JP4805178B2 - ゴルフボールの解析モデルの作成方法 - Google Patents

ゴルフボールの解析モデルの作成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4805178B2
JP4805178B2 JP2007023240A JP2007023240A JP4805178B2 JP 4805178 B2 JP4805178 B2 JP 4805178B2 JP 2007023240 A JP2007023240 A JP 2007023240A JP 2007023240 A JP2007023240 A JP 2007023240A JP 4805178 B2 JP4805178 B2 JP 4805178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mid
golf ball
model
elements
layer model
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007023240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008191772A (ja
Inventor
昌也 角田
Original Assignee
Sriスポーツ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sriスポーツ株式会社 filed Critical Sriスポーツ株式会社
Priority to JP2007023240A priority Critical patent/JP4805178B2/ja
Publication of JP2008191772A publication Critical patent/JP2008191772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4805178B2 publication Critical patent/JP4805178B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、コンピュータを用いてゴルフボールの数値解析を行う際に用いられる解析モデルの作成方法に関する。
近年、コンピュータを用いたゴルフボールの数値解析(シミュレーション)が行われている。この解析では、例えば、ゴルフボールを有限個の要素で分割して解析モデルを作成し、これに所定の境界条件を与え、微小時間毎にその変形計算が行われる。そして、微小時間毎に出力される変形計算の結果に基づいて、例えばゴルフボールがクラブヘッドと衝突した時の変形挙動などが可視化される。先行する技術としては、次のものがある。
特開2004−13652号公報
ゴルフボールの表面には、通常、円形や多角形の輪郭を有して小さい深さで窪むディンプルが多数設けられている。このようなディンプルは、その深さ、形状、個数及び配置によって、ゴルフボールの飛距離やスピン性能に大きな影響を与える。しかしながら、これまでのゴルフボールの解析モデルには、その表面にディンプルが設けられていなかったので、例えば、このような解析モデルを数値解析して得られたゴルフボールのスピン性能と、実際のディンプルを有するゴルフボールの実験結果との間には大きな乖離があった。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、有限個の四面体要素を用いて表面に複数個のディンプルを有しかつ最も外側に配置される外層モデルを作る工程と、有限個の六面体要素を用いて外層モデルの内側に配置される内層モデルを作る工程とを含むことを基本として、例えば円形輪郭を有するディンプルを解析モデルの表面に容易に形成でき、ひいては解析結果を現実のゴルフボールのそれにより近似させることができるゴルフボールの解析モデルの作成方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ゴルフボールの数値解析を行う際に用いられるゴルフボールの解析モデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
前記コンピュータが、有限個の四面体要素を用いて表面に複数個のディンプルを有しかつ最も外側に配置される三次元の外層モデルを作る工程と、
前記コンピュータが、有限個の六面体要素を用いて前記外層モデルの内側に配置される球体状の内層モデルを作る工程と、
前記コンピュータが、前記外層モデルの内周面と、前記内層モデルの外周面との相対距離が変化しないようにこれらの面を結合する工程とを含み、
前記内層モデルは、キューブコア部と、
前記キューブコア部と前記外層モデルとの間に配置されたミッド部とからなり、
前記ミッド部は、半径方向に重ねられた複数のミッド層からなるとともに、
このミッド層を形成する工程は、
前記キューブコア部の中心を中心としかつ該キューブコア部を囲むとともに半径が異なる複数の仮想の小球体を設定する処理と、
前記中心から前記キューブコア部の外面に表れる節点を通って外方にのびる半径線を計算し、この半径線と前記各小球体との交点を求める処理と、
前記交点を節点としてこれらを継ぐことにより、仮想の球体間や、キューブコア部と仮想の球体との間に、六面体要素が周方向に連なる殻状の前記ミッド層をそれぞれ形成する処理と、
