JP5343330B2 - 薄膜形成方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、半導体素子の製造方法及び光学素子の製造方法 - Google Patents

薄膜形成方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、半導体素子の製造方法及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜形成方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、半導体素子の製造方法及び光学素子の製造方法に係り、特に、液状材料を用いた塗布法によりパターニングされた薄膜を形成する方法、及びこの方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体素子及び光学素子の製造方法に関する。
近年、発光素子、半導体素子、光電変換素子等の機能性素子を有機材料を用いて製造することが注目されている。これは、有機材料の膜形成を塗布法で行うことにより、有機材料層(機能性層)を有する大面積の機能性素子を作製可能であるからである。この場合、有機材料層は、一般的に上記機能性素子の基板上にパターン形成される。
特許文献1及び2には、有機材料からなる薄膜のパターン形成に関し、まず基板上に隔壁間に挟まれた領域で規定されるパターンを形成し、その隔壁で挟まれた領域に有機発光材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させることにより、基板上に有機材料からなる有機発光層(機能性層)のパターンを形成することが記載されている。
図7により、上記従来技術による機能性層のパターン形成方法の概略を説明する。図7(a)に示すように、まず、基板101上に、ITO膜等からなる電極102と、隣り合う電極102間を絶縁する無機絶縁層103と、さらに無機絶縁層103上に有機物からなる有機隔壁層104とを形成する。無機絶縁層103及び有機隔壁層104は、上記液状材料に対して親液性である。
この状態で、基板101の表面にCF4プラズマ処理(撥液処理)を行う。CF4プラズマ処理では、無機物表面(無機絶縁層103,電極102)は、有機物表面(有機隔壁層104)と比べてフッ素化されにくい。このため、この処理後、基板101の表面では、上記液状材料に対して無機物表面は親液性を保持するが、有機物表面は撥液性を有し、表面状態が選択的に変更される。
次に、図7(b)に示すように、インクジェット方式によりインクジェットヘッド105で、液状材料106を有機隔壁層104間に吐出する。吐出された液状材料106は、撥液性を有する有機隔壁層104でははじかれ、有機隔壁層104により区画された状態で、親液性を有する電極102上及び無機絶縁層103上に保持される。保持された液状材料106を乾燥させることにより、電極102上に機能性層である発光層をパターン形成することができる。
特開2000−323276号公報 特開2002−222695号公報
しかし、上記従来技術による方法では、フォトリソグラフィ法等によって基板101上に有機隔壁層104を形成し、この有機隔壁層104によって所望のパターンを規定しなければならず、工程数が増加し歩留まり低下を招きやすいという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、塗布法により液状材料を用いて、低コストで且つ簡便に基板上の所定の領域に薄膜をパターン形成する方法及びこの方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体素子及び光学素子の製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、薄膜形成材料を含む液状材料を基板上に塗布して所定領域に薄膜を形成する方法であって、基板を撥液処理する工程と、基板の撥液処理された面に、この面よりも前記液状材料に対して親液性を有する下地層を、乾式方法によりパターン形成する工程と、下地層上に液状材料を塗布し、乾燥させる工程と、を有し、下地層は、金属の酸化物又は金属の複合酸化物からなる層であることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、基板上の所定領域に液状材料を塗布して薄膜を形成する前に、予め撥液処理により基板に、直接又は他の層を介して間接的に撥液性表面を形成し、この撥液性表面上に下地層を、乾式方法によりパターン形成する。下地層は、金属の酸化物又は金属の複合酸化物からなる層である。そして、このパターン形成された親液性の下地層上に液状材料を塗布する。これにより、液状材料は、基板上に形成された撥液性表面には流れ出ず、親液性の下地層上に留まり、この液状材料を乾燥させることにより、基板上に所望のパターンの薄膜を形成することができる。本発明では、塗布法で薄膜を形成する領域を、下地層によって規定することができるので、隔壁を形成する必要がなく、基板構造を簡素化することが可能となる。これにより、本発明では、製造工程が簡単化され、製品の歩留まり低下を防止することができると共に、製造コストを低減することができる。
