JP5332878B2 - 測位システム - Google Patents

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Description

本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)を用いたシステムにおいて、タグの位置を求める技術に関する。
RFID、すなわち、ICチップを利用した非接触認証技術は、近年、物品管理を中心に様々な分野での応用が期待されている。
RFIDを用いたシステムは、通常、認証対象であるタグと、認証装置であるリーダライタと、リーダライタを管理する管理装置等で構成される。タグはデータを含むIC及びアンテナからなり、リーダライタはタグのデータを読み書きする。また、管理装置は、リーダライタが読み取ったデータの処理等を行う。
例えば、流通分野であれば物品にタグを取り付け、物品の在庫管理を行ったり、人に付けて、倉庫内の人の位置を把握したりすることができるようになる。
すなわち、タグの位置を検出することで、タグが添付された物品や人の位置を検出する。
ここで、タグの位置を検出する技術として、複数のリーダライタからタグに向けて、送信電力を段階的に減少させて信号を送信し、この信号に対するタグからの応答信号を元にタグの位置を特定する技術が提案されている。(特許文献1及び特許文献2参照)。
具体的には、例えば、複数のリーダライタが送信電力を段階的に減少させて信号をあるタグに向けて送信する。信号の送信電力の強さと信号の到達距離とは、基本的に送信電力の強さが強いほど信号の到達距離は長いという相関関係にある。従って、送信電力が大きいときには、信号の到達距離が長いため、タグは複数のリーダライタからの信号を受信することができる。しかし、送信電力が小さいときには、信号の到達距離が短いため、タグが受信できるリーダライタの信号の数は少なくなる。
送信電力を段階的に減少させていくことで、タグが受信する信号が1つとなった場合、そのタグは、受信した信号を送信したリーダライタに対して最も近い位置に在ることになる。
この技術によれば、タグがどのリーダライタに最も近いかを検出することが可能となる。
特開2001−116583号公報 特開2007−88743号公報
しかしながら、この技術では、タグに最も近いリーダライタを容易に知ることはできるが、リーダライタからどのくらい離れているかは、演算を行って求める必要がある。
例えば、タグからの応答信号の受信信号強度であるRSSI(Received Signal Strength Indication)をリーダライタが検出し、RSSIと応答信号の到達距離との既知の相関関係から、リーダライタとタグとの距離を算出する。
この場合、ノイズを受信強度として判定してしまう等、ノイズが判定結果に影響を与える場合が生じ得るので、正確な距離を判断できない場合がある。また、RSSIが安定するまで時間を要するうえ、RSSIを測定するための回路を必要とする。
そこで、本発明は、RSSIを測定するための回路を必要とせず、また、演算を行うことも無く、簡便な方法でリーダライタとタグとの距離を検出することができるようにすることを目的とする。
本発明の形態に係る測位システムは、複数のリーダ装置と管理装置とタグとを有する測位システムであって、前記リーダ装置は、送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信する質問信号送信手段、を備え、前記タグは、前記質問信号を次々に受信し、当該質問信号のそれぞれに含まれている電力値のうち最小の電力値を選択し、当該最小の電力値を含ませた応答信号を送信する応答信号送信手段、を備え、前記リーダ装置は、さらに、前記応答信号を受信し、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信する送信手段、を備え、前記管理装置は、前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信し、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出手段、を備える。
上記構成の測位システムは、簡便な方法でリーダライタとタグとの距離を検出することが可能となる。
測位システム100のリーダライタ装置とタグとの関係例を示す図である。 リーダライタ装置、タグ及び管理装置の機能的構成の例を示すブロック図である。 到達距離テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 送信順序テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 返信RW管理テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 質問信号及び応答信号の構成及び内容の例を示す図である。 リーダライタ装置とタグとの通信のタイミングの例を示すタイムチャートである。 リーダライタ装置が、送信電力値「0dBm」で質問信号を送信した場合の質問信号の到達範囲を示す図である。 リーダライタ装置が、送信電力値「−10dBm」で質問信号を送信した場合の質問信号の到達範囲を示す図である。 リーダライタ装置が、送信電力値「−20dBm」で質問信号を送信した場合の質問信号の到達範囲を示す図である。 リーダライタ装置、タグ及び管理装置が、タグの位置を測定する測位処理を示すフローチャートである。 送信電力値を段階的に下げて繰り返し質問信号を送信する場合の、送信順序テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 送信電力値を低い値から段階的に上げて質問信号を送信する場合の、送信順序テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 実施形態2のリーダライタ装置、タグ及び管理装置の機能的構成の例を示すブロック図である。 質問信号管理テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 実施形態2のリーダライタ装置、タグ及び管理装置が、タグの位置を測定する測位処理を示すフローチャートである。
<実施形態1>
<概要>
リーダライタは、タグに向けて、送信電力を段階的に変化させて信号(以下、「質問信号」という。)を繰り返し送信する。一方、質問信号を受信したタグは、受信した質問信号に対応してリーダライタに信号(以下、「応答信号」という。)を返す。
すなわち、応答信号は、質問信号が届いたことをリーダライタに通知する役割をはたす。リーダライタは、受信した応答信号を管理装置に送信する。管理装置は、応答信号を受信したリーダライタが一つとなった時に、そのリーダライタが、タグから最も近いリーダライタであると判断する。
