JP4124427B2 - 車両制御装置およびその通信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に搭載されて車両各部を制御する複数の制御ユニットからなる車両制御装置および各制御ユニット間の通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両においてはその制御の電子化が進んでおり、これに伴って、多くの電子装置が車両に搭載されるようになっている。このような電子装置は、車種の多様性や組立・保守作業の利便性を確保するために、車両各部を個別に制御する複数の制御ユニットからなっている。そして、これらの制御ユニットが通信線により接続されて相互に通信を行い情報を交換することで、車両全体が統合的に制御されるようになっている。
【0003】
これら複数の制御ユニットのうち一部は車両を作動させるために必須的に装備されるものであるが、これ以外に、車両の仕様に応じて、またはユーザの好みに応じて機能を付加すべくオプション装備として搭載されるものがある。このように、様々な制御ユニットの組み合わせにより構成されている車両を統合的に制御するためには、その組み合わせによって各ユニットの制御動作を異ならせることが必要な場合が生じる。
【0004】
このような必要に対応すべく、従来の車両制御装置においては、工場出荷段階でその車両に搭載された装備の内容をいずれかの制御ユニットのメモリに書き込んでおき、各制御ユニットはそのメモリから読み出されたデータに応じて制御動作モードを切り換えることで、当該車両における制御ユニットの組み合わせに応じた車両制御を可能としている。例えば、特開平8−296492号公報に記載されたように、エンジン制御装置に仕様情報を予め記憶させておき、変速機の制御装置は通信ケーブルを介して仕様情報を受信するとともに、その仕様情報に応じて制御内容を選択するように構成された装置がある。
【0005】
また他の従来技術では、各制御ユニット毎に、動作モードを異ならせた複数種の製品を予め用意しておき、装備の内容に応じてそれらを適宜選択して組み合わせることで多様な装備に対応できるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術では、以下のような問題があった。すなわち、工場出荷時に装備内容をメモリに書き込む方法では、製造される車両1台毎に、その車両の装備に応じたデータを書き込む作業が必要となり、そのための設備および作業工数が車両の製造コストを上昇させることとなる。また、このメモリを搭載した制御ユニットを交換する際にも、新しいユニットのメモリにそのデータを改めて書き込む必要があり、メンテナンスの手間が煩雑となる。
【0007】
また、動作モードの異なる複数種の製品を予め用意しておくには製造・管理コストがかかり、やはり車両のコスト上昇を招くこととなるだけでなく、保守・修理等の作業の際に誤ったユニットを取り付けてしまう恐れが大きくなる。
【0008】
さらに、上記したいずれの方法においても、工場出荷後の仕様変更、すなわち新たな制御ユニットの追加や既存のユニットの廃止等に柔軟に対応することが難しい。
【0009】
そこで、本発明は、複数の制御ユニットの組み合わせに柔軟に対応することのできる車両制御装置およびその通信方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる車両制御装置は、メイン制御ユニットと、前記メイン制御ユニットと電気的に接続された通信線とを備え、車両各部を制御する複数のサブ制御ユニットを前記通信線に接続可能に構成された車両制御装置において、前記メイン制御ユニットは、前記複数のサブ制御ユニットに対して順次に前記通信線を介して連続して複数回応答要求信号を送信するとともに、その送信毎に、エラーカウンタにより当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数をカウントして、前記カウンタのカウント値が所定回数に達したときには、当該サブ制御ユニットが前記通信線に接続されていないと判定し、当該接続されていないとの判定後も前記応答要求信号を予め定められた回数送信する一方、前記カウンタのカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには当該サブ制御ユニットが前記通信線に接続されていると判定し、当該サブ制御ユニットそれぞれの前記通信線への接続状態を他の前記サブ制御ユニットに通知、前記メイン制御ユニットおよび前記通信線に接続されたサブ制御ユニットのうち少なくとも1つは複数の動作モードを実行可能に構成され、前記接続状態に応じて前記複数の動作モードの一を選択して実行することを特徴としている(請求項1)。
【0011】