また、本発明において好ましくは、下地層をパターン形成する工程では、下地層を乾式方法により形成する。このように構成された本発明によれば、塗布法ではなく、乾式方法を採用することによって、下地層を形成する面の塗れ性に影響されずに下地層を形成することができる。乾式方法は、蒸着法,スパッタリング法,CVD法等の一般的な手法が使用可能である。また、乾式方法により下地層をパターン形成する方法には、例えば、成膜領域が開口部となっているマスクを使用する方法を採用することができる。
また、本発明において好ましくは、下地層は、具体的には、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムの何れかである。このように構成された本発明によれば、作製する素子,デバイスに応じて下地層の材料を適宜選択することが可能であり、例えば電子デバイスを作製する場合に上記金属酸化物,金属複合酸化物を選択することができる。すなわち、上記金属酸化物,金属複合酸化物は、安定且つ電荷注入・輸送が可能な材料であり、これらの材料からなる下地層上に半導体材料や光電変換材料等からなる薄膜を形成して電子デバイスを作製することができる。
また、本発明において好ましくは、下地層をパターン形成する工程では、下地層の端部を順テーパー形状に形成する。このように構成された本発明によれば、基板上の撥液性表面と親液性の下地層との境界部に段差が生じにくくなり、下地層の境界部において液状材料を確実に保持しすることが可能となる。
また、本発明において好ましくは、下地層をパターン形成する工程では、薄膜の所定領域と同一の領域に下地層のパターンを形成する。
また、本発明において好ましくは、下地層をパターン形成する工程では、絶縁性材料によって区画された導電性材料上に下地層のパターンを形成する。
また、本発明において好ましくは、撥液処理は、フッ素系ガスを含んだ真空プラズマ処理,フッ素系ガスを含んだ大気圧プラズマ処理,又は前記基板上に撥液性を有する材料を塗布する処理の何れかである。このように構成された本発明によれば、基板上の撥液処理を施す面が有機物から成る場合には、上記プラズマ処理及び撥液性材料の塗布する処理の両方から選択可能となる。また、基板の撥液処理を施す面が金属又は金属酸化物等の無機物からなる場合には、プラズマ処理では表面がフッ素化され難く撥液性を付与し難いので、撥液性材料の塗布処理により撥液処理を実施することができる。
また、本発明において好ましくは、液状材料を塗布し、乾燥させる工程を、同一の液状材料により複数回繰り返す。このように構成された本発明によれば、同一材料を複数回塗布することにより塗布量ムラを分散することができ、より均一な薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明において好ましくは、液状材料を塗布し、乾燥させる工程を、異なる液状材料により複数回繰り返す。このように構成された本発明によれば、より複雑な層構成を有する薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子,半導体素子,光学素子を製造する方法は、上記薄膜の形成方法を用いている。このように構成された本発明によれば、塗布法により液状材料を用いて、低コストで且つ簡便に基板上の所定の領域に薄膜をパターン形成することにより、製造工程を簡略化して製品の歩留まり低下を防ぐと共に、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、塗布法により液状材料を用いて、低コストで且つ簡便に基板上の所定の領域に薄膜を形成する方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体素子及び光学素子の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の薄膜形成方法は、基板上に隔壁部を形成することなく、基板上に液状材料を塗布し、これを乾燥させて、微細な所定パターン形状の薄膜層を形成するものであり、以下の実施形態で示すように発光素子,半導体素子,光学素子等に適用することができる。
(第1実施形態)
先ず、図1により、本発明の第1実施形態による薄膜形成方法を説明する。第1実施形態は、本発明の薄膜形成方法を用いて基板上に薄膜層を形成する実施形態である。図1は本発明の第1実施形態により薄膜を形成する工程を示す図である。
図1(e)は、第1実施形態により基板11上に形成された薄膜層16を示している。薄膜層16が、本発明の所定領域又は所定パターンに形成された薄膜に相当する。本実施形態では、薄膜層16は、基板11上に所定パターンで形状された下地層15上に形成されている。これにより、薄膜層16は、下地層15と同一のパターン形状で基板11上に形成されている。
基板11は、透明なガラス基板である。また、基板11は、フレキシブルな材質であっても、硬質な材質であってもよく、ガラス以外に、プラスチック、高分子フィルム、シリコン、金属基板等であってもよい。また、基板11は、半導体集積回路基板、基板上に電極等のパターニングが施されている基板等各種の基板であってもよい。
