本発明のロケータシステムは、公衆無線回線網との無線通信を行う公衆無線通信手段、全世界的測位システムによる位置検出を行うGPS位置情報演算手段、特定機器との間で近距離無線通信プロトコルを用いて通信が可能な近距離無線通信ユニットを有する携帯情報端末と、同携帯情報端末との間で近距離無線通信プロトコルを用いた通信が可能なロケータとを備え、前記携帯情報端末は定期的に前記ロケータを呼出す動作をするとともに、前記GPS位置情報演算手段による位置検出動作を行ない、得られた自己位置データを記憶部に保存し、前記携帯情報端末が前記ロケータを呼び出す動作に対してロケータから正常な応答が返されない場合に報知手段を有し、位置表示のための操作がなされた場合に前記憶部に保存された自己位置データに基づいて位置情報を表示する構成とした。
これにより、ロケータが携帯情報端末から離れた場合に音または光などにて報知され、ロケータの紛失をいち早くユーザに認識させることができるとともに、携帯情報端末がロケータを見失い、所定時間以上が経過した場合でも、携帯情報端末は見失いが判明する前後の自己位置データを記録しているので、この位置検出情報を使ってロケータの所在を効率よく探すことができる。
また、他の構成は、携帯情報端末がロケータを見失った場合、所定時間が経過しても所定の操作が為されない場合には、携帯情報端末は予め登録されている所定の相手先へ公衆無線回線網を通じて発信し、自己位置データを通知する構成とした。
これにより、ユーザが携帯情報端末の紛失に気付かずに移動した場合でも、長時間が経過する前にユーザへ紛失したことが伝えられる可能性が高くなり、さらに携帯情報端末が無くても見失いが判明する前後の自己位置データがユーザの自宅等の端末などに送られるので、ユーザはその位置情報を使って容易に探し出すことができる。
また、他の構成は、携帯情報端末とロケータとの間の距離が離れて携帯情報端末からの呼出しが届かない状態になったときに、携帯情報端末の操作を制限するロック状態に遷移し、ロケータから警告を発するようにし、また暗証番号を入力することで前記ロック状態を解除する構成とした。
これにより、ロケータをユーザが持ったままで携帯情報端末から離れた場合、携帯情報端末はロック状態に遷移し、その後暗証番号の入力がない限りロック状態を解除しないようにしているので、他人に不正使用させないことができる。
また、他の構成は、公衆無線回線網を通じてのユーザからの指示に応じて、ロケータからに信号をサーチする動作の周期を短くするように制御する構成とした。
これにより、携帯情報端末がユーザの手元から離れ、ユーザが携帯情報端末を直接操作できない状態であっても、ユーザは公衆無線回線網を通じて当該携帯情報端末に発信し、ロケータからに信号をより短い周期でサーチさせることにより、ロケータを持つユーザが携帯情報端末を探す場合に容易に探し出すことができる。
また、他の構成は、ロケータをエマージェンシーボタンとして活用する場合の動作モードを設け、ユーザがロケータの入力キースイッチを操作することにより緊急事態を知らせるメッセージを携帯情報端末等へ送信する構成とした。
これにより、ロケータを持つユーザが携帯情報端末または親機や他の無線ハンドセットへ緊急事態を知らせるメッセージを送ることができ、このメッセージを受けた機器は、所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行うことができる。
また、他の構成は、ロケータにハンドフリー通話部を設け、ロケータと携帯情報端末との間で音声通話を可能にする構成とした。
これにより、例えば屋外で携帯情報端末とロケータを別の人に持たせることにより、二人で別行動をする場合に連絡を取り合うことができ、相手の状態を確認擦ることができる。
また、他の構成は、ロケータに輝度センサーを設け、この輝度センサーの出力情報をロケータから携帯情報端末へ送ることを可能にする構成とした。
これにより、携帯情報端末のユーザはロケータを探す際に、ロケータの場所が明るい場所であるか暗い場所であるかの情報を知ることができ、より探し易くなる。
また、他の構成は、ロケータに角度センサーを設け、ロケータが静止しているか、または姿勢が変化しているかを示す情報を携帯情報端末へ送ることを可能にする構成とした。
これにより、携帯情報端末のユーザは、ロケータを探す際に、ロケータが静止状態であるか、または動いている状態(例えば、他の人が持ち歩いている、または乗り物に乗っている等)であるかの情報を知ることができ、より探し易くなる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成例について説明する。図1は、本実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す図である。
図1において、無線通信システムは、親機1と、ロケータ呼出の機能を有する携帯情報端末2と、ロケータ3(及びロケータ5)を備える。また宅内で使用するコードレス電話機の無線ハンドセット4にロケータ呼出の機能を設けてもよい。親機1と携帯情報端末2及び無線ハンドセット4との間はDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)規格による宅内無線通信を行なう。親機1は、DECT方式の無線通信の同期の基準となり、携帯情報端末2及び無線ハンドセット4は、親機1の同期基準に従うスレーブ装置として動作する。また、ロケータ3及びロケータ5は携帯情報端末2の同期基準に従うスレーブ装置である。
ロケータ3は、後述するロケータ用プロトコルを用いて、携帯情報端末2との間で近距離の無線通信を行う。ロケータ用プロトコルとは、無線フォーマット及び周波数がTDMA(Time Division Multiple Access)/TDD(Time Division Duplex)方式で通信するための通信プロトコルであり、本実施の形態では、一例として前述のDECT規格をベースとしてロケータ等の省電力通信に適するように変更したプロトコルを用いる。
携帯情報端末2は、移動可能な通信端末であり、例えばタッチパネルを備え、公衆無線回線網を通じて携帯電話網及びインターネットに接続可能な携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末など)である。携帯情報端末2は、ユーザがロケータ3を呼び出す操作を行うことが可能である。ここで、「呼び出す」とは、例えば、ロケータ3に信号の送信を要求したり、または、ロケータ3に報知音を出力させたりすることである。そのためにロケータ3へ送信する信号が「呼出信号」である。また、携帯情報端末2は、コードレス電話システムの子機としても機能する。
図2は、前記無線通信システムにおいて、携帯情報端末2とロケータ3がともに親機1の近辺(例えば、自宅内)にある場合の様子を示す。親機1は公衆有線回線網7に接続されている。携帯情報端末2は、公衆無線回線網8を通じて携帯電話網と通信可能であるとともに、DECT方式による宅内無線通信によって親機1と通信可能であり、携帯情報端末2は親機1を介して公衆有線回線網7を使って外部と通信することも可能である。
ロケータ3は、ユーザが探知したいアイテムに付される端末である。図2に示すように、ロケータ3は、例えば、鍵などに付けられるタグまたはホルダ等に内蔵される。携帯情報端末2及びロケータ3は、本実施の形態に係るロケータ用プロトコルを用いて、近距離の無線通信を行う。この無線通信により、呼出信号及び応答信号がやり取りされる。なお、本実施の形態において、携帯情報端末2及びロケータ3の間の無線通信とは、呼出信号及び応答信号の送受信を含む。ロケータ3は、携帯情報端末2からの呼出信号に対して応答信号を送信する。
携帯情報端末2は、前記ロケータ3からの応答信号の信号受信レベルを検出し、該信号受信レベルが所定期間、所定の信号受信レベル値(学習により更新)より低いことを検知したときに、音、光などにて報知する報知手段を有する。
ここで、ロケータ3の構成例について説明する。図3は、ロケータ3の構成例を示すブロック図である。なお、ロケータ5も図3に示す構成例と同じである。
図3において、ロケータ3は、電源部31、第1クロック生成部32、タイマ部33、スイッチ34、通信ブロック35を有する。またロケータ3は、報知部42、入力キースイッチ66を有する。
通信ブロック35は、フレーム処理部36、無線通信部37、制御部38、ROM(Read Only Memory)39、RAM(Random-Access Memory)40、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)41、第2クロック生成部43、タイマ部44を有する。報知部42は、各種報知手段を兼ねる。
電源部31は、ロケータ3の電源として電池が装填される。ロケータ3は、例えば、電源部31に電池が入れられることで電源オンとなり、電源部31から電池が外されることで電源オフとなる。
第1クロック生成部32は、電源部31から常時供給される電源に基づいて、タイマ部33が動作するのに用いられるクロック信号を生成する。第1クロック生成部32は、例えば、水晶発振回路を含む。
タイマ部33は、第1タイマとして動作する。第1タイマは、通信ブロック35のスリープ期間として予め定められた時間をカウントし、かかる期間が満了するごとに、スイッチ34をオフからオンに切り替える。すなわち、タイマ部33は、第1クロック生成部32から低速クロックが供給され、この低速クロックによってカウント処理を行う。タイマ部33は、そのレジスタ(図示せず)の中にスリープ期間を決めるための値(満了値)を記録している。そして、タイマ部33は、スリープ状態の時に第1クロック生成部32からのクロックに従ってカウントアップし、そのカウント値が満了値に達することによってカウントを終了する。そして、タイマ部33は、スイッチ34に対してカウントが終了したことを通知する。
以上を換言すれば、タイマ部33は、通信ブロック35への電源供給を遮断したことをトリガとして計時を開始し(第1タイマの起動)、通信ブロック35の停止中の所定時間をカウントする。そして、タイマ部33は、計時が終了した(第1タイマの満了)時に、スイッチ34をオンに切り替え、通信ブロック35へ電源の供給を開始する。
