JP5854067B2 - 不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラム - Google Patents

不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラム Download PDF

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本発明は、第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のうち、第1の材料相を母相のモデルでモデル化し、第2の材料相を、2つ以上の粒子モデルでモデル化する不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラムに関する。
不均質材料、例えばカーボンブラックやシリカ等の充填剤(フィラー)を配合したゴム材料では、フィラーの分布形態(モルフォロジー:Morphology)によってゴム材料の粘弾性特性が変化するため、このゴム材料をタイヤに用いた場合、フィラーの分布形態は車の燃費に影響を与えることが知られている。したがって、低燃費タイヤのゴム材料の開発において、ゴム材料のモルフォロジーと、ゴム材料の粘弾性特性に起因したタイヤ特性、例えば転がり抵抗やグリップ性能等のタイヤ特性との関係を把握することが非常に重要である。
例えば、ゴム材料の変形挙動を精密に解析できると共に、解析時間を短縮することができるゴム材料の変形挙動予測装置及びゴム材料の変形挙動予測方法が知られている(特許文献1)。
具体的には、上記ゴム材料の変形挙動予測方法では、まず、ゴムと充填剤とが配合された所定形状のゴム材料を所定平面により所定間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得する。この取得した各スライス画像を構成する各画素の濃度値に基づいて当該各スライス画像に含まれるゴム部分と充填剤部分とを判別する。次に、判別した各スライス画像をスライス位置の順序でかつ所定間隔で積層し、互いに隣接するゴム部分と充填剤部分の各々の画素の領域を統合してゴム材料に配合されたゴムと充填剤の三次元構造を示す三次元画像を生成する。生成した三次元画像において互いに隣接する充填剤部分の画素の領域を統合した各統合領域内に充填剤のサイズに対応して予め定めたサイズの仮想粒子を仮想的に配置し、当該三次元画像において仮想粒子が未配置の領域をゴム領域として充填剤に相当するサイズよりも小さい所定サイズの格子領域で分割すると共に、仮想粒子が配置された粒子領域を充填剤領域として所定サイズよりも大きいサイズの格子領域で分割した三次元モデルを生成する。
また、ゴム材料のX線及び/又は中性子を用いて取得した特定の散乱ベクトルの範囲の散乱データからリバースモンテカルロ法を用いて統計性の高いゴム材料の三次元構造を決定し、これに基づいてゴム材料モデルを設定することを基本とするゴム材料のシミュレーション方法も知られている(特許文献2)。
具体的には、上記ゴム材料のシミュレーション方法では、ゴム材料のX線及び/又は中性子の散乱データを測定し、測定した散乱データからリバースモンテカルロ法によりゴム中の充填材の三次元構造を特定する。この後、充填材の三次元構造に基づいてゴム材料モデルを設定し、このゴム材料モデルに基づいて変形シミュレーションを行う。散乱データを測定するとき、散乱ベクトルq=4π・sinθ/λ(λは電磁波又は粒子線の波長、θは、散乱角の1/2)が10−4nm−1よりも大かつ10nm−1よりも小の範囲の散乱データを得る。
また、マトリックス材料に粒子が分散した複合材料のモデルを有効に作成する方法も知られている(特許文献3)。
具体的には、まず、マトリックス材料モデルに2つの粒子モデルを配したとき、この2つの粒子モデルによって作られる仮想ポテンシャルを設定し、さらに、複数の粒子モデルをマトリックス材料モデル中に配した複合材料モデルを作成する。そして、複数の粒子モデル間に作用する仮想ポテンシャルの値を合計して全ポテンシャルエネルギーの値を算出する。次に、複数の粒子モデルの中の少なくとも1つの粒子モデルを仮移動し、この仮移動後の全ポテンシャルエネルギーの値を算出し、粒子モデルの仮移動前の全ポテンシャルエネルギーの値と、仮移動後の全ポテンシャルエネルギーの値とを比較し、仮移動後の全ポテンシャルエネルギーの値が仮移動前の全ポテンシャルエネルギーの値に比べて低いとき、仮移動を粒子モデルの本移動として定めて粒子モデルの配置を修正した修正複合材料モデルを生成する。この仮移動と、仮移動前と移動後の全ポテンシャルエネルギーの比較を繰り返し行う。そして、粒子モデルのモデル間距離が所定距離以下になることでクラスターと判断されたときのクラスターの大きさを求め、この大きさが予め定めた条件を満たすとき、複合材料モデルにおける粒子モデルの配置の修正を終了する。
特許4602929号公報 特開2013−108800号公報 特許5169255号公報
これらの方法のうち、特許文献1及び特許文献2に記載の方法は、フィラーのモデルの配置位置をゴム材料等の試料の測定結果から得るといった方法に制限されるため、ゴム材料等のモルフォロジーを自在に定めて、このモルフォロジーとゴム材料の粘弾性特性との関係を正確に把握することができない。特許文献3では、フィラーのモデルの配置位置を予め定めたのち、修正するので、複合材料のモルフォロジーを自在に定めて、このモルフォロジーとゴム材料の粘弾性特性との関係を正確に把握することができない。さらに、特許文献3では、仮想ポテンシャルを定めてフィラーの配置位置を修正するので、複数の種類の母相を有する不均質材料に適用することが難しい他、フィラーを覆う境界層が設けられないので、境界層を有するシミュレーションモデルを作成することはできない。
このように、従来の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法では、不均質材料のモルフォロジーを自在に定めて、不均質材料のモルフォロジーとゴム材料の粘弾性特性との関係を正確に把握することができない。
そこで、本発明は、不均質材料のモルフォロジーの、不均質材料の力学特性への寄与を分析することができる不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、このモデルを用いた不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一つの態様は、第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルを作成する方法である。当該方法は、
(a)前記第1の材料相を母相として、不均質材料のモデル化領域内に予め領域を定めた母相のモデルを作成するステップと、
(b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルを作成するステップであって、粒子モデルを発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を制御するステップと、
(c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成するステップと、
を含む。
前記(b)のステップにおいて、前記モデル化領域の第1の境界を占有する粒子モデルの1つを発生させたとき、前記モデル化領域の周期境界条件を満足するように、前記第1の境界と異なる前記モデル化領域の少なくとも1つ以上の第2の境界を占有する粒子モデルを配置することが好ましい。
前記第1の境界を占有する粒子モデルの前記モデル化領域における第1の形状、及び前記第2の境界を占有する粒子モデルの前記モデル化領域における第2の形状のそれぞれは、前記モデル化領域の境界を占有しない粒子モデルの第3の形状の一部の形状であり、前記第1の形状と前記第2の形状を相補って1つにまとめた形状は、前記第3の形状に一致することが好ましい。