下地層15は、無機物系材料や有機物系材料等を使用することができ、特に限定されない。下地層15は、後述の液状材料を構成する溶媒に対して不溶であることが望ましい。なお、本実施形態を有機EL素子や半導体素等の電子デバイスの製造に利用する場合には、下地層15として電子注入・輸送材料や正孔注入・輸送材料を使用するとよい。
このような材料として無機物系材料では、金属酸化物及び金属の複合酸化物を用いることができる。
上記金属の酸化物の具体例として、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、トリウム(Tr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)及び、ランタン(La)からルテチウム(Lu)等の酸化物が挙げられる。
また、上記金属の複合酸化物の具体例として、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の他、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ビスマス酸化鉄(BiFeO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、バナジウム酸ナトリウム(Na3VO4)、バナジウム酸鉄(FeVO3)、チタン酸バナジウム(TiVO3)、クロム酸バナジウム(CrVO3)、バナジウム酸ニッケル(NiVO3)、バナジウム酸マグネシウム(MgVO3)、バナジウム酸カルシウム(CaVO3)、バナジウム酸ランタン(LaVO3)、モリブデン酸バナジウム(VMoO5)、モリブデン酸バナジウム(V2MoO8)、バナジウム酸リチウム(LiV25)、珪酸マグネシウム(Mg2SiO4)、珪酸マグネシウム(MgSiO3)、チタン酸ジルコニウム(ZrTiO4)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、マグネシウム酸鉛(PbMgO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、ホウ酸バリウム(BaB24)、クロム酸ランタン(LaCrO3)、チタン酸リチウム(LiTi24)、銅酸ランタン(LaCuO4)、チタン酸亜鉛(ZnTiO3)、タングステン酸カルシウム(CaWO4)等が挙げられる。
また、上記具体例の中で、特に好ましいものは、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムである。
また、有機物系材料では、正孔注入・輸送材料の具体例として、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、アモルファスカーボン、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等の色素系材料等が挙げられる。また、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体材料等が挙げられる。
また、電子注入・輸送材料の具体例として、オキサジアゾール類、アルミニウムキノリノール錯体等、一般的に安定なラジカルアニオンを形成し、イオン化ポテンシャルの大きい物質が挙げられる。具体的には、1,3,4−オキサジアゾール誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体等が挙げられる。
薄膜層16は、液状材料を下地層15上に塗布し、乾燥させて形成したものである。液状材料は、溶剤に薄膜形成材料を加えて形成したものである。溶剤は、下地層15を溶解しない限り水系及び有機溶剤系のものを使用可能であり特に限定されない。また、液の塗布性や乾燥を均一にするために界面活性剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
薄膜形成材料は、有機材料,無機材料,有機無機ハイブリッド材料等の溶剤に可溶もしくは分散可能な材料を用いることができる。製造物が有機EL素子である場合は、薄膜層形成材料に有機EL材料を用いることができる。
次に、図1に基づいて、第1実施形態の薄膜形成方法について説明する。
まず、基板11を用意し(図1(a))、基板11を撥液処理する(図1(b))。なお、図1の符号Aは、基板11の表面が撥液性表面となったことを表している。
本明細書で「撥液性」とは、薄膜層16を形成する材料を含む液状材料(又はその溶剤)に対する対象表面(基板11)の親和性が小さいことを意味する。撥液性の有無は、液状材料と基板11との接触角によって判断することができる。接触角は、固体表面上に滴下された液体の液滴の接触部分と固体表面がつくる角度として定義される。
本明細書では、液滴の接触角が30°以上である場合に、液体が固体表面に対して撥液性があると定義する。また、接触角が30°未満の場合は、液体は固体表面に対して親液性があり、濡れ易いと定義する。この場合には、液体を塗布した場合に固体表面上に均一に広がり良質な膜が形成される。
撥液処理は、フッ素系ガスを含んだプラズマ処理を行う方法と、撥液性を有する材料を塗布する方法とがあり、これらは撥液性を付与したい面の材質により適宜選択することができる。
