JP2010020269A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化が可能であり、且つ視野角コントラストが改善され及び視野角色味が軽減された液晶表示装置の提供。
【解決手段】黒表示時に基板に対して垂直配向した液晶層(5)を有する液晶セル(LC)と、該液晶セルを挟んで、それぞれの吸収軸を互いに直交にして配置される2枚の偏光子(8a及び8b))と、前記2枚の偏光子のそれぞれと液晶セルとの間に配置される、光学的異方性が同等である位相差膜(10a及び10b)とを有する液晶表示装置であって、前記位相差膜がセルロースアシレート及び液晶化合物を含み、且つ下記式(I)〜(IV)を満たすことを特徴とする液晶表示装置である。
(I)30≦Re(550)≦80
(II)70≦Rth(550)≦140
(III)Re(450)/Re(550)<1
(IV)Re(650)/Re(550)>1
(ここで、Re(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム面内のレターデーション[nm]を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及び位相差膜を含む液晶表示装置、特にVA(verticallyaligned)モードの液晶表示装置に関する。
VAモードの液晶表示装置では、液晶セルの上下に偏光板をその吸収軸を互いに直交させて配置し、さらに、偏光板のそれぞれと液晶セルとの間に、光学的に2軸性の位相差膜を配置することにより、広い視野角が実現できること、すなわち表示特性を向上できることが知られている(例えば、特許文献1)。
従来、上記構成のVAモード液晶表示装置に用いられる位相差膜には、20〜70nm程度の面内レターデーション(Re)、及び70〜400nm程度の厚み方向レターデーション(Rth)が必要とされる。従って、位相差膜としては、ポリカーボネートフィルムやポリスルホンフィルムのようなレターデーション値が高い(固有複屈折が大きい)、合成ポリマーフィルムを用いることが有利と考えられていた。
一方、セルロースアシレートフィルム、中でも、セルロースアセテートフィルムは、他のポリマーフィルムと比較して、固有複屈折が小さい(レターデーション値が低い)という特徴がある。従って、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板の保護フィルムには、セルロースアセテートフィルムを用いるのが一般的である。
特許文献2には、従来の一般的な原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフィルムが開示されている。該特許文献2では、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物をセルロースエステルに添加することで、高いレターデーション値を示すセルロースエステルフィルムを提供している。一般的に、セルローストリアセテートは延伸し難い高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、添加剤を添加し、延伸処理で配向させることにより複屈折率を大きくすることを可能にし、高いレターデーション値を実現している。このフィルムは偏光板の保護フィルムを兼ねることができるため、安価で薄膜な液晶表示装置を提供することができる利点がある。
また特許文献3には、少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物を添加することにより、Reが20〜70nm、Rthが70〜400nm、及びRe/Rthが0.2〜0.4であり、膜厚が40〜110μmであるセルロースアアシレートフィルムのみからなる光学補償シートが開示されている。
特許第3330574号明細書 欧州特許出願公開0911656A2号明細書 特開2005−134863号明細書
近年、液晶表示装置には動画表示性能の向上が望まれており、液晶セルの薄型化に対する要求がある。本発明者が検討した結果、薄層化されたVAモード液晶セルを、従来の位相差膜で光学補償すると、位相差膜のReが不足し、光学補償が不充分になることがわかった。
位相差膜のRe及びRthは、複屈折と厚みとの積なので、位相差膜の厚みを厚くすればReを大きくすることができる。しかし、液晶セルの薄型化と同時に、位相差膜についても薄膜化の要求があるので、薄い膜厚の位相差膜でより大きなReを達成する必要がある。
本発明は、薄型化が可能であり、且つ視野角コントラストが改善され及び視野角色味が軽減された、表示性能に優れた、液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 黒表示時に基板に対して垂直配向する液晶層を有する液晶セルと、該液晶セルを挟んで、それぞれの吸収軸を互いに直交にして配置される2枚の偏光子と、前記2枚の偏光子のそれぞれと液晶セルとの間に配置される、光学的異方性が同等である位相差膜とを有する液晶表示装置であって、前記位相差膜がセルロースアシレート及び液晶化合物を含み、且つ下記式(I)〜(IV)を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
(I)30≦Re(550)≦80
(II)70≦Rth(550)≦140
(III)Re(450)/Re(550)<1
(IV)Re(650)/Re(550)>1
(Re(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム面内のレターデーション[nm]を表す。)
[2] 前記位相差膜が、下記式(V)及び(VI)を満たすことを特徴とする[1]の液晶表示装置。
(V)Rth(450)/Rth(550)<1
(VI)Rth(650)/Rth(550)>1
(Rth(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム膜厚方向のレターデーション[nm]を表す。)
[3] 前記位相差膜が、下記式(VII)を満たすことを特徴とする[1]又は[2]の液晶表示装置。
(VII) 1.2≦Rth(550)/Re(550)≦2.6
[4] 前記位相差膜が、前記液晶化合物を0.1質量%以上30質量%以下含有し、該液晶化合物の全添加剤に対する比率が5質量%以上100質量%以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの液晶表示装置。
[5] 前記液晶化合物が、下記式(I)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの液晶表示装置。
Figure 2010020269
(式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す。)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、及びR3は各々独立に置換基を表す。Xは14〜16族原子を表す。nは0から2までの整数を表す。)
[6] 前記液晶化合物が、下記式(a)で表される棒状化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの液晶表示装置。
一般式(a):Ar1−L12−X−L13−Ar2
上記一般式(i)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L12及びL13は、それぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−基より選ばれる二価の連結基であり、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
[7] 前記位相差膜が、さらに、波長250nm〜380nmに吸収極大がある円盤状化合物を含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれかの液晶表示装置。
[8] 前記位相差膜の膜厚が、30〜100μmであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[9] 黒表示時の前記液晶層と前記位相差膜とが、下記式(VIII)の関係を満たすことを特徴とする[1]〜[8]のいずれかの液晶表示装置。
(VIII) 0.5≦(2×Rth(550))/Δn(550)×d≦1.3
