JP5328405B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、偏光板及び位相差膜を含む液晶表示装置、特にVA(vertically aligned)モードの液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。従来、画像の視野角依存性が大きいことが液晶表示装置の大きな欠点であったが、VAモードによる広視野角液晶表示装置が実用化されるに至り、テレビ等の高品位の画像が要求される市場でも液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。
VAモード液晶表示装置は、他の液晶表示モードと比較して一般にコントラストが高いというメリットがあるが、視角によってコントラスト及び色味の変化が大きいという問題もある。この問題を解決するために、液晶セルの上下に偏光板をその吸収軸を互いに直交させて配置し、さらに、偏光板のそれぞれと液晶セルとの間に、光学的に2軸性の位相差膜を配置することにより、視角によるコントラスト低下を低減できることが知られている(例えば、特許文献1)。また、液晶セルの上下それぞれに、光学的に2軸性で光学異方性が等しい位相差膜を備えた液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2)。また、前記位相差膜に要求される光学特性を満足するポリマーフィルム、例えば、セルロースアシレート系ポリマーフィルム及びノルボルネン系ポリマーフィルムが提案されている(例えば、特許文献3及び4)。
このVAモード液晶表示装置の光学補償方式では、同一のフィルムを上下に配置して光学補償しているので、大量生産した場合コスト上のメリットがある。
特許第3330574号 特開2004−341561号公報(実施形態1 参照) 特開2004−198904号公報 特開2005−43740号公報
近年、画面サイズの大型化に伴い、環境湿度による表示特性の変動が小さい表示パネルが求められている。
従って、本発明は、視野角特性に優れるとともに、環境湿度に依存した表示特性の変動が少ない液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らが、環境湿度による表示特性の変動の原因について鋭意検討を重ねた結果、視認側及びバックライト側それぞれに配置されている位相差膜の面内レターデーション(Re)及び膜厚方向レターデーション(Rth)が、環境湿度により変動してしまうことに主原因があることがわかった。この知見に基づいて、さらに鋭意検討を重ねた結果、バックライト側に配置される位相差膜と比較して、湿度依存性が小さい位相差膜を表示面側に配置することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] バックライト、液晶セル、該液晶セルと前記バックライトとの間に配置された第1偏光子、前記液晶セルに対して前記第1偏光子と反対側に配置された第2偏光子、前記第1偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第1位相差膜、及び前記第2偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第2位相差膜を有する液晶表示装置であって、下記(式1)及び(式2)を満たし、且つ前記第1位相差膜及び前記第2位相差膜の面内レターデーションRe及び膜厚方向レターデーションRthが10nmより大きいことを特徴とする液晶表示装置:
Figure 0005328405
ここで、ΔRe1 10-80(548)及びΔRth1 10-80(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re1 60(548)及びRth1 60(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションであり;
ΔRe2 10-80(548)及びΔRth2 10-80(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re2 60(548)及びRth2 60(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションである。
[2] 前記第1及び第2位相差膜がそれぞれ、下記式(I)〜(II)を満たすことを特徴とする[1]の液晶表示装置:
(I) 30≦Re(548)≦80
(II)70≦Rth(548)≦140
ここで、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ、波長λ[nm]で測定した面内レターデーション[nm]及び膜厚方向レターデーション[nm]である。
[3] 前記第1及び第2位相差膜それぞれの、TD方向とMD方向の弾性率の平均値E1ave(Mpa)及びE2ave(Mpa)が、下記(式3)を満たすことを特徴とする[1]又は[2]の液晶表示装置:
0<E1ave−E2ave<4000 (式3) 。
[4] 前記第1及び第2位相差膜がそれぞれ、1種又は2種以上のポリマーを主成分として含み、前記第1及び第2位相差膜の主成分が互いに異なることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの液晶表示装置。
[5] 前記第1位相差膜が、1種又は2種以上のセルロースアシレート系ポリマーを主成分として含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの液晶表示装置。
[6] 前記第2位相差膜が、1種又は2種以上のシクロオレフィン系ポリマーを主成分として含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの液晶表示装置。
[7] 前記第2位相差膜が、アセチル、プロピオニル及びブチリルから選択される少なくとも二種のアシル基を有するセルロースアシレートを主成分として含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの液晶表示装置。
[8] VAモードであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
本発明によれば、視野角特性に優れるとともに、環境湿度に依存した表示特性の変動が少ない液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の一例の概略模式図である。 本発明の液晶表示装置の光学補償を説明するために用いた図面である。 本発明の液晶表示装置の光学補償を説明するために用いた図面である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、本明細書で用いられる用語について、説明する。
(レターデーション、Re、Rth)
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(X)及び式(XI)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005328405
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明において、位相差膜等の「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=548nmでの値である。また、本明細書中、Re及びRth等の光学特性について、測定時の環境(温度及び湿度)を特定していない場合は、常温・常圧で測定した光学特性であることを意味するものとする。
また、本明細書において、位相差膜及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図を図1に示す。