すなわち、撥液性を付与したい面が有機材料で形成されている場合には、撥液処理として撥液性を有する材料を塗布する方法、及びフッ素系ガスを含んだプラズマ処理を行う方法の両方法を選択することができる。フッ素系ガスを含んだプラズマ処理では、CF4、SF6のようなフッ素系ガスを用いた真空プラズマと大気圧プラズマを適用することができる。
一方、撥液性を付与したい面が無機材料で形成されている場合には、フッ素系ガスを含んだプラズマ処理を行っても表面がフッ素化されにくく良好な撥液性を付与することが難しいため、撥液性を有する材料を塗布する方法により撥液処理を行うことが好ましい。撥液性材料としては、分子内にフッ素を有するフッ素系樹脂、界面活性剤やシランカップリング材等を使用することができる。
図1(b)の例では、基板11、すなわち撥液性を付与したい面が無機材料で形成されているので、基板11の表面に撥液性を有する材料を塗布する処理を行う。これにより、基板11が撥水化され、表面に撥液性表面Aが形成される。
次に、基板11の撥液性表面A上に下地層15を形成する(図1(c))。
この工程では、開口部1aを有するマスク1を基板11上に配置し、真空蒸着法により下地層15を成膜する。下地層15は、後工程で、その上に薄膜層16を形成する液状材料を配置し易くするためのものであり、親液性表面を提供する。
下地層15は、基板11の濡れ性に影響されずに膜形成が可能な乾式方法で形成することが好ましい。具体的には、真空蒸着法以外に、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等が好ましい。また、複数の材料層を積層させて下地層15を構成してもよい。
また、図1(c)に示すように、下地層15の端部は、90°未満の順テーパー形状となるように形成することが望ましい。すなわち、下地層15は、端部において、基板11と接触する境界縁(先端)に向かうほど薄くなるように形成するとよい。下地層15は、端部において、境界縁から下地層15の中心部に向かうにつれて、徐々に厚くなる。このように下地層15の端部を順テーパー形状に形成すると、基板11の撥液性表面Aと下地層15との境界部に段差が生じにくくなるので、下地層15の境界部において液状材料を確実に保持することができる。
また、所定パターンの下地層15を形成する方法として、上述のように成膜領域が開口部となっているマスク1を使用する方法以外に、基板11全面に下地層を形成した後にフォトリソグラフィ工程により下地層15をパターン形成する方法等を採用してもよい。
次に、親液性領域である下地層15上に塗布法により液状材料16aを塗布する(図1(d))。
下地層15が親液性であり、その周囲の基板11表面(撥液性表面A)が撥液性となっている。このため、下地層15に塗布された液状材料16aは、撥液性の基板11ではじかれることにより、基板11上に流れ出さず、親液性の下地層15に集中しようとする。これにより、液状材料16aは、パターン形成された下地層15上に配置される。
液状材料16aの塗布法としては、インクジェット法、ノズルコート法、ディスペンサー法、バーコート法、ブレードコーティング法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等がある。
次に、液状材料16aを乾燥させて下地層15上に薄膜層16を形成する(図1(e))。
液状材料16aを乾燥させることにより、薄膜形成材料からなる薄膜層16が下地層15上に形成される。液状材料16aは、基板11を保持するステージ(図示せず)に取付けられた温度調整機構により温度調整しながら、ホットプレート、オーブン、ドライヤー等の乾燥機構で乾燥させることができる。
なお、液状材料16aの塗布工程及び乾燥工程を複数回繰り返してもよい。このように複数回繰り返すことにより、所望の厚さの薄膜層16を得ることができると共に、塗布ムラを分散してより均一な厚さの薄膜層16を形成することができる。
また、異なる液状材料16aを用いて、塗布工程及び乾燥工程を複数回繰り返してもよい。このように複数種の液状材料16aを使用することにより、より複雑な層構造を有する薄膜層16を形成することができる。
(第2実施形態)
次に、図2により、本発明の第2実施形態による薄膜形成方法を説明する。
第2実施形態は、任意の材料層が形成されている基板上に、所望のパターン形状の薄膜を形成する実施形態である。図2は本発明の第2実施形態による薄膜形成工程を示している。なお、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図2(a)に示すように、材料層12が形成されている基板11を用意する。材料層12は、無機系材料、有機系材料、もしくは無機系材料と有機系材料の混合材料等であってもよく、材料は特に限定されない。
次に、図2(b)に示すように、基板11の表面、すなわち材料層12を撥水処理し、撥液性表面Aを形成する。撥水処理は、基板11に形成されている材料層12が無機材料からなる層である場合は、撥液性を有する材料を塗布する方法が好ましく、材料層12が有機材料からなる層である場合は、撥液性を有する材料を塗布する方法及びフッ素系ガスを含んだプラズマ処理のいずれかを適宜選択することができる。
次に、図2(c)に示すように、基板11上にマスク1を配置し、真空蒸着法等の乾式方法により、材料層12の撥液性表面Aに所望パターンの下地層15を形成する。