(Δn(550)は液晶層中の液晶の550nmにおける固有複屈折、dは液晶層の厚み、Rth(550)は550nmにおける位相差膜の膜厚方向のレターデーション、を示す。)
本発明によれば、薄型化が可能であり、且つ視野角コントラストが改善され及び視野角色味が軽減された、表示性能に優れた、液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、本明細書で用いられる用語について、説明する。
(レターデーション、Re、Rth)
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(X)及び式(XI)よりRthを算出することもできる。
Figure 2010020269
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明において、位相差膜等の「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、本明細書において、位相差膜及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
本発明の液晶表示装置の一例の概略模式図を図1に示す。なお、図1中、上を観察者側、下をバックライト側とする。
図1のVAモード液晶表示装置は、液晶セルLC(上側基板1、下側基板3、および液晶層5、からなる)と、液晶セルLCを挟持して配置される一対の上側偏光板P1及び下側偏光板P2とを有する。なお、偏光膜は、双方の表面に保護フィルムを有する偏光板として液晶表示装置に組み込まれるのが一般的であるが、図1では、偏光膜の外側保護フィルムは省略した。偏光板P1及びP2は、それぞれ偏光膜8a及び8bを有し、その吸収軸9a及び9bを互いに直交方向にして配置されている。液晶セルLCはVAモードの液晶セルであり、黒表示時には、図1に示す通り、液晶層5はホメオトロピック配向になる。上側基板1と下側基板3は、それぞれ内面に、配向膜(図示せず)と電極層(図示せず)を有し、さらに観察者側の基板1の内面には、カラーフィルタ層(図示せず)を有する。
上側基板1と上側偏光膜8aとの間、及び下側基板3と下側偏光膜8bとの間には、位相差膜10a及び10bがそれぞれ配置されている。位相差膜10a及び10bは、下記式(I)〜(IV)をそれぞれ満足し、光学異方性が同等、即ち、Re及びRthが互いに等しい位相差膜である。
(I)30≦Re(550)≦80
(II)70≦Rth(550)≦140
(III)Re(450)/Re(550)<1
(IV)Re(650)/Re(550)>1
位相差膜10a、10bは、その面内遅相軸11a、11bを、上側偏光膜8a及び下側偏光膜8bの吸収軸9a、9bと直交にして配置される。即ち、位相差膜10a及び10bは、それぞれの遅相軸を直交にして配置される。
位相差膜10a及び10bは、セルロースアシレートと液晶化合物とを少なくとも含むセルロースアシレートフィルムである。位相差膜10a及び10bは、それぞれ偏光膜8a及び8bの保護フィルムを兼ねていてもよい。勿論、位相差膜10a及び10bと、偏光膜8a及び8bとの間のそれぞれには、保護フィルムが別途配置されていてもよいが、保護フィルムを配置する場合は、例えば、特開2005−138375号公報に記載のセルロースアシレートフィルム等の、レターデーションがほぼ0である等方性のフィルムを用いるのが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、薄型化の要求に対応可能であり、従来、液晶層のΔnd(Δn:液晶の複屈折性、d:層厚み)が350nm程度であったのに対して、図1の液晶表示装置では、液晶層5のΔndは250〜345nm程度とすることができる。
図1に示すVAモード液晶表示装置と同様の光学補償原理を利用した態様、即ち、液晶セル(図1中では、LC)を中心として対称的な位置に配置された光学異方性が同等の2つの位相差膜(図1中では、10a及び10b)のRe及びRthによって、液晶セルLCの黒表示時の斜め方向に生じる複屈折性を補償する態様、では、その偏光状態の動きを、ポアンカレ球上の動きとして示すと、例えば、図2のようになる。なお、ポアンカレ球は偏光状態を記述する三次元マップで、球の赤道上は楕円率が0の直線偏光の偏光状態を表している。図2は、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た図である。図2中の点(i)は、黒表示時に斜め方向から入射した光がバックライト側偏光膜を通過して直線偏光となった、その偏光状態を示していて、偏光状態点(i)が、S1軸上の消光点である偏光状態点(ii)に変換されれば、液晶表示装置に斜め入射した際のコントラストの低下はなくなる。RLは液晶セルの上下に対照的に配置された位相差膜を通過する際の光の偏光状態の軌跡を示し、及びLCは液晶セルを通過する際の光の偏光状態の軌跡を示している。従来、図1に示すような同等な光学異方性の位相差膜を上下対照的に配置したVAモード液晶表示装置では、図2に示すように、点対照の軌跡によって、入射光の偏光状態を変換して、黒表示時の斜め方向の光漏れを軽減していた。本発明のように薄型化が可能なように液晶層の厚みを薄くすると、液晶層のΔndが小さくなり、液晶層を通過する光の偏光状態の変換の軌跡を示すLCの矢印の長さが短くなる。例えば、図3に示す通り、薄型化された液晶層(LC')を、従来の位相差膜をそのまま用いて同一の構成で光学補償を試みても、矢印LC’が矢印LCより短いため、点(i)から点(ii)へ、図2に示すような対照的な軌跡で変換するのは困難である。そこで、本発明では、上記式(I)及び(II)を満足する位相差膜(図1では10a及び10b)を用いることで、図4に示す通り、従来の位相差膜を光が通過する際とは、異なる回転軸及び回転角度で偏光状態を変換することによって、全体的には、従来と同様の点対照的の軌跡による偏光状態の変換を可能とし、黒表示時の斜め方向の光漏れを軽減している。同観点から、本発明では、前記位相差膜のRe(550)は、30〜80nmであるのが好ましく、40〜70nmであるのがさらに好ましく;及び位相差膜のRth(550)は、70〜140nmであるのが好ましく、80〜130nmであるのがさらに好ましい。
さらに、本発明では、上記式(III)及び(IV)を満足する、即ち、可視光域においてReの波長依存性が逆分散性の、位相差膜(図1では10a及び10b)を用いることで、黒表示時の斜め方向に生じるカラーシフトも軽減している。位相差領域を通過することによる偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、該位相差領域の光学特性、Nz値(具体的にはRth/Reに0.5を加えた値)に応じて決定される特定の軸の回りに、特定の角度回転させることで表される。該回転角度の大きさ(回転量)は、通過した位相差領域の位相差に比例し、且つ入射光の波長の逆数に比例するので、例えば、Reが波長に依存せずフラットの位相差膜を用いると、短波長の光ほど大きく回転し、長波長の光ほど小さく回転する。その結果、可視光域の中間波長であるG光(550nm程度)で消光点となるように光学特性を最適化したとしても、それよりも長波長なR光(650nm程度)や短波長なB光(450nm程度)では、偏光状態を消光点へ変換することができず、斜め方向においてカラーシフトが生じる。そこで、本発明では、Reの波長依存性が逆分散性、即ち、短波長な光に対してReがより小さくなる特性の位相差膜を用いることで、入射光の波長に依存して生じる偏光状態のズレを相殺し、このようなカラーシフトを軽減している。
本発明では、上記と同観点から、位相差膜(図1では10a及び10b)のRthも、可視光域の光に対する波長依存性が、逆分散性であるのが好ましく、具体的には、下記式(V)及び(VI)を満足しているのが好ましい。
(V)Rth(450)/Rth(550)<1
(VI)Rth(650)/Rth(550)>1
(ここで、Rth(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム膜厚方向のレターデーション[nm]を表す。)
また、本発明では、位相差膜(図1では10a及び10b)が、下記式(VII)を満足していると、図2のポアンカレ球上で、RLのような動きではなく、図4の10a及び10bのような特定の軸で偏光を変換することができ、液晶層の厚みが薄くなっても光学補償が可能になるので好ましい。
(VII) 1.2≦Rth(550)/Re(550)≦2.6