逐次分割生成されるミッド層の六面体要素の体積を計算する処理と、
該体積が予め定めた閾値を超える場合に、その六面体要素の前記小球体に面する面をm×m(mは2以上の整数)の碁盤状に等分割して新たな節点を設定する処理と、
前記新たな節点から半径方向外側にのびる半径線を引き、この半径線と仮想の小球体との交点を新たな節点として追加する処理と
前記新たな節点を用いて再分割することにより、該ミッド層の要素数が半径方向内側に向かって段階的に減少することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記外層モデルは、前記四面体要素が周方向に連なることにより形成される殻状の層が半径方向に複数重ねられて形成される請求項1記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法である。
また請求項3記載の発明は、前記各殻状の層の要素の数は、前記内層モデルの外周面に表れる要素の数よりも大きい請求項2記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法である。
また請求項4記載の発明は、前記ミッド層の層数は、20以上かつ50以下であることを特徴とする。また、請求項5記載の発明は、前記ミッド部は、要素数が異なるグループを3〜5含むことを特徴とする。さらに、請求項6記載の発明は、前記ミッド部は、半径方向最内側のミッド層の六面体要素の体積Viと、半径方向最外側のミッド層の六面体要素の体積Voとの比(Vo/Vi)が0.5以上1.2以下であることを特徴とする。
本発明のゴルフボールの解析モデルの作成方法では、有限個の四面体要素を用いて表面に複数個のディンプルを有しかつ最も外側に配置される外層モデルが作られる。ディンプルは、例えば円形輪郭を有して球面状に凹むものや、多角形状の輪郭を有して円錐状に凹むものなど種々の形状で構成されるが、四面体要素は、六面体要素に比べて上述の複雑な三次元形状を容易に作ることができる。従って、解析モデルの表面にディンプルを精度良く形成することを可能とし、ひいては解析結果を現実のゴルフボールのそれにより近似させ得る。
また、外層モデルの内側に配置される内層モデルは、有限個の六面体要素を用いて作られる。このような内層モデルは、ディンプルのない球体状であるため、六面体要素を用いて簡単に形成しうる。また、打球時におけるゴルフボールの変形量は、その内側ほど小さいので、細かく要素分割する必要はあまり無い。にも拘わらず、内層モデルを四面体要素で作ると、要素数が過度に増加して多くの計算時間を要する場合があるが、本発明ではこのような不具合をも防止できる。
さらに、両モデルは、外層モデルの内周面と内層モデルの外周面との相対距離が変化しないように結合される。このため、外層モデルと内層モデルとの間で力及び変形が伝達されるので、ゴルフボールの変形挙動を精度良く計算することができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本実施形態に係るゴルフボールの解析モデル1(以下、単に「解析モデル」ということがある。)を可視化しかつその中心を通る平面で切断した断面斜視図が示される。また、図2には、その表面の平面図が示される。
前記解析モデル1は、コンピュータ(図示せず)を用いてゴルフボールの数値解析を行う際に用いられる。解析モデル1は、コンピュータで取り扱いが可能な数値データとして与えられる。具体的には、小さな有限個の要素の集合体であり、各要素の節点座標値、要素番号、形状及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)が数値データとしてコンピュータの記憶媒体に記憶される。前記数値解析は、例えば、解析モデル1に所定の境界条件を与え、その微小時間毎の変形計算が有限要素法などに基づいてコンピュータにより行われる。そして、この結果に基づいて、実際に試作品を作ることなく、種々のゴルフボールの大凡の性能を比較評価することができる。
本発明の解析モデル1の作成方法では、有限個の四面体要素e4を用いて複数個のディンプルDを有しかつ最も外側に配置される三次元の外層モデル2を作る工程と、有限個の六面体要素e6を用いて前記外層モデル2の内側に配置される球体状の内層モデル3を作る工程とを含む。これらの工程の順序は、いずれが先でも良いし、また同時に行われても良い。なお、上記球体状とは、実質的な球体のみならず、その一部(例えば半球状)であるものを含む。
外層モデル2は、評価対象のゴルフボールのカバーの外径、材料及び厚さ等に基づいて作られる。ここで、評価対象のゴルフボールは、現実に存在するか否かは問わない。また、前記カバーとは、ボールの表面を覆っている同一材料からなる薄い外層である。本実施形態の外層モデル2は、評価対象となるゴルフボールのカバーと実質的に等しい厚さTで形成される。前記外層モデル2の前記厚さTは、解析対象のゴルフボールに準じて種々定めることができるが、近年のソリッドゴルフボールのように、例えば3.5mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下が望ましい。一方、ディンプルDの最大深さdよりも大きく(厚く)する必要がある等の理由により、外層モデルの前記厚さTは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上が望ましい。