前記シミュレーションモデルは、複数の単位要素を用いて構成されたモデルであり、
前記モデル化領域の不均質材料のモデルを用いて無限領域の不均質材料のシミュレーションを行うために、前記(c)のステップにおいて、前記シミュレーションモデルの変形を許容しつつ、前記モデル化領域の境界上に位置する単位要素の変位を拘束するための複数の制御点を設定した、周期境界条件を満たす変位拘束式を前記シミュレーションモデルに付与し、前記変位拘束式は、前記複数の制御点の変位と、前記モデル化領域の境界上に位置する単位要素の変位との間を拘束する関係式であることが好ましい。
前記シミュレーションモデルが例えば三次元の場合、前記制御点は3つ設定され、前記変位拘束式のうち、前記モデル化領域の境界に位置する頂点に関する変位拘束式は21個であり、前記制御点それぞれに関する変位拘束式の数は互いに異なる。
前記シミュレーションモデルが例えば二次元の場合、前記制御点は2つ設定され、前記変位拘束式のうち、前記モデル化領域の境界に位置する頂点に関する変位拘束式は6個であり、前記制御点それぞれに関する変位拘束式の数は互いに異なる。
前記(c)の前記シミュレーションモデルを作成するステップでは、
(c−1)前記モデル化領域全体を、前記母相のモデル及び前記粒子モデルよりもサイズの小さい複数の単位要素で構成し、
(c−2)前記単位要素のそれぞれに、前記第1の材料相あるいは前記第2の材料相を特定する材料属性値を割り当てることにより、前記シミュレーションモデルを作成することが好ましい。
さらに、前記(a)〜(c)のステップを行なった後、前記制御パラメータを変更して前記(b)及び(c)のステップを行なうことにより、複数のシミュレーションモデルを作成することが好ましい。
前記(b)のステップでは、前記粒子モデルを順次発生させるときに、前記粒子モデルの大きさ及び前記制御パラメータの少なくとも1つを設定した値に対して変動させることが好ましい。
前記シミュレーションモデルは、メッシュで区分けされた複数の単位要素を用いて構成されたモデルである場合、前記粒子モデルの重心点が前記メッシュ中のいずれの格子点の位置にもないとき、前記粒子モデルの重心点が前記メッシュ中の最も近い格子点の位置に来るように、前記粒子モデルを移動して前記シミュレーションモデルを作成することが好ましい。
また、前記シミュレーションモデルは、複数の単位要素を用いて構成されたモデルであり、
前記粒子モデルの重心点が前記単位要素のいずれの中心位置にもないとき、前記粒子モデルの重心点が前記単位要素のうち最も近い単位要素の中心位置に来るように、前記粒子モデルを移動して前記シミュレーションモデルを作成することも好ましい。
本発明の他の一態様は、前記方法で作成されたシミュレーションモデルを用いて、不均質材料のシミュレーションモデルにおける力学特性を算出させる、ことを特徴とする不均質材料のシミュレーション方法である。
このとき、前記制御パラメータを設計変数とし、前記シミュレーションモデルにおける力学特性を目的関数として、前記力学特性の値を最大あるいは最小にする設計変数の値を求めることが好ましい。
前記制御パラメータは、前記粒子モデルの分散形態を定めるパラメータであり、前記制御パラメータと前記シミュレーションモデルにおける前記力学特性との因果関係を表すチャートを可視化することが好ましい。
前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルの少なくとも一方に付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含み、前記力学特性は、前記シミュレーションモデルに蓄えられる貯蔵エネルギに対する前記シミュレーションモデルで散逸する損失エネルギの比を含むことが好ましい。
前記不均質材料は、例えば、前記第1の材料相の他に少なくとも第3の材料相を含み、前記第3の材料相は予め領域を定めたモデルでモデル化され、前記第1の材料相及び前記第3の材料相は、ポリマー相である。
前記母相のモデル、前記第2の材料相のモデル、及び前記第3の材料相のモデルの少なくとも1つに付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含み、前記力学特性は、前記シミュレーションモデルに蓄えられる貯蔵エネルギに対する前記シミュレーションモデルで散逸する損失エネルギの比を含むことが好ましい。
本発明のさらに他の一態様な、第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させるプログラムである。当該プログラムは、
(a)コンピュータに、不均質材料のモデル化領域内に前記第1の材料相を母相として領域を定めて母相のモデルを作成させる手順と、
(b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルをコンピュータに作成させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を、コンピュータに制御させる手順と、
(c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させる手順と、
を含む。
上述の態様によれば、不均質材料のモルフォロジーの、不均質材料の力学特性への寄与を分析することができる。
本発明の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法及びシミュレーション方法を実行する一実施形態のシミュレーション装置の概略構成図である。 本実施形態で作成される不均質材料のモデルの一例の図である。 本実施形態の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法を含む不均質材料のシミュレーション方法のフローを説明する図である。 (a)〜(d)は、不均質材料のモデルの作成方法を示す図である。 (a)〜(c)は、本実施形態で行なう粒子モデルの発生の一例を説明する図である。 本実施形態で用いる許容値Rの段階Nに対する変化を示す関数を説明する図である。 本実施形態で作成されるシミュレーションモデルの一例を示す図である。 本実施形態で作成されるシミュレーションモデルの他の例を示す図である。 本実施形態で作成される不均質材料のモデルの異なる例を示す図である。 (a),(b)は、本実施形態におけるモデル化領域の第1の頂点に第1の粒子モデルが配置された状態を示す図である。 本実施形態で用いる変位拘束式の一例を説明する図である。
以下、本発明の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラムについて、実施形態に基づいて説明する。
(不均質材料のシミュレーション装置)
図1は、本発明の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法及びシミュレーション方法を実行する一実施形態の不均質材料のシミュレーション装置10の概略構成図である。
図1に示す不均質材料のシミュレーション装置(以下、装置という)10は、コンピュータがプログラムを読み込んで実行させることで機能する装置である。装置10は、第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料を再現するために、第1の材料相を母相としてモデル化し、2つ以上の粒子モデルにより第2の材料相のモデルを作成することにより、粒子モデルを分散させた不均質材料のシミュレーションモデルを作成してシミュレーションを行う。
