JP5328870B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、弁作用を有する金属の表面に酸化被膜が形成された陽極と、弁作用を有する金属を備えた陰極と、上記両極間に設けられたセパレータとを巻回してなるコンデンサ素子を備え、且つ、上記両極間には固体電解質が介在すると共に、上記陽極には、表面に酸化被膜が形成された陽極用リードタブ端子が固定され、上記陰極には、陰極用リードタブ端子が固定される構造の電解コンデンサに関する。
タンタル或いはアルミニウム等のような弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、小型で大きな容量を得ることができることから、広く一般に用いられており、特に、電解コンデンサのうち、ポリピロール系、ポリチオフェン系、ポリアニリン系等の導電性高分子又はTCNQ錯塩を電解質に用いた固体電解コンデンサが注目されている。
ここで、上記固体電解コンデンサは、以下のようにして作製される(下記特許文献1参照)。
先ず、エッチング処理、化成処理を行ったアルミニウム箔から成る陽極に化成処理を施した陽極用リードタブ端子を、陰極に陰極用リードタブ端子を、それぞれ固定した後、上記陽極と陰極とをセパレータ紙を介して円筒状に巻き取ってコンデンサ素子を形成し、更に、当該コンデンサ素子の切り口化成と熱処理とを行う。次に、酸化剤とモノマーとを含む溶液に上記コンデンサ素子を浸漬した後、熱重合させることにより、コンデンサ素子の両極間に導電性高分子層(固体電解質層)を形成させる。次いで、コンデンサ素子をアルミケースに収納固定後、アルミケースの開口部を封止し、更にエージング処理を行う。最後に、コンデンサのカール面に座板を挿入し、コンデンサのリード線をプレス加工・折り曲げを行って電極端子を作製することにより、固体電解コンデンサを完成させる。
特開平6−310381号公報
ここで、上記固体電解コンデンサにおいて、高耐圧品の要望、需要が市場で非常に高まってきているが、固体電解コンデンサは電解液タイプの電解コンデンサと比較して、漏れ電流(LC)の自己修復機能が乏しい(劣る)という課題がある。このような固体電解コンデンサを高耐圧化するためには、予め陽極箔の誘電体酸化皮膜の耐電圧を高く(言い換えると陽極箔の化成処理電圧を高く)する必要がある。さらに同様の理由により、製造工程中では陽極箔の切り口部分に再度化成処理を行う必要がある。尚、切り口部分の化成は、固体電解コンデンサ特有の処理であり、高耐圧化の場合に限定して行なわれるものではない。
通常、製造工程中で行う切り口化成の化成処理電圧は、陽極箔の化成処理電圧と同じ電圧で行うが、切り口化成の化成処理電圧が200V(特に、230V)を超えてくると、通常の陽極用リードタブ端子(化成処理電圧160V程度)を用いた場合には、切り口化成が安定せず、陽極用リードタブ端子溶接部の腐食などが多数発生していた。この結果、固体電解コンデンサのLC特性が安定化しないという課題を有していた。
従って、本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、切り口化成を安定させ、陽極用リードタブ端子溶接部の腐食を抑制することにより、LC特性を安定化させることができる固体電解コンデンサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、弁作用を有する金属の表面および端面に酸化被膜が形成された陽極と、弁作用を有する金属を備えた陰極と、上記両極間に設けられたセパレータとを巻回してなるコンデンサ素子を備え、且つ、上記両極間には固体電解質が介在すると共に、上記陽極には、表面に酸化被膜が形成された陽極用リードタブ端子が固定され、上記陰極には、陰極用リードタブ端子が固定される構造の電解コンデンサにおいて、上記陽極の端面における酸化皮膜は切り口化成によって形成され、上記陽極用リードタブ端子における酸化被膜の厚みは、上記陽極の表面および端面における酸化被膜の厚さに対して、75%以上であり、定格電圧が50V以上であることを特徴とする。
切り口化成が安定化しない、及び陽極用リードタブ端子溶接部が腐食するということの原因としては、陽極用リードタブ端子の化成処理電圧が切り口化成の化成処理電圧に対して低すぎることにあるということを本願発明者らは見出した。通常、固体電解コンデンサに用いる陽極用リードタブ端子の化成処理電圧は160Vであるため、切り口化成時に200V(特に、230V)を超える電圧を印加すると、陽極用リードタブ端子自体が大きく化成されてしまい、切り口化成が安定化しなくなると共に、化成されることで大電流が陽極用リードタブ端子を流れるため、陽極用リードタブ端子の溶接部が腐食する。