また、外層モデル2を構成する四面体要素e4には、カバーの材料と等しい材料物性値が定義される。材料物性値としては、比重及び弾性率などが含まれる。なお、前記厚さTは、ディンプルDを除き実質的に同一で形成される。
また、外層モデル2は、全てが四面体要素e4を用いて有限個に分割される。図3(a)及び(b)に示されるように、四面体要素e4は、4つの三角形の面P1の各辺をそれぞれ接続した三次元の連続体要素である。四面体要素e4としては、同図(a)に示されるように、各面P1の頂点にのみ節点n1を有する一次要素でも良いし、また、節点n1に加え、隣り合う頂点間の中点に節点n2を有する二次要素であっても良い。曲げ変形をより正確に表現させるために、外層モデル2には、二次要素がより好ましく用いられる。
外層モデル2を構成する四面体要素e4の大きさは特に限定されないが、カバーの変形挙動をより詳細に解析するために、四面体要素e4の一辺の長さは、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.2mm以下が望ましい。他方、前記四面体要素e4の一辺の長さが小さすぎると、要素数の増加によって多くの計算時間が必要となる。このような観点より、外層モデル2の四面体要素e4の一辺の長さは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上が望ましい。
外層モデル2の表面には複数個のディンプルDが設けられる。該ディンプルDの寸法や配置などは、例えば評価対象となるゴルフボールに設けられたディンプルに基づいて、その直径、種類数、窪み形状などが設定される。一例として、ディンプルDは、250以上かつ500以下で形成されるのが望ましい。
前記四面体要素e4は、三角形の面P1を有するので、図2にハッチングにて示されるように、1点の周りに配列することにより、略六角形の面Hを容易に形成できる。そして、この六角形の面Hを中心とし、その周りに四面体要素e4を並べて配置することにより、容易に円形状の輪郭をなすディンプルを形成することができる。また、図2から明らかなように、縁を互いに共有しているディンプルDc、Dcの間には、先端が鋭な三角形状の空間Sが形成されるが、四面体要素e4であれば、このような空間Sにも容易に配置できる。
図4には、ディンプルDを含む位置での外層モデル2の断面図が示される。外層モデル2は、四面体要素e4が周方向に連なることにより形成される複数の殻状の層、本実施形態では3つの層2a、2b及び2cが半径方向に重ねられて形成される。なお、図4では、理解しやすいように、中間の層2bに着色が施されている。このように、外層モデル2を複数の層で形成することにより、該外層モデル2の変形の自由度を高め、より詳細かつ正確な変形計算を行うのに役立つ。一例として、カバーの厚さが0.8〜3.4mm程度の場合、外層モデル2は、好ましくは3以上かつ10以下の層で形成されるのが好ましい。
また、ディンプルDは、例えば、その半径方向内側に位置する四面体要素e4の半径方向の高さを減じることにより、表面から凹む窪みとして容易に形成される。先に述べたように、外層モデル2は、ディンプルDの全てを含むように、ディンプルDの深さdよりも大きな厚さTで形成される。さらに、本実施形態において、ディンプルD及びそれ以外の部分は、いずれもその内側に前記3つの層2a、2b又は2cがのびている。
また、本実施形態の外層モデル2は、その表面の任意の節点n1から、四面体要素e4の辺だけを通って外層モデル2の内周面2iの節点に至るまでの間に通る前記辺の最短の本数が、n本(ただし、nは2以上で任意に定められる整数とする。)である第1の部分z1と、n+1本である第2の部分z2とを少なくとも含む。
例えば、ディンプルDの半径方向内方領域では、外層モデル2の厚さが小さくなるが、その領域に少なくとも一つの第1の部分z1を含ませることにより、四面体要素e4の体積が著しく小さくなるのを防止しつつディンプルDの形状を維持しうる。これは、計算精度の低下を防止するのに役立つ。他方、外層モデル2において、十分に半径方向の厚さを有する領域については、第2の部分z2で構成することにより、外層モデル2の変形の自由度を高め、より複雑かつ詳細な変形挙動を表現することができる。なお、本実施形態の外層モデル2は、主として、第2の部分z2で構成される。
ここで、外層モデル2の表面から内層モデル3の外周面に至るまでに通る四面体要素e4の辺の最短の数の種類数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上が望ましい。他方、該種類数が多すぎると、要素数の増加による計算コストの上昇が懸念されるので、好ましくは5以下、より好ましくは4以下が望ましい。なお、上記実施形態では、該種類数を2としかつ前記nが2とされた場合を示すが、これに限定されるわけではない。
図1に示したように、前記内層モデル3は、外層モデル2の内側に配置されるとともに、解析対象のゴルフボールのカバーで覆われた内側部分に基づいて作られる。また、内層モデル3は、全てが六面体要素e6で構成される。
前記六面体要素e6は、図5(a)及び(b)に示されるように、6つの四辺形(正方形以外でも良いのは言うまでもない)の面P2を連ねた直方体状をなす連続体要素である。また、六面体要素e6には、四面体要素e4と同様、図5(a)に示されるように、各面P2の頂点にのみ節点n1を有する一次要素又は節点n1に加え、隣り合う頂点間の中点にも節点n2を有する二次要素であっても良い。