図1のVAモード液晶表示装置は、液晶セルLC(表示面側基板1、バックライト側基板3、及び液晶層5、からなる)と、液晶セルLCを挟持して配置される一対の表示面側偏光板P1及びバックライト側偏光板P2とを有する。なお、ポリビニルアルコールフィルム系偏光膜からなる偏光子は、通常、双方の表面に保護フィルムを有する偏光板として液晶表示装置に組み込まれるのが一般的であるが、図1では、外側に配置される保護フィルムは省略した。偏光板P1及びP2は、それぞれ偏光膜8a(第2偏光膜)及び偏光膜8b(第1偏光膜)を有し、偏光膜8a及び8bは、その吸収軸9a及び9bを互いに直交方向にして配置されている。液晶セルLCはVAモードの液晶セルであり、黒表示時には、図1に示す通り、液晶層5はホメオトロピック配向になる。基板1及び3は、それぞれ内面に、配向膜(図示せず)と電極層(図示せず)を有し、さらにいずれか一方の内面には、カラーフィルタ層(図示せず)を有する。
液晶セルLCの基板1と偏光膜8aとの間、及び液晶セルLCの基板2と偏光膜8bとの間にはそれぞれ、位相差膜10a(第2位相差膜)及び10b(第1位相差膜)がそれぞれ配置されている。位相差膜10a及び10bは、所定のRe(550)及びRth(550)を有し、吸収軸9a及び9bが直交配置からずれる斜め方向において、黒表示時に生じる光漏れを解消する作用がある。図1の液晶表示装置は、位相差膜10a及び10bは、それぞれ後述する(式1)及び(式2)を満足する構成をとる。表示面側に配置されている位相差膜10a(第2位相差膜)のRe及びRthそれぞれの湿度依存性が、バックライト側に配置される位相差膜10b(第1位相差膜)と比較して、小さくすることができ、この構成により、環境湿度に依存した表示特性の変動が軽減されことがわかった。
位相差膜10a及び10bが、さらに後述する(式3)を満足している、即ち、バックライト側に配置される位相差膜10aのTD方向とMD方向の弾性率の平均値E1aveが、表示面側に配置される位相差膜10bのTD方向とMD方向の弾性率の平均値E2aveと比較して大きいと、長時間点灯させた後も光漏れなどが発生し難く、ムラのない画像を表示できるので好ましい。但し、その差が大きすぎると、後述する不都合が生じるので、その差は4000未満であるのが好ましい。(式3)については、後述する。
従来、液晶セルを中心として対称的な位置に配置された、光学異方性が同等の2つの位相差膜のRe及びRthによって、液晶セルLCの黒表示時の斜め方向に生じる複屈折性を補償する態様では、その偏光状態の動きを、ポアンカレ球上の動きとして模式的に示すと、図2のようになる。なお、ポアンカレ球は偏光状態を記述する三次元マップで、球の赤道上は楕円率が0の直線偏光の偏光状態を表している。図2は、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た図である。図2中の点(i)は、黒表示時に斜め方向から入射した光が表示面側偏光膜を通過して直線偏光となった、その偏光状態を示していて、偏光状態点(i)が、S1軸上の消光点である偏光状態点(ii)に変換されれば、液晶表示装置に斜め入射した際のコントラストの低下はなくなる。RLは液晶セルの上下に対照的に配置された位相差膜を通過する際の光の偏光状態の軌跡を示し、及びLCは液晶セルを通過する際の光の偏光状態の軌跡を示している。従来は、等しい光学異方性の位相差膜を上下に対照的に配置したVAモード液晶表示装置では、図2に示すように、点対照の軌跡(図2中矢印RL)によって、入射光の偏光状態を変換して、黒表示時の斜め方向の光漏れを軽減していた。生産コストの観点及び図2に示す点対称な偏光状態の変換を可能にするという観点から、従来、一つの位相差膜を所定の大きさに裁断した2枚の等しい位相差膜を一枚ずつ、バックライト側及び表示面側に配置するのが一般的であった。即ち、従来、図2に示す様な光学補償機構に利用される2枚の位相差膜は、光学異方性の観点のみならず、材料の観点でも相等しいものが好ましいとされていた。
一方、本発明では、バックライト側に配置される第1位相差膜(図1中では位相差膜10b)と、表示面側に配置される第2位相差膜(図1中では位相差膜10a)とでは、上記した通り、Re及びRthの湿度依存性が異なり、さらにより好ましくは平均弾性率が互いに異なっている。これらの性質は、フィルムの原料に影響されることが大きく、従って、本発明では、第1位相差膜及び第2位相差膜として、後述する(式1)及び(式2)を満足するために(好ましくはさらに(式3)を満足するために)、主成分が互いに異なるポリマーフィルムを利用するのが好ましい。ところで、互いに異なる主成分を含有するポリマーフィルム等によって、互いに等しい光学異方性を達成するのは、困難である。従って、本発明の液晶表示装置は、図2中矢印RLで示すような、点対称な軌跡によって、入射光の偏光状態を変換する補償機構を利用する態様であってもいいことは勿論であるが、一方、位相差膜の製造容易性の観点では、互いに異なる光学異方性の2枚の位相差膜(図1中の位相差膜10a及び10b)によって、図3中の矢印RLa及びRLbで示す非対称な軌跡によって、入射光の偏光状態を変換する補償機構を利用する態様であるのが好ましい。VAモード液晶表示装置の光学補償の態様として公知の、AプレートとCプレートとの組合せによる補償機構を利用する態様であってもよい。但し、Cプレートは、その光学特性を満足するポリマーフィルムを作製するのが困難である。したがって、製造適性の観点では、本発明の液晶表示装置は、図3に示す様な非対称な軌跡による光学補償を可能とする第1及び第2位相差膜(図1中の位相差膜10b及び10a)を利用するのが好ましく、そのためには、第1及び第2位相差膜はそれぞれ、下記式(I)及び(II)を満足しているのが好ましく、
(I) 30nm≦Re(548)≦80nm
(II) 70nm≦Rth(548)≦140nm
さらに、下記式(I)’及び(II)’を満足しているのがより好ましい。
(I)’ 40nm≦Re(548)≦60nm
(II)’ 100nm≦Rth(548)≦140nm
また、第1及び第2位相差膜のReの差は、20nm以下であるのが好ましく;及び第1及び第2位相差膜のRthの差は、30nm以下であるのが好ましい。
また、本発明では、第1及び第2位相差膜のRe及びRthそれぞれの可視光域における波長分散性については特に制限はない。ここで、Re及びRthの波長分散性には、入射光の波長が短波長なほどその値が大きくなる順分散性、入射光の波長が長波長なほどその値が大きくなる逆分散性、及び入射光の波長によらず一定の3つに分類される。第1位相差膜及び第2位相差膜のRe及びRthのそれぞれの波長分散性は、それぞれ互いに等しくても、互いに異なっていてもよい。ところで、位相差領域を通過することによる偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、該位相差領域の光学特性、Nz値(具体的にはRth/Reに0.5を加えた値)に応じて決定される特定の軸の回りに、特定の角度回転させることで表される。該回転角度の大きさ(回転量)は、通過した位相差領域の位相差に比例し、且つ入射光の波長の逆数に比例するので、例えば、Reが波長に依存せずフラットの位相差膜を用いると、短波長の光ほど大きく回転し、長波長の光ほど小さく回転する。その結果、可視光域の中間波長であるG光(550nm程度)で消光点となるように光学特性を最適化したとしても、それよりも長波長なR光(650nm程度)や短波長なB光(450nm程度)では、偏光状態を消光点へ変換することができず、斜め方向においてカラーシフトが生じる。このカラーシフトを軽減するためには、第1及び第2位相差膜のうち一方が、Re及びRthについて逆分散性を示し、他方がRe及びRthについて順分散性を示すか又は波長によらず一定であるのは好ましい。但し、この組合せに限定されるものではない。
本発明は、図1に示す様な、VAモード液晶表示装置の態様が好ましい。VAモードの中でも、一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にすると上下左右の視野角特性が平均化され、表示品質が向上するので好ましい。VAモード液晶表示装置では、従来、液晶層のΔnd(Δn:液晶の複屈折性、d:層厚み)は350nm程度である。本発明においても、Δndは従来と同様の値であってもよいし、薄型化の要請に応えるために、Δndを250〜345nm程度にしてもよい。