そこで、切り口化成を安定化させる(固体電解コンデンサを高耐圧化させる)ために、陽極用リードタブ端子は、陽極化成の化成処理電圧の75%以上の電圧で化成処理しておく、即ち、陽極における酸化被膜の厚みに対する、陽極用リードタブ端子における酸化被膜の厚みの比率が75%以上となるように規制する。これにより、切り口化成の化成処理電圧(陽極の化成処理電圧と同等の電圧となるように設定される)が高くなっても、切り口化成を安定化させることができると共に、陽極用リードタブ端子に大電流が流れなくなるため、陽極用リードタブ端子の溶接部が腐食することを抑制できる。
請求項2記載の発明は請求項1記載の発明において、上記固体電解質としてポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系の導電性高分子又はTCNQ錯塩を用いることを特徴とする。
固体電解質としてポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系の導電性高分子、TCNQ錯塩が例示されるが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。
請求項3記載の発明は請求項2記載の発明において、上記固体電解質としてポリチオフェン系の導電性高分子を用いることを特徴とする。
請求項4記載の発明は請求項1〜3記載の発明において、陽極における酸化被膜の厚みが3.5×10−7m以上であり、上記陽極用リードタブ端子における酸化被膜の厚みにおいて、2.8×10−7m以上3.5×10−7m未満の部分が存在することを特徴とする。
このような構成であれば、上記作用効果を一層発揮することができる。
請求項5記載の発明は請求項4記載の発明において、上記陽極用リードタブ端子における酸化被膜の一部は、上記陽極における酸化被膜と同等の厚みとなっていることを特徴とする。
化成処理がなされた陽極用リードタブ端子では、その後の切り口化成を行なう際に化成液と接している部分が存在しているため、当該部分においては、切り口化成において再度化成処理がなされる。したがって、当該部分においては、陽極における酸化被膜の厚みと同等となる。但し、このように、陽極用リードタブ端子の一部が、切り口化成において再度化成処理がなされたとしても、上述の如く、切り口化成の化成処理電圧と陽極用リードタブ端子を化成する際の化成処理電圧との差異は小さいので、問題は生じない。
本発明によれば、切り口化成を安定させ、陽極用リードタブ端子溶接部の腐食を抑制することにより、電解コンデンサのLC特性を安定化させることができるという優れた効果を奏する。
本発明の一例である固体電解コンデサに用いるコンデンサ素子斜視図である。 本発明の一例である固体電解コンデサの断面図である。 本発明の一例である固体電解コンデサの陽極用リードタブ端子の平面図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
図1は本発明の一例である固体電解コンデサに用いるコンデンサ素子斜視図、図2は本発明の一例である固体電解コンデサの断面図である。
図2に示すように、アルミケース9内にはコンデンサ素子1が配置されており、このコンデンサ素子1上には封止用ゴムパッキング10が挿入されている。また、アルミケース9の開口部は横絞りとカールすることで封止されており、この封止部上にはプラスチック製の座板11が挿入されている。この座板11上には、上記陰極2と陽極3とにそれぞれ電気的に接続された後述の陰極用リード線8、陽極用リード線7を、プレス加工、折り曲げ加工して形成される電極端子12が設けられている。
一方、上記コンデンサ素子1は、図1に示すように、表面が凹凸形状のアルミニウム箔の表面に酸化被膜が形成された陽極3と、表面が凹凸形状のアルミニウム箔から成る陰極2と、これら両極2,3間に設けられた紙製のセパレータ4とを有している。そして、これら両極2、3とセパレータ4とはロール状に巻回されて、円筒伏のコンデンサ素子1を構成しており、このコンデンサ素子1の巻回端部には固定用テープ5が貼着されている。また、上記両極2,3間には、ポリチオフェン系の導電性高分子層が形成されている。