図1、図6に示されるように、内層モデル3は、全ての面P2が正方形をなす正六面体要素e6tを用いて作られかつ解析モデル1の中心に配置されたキューブコア部4と、このキューブコア部4と前記外層モデル2との間に配置されたミッド部5とから構成される。即ち、内層モデル3を作る工程は、前記キューブコア部4を設定する工程と、前記ミッド部5を設定する工程とを含む。
前記キューブコア部4は、図6に示されるように、正六面体要素e6tを多段多列に並べて接続することにより、全体として立方体として形成される。また、該キューブコア部4は、その中心CCが球体をなす解析モデル1の中心BCに揃えられて配置される。
前記ミッド部5は、半径方向に重ねられた複数のミッド層7から形成される。該ミッド層7は、六面体要素e6が周方向に隙間無く配置された中空殻状の層として形成される。
図7には、ミッド部5を設定する工程の一例を説明するために、解析モデル1の中心BCを通りかつ直交する3つの平面(XY、YZ及びZX面)で該解析モデル1を8等分した1/8モデルの斜視図が示される。先ず、解析モデル1の中心BC(これは前記キューブコア部4の中心CC)を中心としかつ該キューブコア部4を囲むとともに半径が異なる複数の仮想の小球体k1、k2…が設定される。小球体k1、k2…は、例えばその半径を一定の距離又はランダムな距離で増加させながら設定できる。
次に、前記中心CCからキューブコア部4の外面に表れる節点n1を通って外方にのびる半径線r1を計算し、この半径線r1と前記各小球体k1、k2…との交点Uを求める。そして、前記交点Uを節点n1としてこれらを継ぐことにより、仮想の球体k1、k1間や、キューブコア部4と仮想の球体k1との間に、六面体要素e6が周方向に連なる殻状のミッド層7をそれぞれ形成することができる。
ところで、このような方法でミッド部5を形成した場合、図8に示されるように、ミッド層7の六面体要素e6の体積は、半径方向外側のミッド層7ほど大きく、半径方向内側のミッド層7ほど小さくなる。有限要素法において、計算精度を高めるには、変形の大きい部分をより細かく分割することが重要である。しかしながら、このような体積バランスで作られたミッド部5は、打球時におけるゴルフボールの変形量は半径方向外側ほど大きいことに鑑みると改善の余地がある。即ち、半径方向外側のミッド層7では、変形の自由度が低下し、変形挙動を再現性が十分でないおそれがある。これを防止するために、キューブコア部4の各正六面体要素e6tをさらに小さくして、半径方向外側のミッド層7の六面体要素の体積を小さくすることもできるが、このような改善手法も解析モデル1の要素数を無駄に増加させるもので、好ましくない。
本実施形態では、このような実情に鑑み、ミッド部5を形成する工程において、逐次分割生成されるミッド層7の六面体要素e6の体積が計算される。そして、該体積が予め定めた閾値を超える場合、図9に示されるように、その六面体要素e6の小球体knに面する面をm×m(mは2以上の整数)の碁盤状に等分割して新たな節点n3を設定する処理が行われる。そして、前記新たな節点n3から半径方向外側にのびる半径線r2(これは前記中心CCを通る)を引き、この半径線r2と仮想の小球体kn+1、kn+2、…との交点を新たな節点n3として追加する。そして、これらの節点n1、n2を用いて再分割することにより、以後のミッド層7をさらに細かく要素分割することができる。
以上の処理を繰り返すことにより、図6に示されるように、本実施形態のミッド部5は、半径方向外側の領域に設けられかつ一つの層内の六面体要素e6の数が等しい複数のミッド層7が重なる第1の層群5aと、該第1の層群5aよりも一つの層内に含まれる六面体要素e6の数が少ない複数のミッド層7が重なる第2の層群5bと、該第2の層群5bよりも一つの層内に含まれる六面体要素e6の数が少ない複数のミッド層7が重なる第3の層群5bとで構成される。つまり、ミッド層7に含まれる要素数は、半径方向内側に向かって段階的に減少している。
このようなミッド部5は、半径方向に多くのミッド層7を形成しつつ、その半径方向最内側のミッド層7の六面体要素の体積Viと、半径方向最外側のミッド層7の六面体要素の体積Voとの差が大きくなるのを効果的に防止できる。従って、内層モデル3の詳細な変形挙動をバランス良く表現させることができる。また、キューブコア部4の六面体要素を過度に小さくする必要がないので、要素数の無駄な増加をも抑制できる。特に限定されるわけではないが、前記ミッド層7の層数は、解析精度を高めるために、20以上かつ 50以下が望ましい。また、前記体積の比(Vo/Vi)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.9以上が望ましく、かつ、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下が望ましい。さらに、ミッド部5は、このような要素数が異なるグループを3〜5程度含むことが望ましい。
また、前記ミッド部5の各六面体要素e6には、適宜材料特性が定義されるが、その値は解析対象のゴルフボールの材料特性に基づいて1種又は2種以上の材料特性が設定され得る。