本発明の液晶表示装置は、駆動方法により、TFT(Thin Film Transistor)やMIM(Metal Insulator Metal)のような3端子又は2端子反導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置と、時分割駆動と呼ばれるSTN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様があり、本発明はいずれにおいても有効である。
以下、本発明の液晶表示装置に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
[第1及び第2位相差膜]
本発明では、バックライト側に配置される第1位相差膜及び表示面側に配置される第2相差膜は、それぞれ下記(式1)及び(式2)を満足する。本発明では、この条件を満足する位相差膜を用いることで、環境湿度に依存する表示特性の変動を軽減することができる。
Figure 0005328405
ここで、ΔRe1 10-80(548)及びΔRth1 10-80(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re1 60(548)及びRth1 60(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションであり;及びΔRe2 10-80(548)及びΔRth2 10-80(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re2 60(548)及びRth2 60(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションである。
なお、所定の温度及び相対湿度の環境下におけるRe及びRthは、該環境下に測定対象試料を2時間以上放置した後に測定するものとする。差を求める場合も、それぞれの環境下に上記時間以上放置した後、それぞれの環境下でのRe及びRthを測定し、差を求めるものとする。
更に、本発明では、バックライト側に配置される第1位相差膜のTD方向とMD方向の弾性率の平均値E1ave(Mpa)が、表示面側に配置される第2位相差膜の同平均値E2ave(Mpa)より大きいと、長時間点灯した場合にも、光漏れなどがなく、ムラのない画像を表示できるので好ましい。液晶表示装置の電源を長時間点灯していると、バックライトの熱によって液晶表示装置内部の温度が上昇するが、バックライトからの距離の違いにより、視認側とバックライト側とでは温度に差が生じる。一般的には、ポリマーフィルム等からなる位相差膜は、熱によって変形する傾向があるが、視認側及びバックライト側に温度差があると、それぞれに配置されている位相差膜の変形量にも差が生じる。本発明者が鋭意検討した結果、バックライト側に配置される第1位相差膜の弾性率を、表示面側に配置される第2位相差膜より大きくすると、位相差膜の変形量の違いに起因する光漏れを軽減できるとの知見が得られた。一方、その差(E1ave−E2ave)が大き過ぎると、バックライト側位相差膜の変形量が視認側位相差膜の変形量より大きくなり、再び光漏れが増加してしまうので好ましくない。この点を考慮すると、E1ave−E2aveは4000未満であるのが好ましく、即ち、下記(式3)を満足するのが好ましく、
0<E1ave−E2ave<4000 (式3)
下記(式3)’を満足するのがより好ましい。
0 <E1ave−E2ave< 3500 (式3)’
弾性率を上記の式の範囲となるように調整することにより、前記(式1)及び(式2)を満たす位相差膜を用いた液晶表示装置の環境湿度に依存する表示特性の変動をより軽減することが出来る。
ここで、「MD方向」とは、フィルム製造時の搬送方向を意味し、フィルムを長尺状に作製する場合は、フィルムの長手方向と一致する。一方「TD方向」は、それに垂直な幅方向を意味する。なお、フィルム試料の弾性率は、フィルム試料10mm×150mmを、温度25℃・相対湿度60%で2時間以上調湿した後、引張り試験機(ストログラフ―R2(東洋精機製))で、チャック間距離50mm、温度25℃、延伸速度10mm/分で測定することができる。MD方向の弾性率はMD150mm、TD10mmの試料をMD方向に引っ張ることにより測定し、TD方向の弾性率はMD10mm、TD150mmの試料をTD方向に引っ張ることにより測定し、それらの値から、平均値E1ave及びE2aveが算出できる。
即ち、本発明では、バックライト側に配置される第1位相差膜は、Re及びRthの湿度依存性及び弾性率が比較的大きく、及び表示面側に配置される第2位相差膜は、Re及びRthの湿度依存性及び弾性率が比較的小さいのが好ましい。この様に、Re及びRthの湿度依存性及び弾性率の点で互いに異なる第1及び第2位相差膜は、主成分(本明細書では、「主成分」とは、全原料中に占める割合が60質量%以上の成分をいうものとする)が互いに異なる異種のポリマーフィルムからそれぞれ作製することができる。種々のポリマーフィルム、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマー等から1種又は2種以上のポリマーを選択し、主成分として用いてポリマーフィルムを作製し、上記特性を満足する組合わせで、第1及び第2位相差膜として利用することができる。
本発明の好ましい一態様では、バックライト側に配置される第1位相差膜が、セルロースアシレートの1種又は2種以上を主成分として含有するセルロースアシレートフィルム、及び表示面側に配置される第2位相差膜が、シクロオレフィン系ポリマーの1種又は2種以上を主成分として含有するシクロオレフィンポリマーフィルムである。
あるいは、第1位相差膜にプロピオニル基及び/又はブチリル基を有するセルロースアシレートフィルムを用い、第2位相差膜にセルロースアセテートフィルムを用いるのも好ましい。
また、第1位相差膜及び第2位相差膜にアシル置換度が互いに異なるセルロースアシレートフィルムを用い、第1位相差膜にアシル置換度が高いセルロースアシレートフィルムを用いるのも好ましい。
但し、これは一例であって、この組み合わせに限定されない。以下、これらのポリマーフィルムについて、詳細に説明する。
前記位相差膜を形成する材料、特に表示面側に配置される第2位相差膜の材料としては、熱可塑性シクロオレフィン系ポリマーを主成分として用いるのが好ましい。熱可塑性シクロオレフィン系ポリマーとしては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等が挙げられる。これらを延伸処理等することで、前記位相差膜として利用することができ、特に第2位相差膜として利用するのが好ましい。
また、前記位相差膜を形成する材料、特にバックライト側に配置される第1位相差膜の材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきたセルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を主成分として用いるのが好ましい。本発明に用いる第1及び第2位相差膜は、Re及びRthが、上記式(I)及び(II)を満足するのが好ましいが、従来、セルロースアシレートを主原料として含むセルロースアシレートフィルムでは、前記式(I)及び(II)の光学特性を達成するのは困難であった。例えば、Reを前記式(I)を満足するように増加させると、Rthが前記式(II)の上限値(140nm)を超えてしまい、前記式(I)及(II)を同時に満足するセルロースアシレートフィルムを作製するのは困難であった。仮に達成できたとしても、膜厚が極端に厚くなってしまうという問題があった。したがって、後述するとおり、液晶化合物等の添加剤を添加して、前記式(I)及び(II)を満足するセルロースアシレートフィルムを作製し、前記位相差膜、特に第1位相差膜として用いるのが好ましい。
・セルロースアシレート:
前記位相差膜の作製に用いるセルロースアシレートの代表例としては、トリアセチルセルロースが挙げられる。セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、前記セルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、「ASTM D817−91」に準じて実施する。