このような構成によれば、通信に失敗した回数をカウントするエラーカウンタの値が所定値に達したときに初めて「なし」と判定するので、ノイズ等に起因する誤判定が少なく、各制御ユニットとの通信の安定度に合わせて適切にその有無を判定することができる。そして、エラーカウンタの値が所定値に達したかどうかによって、メイン制御ユニットが各サブ制御ユニットの通信線への接続状態を判定し、各制御ユニットはその判定結果に応じた動作を実行する。つまり、それぞれの制御ユニットは、その車両における各制御ユニットの組み合わせに応じた制御動作を実行することとなり、工場で事前にその組み合わせを示すデータを書き込む作業が不要である。また、各制御ユニット毎に、想定される組み合わせに応じた複数の動作モードを予め用意しておき、その組み合わせに応じてそのうちの1つの動作モードを選択し実行するようにすることで、1つの品番で複数の組み合わせに対応することができ、動作モード毎に複数品番の製品を用意しておく必要がない。そのため、製造・管理に要するコストを低く抑えることができるとともに、取り付け間違いの発生を防止することができる。
【0012】
また、メイン制御ユニットにより当該サブ制御ユニットが通信線に接続されていないと判定されても、その後も応答要求信号を予め定められた回数送信するので、故障等により通信が行えずいったん接続なしと判定されたサブ制御ユニットがその後に通信可能な状態になったときにそれを認識することが可能となる。
【0013】
また、この発明にかかる車両制御装置では、前記メイン制御ユニットは、前記カウンタによる当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには、前記カウント値をデクリメントした後、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返すように構成されている(請求項2)。
【0014】
このような構成によれば、応答信号が1度あったときにはエラーカウンタのカウント値がデクリメントされ、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返される。こうすると、不安定なサブ制御ユニットについては、いったん接続ありと判定されたとしても、その直後に再び通信が不能となる可能性があることから、通信失敗の頻度が高く不安定なサブ制御ユニットについては比較的早期に短時間で「なし」と判定できるのに対し、成功回数が多く安定なサブ制御ユニットについては「なし」と判定するまでの時間が長くなり、各サブ制御ユニットの有無を通信の安定度に応じて適切に判断することができる。
【0015】
また、この発明にかかる車両制御装置では、前記カウンタによる当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達したときに当該サブ制御ユニットが故障していると判定し、当該サブ制御ユニットの故障を他の前記各サブ制御ユニットに通知するようにしてもよい(請求項3)。
【0016】
このような構成によれば、いったん接続されていると判定されたサブ制御ユニットがその後になって何らかの異常により応答しなくなった場合、メイン制御ユニットはそのユニットが故障したと判定する。そして、各制御ユニットがその故障状況に応じた制御を行うようにすれば、故障の発生に対して適切な対応を行うことができる。
【0022】
例えば、前記メイン制御ユニットが前記サブ制御ユニットのうち少なくとも1つを故障と判定したときに、操作者に対して故障を報知する報知手段を備えてもよい(請求項)。こうすることで、操作者としての運転者は故障の発生を早期に察知することができるので、故障の発生を知らないまま運転を続けてしまうことによる危険を未然に回避することができる。また、操作者としてのサービスマンは故障の発生状況を容易に知ることができるので、車両のメンテナンス性を高めることができる。
【0023】
また、この発明にかかる通信方法は、通信線により互いに接続されて車両各部を制御する複数の制御ユニット間の通信方法であって、上記目的を達成するために、前記複数の制御ユニットのうち前記車両に標準装備される一の制御ユニットが、他の前記制御ユニットに対して順次に連続して複数回応答要求信号を前記通信線を介して送信し、前記通信線に接続された他の制御ユニットは、前記一の制御ユニットから送信される前記応答要求信号が当該制御ユニットに対応するものであるときには、前記通信線に所定の応答信号を出力し、前記一の制御ユニットは、その送信毎に、エラーカウンタにより当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数をカウントして、前記カウンタのカウント値が所定回数に達したときには、当該他の制御ユニットが前記通信線に接続されていないと判定し、当該接続されていないとの判定後も前記応答要求信号を予め定められた回数送信する一方、前記カウンタのカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには当該他の制御ユニットが前記通信線に接続されていると判定することを特徴としている(請求項)。
【0024】
このような構成によれば、上記した車両制御装置と同様に、通信に失敗した回数をカウントするエラーカウンタの値が所定値に達したときに初めて「なし」と判定するので、ノイズ等に起因する誤判定が少なく、各制御ユニットとの通信の安定度に合わせて適切にその有無を判定して、各車両毎に、その車両に搭載された制御ユニットの組み合わせを把握することができる。そのため、このような通信方法を採ることで、予めその組み合わせをメモリに記憶させたり、組み合わせに応じた複数品番の製品を用意しておく必要がなくなり、装置の製造・管理に要するコストを低減することができる。さらに、一の制御ユニットにより当該他の制御ユニットが通信線に接続されていないと判定されても、その後も応答要求信号を予め定められた回数送信するので、故障等により通信が行えずいったん接続なしと判定された制御ユニットがその後に通信可能な状態になったときにそれを認識することが可能となる。