また、本発明では、外層モデル2の内周面2iと、内層モデル3の外周面3oとの相対距離が変化しないようにこれらの面を結合するステップが行われる。これにより、外層モデル2と内層モデル3との界面において、一体的な挙動を示す解析モデル1を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の解析モデル1は、外層モデル3を四面体要素e4を用いて作ることにより、その表面にディンプルを容易に形成することができるので、精度の良い解析が可能になる。また、内層モデル3を六面体要素e6で作ることにより、全体としての要素数の増加を抑制でき、ひいては計算時間の増大を防止することも可能になる。なお、本発明の解析モデル1は、完全な球状である必要はなく、解析に必要な領域が作られていれば足りる。従って、解析モデル1は、例えば三次元であれば、半球状や球の1/4の大きさなど、種々の形態で作ることができる。
本発明の効果を確認するために、表1に示す仕様のゴルフボールの解析モデルが作成され、それぞれ固有振動数解析及び衝突シミュレーションが行われた。
また、表1において、実施例1〜5は、四面体要素で作られたディンプルを有する外層モデルを具えた解析モデルである。ディンプルの仕様は、次の通りとした。
ディンプル総数: 312個
ディンプルの種類数: 3種類
ディンプル1の直径: 3.930mm
ディンプル1の深さ: 0.150mm
ディンプル1の個数: 2個

ディンプル2の直径: 3.060mm
ディンプル2の深さ: 0.163mm
ディンプル2の個数: 10個

ディンプル3の直径: 4.068mm
ディンプル3の深さ: 0.178mm
ディンプル3の個数: 300個
図4には実施例4のモデルを視覚化した断面斜視図を示す。
また、比較例1〜4は、六面体要素で作られたディンプルの無い外層モデルを具えた解析モデルである。
固有振動数解析は、特開2005−261754号公報に記載されているように、実際のゴルフボールの一端固定境界条件の固有振動数測定法に準拠して行われた。簡単に述べると、先ず、ゴルフボールの解析モデルを、その表面の直径10mmに含まれる表面節点を仮想の加振機に変位不能に固定して一端固定状態とする。そして、仮想の加振機から前記解析モデルに振動を与え、そのときの解析モデルの振動速度の時刻歴が計算される。次に、これらの計算結果からゴルフボールの解析モデルの周波数伝達関数が計算され、その100〜2000Hzの範囲で最大のピークを持つ周波数をその一次固有振動数として求めた。
また、衝突シミュレーションは、特開2006−343139号公報に記載されているように、実際のゴルフボールの衝突実験法に準拠して行われた。簡単に述べると、垂直面に対して34度で傾けて固定された傾斜板に速度34m/sでゴルフボールの解析モデルを衝突させ、その反発時のバックスピン量が計算された。なお、ゴルフボールの解析モデルと傾斜板との間の摩擦係数は0.3で一定とした。
各数値解析は、SGI社製のワークステーションにより、有限要素法を用いたエンジニアリング系の解析アプリケーションソフトウエア(米国リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社で開発・改良されたLS−DYNA)を用いて行われた。
さらに、実際のゴルフボールについても同様の実験を行い、固有振動数及びバックスピン量が測定された。そして、前記数値解析によって得られた計算値とこれらの実験値との誤差が計算された。テストの結果などを表1に示す。
テストの結果、実施例の解析モデルでは、固有振動数及びバックスピン量に関して、実際のゴルフボールの実験結果との乖離が小さくなっていることが確認できる。特にディンプルの影響が大きいバックスピン量に関して、解析精度が大幅に向上していることが確認できた。なお、六面体要素だけを用いてディンプル付の外層モデルを作ることを試みたが、数値解析を完了できるようなモデルを作ることはできなかった。
本発明の実施形態のゴルフボールの解析モデルの断面斜視図である。 その表面の部分拡大図である。 (a)、(b)は四面体要素の斜視図である。 ディンプルを含めた外層モデルの断面図である。 (a)、(b)は六面体要素の斜視図である。 ゴルフボールの解析モデルの部分断面図である。 ミッド部を設定する工程を説明する斜視図である。 ミッド部を設定する工程を説明する斜視図である。 ミッド部を設定する工程を説明する六面体要素の斜視図である。 他の実施例を示す断面斜視図である。
符号の説明
1 ゴルフボールの解析モデル
2 外層モデル
2i 外層モデルの内周面
3 内層モデル
3o 内層モデルの外周面
4 キューブコア部
5 ミッド部
5a 第1のグループ
5b 第2のグループ
5c 第3のグループ
7 ミッド層
D ディンプル
e4 四面体要素
e6 六面体要素

Claims (6)

  1. ゴルフボールの数値解析を行う際に用いられるゴルフボールの解析モデルを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
    前記コンピュータが、有限個の四面体要素を用いて表面に複数個のディンプルを有しかつ最も外側に配置される三次元の外層モデルを作る工程と、
    前記コンピュータが、有限個の六面体要素を用いて前記外層モデルの内側に配置される球体状の内層モデルを作る工程と、
    前記コンピュータが、前記外層モデルの内周面と、前記内層モデルの外周面との相対距離が変化しないようにこれらの面を結合する工程とを含み、
    前記内層モデルは、キューブコア部と、
    前記キューブコア部と前記外層モデルとの間に配置されたミッド部とからなり、
