JP5339836B2 - 電子写真用ベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用ベルト及びその製造方法に関する。
近年、フルカラー画像の複写やプリントが可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。フルカラー画像の転写材への転写方式としては、感光体等の像担持体上に形成される画像を、中間転写体上に順次重ね合わせて転写し、転写されたトナー像を一括して転写材に転写する方式すなわち、中間転写方式がとられている。
中間転写方式で用いられる電子写真ベルト(以降「中間転写ベルト」ともいう)は、電気抵抗値のバラツキが小さく、その環境安定性が求められる。求められる体積抵抗値および表面抵抗値のそれぞれのバラツキは、最大値と最小値の比が、100倍以下、より好ましくは10倍以下である。導電剤としては、イオン導電剤等もあるが、上記特性を満たすため、一般には導電性カーボンブラックが好ましい。これは、樹脂との混合分散性や半導電のし易さ等からである。また、イオン導電剤よりも環境変化(特に高湿化)での抵抗値の安定性が良い。
中間転写体上に残留したトナーを除去するため、様々なクリーニング手法が提案されている。その中でもベルト表面に、ブレードを当接させて中間転写ベルト表面をクリーニングする方法が、装置構成の簡便さおよび低コストの観点から現在の主流となっている。ブレードをクリーニングに用いる場合、ブレードと平行な向き、すなわちベルト幅方向の表面粗さ(Rz)が適切に制御されていなくてはならない。しかし、表面粗さ(Rz)が小さいと、ブレードがめくれてしまい、Rzが大きいとトナーのすり抜けが発生してしまう。
中間転写ベルトの製造方法としては、環状ダイスより連続溶融押出しする方法で、環状フィルムを得る方法が知られている(特許文献1)。しかし、カーボンブラックを添加した熱可塑性樹脂を連続溶融押出し法で環状フィルムとした場合、その表面は平滑ではなく、粗面となる。
粗面である中間転写ベルトの表面性を平滑化する方法としては、融点付近の温度に加熱して平滑な面を熱転写する方法(特許文献2)や、融点以上に加熱して、平滑な面を熱転写する手法が提案されている(特許文献3)。
特開平10−6411号公報 特開2002−347102号公報 特開2003−66662号公報
導電性カーボンブラックで半導電性に抵抗制御した環状フィルムの表面を、融点以上まで加熱して表面を改質する場合、僅かな温度ムラや圧力ムラで抵抗値の変動が起こりやすく、抵抗値のムラが生じやすい。温度ムラや圧力ムラを均一にするために、ある一定時間保持する方法も考えうるが、加工時間が長くなりコスト上の課題や、特に結晶性熱可塑性樹脂の場合、過度に結晶化が進んでしまい、機械的強度に問題が生じてしまう。
さらに、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)など、結晶性熱可塑性樹脂の場合は、融点直下の温度において面転写を実施するためには、粘度が十分に低下せず、50kgf/cm2以上の圧力が必要である。
本発明の目的は、単層でありながら、ベルト幅方向の表面粗さを制御し、かつ、面内の電気抵抗値のムラが小さい中間転写ベルト等に好適に用いることのできる電子写真用ベルトを得ることにある。すなわち、ベルト表面の幅方向のRzが0.2μmから0.7μmであり、かつ、面内の体積抵抗率(ρv)の最大値および最小値の比が10倍以内であるような電子写真用ベルトを製造することのできる方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の電子写真用ベルトの製造方法は、結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物を成形してなる電子写真用ベルトの製造方法において、
前記樹脂組成物を溶融して押出すことで、前記樹脂組成物の最大結晶化度の1/5以下の結晶化度を有する管状フィルムに成形し、該管状フィルムを中空円筒状の内型と、内面の粗さを制御した中空円筒状の外型とに挟み込む工程と、
前記樹脂組成物のガラス転移温度から結晶化開始温度の間の任意温度まで10℃/min以上の昇温速度で加熱し、その温度域下で該管状フィルムを10kgf/cm2以上に加圧する加熱加圧工程と、
ガラス転移点以下の温度まで冷却して型から脱型する工程と、
を含むことを特徴とする。
以上のように本発明によれば、単層でありながら、面内の電気抵抗値のムラが小さく、且つ、表面粗さを自由に制御可能に電子写真用ベルトを製造することが可能となった。