前記位相差膜の作製に用いるセルロースアシレートは、アセチル置換度が2.50〜3.00であるセルロースアセテートが好ましい。前記アセチル置換度は2.70〜2.97がさらに好ましい。また、前記セルロースアシレートは、アセチル基に代えて、又はアセチル基とともに、アセチル基以外のアシル基で置換されていてもよい。中でも、アセチル、プロピオニル及びブチリル基から選ばれる少なくとも一種のアシル基を有するセルロースアシレートが好ましく、及びアセチル、プロピオニル及びブチリル基から選ばれる少なくとも二種のアシル基を有するセルロースアシレートがより好ましい。さらに、アセチル基と、プロピオニル及び/又はブチリル基とを有するセルロースアシレートが好ましく、アセチル基の置換度が1.0〜2.97で、プロピオニル及び/又はブチリル基の置換
度が0.2〜2.5のセルロースアシレートがより好ましい。
前記セルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することがよりさらに好ましい。
前記セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。工業的に最も一般的な合成方法では、綿花リンタや木材パルプなどから得たセルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
本発明において、位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造されるのが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、 米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の記載を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号 等に記載の例を参考にすることができる。
なお、前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法で作製する場合は、下記の液晶化合物等の添加剤は、セルロースアシレート組成物の溶液中に添加される。例えば、下記の液晶化合物等を有機溶媒に溶解した溶液を、セルロースアシレート組成物の溶液に添加してもよい。
Re及びRthが、前記式(I)及び(II)を満足する光学特性を満足するセルロースアシレートフィルムを作製するために、下記いずれかの材料を含有するセルロースアシレート組成物により、セルロースアシレートフィルムを作製するのが好ましい。
・円盤状化合物:
また、前記位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルム中には、波長250nm〜380nmに吸収極大がある円盤状化合物の少なくとも一種を添加するのも好ましい。前記円盤状化合物は液晶性であっても非液晶性であってもよい。前記円盤状化合物とともに前記液晶化合物(好ましくは、一般式(A)で表される液晶化合物及び/又は一般式(a)で表される液晶化合物)を用いると、レターデーション(Re及びRth)の発現性を調整するこができ、また前記の他の液晶化合物をフィルム中へ溶解しやすくなる効果も期待できるため好ましい。
フィルム中の波長250nm〜380nmに吸収極大がある円盤状化合物の含有量は、主成分であるセルロースアシレートフィルムに対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、1〜20質量%であるのがより好ましい。この範囲であると、ブリードアウトなどを起こすことなく、添加効果が得られる。
・液晶化合物:
Re及びRthが、前記式(I)及び(II)を満足する光学特性を満足するセルロースアシレートフィルムを作製するために、セルロースアシレートフィルム中に、Re発現剤として、液晶化合物の少なくとも一種を添加するのが好ましい。ここで、「Re発現剤」とはフィルム面内の複屈折を発現する性質を有する化合物である。
前期液晶化合物は、好ましくは100℃〜300℃の温度範囲で液晶相を発現する。より好ましくは120℃〜250℃である。液晶相は、カラムナー相、ネマチィク相又はスメクティック相が好ましく、ネマチィク相又はスメクティック相がより好ましい。
本発明においては、複数の液晶化合物を用いてもよい。その場合、複数混合して得られる混合物を調製した場合においても液晶性をしめすことが好ましく、該混合物においても、液晶化合物が単独で示す液晶相と同一の液晶相が形成されることが好ましい。
本明細書において、レターデーション発現剤として用いる液晶化合物の液晶性評価は、エクリプスE600POL偏光顕微鏡((株)ニコン製)を使用し、これを用いて視認することによって化合物の液晶状態の有無及び相転移温度を測定した。温度コントロールはFP90(メトラー・トレド(株)製)に接続したホットステージFP82HT(メトラー・トレド(株)製)を使用して制御し、偏光顕微鏡にて観察される光学組織の変化から液晶相を測定している。
液晶化合物を秤量した後にサンプル瓶に取り分け、有機溶媒(例えばメチレンクロライドなど)で均一な溶液系としてから溶媒をドライアップすることで行なう。
上記の方法で準備した液晶性評価用の化合物をスライドガラスとカバーガラスに挟み込み、該ホットステージで10℃/分の速度で加熱しながら該偏光顕微鏡で経時変化を観察する。
その結果、上記液晶化合物が均一な液晶相を形成する場合は液晶性を示すと判断し、均一な液晶相を示さずに等方相である場合や不均一である場合には液晶性がないと判断できる。
フィルム中の前記液晶性化合物の含有量は、主成分であるセルロースアシレートフィルムに対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、1〜20質量%であるのがより好ましい。この範囲であると、ブリードアウトなどを起こすことなく、添加効果が得られる。
前記位相差膜として利用するセルロースアシレートフィルムは、下記一般式(A)で表される液晶化合物の少なくとも一種を含有するのが好ましい。下記一般式(A)で表される液晶化合物を用いることにより、レターデーションを上昇させることができるとともに、レターデーションの波長分散性が、逆分散の位相差膜が得られる。
Figure 0005328405
式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表し;A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表し;R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表し;Xは第14〜16族の非金属原子を表し(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい);nは0〜2までのいずれかの整数を表す。
前記一般式(A)で表される化合物の中でも、Re発現剤としては、下記一般式(B)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005328405
一般式(B)中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す。)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立に置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。
一般式(A)又は(B)において、L1及びL2が表す二価の連結基としては、好ましくは下記の例が挙げられる。
Figure 0005328405
さらに好ましくは−O−、−COO−、−OCO−である。
一般式(A)又は(B)において、R1は置換基であり、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
1は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基である。