スイッチ34は、オン状態にあるとき、通信ブロック35を電源部31の電池に接続し、オフ状態にあるとき、通信ブロック35を電源部31の電池から遮断する。ロケータ3は間欠的な受信動作を行っており、所定の周期でスリープ期間から復帰し、所定期間の受信動作をしてスリープに戻るという動作を繰り返している。スイッチ34は、前述のタイマ部33からのカウント終了の通知に従って、オフ状態からオン状態に切り替わり、通信ブロック35への電源供給を開始する。
一方、通信ブロック35内の第2クロック生成部43は、スイッチ34を介して電源部31から供給される電源に基づいて、通信ブロック35の各部が動作するのに用いられるクロック信号を生成する。第2クロック生成部43は、例えば、水晶発振回路を含む。この第2クロック生成部43は、第1クロック生成部32の低速クロックよりも速い高速クロックを通信ブロック35の各部へ供給し、通信の為の動作はこの高速クロックによって制御される。
無線通信部37は、前述のロケータ用プロトコルを用いて、携帯情報端末2から呼出信号を受信し、それに対する応答信号を携帯情報端末2へ送信する。無線通信部37に設けられた同期制御部370は、第2クロック生成部43の基準クロックに基づいて、無線通信部37による通信信号の通信タイミングを決定する。
フレーム処理部36は、無線通信部37を介して、携帯情報端末2との間で通信を行う。フレーム処理部36は、送信する情報を携帯情報端末2の間で行うDECT準拠方式の通信フレームに収め、またDECT準拠方式の通信フレームに乗せて送られてくるデータから必要な情報を取り出す処理を行う。
また、フレーム処理部36は、携帯情報端末2から、ロケータ3自身のID(以下、「ロケータID」という)が含まれた呼出信号を受信したときには、携帯情報端末2へ送る応答信号を生成する。応答信号は無線通信部37を介して送信される。ロケータIDとは、予め割り当てられる固有の識別子である。
ROM39は、制御部38が使用する制御プログラム及び各種データを格納する。
制御部38は、第2クロック生成部43において生成されるクロック信号に基づいて動作し、通信ブロック35全体の動作を制御する。制御部38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部38は、ROM39に格納された制御プログラムを実行することにより携帯情報端末2との通信、報知部42による報知、入力キースイッチ66によって行われる各種入力を受けるための制御を行う。
携帯情報端末2及びロケータ3の間の無線通信は、呼出信号及び応答信号の送受信を含む。ロケータ3は、携帯情報端末2からの呼出信号に対して応答信号を送信する。例えば、携帯情報端末2からの呼出信号が受信された場合には、制御部38は、報知部42に警報音を鳴らさせ、入力キースイッチ66によって携帯情報端末2を呼び出す操作がされた場合には、制御部38は、携帯情報端末2に対して呼出信号を送信するように各部を制御する。
タイマ部44は、複数の時間を別々に計ることが可能である。例えば、タイマ部44は第2タイマとして動作する。第2タイマは、携帯情報端末2からの信号の受信をトリガとして計時を開始し(第2タイマの起動)、所定時間の経過により計時を終了する(第2タイマの満了)。また、タイマ部44は、第3タイマとして動作する。第3タイマは、電源部31への電池の挿入をトリガとして計時を開始し(第3タイマの起動)、所定時間の経過により計時を終了する(第3タイマの満了)。
RAM40は、制御部38の作業用メモリである。
EEPROM41は、ID記憶部410を有する。ID記憶部410は、ロケータ3のロケータIDを格納している。
報知部42は、例えば、小型スピーカを含み、携帯情報端末2から呼出信号を受信した場合、ロケータ3の位置を報知するための報知音を出力する。報知部42は、例えば、小型スピーカを含む。報知音は、例えば、ビープ音が挙げられる。またロケータ3を他の監視モードで使う場合には、相手機器(携帯情報端末2)のDECT通信ユニット73(図4参照)から送信された無線信号がある一定期間毎に受信されているかを監視し、相手機器の通信ユニットから送信された無線信号が検出できなくなったときに報知部42は警告音を発生する。このように、携帯情報端末2とロケータ3はDECTをベースにした呼出信号及び応答信号を間欠的に送受信することにより、お互いの確認を行うこともできる。
入力キースイッチ66は、緊急通報などの入力、及び、携帯情報端末2をサーチする動作に関するユーザの指示を入力するために設けられる。
なお、ロケータ3が備える機能部は、図3に示す機能部に限定されるものではなく、TDMA通信によって携帯情報端末2との間で呼出信号及び応答信号の送受信を行う構成であれば、その他の機能部を備えてもよい。その他の機能部は、ロケータ3の主要機能を実現するためのものであってもよいし、主要機能を補助する補助機能を実現するためのものであってもよい。
次に、携帯情報端末2の構成例について説明する。図4は、携帯情報端末2の構成例を示すブロック図である。図4において、携帯情報端末2は、マイクロコンピュータを中心とし構成される主制御部10を備えている。また、各種の操作を受け付け、各種状態の表示を行うためのタッチパネル等の操作表示部11を備えている。操作表示部11は、外部に露出されたタッチキー及び液晶ディスプレイを含む。通話部24は、音声通話のためのマイク、スピーカ、音声増幅部などを含む。
報知部14は、着信報知手段と、例えば、入力キー操作時の確認音を鳴らす機能を兼ねたものである。報知部14は、例えば、小型スピーカを含み、親機1から呼出信号を受信した場合、公衆無線回線網8から呼出信号を受信した場合に報知音を出力する。
また、携帯情報端末2は、3つの無線通信部、すなわち、公衆無線通信手段71、GPS位置情報演算手段72、及び、DECTをベースにしたDECT通信ユニット73を有する。
公衆無線通信手段71は、電波にて公衆無線回線網8との無線通信を行う。GPS位置情報演算手段72は、全世界的測位システムによる位置検出を行う。また、DECT通信ユニット73は、主に自宅内に置かれるDECT方式コードレス電話機の親機1及びロケータ3などの特定機器との間で通信を行う。
携帯情報端末2は、各部への電源供給を行う電源部15、及び、この電源部15を充電する充電回路16を備えており、これらは何れも携帯可能な大きさのケース内に収容されている。電源部15は、DECT通信ユニット73の他に、公衆無線通信手段71、GPS位置情報演算手段72及び主制御部10を動作させるための電源を供給する。
通話部24は、音声通話のための音声増幅器、スピーカ及びマイクロホン等から成る。入力キースイッチ25は、緊急通報等の操作入力を可能にするキースイッチである。携帯情報端末2がロケータ3を定期的に呼び出す動作に対して、ロケータ3から正常な応答が返されない場合には、この入力キースイッチ25による緊急通報が可能になる。
公衆無線通信手段71は、アンテナが受けた受信信号を復調し、受信データを出力し、また、送信データにて変調を行った送信信号をアンテナへ向け出力する無線通信回路74と、無線通信回路の動作を制御する公衆通信制御部75を有する。
GPS位置情報演算手段72は、GPS受信用アンテナが受けた受信信号を復調して受信データを出力するGPS受信回路76と、受信情報から演算により位置情報を得る演算制御部77から成る。
携帯情報端末2の主制御部10は、マイクロコンピュータを中心として、その処理プログラム上で操作表示部11による操作入力を常時監視し、その入力に応じた処理を行う。公衆無線通信手段71、GPS位置情報演算手段72、DECT通信ユニット73は、この主制御部10にて制御され、送受信及び自己位置データの演算を行う。
タッチパネル等の操作表示部11は、ユーザの各種操作を受け付けるためのユーザインタフェース(UI)として機能する。操作表示部11は、例えば、上記液晶ディスプレイの表面に配置されたタッチパネルを含む。ユーザの操作としては、電話の受発信のほか、電話帳の表示、操作メニューの表示などを行い、情報端末としてのあらゆるアプリの操作が操作表示部11によって行われる。また、ロケータ3を呼び出す操作(呼出操作)、ロケータ3の操作に関する状況をユーザに確認させる表示及び操作等も、この操作表示部11によって行う。
携帯情報端末2のDECT通信ユニット73は、DECTクロック生成部22、タイマ部23、フレーム処理部26、無線通信部27、DECT通信制御部28、ROM29、RAM30、EEPROM51を有する。
DECTクロック生成部22は、例えば、水晶発振回路を含み、携帯情報端末2の各部が動作するのに用いられるクロック信号を生成する。タイマ部23は、DECTクロック生成部22からのクロック信号に基づいて、規定の時間を計測する。
無線通信部27は、親機1との間ではDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)規格による無線通信を行う。また、ロケータとの間ではロケータ用プロトコルを用いて無線通信を行う。例えば、無線通信部27は、ロケータ用プロトコルを用いてロケータ3へ呼出信号を送信し、それに対する応答信号をロケータ3から受信する。無線通信部27は無線アンテナを含む。無線通信部27の中の同期制御部27aは、DECTクロック生成部22の基準クロックに基づいて、無線通信部27による通信信号の通信タイミングを決定する。
DECT通信制御部28は、例えば、CPUを含み、上記各部と連携することでDECT通信動作を制御する。DECT通信制御部28による制御については後述する。
フレーム処理部26は、その時の動作モードに合うフレーム構成を使って送信情報を当該フレームに埋め込み、無線通信部27へ渡す。親機1との間で通信を行う場合は、DECTのフレーム構成を用い、ロケータ3との間で通信を行う場合はロケータ用のフレーム構成を用いる。ロケータ3と通信する場合は、DECT方式をベースに一部をロケータの使用に合わせたロケータ用プロトコルにより通信を行う。
フレーム処理部26は、タッチパネル等の操作表示部11を介して、ユーザからロケータ3の探索を行うモード(以下、「ロケータモード」という)の起動操作及び終了操作を受け付ける起動操作があったとき、ロケータ3に対して呼出信号を送るためにロケータ用プロトコルにより信号を生成し、無線通信部27からロケータ3に対して呼出信号を送信する。この際、フレーム処理部26は、DECT通信制御部28によって選択されたロケータの識別情報を呼出信号に含めてフレーム構成を無線通信部27へ渡す。さらに、フレーム処理部26は、DECT通信制御部28によって選択されたロケータでの報知の有無を指示する指示情報を呼出信号に含める。
