JP5071340B2 - ゲートウェイ装置、車両用ネットワーク、片側断線検出方法 - Google Patents

ゲートウェイ装置、車両用ネットワーク、片側断線検出方法 Download PDF

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本発明は、複数の電子制御ユニットが時分割多重通信する車両用ネットワーク等に関し、特に、電子制御ユニットが2本の支線により接続されたゲートウェイ装置、車両用ネットワーク及び片側断線検出方法を提供することを目的とする。
車両には複数の電子制御ユニット(以下、ECU:electronic control unitという)が搭載され、それぞれがセンサの検出信号に基づく種々の制御を行う一方、検出信号を他のECUに送信したり、制御内容を送受信し車両全体の協調制御を実現している。このため、ECU間はCAN(Controller Area Network)等の車載LANで接続され、CANプロトコルに従い通信している。また、ECUは、部品が故障すると本来の制御を実行できなくなる場合があるため、また、故障部位を迅速に特定し修理時間を短縮するため等の理由から、診断機能を備え、自己及び他のECUの故障情報(例えば、フリーズフレームデータ等)を記録している。
ところで、CANは1つのバスに複数のECUが接続された時分割多重通信ネットワークであるため、バスの一部が断線した場合に、どのECUが故障したのか(バスのどの部分が断線したのか)を特定することが困難になる場合があった(例えば、特許文献1参照。)。例えば、ECU_AがECU_Bから通信データを受信できない場合、ECU_Aは、ECU_Bが故障したのか自身に異常が生じたのか判別できない。そこで、特許文献1には、CAN通信監視装置から送信される異常判定用フレームと他のECUから送信される通信データとの受信状況に基づいて、異常のあるECUを特定する異常判定方法が開示されている。
また、CANプロトコルの通信手順に起因して、1つのECUの通信不良がバス全体の通信ダウンをもたらすことがあり、所定のECU_Bとの通信不良を検出すると監視用ECUが正常なECU_Aに対し異常検出を行うことを禁止するCANネットワークシステムが考案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2によれば、監視用ECUは、ECU_Bから周期的に送信されるステータス情報通知を受信しないことで、ECU_Bの通信不良を検出する。
しかしながら、特許文献1、2記載の異常判定方法では周期的に異常判定用フレームを送信するためバス使用率が増大してしまい、また、他のECUを監視するためのCAN通信監視装置や監視用ECUが必要となりコスト増をもたらしてしまうため好ましくない。
一方、このような特殊な通信データを周期的に送信することなく、特定のECUが異常のあるECU又は断線箇所(以下、故障した箇所は単にECUとして表現し、故障による現象を異常と表現する場合がある)を特定することも考えられる。図7は、従来のCANネットワークシステムの概略構成図の一例を示す。CANバス1にはECU_A〜Cが、CANバス2にはECU_D,Eがそれぞれ接続されていると共に、ゲートウェイECU(以下、GW_ECUという)がCANバス1と2の通信データを中継している。各ECUは2本の支線(ツイストペア線)でCANバス1、2の本線に接続されており、図示するようにECU_CがCANバス1と接続する支線11a、11bの一方が断線した場合について説明する。
CANでは、ツイストペア線の一方をCAN_H、他方をCAN_Lとして両者の差動電圧により通信データを送信すると共に、差動電圧により通信データの衝突を検出する。各ECU及びGW_ECUは互いに他の全てのECUの異常を監視しており、異常検出の一手法として通信途絶をカウントする方法がある。
図8(a)は、GW_ECUがカウントしたECU_A〜Cの通信途絶の一例を模式的に説明する図の一例である。異常が生じる前、GW_ECUにはECU_A〜Cからそれぞれ通信データが送信されるので、GW_ECUは各ECUの存在を検出でき、各ECUについて通信途絶カウンタを生成する。通信途絶カウンタは、例えば、時間の経過に従い増大し、通信データを受信する毎に初期化される。