2、R3は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のシクロヘキサン環である。より好ましくは置換基を有するベンゼン環、置換基を有するシクロヘキサン環であり、さらに好ましくは4位に置換基を有するベンゼン環、4位に置換基を有するシクロヘキサン環である。
4、R5は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは、ハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子吸引性の置換基であることが好ましく、σp値が0〜1.5の電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。このような置換基としてはトリフルオロメチル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。また、R4とR5とが結合して環を形成してもよい。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー,91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。好ましくは−O−、−NR−(Rは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる)又はS−である。
Xは第14〜16族の非金属原子を表す。ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。Xは=O、=S、=NR、=C(R)Rが好ましい(ここでRは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる)。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0、1である。
以下に、一般式(A)又は(B)で表される化合物の具体例を示すが、前記Re発現剤の例は以下の具体例に限定されるものではない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
Figure 0005328405
Figure 0005328405
Figure 0005328405
Figure 0005328405
Figure 0005328405
Figure 0005328405
前記一般式(A)又は(B)で表される化合物の合成は、既知の方法を参照して行うことができる。例えば、例示化合物(1)は、下記スキームに従って合成することができる。
Figure 0005328405
前記スキーム中、化合物(1−A)から化合物(1−D)までの合成は、“Journal of Chemical Crystallography”(1997);27(9);p.515−526.に記載の方法を参照して行うことができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
・棒状化合物:
前記位相差膜とし用いるセルロースアシレートフィルムには、液晶化合物(好ましくは、前記一般式(A)で表される液晶化合物)に代えて、又はそれとともに、下記一般式(a)で表される棒状化合物が添加されているのが好ましい。該棒状化合物は液晶性であっても非液晶性であってもよいが、液晶化合物であるのが好ましい。前記棒状化合物を用いると、液晶化合物がセルロースアシレートフィルム内で配向する際、互いに配向してレターデーションの発現に寄与するため、また前記液晶化合物をフィルム中へ溶解しやすくなる効果も期待できるため好ましい。
一般式(a):Ar1−L12−X−L13−Ar2
上記一般式(a)において、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香族基であり;L12及びL13はそれぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−基であり;Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
上記一般式(a)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L2及びL3は、それぞれ独立に、−O−CO−又はCO−O−基より選ばれる二価の連結基であり、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子がさらに好ましい。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基)、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基)、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、ウレイド基、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N,N,N’−トリメチルウレイド基)、アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(例、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基)、アルキニル基(例、エチニル基、ブチニル基)、アシル基(例、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、ラウリル基)、アシルオキシ基(例、アセトキシ基、ブチリルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウリルオキシ基)、アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基)、アリールオキシ基(例、フェノキシ基)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基)、アリールチオ基(例、フェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基)、アミド基(例、アセトアミド基、ブチルアミド基、ヘキシルアミド基、ラウリルアミド基)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル基、ピラジニル基)が含まれる。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
一般式(a)において、L12及びL13は、それぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−及びそれらの組合せからなる基より選ばれる二価の連結基である。
一般式(a)において、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
以下に、一般式(a)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005328405
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具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
Figure 0005328405
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
本発明において、液晶化合物として、重合性基を持ち紫外光や熱によって重合・硬化するものも好ましく用いることができる。フィルム中で液晶性を示して配向した後、重合性基を反応させることで、フィルム中で安定な状態を形成することができ好ましい。
この場合、上記の重合性の液晶化合物に併用して、光重合開始剤などの低分子化合物を用いることができる。