実施形態1では、応答信号に、質問信号が届いたことを示す役割だけではなく、どのくらいの到達距離を持った質問信号が届いたかを示す役割を担わせる。つまり、どのくらいの到達距離を持った質問信号が届いたかを示す情報を、応答信号に含ませる。
各リーダライタが受信した応答信号を収集する管理装置は、応答信号の内容を参照しさえすれば、演算等は行わずとも容易にリーダライタとタグとの距離を求めることができるようになる。
具体的には、リーダライタは、タグに対して送信する質問信号に、電力値を含ませて送信する。この電力値は、実際に質問信号を送信した電力を示す値である。質問信号を受信したタグは、受信した質問信号に対応して送信する応答信号に、この質問信号に含まれていた電力値を含ませて送信する。
応答信号を受信したリーダライタを介して応答信号を収集した管理装置は、受信した応答信号が、どのタグからの応答信号であるかという情報と共に、いかなる大きさの電力で送信された質問信号に対応する応答信号であるかという情報を正確に知ることができる。
すなわち、送信電力と距離とを対応させたテーブル等を記憶しておきさえすれば、そのテーブルを参照するだけで距離を求めることができる。応答信号のRSSIを検出することも、RSSIから距離を算出することも不要である。
また、記憶しておく送信電力に対応する距離を、リーダライタの特性又は使用される環境に応じてリーダライタ毎に記憶することにより、より正確な距離の判定が可能となる。RFIDは、電波を使用するものであるため、タグが付加された物品が金属である場合又はタグ等が水気が多く存在する環境下で使用される場合などには通信性能に影響が出る場合があるからである。
以下、本発明の実施形態1における測位システムについて、図面を用いて説明する。実施形態1では、どのリーダライタ装置の近くに、どのタグが在るのかを検出する場合を例に説明する。また、タグはアクティブタイプのタグであるとする。
<機能>
図1は、実施形態1の測位システム100のリーダライタ装置とタグとの関係例を示す図である。また、測位システム100に含まれるタグ2000とリーダライタ装置(1000A、1000B、1000C)との信号の到達範囲の例を示す図である。説明の便宜上、タグは1つ記載しているが複数あってもよい。
尚、図1は、説明のための模式図であるため、質問信号の到達距離と応答信号の到達距離との比等は正確ではない(図8等の図も同様である。)。また、図1において、リーダライタ装置は「RW」と記載している。以下、リーダライタ装置1000A、リーダライタ装置1000B、リーダライタ装置1000Cを、「リーダライタ1000」と総称する。
図1において、円は、信号の到達範囲を示し、点線はリーダライタ装置1000が送信する質問信号の到達範囲を示し、一点鎖線は、タグ2000が送信する応答信号の到達範囲を示す。
図1に示す例では、タグ2000は、リーダライタ装置1000Aとリーダライタ装置1000Bとから送信される質問信号の到達範囲にある。従って、タグ2000は、これら2つのリーダライタ装置から送信された質問信号を受信する。
タグ2000は、受信した質問信号それぞれに対応して応答信号を送信する。送信した応答信号は、応答信号の到達範囲にあるすべてのリーダライタ装置が受信する。すなわち、リーダライタ装置1000A、リーダライタ装置1000B及びリーダライタ装置1000Cが受信することになる。
しかし、リーダライタ装置1000Cが受信した2つの応答信号はいずれも、リーダライタ1000Cが送信した質問信号に対応した応答信号ではないので、リーダライタ装置1000Cは受信した応答信号を両方とも破棄する。また、リーダライタ装置1000Aは、受信した応答信号のうち、自装置が送信した質問信号に対応してタグが送信した応答信号以外の応答信号は破棄する。リーダライタ装置1000Bも、同様である。
応答信号には、どのリーダライタ装置から送信された質問信号に対応する応答信号であるかを示すために、リーダライタ装置のIDが含まれている。従って、応答信号を受信したリーダライタ装置1000は、応答信号に自装置のIDが含まれていない場合は、応答信号を破棄する。
リーダライタ装置1000は、質問信号に自装置のIDを含ませて送信する。タグは、質問信号に含まれたリーダライタ装置のIDを、応答信号に含ませて送信し、どのリーダライタ装置から送信された質問信号に対応する応答信号であるのかを示している。
以下、応答信号を受信するという場合は、リーダライタ装置が自装置宛の応答信号を受信することを意味するものとする。
次に、図2を用いて、実施形態1の測位システム100に含まれるリーダライタ装置1000、タグ2000及び管理装置3000について説明する。
図2は、リーダライタ装置1000、タグ2000及び管理装置3000の機能的構成の例を示すブロック図である。
リーダライタ装置1000は、制御部1100、通信部1200、送信電力変更部1300、質問信号送信部1400、質問信号生成部1500、応答信号受信部1600及びアンテナ10を有する。
制御部1100は、一般的なリーダライタ装置に必要な処理の他、本実施例に特有の処理、例えば、送信電力値を含ませた質問信号を送信する処理のための制御等を行う。
通信部1200は、管理装置3000と通信を行う機能を有する。
送信電力変更部1300は、質問信号送信部1400が質問信号を送信する際の送信電力を、所定の強さの送信電力となるよう制御する機能を有する。
質問信号送信部1400は、質問信号生成部1500から渡された質問信号を、アンテナ10を介して送信する機能を有する。質問信号送信部1400は、質問信号を送信する際の送信電力値を送信電力変更部1300の制御に応じて変更し、アンテナ10からの電波出力値を増減する機能を有する。
質問信号生成部1500は、制御部1100から依頼を受け、質問信号を生成する機能を有する。質問信号には、タグに依頼する処理を示すコマンドとその処理に必要なデータとを含ませる。例えば、タグの位置を測定するため処理を依頼する場合は、その旨のコマンドと送信電力値とを質問信号に含ませる。
応答信号受信部1600は、アンテナ10を介して応答信号を受信し、受信した応答信号を解析し、必要な情報を制御部1100に渡す機能を有する。
次に、タグ2000は、制御部2100、質問信号受信部2200、応答信号送信部2300、応答信号生成部2400及びアンテナ20を有する。
制御部2100は、一般的なタグに必要な処理の他、受信した質問信号に含まれるコマンドを解析し、コマンドに応じた処理のための制御等を行う。
質問信号受信部2200は、アンテナ20を介して質問信号を受信し、受信した質問信号のうち必要な情報を制御部2100に渡す機能を有する。
応答信号送信部2300は、応答信号生成部2400から渡された応答信号を、アンテナ20を介して送信する機能を有する。
応答信号生成部2400は、制御部2100から依頼を受け、応答信号を生成する機能を有する。応答信号生成部2400は、制御部2100からの依頼に従い、電力値を含ませた応答信号を生成する。