【0025】
また、この発明にかかる通信方法では、前記一の制御ユニットは、前記カウンタによる当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには、前記カウント値をデクリメントした後、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返すようにしてもよい(請求項)。
【0026】
このような構成によれば、上記した車両制御装置と同様に、応答信号が1度あったときにはエラーカウンタのカウント値がデクリメントされ、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返される。こうすると、不安定な制御ユニットについては、いったん接続ありと判定されたとしても、その直後に再び通信が不能となる可能性があることから、通信失敗の頻度が高く不安定な制御ユニットについては比較的早期に短時間で「なし」と判定できるのに対し、成功回数が多く安定な制御ユニットについては「なし」と判定するまでの時間が長くなり、各制御ユニットの有無を通信の安定度に応じて適切に判断することが可能となる。
【0027】
また、この通信方法では、前記一の制御ユニットは、前記カウンタによる当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達したときに当該他の制御ユニットが故障していると判定し、当該他の制御ユニットの故障を他の前記制御ユニットに通知するようにしてもよい(請求項)。
【0028】
このような構成によれば、上記した車両制御装置と同様に、いったん接続されていると判定された制御ユニットがその後になって何らかの異常により応答しなくなった場合、そのユニットを故障と判定し、各制御ユニットは故障の発生に対して適切な対応を行うことができる。
【0029】
さらに、上記した車両制御装置と同様に、前記一の制御ユニットが他の制御ユニットのうち少なくとも1つを故障と判定したときには、所定の報知手段により操作者に対して故障の発生を報知するようにしてもよい(請求項)。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明を自動車の制御装置に適用した場合の一実施形態の構成について、図1を参照して説明する。但し、図1は、この実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、この実施形態の制御装置では、自動車1に設けられたバスライン10に、複数の電子制御ユニット(以下、「ECU」という):メータECU11;ボデー統合ECU21;キーフリーECU22および安定化制御ECU23が電気的に接続可能となっている。
【0032】
これら各ユニットのうち、メータECU11は、バスライン10を介して後述する他の各ECUと通信を行って、自動車1の走行速度、エンジン回転数や燃料の残量などの各種情報を自動車1の各部から収集するとともに、それらの情報を運転席に設けられた表示部12に表示させたり、動作異常があるときには図示を省略するブザーを鳴らして運転者に報知する等の機能を有する。
【0033】
また、ボデー統合ECU21は、図示を省略する方向指示灯やルームランプ等の点滅を制御するほか、ドアロック機構を制御し施錠・開錠を行う等の機能を有するものである。
【0034】
これらメータECU11およびボデー統合ECU21は、自動車1各部を作動させて必要最少限の機能を実現するために不可欠なものであり、したがってこの自動車1に標準装備として搭載されるものである。
【0035】
これに対して、キーフリーECU22および安定化制御ECU23は、オプション装備として必要に応じ自動車1に搭載される。すなわち、キーフリーECU22は、電子カードキーを携えた運転者が運転席に近づくだけでドアロックを解除する一方、運転者が自動車1から離れると自動的にドアをロックするという機能を果たすものである。また、安定化制御ECU23は、ブレーキやエンジンの動作タイミングや出力等を統合的に制御して車両の安定性を確保し、運転者にとっての操縦性を高める目的で設けられるものであり、従来個別に制御されていたアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール(TCS)等を統合したものである。
【0036】
これらの装備は、製品グレードやユーザの好みによって上記した標準装備に対して付加的に搭載されるものであり、したがって、同一車種の自動車1であっても、市場にはこれらのECU22、23が搭載されているものとそうでないものとが混在することとなる。
【0037】
これら複数のECU11等は、共通のバスライン10で互いに接続されており、このバスライン10を介して相互にデータ通信を行うことでそれぞれのECUにおいて必要な情報を交換し、その情報および自動車1の各部に設けられた車速センサ、加速度センサ、舵角センサ等の各種センサからの出力信号に基づいて各ECUが自動車1の各部を制御している。このようなECU間では、例えばLIN(Local Interconnect Network)として知られる通信プロトコルに基づきデータ通信を行うことができ、以下ではこのLINプロトコルに則って動作を説明するが、これ以外の通信プロトコルに基づくものであってもよい。