ROM29は、DECT通信制御部28が使用する制御プログラム及び各種データを格納する。RAM30及びEEPROM51は、DECT通信制御部28の作業用メモリである。
またRAM30には、自己位置データを時系列的に格納する自己位置データテーブル30aが割り当てられている。GPS位置情報演算手段72によって得られた自己位置データは、この自己位置データテーブル30aに順次記録される。
EEPROM51における登録情報記憶部51aは、携帯情報端末2の自身のID(以下、「携帯情報端末ID」という)、親機1のID及びロケータ3のIDを格納している。携帯情報端末IDは、予め携帯情報端末に割り当てられる固有の識別子である。登録情報記憶部51aは、例えば、登録相手のロケータ3からロケータID(登録情報の一例)を取得できた場合に、そのロケータIDを記憶する。
なお、携帯情報端末2が備える機能部は、図3に示す機能部に限定されるものではなく、その他の機能部を備えてもよい。その他の機能部は、携帯情報端末2の主要機能を実現するためのものであってもよいし、主要機能を補助する補助機能を実現するためのものであってもよい。
次に、親機1の構成例について説明する。図5は、親機1の構成例を示すブロック図である。図5において、親機1は、クロック生成部62、回線制御部63、操作部64、表示部65、フレーム処理部66、無線通信部67、制御部68、ROM80、RAM81、EEPROM82を備える。また親機1は、電源部83、報知部84、及び登録情報記憶部85を備える。
電源部83は、親機1が動作するための電源を供給する。クロック生成部62は、電源部83から供給される電源に基づいて、親機1の各部が動作するのに用いられるクロック信号を生成する。クロック生成部62は、例えば、水晶発振回路を含む。回線制御部63は、有線の電話回線網との間で通信を行う。
操作部64は、ユーザの各種操作を受け付けるためのボタンである。表示部65は、例えば、液晶ディスプレイを含み、例えば、電話番号、親機1の操作メニューなどを表示する。
フレーム処理部66は、その時の動作モードに合うフレーム送信情報をフレームに埋め込み、無線通信部67へ渡す。携帯情報端末2との間で通信を行う場合はDECTのフレーム構成を用い、ロケータ3との間で通信を行う場合はロケータ用のフレーム構成を用いる。
無線通信部67は、携帯情報端末2及び他の無線ハンドセットとの間において、TDMA/TDD方式を用いて無線通信を行う。本実施の形態では、無線通信部67は、例えば、DECTプロトコルを用いて無線通信を行う。無線通信部67に設けられた同期制御部67aは、クロック生成部62の基準クロックに基づいて、無線通信部67による通信信号の通信タイミングを決定する。
制御部68は、CPUを含み、上記各部と連携することで親機1全体の動作を制御する。ROM80は、例えば、制御部68が使用する制御プログラム及び各種データを格納する。RAM81及びEEPROM82は、制御部68の作業用メモリである。
報知部84は、例えば、小型スピーカを含み、回線制御部63から呼出信号を受信した場合に報知音を出力する。登録情報記憶部85は、親機1の自身のIDの他に、通信相手である各端末すなわち携帯情報端末2のID、他の無線ハンドセットのID、及びロケータ3のIDを格納している。
次に、本実施の形態で用いるTDMA通信における通信フレームの構成例について、図6を用いて説明する。図6は、通常状態における親機1と、無線ハンドセット(または携帯情報端末)とのTDMA通信例を示す。
DECTにおける無線通信では、例えば、図6示すように10msecを1フレームとし、1フレームを24スロットに区切って通信を行う時分割方式を用いている。親機1は、制御信号によって親機IDを送信し、無線ハンドセット(または携帯情報端末2)は、制御信号を受信しながら親機IDを取得し、待ち受ける親機(登録した親機)のIDと比較して同期すべき親機を選択する。
なお、無線ハンドセット(または携帯情報端末2)は、待機時では親機1へ毎フレームで送信することは無く、発呼などのイベント等が発生し、通話状態になった場合のみ無線ハンドセット(または携帯情報端末2)から親機1への送信が行われる。その場合、無線ハンドセット(または携帯情報端末2)は自ら何れかのスロットを選択し、その上りと下りのスロットを使って通信を行う。
親機1は常時、フレーム毎に、ある決まったスロットで制御信号を送信している。同期信号としての役割を持つ制御信号は同期データ(例えば、Syncword)を含む。Syncwordはタイミング同期用の予め決定された既知の数字列であり、携帯情報端末2が同期するための同期情報となる。受信側はこの既知の数字列を見つけた時点でフレームの切り出しと取り込みを始める。
DECT方式では、ネットワーク毎に固有のSyncwordが割り当てられ、各端末が送信する信号にはそのSyncwordが共通して含まれている。
ロケータ3は、待機時には、親機1からの制御信号を受信することはなく、親機1に同期していない。ロケータ3は、待機時では、定期的に、しかも自立的に2スロット分の時間の間で受信動作を行い、携帯情報端末2または親機1からの信号を待つ。ロケータ3が携帯情報端末2または親機1からの信号を受信した場合は、後述するロケータ用プロトコルに従って携帯情報端末2または親機1に同期して通信を行う。ロケータ3の同期の方法は前述と同様であり、例えば、携帯情報端末2が送信するロケータ呼出信号にSyncwordが含まれており、ロケータは携帯情報端末2に同期することができる。
次に、上述したロケータシステムの動作例について説明する。図7は、本ロケータシステムにおいて、携帯情報端末2がロケータを探すロケータ探し動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、電源が投入されて動作を開始すると、携帯情報端末2のDECT通信ユニット73では、DECT通信制御部28は通信待機モードを起動する。通信待機モードでは、携帯情報端末2は親機1を介して、公衆有線回線網へ発呼し、また、公衆有線回線網からの着信を受けることができ、発呼または着信によって他の電話機との通話へ移行することができる。
ステップS2において、DECT通信制御部28は、無線通信部27に指示を出し、親機1からの制御信号を受信させ、携帯情報端末2を親機1の待ち受け状態に制御する。
ステップS3において、DECT通信制御部28は、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けたか否かを判断する。ステップS3の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けていない場合(S3:NO)、フローはステップS2へ戻る。一方、ステップS3の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けた場合(S3:YES)、ロケータ呼出モードを起動し、フローはステップS4へ進む。なお、ロケータ呼出しの操作に従って、タイマ部23においてロケータ呼出モードを持続する制限時間を規定するためのタイマを起動する。
ステップS4において、DECT通信制御部28は、無線通信部27から、ロケータ3を呼び出す(ロケータ3から報知音を出力させる)ためのロケータ呼出信号を送信する。また、DECT通信制御部28は、ロケータ呼出信号の送信をトリガとして、タイマ部23を起動させる。これにより、タイマ部23は、予め定められた時間の計時を開始する。また、ロケータ呼出信号には、呼出し対象のロケータを示すロケータIDが含まれる。
一方、ロケータ3は、以下のように動作する。
ステップS21において、例えば、電池の挿入によって通信ブロック35に電源が投入される。
ステップS22において、ロケータ3の制御部38は、無線通信部37に指示を出して受信動作を開始させる。また、無線通信部37がロケータ呼出信号の受信を開始したことをトリガとして、第2クロック生成部43からの高速なクロックをカウントするタイマ部44により第2タイマが起動する。この第2タイマの起動により、ロケータ3は、携帯情報端末2からの信号を受信可能な状態になる。また、制御部38は、無線通信部37に対して携帯情報端末2からのロケータ呼出信号を受信するよう指示する。
ステップS23において、制御部38は、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信したか否かを判断する。ステップS23の判断の結果、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信していない場合(S23:NO)、フローはステップS24へ進む。一方、ステップS23の判断の結果、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信した場合(S23:YES)、フローはステップS25へ進む。
ステップS24において、制御部38は、第2タイマが満了したか否かを判断する。ステップS24の判断の結果、第2タイマが満了していない場合(S24:NO)、フローはステップS23へ戻る。一方、ステップS24の判断の結果、第2タイマが満了した場合(S24:YES)、フローはステップS29へ進む。
自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信した場合(S23:YES)は、ステップS25において、制御部38は、無線通信部37を介して、ロケータ呼出信号の送信元である携帯情報端末2との間で、TDMA同期を確立する。
ステップS26において、制御部38は、ロケータ呼出信号に対する応答であるロケータ応答信号の送信を無線通信部37に指示し、無線通信部37からロケータ応答信号を送信する。
再度、携帯情報端末2の動作に戻り、携帯情報端末2はロケータ呼出信号を送信した後、以下のように動作する。
ステップS5において、携帯情報端末2は、タイマ部23が満了するまでの間、ロケータ3からの応答を受信する処理を行う。
ステップS6において、携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、無線通信部27がロケータ3からのロケータ応答信号を受信したか否かを判断する。ステップS6の判断の結果、無線通信部27がロケータ応答信号を受信していない場合(S6:NO)、フローはステップS7へ進む。一方、ステップS6の判断の結果、無線通信部27がロケータ応答信号を受信した場合(S6:YES)、フローはステップS8へ進む。