同観点から、Rth(550)/Re(550)は、1.3〜2.6であるのがより好ましく、1.4〜2.6であるのがさらに好ましい。
また、本発明では、黒表示時の液晶セルの液晶層(図1では5)と、前記位相差膜(図1では10a及び10b)とが、下記式(VIII)の関係を満たしていると、図3のポアンカレ球上で、RLのような動きをするフィルムでは、液晶層LC'を光学補償するのが困難であるのに対し、液晶層5のようにLC'よりも厚みが薄くなっても、図4の10a及び10bのような動きが可能となり、光学補償できるので好ましい。
(VIII)0.7≦(2×Rth(550))/Δn(550)×d≦1.3
式中、Δn(550)は液晶層中の液晶の550nmにおける固有複屈折、dは液晶層の厚み、Rth(550)は550nmにおける位相差膜の膜厚方向のレターデーション、を示す。
本発明は、VAモード液晶表示装置の態様が好ましい。VAモードの中でも、一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にすると上下左右の視野角特性が平均化され、表示品質が向上するので好ましい。
本発明の液晶表示装置は、駆動方法により、TFT(Thin Film Transistor)やMIM(Metal Insulator Metal)のような3端子又は2端子反導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置と、時分割駆動と呼ばれるSTN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様があり、本発明はいずれにおいても有効である。
以下、本発明の液晶表示装置に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
[位相差膜]
本発明の液晶表示装置に用いる位相差膜は、上記式(I)〜(IV)を満足する。従来、セルロースアシレートを主原料として含むセルロースアシレートフィルムでは、前記式(I)及び(II)の光学特性を達成するのは困難であった。例えば、上記特許文献2及び3に記載の技術では、Reを前記式(I)を満足するように増加させると、Rthが前記式(II)の上限値(140nm)を超えてしまい、前記式(I)及(II)を同時に満足するセルロースアシレートフィルムを作製するのは困難であった。仮に達成できたとしても、膜厚が極端に厚くなってしまうという問題があった。本発明では、液晶化合物を添加することで、前記式(I)及び(II)を満足するセルロースアシレートフィルムの作製を可能としている。
・セルロースアシレート:
前記位相差膜の作製に用いるセルロースアシレートの代表例としては、トリアセチルセルロースが挙げられる。セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、前記セルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、「ASTM D817−91」に準じて実施する。
前記位相差膜の作製に用いるセルロースアシレートのアセチル置換度は光学特性発現の観点では、アセチル置換度が低い方がセルロースアセテートの固有複屈折が増大するため、より低延伸倍率かつ薄い膜厚で、所望の位相差値に制御することが可能である。一方、位相差の逆分散性の観点では、アセチル置換度が高い方がよりアセチル側鎖の密度が増大するため主鎖と直交する分極率成分が増大し、逆分散性を高めることが可能となる。これらの観点から、前記式(I)〜(IV)を満たし且つ薄膜である前記位相差膜の作製に用いるセルロースアシレートは、アセチル置換度が2.50〜3.00であるセルロースアセテートが好ましい。前記アセチル置換度は2.70〜2.97がさらに好ましい。また、前記セルロースアシレートは、アセチル基に代えて、又はアセチル基とともに、アセチル基以外のアシル基で置換されていてもよい。中でも、アセチル、プロピオニル及びブチリル基から選ばれる少なくとも一種のアシル基を有するセルロースアシレート、又は、アセチル、プロピオニル及びブチリル基から選ばれる少なくとも二種のアシル基を有するセルロースアシレートが好ましい。
前記セルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することがよりさらに好ましい。
前記セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。工業的に最も一般的な合成方法では、綿花リンタや木材パルプなどから得たセルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
本発明において、位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造されるのが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の記載を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号 等に記載の例を参考にすることができる。
なお、前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法で作製する場合は、下記の液晶化合物等の添加剤は、セルロースアシレート組成物の溶液中に添加される。例えば、下記の液晶化合物等を有機溶媒に溶解した溶液を、セルロースアシレート組成物の溶液に添加してもよい。
本発明に前記位相差膜として利用されるフィルムは、前記セルロースアシレートを主原料として含んでいるのが好ましい。
・液晶化合物:
本発明では、前記位相差膜としての条件を満足するセルロースアシレートフィルムを作製するために、セルロースアシレートフィルム中に、Re発現剤として、液晶化合物の少なくとも一種を添加する。ここで、「Re発現剤」とはフィルム面内の複屈折を発現する性質を有する化合物である。
本発明に用いられる液晶化合物は、好ましくは100℃〜300℃の温度範囲で液晶相を発現する。より好ましくは120℃〜250℃である。液晶相は、カラムナー相、ネマチィク相またはスメクティック相が好ましく、ネマチィク相またはスメクティック相がより好ましい。
本発明においては、複数の液晶化合物を用いてもよい。その場合、複数混合して得られる混合物を調製した場合においても液晶性をしめすことが好ましく、該混合物においても、液晶化合物が単独で示す液晶相と同一の液晶相が形成されることが好ましい。
本明細書において、レターデーション発現剤として用いる液晶化合物の液晶性評価は、エクリプスE600POL偏光顕微鏡((株)ニコン製)を使用し、これを用いて視認することによって化合物の液晶状態の有無および相転移温度を測定した。温度コントロールはFP90(メトラー・トレド(株)製)に接続したホットステージFP82HT(メトラー・トレド(株)製)を使用して制御し、偏光顕微鏡にて観察される光学組織の変化から液晶相を測定している。
液晶化合物を秤量した後にサンプル瓶に取り分け、有機溶媒(例えばメチレンクロライドなど)で均一な溶液系としてから溶媒をドライアップすることで行なう。
上記の方法で準備した液晶性評価用の化合物をスライドガラスとカバーガラスに挟み込み、該ホットステージで10℃/分の速度で加熱しながら該偏光顕微鏡で経時変化を観察する。
その結果、上記液晶化合物が均一な液晶相を形成する場合は液晶性を示すと判断し、均一な液晶相を示さずに等方相である場合や不均一である場合には液晶性がないと判断できる。
前記位相差膜として利用するセルロースアシレートフィルムは、下記一般式(A)で表される液晶化合物の少なくとも一種を含有するのが好ましい。下記一般式(A)で表される液晶化合物を用いることにより、レターデーションを上昇させることができるとともに、レターデーションの波長分散性が、逆分散の位相差膜が得られる。
Figure 2010020269
式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表し;A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表し;R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表し;Xは第14〜16族の非金属原子を表し(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい);nは0〜2までのいずれかの整数を表す。
前記一般式(A)で表される化合物の中でも、Re発現剤としては、下記一般式(B)で表される化合物が好ましい。
Figure 2010020269
一般式(B)中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す。)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立に置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。
一般式(A)又は(B)において、L1及びL2が表す二価の連結基としては、好ましくは下記の例が挙げられる。
Figure 2010020269
さらに好ましくは−O−、−COO−、−OCO−である。
一般式(A)又は(B)において、R1は置換基であり、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
1は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基である。
2、R3は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のシクロヘキサン環である。より好ましくは置換基を有するベンゼン環、置換基を有するシクロヘキサン環であり、さらに好ましくは4位に置換基を有するベンゼン環、4位に置換基を有するシクロヘキサン環である。
4、R5は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは、ハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子吸引性の置換基であることが好ましく、σp値が0〜1.5の電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。このような置換基としてはトリフルオロメチル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。また、R4とR5とが結合して環を形成してもよい。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー,91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。好ましくは−O−、−NR−(Rは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる)又はS−である。
Xは第14〜16族の非金属原子を表す。ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。Xは=O、=S、=NR、=C(R)Rが好ましい(ここでRは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられ、互いに同一でも異なっていてもよい)。
中でも、2つのRのうち、一方がシアノ基であり、及び他方が置換もしくは無置換のアルコキシキカルボニル基であるのが好ましい。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0、1である。
以下に、一般式(A)又は(B)で表される化合物の具体例を示すが、前記Re発現剤の例は以下の具体例に限定されるものではない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
Figure 2010020269
Figure 2010020269
Figure 2010020269
Figure 2010020269
Figure 2010020269
Figure 2010020269
前記一般式(A)又は(B)で表される化合物の合成は、既知の方法を参照して行うことができる。例えば、例示化合物(1)は、下記スキームに従って合成することができる。
Figure 2010020269
前記スキーム中、化合物(1−A)から化合物(1−D)までの合成は、“Journal of Chemical Crystallography”(1997);27(9);p.515−526.に記載の方法を参照して行うことができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
・棒状化合物:
前記位相差膜とし用いるセルロースアシレートフィルムには、液晶化合物(好ましくは、前記一般式(A)で表される液晶化合物)に代えて、又はそれとともに、下記一般式(a)で表される棒状化合物が添加されているのが好ましい。該棒状化合物は液晶性であっても非液晶性であってもよいが、液晶化合物であるのが好ましい。前記棒状化合物を用いると、液晶化合物がセルロースアシレートフィルム内で配向する際、互いに配向してレターデーションの発現に寄与するため、また前記液晶化合物をフィルム中へ溶解しやすくなる効果も期待できるため好ましい。
一般式(a):Ar1−L12−X−L13−Ar2
上記一般式(a)において、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香族基であり;L12及びL13はそれぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−基であり;Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子がさらに好ましい。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基)、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基)、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、ウレイド基、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N,N,N’−トリメチルウレイド基)、アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(例、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基)、アルキニル基(例、エチニル基、ブチニル基)、アシル基(例、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、ラウリル基)、アシルオキシ基(例、アセトキシ基、ブチリルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウリルオキシ基)、アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基)、アリールオキシ基(例、フェノキシ基)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基)、アリールチオ基(例、フェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基)、アミド基(例、アセトアミド基、ブチルアミド基、ヘキシルアミド基、ラウリルアミド基)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル基、ピラジニル基)が含まれる。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
一般式(a)において、L12及びL13は、それぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−及びそれらの組合せからなる基より選ばれる二価の連結基である。
一般式(a)において、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
以下に、一般式(a)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2010020269
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具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
Figure 2010020269
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
本発明において、液晶化合物として、重合性基を持ち紫外光や熱によって重合・硬化するものも好ましく用いることができる。フィルム中で液晶性を示して配向した後、重合性基を反応させることで、フィルム中で安定な状態を形成することができ好ましい。
この場合、上記の重合性の液晶化合物に併用して、光重合開始剤などの低分子化合物を用いることができる。
・円盤状化合物:
また、前記位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルム中には、波長250nm〜380nmに吸収極大がある円盤状化合物の少なくとも一種を添加するのも好ましい。前記円盤状化合物は液晶性であっても非液晶性であってもよい。前記円盤状化合物とともに前記液晶化合物(好ましくは、一般式(A)で表される液晶化合物及び/又は一般式(a)で表される液晶化合物)を用いると、レターデーション(ReおよびRth)の発現性を調整するこができ、また前記の他の液晶化合物をフィルム中へ溶解しやすくなる効果も期待できるため好ましい。
液晶化合物をRe発現剤として利用することで、該液晶化合物が主成分であるセルロースアシレートを上回る高い配向度で配向し、高Reを達成することができる。Re発現剤として利用する前記液晶化合物は、所望により添加される他の添加剤とともに、セルロースアシレート組成物中に添加することができる。より具体的には、前記液晶化合物は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒中に溶解してから、ポリマー溶液(好ましくはセルロースアシレート溶液)中に添加するのが好ましい。全添加剤に対する液晶化合物の質量割合は、5〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がさらに好ましい。また、前記液晶化合物の添加量は、セルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
前記液晶化合物とともに、前記棒状化合物をセルロースアシレート組成物中に添加する態様では、前記棒状化合物の添加量は、セルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
また、前記液晶化合物とともに、前記円盤状化合物をセルロースアシレート組成物中に添加する態様では、前記円盤状化合物の添加量はセルロースアシレート組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がよりさらに好ましい。
本発明では、前記位相差膜の厚みについては特に制限されないが、薄膜化の要請に応えるためには、厚みは、100μm以下であるのが好ましく、80μm以下であるのがより好ましく、60μm以下であるのがさらに好ましい。薄膜化の観点では、厚みは薄いほど好ましいが、一般的には、ポリマーフィルムの厚みは30μm以上となる。
本発明に用いる位相差膜は、上記した通り、Reの波長依存性が逆分散性であることを一つの特徴とし、またRthについても波長依存性が逆分散性であるのが好ましい。Re及びRthを逆分散性とするのは、添加剤として添加する液晶化合物を前記一般式(A)で表される液晶化合物から選択することによって、達成することができる。
また、本発明に用いる位相差膜は、上記した通り、下記式(VII)を満足しているのが好ましい。
(VII)1.2≦Rth(550)/Re(550)≦2.6
セルロースアシレートフィルムのRth/Reを上記範囲とするためには、前記式(I)及び(II)を満足する範囲で、さらにRthは過度に増加させずに、Reをある程度大きくする必要がある。その方法の一つとして、延伸処理を利用する方法が挙げられる。前記位相差膜として利用するセルロースアシレートフィルムは、液晶化合物を含有する組成物からなるので、延伸処理時の温度やフィルム中の有機溶媒量などを調整して、延伸時に液晶化合物の配向度がより高い、液晶相温度に調整する等により、Rth/Reを上記範囲とすることができる。
・可塑剤:
前記位相差膜として利用するセルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースアシレートの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることがよりさらに好ましい。
・高分子系可塑剤:
本発明には、前記可塑剤として、高分子量の高分子系可塑剤を使用することができる。
高分子系可塑剤の分子量は、平均分子量であり分子量の異なる混合物からなるものである。溶液流延において、可塑剤は溶媒の揮発速度を速めかつ残留溶媒量を低減するのに寄与する剤である。また、溶融製膜法によるポリマーフィルムにおいても、可塑剤は着色や膜強度劣化を防止するのに寄与する有用な剤である。さらに、本発明に前記位相差膜として使用可能なポリマーフィルムに該高分子系可塑剤を添加することは、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用である。また本発明においては、高分子系可塑剤を添加することは、後述する実施例で示すように、製造工程でのハンドリング特性の改良に、非常に有効である。
ここで、本発明では、「高分子系可塑剤」の用語は、分子構造中に、1種又は2種以上の繰り返し単位構造を有するいずれの可塑剤も含む意味で用いる。本発明に用いる高分子可塑剤は、その数平均分子量が600〜10000程度であり、好ましくは数平均分子量700〜8000程度であり、更に好ましくは数平均分子量700〜5000程度であり、特に好ましくは数平均分子量1000〜3500程度である。
また、高分子系可塑剤は、使用する環境温度あるいは湿度下で、液体であっても固体であってもよい。製膜方法によって、融点の好ましい範囲が区分され、溶液製膜方法による態様では、融点が−100℃〜150℃程度の可塑剤を選択するのが好ましく、融点が−100℃〜70℃程度の可塑剤を選択するのがより好ましく、融点が−100℃〜50℃程度の可塑剤を選択するのがさらに好ましい。これに対して、溶融製膜法による態様では、融点が−100℃〜200℃程度の可塑剤を選択するのが好ましく、融点が−100℃〜170℃程度の可塑剤を選択するのがより好ましく、融点が−100℃〜150℃程度の可塑剤を選択するのがさらに好ましい。
また、使用する可塑剤の色味は、少ないほど好ましく、特に無色の可塑剤を使用するのが好ましい。可塑剤は、熱的には、より高温において安定であることが好ましく、分解開始温度が150℃以上、更に200℃以上が好ましい。可塑剤の添加量は、光学物性・機械物性に悪影響がなければよく、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。前記位相差膜として使用されるポリマーフィルム中の高分子系可塑剤の含有量は、セルロースアシレートの量に対して、好ましくは1〜50質量%程度、より好ましくは2〜40質量%程度であり、特に5〜30質量%程度が好ましい。
本発明に使用可能な高分子系可塑剤の例には、ジカルボン酸由来の繰り返し単位の少なくとも1種と、ジオール由来の繰り返し単位の少なくとも1種とを有するポリエステル系可塑剤が含まれる。このポリエステル系可塑剤の好ましい分子量範囲については、前記と同様である。ジカルボン酸とジオールとの反応物の両末端は、反応後、そのまま未処理であってもよいし、また、更にモノカルボン酸類、モノアルコール類又はフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。末端封止処理をすると、フリーなカルボン酸類を非含有となり、保存性が改善されるので好ましい。
前記ジカルボン酸は、少なくとも1種の炭素数2〜20(より好ましくは炭素数4〜20)の脂肪族(好ましくはアルキレン)ジカルボン酸及び少なくとも1種の炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸から選択されるのが好ましく、これらの混合物であるのがより好ましい。
前記炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が含まれる。
また前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸等が含まれる。
これらの中でも、好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり;好ましい芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、又は1,4−ナフタレンジカルボン酸である。特に好ましくは、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、又はアジピン酸であり;芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸である。
本発明では、ジカルボン酸として、前記脂肪族ジカルボン酸と前記芳香族ジカルボン酸のそれぞれの少なくとも一種類を組み合わせた混合物を用いるのが好ましい。その組み合せは特に限定されるものではなく、それぞれの成分を数種類組み合わせてもよい。
また、前記ジオールの例は、炭素数2〜20の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール、及び炭素数6〜20の芳香族環含有ジオール(以下、芳香族ジオールとも称する)から選ばれた少なくとも1種類以上のジオールであるのが好ましい。
まず、炭素原子2〜20の脂肪族ジオールの例には、アルキルジオール類及び脂環式ジオール類の双方が含まれ、より具体的には、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が含まれる。これらのジオールは、2種以上の混合物として使用することもできる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールの例には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、及びポリプロピレンエーテルグリコール、並びにこれらの組み合わせが含まれる。その平均重合度は、特に限定されないが好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、更には2〜5であり、特に好ましくは2〜4である。市販品を使用することもでき、市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics) レジンおよびニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジオールの例には、ビスフェノールA、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、及び1,4−ベンゼンジメタノールが含まれる。好ましくは、ビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、及び1,4−ベンゼンジメタノールである。
本発明に用いる前記ポリエステル系可塑剤は、末端がアルキル基又は芳香族基等の疎水性基で封止されているのが好ましい。末端を疎水性基で保護することにより、高温高湿での経時劣化を軽減でき、エステル基の加水分解を抑制できる。前記ポリエステル可塑剤の両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
モノアルコール残基としては、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のモノアルコール残基が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどの残基が挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコール残基は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコール等の残基である。
また、モノカルボン酸残基で封止する場合は、モノカルボン酸残基としては、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のモノカルボン酸の残基が好ましい。これらは、脂肪族モノカルボン酸でも芳香族環含有カルボン酸でもよい。まず好ましい脂肪族モノカルボン酸について記述すると、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ;芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記ポリエステル可塑剤は、常法により、上記ジカルボン酸とジオール、及び所望により末端封止用のモノカルボン酸又はモノアルコール、とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法、又はこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。これらのポリエステル可塑剤については、村井孝一編者「可塑剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
・その他の高分子系可塑剤
本発明においては、前述したポリエステル可塑剤だけでなく、その他の高分子系可塑剤も使用することができる。その他の高分子系可塑剤の例には、ポリエステルポリウレタン系可塑剤、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー、ポリアクリル酸エステル及びポリメタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系ポリマー(エステル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、tert−ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基、ベンジル基、フェニル基など)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリN−ビニルピロリドン等のビニル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、ならびにポリ酢酸ビニル、等が挙げられる。
これらの中でも、特に、(メタ)アクリル系ポリマーを併用することも好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル等の(メタ)アクリル系モノマーから合成される、ホモポリマー及びコポリマーが好ましい。
芳香環を持たない(メタ)アクリル酸エステルモノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル(i−、n−)、(メタ)アクリル酸ブチル(n−、i、s−、t−)、(メタ)アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、(メタ)アクリル酸ヘキシル(n、i−)、(メタ)アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸オクチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ノニル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、(メタ)アクリル酸(2−エチルヘシル)、(メタ)アクリル酸(ε−カプロラクトン)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、(メタ)アクリル酸(2−メトキシエチル)、及び(メタ)アクリル酸(2−エトキシエチル)等が含まれる。なお「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の双方を意味する。
また、芳香族環を有する(メタ)アクリル系ポリマーに用いるアクリルモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどを挙げることが出来る。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーがコポリマーの場合は、X(親水基を有するモノマー成分)から誘導される繰り返し単位及びY(親水基を持たないモノマー成分)から誘導される繰り返し単位からなり、X:Y(モル比)が1:1〜1:99のコポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は、併用するセルロースアシレートに対して1〜20質量%であることが好ましい。これらの(メタ)アクリルポリマーは、特開2003−12859に記載されている方法を参考にして合成することができる。
以下に、本発明に使用可能な好ましい高分子系可塑剤の具体例を記すが、これらに限定されるものではない。
PP−1: コハク酸/フタル酸/エタンジオール/(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−2: グルタル酸/イソフタル酸/1,3−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1300)
PP−3: アジピン酸/テレフタル酸/1,2−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量900)
PP−4: コハク酸/テレフタル酸/エタンジオール/1,4−シクロヘキサンジメタノール(1/1/1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)
PP−5: コハク酸/グルタル酸/アジピン酸/テレフタル酸/イソフタル酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/1/1/3/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−6: コハク酸/アジピン酸/テレフタル酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−7: コハク酸/アジピン酸/1,4−ナフタレンジカルボン酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2000)
PP−8: コハク酸/テレフタル酸/ポリ(平均重合度5)プロピレンエーテルグリコール/1,2−プロパンジオール(2/1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−9: コハク酸/テレフタル酸/ポリ(平均重合度3)エチレンエーテルグリコール/1,2−プロパンジオール(1/3/2/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3500)
PP−10: コハク酸/フタル酸/エタンジオール/(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2100)の両末端のブチルエステル化体
PP−11: グルタル酸/イソフタル酸/1,3−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1500)の両末端のシクロヘキシルエステル化体
PP−12: アジピン酸/テレフタル酸/1,2−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−13: コハク酸/テレフタル酸/エタンジオール/1,4−シクロヘキサンジメタノール(1/1/1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)の両末端のイソノニルエステル化体
PP−14: コハク酸/グルタル酸/アジピン酸/テレフタル酸/イソフタル酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/1/1/3/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)の両末端のプロピルエステル化体
PP−15: コハク酸/アジピン酸/テレフタル酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−16: コハク酸/アジピン酸/1,4−ナフタレンジカルボン酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)の両末端のベンジルエステル化体
PP−17: コハク酸/テレフタル酸/ポリ(平均重合度5)プロピレンエーテルグリコール/1,2−プロパンジオール(2/1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3500)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−18: コハク酸/テレフタル酸/ポリ(平均重合度4)エチレンエーテルグリコール/1,2−プロパンジオール(1/3/2/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−19: コハク酸/フタル酸/エタンジオール/(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端のアセチルエステル化体
PP−20: グルタル酸/イソフタル酸/1,3−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1300)の両末端のアセチルエステル化体
PP−21: アジピン酸/テレフタル酸/1,2−プロパンジオール(1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量900)の両末端のベンゾイルエステル化体
PP−22: コハク酸/テレフタル酸/エタンジオール/1,4−シクロヘキサンジメタノール(1/1/1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量3000)の両末端のプロピオニルエステル化体
PP−23: コハク酸/グルタル酸/アジピン酸/テレフタル酸/イソフタル酸/エタンジオール/1,2−プロパンジオール(1/1/1/1/2/3/3モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端のシクロヘキサンカルボニルエステル化体
PP−24: コハク酸/テレフタル酸/ポリ(平均重合度3)エチレンエーテルグリコール/1,2−プロパンジオール(1/3/2/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端のアセチルエステル化体
PP−25: コハク酸/ビスフェノールA(1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2000)
PP−26: コハク酸/テレフタル酸/エタンジオール/ビスフェノールA(2/1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−27: コハク酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ビスフェノールA/プロパンジオール(1/2/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1900)
PP−28: コハク酸/アジピン酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ビシフェノールA/ジエチレングリコール(1/1/2/2/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)
PP−29: コハク酸/テレフタル酸/エタンジオール/ビスフェノールA(2/1/1/2 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2500)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−30: コハク酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ビスフェノールA/プロパンジオール(1/2/2/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2300)の両末端の2−エチルヘキシルエステル化体
PP−31: コハク酸/ビスフェノールA(1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量2200)の両末端のアセチルエステル化体
PP−32: アジピン酸/エタンジオール(1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1000)
PP−33: アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール(1/1 モル比)からなる縮合物(数平均分子量1000)
PP−34: アジピン酸/コハク酸/エタンジオール(2/3/5 モル比)からなる縮合物(数平均分子量910)
前記高分子系可塑剤中、数平均分子量500以下の成分の存在量は10質量%程度以下であるのが好ましい。また、熱天秤法で、200℃で10分間加熱したときの質量減少率は、5%程度以下であるのが好ましい。また、140℃で60分間加熱したときの質量減少率は、1%程度以下であるのが好ましい。