次に、管理装置3000は、いわゆるサーバであり、リーダライタ装置1000からデータを受信して所定の処理を行う機能及びリーダライタ装置1000に処理を依頼する機能等を有する装置である。
この管理装置3000は、制御部3100、通信部3200、位置検出部3300及び通信情報記憶部3400を有する。
制御部3100は、一般的なサーバに必要な処理の他、本実施例に特有の処理、例えば、タグの位置を測定する処理の開始指示をユーザから受け付けると、測位コマンドを送信するよう各リーダライタ装置に指示を出す等の処理を行う。
通信部3200は、リーダライタ装置1000と通信を行う機能を有する。
位置検出部3300は、制御部3100から依頼を受け、タグ2000の位置を検出するための処理(以下、「測位処理」という。)を行う。具体的には、測位のための質問信号を送信する旨の指示を、リーダライタ装置1000に送信する。また、リーダライタ装置1000から、当該リーダライタ装置1000が受信した応答信号に関するデータを受信し、受信したデータを解析してタグの位置を検出する。タグの位置の検出方法については、<測位方法>の項で説明する。
通信情報記憶部3400は、リーダライタ装置1000に指示する送信電力値及び送信電力に応じた質問信号の到達距離の情報等を記憶しておく機能を有する。
上述した機能の全部または一部は、リーダライタ装置1000、タグ2000及び管理装置3000がそれぞれ有するCPUが、それぞれのメモリ等に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
<データ>
次に、実施形態1の測位システム100で用いる主なデータについて図3〜図6を用いて説明する。これらの図のうち図3〜図5を用いて説明するデータは、管理装置3000の通信情報記憶部3400に記憶されているデータであり、予め、測位システム100の管理者等によって作成されている。また、図6を用いて説明するデータは、リーダライタ装置1000とタグ2000とが送受信するデータであるところの、質問信号及び応答信号である。
図3は、到達距離テーブル3410の構成及び内容の例を示す図である。
この到達距離テーブル3410には、管理装置3000が管理している全てのリーダライタ装置1000の情報が登録されている。
到達距離テーブル3410は、リーダライタID3411、電力値3412及び到達距離3413を含む。
リーダライタID3411は、リーダライタ装置1000を識別するID(識別子)を示す。
電力値3412は、質問信号を送信する際の、送信電力の値を示す。
到達距離3413は、リーダライタID3411で示されるリーダライタ装置1000が、電力値3412で示される電力値の送信電力で質問信号を送信した場合の、質問信号の到達距離を示す。
次に、図4は、送信順序テーブル3420の構成及び内容の例を示す図である。この送信順序テーブル3420は、どのような順序で、いかなる電力値で質問信号をリーダライタ装置1000に送信させるかを規定するものである。
送信順序テーブル3420は、順番3421及び電力値3422を含む。
順番3421は、リーダライタ装置1000に指示する順番を示す。
電力値3422は、リーダライタ装置1000に、指示する電力値を示す。
リーダライタ装置1000は、原則として、この送信順序テーブル3420に登録されているレコード数分、順番3421が「1」のレコードから順に、電力値3422に設定されている電力値で示される送信電力で質問信号を繰り返し送信する。
次に、図5は、返信RW管理テーブル3430の構成及び内容の例を示す図である。この返信RW管理テーブル3430は、応答信号を受信したリーダライタ装置を管理するテーブルであり、測位処理を行っているときに使用される。
また、図5の下の図は、リーダライタ装置1000A及びリーダライタ装置1000Bが送信した質問信号の到達距離と、タグ2000、タグ2001を示した図である。
返信RW管理テーブル3430は、順番3431、電力値3432、返信RW3433及びタグID3434を含む。
順番3431は、リーダライタ装置1000に指示した順番を示す。この順番は、送信順序テーブル3420の順番3421と同じである。例えば、送信順序テーブル3420の順番3421「1」の電力値3422でリーダライタ装置1000に質問信号を送信させた場合の結果が、返信RW管理テーブル3430の順番3431「1」のレコードに登録される。
電力値3432は、リーダライタ装置1000が質問信号に含ませて送信した電力値を示す。
返信RW3433は、電力値3432で示される電力値で質問信号を送信したリーダライタ装置1000のうちの、応答信号を受信したリーダライタ装置のIDを示す。
タグID3434は、返信RW3433で示されるリーダライタ装置が受信した応答信号を送信したタグのIDを示す。
次に、図6は質問信号1410及び応答信号2310の構成及び内容の例を示す図である。質問信号1410は、リーダライタ装置1000が送信する信号であり、応答信号2310は、タグ2000が送信する信号である。
質問信号1410は、コマンド1411、リーダライタID1412及び電力値1413を含む。
コマンド1411は、この質問信号1410を受信したタグ2000に依頼する処理の内容を示す。実施形態1では、コマンド1411には、タグの位置を検出するための処理を依頼する「測位コマンド」のコードが設定される。
リーダライタID1412は、この質問信号1410の送信元であるリーダライタ装置1000を示す。具体的には、この質問信号1410を送信したリーダライタ装置1000を識別するためのIDが設定される。
電力値1413は、この質問信号1410を送信する際の送信電力値を示す。この電力値1413は、コマンド1411に測位コマンドのコードが設定されている場合にのみ有効である。リーダライタ装置1000は、この電力値1413で示される電力値の送信電力で質問信号1410を送信する。
応答信号2310は、リーダライタID2311、タグID2312及び電力値2313を含む。
リーダライタID2311は、この応答信号2310の送信先であるリーダライタ装置1000を示す。応答信号2310は、受信した質問信号1410に対応して、受信した質問信号1410を送信したリーダライタ装置1000宛に送信されるものであるためである。具体的には、受信した質問信号1410のリーダライタID1412として設定されていたリーダライタ装置のIDが設定される。
タグID2312は、この応答信号2310を送信するタグを示す。具体的には、タグのIDが設定される。
電力値2313は、タグID2312で示されるタグが受信した質問信号1410が、いかなる電力値で出力されたものであるかを示す。具体的には、受信した質問信号1410の電力値1413として設定されていた値が、そのまま設定される。
<測位方法>
ここで、測位システム100においてタグの位置を測位する例を、図7〜図10を用いて説明する。