支線11a、11bのいずれにも異常の生じていないECU_A、ECU_Bはそれぞれ必要なタイミングで通信データを送信するので、閾値A、Bを超えることがなく、GW_ECUがECU_A、ECU_Bの異常を検出することはない。一方、ECU_Cは支線11が断線しているので通信データを送信できなくなり、通信途絶カウンタが一様に増大し閾値Cを超えた時点でGW_ECUはECU_Cの異常、すなわち通信不良を検出できる。ECU_Cが通信不良したことの検出は、故障部位を正しく特定している。
特開2007−195040号公報 特開2006−135375号公報
しかしながら、支線11a,11bの一方が断線した場合は、ECU_Aが、異常のないECU_BとGW_ECUの異常を検出してしまうという問題がある。CANのバスレベルは、差動電圧が検出されるとドミナント(優勢)、差動電圧がゼロだとレセッシブ(劣勢)と判定され、バスレベルがドミナントの場合、優先順位を判定してバスの使用権を調停する。したがって、バスレベルがレセッシブの場合、各ECUは調停の必要がなくバスを使用できると判定して通信データを送信する。
ところが、図7のようにECU_Cの支線11a又は11bが断線して一方がCANバス1と接続された状態では、ECU_Cは差動電圧がゼロであると誤検知し、すなわち、レセッシブ(劣勢)と判定してしまい、バスの使用権を調停することなく通信データを送信してしまう。そして、支線11a又は11bから送信された通信データはノイズとなり、他のECU_A、ECU_B、GW_ECUが送信した通信データを破壊する。
図8(b)は、通信データの破壊がECU_Aの異常検出に及ぼす影響を説明する図の一例である。ECU_Aも、ECU_B、ECU_C及びGW_ECUの通信途絶カウンタをそれぞれ有しているが、ECU_Cについては既に異常が検出されたものとする。ECU_B、GW_ECUが所望のタイミングで送信する通信データは、ECU_Cが通信データを送信しなければ破壊されずECU_Aに到達する。しかし、ECU_B、GW_ECUの通信途絶カウンタは、いずれは閾値B、閾値GWを超える可能性が高く、ECU_AはECU_B及びGW_ECUの異常を検出し記憶してしまうことがある。実際にはECU_B、GW_ECUに異常は生じていないので、この記録は誤ったものである。
このようにいくつかの異常が検出された状態では、運転者が車両を例えばサービス工場に持ち込み、サービスマンが診断ツールなどで異常情報を読み出すと、GW_ECUはECU_Cの異常を、ECU_AはECU_BとGW_ECUの異常を、それぞれ記録しているため、支線11の断線という1つの異常に対し、サービスマンは複数の(この場合は、ECU_C
、ECU_B、GW_ECUの3つ)のECUを検査しなければならない。したがって、修理時間の短縮も図れない。
本発明は、上記課題に鑑み、ECUをCANバスに接続する1対の支線のうち一方のみが断線したことを、コスト増をもたらすことなく検出するゲートウェイ装置、車両用ネットワーク及び片側断線検出方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、2本の本線からなるバスに2本の支線により接続され時分割多重通信する電子制御ユニットの送信する通信データを、バスの一方から他方及び他方から一方に中継するゲートウェイ装置であって、バスに接続された電子制御ユニット毎に、通信データの送信時間間隔を測定する時間間隔測定手段と、送信時間間隔が閾値を超えた電子制御ユニットの通信不良をメモリに記憶する通信不良判定手段と、複数の電子制御ユニットの送信時間間隔の合計を監視して、片側断線判定値以上になると、前記支線の一方が断線した旨の情報をメモリに記憶する片側断線検出手段と、を有することを特徴とする。