ここで、図1中、6は陽極用リードタブ端子、7は陽極用リード線であり、具体的な構造は、図3に示すように、ボス部61とリブ部62と平打ち部63とから成るアルミニウム製の陽極用リードタブ端子6に、陽極用リード線7が溶接されるような構造である。尚、図3中、70は溶接部である。また、図1中、14は陰極用リードタブ端子、8は陰極用リード線であり、具体的な構造は、図3に示す陽極用リードタブ端子6及び陽極用リード線7と同様の構造となっている。但し、陰極用リードタブ端子7は、化成処理がなされていない点で陽極用リードタブ端子6とは異なる。
上記構造の固体電解コンデンサを、以下のようにして作製した。
先ず、アルミニウム製シートから切り出された帯状のアルミニウム箔にエッチング処理を行なう。このようにエッチング処理を行うのは、アルミニウム箔の表面を粗面化して、表面積を拡大し、静電容量を大きくするためである。次に、アルミニウム箔を化成液に漬け、250Vの電圧を印加する(化成処理電圧を250Vとする)ことにより、アルミニウムを酸化して、アルミニウム酸化被膜(化成被膜)を形成した。これにより、陽極3が作製される。尚、化成液としては、リン酸塩、ホウ酸塩、アジピン酸塩等の溶液が知られているが、他の酸塩の溶液を用いてもよい。
ここで、アルミニウム酸化被膜の厚みは、化成処理電圧(印加電圧)1V当たり14×10−10mであり、化成処理電圧に比例するということから、上記陽極3に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(1)式のようになる。
250×14×10−10m=3.5×10−7m・・・(1)
上記正極作製工程と並行して、下記に示す条件で、アルミニウム製の陽極用リードタブ端子6にも電圧を印加する(化成処理を行なう)ことにより、アルミニウム酸化被膜(化成被膜)を形成した。但し、この場合の印加電圧は200Vとしたので、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(2)式のようになる。
200×14×10−10m=2.8×10−7m・・・(2)
但し、陽極用リードタブ端子6の一部(図3における二点鎖線より左側に存在する部分)64では、後述の切り口化成時に化成液と接することになるため、陽極3の化成処理電圧と同様の電圧(250V)で行なわれる切り口化成時に再度化成される。この結果、陽極用リードタブ端子6の一部64におけるアルミニウム酸化被膜の厚みは、前記陽極3に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みと同様、3.5×10−7mとなる。
次いで、上記陽極3に上記陽極用リードタブ端子6をざぐり加工により固定する一方、アルミニウム箔から成る陰極2には、陰極用リードタブ端子14をざぐり加工により固定した。
しかる後、上記陽極3と、陰極2とを、絶縁体であるセパレータ4を介してロール状に巻回し、巻回終端をテープ5でとめ、コンデンサ素子1を作製した。ここで、陽極3は、前記の如く、アルミニウム製シートから切り出されて作成されるので、陽極3の端面には、アルミニウム酸化被膜(誘電体酸化被膜)が形成されていない。したがって、コンデンサ素子1の切り口化成を印化電圧250V(陽極3の化成処理電圧と同様の電圧)で行って、陽極の端面にもアルミニウム酸化被膜を形成した。この後、コンデンサ素子1を280℃で熱処理して、アルミニウム酸化被膜の特性を安定させた。
次に、モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤溶液としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄とを含むブチルアルコール溶液に、コンデンサ素子1を浸漬後、熱重合して両極2,3間に導電性高分子層を形成し、コンデンサ素子1を完成させた。
その後、図2に示すように、上記のようにして作製したコンデンサ素子1をアルミケース9内に収納し、更に、コンデンサ素子1上のアルミケース9内に封止用ゴムパッキング10を挿入して固定した後、アルミケース9の開口部に対し横絞りとカールを施すことで封止を行った。最後に、エージング処理を行った後、コンデンサのカール面にプラスチック製の座板11を挿入し、更に、コンデンサのリード線7、8のプレス加工、折り曲げ加工を行って電極端子12を形成することにより、固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサは、定格電圧50Vであり、またアルミケース9の外形寸法は直径10.0mmで高さ8.0mmである。
(実施例1)