【0038】
このように構成された制御装置では、複数のECUのうちの1つ、例えばメータECU11が、他のECU21等との間で行う通信の結果に基づいて各ECUの接続状態を判定し、その接続状態に応じた制御動作を実行するとともに、その判定結果をバスライン10に出力する。すなわち、この実施形態では、メータECU11が「メイン制御ユニット」として機能する一方、その他のECU21、22および23が「サブ制御ユニット」として機能している。そして、サブ制御ユニットとしてのECU21、22および23は、他のECUの接続状態に関するデータを受信すると、予めプログラムされた複数の動作モードの中から、その接続状態に応じた動作モードを選択して実行する。
【0039】
このように、この実施形態では、メータECU11が他の各ECUとの通信結果からその接続状態を把握し、その接続状態を他の各ECUに通知することで、各ECUはその接続状態に応じた制御動作を実行することができるので、各ECUの様々な組み合わせに対応して常に最適な制御を行うことができる。そのため、従来技術のように、組み合わせを指定するデータを工場で書き込む手間が不要である。また、各組み合わせに対応する複数品番のECUを用意する必要もなく、各ユニット毎に、複数の動作モードを切り換えて実行可能な1つの品番を用意するのみでよい。
【0040】
次に、メータECU11が各ECUとの通信によりその接続状態を判定する方法について、図2ないし図4を参照して説明する。但し、図2はLINプロトコルを説明する波形図であり、図3は通信処理を示すフローチャートである。また、図4は、通信処理におけるサブ処理を示すフローチャートである。
【0041】
図2に示すように、LINプロトコルでは、1つのメッセージフレームは、ヘッダ部とレスポンス部とからなっている。すなわち、メイン制御ユニットとしてのメータECU11が、各ECUを識別する識別コードのうちデータ出力を要求するECUに割り当てられた識別コードを含むデータをヘッダ部として出力すると、その識別コードを割り当てられたECUが所定のデータをレスポンス部として出力する。
【0042】
例えば、ボデー統合ECU21を示す識別コードを含むデータをメータECU11がバスライン10に出力すると、ボデー統合ECU21がこれに応答して所定のデータをレスポンス部としてバスライン10に出力し(図2(a))、バスライン10に接続された全てのECUはこのデータを受信することができる。一方、メータECU11が自らに割り当てた識別コードを出力する場合があり、この場合には、レスポンス部としてメータECU11自身が所定のデータをバスライン10に出力する(図2(b))。このように、この実施形態では、1つのメッセージフレームのうち、各ECUの識別コードを含みメータECU11が出力するヘッダ部が本発明の「応答要求信号」に相当し、またこれに対応して各ECUから出力されるレスポンス部が「応答信号」に相当する。
【0043】
このように、この実施形態では、メータECU11がLINプロトコルにおけるマスタノードとしてバスライン10を司っており、各ECU21等がスレーブノードとして機能することで各ECU間で相互にデータの送受信が行われる。具体的には、メータECU11が予めプログラムされた図3に示す通信処理を実行して、バスライン10を介したデータ通信を制御している。
【0044】
この通信処理では、図示を省略するイグニッションスイッチが運転者によりオンにされ、メータECU11が起動すると、図3に示すように、メータECU11はバスライン10を制御し、各ECUに対して所定のデータを送信する(ステップS1)。そして、各ECUを順番に「選択ユニット」として指定し(ステップS2、S4、S6)、図4に示すサブ処理を実行して(ステップS3、S5、S7)、各ECUから出力されるデータを受信するとともに、その通信結果に基づいて、バスライン10への各ECUの接続状態を判定している。このサブ処理については後に詳述する。
【0045】
そして、再びステップS1に戻り、上記したステップS1ないしS7の処理を繰り返す。こうして各ECUからのデータが定期的にバスライン10に出力され、各ECUがこのデータを受信することで、制御のために必要な情報が各ECU間で交換され、かつその情報は随時更新されてゆく。
【0046】
次に、図4に示すサブ処理について説明する。このサブ処理では、メータECU11は、先に指定したECUに対応する識別コードを含むヘッダ部データをバスライン10に出力する(ステップS101)。このデータを受信した各ECUのうち識別コードにより指定されたECUからは所定のデータがレスポンス部として出力されるから、メータECU11はこのデータを取り込む(ステップS102)。
【0047】
