JP5329180B2 - ゴルフボールの力学的挙動の解析方法およびゴルフボール - Google Patents

ゴルフボールの力学的挙動の解析方法およびゴルフボール Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフボールの力学的挙動の解析方法およびゴルフボールに関するものであり、特に、計算機上に再現したモデルを用いて、ゴルフボールの変形を伴う物性を有限要素法によってシミュレーションする解析方法およびゴルフボールに関する。
有限要素法は、複雑な形状の物体を複数の要素に分割し、各要素において何らかの物理量を評価することによって、計算機上でその物体の特性を解析するための計算手法として知られている。この有限要素法を実際に用いる際には、使用者は必ずしも高度な材料力学や弾性力学の知識を持ち合わせていなくても、その物体において生じている現象を把握することができるという利点を有する。このため、有限要素法が各種の構造物や物体を対象として広く利用されている。
この有限要素法においては、評価する現象や物理量、あるいは物体の構造に応じて要素の集合を事前に生成する処理が行われる。この要素の生成の態様は、しばしばメッシュの切り方などとも呼ばれており、有限要素法の計算精度を大きく左右するものとして知られている。
一方、ゴルフボールなどの球体に近い立体形状を有する物体に対しても、例えば飛距離とコントロール性を両立したゴルフボールを設計することなどを目的として、適切な材質の選定や構造の決定のために、設計の段階において有限要素法が用いられている(例えば、特許文献1および2)。
有限要素法によってある物体の力学的挙動を解析するために用いられるひとつの理想的な要素モデルとして、全ての要素が小さな立方体によって構成されているモデルがある。しかしながら、このようなモデルによってゴルフボールの力学的挙動を解析することは、困難である。これは、ゴルフボールの形状が球であるために、モデル化された球体を要素に区切り、その要素のすべてを立方体で構成することが困難を伴うためである。そのため、精度、計算速度の向上の観点からさまざまな工夫が行われている。
図1および図2にゴルフボールを有限要素法によってシミュレーションするために用いられている従来の要素の設定手法を示す。図1は、特許文献1に開示される従来のゴルフボールのモデル100における断面のメッシュの様子を示す計算機生成画像である。このモデル100では、最外層領域106を細かいメッシュによって区切って計算が行われる。一般に、メッシュを細かくすることにより要素の数が増え、それに伴って節点の数が増加するため、最外層領域106における計算精度が高くなる。しかし、このモデルでは、内層領域102のメッシュにおいて、各要素の体積が外側に行くに従って大きくなるように区切られている。また、内層領域102の要素においては、アスペクト比も高くなる。よって、このモデル100のようなメッシュの切り方の場合には、最内層領域102の中心部102aが現実の材質の持つ物性値よりも硬くなるようにモデルが振舞ってしまう可能性が高く、計算機上で最内層領域内において均一な物性値が再現されているとは言い難い。また、この従来のモデル100におけるメッシュの切り方においては、最外層領域106のみの分割数が多くなるようにされているため、内側の要素を構成する立体の稜線上にも最外層領域の節点106aが存在することとなる。このため、最外層領域106とその内側の層の間に特殊な状態(剥離、応力集中)が計算上生じてしまう可能性が高いという問題点がある。
また、図2は、特許文献2に開示されるゴルフボールを模したモデル200の断面図である。このモデルは、内層領域202における要素が図1の従来のモデルの場合よりも均一に近くなりうるメッシュの切り方である。このモデルでは、内層領域202において各要素が六面体となるようにされ、それぞれの要素の節点数が8つになるように選ばれる(図3参照)。このモデル200では、計算精度を高めるため節点数を増やすには要素数を増加させる必要があり、要素の数の増加によってもたらされる計算量の増大によって処理に時間がかかる。つまり、このモデル200には、計算精度を保って処理時間を短くしたり、処理時間を保って計算精度を高めることが困難であるという問題点がある。また、この内層領域202での要素は、四角形フェースの内角を指定することによって作成されるため、中心から外層領域204や最外層領域206に近づくに従って要素の幅(各要素の立体的広がりのうち、中心を通る半径方向に垂直な面内の広がり)が広くなる(例えば、特許文献2、請求項4および5参照)。このため、そのような幅の広い要素におけるアスペクト比、すなわち、面の正方形からのずれが大きくなる傾向にある。そして、アスペクト比が大きくなると、その要素の長手方向に関して、要素が実際のゴルフボールの対応する部分を近似する精度が低下してしまう。よってこのようなモデル200では、計算の精度が低くなるという問題点がある。
特開2004−13652号公報 特開2003−288382号公報
以上の問題点を解消するためには、六面体によって表現される領域において、実際のゴルフボールと同様にできるだけ均一な物性が得られ、アスペクト比が大きくなりやすい最外層領域においても計算精度を向上させつつ計算時間が大幅に増加しないような効率的なゴルフボールモデルを作成する必要がある。
以下のような3つの条件を満たすモデルがゴルフボールの有限要素解析には望ましいことが分かっている。
まず、第1に全ての要素が六面体によって構成されることが望ましい。換言すれば、四面体要素が存在しないようなモデルが望ましい。図4には、四面体要素の例を示している。このような四面体要素が存在すると四面体要素の各面が三角形となり、他の要素(例えば外層領域や最外層領域の要素)の四角形の面と応力の近似の仕方が異なるような要素が生じてしまう。このような近似方法の違いは、全体の計算精度を低下させてしまう。
また、第2に、各要素のアスペクト比が1:1に近いこと、すなわち各要素の面が正方形に近いことが望ましい。アスペクト比は、要素の構成するすべての辺のうち、最短の辺の長さと最長の辺の長さの比として定められる。アスペクト比が大きい要素は、長い辺の方向に関する近似の精度が低下してしまう。第1の条件と第2の条件を組み合わせれば、立方体にできるだけ近いような要素がより好ましいものとなる。
そして、第3の条件として、メッシュにおける要素の分割数(要素数)を多くすることが望ましい。メッシュを細かくして要素を多く用いるほど、いわゆる弾性解に近づき、計算の精度が高まる。ただし、図2に関連して上述したように、従来の技術においてはメッシュを細かく分割すると要素が増えて計算時間が増加する課題が生じる。このため、第3の条件は、計算時間まで考慮する実用性を加味する観点から、計算精度と計算速度とを両立させうるようなモデル、すなわち、要素数を増やさずに精度を高めるモデルを作成するという条件に帰着される。
これら条件をゴルフボールに適用する場合の問題点として更に詳細に説明すると、第1の条件は、図5に示したような四面体要素が存在するようなモデル(モデル300)の場合に典型的に問題となる。すなわち、モデル300では、内層領域302の外側に外層領域304があり、さらに最外層領域306が設けられるが、内層領域302には、外層領域304から見てすぐ内側に四面体要素302aが形成されていて、この部分において計算の精度が低下し、モデル全体の計算精度に影響を与えてしまう。また、第2の条件は、ゴルフボールの形状がほぼ球体であるため、それをシミュレートするモデルにおける各要素をすべて正六面体とすること、実際の材質が層状に構成されているゴルフボールを近似する各領域において上記要素を均一な大きさに統一することに困難を伴う。さらに、第3の条件は、上述のいずれのモデルにおいても、メッシュの分割数(すなわち要素数)を計算速度と計算精度とを両立するように設定することができない問題として顕在化する。
本発明は、上記の条件を部分的にも満たしいくつかの問題点の少なくともいずれかを解決することを課題とする。
本発明においては、六面体により構成される要素の集合によってゴルフボールを模して表現するモデルを計算機上に準備するステップと、該要素の各頂点と各辺とに節点を設けるステップと、該ゴルフボールの変形を伴う力学的挙動を、該モデルの要素と節点とを用いて各節点を計算の出力点とする有限要素法によって計算するステップとを含むゴルフボールの解析方法であって、前記要素の形状のアスペクト比が1.0以上実質的に6.5以下でありるゴルフボールの力学的挙動の解析方法が提供される。また、本発明においては、そのような解析方法を用いて解析または設計されたゴルフボールが提供される。
また、本発明においては、要素と節点との集合によってゴルフボールを模して表現されるモデルを計算機上に作成するモデル作成方法であって、該モデルは、ゴルフボールの変形を伴う力学的挙動を該要素の各節点を計算の出力点として有限要素法によって計算するために用いられるものであり、前記ゴルフボールの中心または重心を含むコア領域中央部において六面体要素を3次元の各方向に同数配列されるように生成して、前記コア領域中央部の要素の集合を生成するためのデータを中央部定義データとして受け付けるステップと、前記コア領域中央部の最外面から前記ゴルフボールのコア領域の外面までの領域であるコア領域周縁部において、前記コア領域中央部の前記最外面に表れる前記六面体要素の頂点それぞれと前記中心または重心とを結び前記コア領域の表面に延びる線分からなる半径線分の集合と、隣接する半径線分における内分点を前記中心からみて同じ順番にあるもの同士を接続する線分の集合とを組み合わせて規定されるコア領域周縁部の要素の集合を生成するためのデータを周縁部定義データとして受け付けるステップと、前記コア領域の外面と、前記コア領域を内包する球の外面である外層領域外面との間の領域である外層領域において、前記半径線分それぞれを前記ゴルフボールの半径方向に外側に延ばした線分を用いて規定される外層領域の要素の集合を生成するためのデータを外層領域定義データとして受け付けるステップと、前記外層領域表面と、前記外層領域を内包する球の外面である最外層領域外面との間の領域である最外層領域において、前記半径線分それぞれを前記半径方向に外側に延ばした線分を用いて規定される最外層領域の要素の集合を生成するためのデータを最外層領域定義データとして受け付けるステップと、前記コア領域と外層領域と最外層領域とのそれぞれの各要素において、各頂点の位置と各辺の上の位置とに節点を定めるための節点データを生成するステップと、前記コア領域と外層領域と最外層領域とのそれぞれに対応付けて、前記ゴルフボールの材質を模するための物性データを受け付けるステップと、前記中央部定義データと前記周縁部定義データと前記外層領域定義データと前記最外層領域定義データとによって前記ゴルフボール全体の要素の集合を生成し、生成された要素それぞれに、当該要素が属する領域の物性データと前記節点データとを関連付けして、前記ゴルフボールの力学的挙動をソルバーによって計算するためのデータを生成するステップとを含むモデル作成方法が提供される。
本発明の解析方法を用いることにより、ゴルフボールを模した適切なモデルが得られるため、有限要素法によってモデルとして再現されたゴルフボールの力学的挙動を適切に解析することができる。これにより、ゴルフボールの力学的挙動を有限要素法によって解析する際の計算精度を高めることができ、あるいは、同じ計算精度を保って計算の処理速度を高めることができる。これらの結果、例えば飛距離が大きくなるための材質の選択や構造の選択が容易に行えることとなる。これにより、高い性能のゴルフボールの解析や設計を容易にすることができるようになる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、一例として、ゴルフボールを打撃して飛翔させる状況を計算機上でシミュレートして、例えばスリーピースタイプのゴルフボールの内層領域(コア)や外層領域(中間層)または最外層領域(カバー)の材質や各層の厚みなどのゴルフボールの構造設計を行う際に、実験を伴わず、あるいは実験の工程を削減して、ゴルフボールの力学的挙動を予測するような解析を対象とする。ここでの力学的挙動の解析対象となる物理量あるいは物性は、巨視的にはゴルフボールの変形を伴うものであり、さらに、初速、打出角、スピンなどのゴルフボールの運動に関わる性質を含み、微視的にはゴルフボールの各部位のひずみや応力も含む。これらの対象となる力学的挙動は、時間的な変化を問題にしない静的な挙動、および、過渡的な変化を問題にする動的な挙動も含む。また、本発明の解析方法は、これらの力学的挙動を評価しながら連続的あるいは順次に材質や構造を変更するパラメータを仮定して、そのパラメータのある範囲にわたって連続的に計算を行うバッチ処理や、その力学的挙動を直接または何らかの評価関数により評価しながらパラメータの最適値を求める最適化処理なども含む。
図6は、本発明の解析方法10を示すフローチャートである。処理を開始すると、プリプロセッサにおいて、計算対象となるゴルフボールのモデルの生成などの準備が行われる(ステップ12)。この際にどのようなモデルをどのように生成するについての詳細は後述する。次いで、生成されたモデルを対象にして、主に行列計算を行うソルバーを用いて、モデルが示す力学的挙動が計算される(ステップ14)。このときの計算は、有限要素法によって行われる。そして計算された力学的挙動を評価したり、その計算結果を可視化する処理が、ポストプロセッサによって行われる(ステップ16)。ポストプロセッサを用いた評価の結果、例えばゴルフボールの材質を変更したり、構造を変更するような条件の変更が評価者によって意図されると、それに応じて再びプリプロセッサによって改良したモデルが生成されたり、改良した条件が設定される場合もある。ここで、改良したモデルは、例えば、層の厚みを変更することによる要素の座標の変更を伴い、また、改良した条件は、例えば、材質の変更などの条件の変更を含む。このように、本発明の解析方法においては、モデルを生成することによって有限要素法による解析が実行されるため、どのようなモデルを準備するかによって、計算されるゴルフボールのモデルのその後の挙動が大きな影響を受け、ひいては、計算全体の精度や速度も影響を受ける。次に、本発明の解析方法によって用いられるゴルフボールの有限要素法モデルの特徴について説明する。
図7は、ゴルフボールの力学的挙動を計算機上にてシミュレートするために用いる本発明のモデル20の断面図を示す計算機表示画像である。また、図8は、本発明の実施形態において用いるモデルの内層領域(コア領域)における各要素30における節点32の配置を示す説明図である。
計算機上のモデルは、それ自体はコンピュータによる読み取りが可能な何らかの記録媒体に記録されたデータ列により表現されて定義される。モデルを表現するこのデータ列を用いて有限要素法の計算を行い、対象物であるゴルフボールの力学的挙動のシミュレーションが実行される。モデルを定義するデータ列は、その計算に必要な全てのデータのうち、少なくとも、各要素を定義可能な節点の位置データ、節点同士のつながりを何らかの形で再現できる連結状態に関するデータを含んでいる。そのデータ列は、任意選択として、各要素の材質を反映する材質に関するデータを含み、場合によっては、その他の付随的なデータを含むこともある。要素や節点はこのようなデータによって定義されるものではあるが、三次元的な空間配置を示すことによって本発明の解析手法に用いられるモデルを以下説明する。
図7の内層領域22(コア領域)には、六面体の形状を有するソリッド要素を配置している。この六面体の要素それぞれには、図8に示したように、20個の節点32を設ける。ここで、通常の六面体の要素を用いる場合には、六面体の要素の8個ある頂点にのみ節点を配置する(図3)。本発明の実施形態では、このような頂点に加え、本発明の実施の形態では、各辺の中点にも節点を追加し20個の節点32を用いる。
図8に示した六面体には、頂点A〜Hの8つの頂点が存在する。節点の配置の様子を具体的に説明すれば、面ABCDは辺(エッジ)AB、BC、CDおよびDAによって囲まれている。これらの各辺には、中点MAB、MBC、MCDおよびMDAが設けられている。そして節点は、この面ABCDに関しては、頂点A〜Dの4つの頂点だけではなく、中点MAB、MBC、MCDおよびMDAにも設けられている。他の面およびそれに関連する中点についても同様である。本発明の実施の形態においては、六面体の辺となる全ての辺に同様の中点が設けられ、それらが節点となっている。
図7の内層領域(コア)22は、ゴルフボールのモデルの中心を中心として有する球面によって外層領域(中間層)24から隔てられており、同様に、外層領域(中間層)24は、より大きな半径の同様の球面によって最外層領域(カバー領域)26から隔てられている。外層領域24および最外層領域26における要素もソリッド要素としている。
なお、本発明全般にわたり、六面体とは、数学的な六面体、つまり、6つの平面によって囲まれる立体にはかならずしも限定されない。各面が完全な平面ではなく、その面を規定する4つの頂点のうちひとつの頂点が他の3つの頂点によって作られる平面から外れているような変形を受けた面も含まれる。この平面からの変形は、計算によって変形がシミュレートされた結果そのように変形したものであっても、あるいは、要素が生成された段階からそのような平面からの変形を有するものであってもよい。実際の要素では、この変形量は微小なものであることがほとんどである。
また、このような場合を含めて本発明のアスペクト比は定義される。アスペクト比は、メッシュすなわち要素が準備された段階におけるある要素について求められる。すなわち、ある要素についてのアスペクト比とは、その要素のすべての辺のうち、最長の辺の長さを最短の辺の長さによって除算した値として定義する。これを図8の要素30について適用すれば、アスペクト比は、辺AB、BC、CD、DA、EF、FG、GH、HE、AE、BF、CG、およびDHのうち最長の長さを有する辺の長さを最短の長さの辺の長さによって割って算出される。
[メッシュ生成]
図7のモデル20においては、ソリッド要素を用いてモデル化された外層領域24および最外層領域26において、計算の目的や条件によっては、ソリッド要素の代りにシェル要素を用いることもできる。上述のソリッド要素は、比較的多数の節点を用いて計算を行うことができ、弾性のみならず粘性がある材質(例えば、ゴム系の材質などを含む)を良好にシミュレーションすることができるような要素でありその計算精度も高い。これに対し、外層領域24や最外層領域26として用いる素材がそのような粘性を考慮しなくてもよいような条件の場合には、ソリッド要素ではなくシェル要素とする計算であっても十分に良好な計算精度が得られる。このような条件の例としては、時間変化を無視できるような条件や、ゴルフボールのカバーに硬度が高く粘性の効果を考えなくてよい材料を用いる素材とする静的な条件がある。なお、シェル要素では、ソリッド要素を用いる場合に比べて計算量が削減できるため、計算の速度が比較的速いという特徴がある。
図7に示したモデル20は、上述のように、プリプロセッサを用いて準備される(図6ステップ12)。このようなモデルを準備するための具体的な手段について更に詳細に説明する。本発明の実施の形態では、一例として、3D−CADを用いて各要素を得るための面を定義した後に、プリプロセッサが用いられる。具体的には、この例の場合、まず、3D−CADによって球体のゴルフボールを表現する球と、その球の内部において最終的にメッシュの各要素を得るための面とのジオメトリを定義する。その後、それらのジオメトリに対してプリプロセッサによってメッシュを生成する。
メッシュの生成に先立ち、まず、内層領域、外層領域および最外層領域を定義する。ゴルフボールの中心に相当する位置に座標原点Oを取ったxyz座標において、半径をrとした場合にr<r<rとなるr,rを用いて、{x,y,z|r=(x+y+z1/2≦r}を満たす領域を内層領域(図7の符号22)とし、以下同様に、{x,y,z|r<r≦r}を外層領域(図7の符号24)、{x,y,z|r<r≦r}を最外層領域(図7の符号26)となるように定義する。r、rの値(寸法)は、シミュレートするゴルフボールのコア、中間層、カバーの寸法に合わせる。なお図7においては、r、rの半径を持つ球の断面となる円が、それぞれ内層領域22と外層領域24との間を仕切る境界、および、外層領域24と最外層領域26との間を仕切る境界として太線により示されている。以下、断りがない限り、球の持つ対称性に着目して、x、y、zの全てが正となる象限に限定して説明する。
内層領域、外層領域、および最外層領域の範囲を定めた後、内層領域22のメッシュを生成する。この内層領域22は、大別すれば、中央部224と周縁部222とに分けてメッシュが生成される。中央部224は、中心(原点)を含み、歪んだキューブがx、y、zの方向に同数積層されて構成されており、yz平面については、図7において原点Oから、y軸およびz軸に明示された点226y、点226zのそれぞれによって張られる四辺形の領域をyz平面での切断面とするように広がる。このとき、原点Oから点226yおよび点226zまでのそれぞれの長さ(点226yのy座標値、点226zのz座標)は等しいが、原点Oの対角となる点228は、四辺形O−226y−228−226zが正方形となる場合から原点に近づくように移動した位置にある。図示されないxy平面およびzx平面についても同様である。更に、中央部224は、直線x=y=z上に原点0から最も離れた頂点を有する。yz平面における四辺形O−226y−228−226zと、これに相当するxy平面およびzx平面における四辺形それぞれと、直線x=y=z上の上記頂点によって定まる範囲は、xyzが全て正であるような半空間において六面体をなす。なお、上述のようにここでの六面体は、数学的な意味で各面が完全な平面であることを要さない。x、y、zの少なくともいずれかが負となるような象限についても同様に繰り返すことにより、中央部224の境界が定まる。
内層領域22のメッシュは、まず、このようにして定まる中央部224の内部において、均等に12×12×12の領域となるように生成する。このメッシュの生成は、x、y、zの全てが正となる象限に限定すれば、6×6×6の領域になるようにされる。生成されたメッシュは、一つ一つが歪んだキューブ形状の立体であり、エッジは、中央部224のうちの特定の象限内では互いに接する要素のエッジをつなげても折れ線ではなく直線となる。メッシュの分割数についてはこれらに限定されない。このメッシュは、例えばユーザからの入力を受け付けたり適当な電子ファイルを受け付けることによって中央部定義データを受け付けると、プリプロセッサの機能によって自動的にメッシュを生成することができる。この中央部定義データは、図7のモデルを例として示せば、点226yのy座標値や点226zのz座標などの中央部224それ自体のサイズを決めるための数値、直線x=y=z上に原点0から最も離れた頂点の位置などの中央部224の形状を決めるための数値、中央部に並べる要素の数などの中央部224におけるメッシュの生成サイズを決めるための数値を含む。
次に内層領域22のうちの周縁部222のメッシュを生成する。周縁部222は、中央立体部224を取り囲み最外面を外層領域24に内接させている。周縁部222のメッシュを生成するためには、まず、中央部224の最外面に表れるメッシュの各交点(要素の頂点)と原点Oとを通る直線を多数延ばす。そしてその直線のそれぞれにおいて、中央部224と周縁部222の間の境界と、半径rの球面との間として規定される線分を求める。この線分を以下半径線分といい、その例は、図7の線分230である。さらにその線分それぞれの上に、各半径線分のうち周縁部222にある部分を三等分する内分点を二つ設ける。そうして、中央部224と周縁部222の間の境界の面上において、互いにエッジによりつなげられている半径線分の対を選択する。その対のそれぞれの半径線分にある上記内分点のうち、原点Oから同じ順番にあるもの同士を互いに接続する線分を新たなエッジとする。これに、半径線分それ自体をエッジとして加えて、メッシュを生成する。この処理を全ての半径線分の対に対して行うことにより、周縁部222のメッシュは完成する。このようなメッシュを定義するためのデータを本発明では周縁部定義データとよぶ。このデータは、ユーザがプリプロセッサを操作して対話的に生成しても良いし、全て自動で生成したり一部自動で生成しても良い。メッシュを生成するためには計算機はこの周縁部定義データを呼び出す。この周縁部定義データには、上述の例では、半径(r)のように周縁部全体の大きさを定めるためのデータを含めることができ、さらには、半径線分に内分点を取るかどうか、もし内分点を取るとすれば何等分するかを決めることができるデータを含むことができる。
そして、外層領域24のメッシュは、上記半径線分を利用し、各半径線分が半径rの球面および半径rの球面と交わる点を求めてそれらをつなぐエッジと、半径線分それ自体によるエッジとにより生成される。外層領域24では半径方向には分割しない。同様に、最外層領域26のメッシュも生成される。外層領域24の処理のためには、外層領域定義データが計算機によって呼び出される。この外層領域定義データにも、半径(r)のように、外層領域全体の大きさを定めるためのデータや、外層領域での内分点についてデータを含むことができる。同様に最外層領域26の処理のためには、最外層領域定義データが計算機によって呼び出される。最外層領域定義データにも、外層領域定義データと同様のデータを含むことができる。
[節点付与]
次に、各頂点と、隣接する2つの頂点の中点とを節点とする。ここで、隣接する2つの頂点とは、共通のエッジに属する隣り合った2つの頂点であり、互いの距離によって隣接しているかどうかが判定されるのではない。節点を指定するための条件のデータはユーザの選択を受け付けることなどによって得ることができるので、上記プリプロセッサによってメッシュを切る段階において各要素に20節点が自動的に設定されるように条件を定義することができる。
[素材パラメータ付与]
そして、各要素には素材パラメータが与えられる。シミュレーションしたいゴルフボールにあわせて、要素ごとに弾性を指定するためのパラメータ、および粘性(包括的に物性という)を指定するためのパラメータなどのシミュレーションに必要なパラメータ(物性データ)が与えられる。シミュレーションの目的がカバー、中間層、コアの各寸法を維持したまま素材のみを変更して素材による力学的挙動の変化を求めるようなものである場合には、メッシュの生成や節点の付与は予め行っておいて、素材パラメータのみを所定の値の範囲から順次選択するように動作させることもできる。以上のような処理によって、本発明ではソルバー(ステップ14)が計算に用いるためのデータを生成することができる。
[実施形態1]
本発明のある態様においては、コア領域における各要素の各面において、アスペクト比が1.0以上約1.5以下とされる。また、さらに好ましい態様においては、当該アスペクト比が1.0以上約1.35以下とされる。これらに規定されるアスペクト比を有するモデルを用いる解析方法においては、ゴルフボールの球形の形状に対して良好な解析を行うことができる。
さらに、本発明においては、コア領域以外を含めたソリッド要素の全てにおいて、アスペクト比が1.0以上約4.5以下となっていると、良好な解析を行うことができる。また、さらに好ましくは、アスペクト比が1.0以上約2.5以下になっていると、良好な解析を行うことができる。
このように、コア領域以外を含めたソリッド要素のアスペクト比が約6.5になる場合には計算精度が得られていないが、それに比べて、当該アスペクト比が約4.5となる場合には良好な計算精度がえられ、さらに当該アスペクト比が約2.5の場合にはさらに良好な計算精度による解析が行える。
[実施形態2]
また、アスペクト比ではなく、体積比によってコア領域の要素を規定することもできる。コア領域の最大の体積を有する要素の体積が、最小の体積を有する要素の体積の約3.5倍以下、より好ましくは約2.5倍以下の体積を有していると、良好な解析を行うことができる。
このように、コア領域の要素の体積比が4.5になる場合には十分な計算精度が得られていないが、当該体積比が約3.5となる場合には良好な計算精度が得られ、さらに当該体積比が約2.5の場合にはさらに良好な計算精度が得られ、良好な解析を行うことができる。
[実施形態3]
本発明の実施形態においては、モデル内の節点の数が有限要素法の出力点の数を示している。このため、本実施の形態では、出力点が増えて計算精度が向上する効果がある。これを確認するため、要素に設けられる節点の数を8〜20の間で変化させて解析を行った。その結果、節点の数を8、12、16とした場合には十分な計算精度が得られていないが、それに比べて、当該節点の数を20とした場合には、良好な計算精度による解析が行える。
[実施形態4]
さらに、本発明のある実施態様においては、中央部定義データ、周縁部定義データ、外層領域定義データ、および、最外層領域定義データから、全要素の形状からアスペクト比を算出したり、コア領域における要素の形状のアスペクト比を算出したり、コア領域内の要素から体積比を算出することができる。このためには、各データから要素の幾何学的形状を算出するための数値計算処理実行部を計算機が有することができる。これにより、ソルバーによってモデルを用いた実際の有限要素法の計算を行う前に、全要素の形状からのアスペクト比や、コア領域における要素の形状のアスペクト比や、コア領域内の要素の体積比の数値を得ることができる。このような数値は、例えば、ユーザに提示することにより、ユーザは自ら作成したモデルの特徴を認識することができる。これにより、ユーザはモデルの改良のために試行錯誤する時間を節約することができる。
本発明の実施形態2、3に関する実施例として、上記各実施形態において述べた各特徴を反映するモデルA1、A2、B1、B2、C1およびC2によってゴルフボールの変形量を計算する。そして各モデルの変形量を、実際のゴルフボールの変形量と比較する。
モデルA1、A2、B1、B2、C1およびC2は、いずれも全体の直径が42.7mmとなるように作成されたゴルフボールの有限要素法のモデルであり、内部にはコア、中間層、カバーからなる構造を有している。これらのモデルにおいて、モデルA1とモデルA2は、メッシュによって決まる要素の生成態様、および、各要素に対応付ける物性値が互いに同一である。モデルA1とモデルA2との違いは、各要素に付与する節点数がモデルA1では8であるのに対し、モデルA2では20であるという点である。同様に、モデルB1とB2は、要素の生成態様および各要素に対応付ける物性値が互いに同一にされており、モデルC1とC2についてもこれらが互いに同一にされている。各要素の節点数は、モデルA1とA2の関係と同様に、モデルB1、C1では8であるのに対し、モデルB2、C2では20となっている。以後、モデルA1、A2を集合的にモデルAと記載する。モデルB、Cについても同様に記載する。
モデルAは基準となるモデルであり、モデルBはコアの要素数をモデルAよりも増加させたモデルであり、そして、モデルCはコアの要素のうちの最大体積の要素と最小体積の要素の体積比(以下、単に「体積比」という)をモデルAよりも大きくなるようにしたモデルである。ここで、モデルAとBは、図7に記載した構造のモデルであり、モデルA、B、Cの相違点は数値のみによって表現できるものではないが、モデルAはコアを2層、中間層を1層、カバーを1層の合計4層で構成されるモデルであり、モデルBおよびCはコアを5層、中間層を1層、カバーを1層の合計7層で構成されるモデルである。
各モデルの要素には、各層の材料に準じた比重やポアソン比、ヤング率、径φなどのパラメータを持たせている。
各モデルを用いた計算は、「130kg硬度変形量」とよぶ数値を計算する。上記構造のモデルA、Bに対して実際のゴルフボールの物性値や形状のパラメータを用いた計算を行い、モデルCについても同様にゴルフボールの物性値や形状のパラメータを反映させて計算を行う。表1には、その計算に用いるモデルA1、A2、B1、B2、C1およびC2それぞれにおけるモデルの特徴と計算結果を示す。モデルの特徴としては、全体最大アスペクト比、コア最大アスペクト比、コア内体積比、要素数を示している。ここで、全体最大アスペクト比とは、全要素のアスペクト比のうちの最大値をいい、コア最大アスペクト比とはコアの要素のアスペクト比のうちの最大値をいい、コア内体積比とは、コア領域内の要素において最小の体積を有する要素の体積に対する最大の体積を有する要素の体積の比をいい、要素数はモデル全体でカウントした要素数をいう。計算結果は、上記の130kg硬度変形量の計算値である。
Figure 0005329180
図9は、上記の計算結果をグラフによって示したものである。図9の横軸はコア内体積比であり、縦軸は計算結果の130kg硬度変形量である。図9には、モデルA1,B1,C1の計算結果から最小二乗法によって算出される直線を鎖線L1によって記載し、同様に、モデルA2,B2,C2の計算結果からの直線も一点鎖線L2によって記載している。これらの直線にはその直線自体の数式による表現も記載している。これらに加え、図9にはグラフ中にゴルフボールによって実測した変形量の値2.27mmを示す点線Eも明示している。
図9において、まず、モデルA1とモデルB1を比較する。モデルA1とモデルB1は、表1に示したように、いずれも要素あたりの節点が8にされている点で共通しており、モデルB1がモデルA1の要素数を増大させたものに当たるという関係にある。このような関係にあるモデル同士では、要素数が増大すると精度の高い計算(現実の値に近い計算)が可能になるという命題が成り立つようにも見える。しかし、この命題を、要素あたりの節点が20にされているモデルA2とモデルB2との間で説明しようとすると矛盾が生じる。すなわち、要素数の多いモデルB2は、モデルA2よりも点線Eにより示される現実の値から離れてしまっている。このように、変形量を正確に再現する計算を実現する上においては要素数を増大させることは必ずしも充分とはいえないことがわかる。むしろ、モデルA1から見たときに、要素数を増加させてモデルB1のようにするよりも、節点数を増加させてモデルA2のようにするほうが計算精度への寄与が大きいといえる。
さらに要素の形状についてみると、モデルAより多くモデルBより少ない要素数を有するモデルCをモデルAあるいはBと比較することにより、6面体よりも4面体要素に似た要素を有するモデルでは、計算精度が劣ることもわかる。
また、図9は、直線L1およびL2によって示されるように、コア内体積比が小さい場合により計算精度がより高まるという一般的傾向も示している。すなわち、モデルA1,B1,C1の系列の示す傾向も、モデルA2,B2,C2の系列の示す傾向も、いずれもコア内体積比が1に近づくほど計算精度が向上している。
以上のように、計算精度を向上させるためには、8節点のモデルを用いるよりも20節点のモデルを用いるべきであること、6面体の要素によって表現されるモデルを用い、四面体に近い形状の要素を用いないこと、さらに、体積比が小さいモデルを用いることが有効といえる。
なお、有限要素法においてこのような計算を行う場合には、計算時間は主として六面体要素の数に依存する。このように、本発明の実施形態においては計算精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形、変更および組み合わせが可能である。
図1は、従来のゴルフボールのモデルの例において断面図を示す計算機表示画面である。 図2は、従来のゴルフボールのモデルの他の例において断面図を示す計算機表示画面である。 図3は、従来の有限要素法において用いられる六面体要素の例を示す説明図である。 図4は、従来の有限要素法において用いられる四面体要素の例を示す説明図である。 図5は、従来の有限要素法において用いられるゴルフボールのモデルを示す断面図である。 図6は、本発明の解析方法の処理工程を示すフローチャートである。 図7は、本発明のある態様におけるゴルフボールのモデルの断面図を示す計算機表示画面である。 図8は、本発明のある態様において用いられる六面体要素の例を示す説明図である。 図9は、本発明の実施例であるゴルフボールのモデルによって計算した変形量を示すグラフである。
符号の説明
10 解析方法
20 ゴルフボールモデル
22 内層領域(コア領域)
24 外層領域(中間層)
26 最外層領域(カバー領域)
30 要素
32 節点

Claims (10)

  1. ゴルフボールの力学的挙動を、プリプロセッサを備えた計算機によって解析する方法であって、
    前記プリプロセッサが、六面体により構成される要素の集合によってゴルフボールを模して表現するモデルを生成するステップであって、前記生成されるモデルは、
    前記要素の形状のアスペクト比が1.0以上6.5以下であり、
    前記モデルが、前記ゴルフボールの中心または重心を中心とする球面によって互いに区切られる複数の領域に区分され、
    前記複数の領域が、ゴルフボールの中心または重心を内部に含むコア領域と、前記コア領域の外側に位置する外層領域とを含み、
    前記外層領域の六面体の要素は、前記コア領域の六面体の要素に比べて半径方向により細かい区分に分割されることなく定義され、
    前記コア領域内の要素において、最小の体積を有する要素の体積に対する最大の体積を有する要素の体積の比である体積比が、1以上3.5以下である、ステップと、
    前記プリプロセッサが、前記六面体の要素の各頂点と各辺とに節点を自動的に設定するステップと、
    前記計算機が、前記プリプロセッサにより生成された前記モデルおよび前記節点のデータを読み取り、前記ゴルフボールの変形を伴う力学的挙動を、前記モデルの要素と節点とを用いて各節点を計算の出力点とする有限要素法によって計算するステップと
    を含むゴルフボールの解析方法。
  2. 前記要素の少なくともいくつかがソリッド要素であり、該ソリッド要素には節点が20以上設けられる請求項1に記載の解析方法。
  3. 前記要素の少なくともいくつかがソリッド要素であり、前記各辺に設けられる節点が各辺の中点に置かれる請求項1に記載の解析方法。
  4. 前記領域のいずれかがシェル要素の集合によって表現されている請求項1に記載の解析方法。
  5. 前記モデルは、前記ゴルフボールの中心または重心を内部に含むコア領域において、各要素の形状のアスペクト比が1.0以上1.5以下となっている、請求項1に記載の解析方法。
  6. 前記モデルは、前記コア領域における各要素の形状のアスペクト比が1.0以上1.35以下となっている、請求項5に記載の解析方法。
  7. 前記モデルは、該モデルに含まれている全ての要素において要素の形状のアスペクト比が1.0以上4.5以下となっている、請求項1に記載の解析方法。
  8. 前記モデルは、前記体積比が1以上2.5以下となっている、請求項に記載の解析方法。
  9. 要素と節点との集合によってゴルフボールを模して表現されるモデルを、プリプロセッサを備えた計算機作成するモデル作成方法であって、該モデルは、ゴルフボールの変形を伴う力学的挙動を該要素の各節点を計算の出力点として有限要素法によって前記計算機が計算するために用いられるものであり、
    前記プリプロセッサが、前記ゴルフボールの中心または重心を含むコア領域中央部において六面体要素を3次元の各方向に同数配列されるように生成して、前記コア領域中央部の要素の集合を生成するためのデータを中央部定義データとして受け付けるステップと、
    前記プリプロセッサが、前記コア領域中央部の最外面から前記ゴルフボールのコア領域の外面までの領域であるコア領域周縁部において、前記コア領域中央部の前記最外面に表れる前記六面体要素の頂点それぞれと前記中心または重心とを結び前記コア領域の表面に延びる線分からなる半径線分の集合と、隣接する半径線分における内分点を前記中心からみて同じ順番にあるもの同士を接続する線分の集合とを組み合わせて規定されるコア領域周縁部の要素の集合を生成するためのデータを周縁部定義データとして受け付けるステップと、
    前記プリプロセッサが、前記コア領域の外面と、前記コア領域を内包する球の外面である外層領域外面との間の領域である外層領域において、前記半径線分それぞれを前記ゴルフボールの半径方向に外側に延ばした線分を用いて規定される外層領域の要素の集合を生成するためのデータを外層領域定義データとして受け付けるステップと、
    前記プリプロセッサが、前記外層領域表面と、前記外層領域を内包する球の外面である最外層領域外面との間の領域である最外層領域において、前記半径線分それぞれを前記半径方向に外側に延ばした線分を用いて規定される最外層領域の要素の集合を生成するためのデータを最外層領域定義データとして受け付けるステップであって、最外層領域の要素は半径方向により細かい区分に分割されない、ステップと、
    前記プリプロセッサが、前記コア領域と外層領域と最外層領域とのそれぞれの各要素において、各頂点の位置と各辺の上の位置とに節点を定めるための節点データを生成するステップと、
    前記プリプロセッサが、前記コア領域と外層領域と最外層領域とのそれぞれに対応付けて、前記ゴルフボールの材質を模するための物性データを受け付けるステップと、
    前記プリプロセッサが、前記中央部定義データと前記周縁部定義データと前記外層領域定義データと前記最外層領域定義データとによって前記ゴルフボール全体の要素の集合を生成し、生成された要素それぞれに、当該要素が属する領域の物性データと前記節点データとを関連付けして、前記ゴルフボールの力学的挙動をソルバーによって計算するためのデータを生成するステップと
    を含み、
    前記周縁部定義データとして受け付けるステップおよび前記中央部定義データとして受け付けるステップにおいて、前記コア領域中央部および前記コア領域周縁部の六面体要素を生成する際に、前記コア領域中央部および前記コア領域周縁部の要素において、最小の体積を有する要素の体積に対する最大の体積を有する要素の体積の比である体積比が、1以上3.5以下である、モデル作成方法。
  10. 前記モデルの要素数が2816〜4352個である請求項1に記載の解析方法。
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