図7は、リーダライタ装置1000とタグ2000との通信のタイミングの例を示すタイムチャートである。尚、図7において、リーダライタ装置1000Aを「RW−A」、リーダライタ装置1000Bを「RW−B」のようにリーダライタIDを用いて記載する。また、各リーダライタ装置1000の時間軸の上側に記載した矩形は、各リーダライタ装置1000にそれぞれ割り当てられた送受信時間1401を示す。リーダライタ装置1000は、割り当てられた送受信時間1401内に質問信号1410を送信して応答信号2310を受信する。
また、最下段に示すタグ2000の時間軸における縦線は、質問信号1410の受信タイミング2201と応答信号の送信タイミング2301を示す。
図7に示すように、各リーダライタ装置1000は、送受信時間1401をずらして質問信号1410を送信する。
一方、タグ2000は、送受信時間1401に、受信タイミング2201で質問信号1410の受信を試み、質問信号を受信した場合は、送信タイミング2301で応答信号2310を送信する。
実施形態1では、リーダライタ装置1000は、4段目に示した送信電力値で、質問信号1410を送信する。
この質問信号1410を送信するリーダライタ装置1000の順序は、予め決められているものとする。管理装置3000が、それぞれ予め決められた順序に従いタイミングを計って各リーダライタ装置1000に指示を出す。各リーダライタ装置1000は、指示を受信したら質問信号1410を送信する。
管理装置3000は、ある送信電力値での質問信号1410の送信を開始してから所定時間3301経過したら、送信電力値を変更して、同じ順序でリーダライタ装置1000に質問信号1410を送信させる。
次に、図8は、各リーダライタ装置1000が、送信電力値「0dBm」で質問信号1410を送信した場合の質問信号1410の到達範囲を示す図である。また、図9は、送信電力値「−10dBm」で質問信号1410を送信した場合の質問信号1410の到達範囲を示す図であり、図10は、送信電力値「−20dBm」で質問信号1410を送信した場合の質問信号1410の到達範囲を示す図である。
このように、送信電力値を段階的に小さくし、質問信号1410の到達範囲を段階的に小さくしていく。
図8では、タグ2000は、リーダライタ装置1000A、リーダライタ装置1000B及びリーダライタ装置1000Cの送信した質問信号1410の到達範囲にある。しかし、図9では、タグ2000は、リーダライタ装置1000A及びリーダライタ装置1000Bの送信した質問信号1410の到達範囲にあり、図10では、リーダライタ装置1000Aの送信した質問信号1410の到達範囲にのみ在ることになる。
従って、応答信号2310を受信するリーダライタ装置1000は、図8では、リーダライタ装置1000A、B、Cの3台であるが、図9では、リーダライタ装置1000A、Bの2台となり、図10では、リーダライタ装置1000Aの1台となる。
すなわち、タグ2000は、リーダライタ装置1000Aに最も近い位置に在る。且つ、リーダライタ装置1000Aが送信電力値「−20dBm」で送信した場合の質問信号1410の到達距離の範囲内に在る。
実施形態1では、最後の1台であるリーダライタ装置1000Aが受信した応答信号2310の中に、リーダライタ装置1000Aが質問信号1410を送信した電力値2313が含まれているので、この電力値2313をもとに到達距離テーブル3410を参照すれば、リーダライタ装置1000Aからタグ2000までの距離を容易に検出できる。
尚、各リーダライタ装置1000が設置されている緯度経度等の位置は、予め測定され管理装置3000に記憶されている。
<動作>
以下、実施形態1の測位システム100の動作について図11を用いて説明する。
図11は、リーダライタ装置1000、タグ2000及び管理装置3000が、タグ2000の位置を測定する測位処理を示すフローチャートである。
管理装置3000の制御部3100は、測位処理の開始指示をユーザから受け付けると、位置検出部3300にタグの位置を検出するよう指示を出す。
指示を受けた、位置検出部3300は、通信部3200を介して各リーダライタ装置1000にタグの測位指示を送信する(ステップS300)。
この測位指示を送信する際、位置検出部3300は、通信情報記憶部3400に記憶されている送信順序テーブル3420(図4参照)から、まず順番3421が「1」のレコードの電力値3422を読み出して、各リーダライタ装置1000に送信する。
この際、位置検出部3300は、リーダライタ装置1000に質問信号1410を送信させる順番に応じて、タイミングを計って測位指示を各リーダライタ装置に送信する。例えば、図7に示す例では、リーダライタ装置1000Aは、最初に質問信号を送信することから、位置検出部3300は、最初にリーダライタ装置1000Aに測位指示を送信する。また、リーダライタ装置1000Bは、2番目に質問信号を送信することから、送受信時間1401が経過するのを待って、リーダライタ装置1000Bに測位指示を送信する。
位置検出部3300は、順序が1番目のリーダライタ装置に最初に測位指示を出したときに、所定時間3301(図7参照)の計測を開始する。例えば、図7においては、送信電力値「0dBm」でリーダライタ装置1000Aに測位指示を出したときに計測を開始する。
測位指示と電力値とを受信したリーダライタ装置1000の通信部1200は(ステップS100)、測位指示を受信した旨を受信した電力値とともに制御部1100に渡す。
その旨と電力値とを渡された制御部1100は、渡された電力値を質問信号生成部1500に渡して、測位コマンドを含んだ質問信号を生成して送信するよう依頼する。
制御部1100から測位コマンドを含んだ質問信号1410を生成して送信するよう依頼を受けた質問信号生成部1500は、質問信号1410(図6参照)を生成する(ステップS110)。
具体的には、コマンド1411として測位コマンドを示すコードを設定し、リーダライタID1412として自装置のIDを設定する。また、電力値1513として、制御部1100から渡された電力値を設定する。
質問信号1410を生成した質問信号生成部1500は、次に、制御部1100から渡された電力値を送信電力変更部1300に渡して送信電力の変更を依頼する。
依頼を受けた送信電力変更部1300は、質問信号送信部1400が質問信号1410を送信する際の送信電力を、渡された電力値の電力となるよう制御を行う。
送信電力の変更を依頼した質問信号生成部1500は、生成した質問信号1410を質問信号送信部1400に渡して送信を依頼する。
依頼を受けた質問信号送信部1400は、アンテナ10を介して渡された質問信号1410を送信する(ステップS120)。
アンテナ20を介して質問信号1410を受信したタグ2000の質問信号受信部2200は(ステップS200)、受信した質問信号1410を解析し、測位コマンドである旨とリーダライタID1412として設定されていたリーダライタ装置のIDと電力値1413として設定されていた電力値とを、制御部2100に渡す。