ここで、上述したように、各ECUの一部、すなわちキーフリーECU22、安定化制御ECU23はオプション装備であり、それらのECU22、23については必ずしもバスライン10に接続されているわけではない。また、バスライン10に接続されていても、故障により通信が行えなくなっているECUもありうる。このように、一部のECUが接続されていない、あるいは故障している場合には、そのECUを指定した識別コードを送信しても、そのECUからの応答はないはずである。
【0048】
つまり、指定したECUからの応答の有無によって、そのECUがバスライン10に正しく接続されているか否かを判定することができる。ただし、ノイズ混入等の通信障害によってデータ送受信に失敗した可能性もあるので、ECUからの応答がなかったからといって直ちにそのECUが接続されていないと判断するのは好ましくない。そこで、この実施形態では、指定ECUに対して識別コードを送信する毎に、そのECUからの応答の有無を判断し(ステップS103)、応答がなかった場合には、各ECUそれぞれに対応して設けられたエラーカウンタを増加させてゆき(ステップS104)、そのエラーカウンタの値が所定値に達したときに(ステップS105)、当該ECUが接続されていないと判定する(ステップS107)。
【0049】
各ECUの応答の有無については、レスポンス部におけるバスライン10のレベル変化の有無により判断することができる。また、エラーカウンタとしては、例えばメータECU11に設けられたRAMやCPU内のメモリ、レジスタ等を用いることができる。エラーカウンタの値がいくつのときに当該ECUを「なし」と判定するかについては任意であるが、例えば8ビットのカウンタを用いて、その上限値、すなわち10進数で255となったときに「なし」と判定するようにすることができる。
【0050】
これに対して、エラーカウンタの値が所定値(例えば255)に達していない場合には、直ちに「なし」と判定せずにステップS101に戻り(ステップS106)、所定の繰り返し回数で上記処理を再実行し、通信を試みる。この繰り返し回数については任意であるが、ここでは一例としてその初期値を3とする。そして、上記処理を所定回数繰り返しても指定ECUからの応答がないときには、いったんサブ処理を終了し、図3の処理に戻る。
【0051】
また、上記したステップS105においてエラーカウンタが所定値に達し、指定ECU「なし」と判定したときには(ステップS108)、上記繰り返し回数を1に変更する。この実施形態では、図3に示すように、実際にバスライン10に接続されているか否かに関わらず、接続可能な全てのECU、すなわちボデー統合ECU21、キーフリーECU22、安定化制御ECU23を順番に指定して通信を行っている。というのは、こうすることで、故障等により通信が行えずいったん「なし」と判定されたECUがその後に通信可能な状態になったときにそれを認識することが可能となるからである。ただし、そのECUが接続されていない場合には繰り返し通信を試みるのは無駄となるので、この場合については、上記のように1回のみ通信を試みるべく繰り返し回数を変更している。
【0052】
そして、当該ECUが接続されていないことを各ECUに通知すべく、その判定結果をバスライン10に対して出力する(ステップS109)。各ECUは、これを受信することで当該ECUが接続されていないことを認識する。
【0053】
一方、上記したステップS103において応答あり、すなわち指定ECUからの応答信号を受信できた場合には、エラーカウンタの値をデクリメントする(ステップS110)。ただし、エラーカウンタの値がゼロの場合にはそのままとする。そして、指定ECU「あり」と判定し(ステップS111)、繰り返し回数を3回として(ステップS112)、その判定結果をバスライン10に出力する(ステップS109)。
【0054】
ここで、指定ECUからの応答があった場合にエラーカウンタをデクリメントするのは、以下の理由による。すなわち、上記したように、この実施形態では、通信が不安定になることがあるという事情を考慮して、エラーカウンタが所定値に達したときに初めて当該ECUを「なし」と判定するようにしている。つまり、エラーカウンタの値が比較的高くなっているECUでは、「なし」と判定されないまでも、その動作状態が不安定となっている可能性が高いといえる。したがって、このようなECUとの間では、いったん通信が成功したとしても、その直後に再び通信が不能となる可能性があり、そのような場合にはより短時間で「なし」と判定されるべきである。
【0055】
そこで、通信失敗の回数を累積してカウントする一方で、通信が成功すればその値を減ずるようにすれば、通信失敗の頻度が高く不安定なECUについては比較的早期に「なし」と判定するのに対し、成功回数が多く安定なECUについては「なし」と判定するまでの時間が長くなり、各ECUの有無を通信の安定度に応じて適切に判断することができるのである。
【0056】
このように、この実施形態の制御装置では、メータECU11が定期的に各ECUとの通信を行い、その通信結果に基づいて各ECUの有無を判定するとともに、その判定結果を各ECUに向け送信している。そのため、各ECUは、この制御装置の装置構成、つまり接続可能な複数のECUのうち、どれが接続され、どれが接続されていないかを把握することができる。そして、各ECUは、必要に応じて、上記した装置構成に対応した処理を適宜切り換えて実行することで、この自動車1全体としての動作を最適なものとすることができる。
【0057】