ECUをCANバスに接続する1対の支線のうち一方のみが断線したことを、コスト増をもたらすことなく検出するゲートウェイ装置、車両用ネットワーク及び片側断線検出方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、ゲートウェイECU(以下、GW_ECU12という)による片側断線の検出を模式的に説明する図の一例である。GW_ECU12は、各ECU15の通信途絶カウンタ25の合計値(na+nb+nc)を常に監視している。そして、通信途絶カウンタ25の合計値が片側断線判定値を超えると、いずれかのECU15(ECU_Cとする)が片側断線したことを検出する。片側断線したECU_Cは、1本の支線11a又は11bから所望のタイミングで通信データを送信するため、ノイズとなりCANバスに接続された全てのECU15の通信途絶が大きくなるはずである。このため、通信途絶カウンタ25の合計値から片側断線を検出することが出来る。
なお、GW_ECU12が片側断線を検出しても、どのECU15が片側断線したかは厳密には明らかにならない。一方、GW_ECU12はECU_Cの通信途絶カウンタ25が閾値Cを超えることから、ECU_Cの通信不良を検出する。
そして、GW_ECU12が片側断線を検出した場合、例えば、ECU_AがECU_BやGW_ECU12の通信不良を検出してそれを記憶しても、片側断線が検出されていることから、サービスマンは、ECU_Aが検出した通信不良を無視して、ECU_Cが故障部位であることを容易に突き止めることができる。以下、ECU_Cの支線11の片側が断線したものとして詳細に説明する。
〔CANネットワーク100〕
図2は、CANネットワーク100の構成図の一例を示す。CANバス1にはECU_A〜Cが、CANバス2にはECU_D,Eがそれぞれ接続され、CANバス1、2にはGW_ECU12が接続されている。各ECU15及びGW_ECU12は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、入出力インターフェイス、及び、CAN通信部21が接続されたコンピュータの一形態であり、入出力インターフェイスに接続されたセンサ、スイッチ及びアクチュエータにより、各種の車両制御を実行する。
各ECU15は、例えば、エンジンの点火・燃料噴射量等を制御するエンジンECU、ドアロック・照明等を制御するボディECU、ABS(antilocked braking system)・TRC(Traction Control)等を実現するブレーキECU、走行位置の曲率などの道路状況を提供するナビECU、ハイブリッド車において電機モータとエンジンの出力比を決定するハイブリッドECU、インスツルメントパネルの表示を制御するメータECU、室内の温度・デフォッガ等を制御するエアコンECU、前方車両とのTTC(Time To Collision)に応じてシートベルトを巻き上げるシートベルトECU、駐車時に車両を駐車スペースに誘導する駐車支援ECU、キーレスエントリーシステムにおけるドアの施解錠を制御する照合ECU、電動式ドアの開閉を制御するパワードアECU等である。
また、GW_ECU12は、制御系、ボディ系及びAV系など各系統毎にECU15を接続したCANバス1,2の間に設けることで異なる系統間の通信データを仲介したり、系統に関わらずCANバスを分割することによって、1つのCANバスの配線長や通信データの通信量がもたらす負荷を緩和する。CANプロトコルの多重通信性により各ECU15が送信する通信データは全てGW_ECU12に到達することになる。GW_ECU12は、フィルタリングポリシーに従い、一方のCANバス1から他方のCANバス2に、他方のCANバス2から一方のCANバス1に、通信データを中継する。なお、通信データのフォーマットを変換するなど、CANバス1とCANバス2とのプロトコルや通信速度の差異を吸収する役目も果たす。
CANバス1、2は、各ECU15及びGW_ECU12を直接に接続する共通の本線13、14を有し、本線13(13a、13b)は1本のツイストペア線から成り、本線14(14a、14b)は1本のツイストペア線から成る。た、各ECU15及びGW_ECU12は支線11により本線13又は本線14と接続されている。例えば、ECU_Cの支線11は1対の支線11a、11bから成り、支線11aは本線13aに接続され、支線11bは本線13bに接続されている。
CANプロトコルについて簡単に説明する。CANプロトコルは、ツイストペア線による2本の信号線の差動電圧にバスレベル「1:レセッシブ」「0:ドミナント」を対応づけて通信データを送信する。通信データの1フレームは、次のような可変長のデータフォーマットを有する。