測位コマンドである旨を受け取った制御部2100は、応答信号生成部に2400に測位コマンドに応じた応答信号2310を生成して送信するよう依頼する。この際、質問信号受信部2200から受け取ったリーダライタ装置のIDと電力値とを渡す。
依頼を受けた応答信号生成部に2400は、応答信号2310(図6参照)を生成する(ステップS210)。
具体的には、応答信号2310のリーダライタID2311として、制御部2100から渡されたリーダライタ装置のIDを設定する。また、タグID2312として、自タグ2000のIDを設定する。また、電力値2313として、制御部2100から渡された電力値を設定する。
応答信号2310を生成した応答信号生成部2400は、応答信号送信部2300に生成した応答信号2310を渡して送信を依頼する。
依頼を受けた応答信号送信部2300は、アンテナ20を介して渡された応答信号2310を送信する(ステップS220)。
アンテナ10を介して応答信号2310を受信したリーダライタ装置1000の応答信号受信部1600は(ステップS130:Yes)、受信した応答信号2310を解析し、タグID2312として設定されているタグのIDと、電力値2313として設定されている電力値とを制御部1100に渡す。
制御部1100は、応答信号受信部1600から渡されたタグのIDと電力値と自リーダライタ装置を識別するための自装置IDとを、通信部1200を介して管理装置3000に送信する(ステップS140)。
一方、リーダライタ装置1000が応答信号2310を受信していない場合は(ステップS130:No)、管理装置3000には何も送信しない。
リーダライタ装置1000からタグのIDと電力値と自装置IDとを受信した管理装置3000の通信部3200は(ステップS310)、受信したタグのIDと電力値と自装置IDとを、位置検出部3300に渡す。
タグのIDと電力値と自装置IDとを渡された位置検出部3300は、返信RW管理テーブル3430に登録する。
具体的には、渡された電力値と電力値3432が同じであるレコードの返信RW3433に、渡された自装置IDを登録し、タグID3434に、渡されたタグのIDを登録する。
次に、送信順序テーブル3420の最後のレコード、例えば、図4の送信順序テーブル3420の例では、順番3421が「3」のレコードまで処理した場合は(ステップS320:Yes)、タグの位置を判定する(ステップS340)。
まだレコードが残っている場合は(ステップS320:No)、位置検出部3300は、所定時間3301(図7参照)が経過したか判断する。
位置検出部3300は、所定時間3301経過したと判断した場合は、返信RW管理テーブル3430の返信RW3433に登録されているリーダライタ装置1000のIDの数を求める。
この数が2以上の場合(ステップS330:2以上)は、送信順序テーブル3420の次の順番3421、例えば、「2」のレコードの電力値3422を渡して、各リーダライタ装置1000にタグの測位指示を送信し、ステップS300〜ステップS310を繰り返す。
一方、返信RW3433に登録されているリーダライタ装置のIDの数が0又は1の場合(ステップS330:0又は1)は、タグの位置を判定する(ステップS340)。
具体的には、返信RW3433に登録されているリーダライタ装置1000の数が1つであるレコードがある場合は、到達距離テーブル3410(図3参照)を参照して、そのリーダライタ装置1000からの距離を求める。
詳細には、到達距離テーブル3410のリーダライタID3411が、そのレコードの返信RW3433に登録されているリーダライタ装置のIDと同じであって、電力値3412がそのレコードの電力値3432と同じである到達距離3413を読み出す。読み出した到達距離が、そのレコードのタグID3434に登録されているタグのIDで示されるタグとの距離となる。
例えば、図5の例では、返信RW管理テーブル3430の順番3431が「3」のレコードの返信RW3433に登録されているリーダライタ装置のIDは「RW−A」のみである。従って、到達距離テーブル3410のリーダライタID3411が「RW−A」であって、電力値3412が「−20」の到達距離3413は「3」であるので、タグID3434の「T2000」が示すタグ2000の位置は、IDが「RW−A」であるリーダライタ装置1000から「3」m(メートル)の距離以内であると検出する。
また、図5においては、順番3431が「2」のレコードの返信RW3433は、「RW−A、RW−B」であるので、タグ2000は、リーダライタ装置1000Bの側に在ることがわかる(図5の下の図のタグ2000参照)。
また、仮に、図5の返信RW管理テーブル3430において、順番3431が「3」のレコードの返信RW3433に登録されているリーダライタ装置のIDが無かったとする。すなわち、ステップS330でリーダライタ装置の数が「0」の場合である。
その場合、返信RW3433に登録されているリーダライタ装置1000の数が1つであるレコードがないことになるが、1つ前の順番3431のレコード、つまり順番3431が「2」のレコードの返信RW3433に登録されている「RW−A」と「RW−B」とを基に位置を検出する。タグID3434に登録されている「T2000」と「T2001」とが示すタグ2000とタグ2001との位置は、「RW−A」と「RW−B」とが示すリーダライタ装置1000Aとリーダライタ装置1000Bとの質問信号到達範囲が重なる場所であると検出する。
<変形例1>
実施形態1では、送信順序テーブル3420(図4参照)で示されるように、送信電力値を、高い値から段階的に下げて質問信号1410を送信した。
変形例1として、送信電力値を、高い値から段階的に下げて質問信号1410を送信した後、再度、高い値から段階的に下げて送信することを繰り返すこととしてもよい。
この場合の、送信順序テーブル3440の構成及び内容の例を図12に示す。
送信順序テーブル3440は、順番3421及び電力値3422を含む。
順番3421は、リーダライタ装置1000に指示する順番を示し、電力値3422は、リーダライタ装置1000に、指示する電力値を示す。
変形例1のように質問信号1410を繰り返し送信することで、タグが、何らかの原因で質問信号の到達範囲にありながらも最初の質問信号1410を受信できなかった場合等にも、質問信号1410を受信することができる可能性が高くなる。すなわち、タグの位置を高い確率で検出できるようになる。
<変形例2>
また、変形例2として、送信電力値を、低い値から段階的に上げて質問信号1410を送信することとしてもよい。
この場合の、送信順序テーブル3450の構成及び内容の例を図13に示す。
送信順序テーブル3450は、順番3421及び電力値3422を含む。
順番3421は、リーダライタ装置1000に指示する順番を示し、電力値3422は、リーダライタ装置1000に、指示する電力値を示す。
変形例2のように質問信号の到達範囲を広げていくことで、タグが近くにある場合に、早く見つけることができるという利点がある。