このような切り換えを要する処理としては、例えば次のようなものがある。すなわち、安定化制御ECU23を装備した自動車1では、該ECU23が機能することにより車輪ロックやスリップなどの現象が発生するのを未然に防止している。しかしながら、より安全を期するため、このような現象が起こりうる不安定な状態にあることは運転者に報知すべきである。このような報知手段としては、例えば運転席に設置されてメータECU11により制御される表示部12を使用することができる。
【0058】
したがって、メータECU11は、安定化制御ECU23が装備されている場合には、その出力データを受信して、必要に応じ所定の警告表示を表示部12に行わせる必要がある。一方、安定化制御ECU23が装備されていない場合にはこのような処理は不要である。
【0059】
また、これ以外にも、例えば、キーフリーECU22が接続されている、すなわちキーフリー機能が装備されているか否かによって、ボデー統合ECU21はドアロック機構の制御動作を変更する必要がある。
【0060】
これらの処理の切り換えは、装置構成に応じた複数の動作モードを実行するためのプログラムを予め各ECUに組み込んでおき、上記のようにして判定された各ECUの接続状態に応じてこれらの動作モードを切り換えることにより達成される。
【0061】
このようにして行われる各ECU間のデータ通信の一例を、図5を参照して説明する。但し、図5はECU間でのデータ通信を示すタイミングチャートである。
【0062】
ここでは、図1の自動車1に設けられたバスライン10に対して、標準装備のメータECU11およびボデー統合ECU21と、オプション装備のうち安定化制御ECU23とが接続されているが、オプション装備のうちのキーフリーECU22は接続されていない場合を例として考える。なお、図5の各波形は、各ECUからバスライン10に対して出力される信号を示している。
【0063】
イグニッションスイッチが運転者によりオンにされ、メータECU11が図3の通信処理の実行を開始すると、最初のメッセージフレーム、すなわちフレーム1では、ヘッダ部、レスポンス部ともメータECU11から出力される(図3のステップS1)。これにより、メータECU11からの送信データが他のECU、すなわちボデー統合ECU21、安定化制御ECU23それぞれに受信される。
【0064】
次に、フレーム2では、メータECU1がボデー統合ECU21に対応する識別コードを出力して応答を要求し(ステップS2、S3)、これに応答してボデー統合ECUが所定のデータを出力する。このデータを受信することで、メータECU11が指定ECUすなわちボデー統合ECU21を「あり」と判定する。
【0065】
これを受けて、フレーム3では、メータECU11が上記判定結果、つまりボデー統合ECU21が接続されていることを示す情報を含むデータを送信する。これを受信した各ECUは、ボデー統合ECU21がバスライン10に接続されていることを把握する。
【0066】
続くフレーム4ないし6は、メータECU11がキーフリーECU22に対して行う応答要求である(図3のステップS4、S5)。この例ではキーフリーECU22は接続されておらず、応答がないため、メータECU11は3回繰り返して応答要求を行い、その都度キーフリーECU22に対応するエラーカウンタの値が増加してゆく。
【0067】
こうして3回繰り返して応答要求しても応答がなければ、メータECU11は次に安定化制御ECU23に対する応答要求を行う(ステップS6、S7)。安定化制御ECU23はこれを受けて所定のデータを出力し(フレーム7)、続くフレーム8で、メータECU11は安定化制御ECU23が接続されていることを示す情報を含むデータをバスライン10に出力する。
【0068】
このように、図3の通信処理サイクルを繰り返すと、バスライン10に接続されているECU21、23とメータECU11との間で所定のデータ交換が継続的に行われる一方、接続されていないキーフリーECU22に対応するエラーカウンタの値は次第に増加し、やがて所定値(例えば255)に達すると、当該ECU22は「なし」と判定される。そして、メータECU11からその旨が各ECUに送信され、それ以後メータECU11からキーフリーECU22への応答要求は1サイクルあたり1回のみとなる。なお、この通信1サイクルの周期は任意であるが、通信速度や接続可能なユニット数を考慮して、例えば50〜100ms程度とすることができる。
【0069】
また、当初「あり」と判定されたECUが動作中に応答しなくなり「なし」と判定されるに至った場合には、そのECUが故障していることが考えられる。したがって、このような場合には、メータECU11は他のECUにその旨を送信するとともに、表示部12に警告表示を行ったりブザーを鳴らすことで運転者に報知するようにするのが望ましい。
【0070】
以上のように、この実施形態の制御装置では、メータECU11が各ECUとの間でデータ通信を行うとともに、その通信結果から各ECUの接続状態を判定している。そして、その判定結果をバスライン10を介して各ECUに送信し、各ECUはその結果に基づき必要に応じて動作モードを切り換え実行する。
【0071】
