メッセージmrを受信する。
本発明である車載用電子制御ユニットの故障予測システムの第1実施形態を示す構成図である。 統括電子制御ユニットの構成図である。 他の電子制御ユニットの構成図である。 統括電子制御ユニット、他の電子制御ユニットの構成図である。 車載用電子制御ユニットの故障予測システムの動作を示すフローチャートである。 他の電子制御ユニットの応答時間を示す図である。 応答時間の初期値との差分の絶対値及び差分累計値を示す図である。 測定回数に対して実測差分累計値及び予想差分累計値をプロットした図である。 実測差分累計値と予想差分累計値の差分絶対値のうち最大値を示す図である。 第1閾値と第2閾値を示す図である。 CPU負荷率とバッファ使用率の使用のパターンを示す図である。 車載用電子制御ユニットの故障予測システムの他の構成を示す図である。
符号の説明
10 車載用電子制御ユニットの故障予測システム
10A 統括電子制御ユニット(統括ECU)
10B 電子制御ユニット(ECU)
11 送受信部
12 応答時間計測部
13 判定処理部
14 演算処理部
15 記憶部
30 通信線
ms 往復時間検出用の送信メッセージ
mr 応答メッセージ

Claims (3)

  1. 複数の電子制御ユニットに通信線を介して故障予測用の統括電子制御ユニットを接続しており、
    前記統括電子制御ユニットは、
    往復時間検出用の送信メッセージを前記他の電子制御ユニットに送信すると共に、前記他の電子制御ユニットから応答される前記メッセージを受信する送受信部と、
    前記往復時間検出用のメッセージの送信時から受信時までの応答時間を計測する応答時間計測部と、
    車両始動時に、前記他の電子制御ユニットに対して複数回の前記メッセージを送信して前記各電子制御ユニットの前記応答時間の閾値を設定する演算処理部と、
    始動後に周期的に前記他の電子制御ユニットへ前記メッセージを送信し、その応答時間と前記閾値を用いて、該電子制御ユニットの故障を予測する判定処理部と、
    を備え、
    前記演算処理部で、前記閾値を、複数回の前記応答時間と、該応答時間の初期値との差分の絶対値から実測差分累積値を求め、該実測差分累積値を用いて最小二乗法により予想差分累積値を求め、該予想差分累積値から所定の時間幅としている車載用電子制御ユニットの故障予測システム。
  2. 前記統括電子制御ユニットから送信する前記メッセージに対して前記他の電子制御ユニットが送信する応答メッセージには、該電子制御ユニットのCPU負荷率及び/または送受信部に設けた送受信バッファの使用率が含まれ、
    前記統括電子制御ユニットの前記判定処理部は、受信した応答メッセージよりCPU負荷率及び/または送受信バッファの使用率を読み取り、該CPU負荷率及び/または送受信バッファの使用率が基準値以上である場合、前記閾値と対比する故障予測の判定を行う請求項1に記載の車載用電子制御ユニットの故障予測システム。
  3. 前記演算処理部は、車両始動時に加えて、判定処理部での故障予測毎に閾値を設定する請求項1または請求項2に記載の車載用電子制御ユニットの故障予測システム。
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