装置10は、CPU12、ROM14、RAM16、入出力部18を有し、ROM14に記憶されている所定のプログラムを実行することで、条件設定部20、不均質材料モデル作成部22、境界条件設定部24、材料定数設定部26、シミュレーションモデル作成部28、シミュレーション演算部30、探索部32、及び制御部34を形成する。条件設定部20、不均質材料モデル作成部22、境界条件設定部24、材料定数設定部26、シミュレーションモデル作成部28、シミュレーション演算部30、探索部32、及び制御部34は、実質的な演算をCPU12で行なわせるソフトウェアモジュールである。
入出力部18は、キーボードやマウス等の入力操作系40、ディスプレイ42、及びプリンタ44と接続されている。
条件設定部20は、不均質材料モデルパラメータと、シミュレーションモデルパラメータを設定する。
不均質材料モデルパラメータは、母相に所定の材料相が分散した不均質材料のモデルを作成するために必要なパラメータであり、シミュレーションモデルパラメータは、作成した不均質材料のモデルをコンピュータで演算可能な複数の単位要素で構成したシミュレーションモデルにするために必要なパラメータである。
不均質材料モデルパラメータは、モデル化領域の大きさ、どの材料相を母相のモデルとするかに関する情報、どの材料相を母相のモデルに分散した粒子モデルとするかに関する情報、母相となるモデルの種類の数、粒子モデルの種類の数、境界層モデルの有無等の情報、第2の材料相のモデルを定める属性値の情報、粒子モデルの発生位置を制御するための、粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータの情報、及び第1の材料相や第2の材料相等の各材料の材料パラメータ(以下材料定数という)の少なくとも1つ以上を含む。本実施形態では、第1の材料相を母相としてモデル化し、第2の材料相を粒子モデルでモデル化する。第2の材料相の粒子モデルを定める属性値は、第2の材料相を構成する粒子モデルの形状(球体モデルか、あるいは楕円体モデルの情報)、作成する粒子モデルの大きさ(半径、あるいは長径及び短径)、及びモデル化領域における体積分率等の情報を含む。
シミュレーションモデルパラメータは、シミュレーションモデルのモデルの情報(有限要素法によるモデルの各情報あるいはメッシュフリー法によるモデルの各情報)、単位要素の大きさの情報を含む。
上記不均質材料モデルパラメータ及びシミュレーションモデルパラメータは、ディスプレイ42に表示された条件設定画面の指示に従って、入力操作系40からオペレータが入力することで、装置10において設定される。また、RAM16に予め記憶したモデルパラメータの情報を呼び出して不均質材料モデルパラメータ及びシミュレーションモデルパラメータの一部を、あるいは全部を設定してもよい。
不均質材料モデル作成部22は、条件設定部20で定められた条件に基づいて不均質材料のモデルを生成する。図2は、不均質材料のモデルMの一例の二次元図である。本実施形態で作成されるモデルMは、三次元モデルであるが、二次元モデルであってもよい。図2に示されるように、モデルMは、定められたモデル化領域50内に、母相のモデル52と、第1の粒子モデル54と、第2の粒子モデル56と、第2の粒子モデル56の周りを取り巻く境界層モデル58と、含む。モデルMでは、第1の粒子モデル54及び第2の粒子モデル56が、モデル化領域50に分散する粒子モデルである。
不均質材料が、例えば種類の異なる第1のポリマーと第2のポリマーに、カーボンあるいはシリカ等の粒子状のフィラーが分散した構成のゴム材料である場合、母相のモデル52は第1のポリマーを再現したものであり、第1の粒子モデル54は例えば第2のポリマーを再現したものである。第2の粒子モデル56は例えばフィラーを再現したものである。境界層モデル58は、例えば第2のポリマーとフィラーとの境界に形成される層を再現したものである。不均質材料モデル作成部22は、第1の粒子モデル54を、モデル化領域50内に順次発生させるとき、すでに配置した第1の粒子モデル54との間の相対位置を定める制御パラメータにより第1の粒子モデル54の発生位置を制御する。第2の粒子モデル56においても、第1の粒子モデル54と同様に、制御パラメータにより第2の粒子モデル56の発生位置を制御する。このようなモデルMの作成方法は後述する。
境界条件設定部24は、作成されたモデル化領域50のモデルMを用いて無限縁の不均質材料のシミュレーションを行うために、周期境界条件を設定する。例えば、モデル化領域50の境界(第1の境界という)を占有する第1の粒子モデル54あるいは第2の粒子モデル56の1つを発生させたとき、モデル化領域50の周期境界条件を満足するように、第1の境界と異なるモデル化領域50の少なくとも1つ以上の境界(第2の境界という)を占有する粒子モデルを配置することが好ましい。ここで、第1の境界、及び第2の境界は、モデル化領域50が三次元の立体形状である場合、モデル化領域50の面、辺及び頂点を含み、モデル化領域50が二次元の平面形状である場合、モデル化領域50の辺及び頂点を含む。
また、作成するシミュレーションモデルが、複数の単位要素を用いて構成されたモデルであるとき、シミュレーションモデルの変形を許容しつつ、モデル化領域50の境界上に位置する単位要素の変位を拘束するための複数の制御点を設定した、周期境界条件を満たす変位拘束式をシミュレーションモデルに付与することが好ましい。変位拘束式は、上記複数の制御点の変位と、モデル化領域50の境界上に位置する単位要素の変位との間を拘束する関係式である。この点は、後述する。
材料定数設定部26は、シミュレーション演算可能とするために、母相のモデル52及び第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56、及び境界層モデル58に材料定数を付与する。材料定数は、材料の粘弾性特性を表す値、例えば、各材料の複素弾性率、あるいはヤング率やせん断剛性等の弾性定数と正接損失tanδ等の粘性定数を含む。このような材料定数のモデルへの付与は、材料の種類(材料定数)を特定するための材料属性値と材料定数との対応表を予め定めておき、各モデルにこの属性値を付与することを含む。
本実施形態では、第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56、及び境界層モデル58に付与する材料定数のいずれも、材料の粘弾性特性を表す値を含むが、第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56、及び境界層モデル58に付与する材料定数の少なくとも1つは、材料の粘弾性特性を表す値を含めばよい。
シミュレーションモデル作成部28は、不均質材料のモデルMから、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成する。シミュレーションモデルは、モデルMをメッシュ状に細かく分割して、格子点の交点を節点とし、この節点を頂点とする単位要素を複数設けた周知の有限要素モデルや、公知のメッシュフリー法を用いて複数の単位要素で構成した公知のメッシュフリー法によるモデルを含む。メッシュフリー法では、変形する不均質材料の応力場における物理量の近似関数を、内挿関数を用いて表し、この物理量の近似関数を、周知の有限要素法で用いられる応力場の支配方程式に代入することで、有限要素法における要素剛性行列に対応した剛性行列を作成することができる。ここで上記内挿関数は、各単位要素の周りに予め設定された距離の範囲内に位置する単位要素の位置情報と重み関数で定まる重み係数によって定めることができる。したがって、メッシュフリー法は、シミュレーションモデルが変形を受けて変位した単位要素に応じて内挿関数が変化することを特徴とする。この点、モデルを設定した時点で、物理量を表す内挿関数が有限要素の形状に応じて一意的に定まる有限要素法とは異なる。メッシュフリー法は、例えば、EFG(Element Free Galerkin)法やRKPM(Reproducing Kernel Particle Method)法等を含む。