上記発明を実施するための最良の形態と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下本発明コンデンサA1と称する。
(実施例2)
陽極3(陽極の切り口も含む、このことは、以下の実施例3及び比較例1〜3でも同様である)と陽極用リードタブ端子6とに化成処理を施す場合の印加電圧を、それぞれ、400V、300Vとした以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下本発明コンデンサA2と称する。
尚、陽極3におけるに形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(3)式のようになり、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(4)式のようになる。
400×14×10−10m=5.6×10−7m・・・(3)
300×14×10−10m=4.2×10−7m・・・(4)
(実施例3)
陽極3と陽極用リードタブ端子6とに化成処理を施す場合の印加電圧を、それぞれ、450V、400Vとした以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下本発明コンデンサA3と称する。
尚、陽極3におけるに形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(5)式のように
なり、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(6)式のようになる。
450×14×10−10m=6.3×10−7m・・・(5)
400×14×10−10m=5.6×10−7m・・・(6)
(比較例1)
陽極3と陽極用リードタブ端子6とに化成処理を施す場合の印加電圧を、それぞれ、250V、160Vとした以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下比較コンデンサX1と称する。
尚、陽極3におけるに形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(7)式のようになり、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(8)式のようになる。
250×14×10−10m=3.5×10−7m・・・(7)
160×14×10−10m=2.24×10−7m・・・(8)
(比較例2)
陽極3と陽極用リードタブ端子6とに化成処理を施す場合の印加電圧を、それぞれ、400V、200Vとした以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下比較コンデンサX2と称する。
尚、陽極3におけるに形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(9)式のようになり、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(10)式のようになる。
400×14×10−10m=5.6×10−7m・・・(9)
200×14×10−10m=2.8×10−7m・・・(10)
(比較例3)
陽極3と陽極用リードタブ端子6とに化成処理を施す場合の印加電圧を、それぞれ、450V、300Vとした以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
このようにして作製した固体電解コンデンサを、以下比較コンデンサX3と称する。
尚、陽極3におけるに形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(11)式のようになり、陽極用リードタブ端子6に形成されたアルミニウム酸化被膜の厚みは以下(12)式のようになる。
450×14×10−10m=6.3×10−7m・・・(11)
300×14×10−10m=4.2×10−7m・・・(12)
(実験1)
上記本発明コンデンサA1〜A3及び比較コンデンサX1〜X3において、切り口化成工程における腐食発生率を調べたので、その結果を表1に示す。尚、試料数は、各コンデンサ20個とした。
上記表1から明らかなように、比較コンデンサX1〜X3では多数の腐食が発生しているのに対して、本発明コンデンサA1〜A3では全く腐食が発生していないことが認められる。したがって、陽極におけるアルミニウム酸化被膜の膜厚に対する、陽極用リードタブ端子におけるアルミニウム酸化被膜の膜厚(陽極における化成処理電圧に対する陽極用リードタブ端子における化成処理電圧)の比率を、75%以上に規制する必要があることがわかる。