そのため、ECUの組み合わせによらず常に最適な制御を行うことができ、出荷前に工場でデータを書き込んだり、組み合わせに応じた複数の品番を各ユニット毎に用意する等の作業が不要であり、製造・管理コストを抑えることができる。また、各ECUの接続状態を定期的に判定するので、出荷後の仕様変更や、ユニットの故障等にも柔軟に対応することが可能である。
【0072】
しかも、メイン制御ユニットとして機能しているのが表示部12を制御するメータECU11であるから、故障等の異常が発生したときには直ちに表示部12にその旨を表示し、運転者に注意を促すことができる。
【0073】
また、通信に失敗した回数をカウントするエラーカウンタの値が所定値に達したときに初めて「なし」と判定する一方、通信に成功した場合にはこのエラーカウンタの値を減ずるようにしているので、ノイズ等に起因する誤判定が少なく、各ECUとの通信の安定度に合わせて適切にその有無を判定することができる。
【0074】
また、各ECUの有無を判定しているのはメイン制御ユニットたるメータECU11のみであり、他のECUはその判定結果に応じて動作モードを切り換えるだけでよいので、各ECUの制御ソフトウェア開発の自由度が高く、開発者の負担および開発コストも軽減されている。
【0075】
また、メータECU11は、各ECUの有無を判定するために特別な通信を行うのではなく、通常のデータ交換を行うための通信を行いながら、その通信結果に基づき各ECUの接続状態を判定しているので、各ECUの有無判定を実行することによって通信効率が低下することはない。
【0076】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態における各ECUの組み合わせは、本発明を説明するためにその一例を示したものにすぎず、これ以外のユニットを組み合わせるものであってもよい。例えば、上記実施形態における安定化制御ECU23は、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール(TCS)等を統合的に制御するものであるが、これらが個別のECUにより制御される車両であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態におけるエラーカウンタの上限値および応答要求の繰り返し回数については、上記した値に限定されず、他の値であってもよい。
【0078】
また、上記した実施形態では、各ECU間の通信をLINプロトコルに基づいて行っているが、これ以外の通信プロトコルを用いてもよい。
【0079】
また、上記した実施形態では、メータECU11が、各ECUの有無を判定する度毎に判定結果をバスライン10に対し出力しているが、全てのECUの有無を判定した後で、それらを1フレームにまとめて出力するようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、請求項1、に記載の発明によれば、通信に失敗した回数をカウントするエラーカウンタの値が所定値に達したときに初めて「なし」と判定するので、ノイズ等に起因する誤判定が少なく、各制御ユニットとの通信の安定度に合わせて適切にその有無を判定することができる。そして、エラーカウンタの値が所定値に達したかどうかによって各制御ユニットの通信線への接続状態を判定しているので、車両1台毎に制御ユニットの組み合わせを記憶させる作業が不要であり、また組み合わせに応じた複数種の製品を用意する必要がなく、製造・管理コストを低減することができる。さらに、当該制御ユニットが通信線に接続されていないと判定されても、その後も応答要求信号を予め定められた回数送信するので、故障等により通信が行えずいったん接続なしと判定された制御ユニットがその後に通信可能な状態になったときにそれを認識することが可能となる。
【0081】
また、請求項2、6に記載の発明によれば、応答信号が1度あったときにはエラーカウンタのカウント値がデクリメントされ、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返すことで、不安定な制御ユニットについては、いったん接続ありと判定されたとしても、その直後に再び通信が不能となる可能性があることから、通信失敗の頻度が高く不安定な制御ユニットについては比較的早期に短時間で「なし」と判定できるのに対し、成功回数が多く安定な制御ユニットについては「なし」と判定するまでの時間が長くなり、各制御ユニットの有無を通信の安定度に応じて適切に判断することができる。
【0082】
また、請求項3、に記載の発明によれば、いったん接続されていると判定された制御ユニットがその後になって何らかの異常により応答しなくなった場合、そのユニットを故障と判定し、各制御ユニットは故障の発生に対して適切な対応を行うことができる。
【0085】
また、請求項に記載の発明によれば、運転者が故障の発生を早期に察知することができるので、故障の発生を知らないまま運転を続けてしまうことによる危険を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【図2】LINプロトコルを説明する波形図である。
【図3】通信処理を示すフローチャートである。
【図4】通信処理におけるサブ処理を示すフローチャートである。
【図5】ECU間でのデータ通信を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 自動車(車両)