そして、図2(d)に示すように、親液性表面を有する下地層15上に液状材料16aを塗布する。このとき、液状材料16aは、下地層15の周囲の材料層12表面(撥液性表面A)が撥液性であるため、親液性表面の下地層15上に配置される。
次に、図2(e)に示すように、下地層15上に配置された液状材料16aを乾燥させる。これにより、所定パターン形状の下地層15上に、同一パターン形状の薄膜層16を形成することができる。
(第3実施形態)
次に、図3乃至図5により、本発明の第3実施形態による薄膜形成方法を説明する。
第3実施形態は、本発明の薄膜形成方法を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する実施形態である。図3は本発明の第3実施形態により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図、図4及び図5はその製造工程を示す断面図及び平面図である。
図3に示す有機エレクトロルミネッセンス素子10(以下「有機EL素子10」という)は、基板11と、電極13と、絶縁層14と、下地層15と、薄膜層16と、電極17と、酸化保護層18とを有している。
電極13は、導電性材料からなり、基板11に所定パターンで形成されている。
絶縁層14は、電気的絶縁性を有する材料からなり、基板11及び電極13上に形成されている。絶縁層14は、基板11と、電極13の端部を覆っており、開口部14aによって電極13の一部を露出させている。
下地層15は、開口部14aによって露出する電極13の露出部及び開口部14aの周囲の絶縁層14を覆うように形成されている。
本実施形態では、薄膜層16は有機EL材料を含む発光性材料からなる発光層であり、下地層15の上に形成されている。薄膜層16は、発光性材料を溶剤に混入した溶液(液状材料16a)を乾燥させて形成したものである。
電極17は、導電性材料からなり、薄膜層16上及び絶縁層14上に所定パターンで形成されている。酸化保護層18は、電極17等を含む基板11上を覆うように形成されている。
このような構成により、図3に示す有機EL素子10は、電極13,17間に電流を流すことによって、薄膜層16から外部に光を照射することができる。
次に、図4及び図5に基づいて、有機EL素子10の製造方法について説明する。
まず、基板11を用意し、基板11上に電極13及び絶縁層14を形成する(図4(a)、図5(a))。
次に、基板11を撥液処理する(図4(b)、図5(b))。
本実施形態では、絶縁層14が有機材料、電極13が無機材料で形成されている。この例では、撥液性を付与したい面(絶縁層14)が有機材料で形成されているので、基板11の表面にフッ素系ガスを含んだプラズマ処理を行う。これにより、絶縁層14の親液性表面は、撥液化され撥液性表面Aとなる。図5(b)乃至図5(e)において符号「A(14)」は、絶縁層14の表面が撥液性表面Aとなっていることを表している。なお、電極13は無機材料で形成されているので、上記プラズマ処理を行っても、電極13は親液性表面のままである。
なお、この場合、撥液性を有する材料を塗布することによって、絶縁層14及び電極13の表面に撥液性を付与してもよい。
一方、本実施形態とは異なり、絶縁層14と電極13が共に無機材料で形成されている場合は、撥液性を付与したい面(絶縁層14)が無機材料で形成されているので、基板11の表面に撥液性を有する材料を塗布する処理を行う。これにより、絶縁層14及び電極13の表面が撥液化される。
次に、下地層15を形成する(図4(c)、図5(c))。
本実施形態では、開口部14a及びその周囲の絶縁層14を臨ませるようにマスク1を配置し、真空蒸着法により下地層15を成膜する。これにより、下地層15は、開口部14a及びその周囲の絶縁層14を覆うように形成される。なお、下地層15を他の乾式方法で作製してもよい。
次に、下地層15上に塗布法により液状材料16aを塗布する(図4(d)、図5(d))。
下地層15は親液性であり、その周囲の絶縁層14の撥液性表面Aは撥液性となっている。このため、下地層15に塗布された液状材料16aは、絶縁層14の撥液性表面Aによってはじかれ、絶縁層14上には流れ出さず、親液性の下地層15に留まろうとする。これにより、液状材料16aは、パターン形成された下地層15上に配置される。
次に、液状材料16aを乾燥させて下地層15上に薄膜層16を形成する(図4(e)、図5(e))。
液状材料16aを乾燥させることにより、有機EL材料による薄膜層16が下地層15上に形成される。
さらに、液状材料16aの乾燥後に、電極17及び酸化保護層18を真空蒸着法等により形成して、図3に示した有機EL素子10を製造する。
(第4実施形態)
次に、図6により、本発明の第4実施形態による薄膜形成方法を説明する。
第4実施形態は、本発明の薄膜形成方法を用いて半導体素子を製造する実施形態である。図6は本発明の第4実施形態による薄膜形成工程を示している。
まず、図6(a)に示すように、材料層12が形成されている基板11を用意する。
次に、図6(b)に示すように、基板11上の材料層12を撥液処理し、材料層12に撥液性表面Aを形成する。
次に、図6(c)に示すように、所定パターンを有するマスク1を用いて、真空蒸着法等の乾式方法で、撥液性表面Aにゲート電極としての所定パターンの下地層15を形成する。