以下、課題を解決するための手段について、最良の形態をもって詳細に説明する。
本発明に係る電子写真用ベルトは、結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物を熔融押し出しして、管状フィルムに成形する。このとき、該樹脂組成物の最大結晶化度の1/5以下の結晶化度となるように円筒状に押出して管状フィルムを得る。得られた管状フィルムは、その後、表面光沢度を改質する後処理を施す。
本発明に用いる結晶性熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではないが、機械的強度から、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂組成物は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)を主成分として含有することが好ましい。
前記PEEKは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。市販品として代表的なものには、ビクトレックス(Victrex)社製の商品名「ビクトレックスPEEK」シリーズが挙げられる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、導電性フィラーと混合し樹脂組成物とした場合に加工して所定の結晶度を得ることができれば、いかなる化合物と変性されていても良く、例えばシロキサン変性は、既に提案されている(特許第2639707号)。
前記PPSはそれぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。市販品として代表的なものには、東レ社製の商品名「トレリナ」シリーズが挙げられる。
本発明で使用する導電性フィラーとしては、特に制限されず、例えば、導電性カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末、表面を導電処理した酸化金属ウィスカーなどが挙げられる。これらの中でも、体積抵抗率の制御性や機械物性などの観点から、導電性カーボンブラックが特に好ましい。
本発明で使用する導電性カーボンブラックは、導電性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックを挙げることができる。これらの中でも、アセチレンブラック、及びオイルファーネスブラックが好ましい。これらの導電性カーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
導電性フィラーの配合割合は、使用する導電性フィラーの種類によって異なるが、PEEK100重量部に対して、5〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは6〜20重量部である。導電性フィラーの配合割合が大き過ぎると、中間転写ベルトの体積抵抗率が低くなりすぎる場合や、機械特性が低下する場合がある。導電性フィラーの配合割合が小さ過ぎると、半導電性フィルムの体積抵抗率を所望の半導電性領域に制御することが困難となる。
また本発明の中間転写ベルトの靭性を向上させるための任意成分としてエラストマー成分を、結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーの合計100重量部に対して、例えば50重量部以下の量で含むことができる。
エラストマー成分としては、例えば以下の材料が挙げられる。天然ゴム、ブタジエン重合体、スチレン−イソプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体及びそれらの水添物(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など全て含まれる)、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、チオコールゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えば、ポリプロピレンオキシド等)、エピクロルヒドリンゴム等。