こうして、不均質材料の演算可能なシミュレーションモデルを作成する。
シミュレーション演算部30は、作成したシミュレーションモデルに対して、例えば各制御点に変位を与え、そのとき各制御点に作用する力の応答を演算する。変位は、シミュレーションモデルが繰り返し変形するようにシミュレーションモデルに付与される。シミュレーションモデルへの変位の付与は、例えば、上述の変位拘束式における制御点に上記変位を与えることにより行われる。シミュレーション演算部30は、変位に対する力の応答を算出し、その算出結果をRAM16に記憶させる。
探索部32は、シミュレーション演算部30の算出結果を、RAM16から呼び出して、予め設定した不均質材料のモデルMの力学特性を算出する。さらに、探索部32は、不均質材料のモデルMを定める上記制御パラメータの各値を、設定した範囲内で変更し、変更するたびに、不均質材料モデル作成部22、シミュレーションモデル作成部28及びシミュレーション演算部30に対して、変更後の不均質材料のモデルMを作成して演算可能なシミュレーションモデルを作成し、このシミュレーションモデルを用いてシミュレーション演算をするように動作させる。探索部32は、変更した制御パラメータと力学特性の組をセットにしてまとめる。こうして、制御パラメータの力学特性に対する寄与を分析する。上記制御パラメータの変更は、例えば直交表やラテンハイパーキューブ等を含む実験計画に基づいて、制御パラメータの各値が適宜変更されることが好ましい。また、予め定めた制約条件の下、予め定めた目的関数が最大あるいは最小となるように公知の最適化プロセスを用いて、条件設定部20で設定した制御パラメータを予め設定した範囲内で変更してもよい。上述した制御パラメータの力学特性に対する寄与の分析には、探索部32が、制御パラメータとシミュレーションモデルにおける力学特性との因果関係を表すチャートを可視化するように、ディスプレイ42に表示させることが含まれる。上記チャートには、制御パラメータに関する制御パラメータと力学特性との関係を表す自己組織化マップ、あるいは上記シミュレーション演算の結果から決定木学習を行なって得られた力学特性に関する決定木が含まれる。
制御部34は、条件設定部20〜探索部32の各ソフトウェアモジュールの動作を管理し制御する部分である。
(不均質材料のシミュレーション方法)
図3は、本実施形態の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法を含む不均質材料のシミュレーション方法のフローを説明する図である。
まず、条件設定部20は、作成しようとする粒子モデルの属性値及び粒子モデル間の相対位置を定める制御パラメータを含む不均質材料モデルパラメータを装置10内で設定する(ステップS10)。シミュレーションモデルパラメータも同時に設定される。これらのパラメータは、入力操作系40から入力設定されるほか、RAM16に予め記憶したパラメータを呼び出して設定することもできる。
不均質材料モデルパラメータに含まれる粒子モデルの制御パラメータは、後述するように、粒子モデルを順次モデル化領域中に発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める情報であり、例えば、すでに配置した粒子モデルと今回発生させる粒子モデルの重心間距離の許容値、さらには、粒子モデルの数を増やすに従って上述の許容値を小さくしていく関数の情報を含む。この関数は、粒子モデルが楕円体モデルである場合、楕円体モデルの長軸方向あるいは短軸方向の関数を含んでもよい。したがって、制御パラメータは、例えば、上記許容値の関数を規定する複数の関数設定パラメータを含む。また、不均質材料モデルパラメータは、粒子モデルを発生させるときの粒子モデルの制御パラメータあるいは属性値を設定した値に対して微小にゆらぎを与えて変動させるための情報を含んでもよい。
次に、不均質材料モデル作成部22は、不均質材料のモデルを作成する。図4(a)〜(d)は、不均質材料のモデルMの作成方法を示す図である。まず、図4(a)に示すように、モデル化領域50を設定した後、モデル化領域50内に予め領域を定めた母相のモデル52を作成し、次に、図4(b)に示すように、第1の粒子モデル54を配置し、次に、図4(c)に示すように、第2の粒子モデル56を配置し、最後に、図4(d)に示すように、境界層モデル58を第2の粒子モデル56の周りに配置する。なお、図4(c)に示す図示例は、第2の粒子モデル56を第1の粒子モデル54の領域内に配置する場合の例であるが、母相のモデル52の領域に第2の粒子モデル54を配置してもよく、母相のモデル52及び第1の粒子モデル54の領域の区別なく、第2の粒子モデル56が配置されてもよい。このような配置方法は、上述した不均質材料モデルパラメータに含まれたパラメータにより定めることができる。
モデルMの作成をより具体的に説明する。
まず、不均質材料モデル作成部22は、モデル化領域50を生成して、モデル化領域50内に、母相のモデル52を作成する(ステップ20)。図4(a)に示すように、モデル化領域50内の領域全体が母相のモデル50とされる。母相のモデル50の作成は、モデル化領域50の各位置に、第1の材料相を特定する属性値を設定することにより行われる。
次に、不均質材料モデル作成部22は、粒子モデルを発生する(ステップS30)。図5(a)〜(c)は、粒子モデルの発生の一例を説明する図である。第1の粒子モデル54及び第2の粒子モデル56の発生は、いずれも図5(a)〜(c)に説明する方法で発生される。図5(a)〜(c)では、第1の粒子モデル54を代表して説明されている。
まず、不均質材料モデル作成部22は、図5(a)に示すように、予め制御パラメータにより設定された個数だけ、モデル化領域50内に、第1の粒子モデル54をランダムな位置に発生させる。モデル化領域50内にランダムな位置に第1の粒子モデル54を発生させる段階を段階N=0とする。段階N=0における第1の粒子モデル54の発生個数は、不均質材料モデルパラメータとして含まれる。次に、第1の粒子モデル54を順次モデル化領域50に発生させる。第1の粒子モデル54を順次発生させるとき、すでに配置した第1の粒子モデル54との間の相対位置を定める上述の制御パラメータにより第1の粒子モデル54の発生位置を制御する。
第1の粒子モデル54の発生位置を制御する方法は、以下の方法が一例として挙げられる。
不均質材料モデル作成部22は、例えば、モデル化領域50内のランダムな位置に点を発生させ、この点が、制御パラメータとして設定された、段階N=0において配置された第1の粒子モデル54の重心点を中心とする距離の許容値Rの範囲内に位置するまで、点を発生し続ける。すなわち、許容値Rをすでに配置した第1の粒子モデル54の周りの許容限界の粒子モデル間距離として設定し、第1の粒子モデル54の許容限界の範囲内に点を発生させ、この点を重心点とする第1の粒子モデル54を発生させる。これにより、図5(b)に示すように、すでに配置した第1の粒子モデル54の周りに第1の粒子モデル54が形成される。
次に、不均質材料モデル作成部22は、モデル化領域50内のランダムな位置に点を発生させ、この点が、制御パラメータとして設定された、段階N=1において配置された第1の粒子モデル54の重心点を中心とする距離の許容値Rの範囲内に位置するまで、点を発生し続ける。すなわち、許容値Rをすでに配置した第1の粒子モデル54の周りの許容限界の粒子モデル間距離として設定し、第1の粒子モデル54の許容限界の範囲内に点を発生させ、この点を重心点とする第1の粒子モデル54を発生させる。これにより、図5(c)に示すように、すでに配置した第1の粒子モデル54の周りに第1の粒子モデル54が形成される。