<実施形態2>
実施形態1では、管理装置3000がリーダライタ装置1000から、リーダライタ装置1000が受信した応答信号2310の情報を収集し、収集した情報に基づいてタグの位置を検出することとしていた。
実施形態2では、タグ2000自身が、最も近くにあるリーダライタ装置1000を検出し、応答信号2310に含ませて送信するものである。
以下、実施形態2の測位システム100について、実施形態1と異なる点を説明する。
<機能>
図14を用いて、実施形態2の測位システム100に含まれるリーダライタ装置1000、タグ4000及び管理装置3000について説明する。
図14は、リーダライタ装置1000、タグ4000及び管理装置3000の機能的構成の例を示すブロック図である。
リーダライタ装置1000及び管理装置3000は、図2を用いて説明した実施形態1のリーダライタ装置1000及び管理装置3000と同じである。
以下、タグ4000について、実施形態1のタグ2000と異なる点について説明する。
タグ4000は、制御部4100、質問信号受信部4200、応答信号送信部4300、応答信号生成部4400、最小電力値取得部4500、表示部4600、受信信号情報記憶部4700及びアンテナ40を有する。
制御部4100、質問信号受信部4200、応答信号送信部4300、応答信号生成部4400及びアンテナ40は、実施形態1のタグ2000の、制御部2100、質問信号受信部2200、応答信号送信部2300、応答信号生成部2400及びアンテナ20と同様の機能を有する。
最小電力値取得部2500は、制御部4100から依頼を受けて、受信した質問信号1410に含まれている電力値のうちの最も小さい電力値と、その電力値を含んだ質問信号を送信したリーダライタ装置1000とを求める機能を有する。具体的には、受信信号情報記憶部4700に記憶されているデータを参照する。
表示部4600は、液晶画面を含み、最小電力値取得部4500から渡されたリーダライタ装置1000に関する情報を液晶画面に表示する機能を有する。
タグ4000を所持しているユーザが、最も近いリーダライタ装置1000を知ることが出来るようにである。
受信信号情報記憶部4700は、受信した質問信号に関する情報を記憶しておく機能を有する。
上述した機能の全部または一部は、リーダライタ装置1000、タグ4000及び管理装置3000がそれぞれ有するCPUが、それぞれのメモリ等に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
<データ>
次に、実施形態2の測位システム100で用いる主なデータについて図15を用いて説明する。実施形態1の測位システム100で用いたデータのうち、図3、図4、図6を用いて説明したデータは、実施形態2においても用いる。
図15は、質問信号管理テーブル4710の構成及び内容の例を示す図である。
この質問信号管理テーブル4710は、タグ4000の受信信号情報記憶部4700に記憶されている。この質問信号管理テーブル4710には、受信した質問信号1410(図6参照)に関する情報が、質問信号1410を受信する都度に登録される。また、タグの位置を測定する測位処理が終了すると、登録された情報は消去される。
質問信号管理テーブル4710は、リーダライタID4711及び電力値4712を含む。
リーダライタID4711は、受信した質問信号1410を送信したリーダライタ装置1000を識別するIDを示す。具体的には、受信した質問信号1410のリーダライタID1412に設定されているIDである。
電力値4712は、質問信号1410に含まれていた電力値を示す。
<動作>
以下、実施形態2の測位システム100の動作について図16を用いて説明する。
図16は、リーダライタ装置1000、タグ4000及び管理装置3000が、タグ4000の位置を測定する測位処理を示すフローチャートである。
ここでは、実施形態1の測位処理と異なる点を中心に説明する。異なる点は、タグ4000の行う処理と、管理装置3000が行う位置判定の処理である。
管理装置3000の制御部3100は、タグの位置を測定する測位処理の開始指示をユーザから受け付け、位置検出部3300にタグの位置を検出するよう指示を出す。
指示を受けた、位置検出部3300は、通信部3200を介して各リーダライタ装置1000に、それぞれ送受信時間1401(図7参照)ずらして測位指示を送信する(ステップS300)。
この測位指示を送信する際、位置検出部3300は、通信情報記憶部3400に記憶されている送信順序テーブル3420(図4参照)から、まず順番3421が「1」のレコードの電力値3422を読み出して、各リーダライタ装置1000に送信する。
位置検出部3300は、最初に測位指示を送信した時から時間の計測を開始する。所定時間3301(図7参照)経過したら、送信順序テーブル3420から、まず順番3421が「2」のレコードの電力値3422を読み出して、各リーダライタ装置1000に送信するとともに、測位指示を送信する(ステップS300)。
制御部3100は、所定時間3301経過するごとに測位指示の送信を、送信順序テーブル3420の最後のレコードまで繰り返す(ステップS305)。
測位指示と電力値とを受信したリーダライタ装置1000は、ステップS100〜ステップS120の処理を行う。すなわち、電力値を含んだ質問信号1410を送信する。このステップS100〜ステップS120の処理は、図11を用いて説明した処理と同様である。
アンテナ40を介して質問信号1410を受信したタグ4000の質問信号受信部4200は(ステップS200)、受信した質問信号1410を解析し、測位コマンドである旨とリーダライタID1412として設定されていたリーダライタ装置のIDと電力値1413として設定されていた電力値とを、制御部4100に渡す。
測位コマンドである旨を受け取った制御部4100は、測位処理が終了するまでの時間である測位処理時間の計測を開始する。また、受信信号情報記憶部4700に記憶されている質問信号管理テーブル2710をクリアする。
次に、制御部4100は、受け取ったリーダライタ装置のIDと電力値とを、質問信号管理テーブル2710に登録する。具体的には、質問信号管理テーブル4710のリーダライタID4711と電力値4712とに、受け取ったリーダライタ装置のIDと電力値とをそれぞれ登録する(ステップS400)。
ここで、制御部4100は、測位処理時間が経過しているか否かを判断し、経過していないと判断した場合は(ステップS410:No)、質問信号1410の受信を待ち、ステップ400〜ステップS410の処理を行う。
測位処理時間とは、具体的には、所定時間3301(図7参照)に、送信順序テーブル3420(図4参照)のレコード数を掛けた時間である。この測位処理時間は、予め、制御部4100の内部のメモリに記憶されているものとする。
制御部4100が、測位処理時間が経過していると判断した場合は(ステップS410:No)、最小電力値取得部4500に最小電力値を求め、応答信号2310の送信を依頼する。
依頼を受けた最小電力値取得部4500は、質問信号管理テーブル4710の電力値4712を検索し、最も小さい値のレコードを求める。
最も小さい電力値のレコードを求めた最小電力値取得部4500は、そのレコードのリーダライタID4711に設定されているリーダライタ装置のIDと、電力値4712に設定されている電力値とを応答信号生成部4400渡して、応答信号2310を生成して送信するよう依頼する。
また、最小電力値取得部4500は、求めたレコードのリーダライタID4711に設定されているリーダライタ装置のIDを表示部4600に渡して、表示を依頼する。表示の依頼を受けた表示部4600は、リーダライタ装置のIDを液晶画面に表示する(ステップS420)。
応答信号2310を生成して送信するよう依頼を受けた応答信号生成部に4400は、応答信号2310(図6参照)を生成する(ステップS430)。
具体的には、応答信号2310のリーダライタID2311として、渡されたリーダライタ装置のIDを設定する。また、タグID2312として自タグ2000のIDを設定し、電力値2313として、渡された電力値を設定する。
応答信号2310を生成した応答信号生成部4400は、応答信号送信部2300に生成した応答信号2310を渡して送信を依頼する。依頼を受けた応答信号送信部2300は、アンテナ20を介して渡された応答信号2310を送信する(ステップS220)。
応答信号2310を受信したリーダライタ装置1000は、受信した応答信号2310のタグID2312として設定されているタグのIDと、電力値2313として設定されている電力値と、自リーダライタ装置を識別するための自装置IDとを、管理装置3000に送信する(ステップS130、ステップS140)。このステップS130とステップS140との処理は、図11を用いて説明した処理と同様である。
リーダライタ装置1000からタグのIDと電力値と自装置IDとを受信した管理装置3000の通信部3200は(ステップS310)、受信したタグのIDと電力値と装置IDとを、位置検出部3300に渡す。
位置検出部3300は、受信した応答信号2310のリーダライタID2311に設定されているリーダライタ装置のIDで示されるリーダライタ装置1000が、受信した応答信号2310のタグID2312に設定されているタグのIDで示されるタグ4000から最も近いリーダライタ装置であると判断する。
位置検出部3300は、到達距離テーブル3410(図3参照)を参照して、そのリーダライタ装置1000からの距離を求める。
詳細には、到達距離テーブル3410のリーダライタID3411が、応答信号2310に含まれたリーダライタ装置のIDと同じであって、電力値3412が応答信号2310の電力値2313に設定されている電力値と同じである到達距離3413を読み出す。読み出した到達距離が、応答信号2310に含まれたタグのIDで示されるタグ4000との距離となる。
<補足>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限らず、以下のようにしてもよい。
(1)実施形態では、アクティブタイプのタグを用いた測位システムを説明したが、パッシブタイプのタグを用いてもよい。
また、タグに限られず、ICカード入りの携帯電話機などであってもよい。
(2)実施形態2では、タグ4000に備えられた液晶画面には、タグ4000の最も近くに在るリーダライタ装置1000のIDを表示することとしているが、他の情報、例えば、リーダライタ装置1000の位置情報を表示することとしてもよい。
例えば、タグ4000のメモリに到達距離テーブル3410(図3参照)を記憶しておく。最小電力値取得部4500は、求めた最も小さい電力値とリーダライタ装置のID都から、到達距離を求めて表示部4600に表示を依頼する。タグ4000を所持しているユーザは、最も近くにあるリーダライタ装置とその距離を知ることができる。
(3)実施形態では、質問信号に電力値を含ませて送信したが、電力値に対応する到達距離(到達距離テーブル3410参照)を含ませて送信してもよい。
(4)測位システムは、図2等の各構成要素の全部又は一部を、1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよい。
(5)測位システムは、図2等の各構成要素の全部又は一部を、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実施してもよい。
コンピュータプログラムの場合、メモリカード、CD−ROMなどいかなる記録媒体に書き込まれたものをコンピュータに読み込ませて実行させる形にしてもよいし、ネットワークを経由してプログラムをダウンロードして実行させる形にしてもよい。
上に述べた実施例には、以下に述べるような付記も開示されている。
(付記1)
複数のリーダ装置と管理装置とタグとを有する測位システムであって、
前記リーダ装置は、
送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信する質問信号送信手段と、
応答信号を受信し、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信する送信手段とを備え、
前記タグは、
前記質問信号を受信し、当該質問信号に含まれている電力値を含ませた応答信号を送信する応答信号送信手段を備え、
前記管理装置は、
前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信し、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出手段を備える
測位システム。
(付記2)
複数のリーダ装置と管理装置とを有する測位システムであって、
前記リーダ装置は、
送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信する質問信号送信手段と、
送信した質問信号に対応した応答信号をタグから受信し、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信する送信手段とを備え、
前記管理装置は、
前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信し、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出手段を備える
測位システム。
(付記3)
複数のリーダ装置と連携してタグを測位する測位装置であって、
前記リーダ装置に、送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信させる質問信号送信制御手段と、