ステップS7において、DECT通信制御部28は、タイマ部23が満了したか否かを判断する。ステップS7の判断の結果、タイマ部23が満了していない場合(S7:NO)、フローはステップS4へ戻る。一方、ステップS7の判断の結果、ロケータ応答信号を受信しないままタイマ部23が満了した場合(S7:YES)、フローはステップS10へ進む。
ステップS8において、前述のロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2が同期マスタとなり、携帯情報端末2が送信するロケータ呼出信号をロケータ3が受信し、ロケータ3が送信するロケータ応答信号を携帯情報端末2が受信する。
ステップS9において、DECT通信制御部28は、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しのモードを終了する操作を受け付けたか否かを判断する。ステップS9の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けていない場合(S9:NO)、フローはステップS8へ戻る。一方、ステップS9の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けた場合(S9:YES)、フローはステップS10へ進む。
ステップS10において、DECT通信制御部28は、ロケータ呼出モードを終了する処理を行う。
再度、ロケータ3の動作に戻り、ロケータ3は、ステップS26にてロケータ応答信号を送信した後、以下のように動作する。
ステップS27において、ロケータ3は、ロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2との間で同期してロケータ呼出信号の受信及びロケータ応答信号の送信を行う。
ステップS28において、ロケータ3の制御部38は、連続受信エラーが発生したか否かを監視する。ステップS28の監視の結果、連続受信エラーが発生していない場合(S28:NO)、フローはステップS26へ戻る。一方、ステップS28の監視の結果、連続受信エラーが発生した場合(S28:YES)、フローはステップS29へ進む。なお、前述のように第2タイマが満了した場合も(S24:YES)、ステップS29に進む。
ステップS29において、制御部38は、通信ブロック35への電源を遮断する。これにより、ロケータ3の通信動作は停止される。また、ロケータ3では、通信ブロック35への電源を遮断したことをトリガとして、第1クロック生成部32からの低速なクロックをカウントするタイマ部33により第1タイマが起動する。その後、ロケータ3の通信動作停止中は、第1タイマがカウントアップされる。
ステップS30において、制御部38は、第1タイマが満了したか否かを判断する。ステップS30の判断の結果、第1タイマが満了していない場合(S30:NO)、制御部38は、再度、ステップS30の判断を行う。一方、ステップS30の判断の結果、第1タイマが満了した場合(S30:YES)、制御部38は、処理を再びステップS21へ戻す。
そして、ステップS21において通信ブロック35に電源が投入されると、ステップS22において、制御部38は、無線通信部37に指示を出して受信動作を開始させる。これ以後、上述したステップS23以降の動作が再び行われる。
このようにして、携帯情報端末2のタッチパネル等の操作表示部11によりロケータ呼出しの操作をすることにより、携帯情報端末2はロケータ3との間でロケータ用プロトコルにより無線通信を行う。また、ロケータ3は、第1タイマのカウントによって定期的に受信動作を行い、携帯情報端末2からのロケータ呼出信号を受信できる。この場合、ロケータ3はマスタである携帯情報端末2からの制御信号に応じて同期し、携帯情報端末2からの制御信号の受信タイミングに応じて、通信タイミングを補正する。
図8は、携帯情報端末とロケータの通信動作を表すタイミングチャートである。以下、上述したロケータシステムにおいて携帯情報端末2がロケータ3を呼び出すときの通信の動作例について図8を用いて説明する。
図8において、TLは時間軸を示しており、図中の左から右へ時間が進むとする。また、各図において、時間軸TLの上側は送信スロット(または送信信号)を示し、時間軸TLの下側は受信スロット(または受信信号)を示す。
まず、ロケータ3は、例えば、電源部31に電池が挿入されると、携帯情報端末2からの呼出信号の受信を待機する状態(呼出待機状態)へ移行する。このとき、制御部38は、図8に示すように、受信用スロットbを用いて呼出信号を受信するように無線通信部37を制御するとともに、周期aを計時するようにタイマ部33を制御する。
タイマ部33は、第1クロック生成部32の低速クロックをカウントする。タイマ部33のカウント値が満了に達すると、スイッチ41はオフ状態からオン状態に切り替わる。この切り替えにより、無線通信部37への電源供給が開始される。そして、無線通信部37は、受信用スロットbを用いて呼出信号を受信するように動作を開始する。
次に、携帯情報端末2にてロケータ3を呼び出すための呼出操作がされた時の動作について説明する。
図8において、携帯情報端末2において、タッチパネル等の操作表示部11が呼出操作を受け付けると、DECT通信制御部28は、タイマ部23を起動させるとともに、まず無線通信部27から呼出信号jを所定のスロット数分連続して送信するように制御する。そして、DECT通信制御部28は、タイマ部23が予め定められた時間の計時を終えるまで呼出信号jを送信した後、受信用スロットnで応答信号の受信を待機する。そして、呼出信号jの送信開始から受信用スロットnを用いた応答信号の受信待機までの周期kが繰り返される。
携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、予め定められた時間(例えば、一定時間e)の間は呼出信号を送信する。ただし、連続ではなく、周期kにおいて定期的に1スロットだけ受信動作を行い(スロットn)、ロケータ3からの応答信号を受けるための受信待機動作を行うように無線通信部27を制御する。ロケータ3からの応答信号が正常に受信できない場合、DECT通信制御部28は、ロケータ3から応答信号を受信するまで、周期kにおける呼出信号jの送信と応答信号の受信待機を繰り返すように制御する。
ロケータ3は、呼出信号jの中の1つのスロットにおける呼出信号(図8におけるC)を受信できると、この呼出信号に載せて携帯情報端末2から送られた受信タイミング情報を受け取ることができる。ロケータ3は、この受信タイミング情報を基に応答信号を送るための送信用スロット(スロットn)を決定し、応答信号送信の準備を開始する。そしてロケータ3は、スロットnを用いて応答信号を送信する。
携帯情報端末2は、ロケータ3からスロットnを用いて送られる応答信号を受信すると、DECT通信制御部28がこの応答信号の受信をトリガとして呼出信号jの連続送信を停止させる。その後、携帯情報端末2が定期的に送信する制御信号をロケータ3が受信し、ロケータ3も定期的に携帯情報端末2へ信号を送信することで同期をとる。ロケータ3は、送信用スロットgを用いて応答信号を送信し、その応答信号は携帯情報端末2にて受信されることになる。
なお、DECT通信制御部28は、タイマ部23が予め定められた時間(例えば、一定時間e)の計時を終えるまで応答信号を受信しなかった場合、呼出信号jの送信と応答信号の受信待機を停止する。
以上のように、携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、予め定められた時間(例えば、一定時間e)の間は呼出信号を送信するが、連続ではなく、周期kにおいて定期的に1スロットだけ受信動作を行い(スロットn)、ロケータ3からの応答信号を受けるための受信待機動作をするように無線通信部27を制御する。ロケータ3からの応答信号が正常に受信できない場合、DECT通信制御部28は、ロケータ3から応答信号を受信するまで、周期kにおける呼出信号jの送信と応答信号の受信待機を繰り返すように制御する。
なお、図8において、hはDECTの1フレームの周期と同じ10msである、そして図8の場合、時点M以降、DECT通信制御部28は、h(10ms)の間隔で呼出信号の送信と応答信号の受信を繰り返し行うように制御する。ロケータ3は、携帯情報端末2との同期により、10msの間隔で呼出信号の受信と応答信号の送信を繰り返し行うように制御する。
また、図8に示すように、ロケータ3が、呼出信号jの中の1つのスロットにおける呼出信号cを受信でき、携帯情報端末2は、その後にロケータ3からスロットnを用いて送られる応答信号を受信できれば、この応答信号の受信をトリガとして呼出信号jの連続送信を停止することにより、呼出信号の無駄な送信はなくなる。
以上で、本実施の形態のロケータシステムにおいて携帯情報端末2がロケータ3を呼び出すときの動作例の説明を終える。
(実施例1)
次に、携帯情報端末2が定期的にロケータ3を監視する「常時ロケータ監視モード」における動作に関して説明する。図9は、ユーザが携帯情報端末2とロケータ3をともに宅外に持ち出した様子を示す。
携帯情報端末2の操作表示部11によって、ロケータ3を監視する動作が起動されると、携帯情報端末2の主制御部10は、DECT通信ユニット73を動作させ、図7のステップS4以降の処理を所定の周期(例えば、1分おき)で定期的に行い、ロケータ呼出信号の送信を行う。この監視動作のなかで、携帯情報端末2は、ロケータ3が受信可能なチャンネルにてロケータ呼出信号を送信し、ロケータ3からの応答信号を待つ。
また、携帯情報端末2にてGPS位置情報演算手段72を動作させた場合、GPS位置情報演算手段72は、GPS衛星9からの情報によって演算し、現在位置座標のデータ(自己位置データ)を生成する。監視動作と並行してGPS位置情報演算手段72を動作させると、GPS位置情報演算手段72により生成された携帯情報端末2の自己位置データは主制御部10へ送られる。主制御部10は、DECT通信ユニット73が定期的にロケータ呼出信号を送信するタイミングで、その時の自己位置データを、順次自己位置データテーブル30aに記録する。