このような各段階Nにおける許容値RN+1は、制御パラメータとして含まれている。
図6は、許容値Rの段階Nに対する変化を示す関数を説明する図である。このような許容値Rは、上述した関数であり、制御パラメータとして含まれる。図6に示す許容値Rの関数の例は、段階Nとともに単調減少し、一定の値に漸近するものである。
以上の方法は一例であり、粒子モデルを順次モデル化領域50に発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を制御する限りにおいて、どのような方法を用いてもよい。
こうして、不均質材料モデル作成部22は、段階Nを繰り返し、第1の粒子モデル54が予め設定された数K以上になるまで、例えば、予め設定された、モデル化領域50内に占める第1の粒子モデル54の体積分率から定められる第1の粒子モデル54の数K以上になるまで、第1の粒子モデル54の発生が繰り返される(ステップS40)。
次に、不均質材料モデル作成部22は、すべての種類の粒子モデルを発生させたか否かを判定する(ステップS50)。全ての種類の粒子モデルを発生させていない場合、ステップS30に戻り、別の種類の粒子モデルの発生を続ける。このような粒子モデルの発生方法は、粒子モデルの種類ごとに順番に行われる。本実施形態の場合、第1の粒子モデル54の発生を最初に行い、次に第2の粒子モデル56の発生を行なう。こうして、全ての種類の粒子モデルを発生させると、不均質材料モデル作成部22は、境界層モデルを作成する(ステップS60)。境界層モデルの作成では、不均質材料モデルパラメータに基づいて境界層モデルがどの種類の粒子モデルの周りに設けるかが定められているので、不均質材料モデルパラメータに基づいて、境界層モデルが作成される。図4(d)に示す例では、境界層モデル58は、第2の粒子モデル56の周りに一定の厚さで設けられる。境界層モデル58の厚さについても、不均質材料モデルパラメータとして設定されることが好ましい。こうして、図2に示すようなモデルMが作成される。
なお、第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56及び境界層モデル58のそれぞれがモデル化領域50内に設けられるとき、母相のモデル52あるいは第1の粒子モデル54の領域に重なる場合が生じる。このような場合、最後に設けられたモデルが、上記重なる領域を占有するモデルとなるように自動的に調整される。したがって、母相のモデル52は、第1の粒子モデル54が設けられる領域から自動的に除外される。
次に、シミュレーションモデル作成部28は、作成された不均質材料のモデルMに基づいて、コンピュータで演算可能なシミュレーションモデルを作成する(ステップS70)。図7は、シミュレーションモデルの一例を示す図である。図7に示すように、モデル化領域50全体を、母相のモデル52及び第1の粒子モデル54,第2の粒子モデル56よりもサイズの小さい複数の単位要素で構成し、この単位要素のそれぞれに、第1の材料相及び第2の材料相を特定する材料属性値を割り当てることにより、シミュレーションモデルを作成する。材料属性値は、材料の種類を特定するための値であり、この値を用いて、予め作成された対応表を用いて、材料定数と関連付けられている。図7に示すシミュレーションモデルは、モデルMを、整然と一定間隔で並べた複数の細かい単位要素で構成されたモデルであり、シミュレーションモデルの境界に位置する単位要素が外部から変位を受けて単位要素の配置が変形し、この変形に対して反力が発生するモデルである、メッシュフリー法に基づくEFGモデルである。シミュレーションモデルでは、モデルM中の母相のモデル52、第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56、及び境界層モデル58の配置位置に対応する領域の単位要素に、各モデルに対応する材料定数が付与される。これにより、シミュレーションモデルは、コンピュータで演算可能なモデルとなる。
図8は、シミュレーションモデルの他の例を示す図である。図8に示すシミュレーションモデルは、モデルMを複数のメッシュで分割して、メッシュ中の格子点を頂点とする形状の単位要素で構成された有限要素モデルであり、シミュレーションモデルの境界に位置する単位要素が外部から変位を受けて単位要素それぞれの形状が変形し、この変形に対して反力が発生するモデルである。シミュレーションモデルでは、モデルM中の母相のモデル52、第1の粒子モデル54、第2の粒子モデル56、及び境界層モデル58の配置位置に対応する領域の単位要素に、各モデルに対応する材料定数が付与される。これにより、シミュレーションモデルは、コンピュータで演算可能なモデルとなる。
シミュレーションモデルでは、フィラー等を再現した粒子モデルに挟まれたポリマー等を再現した母相のモデルの領域では、局所的に母相のモデルに局所的な大変形が生じ、有限要素法によるシミュレーションモデルでは、シミュレーション演算が破綻する場合がある。この点で、局所的な大変形に対してロバスト性の高いEFGモデルを用いることが好ましい。
次に、探索部32は、作成されたシミュレーションモデルが予め定めた数L以上になっているか否かを判定する(ステップS80)。シミュレーションモデルの作成した数が予め設定した数Lに達しない場合、探索部32は上述した制御パラメータを変更して(ステップS90)、ステップS20に戻り、モデルMをさらに作成する。制御パラメータは、粒子モデルを順次発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定めるパラメータであるので、制御パラメータを変更して作成する複数のモデルMは、粒子モデルの分布形態が異なっている。したがって、制御パラメータを変更することにより、粒子モデルがモデル化領域50内で分散配置される形態(モルフォロジー)は異なる。したがって、種々モルフォロジー異なる不均質材料のモデルMを作成することができる。このような制御パラメータの変更は、例えば直交表やラテンハイパーキューブ等を含む実験計画に基づいて、制御パラメータが適宜変更されることが好ましい。
こうして予め設定された数Lのシミュレーションモデルが作成されると、シミュレーション演算部30は、各シミュレーションモデルの境界に変位を与えてシミュレーションモデルを変形させ、このとき発生する力を算出する(ステップS100)。変位は、シミュレーションモデルが繰り返し変形するように付与される。
こうして、シミュレーション演算部30は、シミュレーションモデルに与えた変位と、この変位に対して発生する力の結果をRAM16に記憶する。
さらに、探索部32は、シミュレーション演算部30の算出結果を、RAM16から呼び出して、予め設定した不均質材料のモデルMの力学特性を算出する。シミュレーションに用いた各シミュレーションモデルは、制御パラメータが変更されたものであり、探索部32は、制御パラメータの各値についても取得しているので、探索部32は、変更した制御パラメータと力学特性の組をセットしまとめる。こうして、探索部32は、制御パラメータの力学特性に対する寄与を分析する(ステップS110)。上述した制御パラメータの力学特性に対する寄与を分析するとき、探索部32が、制御パラメータとシミュレーションモデルにおける力学特性との因果関係を表すチャートを可視化するように、ディスプレイ42に表示させることが好ましい。上記チャートには、制御パラメータに関する制御パラメータと力学特性との関係を表す自己組織化マップ、あるいは上記シミュレーション演算の結果から決定木学習を行なって得られた力学特性に関する決定木が含まれる。