(実験2)
上記本発明コンデンサA1〜A3及び比較コンデンサX1〜X3において、初期LC特性を調べたので、その結果を表2に示す。尚、試料数は、各コンデンサ20個とし、また、表2にはそれらの平均値を示した。

上記表2から明らかなように、本発明コンデンサA1〜A3は比較コンデンサX1〜X3に比べて、初期LC特性が格段に向上していることが認められる。したがって、陽極におけるアルミニウム酸化被膜の膜厚に対する、陽極用リードタブ端子におけるアルミニウム酸化被膜の膜厚(陽極における化成処理電圧に対する陽極用リードタブ端子における化成処理電圧)の比率を、75%以上に規制する必要があることがわかる。
〔その他の事項〕
(1)上記実施例では、電極の母材にエッチドアルミニウム箔を用いているが、プレーン(未エッチド)アルミニウム箔を用いても良いことは勿論である。
(2)固体電解質にはポリチオフェン系導電性高分子を用いているが、これに限定するものではなく、ポリピロール系、ポリアニリン系等の導電性高分子又はTCNQ錯塩を用いても良いことは勿論である。
(3)陽極用リードタブ端子の化成処理は、陽極用リードタブ端子の製造の前後を問わない。即ち、陽極用リードタブ端子を製造する場合には、アルミニウム等から成る金属シートを打ち抜くことにより形成しているが、打ち抜きの前に化成処理を行なっても、又は打ち抜きの後に化成処理を行なっても良い。また、上記実施例では、陽極用リードタブ端子にのみ化成処理を行なっているが、陰極用リードタブ端子にも化成処理を行なっても良いことは勿論である。尚、このように陰極用リードタブ端子にも化成処理を行なったものを用いると、両リードタブ端子を共通化できるので、生産性の向上を図ることができる。
(4)弁作用を有する金属としては上記アルミニウムに限定するものではなく、タンタル、ニオブ等であっても良い。
(5)陽極3と陽極の切り口との化成処理は同一の電圧に限定するものではないが、切り口化成を安定させ、陽極用リードタブ端子溶接部の腐食を抑制するには、両者の化成処理を同一の電圧で行なうのが望ましい。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の電子機器のプリント配線基板における表面実装用電子部品等として用いることができる。
1 コンデンサ素子
2 陰極
3 陽極
6 陽極用リードタブ端子
7 リード線
14 陰極用リードタブ端子
70 溶接部

Claims (5)

  1. 弁作用を有する金属の表面および端面に酸化被膜が形成された陽極と、弁作用を有する金属を備えた陰極と、上記両極間に設けられたセパレータとを巻回してなるコンデンサ素子を備え、且つ、上記両極間には固体電解質が介在すると共に、上記陽極には、表面に酸化被膜が形成された陽極用リードタブ端子が固定され、上記陰極には、陰極用リードタブ端子が固定される構造の電解コンデンサにおいて、
    上記陽極用リードタブ端子が上記陽極に固定された後、上記陽極の端面における酸化皮膜は切り口化成によって形成され、
    上記陽極用リードタブ端子は、200V以上の電圧で上記陽極に固定される前に化成処理され、且つ、上記陽極用リードタブ端子は、上記切り口化成により再化成された第1部分と、上記切り口化成により再化成されない第2部分とを有し、
    上記第2部分における酸化被膜の厚みは、上記陽極の端面における酸化被膜の厚みに対して、75%以上であることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 上記固体電解質としてポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系の導電性高分子又はTCNQ錯塩を用いる、請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 上記固体電解質としてポリチオフェン系の導電性高分子を用いる、請求項2記載の電解コンデンサ。
  4. 上記陽極の表面及び端面における酸化被膜厚みが3.5×10 −7 m以上であり、上記第2部分における酸化被膜厚み2.8×10 −7 m以上である請求項1〜3記載の電解コンデンサ。
  5. 上記第1部分における酸化被膜の厚みは、上記陽極の表面における酸化被膜の厚みと同等の厚みとなっている、請求項4記載の電解コンデンサ。
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