10 バスライン(通信線)
11 メータECU(メイン制御ユニット)
12 表示部(報知手段)
21 ボデー統合ECU(サブ制御ユニット)
22 キーフリーECU(サブ制御ユニット)
23 安定化制御ECU(サブ制御ユニット)

Claims (8)

  1. メイン制御ユニットと、前記メイン制御ユニットと電気的に接続された通信線とを備え、車両各部を制御する複数のサブ制御ユニットを前記通信線に接続可能に構成された車両制御装置において、
    前記メイン制御ユニットは、
    前記複数のサブ制御ユニットに対して順次に前記通信線を介して連続して複数回応答要求信号を送信するとともに、
    その送信毎に、エラーカウンタにより当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数をカウントして、前記カウンタのカウント値が所定回数に達したときには、当該サブ制御ユニットが前記通信線に接続されていないと判定し、当該接続されていないとの判定後も前記応答要求信号を予め定められた回数送信する一方、
    前記カウンタのカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには当該サブ制御ユニットが前記通信線に接続されていると判定し、
    当該サブ制御ユニットそれぞれの前記通信線への接続状態を他の前記サブ制御ユニットに通知
    前記メイン制御ユニットおよび前記通信線に接続されたサブ制御ユニットのうち少なくとも1つは複数の動作モードを実行可能に構成され、前記接続状態に応じて前記複数の動作モードの一を選択して実行する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記メイン制御ユニットは、前記カウンタによる当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには、前記カウント値をデクリメントした後、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返す請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記メイン制御ユニットは、前記カウンタによる当該サブ制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達したときに当該サブ制御ユニットが故障していると判定し、当該サブ制御ユニットの故障を他の前記各サブ制御ユニットに通知する請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記メイン制御ユニットが前記サブ制御ユニットのうち少なくとも1つを故障と判定したときに、操作者に対して故障を報知する報知手段を備える請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 通信線により互いに接続されて車両各部を制御する複数の制御ユニット間の通信方法において、
    前記複数の制御ユニットのうち前記車両に標準装備される一の制御ユニットが、他の前記制御ユニットに対して順次に連続して複数回応答要求信号を前記通信線を介して送信し、
    前記通信線に接続された他の制御ユニットは、前記一の制御ユニットから送信される前記応答要求信号が当該制御ユニットに対応するものであるときには、前記通信線に所定の応答信号を出力し、
    前記一の制御ユニットは、
    その送信毎に、エラーカウンタにより当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数をカウントして、前記カウンタのカウント値が所定回数に達したときには、当該他の制御ユニットが前記通信線に接続されていないと判定し、当該接続されていないとの判定後も前記応答要求信号を予め定められた回数送信する 一方、
    前記カウンタのカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには当該他の制御ユニットが前記通信線に接続されていると判定する
    ことを特徴とする通信方法。
  6. 前記一の制御ユニットは、前記カウンタによる当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達するまでに前記応答信号が少なくとも1度あったときには、前記カウント値をデクリメントした後、予め定められた繰り返し回数だけ前記応答要求信号の送信を繰り返す請求項に記載の通信方法
  7. 前記一の制御ユニットは、前記カウンタによる当該他の制御ユニットに対する前記応答要求信号に対応した所定の応答信号のない送信回数のカウント値が前記所定回数に達したときに当該他の制御ユニットが故障していると判定し、当該他の制御ユニットの故障を他の前記制御ユニットに通知する請求項6に記載の通信方法。
  8. 前記一の制御ユニットが他の制御ユニットのうち少なくとも1つを故障と判定したときには、所定の報知手段により操作者に対して故障の発生を報知する請求項に記載の通信方法。
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