このように、装置10では、制御パラメータの力学特性に対する寄与を分析するので、不均質材料におけるモルフォロジーが力学特性に及ぼす寄与を関係付けることができ、所望の力学特性を実現するための不均質材料におけるフィラー等の分散形態を提案することができる。力学特性は、シミュレーションモデルに蓄えられる貯蔵エネルギに対するシミュレーションモデルで散逸する損失エネルギの比であることが、不均質材料における損失エネルギを効率よく小さくする点で好ましい。母相のモデル及び第2の材料相のモデルで構成されたシミュレーションモデルを用いる場合、母相のモデル及び第2の材料相のモデルの少なくとも一方に付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含むとよい。また、母相のモデル、第2の材料相のモデル、及び第3の材料相のモデルで構成されたシミュレーションモデルを用いる場合、母相のモデル、第2の材料相のモデル、及び第3の材料相のモデルの少なくとも1つに付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含むとよい。
図9は、本実施形態で作成される不均質材料のモデルMの異なる例を示す図である。図9に示すモデルM’は、母相のモデル52の他に、母相のモデル52に周りを取り囲まれるように予め領域を定めたモデル60を形成し、モデル60に囲まれるように、第2の粒子モデル56が分散配置され、第2の粒子モデル56の周りに境界層モデル58が形成された構成である。モデルM’では、モデルMにおける第1の粒子モデル54の代わりに予め領域を定めたモデル60を形成している。したがって、第1の粒子モデル54は、設けられない。
このようなモデルM’の作成では、まず、モデル化領域50内に、母相のモデル52を作成し、その後、モデル60を作成した後、モデル60の領域内に、上述したような、粒子モデルの発生方法により、順次第2の粒子モデル56を、上述したし制御パラメータを用いて発生させていく。この場合、第2の粒子モデル56は、不均質材料パラメータにより、モデル60内の領域内に発生するように制御される。
なお、本実施形態の不均質材料のモデルMあるいはモデルM’は、母相のモデル52、第1の粒子モデル54あるいはモデル60、及び第2の粒子モデル56を用いて構成されるが、少なくとも母相のモデル52と、第1の粒子モデル54あるいは第2の粒子モデル56の一方とを用いて不均質材料のモデルが構成されればよい。
なお、本実施形態では、上述したように、不均質材料のモデルを用いて無限縁の不均質材料のシミュレーションを行うために、周期境界条件を設定する。このとき、モデル化領域50の第1の境界を占有する粒子モデルの1つを発生させたとき、モデル化領域50の周期境界条件を満足するように、第1の境界と異なるモデル化領域50の少なくとも1つ以上の第2の境界を占有する粒子モデルを強制的に配置することが好ましい。図10(a),(b)は、モデル化領域50の第1の境界として第1の頂点に第1の粒子モデル54aが配置された状態を示す図である。この場合、第1の境界と異なる他の第2の境界上の第2の頂点(図10(b)に示すニ次元の矩形形状のモデル化領域の例では3つの頂点、三次元の直方体形状のモデル化領域では7つの頂点)に、第1の粒子モデル54bが強制的に配置される。勿論、モデル化領域50が二次元平面形状であり、あるいは、三次元立体形状であり、第1の境界がモデル化領域50を形作る辺である場合、第2の境界も辺である。モデル化領域50が三次元立体形状であり、第1の境界が面である場合、第2の境界も面である。
図10(b)の例に示すように、第1の境界である第1の頂点を粒子モデル54aが占有する場合、この粒子モデル54aのモデル化領域50における第1の形状(斜線の領域の形状)、及び第2の境界を占有する粒子モデル54b,54c,54dのモデル化領域50における第2の形状(斜線の領域の形状)のそれぞれは、モデル化領域50の境界を占有しない粒子モデルの第3の形状(円形状)の一部の形状であり、第1の形状と第2の形状を相補って1つにまとめた形状は、第3の形状(円形状)に一致することが、モデル化領域50を連続的に正確に繰り返して無限の不均質材料のモデルに展開する点で、好ましい。
さらに、複数の単位要素を用いて構成されたシミュレーションモデルを、コンピュータで演算可能なシミュレーションモデルを作成するために、シミュレーションモデルを作成するとき、モデル化領域50の不均質材料のモデルMを用いて無限領域の不均質材料のシミュレーションを行うために、シミュレーションモデルの変形を許容しつつ、モデル化領域50の境界上に位置する単位要素の変位を拘束するための複数の制御点を設定した、周期境界条件を満たす変位拘束式をシミュレーションモデルに付与することが好ましい。この変位拘束式は、複数の制御点の変位と、モデル化領域50の境界上に位置する単位要素の変位との間を拘束する関係式である。図11は、変位拘束式の一例を説明する図である。図11では、簡易的にニ元平面形状のモデル化領域50を用いて変位拘束式が説明されている。図11に示すニ次元のモデル化領域50の境界上の4つの頂点には、単位要素n1,n3,n7,n9が設けられ、境界上の4つの辺の中点には、単位要素n2,n4,n6,n8が設けられ、単位要素n2と単位要素n8を結ぶ直線と単位要素n4と単位要素n6を結ぶ直線の交点に単位要素n5が設けられている。
このような場合、図11に示されるように、制御点が2つ設定され、4つの頂点に関する変位拘束式は、6個であり、制御点それぞれに関する4つの頂点に関する変位拘束式の数は、互いに異なることが好ましい。勿論、モデル化領域50の境界上に位置するシミュレーションモデルの節点や単位要素の点についても、頂点と同様の数の変位拘束式が与えられる。具体的には、制御点とは、シミュレーションモデルの変形を許容しつつ、モデル化領域50の両側に位置する境界上の頂点に位置する単位要素の変位を拘束する点である。図11に示す例では、制御点m1のx方向の変位が、単位要素n3と単位要素n1のx方向変位の差分に相当し、また、制御点m1のx方向の変位が、単位要素n9と単位要素n7のx方向変位の差分に相当する。また、制御点m2のx方向の変位が、単位要素n1と単位要素n7のx方向変位の差分に相当し、制御点m1のy方向の変位が、単位要素n3と単位要素n1のy方向変位の差分に相当し、制御点m1のy方向の変位が、単位要素n9と単位要素n7のy方向変位の差分に相当し、制御点m2のy方向の変位が、単位要素n1と単位要素n7のy方向変位の差分に相当する。このように、制御点m1,m2それぞれに関する変位拘束式の数は、互いに異なっている。図11に示す例では、制御点m1に関する変位拘束式の数は、4つであり、制御点m2に関する変位拘束式の数は、2つである。このように、制御点m1に関する変位拘束式の数と、御点m2に関する変位拘束式の数は、互いに異なっていればよく、制御点m1、m2の変位拘束式の数の組み合わせは、5つと1つの組み合わせであってもよい。制御点m2、m1の変位拘束式の数の組み合わせは、4つと2つの組み合わせ、あるいは5つと1つの組み合わせであってもよい。このような変位拘束式をシミュレーションモデルに与えて、制御点m1、m2に変位を与えることにより、シミュレーションモデルを変形させることができ、無限領域の不均質材料のシミュレーションを行うことができる。
図11に示すモデル化領域の例は、ニ次元の例であるが、三次元のモデル化領域の場合、制御点は3つ設定され、変位拘束式の数は21個であり、制御点それぞれに関する変位拘束式の数は、互いに異なることが好ましい。この場合、3つの制御点に関する変位拘束式の数は、互いに異なっていればよく、3つの制御点の変位拘束式の数の組み合わせは、互いに異なる限り、制限されない。これにより、無限領域の三次元の不均質材料のシミュレーションを行うことができる。
なお、制御点については、モデル化領域50のシミュレーションモデルとは異なるダミーの単位要素を設定し、このダミーの単位要素上の節点を制御点として設定してもよい。