図10は、自己位置データテーブル30aに記録される情報例を示す。主制御部10は、自己位置データとともに、図10に示すように、位置情報を取得した時刻、及び、後述の応答信号が正常に受信できたか否かを示すフラグ(「正常」/「異常あり」)を自己位置データテーブル30aに記録する。
以下、自己位置データを自己位置データテーブル30aに順次記録する制御について詳細に説明する。
一回のロケータ呼出信号の送信に対して、所定の時間以内にロケータ3からの応答信号が正常に送られれば、その回の呼出信号の送信のステップを終了し、次の周期までDECT通信ユニット73をスリープ状態にさせる。また、応答信号が正常に送られた時点の自己位置データを「正常」のフラグとともに自己位置データテーブル30aに記録する。
ロケータ呼出信号に応じた応答信号が正常に受信できない場合、または、応答信号の信号受信レベルが閾値(学習によって更新)に達しない場合、DECT通信ユニット73は、ロケータ呼出信号の送信する周期を早めて(例えば、10秒おき)、ロケータ呼出信号の送信を繰り返す。また、その場合に自己位置データテーブル30aに記録する自己位置データには、「異常あり」を示すフラグを付ける。
このように、携帯情報端末2の自己位置データテーブル30aに記録する自己位置データは、「正常」のフラグ、または「異常あり」フラグが付いて時系列に記録されていることになり、ロケータ3から離れた見失い状態になった場合には、自己位置データテーブル30aに記録されるデータは、少なくともロケータからの信号が検出されなかった最新の自己位置データ、及び、最後にロケータからの信号が検出された時の自己位置データを含むことになる。
図11は、携帯情報端末2とロケータ3が離れ、ユーザが携帯情報端末2を携帯し、ロケータ3を何所かに落とした場合の例を示す。自己位置データテーブル30aには、ロケータ呼出信号に応じた応答信号が正常に受信できた時の最新の自己位置データ及び時刻、またその後に応答信号が正常に受信できなくなった時の自己位置データ及び時刻の情報が記録される。
端末呼出信号に応じた応答信号が正常に送られない状態が所定時間(例えば、30秒間)続いた場合、携帯情報端末2の主制御部10はロケータ3から離れた見失い状態になったと認識し、音声で確認音を鳴らすように制御する。ユーザが、携帯情報端末2の確認音を聞くことができれば、その時点でロケータ3の所在を確認することができ、例えば、単に電波の通りが悪いところにロケータ3が置かれていてユーザがそれに気付けば、ユーザは携帯情報端末2を操作してリセットをすることにより状況は解消する。
ユーザがこの確認音を聞くことができなければ、または前述のリセットがされないまま所定時間が経過すれば、紛失状態である可能性が高いことになる。
ユーザがロケータ3の紛失を認識し、携帯情報端末2にて、探索動作を起動する操作を行うことにより、以下の探索動作が開始される。
携帯情報端末2は、自己位置データテーブル30aに記録されたさ「正常」フラグの自己位置データと、「異常あり」フラグの自己位置データとに基づいて、紛失状態になった時点の位置を類推し、紛失状態になった時点と類推できる地点が中心にくるような地図のURLを生成する。携帯情報端末2は、当該URLに基づいて、地図をダウンロードして操作表示部11に表示する。
図12は、携帯情報端末2とロケータ3が離れた後に、前述のURLに基づいて携帯情報端末2に地図を表示した例を示す。当該地図の中に「正常」フラグに関する自己位置と「異常あり」フラグに関する自己位置を同時にプロットすることにより、ユーザはどこで紛失したかを容易に類推することができる。
また、携帯情報端末2は、自己位置データテーブル30aに記録された「正常」フラグの自己位置データと、「異常あり」フラグの自己位置データとに基づいて、紛失状態になった時点と類推できる位置を演算による求め、前記URLに基づいて地図をダウンロードして操作表示部11に表示するとともに当該地図の中に当該演算により求めた「紛失位置データ」が示す地点(例えば、図12の☆マーク)をプロットして表示することも可能である。
なお、主制御部10は、ロケータ3からの信号の受信レベルを所定の時間間隔で平均しながら、適宜、第1閾値レベルを設定すると良い。ロケータ3からの信号の受信レベルが適宜設定される第1閾値レベル以下であるときに、ロケータ呼出信号を送信する周期を早めて、所定時間以内に受信レベルが第1閾値レベル以上に回復した場合には、呼出信号の送信周期を元に戻すことにより、不要な警報が頻発することを防止できる。
また、適宜、第1閾値レベルより低い第2閾値レベルを設定することにより、ロケータ3からの信号の受信レベルが突然第2閾値レベル以下に落ちた場合には、所定時間(例えば、前述の30秒)待つことなく、ただちに確認音を鳴らすことにより、ユーザはロケータ3を完全に見失う前に所在確認を行うことができる。
また、携帯情報端末2は、設定により、ロケータ3から離れた見失い状態になったと認識した場合に、公衆無線回線網8を介して所定の相手先に発信することもできる。所定の相手先は、例えば、固定電話網につながった自宅の親機1でよい。また、携帯情報端末2は、相手先との間の通信によって、GPS位置情報演算手段72が検出した位置検出情報を送出してもよい。
ロケータ3の送受信回路は、携帯情報端末2からの呼出信号を送信するタイミングのみに電源供給され、それ以外は電源供給を停止する。また、携帯情報端末2においては、通常、GPS位置情報演算手段72は低消費電力であるスリープモードとなっているが、ロケータ3のための監視動作が起動されると、必要なタイミングでGPS位置情報演算手段72を動作させる。
また、GPS位置情報演算手段72の動作が携帯情報端末2の電力消費に大きく影響する場合には、携帯情報端末2は、GPS位置情報演算手段72を常時動作させるのではなく、前記DECTをベースにした通信の受信信号レベルが前記所定の閾値レベル以下になったときにGPS位置情報演算手段72を動作させてもよい。例えば、ロケータ3からの信号の受信レベルが適宜設定される第1閾値レベル以下になった場合のみ、GPS位置情報演算手段72を動作させることにより、位置演算を常時行わず、位置演算のための電力消費を低減できる。
なお、以上の例では、自己位置データは自己位置データテーブル30aに蓄積したが、携帯電話基地局を介してサービス会社センター局Cへ通報し、サービス会社で自己位置データを管理する構成でもよい。この場合、ユーザから要請のあったときには、サービス会社センター局Cでは、検出した位置情報を基にして紛失中の携帯情報端末2の場所を特定することが可能となり、その回収作業を迅速に行うことができる。
すなわち、携帯情報端末2からの依頼に従ってサービス会社センター局Cが記録された「正常」フラグの自己位置データと、「異常あり」フラグの自己位置データとに基づいて、紛失状態になった時点の位置を類推し、紛失状態になった時点と類推できる地点の位置データ「紛失位置データ」を演算による求め、この「紛失位置データ」が中心にくるような地図のURLを生成する。携帯情報端末2は、サービス会社から送られてURLに基づいて地図をダウンロードし、当該地図の中に「紛失位置データ」を示す地点をプロットする。
なお、ロケータ3においては、携帯情報端末2のDECT通信ユニット73から所定の周期で送られるはずのロケータ呼出信号を受信できない場合、ロケータ3の報知部42から確認音を鳴らすことができる。ただし、ロケータ3からの確認音は設定によって鳴らさないようにしてもよい。
(実施例2)
次に、ロケータを持つユーザが、携帯情報端末2の存在を常時監視するモード(以下、「情報端末監視モード」という)について説明する。
携帯情報端末2のユーザは、携帯情報端末2とロケータ3とを同時に所持していれば、携帯情報端末2とロケータ3とは所定の範囲内に存在するため、互いの通信が途絶えることはない。しかし、携帯情報端末2がユーザの身体から離れ、携帯情報端末2からの定期的な呼出しが届かない状態になってしまった時、携帯情報端末2から警告が発生され、携帯情報端末2の紛失あるいは盗難を知ることができる。
図13は、ユーザがロケータ3を持ったまま、携帯情報端末2がユーザから離れた場合の例を示す。具体的には、例えば、携帯情報端末2を乗り物内に置き忘れた例を示す。図14は、本ロケータシステムにおける情報端末監視モードでの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS41では、電源が投入されて動作を開始すると、通信待機モードで動作し、携帯情報端末2は親機1を介して公衆有線回線網へ発呼し、また、公衆有線回線網からの着信を受けることができる。
ステップS42において、DECT通信制御部28はタッチパネル等の操作表示部11がロケータ呼出しの操作を受け付けたか否かを判断する。ステップS42の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11が情報端末監視モード起動の操作を受け付けていない場合(S42:NO)、通信待機モードを維持する。一方、ステップS42の判断の結果、タッチパネル等の操作表示部11が情報端末監視モード起動の操作を受け付けた場合(S42:YES)、情報端末監視モードを起動し、フローはステップS43へ進む。
ステップS43において、DECT通信制御部28は、無線通信部27からロケータ3を呼び出すためのロケータ呼出信号を送信する。なお、監視モードを起動の操作に従って、タイマ部33はロケータ呼出を持続する制限時間を規定するためのタイマを起動する。これにより、タイマ部23は、予め定められた時間の計時を開始する。また、ロケータ呼出信号には、呼出し対象のロケータを示すロケータIDが含まれる。
一方、ロケータ3は、以下のように動作する。ステップS51において、例えば、電池の挿入によって通信ブロック35に電源が投入される。ステップS52において、ロケータ3の制御部38は、無線通信部37に指示を出して受信動作を開始させ、携帯情報端末2からのロケータ呼出信号を受信するよう指示する。また、受信動作を開始したことをトリガとして、第2クロック生成部43からの高速なクロックをカウントするタイマ部44により第2タイマが起動する。この第2タイマの起動により、ロケータ3は携帯情報端末2からの信号を受信可能な状態になる。
ステップS53において、制御部38は、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信したか否かを判断する。ステップS53の判断の結果、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信していない場合(S53:NO)、フローはステップS54へ進む。一方、ステップS53の判断の結果、自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信した場合(S53:YES)、フローはステップS55へ進む。
ステップS54において、制御部38は、第2タイマが満了したか否かを判断する。ステップS54の判断の結果、第2タイマが満了していない場合(S54:NO)、フローはステップS53へ戻る。一方、ステップS54の判断の結果、第2タイマが満了した場合(S54:YES)、フローはステップS59へ進む。
自己IDを含んだロケータ呼出信号を受信した場合は、ステップS55において、制御部38は、無線通信部37を介して、ロケータ呼出信号の送信元である携帯情報端末2(子機)との間でTDMA同期を確立する。
ステップS56において、制御部38はロケータ呼出信号に対する応答であるロケータ応答信号の送信を無線通信部37に指示し、無線通信部37からロケータ応答信号を送信する。また、タイマ部44は、携帯情報端末2との間の通信制限時間を規定するためのタイマを起動する。
再度、携帯情報端末2の動作に戻り、携帯情報端末2はロケータ呼出信号を送信した後は、以下のように動作する。
ステップS44において、携帯情報端末2はタイマ部23が満了するまでの間、ロケータ3からの応答を受信する処理を行う。
ステップS45において、携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、無線通信部27がロケータ3からのロケータ応答信号を受信したか否かを判断する。ステップS45の判断の結果、無線通信部27がロケータ応答信号を受信していない場合(S45:NO)、フローはステップS46へ進む。一方、ステップS45の判断の結果、無線通信部27がロケータ応答信号を受信した場合(S45:YES)、フローはステップS47へ進む。
ステップS46において、DECT通信制御部28はタイマ部23が満了したか否かを判断する。ステップS46の判断の結果、タイマ部23が満了していない場合(S46:NO)、フローはステップS43へ戻る。一方、ステップS46の判断の結果、ロケータ応答信号を受信しないままタイマ部23が満了した場合(S46:YES)、フローはステップS49へ進む。
ステップS47において、前述のロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2が同期マスタとなってロケータ3との間で通信を行う。すなわち、携帯情報端末2は、情報端末監視モードへの切替要求をロケータ3へ送信する。さらに、その切替要求に応じてロケータ3から送られる切替完了通知を受信するための処理を行う。ステップS48において、ロケータ3から切替完了通知が送られた場合は、フローはステップS49へ進む。
ステップS49において、DECT通信ユニット73の電源を遮断し、つぎにDEDT通信を行うまでの時間をカウントする第1タイマを起動する。
再度、ロケータ3の動作に戻り、ロケータ3は、ステップS56においてロケータ応答信号を送信した後、以下のように動作する。
ステップS57において、ロケータ3は、ロケータ用プロトコルに従って携帯情報端末2に同期し、携帯情報端末2との間で通信を行う。すなわち、ロケータ3は、情報端末監視モードへの切替要求を受信すると、その切替要求に従って必要な動作を開始し、携帯情報端末2へ切替完了通知を送信する。
ステップS58において、DECT通信制御部28はタイマ部44が満了したか否かを判断する。ステップS58の判断の結果、タイマ部44が満了していない場合(S58:NO)、フローはステップS56へ戻る。一方、ステップS58の判断の結果、タイマ部が満了した場合(S58:YES)、フローはステップS59へ進む。
ステップS59では、制御部38は通信ブロック35への電源を遮断する。これにより、ロケータ3の通信動作は停止される。また、ロケータ3では、通信ブロック35への電源を遮断したことをトリガとして、第1クロック生成部32からの低速なクロックをカウントするタイマ部33において第1タイマが起動する。その後、ロケータ3の通信動作停止中は、第1タイマがカウントアップされる。
ステップS60において、制御部38は、第1タイマが満了したか否かを判断する。ステップS60の判断により、第1タイマが満了するまで待機状態を維持する。ステップS60の判断の結果、第1タイマが満了した場合(S60:YES)、制御部38は再び通信ブロック35に電源を投入する(ステップS61)。
ステップS61において、通信ブロック35に電源が投入されると、制御部38は無線通信部37に指示を出して受信動作を開始させる。ステップS61以降は情報端末監視モードで動作する。また、第2クロック生成部43からの高速なクロックをカウントするタイマ部44において第2タイマが起動する。
再度、携帯情報端末2の動作に戻り、携帯情報端末2は、情報端末監視モードでは以下のように動作する。
ステップS49でDECT通信ユニット73の電源を遮断した後は、第1タイマによって時間がカウントされ、ステップS70の判断の結果、第1タイマが満了した場合(S70:YES)、DECT通信制御部28は再び通信を開始する。
ステップS71にて、DECT通信制御部28は無線通信部27に指示を出してロケータ3を呼び出すためのロケータ呼出信号を送信する。
ステップS72において、ロケータ3から返されるロケータ応答信号の受信動作を開始させる。また、携帯情報端末2はタイマ部23を起動し、以降、タイマが満了するまでロケータ呼出信号の送信動作、ロケータ3からの応答信号の受信動作を行う。
ステップS73において、携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、無線通信部27がロケータ3からのロケータ応答信号を受信したか否かを判断する。ステップS73の判断の結果、ロケータ応答信号を受信した場合(S73:YES)、フローはステップS74へ進む。ステップS73の判断の結果、ロケータ応答信号を受信していない場合(S73:NO)、フローはステップS76へ進む。
ステップS74において、前述のロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2が同期マスタとなってロケータ3との間で通信を行う。携帯情報端末2は、自己位置データをロケータ3へ送信し、それに対してロケータ3から返されるロケータ応答信号を受信する。
ステップS75において、携帯情報端末2のDECT通信制御部28は、自己位置データと「正常」フラグの情報を自己位置データテーブル30aに記録する。
ステップS76において、DECT通信制御部28はタイマ部23が満了したか否かを判断する。ステップS76の判断の結果、タイマ部23が満了していない場合(S76:NO)、フローはステップS71へ戻る。一方、ステップS76の判断の結果、ロケータ応答信号を受信しないままタイマ部23が満了した場合(S76:YES)、フローはステップS77へ進む。
ステップS77において、DECT通信制御部28は自己位置データをデータテーブル30aに記録し、「異常有り」フラグの情報を自己位置データテーブル30aに記録する。そして、フローはステップS49に戻り、次にDECT通信を行うまで待機する。
再度、ロケータ3の動作に戻り、ロケータ3は、情報端末監視モードでは以下のように動作する。
ステップS59でDEDT通信ブロックの電源を遮断した後は、第1タイマによって時間がカウントされ、ステップS60の判断の結果、第1タイマが満了した場合(S60:YES)、制御部38は再び通信ブロック35に電源を投入する(ステップS61)。
ステップS61にて通信ブロック35に電源が投入されると、制御部38は無線通信部37に指示を出し、携帯情報端末2から送られるロケータ呼出信号の受信動作を開始させる。また、制御部38はタイマ部を起動し、以降、タイマが満了するまでロケータ呼出信号の受信動作または携帯情報端末2との通信動作を行う。
ステップS62において、ロケータ3の制御部38は、携帯情報端末2から送られるロケータ呼出信号を受信すると(S62:YES)、ステップS63において自己位置データと「正常」フラグの情報を自己位置データテーブル40aに記録する。
ステップS64において、ロケータ3の制御部38は前述のロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2(子機)が同期マスタとなって携帯情報端末2との間で通信を行う。
ステップS65において、制御部38は、携帯情報端末2に対してロケータ応答信号を送信し、携帯情報端末2から送られてくる自己位置データを自己位置データテーブル40aに記録する。
ロケータ3の制御部38は、携帯情報端末2から送られるロケータ呼出信号を受信しないまま(S62:NO)第2タイマが満了した場合(S66:YES)、フローはステップS67へ進み、ステップS67において、ロケータ3の制御部38は「異常有り」フラグの情報を自己位置データテーブル40aに記録する。そして、フローはステップS59に戻り、次にDECT通信を行うまで待機する。
以上のように、携帯情報端末2のDECT通信ユニット73は、第1タイマによって所定の周期(例えば、1分おき)で定期的にロケータ呼出信号の送信を行っている。携帯情報端末2は、ロケータ3が受信可能なチャンネルにてロケータ呼出信号を送信し、ロケータ3からの応答信号を待つ。ロケータ呼出信号に応じた応答信号が正常に受信できない場合、自己位置データテーブル30aに記録する自己位置データには、「異常あり」を示すフラグを付ける。また、ロケータ3においては、定期的に携帯情報端末2からロケータ呼出信号が送信されてこない場合、自己位置データテーブル40aに「異常あり」を示すフラグを付ける。
また、携帯情報端末2のDECT通信ユニット73は、応答信号の信号受信レベルが閾値(学習によって更新)に達しない場合は、ロケータ呼出信号を送信する周期を早めて(例えば、10秒おき)ロケータ呼出信号の送信を繰り返すようにしてもよい。また、その場合に自己位置データテーブル30aに記録する自己位置データには、「異常あり」を示すフラグを付ける。