前記リーダ装置が送信した前記質問信号に対応して前記タグが送信し、当該リーダ装置が受信した応答信号に含まれる電力値と、当該リーダ装置を特定する識別情報とを、当該リーダ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出手段を備える
測位装置。
(付記4)
前記質問信号送信制御手段は、送信電力を段階的に下げて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信させる
付記3記載の測位装置。
(付記5)
前記質問信号送信制御手段は、送信電力を段階的に上げて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信させる
付記3記載の測位装置。
(付記6)
前記測位装置は、電力値と当該電力値で示される送信電力で送信された場合の質問信号の到達距離とを対応付けて記憶する対応記憶手段を備え、
前記位置検出手段は、受信した識別情報で特定されるリーダ装置から、受信した電力値と対応付けられて記憶されている到達距離以内の位置を、前記タグの位置として検出する
付記3記載の測位装置。
(付記7)
前記応答信号は、受信した質問信号に含まれる電力値のうち、最も小さな電力値を含ませた応答信号である
付記3記載の測位装置。
(付記8)
複数のリーダ装置と管理装置とタグとを有する測位システムで用いられる測位方法であって、
前記リーダ装置に、送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信させ、
前記タグに、前記質問信号を受信させ、当該質問信号に含まれている電力値を含ませた応答信号を送信させ、
前記リーダ装置に、前記応答信号を受信させ、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信させ、
前記管理装置に、前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信させ、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出させる
測位方法。
(付記9)
複数のリーダ装置と連携してタグを測位する測位装置に前記タグの位置を検出させるコンピュータプログラムであって、
送信電力を段階的に変えて当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信すべき旨の命令を、前記リーダ装置に送信する処理を実行させ、
前記リーダ装置が送信した前記質問信号に対応して前記タグが送信し、当該リーダ装置が受信した応答信号に含まれる電力値と、当該リーダ装置を特定する識別情報とを、当該リーダ装置から受信する受信処理を実行させ、
前記受信処理において受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出処理を実行させる
コンピュータプログラム。
(付記10)
制御装置からの指示に基づいて無線タグとの無線通信を行なうリーダ装置であって、
前記無線タグへ信号を送信する際に用いる送信電力を決定する決定部と、
前記決定された送信電力の値を示す情報を、前記無線タグへ送信する送信信号へ付加する付加部と、
前記送信電力値が付加された送信信号を、前記決定された送信電力を用いて、送信する送信部と、
前記送信した送信信号に対する応答として、前記無線タグを識別するタグ識別情報と前記送信信号に付加した送信電力の値を示す情報とを含む応答信号を受信する受信部と、
前記受信した応答信号に含まれるタグ識別情報と送信電力の値を示す情報とを対応付けて、前記制御装置へ送信する報告部と、
を有するリーダ装置。
(付記11)
前記付加部は、前記リーダ装置を識別するリーダ識別情報を、前記送信号にさらに付加し、
前記受信部は、前記付加したリーダ識別情報をさらに含む前記応答信号を受信し、
前記報告部は、前記受信した応答信号に含まれるタグ識別情報と送信電力の値を示す情報とに加えてさらに前記受信した応答信号に含まれるリーダ識別情報を対応付けて、前記制御装置へ送信する、
付記10記載のリーダ装置。
10 20 40 アンテナ
1000 リーダライタ装置
1100 2100 3100 4100 制御部
1200 3200 通信部
1300 送信電力変更部
1400 質問信号送信部
1500 質問信号生成部
1600 応答信号受信部
2000 4000 タグ
2200 4200 質問信号受信部
2300 4300 応答信号送信部
2400 4400 応答信号生成部
3000 管理装置
3300 位置検出部
3400 通信情報記憶部
4500 最小電力値取得部
4600 表示部
4700 受信信号情報記憶部

Claims (3)

  1. 複数のリーダ装置と管理装置とタグとを有する測位システムであって、
    前記リーダ装置は、
    送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信する質問信号送信手段、を備え、
    前記タグは、
    前記質問信号を次々に受信し、当該質問信号のそれぞれに含まれている電力値のうち最小の電力値を選択し、当該最小の電力値を含ませた応答信号を送信する応答信号送信手段、を備え、
    前記リーダ装置は、さらに、
    前記応答信号を受信し、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信する送信手段を備え、
    前記管理装置は、
    前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信し、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出する位置検出手段を備える
    測位システム。
  2. 大きさの異なる送信電力を示す電力値を含む複数の質問信号をリーダ装置から次々に受信する受信手段と、
    前記複数の質問信号のそれぞれに含まれている電力値のうち最小の電力値を選択し、当該最小の電力値を含ませた応答信号を送信する応答信号送信手段と、
    を有するタグ。
  3. 複数のリーダ装置と管理装置とタグとを有する測位システムで用いられる測位方法であって、
    前記リーダ装置に、送信電力を段階的に変えて、当該送信電力を示す電力値を含む質問信号を送信させ、
    前記タグに、前記質問信号を次々に受信させ、当該質問信号のそれぞれに含まれている電力値のうち最小の電力値を選択し、当該最小の電力値を含ませた応答信号を送信させ、
    前記リーダ装置に、前記応答信号を受信させ、当該応答信号に含まれる電力値と、自装置を特定する識別情報とを前記管理装置に送信させ、
    前記管理装置に、前記リーダ装置から、電力値と当該リーダ装置を特定する識別情報とを受信させ、受信した電力値と識別情報とに基づいて、前記タグの位置を検出させる
    測位方法。
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