また、モデルMを作成するために粒子モデルを順次発生させるときに、粒子モデルの大きさ及び制御パラメータの少なくとも1つを設定した値に対して微小にばらつかせる(変動させる)てもよい。これにより、実際の不均質材料のモデルにより近づけることができる。
また、シミュレーションモデルは、複数の単位要素を用いて構成されたモデルである場合、粒子モデルの中心が単位要素のいずれの位置にもないとき、粒子モデルの重心点が、単位要素のうち当該重心点から最も近い単位要素の位置に来るように、粒子モデルを移動してシミュレーションモデルを作成してもよい。あるいは、シミュレーションモデルは、有限要素法のように、メッシュで区分けされた複数の単位要素を用いて構成されたモデルである場合、粒子モデルの重心点がメッシュ中のいずれの格子点の位置にもないとき、粒子モデルの重心点がメッシュ中の最も近い格子点の位置に来るように、粒子モデルを移動してシミュレーションモデルを作成してもよい。これにより、粒子モデルの、単位要素あるいはメッシュによって定まる形状は、粒子モデルの重心点に位置する単位要素あるいは格子点の周りに点対称性を有し、シミュレーション演算の結果も安定した結果となり易い。
本実施形態では、制御パラメータを変更して複数のモデルMを作成してシミュレーション演算を行なって、制御パラメータの力学特性に対する寄与を探索するが、例えば、制御パラメータを設計変数とし、シミュレーションモデルにおける力学特性を目的関数として、上述のシミュレーションを行いながら力学特性の値を最大あるいは最小にする設計変数の値を探索して求める最適化処理を行なうこともできる。
本実施形態における力学特性は、シミュレーションモデルにおける貯蔵エネルギに対する損失エネルギの比を用いることが好ましいが、これ以外に、貯蔵エネルギ、シミュレーションモデルの歪み(平均歪みあるいは歪みの分散)や応力(平均応力あるいは応力の分散)であってもよい。また、シミュレーションモデルに初期歪みを与えた状態で、シミュレーションモデルに繰り返し変形をさせる場合、上述の損失エネルギに対する損失エネルギの比は、初期歪みを与えた状態を基準として(初期歪みの状態の貯蔵エネルギをゼロとして)、貯蔵エネルギに対する損失エネルギの比を用いるとよい。
以上のように、本実施形態では、第1の粒子モデル54及び第2の粒子モデル56のように、2つ以上の粒子モデルを順次モデル化領域50に発生させ、このとき、粒子モデルを順次発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を制御して、粒子モデルを発生させる。そして母相のモデル及び粒子モデルに材料定数(材料パラメータ)を付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成する。したがって、不均質材料におけるモルフォロジーの、不均質材料の力学特性への寄与を分析することができる。
このようなシミュレーション方法をコンピュータで実行させるプログラムは、電気回線を通じて、あるいはプログラムを格納した記録媒体から呼び出して、取得することができる。このときプログラムは、第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のうち、第1の材料相を母相のモデルでモデル化し、第2の材料相を、2つ以上の粒子モデルでモデル化して第2の材料相のモデルを作成することにより、粒子モデルを分散させた不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させる。このとき、プログラムは、
(a)コンピュータに、不均質材料のモデル化領域内に第1の材料相を母相として領域を定めて母相のモデルを作成させる手順
(b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、第2の材料相のモデルをコンピュータに作成させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を、コンピュータに制御させる手順と、
(c)作成した母相のモデル及び作成した第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させる手順と、を含む。
以上、本発明の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 シミュレーション装置
12 CPU
14 ROM
16 RAM
18 入出力部
20 条件設定部
22 不均質材料モデル作成部
24 境界条件設定部
26 材料定数設定部
28 シミュレーションモデル作成部
30 シミュレーション演算部
32 探索部
34 制御部
50 モデル化領域
52,60 母相のモデル
54 第1の粒子モデル
56 第2の粒子モデル
58 境界層モデル

Claims (18)

  1. 第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルを作成する方法であって、
    コンピュータが、
    (a)前記第1の材料相を母相として、不均質材料のモデル化領域内に予め領域を定めた母相のモデルを作成するステップと、
    (b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルを作成するステップであって、粒子モデルを発生させるとき、すでに配置した粒子モデルと新たに発生させる粒子モデルの重心間距離の許容値を、前記粒子モデルの数が設定された数増える毎に小さくするように粒子モデルの発生位置を制御するステップと、
    (c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成するステップと、
    を含む、ことを特徴とする不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  2. 前記(b)のステップにおいて、前記モデル化領域の第1の境界を占有する粒子モデルの1つを発生させたとき、前記粒子モデルのうち前記第1の境界よりも前記モデル化領域の外側にある部分を、前記第1の境界に対向する前記モデル化領域の第2の境界の対向位置に配置する、請求項1に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  3. 前記第1の境界を占有する粒子モデルの前記モデル化領域における第1の形状、及び前記第2の境界の対向位置に配置された粒子モデルの前記モデル化領域における第2の形状のそれぞれは、前記モデル化領域の境界を占有しない粒子モデルの第3の形状の一部の形状であり、前記第1の形状と前記第2の形状を相補って1つにまとめた形状は、前記第3の形状に一致する、請求項2に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  4. 前記シミュレーションモデルは、複数の単位要素を用いて構成されたモデルであり、
    前記モデル化領域の不均質材料のモデルを用いて無限領域の不均質材料のシミュレーションを行うために、前記(c)のステップにおいて、前記シミュレーションモデルの変形を許容しつつ、前記モデル化領域の境界上に位置する単位要素の変位を拘束するための複数の制御点を設定した、周期境界条件を満たす変位拘束式を前記シミュレーションモデルに付与し、前記変位拘束式は、前記複数の制御点の変位と、前記モデル化領域の境界上に位置する単位要素の変位との間を拘束する関係式である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  5. 前記シミュレーションモデルが三次元の場合、前記制御点は3つ設定され、前記変位拘束式のうち、前記モデル化領域の境界に位置する頂点に関する変位拘束式は21個であり、前記制御点それぞれに関する変位拘束式の数は互いに異なる、請求項4に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  6. 前記シミュレーションモデルが二次元の場合、前記制御点は2つ設定され、前記変位拘束式のうち、前記モデル化領域の境界に位置する頂点に関する変位拘束式は6個であり、