また、応答信号の信号受信レベルが閾値(学習によって更新)に達しない段階で、ロケータ3は見失い状態になる可能性が高いとして報知部42から軽い確認音を鳴らすことにより、ユーザがこれら確認音を聞くことができれば、直ぐに状況を改善することができる。携帯情報端末2はユーザの近くに寄せ、ユーザはリセット等の操作をする。
このように、所定の閾値レベル以下である状態が検知された時には、端末呼出信号を送信する周期を早めるので、紛失の可能性をいち早く察知し、ユーザに警告することができる。また、ロケータから受信される間欠的なDECTをベースにした呼出信号の信号受信レベルの検出結果が、学習によって設定した最新の閾値より低くなったときにのみ、警報を鳴らし、あるいは外部への通報がなされるので、不用意な通報を未然に防止することができる。
呼出信号に応じた応答信号が正常に送られない状態が所定時間(例えば、30秒間)続いた場合、ロケータ3は見失い状態になったと認識し、報知部42から大きな警告音を鳴らす。ユーザがこの確認音を聞くことができなければ、または前述のリセットがされないまま所定時間が経過すれば、紛失状態であると認識する。
(実施例3)
図15は、ユーザが携帯情報端末2を持ったまま、ロケータ3を携帯することなく外出した場合の例を示す。携帯情報端末2がロケータ3との定期的な通信ができない状態になった場合、携帯情報端末2から確認音が発生されるように設定していれば、ユーザは警告によりロケータ3を持っていないことに気付くことができ、ユーザが、誤ってロケータを携帯することなく外出することを防止できる。
逆に、定期的な通信ができない状態になった場合、ロケータ3から確認音が発生されるように設定していれば、ユーザは警告により携帯情報端末2を持っていないことに気付くことができ、ユーザが、誤って携帯情報端末を携帯することなく外出することを少なくできる。
また、ロケータ3を持って、携帯情報端末2を携帯することなく外出することが多い場合、ロケータ3が携帯情報端末2を見失った場合の警報を鳴らさないようにする要望もある。携帯情報端末2を自宅に置いている状態では、携帯情報端末2は親機1と通信が可能な場合が多いので、携帯情報端末2が親機1と通信が可能状態のときに携帯情報端末2とロケータ3の通信ができなくなった場合には、警報モードを働かせないように設定すればよい。
また、携帯情報端末2は前実施例と同様に、設定により、ロケータ3から離れた見失い状態になったと認識した場合に、公衆無線回線網8を介して所定の相手先に発信することもできる。所定の相手先は、例えば、固定電話網につながった自宅の親機1でよい。また携帯情報端末2は、相手先との間の通信のなかで、GPS位置情報演算手段72が検出した位置検出情報を送出してもよい。また、この場合も、携帯情報端末2は前実施例と同様に、自己位置データテーブル30aに記録する自己位置データには、「正常」フラグのデータと、「異常あり」フラグのデータが時系列で並んでおり、これら位置検出情報を親機1へ送出してもよい。これらの位置情報により、ユーザがロケータ3を効率よく探すことができ、紛失・盗難への対処を迅速に行うことができる。
例えば、携帯情報端末2が見失い状態になったと認識した場合に、公衆無線回線網8を介して自宅の親機1に対して緊急事態を知らせるメッセージを送信する。親機1は、携帯情報端末2から緊急事態確認メッセージが送られると、登録されている全子機へその緊急事態を知らせるメッセージを送信する。
(実施例4)
以下、携帯情報端末2が見失い状態になったと認識した場合のロック状態への遷移について説明する。前記のリセットがされないまま所定時間が経過した場合には、前記通報動作とともに、携帯情報端末2をロック状態に遷移させる。ロック状態への遷移により、携帯情報端末2の操作は制限される。具体的には、公衆回線を介するアクセス、内部のファイルへのアクセスをできなくする。ユーザが、暗証番号を入力することで前記ロック状態を解除する。これにより、ロケータ3をユーザが持ったままで携帯情報端末2から離れた場合、携帯情報端末2はロック状態に遷移し、他人に不正使用させないことができる。
(実施例5)
次に、ロケータ3を持つユーザが、携帯情報端末2を探すモード(以下、「端末探しモード」という)について説明する。自己位置データによって携帯情報端末2のおよその位置が特定できた後、ロケータ3を使って携帯情報端末2を発見しようとする時に、この「端末探しモード」を使う。
ユーザが、ロケータ3の入力キースイッチ66を押すことにより、ロケータ3の通信ブロック35に電源が投入され、通信ブロック35は携帯情報端末2をサーチする動作を行う。携帯情報端末2は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ると、そのメッセージを受け取ったことを意味する応答メッセージをロケータ3に送る。ロケータ3と携帯情報端末2の通信は図14のステップS71以降、及び、テップS61以降における動作と同様である。
ロケータ3は、入力キースイッチ66が押下されてから所定時間内は、携帯情報端末2からの応答メッセージを受信できるまでは、スイッチ押下メッセージの送信を繰り返し行い、応答メッセージを受信できれば終了する。
携帯情報端末2は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ると、そのメッセージを受け取ったことを意味する応答メッセージをロケータ3に送るとともに、このスイッチ押下メッセージに従って音声で確認音を鳴らす。ユーザの近くに携帯情報端末2があれば、ユーザはこの確認音を聞くことができる。携帯情報端末2の存在を認識することができる。
ユーザが、入力キースイッチ66を押しても、確認音を聞くことができない場合、ユーザは探し動作を行う。
ユーザは、例えば、入力キースイッチ66を5秒以上長押しすることにより、ロケータ3は「端末探しモード」に移行する。「端末探しモード」では、まず、通常よりも強い信号強度により、携帯情報端末2が受信可能なチャンネルにおいて端末呼出信号の送信を行う。
ロケータ3が「端末探しモード」で送信した端末呼出信号を携帯情報端末2が受信すると、携帯情報端末2も「端末探しモード」に切り替わり、この「端末探しモード」では携帯情報端末2は通常よりも強い信号強度により応答メッセージを送信する。携帯情報端末2からの応答メッセージがロケータ3にて受信できると、ロケータ3は携帯情報端末2と同期した通信モードに切り替わる。
ユーザが、携帯情報端末2の確認音を聞くことができ、すぐに携帯情報端末2の位置を認識できれば終了となる。
携帯情報端末2が応答メッセージをロケータ3へ送信し始めて時間が経過した場合、かつ、ロケータ3からの端末呼出信号の受信強度が十分に強い場合は、携帯情報端末2は応答メッセージの中に、信号強度を下げるコマンドを挿入し、それに従ってロケータ3は信号強度を一段下げる。さらに、携帯情報端末2は、端末呼出信号の受信強度がまだ十分に強い場合は、応答メッセージの中に信号強度を下げるコマンドを挿入し、それに従ってロケータ3は信号強度をさらに一段下げる。
これにより、ロケータ3の消費電力を削減するとともに、携帯情報端末2とロケータ3との通信可能距離を序々に狭くすることにより、発見し易くなる。
携帯情報端末2は、ロケータ3から送られて携帯情報端末2にて受信される端末呼出信号の信号強度に応じて、確認音のパターンを変えることにより、携帯情報端末2とロケータ3との接近度合いをユーザに伝える。
(実施例6)
次に、ロケータ3をエマージェンシーボタンとして活用する場合の動作モード(以下、「緊急通報モード」という)について説明する。このモードでは、例えば、ユーザに健康上の異常が発生したときに、ユーザがロケータ3の入力キースイッチ66を操作することにより、以下の動作を行って緊急事態を知らせるメッセージを送信する。
図16は、ユーザがロケータ3を持ったまま在宅し、携帯情報端末2も宅内に在る場合の例を示す。通常は、ロケータ3は省電力の待機状態になっている。
ユーザが入力キースイッチ66を押すことにより、ロケータ3の通信ブロック35に電源が投入され、通信ブロック35は親機1をサーチする動作と携帯情報端末2をサーチする動作を並行して行う。
ロケータ3は、例えば、親機1が送信する制御信号を受信すると、親機1と同期を取る処理を行い、同期が取れると、ロケータ3は、親機1に対して入力キースイッチ66押下を意味するスイッチ押下メッセージを送信する。また、ロケータ3が携帯情報端末2との通信が可能になれば、ロケータ3は携帯情報端末2に対しても入力キースイッチ66押下を意味するスイッチ押下メッセージを送信する。
親機1及び携帯情報端末2は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ると、そのメッセージを受け取ったことを意味する応答メッセージをロケータ3へ送る。ロケータ3は入力キースイッチ66が押下されてから所定時間内に親機1または携帯情報端末2からの応答メッセージを受信できるまでは、スイッチ押下メッセージの送信を繰り返し行い、応答メッセージを受信できれば終了する。
親機1は、スイッチ押下メッセージに従って、「緊急事態」を示す表示及び警報音を鳴らす。また、親機1は、携帯情報端末2及び他の無線ハンドセット4に対してもスイッチ押下メッセージを送信することにより、携帯情報端末2及び無線ハンドセット4においても「緊急事態」を示す表示及び警報音を鳴らすことが可能になる。
操作ミスである場合、ユーザが親機1、携帯情報端末2または他の無線ハンドセット4においてリセットの操作をすることにより、警報動作を終了させる。
スイッチ押下メッセージが送られてから所定時間内にユーザによるリセット操作がなされない場合には、親機1は所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行う。
(実施例7)
次に、ロケータ3と携帯情報端末2が通信可能で、ロケータ3と携帯情報端末2は共に親機1との間で通信不可能な場合の例を説明する。図17は、ユーザがロケータ3と携帯情報端末2持って外出した場合の例を示す。
ユーザが入力キースイッチ66を押すことにより、ロケータ3の通信ブロック35に電源が投入され、ロケータ3は、携帯情報端末2に対して入力キースイッチ66押下を意味するスイッチ押下メッセージを送信する。