次に、図6(d)に示すように、ゲート電極として機能する下地層15上に、絶縁層材料を溶剤に溶解させた液状材料20aを塗布する。
次に、図6(e)に示すように、下地層15上に塗布した液状材料20aを乾燥させて、下地層15上に絶縁層20を形成する。なお、絶縁層20は親液性を有している。
さらに、図6(f)及び(g)に示すように、親液性の絶縁層20上に半導体材料を溶剤に溶解させた液状材料21aを塗布し、乾燥させる。これにより、絶縁層20上に半導体層21が形成される。
次に、図6(h)に示すように、基板11上に所定パターンを有するマスク2を配置する。マスク2は、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのパターンが形成されている。
そして、図6(i)に示すように、真空蒸着法等により、半導体層21上にソース電極22とドレイン電極23を形成し、半導体素子を製造する。
以上のように、本発明の各実施形態では、予め基板11上に撥液性表面Aを形成した後、この撥液性表面Aに所定パターン形状の親液性の下地層15又は絶縁層20を形成する。そして、この親液性のパターン形状に塗布法により、液状材料16a,20a,21aを配置する。このとき、親液性のパターン形状の領域外は、撥液性表面Aとなっているため、液状材料16a,20a,21aを、親液性のパターン形状に留めておくことができ、これを乾燥させることにより、親液性のパターン形状と同一パターン形状の薄膜層16,絶縁層20又は半導体層21を形成することができる。
このように、本発明の各実施形態においては、液状材料を乾燥させて形成する薄膜層を、従来のように手間の掛かるフォトリソグラフィ法等によって隔壁層を形成することなく、微細な所定パターン形状に形成することができる。これにより、製造工程を簡略化して製品の歩留まり低下を防ぐと共に、製造コストを低減することができる。
以下、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した具体的な実施例を示す。
(実施例1)
透明ガラス基板上に第1電極として酸化インジウム錫(ITO)をパターニングした基板を準備した。
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR−800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmのフォトレジスト層を形成した。
次に、ITO端部を覆うように設計されたフォトマスクを用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。次に、ホットプレート上で230℃で1時間加熱処理を行いレジストを完全に加熱硬化させ有機絶縁層とした。
次に、CF4ガスを用いた真空プラズマ装置により絶縁層表面に撥液処理を実施した。
次に、少なくともITO露出部(開口部)が開口部となるように設計されたメタルマスクを介し、真空蒸着機により下地層として酸化モリブデンを抵抗加熱法によりパターン作製した。
(評価1)絶縁層上および下地層上で自動接触角測定装置(英弘精機社製:OCA20)によりアニソール(表面張力35dyn/cm)で接触角測定を行った結果、有機絶縁層上で48.7°、下地層上で10°以下であった。これにより、絶縁層は撥液性表面であり、下地層は親液性表面であることが確認された。
次に、薄膜形成材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソールを混合した液状材料を作製し、ノズルコート法により下地層である酸化モリブデン層上にインク(溶液)を塗布し、これを乾燥させて膜厚1000Åの有機エレクトロルミネッセンス層(発光層)を作製した。
(評価2)光学顕微鏡によりITO開口部周辺の観察を行い発光層のパターン形成の状態を観察した結果、発光層が下地層上に良好に形成されていることを確認した。
次に、第2電極としてカルシウムを100Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化保護層として銀を2000Åの厚さで蒸着した。これにより、ボトムエミッション構造の有機EL素子を作製した。
(評価3)ITO電極(第1電極)側を正極、金属電極(第2電極)側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印可し、発光部の状態を観察した結果、良好な発光状態が得られている事を確認した。
(実施例2)
実施例1において、反応性ガスとしてCF4ガスを用い大気圧プラズマ装置により撥液処理を実施した以外は全て同一のプロセスにて素子を作製した。
(評価1)プラズマ処理後、自動接触角測定装置(英弘精機社製:OCA20)によりアニソール(表面張力35dyn/cm)で接触角測定を行った結果、有機絶縁層上で52.4°、下地層上で10°以下であった。これにより、絶縁層は撥液性表面であり、下地層は親液性表面であることが確認された。
(評価2)発光層形成後、光学顕微鏡によりITO開口部周辺の観察を行い発光層のパターン形成の状態を観察した結果、発光層は下地層上に良好に形成されていることを確認した。
(評価3)ITO電極側を正極、金属電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印可し、発光部の状態を観察した結果、良好な発光状態が得られている事を確認した。
(実施例3)
透明ガラス基板上に第1電極として酸化インジウム錫(ITO)をパターニングした。
次に、スパッタリング法により膜厚2000Åの酸化シリコン層を形成した。
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR−800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmのフォトレジスト層を形成した。
次に、ITO端部を覆うように設計されたフォトマスクを用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。
次に、真空ドライエッチング装置によりCF4と酸素を混合したガスを用いて酸化シリコンをエッチングした。その後、フォトレジスト層を剥離して無機絶縁層を形成した。
次に、撥液処理として、フルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ(株)製:MF−160E)をスピンコート法により塗布し乾燥させて撥液層を形成した。
次に、少なくともITO露出部(開口部)が開口部となるように設計されたメタルマスクを介し、真空蒸着機により下地層として酸化モリブデンを抵抗加熱法によりパターン作製した。
(評価1)絶縁層上および下地層上で自動接触角測定装置(英弘精機社製:OCA20)によりアニソール(表面張力35dyn/cm)で接触角測定を行った結果、絶縁層上で60.5°、下地層上で10°以下であった。これにより、絶縁層は撥液性表面であり、下地層は親液性表面であることが確認された。
薄膜形成材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソールを混合した液状材料を作製し、ノズルコート法により下地層である酸化モリブデン層上にインクを塗布、乾燥させて膜厚1000Åの有機エレクトロルミネッセンス層(発光層)を作製した。
(評価2)光学顕微鏡によりITO開口部周辺の観察を行い発光層のパターン形成の状態を観察した結果、発光層が下地層上に良好に形成されていることを確認した。
次に、第2電極としてカルシウムを100Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化保護層として銀を2000Åの厚さで蒸着した。
(評価3)ITO電極側を正極、金属電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印可し、発光部の状態を観察した結果、良好な発光状態が得られている事を確認した。
(実施例4)
実施例4では、トップエミッション構造の有機EL素子を作製した。
まず、透明ガラス基板上に第1電極としてCr,酸化インジウム錫(ITO)の順に形成した積層体をパターニングした基板を準備した。
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR−800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmのフォトレジスト層を形成した。
次に、ITO端部を覆うように設計されたフォトマスクを用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。次に、ホットプレート上で230℃で1時間加熱処理を行いレジストを完全に加熱硬化させ有機絶縁層とした。
次に、CF4ガスを用いた真空プラズマ装置により絶縁層表面に撥液処理を実施した。
次に、少なくともITO露出部(開口部)が開口部となるように設計されたメタルマスクを介し、真空蒸着機により下地層として酸化モリブデンを抵抗加熱法によりパターン作製した。
(評価1)絶縁層上および下地層上で自動接触角測定装置(英弘精機社製:OCA20)によりアニソール(表面張力35dyn/cm)で接触角測定を行った結果、有機絶縁層上で48.7°、下地層上で10°以下であった。これにより、絶縁層は撥液性表面であり、下地層は親液性表面であることが確認された。
次に、薄膜形成材料としてAldrich社製のMEH−PPV(ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチル-ヘキシロキシ)-パラ-フェニレンビニレン)、重量平均分子量約20万の1重量%のトルエン、アニソールを混合した液状材料を作製し、ノズルコート法により下地層である酸化モリブデン層上にインク(溶液)を塗布し、これを乾燥させて膜厚1000Åの有機エレクトルルミネッセンス層(発光層)を作製した。
(評価2)光学顕微鏡によりITO開口部周辺の観察を行い発光層のパターン形成の状態を観察し、発光層が下地層上に良好に形成されていることを確認した。
次に、第2電極としてカルシウムを100Å、引き続きアルミニウムを50Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化インジウム錫(ITO)をターゲットとした対向ターゲット式成膜装置により透明電極層を2000Åの厚さで蒸着した。これにより、トップエミッション構造の有機EL素子を作製した。
(評価3)Cr,ITOの積層体側の電極を正極、ITOのみの電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印可し、発光部の状態を観察した結果、ガラス基板側とは反対の方向に良好な発光状態が得られている事を確認した。
(比較例1)
実施例1において、撥液処理を実施しない事以外は全て同一のプロセスにて素子を作製した。
(評価1)絶縁層上および下地層上で自動接触角測定装置(英弘精機社製:OCA20)によりアニソール(表面張力35dyn/cm)で接触角測定を行った結果、有機絶縁層上で12°、下地層上で10°以下であった。これにより、絶縁層及び下地層は共に親液性表面であることが確認された。
(評価2)有機エレクトロルミネッセンス層を形成後、光学顕微鏡によりITO開口部周辺の観察を行い発光層のパターン形成の状態を観察した結果、発光層が下地層の幅よりも大幅に広がっていることを確認した。
(評価3)ITO電極側を正極、金属電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印可したところ電極間が短絡し発光を確認できなかった。
Figure 0005343330
本発明の第1実施形態による薄膜形成工程を示す図である。 本発明の第2実施形態による薄膜形成工程を示す図である。 本発明の第3実施形態により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 図3の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程を示す図である。 図3の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程を示す図である。 本発明の第4実施形態による半導体素子の製造工程を示す図である。 従来技術に係る薄膜形成工程を示す図である。
符号の説明
1 マスク
1a 開口部
2 マスク
10 有機エレクトロルミネッセンス素子
11 基板
12 材料層
13 電極
14 絶縁層
14a 開口部
15 下地層
16 薄膜層
16a 液状材料
17 電極
18 酸化保護層
20 絶縁層
20a 液状材料
21 半導体層
21a 液状材料
22 ソース電極
23 ドレイン電極
A 撥液性表面

Claims (12)

  1. 薄膜形成材料を含む液状材料を基板上に塗布して所定領域に薄膜を形成する方法であって、
    前記基板を撥液処理する工程と、
    前記基板の撥液処理された面に、この面よりも前記液状材料に対して親液性を有する下地層を、乾式方法によりパターン形成する工程と、
    前記下地層上に前記液状材料を塗布し、乾燥させる工程と、を有し、
    前記下地層は、金属の酸化物又は金属の複合酸化物からなる層であることを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 前記基板は平坦であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  3. 前記下地層を形成する金属の酸化物又は金属の複合酸化物は、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  4. 前記下地層をパターン形成する工程では、前記下地層の端部を順テーパー形状に形成することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法。
  5. 前記下地層をパターン形成する工程では、前記薄膜の所定領域と同一の領域に前記下地層のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法。
  6. 前記下地層をパターン形成する工程では、絶縁性材料によって区画された導電性材料上に前記下地層のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法。
  7. 前記撥液処理は、フッ素系ガスを含んだ真空プラズマ処理,フッ素系ガスを含んだ大気圧プラズマ処理,又は前記基板上に撥液性を有する材料を塗布する処理の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  8. 前記液状材料を塗布し、乾燥させる工程を、同一の液状材料により複数回繰り返すことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法。
  9. 前記液状材料を塗布し、乾燥させる工程を、異なる液状材料により複数回繰り返すことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法。
  10. 請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法。
  11. 請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法を用いて半導体素子を製造する方法。
  12. 請求項1乃至の何れか1項に記載の薄膜の形成方法を用いて光学素子を製造する方法。
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