    前記制御点それぞれに関する変位拘束式の数は互いに異なる、請求項4に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  7. 前記(c)の前記シミュレーションモデルを作成するステップでは、
    (c−1)前記モデル化領域全体を、前記母相のモデル及び前記粒子モデルよりもサイズの小さい複数の単位要素で構成し、
    (c−2)前記単位要素のそれぞれに、前記第1の材料相あるいは前記第2の材料相を特定する材料属性値を割り当てることにより、前記シミュレーションモデルを作成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  8. さらに、前記(a)〜(c)のステップを行なった後、コンピュータが、前記許容値および前記許容値を前記粒子モデルの数が設定された数増える毎に小さくする関数を変更して前記(b)及び(c)のステップを行なうことにより、複数のシミュレーションモデルを作成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法。
  9. 前記(b)のステップでは、前記粒子モデルを順次発生させるときに、前記粒子モデルの大きさ設定した値に対して変動させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシミュレーションモデルの作成方法。
  10. 第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルを作成する方法であって、
    コンピュータが、
    (a)前記第1の材料相を母相として、不均質材料のモデル化領域内に予め領域を定めた母相のモデルを作成するステップと、
    (b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルを作成するステップであって、粒子モデルを発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を制御するステップと、
    (c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成するステップと、
    を含み、
    前記シミュレーションモデルは、メッシュで区分けされた複数の単位要素を用いて構成されたモデルであり、
    前記粒子モデルの重心点が前記メッシュ中のいずれの格子点の位置にもないとき、前記粒子モデルの重心点が前記メッシュ中の最も近い格子点の位置に来るように、前記粒子モデルを移動して前記シミュレーションモデルを作成することを特徴とするシミュレーションモデルの作成方法。
  11. 第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルを作成する方法であって、
    コンピュータが、
    (a)前記第1の材料相を母相として、不均質材料のモデル化領域内に予め領域を定めた母相のモデルを作成するステップと、
    (b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルを作成するステップであって、粒子モデルを発生させるとき、すでに配置した粒子モデルとの間の相対位置を定める制御パラメータにより粒子モデルの発生位置を制御するステップと、
    (c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルを作成するステップと、
    を含み、
    前記シミュレーションモデルは、複数の単位要素を用いて構成されたモデルであり、
    前記粒子モデルの重心点が前記単位要素のいずれの中心位置にもないとき、前記粒子モデルの重心点が前記単位要素のうち最も近い単位要素の中心位置に来るように、前記粒子モデルを移動して前記シミュレーションモデルを作成することを特徴とするシミュレーションモデルの作成方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項の作成方法で作成されたシミュレーションモデルを用いて、コンピュータに、不均質材料のシミュレーションモデルにおける力学特性を算出させる、ことを特徴とする不均質材料のシミュレーション方法。
  13. 粒子モデルの重心間距離の許容値を設計変数とし、前記シミュレーションモデルにおける力学特性を目的関数として、コンピュータが、前記力学特性の値を最大あるいは最小にする設計変数の値を求める、請求項12に記載の不均質材料のシミュレーション方法。
  14. コンピュータが、粒子モデルの重心間距離の許容値と前記シミュレーションモデルにおける前記力学特性との因果関係を表すチャートを可視化する、請求項12または13に記載の不均質材料のシミュレーション方法。
  15. 前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルの少なくとも一方に付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含み、
    前記力学特性は、前記シミュレーションモデルに蓄えられる貯蔵エネルギに対する前記シミュレーションモデルで散逸する損失エネルギの比を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の不均質材料のシミュレーション方法。
  16. 前記不均質材料は、前記第1の材料相の他に少なくとも第3の材料相を含み、前記第3の材料相は予め領域を定めたモデルでモデル化され、
    前記第1の材料相及び前記第3の材料相は、ポリマー相である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の不均質材料のシミュレーション方法。
  17. 前記母相のモデル、前記第2の材料相のモデル、及び前記第3の材料相のモデルの少なくとも1つに付与する材料パラメータは、材料の粘弾性特性を表す値を含み、
    前記力学特性は、前記シミュレーションモデルに蓄えられる貯蔵エネルギに対する前記シミュレーションモデルで散逸する損失エネルギの比を含む、請求項16に記載の不均質材料のシミュレーション方法。
  18. 第1の材料相と第2の材料相を少なくとも含む不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させるプログラムであって、
    (a)コンピュータに、不均質材料のモデル化領域内に前記第1の材料相を母相として領域を定めて母相のモデルを作成させる手順と、
    (b)粒子モデルを順次前記モデル化領域内に分散して発生させて、前記第2の材料相のモデルをコンピュータに作成させるとき、すでに配置した粒子モデルと新たに発生させる粒子モデルの重心間距離の許容値を、前記粒子モデルの数が設定された数増える毎に小さくするように、粒子モデルの発生位置を、コンピュータに制御させる手順と、
    (c)前記母相のモデル及び前記第2の材料相のモデルに材料パラメータを付与して、コンピュータで演算可能な不均質材料のシミュレーションモデルをコンピュータに作成させる手順と、を含むことを特徴とするプログラム。
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