「SOF;データIDフィールド;RTR;DLC;データフィールド;CRCフィールド;ACKフィールド;EOF」
このうち、データIDフィールドに通信データを識別するデータIDが格納され、各ECU15はデータIDを参照してデータフィールドの内容、そのデータを受信すべきか否か、自身が送信する通信データとの優先順位を判断し、GW_ECU12の場合は中継すべきか否か等を判断する。CANプロトコルは、各ECU15がそれぞれのタイミングで送信を開始するマルチマスター方式を採用するため、優先順位の判定においては、データIDをCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)のアクセス手順に適用し送信権を調停する。
〔GW_ECU12の機能ブロック〕
図3は、GW_ECU12の機能ブロック図の一例を示す。GW_ECU12は、2つのCAN通信部21、CPUがプログラムを実行するか又はASIC等のハードウェアにより実現される、通信データを送信したECU15を判別する送信元判別部22、通信途絶カウンタ25(以下、区別する場合、通信途絶カウンタA〜Zという)で通信が途絶した時間を計測する通信途絶カウント部24、各ECU15が通信不良となったか否かを判定する通信不良判定部26、支線11a、11bの一方の断線を検出する片側断線検出部27、を有する。また、フラッシュメモリ等の不揮発メモリ28には通信不良情報29及び片側断線フラグ31が記憶される。なお、図3の構成は、他のECU_A〜Eも備えている。
・CAN通信部21
GW_ECU12の2つのCAN通信部21は、それぞれ受信バッファ及び送信バッファを有し、受信バッファに記憶された通信データのデータIDを参照し、他方のCANバス1(2)に選択配信する必要が有れば、所定の中継処理を施した後、他方のCANバス2(1)に接続された送信バッファに転送する。なお、各ECU15のCAN通信部21は、通信データの送信時にはA/D変換された例えばセンサの検出信号に、予め定められたデータIDを付与して上記のデータフォーマットに格納し、CSMA/CAのバスアクセスに基づき通信データを送信する。また、通信データの受信時は、発振子のクロック毎に差動電圧からバスレベルを検出しその「1」「0」データからデータIDを判別し、自身のECU15が受信すべき通信データの場合、その通信データを受信する。
・送信元の判定
送信元判別部22は、データIDに基づき通信データを送信したECU15を判別する。GW_ECU12にとって、CANバス1,2に接続されているECU15は既知である。また、各ECU15が送信する通信データのデータIDも既知であるとしてよい。既知でない場合は、例えば、イグニッションオン時に、各ECU15に送信しうる通信データのデータIDを問い合わせてもよい。これにより、送信元のECU15を判別する判別テーブル23が得られる。下表は判別テーブル23の一例を示す。
Figure 0005071340
送信元判別部22は、予め又はこのようにして得られた、判別テーブル23を参照して送信元のECU15を判別する。
・通信途絶のカウント
通信途絶カウント部24は、通信途絶カウンタA〜Zを各ECU15に対応づけ、各ECU15が最後に通信データを送信してから経過した経過時間をカウントする。以下、通信途絶カウンタAがECU_Aの通信途絶を、通信途絶カウンタBがECU_Bの通信途絶を、通信途絶カウンタCがECU_Cの通信途絶を、それぞれ検出するとして説明する。
図4(a)は、通信途絶カウンタAの時間的な変化の一例を示す。通信途絶カウンタA〜Zは、例えばD−FF(フリップフロップ)を多段に重ねたカウンタ回路である。通信途絶カウント部24は、発振子のクロックを例えば分周して通信途絶カウンタA〜Zに入力する。これにより、図示するように時間と共にカウンタ値が増大するので経過時間を計測することができる。一方、通信途絶カウント部24は、送信元判別部22により送信元がECU_Aであると判別されると、通信途絶カウンタAのカウンタ値を初期化(0に戻す)する。これにより、ECU_Aの支線11が断線(片側でも両側でもよい)しなければ、次述する閾値Aを超えないようになっている。