液晶化合物をRe発現剤として利用することで、該液晶化合物が主成分であるセルロースアシレートを上回る高い配向度で配向し、高Reを達成することができる。Re発現剤として利用する前記液晶化合物は、所望により添加される他の添加剤とともに、セルロースアシレート組成物中に添加することができる。より具体的には、前記液晶化合物は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒中に溶解してから、ポリマー溶液(好ましくはセルロースアシレート溶液)中に添加するのが好ましい。全添加剤に対する液晶化合物の質量割合は、5〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がさらに好ましい。また、前記液晶化合物の添加量は、セルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
前記液晶化合物とともに、前記棒状化合物をセルロースアシレート組成物中に添加する態様では、前記棒状化合物の添加量は、セルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
また、前記液晶化合物とともに、前記円盤状化合物をセルロースアシレート組成物中に添加する態様では、前記円盤状化合物の添加量はセルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
本発明では、前記位相差膜の厚みについては特に制限されないが、薄膜化の要請に応えるためには、厚みは、100μm以下であるのが好ましく、80μm以下であるのがより好ましく、60μm以下であるのがさらに好ましい。薄膜化の観点では、厚みは薄いほど好ましいが、一般的には、ポリマーフィルムの厚みは30μm以上となる。
本発明に用いる位相差膜の一例は、Reの波長依存性が逆分散性であり、またRthについても波長依存性が逆分散性の位相差膜である。Re及びRthが逆分散性の位相差膜は、前記一般式(A)で表される液晶化合物の少なくとも一種を含有するセルロースアシレート組成物から作製することができる。
・Rth発現剤
本発明に用いる位相差膜としての条件を満足するセルロースアシレートフィルムを作製するために、セルロースアシレートフィルム中に、Rth発現剤を添加することができる。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
前記Rth発現剤としては、250nm〜380nmの波長範囲に吸収極大を有する分極率異方性の大きい化合物が好ましい。前記Rth発現剤としては、下記一般式(I)で表される化合物を特に好ましく使用できる。
Figure 0005328405
式中、X1は、単結合、−NR4−、−O−又はS−であり;X2は、単結合、−NR5−、−O−又はS−であり;X3は、単結合、−NR6−、−O−又はS−である。また、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、芳香族環基又は複素環基であり;R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。
以下に前記一般式(I)で表される化合物の好ましい例(I−(1)〜IV−(10))を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0005328405
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・脂肪族多価アルコールエステル
高温多湿環境下において、セルロースアシレートフィルム中の添加剤がフィルム外に析出や揮発することを防止するために、少なくとも1種の脂肪族多価アルコールエステルを添加してもよい。脂肪族多価アルコールエステルは、脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸とのエステルである。
脂肪族多価アルコール:
前記脂肪族多価アルコールは、下記一般式(V)で表される。
(V) R1−(OH)m
式中、R1はn価の脂肪族有機基、nは2以上の正の整数を表し、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表し、mは2〜20が好ましい。
前記一般式(V)中、n価の脂肪族有機基の例として、2価の基の例には、アルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基、エテニレン基等)、アルキニレン基(例えばエチニレン基、3−ペンチニレン基等)、及びシクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキサンジイル基等)等が含まれる。
前記一般式(V)中、n価の脂肪族有機基の例として、3価の基の例には、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロペンタントリイル基、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、1,2,3−プロパントリイル基等が含まれる。
前記一般式(V)中、n価の脂肪族有機基の例として、4価の基の例には、プロパンジイリデン基、1,3−プロパンジイル−2−イリデン基、ブタンジイリデン基、ペンタンジイリデン基、ヘキサンジイリデン基、ヘプタンジイリデン基、オクタンジイリデン基、ノナンジイリデン基、デカンジイリデン基、ウンデカンジイリデン基、ドデカンジイリデン基、シクロヘキサンジイリデン基、シクロペンタンジイリデン基、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基等が含まれる。
また、上記n価の脂肪族有機基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基の例には、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、2−メトキシエチル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基など)、アリール基、(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基など)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基など)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基など)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−トリルチオ基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メトキシエチルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基等)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、メトキシエチルウレイド基、ジメチルウレイド基等)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド基等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、トリフルオロメチルスルホンアミド基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド基等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド基、トリルスルホンアミド基等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ基、エチルアミノスルホニルアミノ基等)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ基等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、複素環基(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピロリル基、インドリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、キノリル基、チエニル基等)が含まれる。
前記式(V)で表される脂肪族多価アルコールの好ましい例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等が含まれる。