    前記ミッド部は、半径方向に重ねられた複数のミッド層からなるとともに、
    このミッド層を形成する工程は、
    前記キューブコア部の中心を中心としかつ該キューブコア部を囲むとともに半径が異なる複数の仮想の小球体を設定する処理と、
    前記中心から前記キューブコア部の外面に表れる節点を通って外方にのびる半径線を計算し、この半径線と前記各小球体との交点を求める処理と、
    前記交点を節点としてこれらを継ぐことにより、仮想の球体間や、キューブコア部と仮想の球体との間に、六面体要素が周方向に連なる殻状の前記ミッド層をそれぞれ形成する処理と、
    逐次分割生成されるミッド層の六面体要素の体積を計算する処理と、
    該体積が予め定めた閾値を超える場合に、その六面体要素の前記小球体に面する面をm×m(mは2以上の整数)の碁盤状に等分割して新たな節点を設定する処理と、
    前記新たな節点から半径方向外側にのびる半径線を引き、この半径線と仮想の小球体との交点を新たな節点として追加する処理と
    前記新たな節点を用いて再分割することにより、該ミッド層の要素数が半径方向内側に向かって段階的に減少することを特徴とするゴルフボールの解析モデルの作成方法。
  2. 前記外層モデルは、前記四面体要素が周方向に連なることにより形成される殻状の層が半径方向に複数重ねられて形成される請求項1記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法。
  3. 前記各殻状の層の要素の数は、前記内層モデルの外周面に表れる要素の数よりも大きい請求項2記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法。
  4. 前記ミッド層の層数は、20以上かつ50以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法。
  5. 前記ミッド部は、要素数が異なるグループを3〜5含む請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法。
  6. 前記ミッド部は、半径方向最内側のミッド層の六面体要素の体積Viと、半径方向最外側のミッド層の六面体要素の体積Voとの比(Vo/Vi)が0.5以上1.2以下である請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフボールの解析モデルの作成方法。
JP2007023240A 2007-02-01 2007-02-01 ゴルフボールの解析モデルの作成方法 Expired - Fee Related JP4805178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007023240A JP4805178B2 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 ゴルフボールの解析モデルの作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007023240A JP4805178B2 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 ゴルフボールの解析モデルの作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008191772A JP2008191772A (ja) 2008-08-21
JP4805178B2 true JP4805178B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=39751842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007023240A Expired - Fee Related JP4805178B2 (ja) 2007-02-01 2007-02-01 ゴルフボールの解析モデルの作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4805178B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8229710B2 (en) * 2008-12-23 2012-07-24 Bridgestone Sports Co., Ltd. Method of analysis for kinetic properties of golf club head and golf club therefor
US9098657B2 (en) * 2013-02-05 2015-08-04 Livermore Software Technology Corp. Contact surface definition creation involving low order and quadratic finite elements in a numerical simulation of an impact event

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001282873A (ja) * 2000-04-03 2001-10-12 Bridgestone Corp 有限要素法解析モデル、タイヤモデルの作成方法、タイヤ性能のシミュレーション方法及びその装置