携帯情報端末2は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ると、音声信号を鳴らすと共に、図17に示すように操作表示部11にユーザに意思の入力をさせるための文字及びボタンアイコンを表示する。すなわち、携帯情報端末2は操作表示部11に、「緊急事態」、「操作ミス」、「他の機能」のボタンアイコンを表示することにより、真に緊急事態であるのか、または操作ミスであるのか、または他の目的で入力キースイッチ66を押したのかを問う。
ユーザは、真に緊急事態であるのであれば、「緊急事態」のボタンを押すことになる。携帯情報端末2は、「緊急事態」のボタンが押された場合、公衆無線回線網8を介して所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行う。
また、携帯情報端末2は、前記ボタンアイコンの表示を行ってから所定時間内にユーザによる入力操作がなされない場合にも、自動的に前記緊急通報先への発信動作を行う。
(実施例8)
以下、ロケータ3と携帯情報端末2が通信可能で、携帯情報端末2と親機1はDECTによる通信が不可能な場合の例を説明する。
この場合は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ってから緊急通報先への発信動作を行うまでの携帯情報端末2の動作は前記同様であり、加えて携帯情報端末2は親機1に対しても緊急事態確認メッセージを送る。
携帯情報端末2は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージが伝えられ、緊急通報先への発信動作を行うなかで、公衆無線回線網8を介して親機1へも緊急事態であることを伝えることができる。
親機1は、携帯情報端末2から公衆無線回線網8を介して送られてくる緊急事態確認メッセージを受け取ると、登録されている全子機へその緊急事態を知らせるメッセージを送信する。
(実施例9)
次に、ロケータ3と親機1との通信のみが可能であり、ロケータ3と携帯情報端末2は通信不可能、携帯情報端末2と親機1はDECTによる通信が不可能である場合の例を説明する。図18は、ユーザが宅内でロケータ3を携帯し、携帯情報端末2がDECTによる通信が不可能である例を示す。
ロケータ3のスイッチ押下メッセージは、携帯情報端末2へは伝わらない。スイッチ押下メッセージは親機1にのみ伝えられる。このスイッチ押下メッセージに従って、親機1は、登録されている携帯情報端末2に対してDECTの通信リンクを張って通報メッセージを携帯情報端末2へ送ろうと試みるが、携帯情報端末2の返答はない。この段階では、親機1はボタンの押下が真に緊急事態であるのか、または操作ミスであるのかを判定することができない。
ロケータ3のスイッチ押下メッセージに従って、親機1が即刻外部への通報をすべきモードである場合には、スイッチ押下メッセージが送られてから第1の所定時間内(〜20秒)にユーザがリセットの操作をしない場合に親機1は所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行う。
操作ミスである場合には、ユーザが親機1または無線ハンドセット4においてリセットの操作をすることにより定常状態に復帰する。
親機1が、ロケータ3のスイッチ押下メッセージの際に携帯情報端末2からの緊急事態確認メッセージを確認してから動作を決める端末連携モードになっている場合には、以下の手順で動作する。
親機1は、スイッチ押下メッセージが送られると、公衆無線回線網8を介して携帯情報端末2へ問い合わせの発信を行なうとともに、スイッチ押下メッセージが送られてから第2の所定時間(〜120秒)の間、警戒状態に切り替わる。
公衆無線回線網8を介して着信した携帯情報端末2のユーザが「異常なし」のボタンを押すことにより、携帯情報端末2から「異常なし」の情報を乗せた緊急事態確認メッセージが親機1へ送り返される。
親機1は、警戒状態の間は、公衆回線を介した他の通信を控える。その間、緊急事態確認メッセージが携帯情報端末2から親機1へ送り返され、それが「異常なし」の情報であれば警戒状態はリセットされる。また、他の方法でリセットの操作を行ってもよい。
この警戒状態において、携帯情報端末2から緊急事態確認メッセージが送られて「緊急事態」の情報が乗せられている場合、またはスイッチ押下メッセージの後、第2の所定時間が経過しても緊急事態を知らせるメッセージ等が送られてこない場合は、親機1は所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行う。
(実施例10)
次に、ロケータ3と親機1が通信可能、親機1と携帯情報端末2が通信可能であり、ロケータ3と携帯情報端末2は通信不可能な場合の例を説明する。図19はこの状態の例を示す。
この場合、ユーザが入力キースイッチ66を押しても、スイッチ押下メッセージは携帯情報端末2へは伝わらない。スイッチ押下メッセージは親機1にのみ伝えられる。
親機1は、ロケータ3からスイッチ押下メッセージを受け取ると、登録されている携帯情報端末2に対してDECTの通信リンクを張り、スイッチ押下メッセージがあったことを示す通報メッセージを携帯情報端末2へ送る。携帯情報端末2は、この通報メッセージに従って音声で確認音を鳴らす。ユーザは、携帯情報端末2を携帯していれば、この確認音を聞くことができる。
また、前述の例及び図17と同様に、携帯情報端末2は、真に緊急事態であるのか、または操作ミスであるのか、または他の目的で入力キースイッチ66を押したのかを問うためのボタンアイコンの表示を行う。
ユーザは、真に緊急事態であれば、「緊急事態」のボタンを押すことになる。携帯情報端末2は、「緊急事態」のボタンを押された場合、親機1へ緊急事態確認メッセージを送るとともに、設定によっては、携帯情報端末2は所定の緊急通報先(救急車の要請、警察への通報、その他の設定された連絡先)への発信動作を行う。
また、携帯情報端末2は、前記ボタンアイコンの表示を行ってから所定時間内にユーザによる入力操作がなされない場合には、自発的に前記緊急通報先への発信動作を行う。
また、親機1は、緊急事態確認メッセージが送られると、登録されている全子機へその緊急事態を知らせるメッセージを送信する。
以下、ロケータに様々な機能を付けた実施例について説明する。
(実施例11)
図20は、ハンドフリー通話部90を設けたロケータ5の構成を示す。ハンドフリー通話部90は、マイク、スピーカ、ハンドフリー通話のための音声増幅部などを含む。
具体的には、携帯情報端末2とロケータ5との距離が離れ、携帯情報端末2にてロケータ5から受信される信号の受信レベルがある閾値以下に低下した場合に、見失い状態になる可能性が高いとして、報知部42から軽い確認音を鳴らす。これにより、双方が音声通話機能を起動し、通話することにより状況の確認を行うことができる。さらに、ユーザが入力キースイッチ66によって通話開始の操作をすることにより、ハンドフリー通話部90を動作させ、さらに、ロケータ5と携帯情報端末2との間で音声通話のチャンネルを設定し、音声通話が可能な状態になる。
例えば、図7のステップS8において、ロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2はロケータ呼出信号をロケータ5へ送り、このロケータ呼出信号に乗せて音声チャンネルを設定するコマンドを送る。また、ステップS27においてロケータ5はロケータ呼出信号に乗せて送られる音声チャンネル設定のコマンドに従って制御し、携帯情報端末2とロケータ5との間で音声チャンネルが設定される。
または、携帯情報端末2とロケータ5との間の通信状況にかかわらず、携帯情報端末2の操作によって携帯情報端末2からロケータ5へ呼出信号を送り、当該呼出信号の中に確認音を鳴らすコマンドを付加し、さらにハンドフリー通話部90を動作させるコマンドを付加してもよい。これにより、携帯情報端末2での通話開始の操作によってロケータ5のハンドフリー通話部90を強制的に動作させ、すぐに音声通話が可能な状態にできる。ロケータ5を子どもに持たせる場合には、この機能が有効である。
このように、ロケータ5にてハンドフリーでの音声通話を可能にし、例えば、屋外で携帯情報端末2とロケータ5とを別の人に持たせることにより、二人で別行動をする場合にDECTの通信が可能な範囲で簡易的な通話をすることができる。例えば、ショッピングストアなどにおいて二者で連絡を取り合う、または迷子になった子どもと話しながら探すことができるなどの効果がある。
または、ハンドフリーの音声通話を可能にしたロケータを犬などのペットに付けることにより、離れた場所からペットに声をかけることができ、ペットを言葉で呼び寄せたり、または、ペットの状態を把握したりすることができる。
(実施例12)
図21は、輝度センサー91を設けたロケータ6の構成を示す。所定レベルより明るい場合に、輝度センサー91は「ON」を出力し、所定レベルより暗い場合に輝度センサー91は「OFF」を出力し、この輝度センサー91の出力は制御部38に送られる。
例えば、図7のステップS8において、ロケータ用プロトコルに従って、携帯情報端末2はロケータ呼出信号をロケータ6へ送り、ステップS27においてロケータ6はロケータ応答信号を携帯情報端末2へ送る。その際、ロケータ6は、輝度センサー91の出力情報をロケータ応答信号に乗せて携帯情報端末2へ送る。
携帯情報端末2は、この輝度センサー91の出力情報により、その時にロケータ6が明るい場所にあるか、あるいは暗い場所にあるかの情報を操作表示部11に表示する。これにより携帯情報端末2のユーザは、ロケータ6を探す際に、ロケータ6の場所が明るい場所であるか暗い場所であるかの情報を知ることができ、より探し易くなる。
(実施例13)
図22は、角度センサー92を設けたロケータ7の構成を示す。角度センサー92は、ロケータ7が置かれている向きの変化を検出し、ロケータ7が静止しているか、または姿勢が変化しているかを示す情報を出力する。この角度センサー92の出力情報は制御部38に送られる。
例えば、図7のステップS27においてロケータ7が、ロケータ応答信号を携帯情報端末2へ送る際に、ロケータ7は、角度センサー92の出力情報をロケータ応答信号に乗せて携帯情報端末2へ送る。
携帯情報端末2は、この角度センサー92の出力情報により、その時にロケータ7が静止状態であるか、または移動状態であるかの情報を操作表示部11に表示する。これにより携帯情報端末2のユーザは、ロケータ7を探す際に、ロケータ7が静止状態であるか、または例えば他の人が持ち歩いている(または乗り物の上に乗っている)かの情報を知ることができ、より探し易くなる。