中でも、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが特に好ましい。
モノカルボン酸:
前記脂肪族多価アルコールエステル形成に用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができるが、セルロースエステルフィルムの透湿性向上、保留性向上の観点から、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いることが好ましい。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有するとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
具体的には、使用可能なモノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、及びアラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が含まれる。これらは更に置換基を有していてもよい。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例には、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、及びそれらの誘導体が含まれる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例には、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、及びそれらの誘導体が含まれる。特に安息香酸が好ましい。この他、芳香族モノカルボン酸の芳香環には置換基を有していてもよい。
本発明に使用可能な多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。保留性の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。ここで、上記の脂肪族多価アルコールエステルの分子量は、市販のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて測定できる。
前記脂肪族多価アルコールエステルにおいて、複数のエステル部位を構成しているカルボン酸は一種類でも、二種以上であってもよい。また、脂肪族多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。分子内に芳香環またはシクロアルキル環を3つ以上有する脂肪族多価アルコールエステルが好ましい。
前記芳香環としては、芳香族炭素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、p−テルフェニル環、ジフェニルメタン環、トリフェニルメタン環、ビベンジル環、スチルベン環、インデン環、テトラリン環、アントラセン環、フェナントレン環等)や芳香族複素環、例えば、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等が挙げられる。
前期シクロアルキル環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等が挙げられる。
以下、本発明に使用可能な脂肪族多価アルコールエステルの具体例を示すが、これらに限定されない。
Figure 0005328405
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前記脂肪族多価アルコールエステルの使用量(含有量でもよい)は、セルロースアシレートフィルムの全成分の質量に対して、3質量%〜30質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、5質量%〜25質量%の範囲であり、特に好ましくは、5質量%〜20質量%の範囲である。
・可塑剤
前記位相差膜として利用するセルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースアシレートの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることがよりさらに好ましい。
・その他の添加剤
前記セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びトリベンジルアミン(TBA)である。
前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されたフィルムであってもよい。延伸倍率は、3〜100%程度であることが好ましい。延伸処理は、テンターを用いて実施できる。また、ロール間にて縦延伸を行ってもよい。
前記セルロースアシレートフィルムを、位相差膜としての機能に加えて、偏光膜の透明保護膜としても機能させる場合、偏光子との接着性を改善するために、セルロースアシレートフィルムを表面処理することが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理を実施する。酸処理又はアルカリ処理を実施することが好ましく、アルカリ処理を実施することがさらに好ましい。
バックライト側に配置される第1位相差膜の好ましい例として、アセチル置換度が2.70〜2.97のセルロースアセテートを主成分として含み、且つ前記式(I)で表されるRth発現剤を少なくとも1種含有するセルロースアシレートフィルム;アセチル置換度が2.70〜2.97のセルロースアセテートを主成分として含み、且つ前記式(I)で表されるRth発現剤、前記式(A)で表されるRe発現剤、及び前記式(a)で表される棒状化合物をそれぞれ少なくとも1種含有するセルロースアシレートフィルム;及びアセチル基(好ましくは置換度1.0〜2.97)と、プロピオニル及び/又はブチリル基(好ましくは置換度0.2〜2.5)とを有するセルロースアシレートを主成分として含み、且つ前記一般式(a)で表される棒状化合物の少なくとも1種を含有するセルロースアシレートフィルム;が挙げられる。
表示面側に配置される第2位相差膜の好ましい例として、シクロオレフィン系ポリマーを主成分として含有し、TD方向に0.1〜100%の延伸倍率、MD方向に0〜90%の延伸倍率で延伸されたシクロオレフィンポリマーフィルムが挙げられる。また、上記した通り、第2位相差膜にプロピオニル基及び/又はブチリル基を有するセルロースアシレートフィルムを用いる態様では、第1位相差膜にセルロースアセテートフィルムを用いるのも好ましい。
並びにバックライト側に配置される第1位相差膜及び表示面側に配置される第2位相差膜の双方に、アシル置換度が互いに異なり、同じアシル基を有するセルロースアシレートフィルムを用いる態様では、第1位相差膜の好ましい例は、アシル置換度(d1)が2.3〜2.8のセルロースアシレートであり、第2の位相差膜の好ましい例は、アシル置換度(d2、但しd2>d1を満足する)が2.3〜3.0のセルロースアシレートフィルムである。
[偏光板]
本発明の液晶表示装置には、前記第1及び第2位相差膜として用いられるポリマーフィルムを、直線偏光膜(偏光膜フィルム)と一体化させた偏光板を用いることができる。前記偏光板は、前記位相差膜と直線偏光膜(以下、単に「偏光膜」、「偏光フィルム」とい
う場合は「直線偏光膜」をいうものとする)とを積層することによって作製することができる。前記位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルムは、直線偏光膜の保護膜を兼ねていてもよい。
直線偏光膜は、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜が好ましい。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製されるのが一般的である。
直線偏光膜の位相差膜を貼り付けた表面と反対側の表面には、ポリマーフィルムを配置する(位相差膜/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)ことが好ましい。