一方、ECU_Cの支線11が断線(片側でも両側でもよい)すると、図4(b)に示すように、通信途絶カウンタCのカウンタ値は時間と共に一様に増大する。
通信不良判定部26は、サイクル時間毎に、通信途絶カウンタA〜Zのカウンタ値と閾値A〜Cを比較し、カウンタ値が閾値A〜Cを超えると対応するECU15に通信不良が生じたと判定する。閾値A〜CはECU_A〜Cに共通でもよいが、通信データの送信頻度に応じて個別に定めてもよい。例えば、通信データの送信頻度が少ないECU15の閾値は大きくし、通信データの送信頻度が多いECU15の閾値は小さくすることで、通信不良の誤検出を低減するとともに、早期に通信不良を検出できる。なお、支線11a、11bの一方のみが断線しても、両方が断線しても通信データは送信されないので、通信不良には片側断線も両側断線も含まれる。
通信不良判定部26は、通信不良を検出したECU15を登録した通信不良情報29を不揮発メモリ28に記憶する。なお、ECU_A及びECU_Bも通信不良判定部26を有するため、ECU_A及びECU_BもGW_ECU12と同時期にECU_Cの通信不良を検出している。
これに対し、片側断線したECU_Cが所望のタイミングで通信データを送信すると、ECU_A、ECU_B又はGW_ECUの通信データと衝突するおそれがある。図4(c)は、ECU_AとECU_Cの通信データが衝突した場合の通信途絶カウンタAのカウンタ値を示す。ECU_A、ECU_Cはそれぞれの送信頻度に応じて通信データA、Cを送信するため、所定の確率で両者の通信データは衝突する。ECU_Cの通信データCがECU_Aの通信データAと衝突することで、GW_ECU12のCAN通信部21はECU_Aから通信データAを受信できず、通信途絶カウント部24は通信途絶カウンタAを初期化できない。このため、カウンタ値が増大する傾向になる。
・片側断線の検出
片側断線検出部27はこの現象を利用して片側断線を検出する。図5(a)は、片側断線の検出を模式的に説明する図の一例である。片側断線検出部27は、常に、1つのCANバス1に接続された全てのECU15の通信途絶カウンタA〜Cの合計Nをカウントする。
合計N=nc+na+nb
いずれのECU15も片側断線しなければ、それぞれの通信途絶カウンタ25が個別に「一様増加」と「初期化」を繰り返すので、通信途絶カウンタA〜Cの合計Nは図5(b)に示すように一定の幅に収まると考えられる。このような幅は、車両を所定時間走行することで既知となる。
これに対し、いずれかのECU15の支線11が片側断線すると、通信データの衝突により、通信途絶カウンタA〜Cの1以上が初期化されない場合が生じるので、合計Nは大きくなる。なお、両側断線した場合は、断線した支線11が断線したECU15は通信データを送信できないので、このような現象は生じない。したがって、合計Nがこの幅を超えたか否かに基づき、片側断線を検出することができる。より具体的には、幅の上限値にマージンを見込んだ値を片側断線判定値に定め、片側断線検出部27は、合計Nが片側断線判定値以上となると、片側断線を検出する。
合計N ≧ 片側断線判定値 …条件I
そして、片側断線検出部27は片側断線を検出したことを示す片側断線フラグ31を不揮発メモリ28に記憶する。
以上のようにして、不揮発メモリ28には、通信不良情報29と片側断線フラグ31を記憶することができる。車両をサービス工場に持ち込んだ際、片側断線フラグ31が記憶されている場合、他のECU_Aが検出するECU_BやGW_ECU12の通信不良があってもこれを無視することで、故障部品(ECU_C)を容易に特定することができる。
なお、通信不良情報29や片側断線フラグ31をフリーズフレームデータで代用してもよい。フリーズフレームデータには、およその故障部品や原因を示すダイアグコードと車速などの車両情報が記録され、診断ツール等で一連の診断情報として読み出すことが出来るので、他の故障と同様に取り扱うことが出来る。