本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、熱老化防止剤、耐侯剤、可塑剤、結晶核剤、流動性改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料等の着色剤、難燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤を一種以上添加することができる。これらの添加剤は合計で、結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーの合計100重量部に対して、50重量部以下とすることが好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物からなる管状フィルムの結晶化度は、例えば、広角X線回折法(XRD)により求めることができる。また、該樹脂組成物の最大結晶化度は、該樹脂組成物の融点以上の温度で1時間以上保持した後、5℃/min以下の速度で常温まで冷却した試料について、同様にXRDを用いて算出した値とした。
管状ダイスより、連続溶融押出しをする際には、管状フィルムの結晶化度が該樹脂組成物の最大結晶化度の1/5以下の結晶化度となるように、サイジング部を制御する。サイジング部の温調や、形状に関しては、樹脂の結晶化度に大きく影響するため、慎重に選ぶことが望ましいが、特に制限されるものではない。
本発明の中間転写ベルトの厚みの平均値は、30〜250μm、好ましくは40〜150μm、より好ましくは50〜110μmの範囲内である。中間転写ベルトの厚みが薄すぎると、厚みを均一にするのが難しくなり、厚すぎると、柔軟性が低下する。したがって、管状フィルムの膜厚も上記範囲になるように、押出すことが望ましい。
次に前記製造された管状フィルムの表面改質の方法について説明する。前記結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物の最大結晶化度の1/5以下の結晶化度となるように押出した管状フィルムを、中空円筒状の内型と、内面の粗さを制御した中空円筒状の外型とに挟み込むように設置する。中空円筒状の外型の内面の粗さはRzが0.2μm〜0.7μmであることが好ましい。その後、ガラス転移温度から結晶化開始温度の間の任意温度まで加熱し、その温度域下で10kgf/cm2以上に加圧後、ガラス転移点以下の温度まで冷却して型から脱型することで、中間転写ベルトの表面を改質する。
加熱する温度は、動的粘弾性測定(DMA)より特定できる、ガラス転移温度から結晶化開始温度である粘度が低下しているピークの頂点温度までとする(図1)。図1に示すPEEKの動的粘弾性測定(DMA)では、ガラス転移温度はグラフ中粘度が低下し始める温度であり、結晶化開始温度はグラフ中、粘度が低下しているピークの頂点温度までの範囲とする。結晶化度が高い場合は、大きな粘度低下は発現しない。また、このガラス転移温度から結晶化開始温度までの粘度の低下は、加熱速度が速ければ速いほど、大きくなる。10℃/min以上の昇温速度で目的とする加熱温度に到達するように加熱することが必要である。加熱速度が遅い場合、より低温で再結晶化の割合が大きくなり、粘度低下のピークが現れないため、この温度域での熱による型面の転写が困難となる。
本発明により得られる中間転写ベルトの体積抵抗率(面内体積抵抗値)の平均値は、1.0×103〜1.0×1014Ωcmであることが好ましく、より好ましくは1.0×105〜1.0×1013Ωcmの範囲内である。また、体積抵抗率(面内体積抵抗値)の最大値と最小値の比は10以下である。したがって、管状フィルムの体積低効率も上記範囲になるように、押出すことが望ましい。ガラス転移温度から結晶化開始温度までの温度範囲であれば、管状フィルムは溶融することはないため、抵抗値の変動やムラはほとんど生じない。
導電フィラーを含む熱可塑性樹脂を加熱した場合、マトリックスである熱可塑性樹脂の粘度が低下し、導電フィラーの分散状態が変化する。そのため、融点以上まで加熱した状態での加熱加圧工程では、僅かな温度ムラや圧力ムラの影響で抵抗値の変動やムラが大きくなると考えられる。
それに対して、導電フィラーを含む非晶状態にある結晶性熱可塑性樹脂組成物を、ガラス転移温度から結晶化開始温度の範囲で加熱加圧した場合は、結晶性熱可塑性樹脂の再結晶にともなう粘度上昇が起こる。そのため、過剰な粘度低下が起こらず、導電フィラーの分散状態への影響が少ない。
加圧手段については、加熱温度条件下において、管状フィルム全域にわたり、10kgf/cm2以上の圧を与えることができれば、特に限定されるものではない。例えば、特開平8−187773号公報に示されるように、内型と外型の熱膨張率の差を利用する方法が挙げられる。加圧は10kgf/cm2以上であれば任意の圧力で構わないが、より好ましくは20kgf/cm2以上である。ただし、50kgf/cm2以上になると、型の耐久性等の観点より好ましくない。
外型の内面は、該中間転写ベルトに求められる表面粗さ(Rz)を得るために、表面制御されている。本発明で得られる中間転写ベルトの表面粗さRzは0.2μm以上0.7μm以下である。
以上、発明を実施するための最良の形態に基づき、以下の実施例を示す。
なお、各実施例に使用した外型の内面粗さおよび得られた中間転写ベルトの表面粗さは、小坂研究所製SE3500を用いて十点平均粗さ(Rz、JIS−B0601’94)を測定した。電気抵抗は三菱化学株式会社製ハイレスタを使って、幅方向5点、周方向8点の合計40点について、加熱前後の体積抵抗率を、印加電圧100V、10秒後の条件で測定した。また、得られた中間転写ベルトを実機に組み込み、色ずれを評価した。
(実施例1)
下記の材料からなる樹脂ペレットを原材料として使用する。
ポリエーテルエーテルケトン(Victrex社製、商品名「ビクトレックスPEEK381G」)82重量部、
導電性カーボンブラック(アセチレンブラック、電気化学工業製、商品名「デンカブラック」)18重量部。
この樹脂ペレットを、一軸スクリュー押出機に供給し、円筒ダイス(内径 253 mm、スリット幅 1 mm)より溶融押出し、Φ250mm、幅400mm、厚み100μmの管状フィルムを得た。円筒ダイスの中心にはマンドレルが設置されている。このマンドレルの表面温度を120℃に制御することで、結晶化度が4%の円筒状フィルムを得た。なお、PEEKと導電性カーボンブラックを含有する樹脂組成物の最大結晶化度は35%である。得られた管状フィルムは、体積抵抗値が5×1010Ω・cmであり、最大値と最小値の比は、3.5であった。表面のグロスは20°で2であり、表面粗さRzは1.0μmであった。この管状フィルムのガラス転移温度は145℃であり、結晶化開始温度は165℃である。
得られた管状フィルムをアルミニウム製の内型に嵌め込み、さらに、内面をRz=0.5μmに
制御されたステンレス鋼からなる外型を被せた。なお、使用した内型と外型の熱膨張係数はそれぞれ、2.4×10-5/℃、1.5×10-5/℃である。前記装着したサンプルを、加熱炉にて、加熱速度50℃/minの速度で、160℃まで加熱した。その後、常温まで冷却し、型から脱型し、中間転写ベルトを得た。なお、内外型の径は160℃で35kgf/cm2の圧力が発現するように設計した。得られた中間転写ベルトの結晶化度は15%であった。
得られた中間転写ベルトは、体積抵抗値の平均が、4.8×1010Ω.cmであり、最大値と最小値の比は3.5であった。また、表面粗さRzは0.47μmであった。得られた中間転写ベルトを実機に組み込み画像を評価した結果、画像不良は発生しなかった。
(実施例2)
ポリフェニレンサルファイド(東レ社製、商品名「トレリナ」)82重量部、および導電性カーボンブラック(アセチレンブラック、電気化学工業製、商品名「デンカブラック」)18重量部からなる樹脂ペレットを原材料として使用する。この樹脂ペレットを、一軸スクリュー押出機に供給し、円筒ダイス(内径 253 mm、スリット幅 1 mm)より溶融押出し、Φ250mm、幅400mm、厚み100μmの管状フィルムを得た。円筒ダイスの中心にはマンドレルを設置し、このマンドレルの表面温度は 60℃ に制御した。得られた管状フィルムの結晶化度は3.5%であった。なおPPSと導電性カーボンブラックを含有する樹脂組成物の最大結晶化度である60%である。得られた管状フィルムは、体積抵抗値が8.0×109Ω・cmであり、最大値と最小値の比は、3.0であった。また幅方向の表面粗さRzは0.9μmであった。この管状フィルムのガラス転移温度は90℃であり、結晶化開始温度は115℃である。
得られた管状フィルムをアルミニウム製の内型に嵌め込み、さらにステンレス鋼からなる内面をRz=0.5μmに制御された外型を被せた。前記装着したサンプルを、加熱炉にて、加熱速度50℃/minの速度で、110℃まで加熱した。その後、常温まで冷却し、型から脱型し、中間転写ベルトを得た。なお、内外型の径は110℃で30kgf/cm2の圧力が発現するように設計した。
得られた中間転写ベルトは、体積抵抗値の平均が、7.0×109Ω.cmであり、最大値と最小値の比は3.1であった。また、表面粗さRzは0.48μmであった。得られた中間転写ベルトを実機に組み込み画像を評価した結果、画像不良は発生しなかった。また、得られた中間転写ベルトの結晶化度は25%であった。
(比較例1)
実施例1で用いた樹脂ペレットを、一軸スクリュー押出機に供給し、円筒ダイス(内径 253 mm、スリット幅 1 mm)より溶融押出し、Φ250mm、幅400mm、厚み100μmの管状フィルムを得た。円筒ダイスの中心にはマンドレルが設置されている。このマンドレルの表面温度を230℃で制御することで、押出されたPEEKを除冷し、結晶化度が20%の円筒状フィルムを得た。得られた管状フィルムは、体積抵抗値が3.0×1010Ω・cmであり、最大値と最小値の比は、2.5であった。表面粗さRzは0.9μmであった。
その後の処理および測定は実施例1と同様に行った。得られた中間転写ベルトは、体積抵抗値の平均が、3.5×1010Ω.cmであり、最大値と最小値の比は2.5であった。また、表面粗さRzは0.85μmであり、熱面転写が出来なかった。得られた中間転写ベルトを実機に組み込み画像を評価した結果、トナーのすり抜けが発生し、画像不良が発生した。
樹脂組成物の結晶度が高くなると、表面改質工程の温度が融点未満では、管状フィルムは押圧する型の表面粗さに改質することはできなかった。
(比較例2)
管状フィルムの表面改質処理における加熱温度を300℃に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、中間転写ベルトを得た。なお、内外型の径は300℃で30kgf/cm2の圧力が発現するように設計した。得られた中間転写ベルトは、体積抵抗値の平均が、5×1010Ω.cmであり、最大値と最小値の比は12.5であった。表面粗さRzは0.50μmであった。また、結晶化度は 30% であった。得られた中間転写ベルトを実機に組み込み色ずれを評価した結果、抵抗値のムラによる転写ムラが発生し、画像不良が発生した。
樹脂組成物からなる管状フィルムの結晶化度を最大結晶化度の1/5以下としても、表面改質工程の温度を融点以上に設定すると、得られる中間転写ベルトの抵抗値のばらつきは、望む範囲に抑えることはできなかった。
(比較例3)
管状フィルムの表面改質処理における加熱温度(300℃)で30分保持をした以外は、比較例2と同様の方法で、中間転写ベルトを得た。得られた中間転写ベルトは、体積抵抗値の平均が、9×109Ω.cmであり、最大値と最小値の比は2.8であった。また、表面のグロスは20°で90であり、表面粗さRzは0.50μmであった。しかし中間転写ベルトを型から脱型使用とした際、過度の結晶化が進んでおり、破断してしまい、ベルト形状を得ることが出来なかった。
各条件下におけるPEEKについて複素粘性率を比較した図を示す。

Claims (5)

  1. 結晶性熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物を成形してなる電子写真用ベルトの製造方法において、
    前記樹脂組成物を溶融して押出すことで、前記樹脂組成物の最大結晶化度の1/5以下の結晶化度を有する管状フィルムに成形し、該管状フィルムを中空円筒状の内型と、内面の粗さを制御した中空円筒状の外型とに挟み込む工程と、
    前記樹脂組成物のガラス転移温度から結晶化開始温度の間の任意温度まで10℃/min以上の昇温速度で加熱し、その温度域下で該管状フィルムを10kgf/cm2以上に加圧する加熱加圧工程と、
    ガラス転移点以下の温度まで冷却して型から脱型する工程と、
    を含むことを特徴とする電子写真用ベルトの製造方法。
  2. 前記外型の幅方向の内面粗さが、十点平均粗さ(Rz)で0.2μm以上0.7μm以下である、請求項1に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  3. 前記結晶性熱可塑性樹脂組成物が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分として含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  4. 前記結晶性熱可塑性樹脂組成物が、ポリフェニレンスルフィド(PPS)を主成分として含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の方法で製造した、面内体積抵抗値の最大値と最小値の比が10以下であることを特徴とする電子写真用ベルト。
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