ポリマーフィルムは、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[位相差膜用セルロースアシレート系フィルム(位相差膜B、C、D及びG)の作製]
下記表中に記載の割合で各成分を混合して、セルロースアシレート溶液をそれぞれ調製した。各セルロースアシレート溶液を、バンド流延機を用いて流延し、得られたウェブをバンドから剥離し、その後、下記表に記載の条件でそれぞれ延伸した。なお、表1中、TD方向とは、搬送方向に対して垂直な方向(即ち幅方向)を意味する。延伸後、乾燥して、下記表中に記載の厚みのセルロースアシレート系フィルムをそれぞれ作製し、位相差膜B、C、D及びGとして用いた。
[位相差膜用シクロオレフィンポリマーフィルム(位相差膜A及びE)の作製]
市販されているシクロオレフィン系ポリマーフィルム“ZEONOR”(日本ゼオン製)を、下記表中に記載の条件で延伸して、シクロオレフィン系ポリマーフィルムをそれぞれ作製し、位相差膜A及びEとして用いた。
[保護フィルム用セルロースアシレートフィルム(位相差膜F)の準備]
市販されているTD80UL(富士フイルム製)を保護フィルムFとした。
Figure 0005328405
Figure 0005328405
表1に示す位相差膜のRe及びRthのそれぞれについて、上記した方法により湿度依存性を測定した。結果を下記表に示す。
Figure 0005328405
上記作製したフィルムのそれぞれを、下記表3に示す組合わせで用いて、図1と同様の構成のVAモード液晶表示装置11〜18を作製した。なお、図1の偏光板P1及びP2の外側保護フィルム(図1中不図示)には、TD80UL(富士フイルム製)を用いた。この液晶表示装置11~18について、極角60°且つ方位角45°方向から観察した時の光漏れ、極角60°且つ方位角0°〜360°方向から観察した時の色変化、及び温度35℃・相対湿度80%の環境下で250時間連続点灯した際の光漏れの有無を確認し、光漏れが全くないものを「○」、全体の5%以上10%未満の面積で光漏れがあるものを「△」、及び全体の10%以上の面積で光漏れがあるものを「×」として評価した。
これらの結果を、下記表3に示す。
Figure 0005328405
上記表に示す結果から、表示面側に配置される位相差膜のRe及びRthの湿度依存性が、バックライト側に配置される位相差膜よりも小さい液晶表示装置11〜13、17及び18はいずれも、温度35℃・相対湿度80%環境下で、250時間連続点灯した後も、光漏れが少ないことが理解できる。
また、表示面側及びバックライト側に配置される位相差膜の双方が、Re及びRthが10nmより大きい液晶表示装置では、極角60°且つ方位角45°方向から観察した時の光漏れが抑えられ、ならびに極角60°且つ方位角0〜360°から観察した時の色変化が軽減されることが理解できる。
[実施例2]
上記実施例1で作製した位相差膜A〜Dについて、上記した方法で、TD方向及びMD方向の弾性率をそれぞれ測定し、平均値Eaveを算出した。結果を下記表に示す。
Figure 0005328405
次に、この位相差膜A〜Dを用いて、図1と同様の構成のVAモード液晶表示装置21〜27を作製し、1000時間連続点灯した後の表示ムラの発生具合を目視で評価した。ムラが全く視認されないものを「◎」、ムラの面積が画面全体に対する比率が20%未満のものを「○」、同じく20%以上のものを「×」とした。結果を下記表に示す。
Figure 0005328405
上記表に示す結果から、バックライト側の位相差膜の弾性率の平均が、表示面側の位相差膜の弾性率よりも大きい液晶表示装置21〜25の方が、バックライト側の位相差膜の弾性率の平均が、表示面側の位相差膜の弾性率と等しい液晶表示装置26及び27と比較して、より長時間点灯後の光漏れがなく、表示ムラが発生し難いことが理解できる。
1 液晶セル上側基板
3 液晶セル下側基板
5 液晶層(液晶分子)
8a 表示面側偏光膜(第2偏光子)
8b バックライト側偏光膜(第1偏光子)
9a、9b 偏光膜の吸収軸
10a 表示面側位相差膜(第2位相差膜)
10b バックライト側位相差膜(第1位相差膜)
P1、P2 偏光板
LC 液晶セル
BL バックライト

Claims (8)

  1. バックライト、液晶セル、該液晶セルと前記バックライトとの間に配置された第1偏光子、前記液晶セルに対して前記第1偏光子と反対側に配置された第2偏光子、前記第1偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第1位相差膜、及び前記第2偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第2位相差膜を有する液晶表示装置であって、下記(式1)及び(式2)を満たし、且つ前記第1位相差膜及び前記第2位相差膜の面内レターデーションRe及び膜厚方向レターデーションRthが10nmより大きいことを特徴とする液晶表示装置:
    Figure 0005328405
    ここで、ΔRe1 10-80(548)及びΔRth1 10-80(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re1 60(548)及びRth1 60(548)はそれぞれ、第1位相差膜の温度25℃・相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションであり;
    ΔRe2 10-80(548)及びΔRth2 10-80(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃・相対湿度10%及び温度25℃・相対湿度80%の環境下における波長548nmの面内レターデーションの差、ならびに膜厚方向レターデーションの差であり、Re2 60(548)及びRth2 60(548)はそれぞれ、第2位相差膜の温度25℃相対湿度60%環境下で測定した波長548nmの面内レターデーション及び膜厚方向レターデーションである。
  2. 前記第1及び第2位相差膜がそれぞれ、下記式(I)〜(II)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置:
    (I) 30≦Re(548)≦80
    (II)70≦Rth(548)≦140
    ここで、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ、波長λ[nm]で測定した面内レターデーション[nm]及び膜厚方向レターデーション[nm]である。
  3. 前記第1及び第2位相差膜それぞれの、TD方向とMD方向の弾性率の平均値E1ave(Mpa)及びE2ave(Mpa)が、下記(式3)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置:
    0<E1ave−E2ave<4000 (式3) 。
  4. 前記第1及び第2位相差膜がそれぞれ、1種又は2種以上のポリマーを主成分として含み、前記第1及び第2位相差膜の主成分が互いに異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1位相差膜が、1種又は2種以上のセルロースアシレート系ポリマーを主成分として含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第2位相差膜が、1種又は2種以上のノルボルネン系ポリマーを主成分として含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第2位相差膜が、アセチル、プロピオニル及びブチリルから選択される少なくとも二種のアシル基を有するセルロースアシレートを主成分として含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. VAモードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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