また、ECU15に通信不良情報29と片側断線フラグ31を記憶するだけでなく、通信不良情報29と片側断線フラグ31を修理サーバに送信してもよい。修理サーバは、各車両からフリーズフレームデータ等を受信して故障した部品やその原因を解析するサーバである。車両には携帯電話や無線LAN網に接続する通信装置が搭載されており、修理サーバに通信不良情報29と片側断線フラグ31を送信することで、修理サーバにおいてもECU_Aが検出するECU_BやGW_ECU12の通信不良を無視して取り扱うことが可能となる。
・片側断線の検出タイミング
片側断線検出の検出タイミングについて説明する。片側断線判定値が閾値Cと同程度であれば、通信途絶カウンタCのカウンタ値が閾値Cを超える前に、ほとんど場合(通信途絶カウンタAのカウンタ値と通信途絶カウンタBのカウンタ値が共にゼロでない限り)、合計Nが片側断線判定値を超えることができる。片側断線の検出を、ECU_Cの通信不良を検出する前に限定することで、その後に検出されるECU_Cの通信不良情報29と合わせECU_Cの片側断線を確実に検出できる。
しかしながら、片側断線判定値は、複数のECU15の送信頻度に依存して統計的に決定され、片側断線判定値は複数の通信途絶カウンタA〜Cの合計Nとの比較対象になるものなので、閾値A〜Cよりも大きい場合も多いと考えられる。したがって、通信不良判定部26がECU_Cの通信不良を判定した後に、片側断線検出部27が片側断線を検出してもよい。すなわち、片側断線の検出タイミングは、通信不良判定部26が、ECU_Cが通信不良であると判定する前後のいずれであってもよい。
ECU_Cが通信不良であると判定された後も、通信途絶カウンタCのカウンタ値が増大すると、ECU_Cの通信データがECU_A及びECU_Bの通信データと衝突しなくても、合計Nが片側断線判定値を超えてしまう。このため、通信不良判定部26は、通信途絶カウンタCが閾値Cを超えた後は、カウンタ値をそれ以上増大させることなく固定する。このように合計Nを算出することで、片側断線の場合は通信データの衝突によりいずれ合計Nを超え、いずれ片側断線を検出することができる。
また、通信途絶カウンタCが閾値Cを超えた後は、上述したマージンを、通信不良となる前の通信途絶カウンタCの平均的な値に設定してもよい。マージンを通信不良を起こしたECU_Cの平均値に設定すれば、通信途絶カウンタCが閾値Cに固定された影響を排除して、ECU_Cの通信データがECU_A及びECU_Bの通信データと衝突する影響を検出できる。なお、片側断線の検出タイミングにリミットを設けてもよい。
以上から、片側断線検出部27は、条件Iを更に限定した以下の条件IIを満たす場合に、片側断線を検出する。
・いずれかのECU15の通信不良が検出された(通信途絶カウンタのカウンタ値を固定)
・合計N ≧ 片側断線判定値(or マージンを変更した片側断線判定値) …条件II
〔片側断線の検出手順〕
図6は、GW_ECU12が片側断線を検出する手順を示すシーケンス図の一例である。図6では、CANバス2については省略したが同様に処理される。イグニッションオン又はシステム起動されると、各ECU_A〜Cはそれぞれ所望のタイミングで通信データをCANバス1に送信する。
GW_ECU12の送信元判別部22は通信データの送信元を判別し、通信途絶カウント部24は送信元に基づき通信途絶カウンタA〜Cを増大させまた初期化する(S10)。
片側断線検出部27は、例えば所定のサイクル時間毎に通信途絶カウンタA〜Cのカウンタ値の合計Nが、片側断線判定値以上か否かを判定する(S20)。合計Nが、片側断線判定値以上でなければ(S20のNo)、ステップS40の処理に進む。
合計Nが片側断線判定値以上の場合(S20のYes)、片側断線検出部27は片側断線を検出し、片側断線フラグ31を不揮発メモリ28に記憶する(S30)。
ついで、通信不良判定部26は、通信途絶カウンタA〜Cが閾値A〜C以上か否かをそれぞれ判定する(S40)。通信途絶カウンタAのカウンタ値が閾値A以上、通信途絶カウンタBのカウンタ値が閾値B以上、通信途絶カウンタCのカウンタ値が閾値C以上、のいずれかの場合(S40のYes)、通信不良判定部26は通信不良情報29を不揮発メモリ28に記憶する(S50)。GW_ECU12は以上の処理を繰り返す。
本実施形態のCANネットワーク100によれば、通信データの衝突を利用して片側断線を検出し不揮発メモリ28に記憶しておくので、ECU15が検出した通信不良を無視して車両点検でき、容易に故障箇所を特定することができる。片側断線を検出するため周期的に専用の通信データを送信する必要もないのでコスト増を抑制できる。
なお、本実施形態では、片側断線フラグ31を不揮発メモリ28に記憶したが、片側断線フラグ31を記憶することなく片側断線を検出した場合に、他のECU_A、ECU_Bが通信不良を検出することを禁止又はその記録を消去するよう要求してもよい。これにより、実際に通信不良となったECU_Cのみの通信不良情報29を記憶しておくことになるので、故障部品の特定作業をよい簡易化できる。
GW_ECUによる片側断線の検出を模式的に説明する図の一例である。 CANネットワークの構成図の一例である。 GW_ECUの機能ブロック図の一例である。 通信途絶カウンタAの時間的な変化の一例である。 片側断線の検出を模式的に説明する図の一例である。 GW_ECUが片側断線を検出する手順を示すシーケンス図の一例である。 CANネットワークシステムの概略構成図の一例である(従来図)。 GW_ECUがカウントしたECU_A〜Cの通信途絶の一例を模式的に説明する図の一例である(従来図)。
符号の説明
11、11a、11b 支線
12 GW_ECU(ゲートウェイECU)
13、13a、13b、14、14a、14b 本線
15 ECU
21 CAN通信部
25 通信途絶カウンタA〜Z
26 通信不良判定部
27 片側断線検出部
28 不揮発メモリ
29 通信不良情報
31 片側断線フラグ
100 CANネットワーク

Claims (4)

  1. 2本の本線からなるバスに2本の支線により接続され時分割多重通信する電子制御ユニットの送信する通信データを、バスの一方から他方及び他方から一方に中継するゲートウェイ装置であって、
    バスに接続された電子制御ユニット毎に、通信データの送信時間間隔を測定する時間間隔測定手段と、
    送信時間間隔が閾値を超えた電子制御ユニットの通信不良をメモリに記憶する通信不良判定手段と、
    複数の電子制御ユニットの送信時間間隔の合計を監視して、片側断線判定値以上になると、前記支線の一方が断線した旨の情報をメモリに記憶する片側断線検出手段と、
    を有することを特徴とするゲートウェイ装置。
  2. 前記片側断線検出手段は、前記通信不良判定手段が通信不良を検出する前に限り、前記支線の一方が断線したことを検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載のゲートウェイ装置。
  3. 2本の本線からなるバスに2本の支線により接続された複数の電子制御ユニットが、時分割多重通信する車両用ネットワークにおいて、
    各電子制御ユニットが、前記支線の電位差に基づき通信データの衝突を回避してバスの使用権を調停する通信手段を有し、
    所定の電子制御ユニットが、
    電子制御ユニット毎に、通信データの送信時間間隔を測定する時間間隔測定手段と、
    送信時間間隔が閾値を超えた電子制御ユニットの通信不良をメモリに記憶する通信不良判定手段と、
    複数の電子制御ユニットの送信時間間隔の合計を監視して、片側断線判定値以上になると、前記支線の一方が断線した旨の情報をメモリに記憶する片側断線検出手段と、を有する、ことを特徴とする車両用ネットワーク。
  4. 2本の本線からなるバスに2本の支線により接続され、前記支線の電位差に基づき通信データの衝突を回避してバスの使用権を調停する、複数の電子制御ユニットの片側断線検出方法において、
    時間間隔測定手段が、電子制御ユニット毎に、通信データの送信時間間隔を測定するステップと、
    通信不良判定手段が、送信時間間隔が閾値を超えた電子制御ユニットの通信不良をメモリに記憶するステップと、
    片側断線検出手段が、複数の電子制御ユニットの送信時間間隔の合計を監視して、片側断線判定値以上になると、前記支線の一方が断線した旨の情報をメモリに記憶するステップと、
    を有することを特徴とする片側断線検出方法。
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