JP2002052096A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフボール物性の解析方法及びゴルフボール製造方法
JP3626113B2 (ja) * 2001-05-31 2005-03-02 住友ゴム工業株式会社 気体流シミュレーション方法
JP2003169864A (ja) * 2001-12-05 2003-06-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフボール物性の解析方法及びゴルフボール製造方法
JP2003216661A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Caedom Inc 要素分割装置、その方法、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP2003288382A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Mizuno Corp ボールの衝突解析装置
JP2003294544A (ja) * 2002-04-04 2003-10-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd エネルギー損失量解析方法
JP2004013652A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフボールの物性を解析する方法
JP3927080B2 (ja) * 2002-06-12 2007-06-06 住友ゴム工業株式会社 タイヤのシミュレーション方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008191772A (ja) 2008-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007025761A (ja) ゴルフクラブヘッドの設計方法およびゴルフクラブヘッド
US20180318651A1 (en) Dimple patterns for golf balls
JP5643521B2 (ja) ゴルフボールおよびその設計方法
US20120232848A1 (en) Method for creating finite element model of rubber composite
JP2004167088A (ja) ゴルフボール
US8655631B2 (en) Golf ball and mechanical analysis of the same
JP4685747B2 (ja) ゴム材料解析モデルの作成方法
US7130782B2 (en) Gas flow simulation method
JP4805178B2 (ja) ゴルフボールの解析モデルの作成方法
US8190413B2 (en) Method for simulating performance of golf club head
US9943728B2 (en) Golf ball dimple plan shapes and methods of generating same
US20180229083A1 (en) Golf ball dimple plan shape
US9117307B2 (en) Method for creating finite element model of rubber composite
US6556944B2 (en) Method of analyzing physical property of golf ball and method of manufacturing golf ball
JP3626113B2 (ja) 気体流シミュレーション方法
JP5093271B2 (ja) ゴルフクラブの設計方法およびゴルフボールの設計方法およびゴルフクラブ・ゴルフボールの組み合せの設計方法
US7089817B2 (en) Method of analyzing physical property of golf ball
JP2004242875A (ja) ゴルフクラブの設計方法
JP2009043088A (ja) ゴルフボールの解析方法及びゴルフボールモデルの作成方法
JP2006255421A (ja) ディンプル付きゴルフボール及びディンプル分布方法
JP2005034378A (ja) ゴルフボールのディンプル効果の評価方法およびゴルフボール
US20190344124A1 (en) Golf ball dimple plan shape
JP4934165B2 (ja) ゴルフボールと打撃面との衝突の評価方法
JP2003169864A (ja) ゴルフボール物性の解析方法及びゴルフボール製造方法
JP2005211191A (ja) ゴルフクラブの設計方法およびゴルフボールの設計方法およびゴルフクラブ・ゴルフボールの組み合わせの設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4805178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees