JP5333371B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、剥離紙用シリコーンを用いた場合には必要な塗工工程およびセパエージング工程が不要なため製造工程を短く効率化でき、製造するのに白金触媒を必要としないため製造原価が安く、密着性に優れ、また経時で剥離力が変化しないため長期保管し使用時に切断して使うことが可能な離型フィルムに関する。
離型フィルム又はシートは、ラベル、シール、粘着テープ、建築資材(粘着加工した型紙、粘着ビニルタイル、粘着金属シート、粘着化粧版、防水材、粘着遮光フィルム、自動車内装用発泡シート)、衛生用品(医療用絆創膏、貼り薬、生理用品、ゴキブリ捕獲機)、ベーキングトレイ、アメ類またはチョコレート類の製造および包装用、セラミックシート製造工程、ポリ塩化ビニル、ウレタン等の合成皮革製造工程、液晶用偏光板製造工程用、炭素繊維プリプレグ用、感圧接着フィルム製造用、アスファルトまたはゴムの包装、転写印刷関連製品工程、各種成型品の製造といったさまざまな用途において使用されている。
従来の離型シート又は剥離フィルムの製造方法は、紙、フィルム等の基材表面に剥離紙用シリコーンを薄く均一に広げて塗布した後、熱エネルギーまたは電子線エネルギーにより基材表面にシリコーン架橋物を造るものである。また基材両面に剥離層を作る場合は、片面ずつ行なう必要がある。
剥離紙用シリコーンは、硬化形式で見ると縮合型、付加反応型、紫外線硬化型および電子線硬化型に分けられるが、反応硬化性に優れていることから付加反応型が主流であり、ビニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主原材料とし、配合原料の中では白金触媒の価格が高い。代替触媒は見つかっておらず、近年では少ない白金触媒量で離型フィルムを造る配合処方が検討されているが、白金触媒を無くすことはできておらず、原料価格に占める白金触媒の価格の割合は依然として高い状態である。
また、この付加反応型オルガノポリシロキサンは密着性と反応性を高めることを目的に、ビニル基に対し2倍近いケイ素原子結合水素原子(以下、「SiH基」という場合がある。)を含有するポリシロキサンを配合している。このため一般にフィルム上にキュアした直後は残存するSiH基が粘着剤と反応し剥離が重く(剥離力が大きく)、経時で脱水素によりSiH基が減るため、剥離力は初期に比べて軽く(剥離力が小さく)なる。このため離型フィルム製造メーカーは製品によりエージング時間を変えて処理を行ない、最適な剥離力を有するフィルムを作っている。すなわち基材への塗工工程とエージングに時間がかかること、エージング時間幅が限定されることが工程費の上昇と手間(効率の低下)になっている。さらに電子部品メーカーの工程紙用途ではサブミクロンのゴミの混入が許されない条件下にあり工程の短縮は価格だけではなくコンタミネーション(汚染)の可能性を減らすためにも有効である。
上記の問題を解決するためにさまざまな試みが成され、離型フィルム用途として下記に挙げる報告がなされているが、多くはSiH基を有するハイドロジェンシロキサンと不飽和官能基含有シロキサンの白金触媒による付加反応物である。またエーテル変性シリコーン化合物を用いたものに関する報告も、シリコーン接着組成物とエチレン性不飽和モノマーとを共重合した組成物を用いたものに関する報告もあるが、原材料費と工程費は高い。
不飽和アルキル基含有ポリシロキサン0.1〜50重量部とポリオレフィン樹脂を溶融混練してなる組成物フィルム上に剥離性シリコーン被膜を形成したもの(特許文献1)
フィルム中の不飽和アルキル基と剥離性シリコーン中のSi−H基が反応することにより、密着性が向上するというものであるが、白金触媒量は変わらず、塗工工程は従来と変わらない。またSi-H基は少なくなるが、無くなるわけではないのでエージングは必要である。
20cp以上のエーテル変性シリコーン化合物を主成分とする熱可塑性樹脂用剥離性内部添加剤(特許文献2)
この内部添加剤を用いた剥離ラミネートシートは白金触媒が不要で塗工工程およびエージングも必要ないものであるが、未反応原料であるエーテル化合物は10%ほどで移行成分として存在する。未反応原料だけでなくエーテル変性シリコーン自体も樹脂と反応する官能基を持たないため、成型加工中にブリードして表面に存在し、はがれやすく、傷つきやすいものである。
有機溶剤を少量含有した有機樹脂中で1)両末端及び側鎖ビニルシロキサン、2)1分子中に2個以上水素基(Si−H基)を有するハイドロジェンシロキサン、3)白金触媒を付加反応させたもの(特許文献3)
この方法は有機溶剤に溶解する有機樹脂に使用が限定され、有機溶剤を除く工程が必要になる。また、Si−H基が残存するためは剥離力の経時変化は起こり、白金触媒を使用するため原料価格は高いままである。
シリコーンゴムとオレフィン系樹脂との複合成型物(特許文献4)
この特許はオレフィン系樹脂成型品表面に付加重合型シリコーンゴム硬化層を設けてなるもので、残存Si−H基は多く、白金触媒を使用している。
シリコーン侵入型重合体網状構造を含む溶融押出熱可塑性樹脂(特許文献5)
熱可塑性樹脂とSi−H基含有シリコーンを反応、加硫し溶融延伸したもので、Si−H基は残存し、樹脂内に部分架橋物が多く存在するためか表面の剥離性は重い。また硬度が高いためフィルム化は難しい。
ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂とビニルシランを触媒としてパーオキサイドを用いてグラフト化することは知られている。具体的にはビニルアルコキシシランあるいは側鎖ビニルシロキサンをパーオキサイドと共に樹脂と反応させたものである(特許文献6)。特にビニルトリアルコキシシラン架橋ポリエチレンは電線被覆材料などに使用されている。しかし、これらの架橋樹脂はフィルム用樹脂で検討されたことがなく、離型フィルム用途に検討されたこともない。これはポリオルガノシロキサン単位を持たないため作られる架橋樹脂は剛直で硬く、フィルムに加工が困難な材料であるためである。
アクリル変成シリコーンを含有するシリコーン接着組成物とエチレン性不飽和モノマーを共重合した組成物が報告されている(特許文献7)。値段の高いシリコーン接着組成物を大量に使用する必要があり価格は高く、組成物の機械強度は低下する。また剥離用途に対して紙またはプラスチックフィルムにキャストして使われるため塗工の工程費が余分に掛かる。
特許2658650号公報 特開平5−194858号公報 特許2756394号公報 特開昭60−247556号公報 特開平1−157827号公報 特公昭62−34779号公報 特表2009−540052号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、溶剤を使わないで製造できるため安全面および環境面で問題がなく、製造工程が大幅に短縮されるため効率化が図れ製造コストを安くでき、残存するSiH基が無いため経時で剥離力が変化せず、製造するのに白金触媒を必要としないため原材料費が大幅に安い離型フィルムを提供することを目的とする。
フィルムに適した熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド等が知られている。フィルムに適した熱可塑性樹脂にシリコーンを配合しても、このような熱可塑性樹脂とシリコーンとの相溶性が悪いため、多くの場合、相分離が生じてしまう。本発明者らは、種々検討の結果、下記の離型フィルムにより、上記の課題を全て解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)ポリオレフィン樹脂 100質量部、および
(B)1分子中の平均不飽和官能基数が3〜30個のオルガノポリシロキサン 0.01〜3質量部
を含有する離型剤組成物がフィルム状に成形、硬化され、FINAT試験法SECTION1のFTM10に準じて粘着テープを用いて測定される剥離力が1〜6N/25mmでありかつ同FTM11に準じて測定される残留接着率が70%以上であることを特徴とする離型フィルムを提供する。
本発明の離型フィルムは溶剤を使わないで製造できるため、安全面および環境面での問題がない。また、本発明の離型フィルムは白金触媒を用いないで製造できるため、原材料費を安くすることができる。更に、本発明の離型フィルムは塗工工程を経ずに製造することができ、また、残存SiH基が無いためエージング時間が必要ないため、製造工程が大幅に短縮され、効率化が図れ、工程費を安くすることができる。加えて、本発明の離型フィルムは残存SiH基が無いため経時で剥離力が変化しない。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、ポリオレフィン樹脂であり、本発明の離型フィルムにおいて熱可塑性樹脂として使用される。(A)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。(A)成分のポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。
低密度ポリエチレンまたはリニア低密度ポリエチレンとしては、例えば、ASTM D1238に準拠して測定される190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、「MFR」と略す場合がある。)が0.05〜10g/10min、好ましくは0.05〜5g/10min、さらに好ましくは0.5〜3g/10minのものが挙げられる。該MFRが0.05〜10g/10minの範囲内にあると、離型フィルムを得るための成型加工が容易となりやすく、得られる離型フィルムの強度、ヒートシール性および耐ブロッキング性が十分となりやすい。また、該MFRが0.05〜10g/10minの低密度ポリエチレンまたはリニア低密度ポリエチレンを(A)成分として用いることで、FINAT試験法SECTION1のFTM10に準じて粘着テープを用いて測定される剥離力が1〜6N/25mmでありかつ同FTM11に準じて測定される残留接着率が70%以上である離型フィルムを容易に得ることができる。
低密度ポリエチレンとリニア低密度ポリエチレンの具体例をその品名とともに以下に挙げるが、本発明の離型フィルムに用いられる低密度ポリエチレンとリニア低密度ポリエチレンは下記の製品に限定されるものではない。
低密度ポリエチレンとリニア低密度ポリエチレンの具体例:
ノバテックUF420、ノバテックUF240、ノバテックUF440、ノバテックUJ580、ノバテックUJ960、ノバテックUE320、ノバテックSF720、ノバテックLF128、ノバテックLF244E、ノバテックLF440HB、ノバテックLC525、ノバテックLC520、ノバテックLC600A、ノバテックLC621、ノバテックLC720(以上、日本ポリエチレン株式会社製)
スミカセンF101−1、スミカセンF102−0、スミカセンF218−0、スミカセンF208−3、スミカセンF200、スミカセンF412−1、スミカセンL211、スミカセンL716−H、スミカセンGA401、スミカセンGA701(以上、住友化学工業株式会社製)
UBEポリエチレンF019、UBEポリエチレンF022NH、UBEポリエチレンF120H、UBEポリエチレンF222、UBEポリエチレンR300、UBEポリエチレンF234、UBEポリエチレンZ372、UBEポリエチレンL719(以上、宇部丸善ポリエチレン株式会社製)
NEO−ZEX0134H、NEO−ZEX0144H、NEO−ZEX0434N、ULT−ZEX1020L、ULT−ZEX4050、ULT−ZEX10100W、MORETEC0218CN、MORETEC0358CN、MORETEC1018CN、EVOLUE SP2320、EVOLUE SP4020(以上、株式会社プライムポリマー社製)
ポリプロピレンとしては、例えば、ASTM D1238に準拠して測定される230℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが0.01〜30g/10min、好ましくは4〜10g/10minのものが挙げられる。該MFRが0.01〜30g/10minの範囲内にあると、離型フィルムを得るための成型加工が容易となりやすく、得られる離型フィルムの強度、ヒートシール性および耐ブロッキング性が十分となりやすい。また、該MFRが0.01〜30g/10minのポリプロピレンを(A)成分として用いることで、FINAT試験法SECTION1のFTM10に準じて粘着テープを用いて測定される剥離力が1〜6N/25mmでありかつ同FTM11に準じて測定される残留接着率が70%以上である離型フィルムを容易に得ることができる。
ポリプロピレンの具体例をその品名とともに以下に挙げるが、本発明の離型フィルムに用いられるポリプロピレンは下記の製品に限定されるものではない。
ポリプロピレンの具体例:
プライムポリプロF113G、プライムポリプロF109V、プライムポリプロF227D、プライムポリプロF219D8(以上、株式会社プライムポリマー製)
ノバテックPP MA3、ノバテックPP MA1B、ノバテックPP BC8、ノバテックPP F203T、ノバテックPP FX4E、ノバテックPP FG3DC、ノバテックPP FL02A、ノバテックPP FY4、ノバテックPP EA9、ノバテックPP EG7F(以上、日本ポリプロ株式会社製)
PC480A、PC684S、PC630S、PF621S、PC412A、PC600S、PL500A(以上、サンアロマー株式会社製)
[(B)成分]
(B)成分は、1分子中の平均不飽和官能基数が3〜30個、好ましくは3〜20個のオルガノポリシロキサンである。高温下では、(B)成分中の不飽和官能基同士もしくは(B)成分中の不飽和官能基と(A)成分のポリオレフィン樹脂とが反応するため、(B)成分中の平均不飽和官能基数が3個未満の場合、未反応なオルガノポリシロキサンが残存しやすく、それが得られる離型フィルム表面に移行する場合がある。また(B)成分中の平均不飽和官能基数が30個を超えると、架橋により樹脂内部に存在するオルガノポリシロキサンが多くなりやすく、得られる離型フィルム表面の剥離性が足りなくなる(剥離力が大きくなる)場合がある。(B)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(B)成分中の不飽和官能基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等を挙げることができる。
(B)成分のオルガノポリシロキサンの25℃での動粘度は、好ましくは5mm/s〜100万mm/sであり、より好ましくは5mm/s〜10万mm/sであり、さらに好ましくは100mm/s〜1万mm/sである。該動粘度が5mm/s〜100万mm/sの範囲にあると、(A)および(B)成分を含む原料の加熱混練時に、表層に移行する(B)成分が多くなり過ぎないので、混練が空滑りしにくく、均一に混合することが容易となりやすい一方、樹脂内に留まる(B)成分も多くなり過ぎないので、表層へ移行する(B)成分の量が極端に少なくなることもない。なお、本明細書において、オルガノポリシロキサンの動粘度はオストワルド粘度計により測定された値である。
(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜3質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。該添加量が0.01質量部未満であると、剥離力が軽くならないことがあり、該添加量が3質量部を超えると、移行成分が多くなることによりべたつきが生じて後述の残接が低下することがある。
[添加剤]
本発明の離型フィルムには、該離型フィルムの特性を阻害しない範囲で、添加剤をその目的に応じて配合することができる。添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、光安定剤、滑剤、充填剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4−チオビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−メチルフェノール)、4,4−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2−4−6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2,5,7,8−テトラメチル−2(4,8,12−トリメチルデシル)クロマン−2−オール、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
安定剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の各種金属せっけん系安定剤、ラウレート系、マレート系またはメルカプト系各種有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の各種鉛系安定剤、エポキシ化植物油等のエポキシ化合物、アルキルアリルホスファイト、トリアルキルホスファイト等のホスファイト化合物、ベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール等のポリオール、ハイドロタルサイト類、ゼオライト類を挙げることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
[剥離力および残留接着率]
本発明の離型フィルムは、FINAT試験法SECTION1のFTM10に準じて粘着テープを用いて測定される剥離力が、通常、1〜6N/25mmであり、かつ同FTM11に準じて測定される残留接着率(以下、「残接」という場合がある。)が、通常、70%以上(即ち、70〜100%)である。該測定に使う粘着剤はアクリル系粘着剤である。アクリル系粘着剤は現在使用されている粘着剤の中で最も使用例が多く、中でもTESA7475テープ(テサテープ株式会社)が最も多く使われている。原料として熱可塑性樹脂のみを用いて製造した従来の離型フィルムの剥離力は典型的には7〜8N/25mm程度である。よって、本発明の離型フィルムは、前記剥離力が1〜6N/25mmの範囲内にあることにより、従来の離型フィルムを適用することが難しかった多くの用途に用いることができるというメリットがある。また、本発明の離型フィルムの残接は70%以上であるので、本発明の離型フィルムから剥がしたシール等は十分な接着力を維持しており、そのため、被着体に貼った場合にしっかりとくっつけることができる。
なお、上記剥離力は以下の手順で測定される。
フィルムにTesaテープ7475(テサテープ株式会社製)を貼り、70℃の乾燥機中20g/cmの加重をかけ24時間後に取り出す。30分ほど空冷した後、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180度の角度、剥離速度0.3m/分でTesaテープ7475を引張り、剥離させるのに要する力(N/25mm)、即ち、剥離力を測定する。
また、残接は以下の手順で測定される。
上記の剥離力の測定で剥離させたTesaテープ7475をSUS板に貼り付け、上記の引張試験機により180度の角度、剥離速度0.3m/分でTesaテープ7475を引張り、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定する。比較として未使用のTesaテープ7475をSUS板に貼り付け、Fの測定と同様にして、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定する。式:F/F×100により残接(%)を計算して、剥離力測定後のTesaテープ7475には未使用のTesaテープ7475と比較して何%の接着力が残っているかを評価する。
[離型フィルムの製造方法]
本発明の離型フィルムは、(A)および(B)成分を含む混合物を加熱成形することにより製造することができる。(A)および(B)成分を含む混合物は、(A)成分と(B)成分と必要に応じて添加剤とを加熱混合することにより得ることができる。加熱混合時の温度は、(A)成分のポリオレフィン樹脂にもよるが、例えば、130〜250℃である。加熱混合は、例えば、2軸押出機、1軸押出機、バンバリーミキサー、もしくは加圧ニーダー中で行うことができる。(A)成分と(B)成分との混合は、(B)成分を(A)成分へ直接添加して行ってもよいし、取り扱い性及び分散性の面で優れていることから、(A)成分と(B)成分とを含むマスターバッチを作り、所定の混合比となるように該マスターバッチを(A)成分中に添加して行ってもよい。上記混合物の加熱成形は溶融成形法で行うことが好ましく、プレス成形法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法、二軸延伸法等を溶融成形法の例として挙げることができる。加熱成形時の温度は、(A)成分のポリオレフィン樹脂にもよるが、例えば、160〜360℃である。
本発明の離型フィルムは、加熱成形された段階で既に両面に良好な剥離力を有し、離型剤の塗工およびラミネート処理が不要なものであるが、両面間で剥離力を変えたい場合は片面に離型剤を塗工することができる。また、本発明の離型フィルムと基材等とのラミネート処理により離型用積層体を製造することもできる。基材としては、例えば、紙、各種熱可塑性フィルム、金属等が挙げられる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[離型フィルムの製造]
表1(実施例)または表2(比較例)に記した比率(単位:質量部)で各原料をラボプラストミルであるKF75Vセグメントミキサー(株式会社東洋精機社製)に入れ3分間、30rpmの条件下で加熱混練を行った。加熱温度はLDPE(1)とL−LDPE(2)が160℃、PP(3)と(4)が210℃、ポリカーボネート(5)が280℃、ポリアミド(6)が230℃であった。
出来上がった混練物は、50トンプレス機(株式会社ショージ社製)を用いて、LDPE(1)、L−LDPE(2)、PP(3)および(4)については260℃、5MPa、1分間の条件で、ポリカーボネート(5)については320℃、5MPa、10秒の条件で、ポリアミド(6)については300℃、5MPa、10秒の条件でプレス成形した。出来上がったフィルムを用いて以下の評価を行った。
[べたつき感]
指でフィルムをさわりべたつきの有無を評価した。表1および2において、べたつき感のないものを○、べたつき感のあるものを×で示す。
[剥離力]
FINAT試験法No.1に準じて下記の手順で剥離力を測定した。
フィルムにTesaテープ7475を貼り、70℃の乾燥機中20g/cmの加重をかけ24時間後に取り出した。30分ほど空冷した後、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180度の角度、剥離速度0.3m/分でTesaテープ7475を引張り、剥離させるのに要する力(N/25mm)を測定した。
[残接(残留接着率)]
上記の剥離力の測定で剥離させたTesaテープ7475をSUS板に貼り付け、上記の引張試験機により180度の角度、剥離速度0.3m/分でTesaテープ7475を引張り、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定した。比較として未使用のTesaテープ7475をSUS板に貼り付け、Fの測定と同様にして、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定した。式:F/F×100により残接(%)を計算して、剥離力測定後のTesaテープ7475には未使用のTesaテープ7475と比較して何%の接着力が残っているか評価した。
Figure 0005333371
Figure 0005333371
※表中の化合物の説明
1.樹脂関係
Figure 0005333371
2.シリコーンオイル関係
Figure 0005333371

(注)表の「ビニルシリコーンオイル」中に存在するビニル基以外の有機基はメチル基である。また、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。更に、動粘度は25℃における値である。

Claims (5)

  1. (A)ポリオレフィン樹脂 100質量部、および
    (B)1分子中の平均不飽和官能基数が3〜30個のオルガノポリシロキサン 0.01〜3質量部
    を含有する離型剤組成物がフィルム状に成形、硬化され、FINAT試験法SECTION1のFTM10に準じて粘着テープを用いて測定される剥離力が1〜6N/25mmでありかつ同FTM11に準じて測定される残留接着率が70%以上であることを特徴とする離型フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂がASTM D1238により測定される190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが0.05〜10g/10minの低密度ポリエチレンまたはリニア低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に係る離型フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂がASTM D1238により測定される230℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが0.01〜30g/10minのポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に係る離型フィルム。
  4. 前記オルガノポリシロキサンの25℃における動粘度が5mm/s〜100万mm/sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に係る離型フィルム。
  5. フィルム両面に前記の剥離力を有する請求項1〜4のいずれか1項に係る離型フィルム。
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