なお、本発明において、可塑剤は素材単体の最大吸収波長(λmax)が、より短波長のものを用いることが好ましい。可塑剤がセルソースアシレート中でレターデーションを発現する場合、そのほとんどが順分散性のレターデーションとなる。λmaxが長波長の可塑剤を使用した場合、可塑剤に起因する位相差の影響で位相差フィルムの逆分散性が低下してしまい、製造されるフィルムが所定の特性を満足しなくなる傾向がある。よって、可塑剤のλmaxは、短波長のものが好ましく、具体的には、250nm以下が好ましく、230nm以下であることがさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びトリベンジルアミン(TBA)である。
前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されたフィルムであってもよい。延伸倍率は、3〜100%程度であることが好ましい。延伸処理は、テンターを用いて実施できる。また、ロール間にて縦延伸を行ってもよい。
前記セルロースアシレートフィルムを、位相差膜としての機能に加えて、偏光膜の透明保護膜としても機能させる場合、偏光子との接着性を改善するために、セルロースアシレートフィルムを表面処理することが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理を実施する。酸処理又はアルカリ処理を実施することが好ましく、アルカリ処理を実施することがさらに好ましい。
[偏光板]
本発明の液晶表示装置には、前記位相差膜として用いられるセルロースアシレートフィルムを、直線偏光膜(偏光膜フィルム)と一体化させた偏光板を用いることができる。前記偏光板は、前記位相差膜と直線偏光膜(以下、単に「偏光膜」、「偏光フィルム」という場合は「直線偏光膜」をいうものとする)とを積層することによって作製することができる。前記位相差膜として用いるセルロースアシレートフィルムは、直線偏光膜の保護膜を兼ねていてもよい。
直線偏光膜は、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜が好ましい。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製されるのが一般的である。
直線偏光膜の位相差膜を貼り付けた表面と反対側の表面には、ポリマーフィルムを配置する(位相差膜/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)ことが好ましい。
ポリマーフィルムは、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(位相差膜の準備)
・位相差膜001
下記に記載の割合になるように各成分を混合してセルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液を、バンド流延機を用いて流延し、得られたウェブをバンドから剥離し、その後140℃の条件下、TD方向に20%延伸した後、乾燥して、55μmのセルロースアシレートフィルムを作製し、位相差膜001として用いた。
なお、下記のレターデーション上昇剤として用いた液晶化合物F−1およびF−2は、液晶性を示すことを確認した。
(セルロースアシレート溶液)
アセチル基置換度2.86のセルロースアシレート
100質量部
下記の液晶化合物 F−1 2質量部
下記の液晶化合物 F−2 6質量部
トリフェニルホスフェート 3質量部
ジフェニルホスフェート 2質量部
メチレンクロライド 418質量部
メタノール 62質量部
Figure 2010020269
Figure 2010020269
・位相差膜002
上記の位相差膜001の作製方法において使用した、アセチル基置換度2.86のセルロースアシレートの代わりに、アセチル置換度1.54、プロピオニル置換度0.84のセルロースアシレートを用い、それ以外の条件は同様にして位相差膜002を作製した。
・位相差膜003
上記の位相差膜001の作製方法において使用した、液晶化合物F−1は用いず、液晶化合物F−2を8質量部用い、それ以外の条件は同様にして位相差膜003を作製した。
・位相差膜004
下記に記載の組成で各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製し、上記の位相差膜001と同様の方法で得られたウェブをバンドから剥離し、その後、125℃の条件下、TD方向に30%延伸した後、乾燥して、80μmのセルロースアシレートフィルムを作製し、位相差膜004として用いた。なお、可塑剤PP−32のλmaxは250nm以下であった。
(セルロースアシレート溶液)
アセチル基置換度2.81のセルロースアシレート 100質量部
上記の液晶化合物 F−2 5質量部
PP−32 10質量部
メチレンクロライド 441質量部
メタノール 66質量部
・位相差膜005
上記の位相差膜004の作製方法において使用した、アセチル基置換度2.81のセルロースアシレートの代わりに、アセチル置換度2.77のセルロースアシレートを用い、それ以外の条件は同様にして位相差膜005を作製した。
・位相差膜006
上記の位相差膜005の作製方法において使用した、液晶化合物F−2の添加量を4.5質量部とし、可塑剤として、PP−32の代わりに、PP−33を用いた以外は、同様にして、位相差膜006を作製した。なお、可塑剤PP−33のλmaxは250nm以下であった。
・位相差膜101
下記に記載の割合になるように各成分を混合してセルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液を、バンド流延機を用いて流延し、得られたウェブをバンドから剥離し、その後、120℃の条件下、TD方向に25%延伸した後、乾燥して、55μmのセルロースアシレートフィルムを作製し、位相差膜101として用いた。
なお、下記のレターデーション上昇剤として用いた円盤状化合物は、液晶性を示さないことを確認した。
(セルロースアシレート溶液)
アセチル基置換度2.81のセルロースアシレート 100質量部
下記のレターデーション上昇剤(円盤状化合物) 4質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 5質量部
メチレンクロライド 430質量部
メタノール 64質量部
Figure 2010020269
・位相差膜201
市販の市販されているノルボルネン系ポリマーフィルム“ZEONOR”(日本ゼオン製)を、140℃にて縦方向を固定して横方向に30%延伸して、位相差膜201として用いた。
上記にて作製した位相差膜001〜006、101、201について、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて波長450nm、550nm、650nmにおいて3次元複屈折測定を行い、面内のレターデーションRe及び傾斜角を変えてReを測定することで得られる膜厚方向のレターデーションRthを求めた。結果を表1に示す。表1に示す通り、位相差膜001〜006は、いずれも上記式(I)〜(VII)を満足していた。
Figure 2010020269
(偏光板の作製)
上記作製した位相差膜001〜006および101の表面をそれぞれアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各位相膜001〜006および101と、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、各位相差膜とTD80ULが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板001〜006および101をそれぞれ作製した。
位相差膜201については、アルカリ鹸化処理の代わりに表面をコロナ処理することにより親水化し、上記001〜006および101を作製したのと同様の方法により偏光板201を作製した。
[実施例1]
(液晶表示装置の作製)
上記作製した偏光板001を用いて、図1と同様の構成の液晶表示装置001を作製した。具体的には、液晶セルとして、VAモード液晶セル(Δnd=300nm)を用い、偏光板001を図1中の表示面側及びバックライト側の偏光板(図1中P1及びP2)としてそれぞれ組み込んで、液晶表示装置を作製した。なお、それぞれの位相差膜の遅相軸を、図1に示す通り、互いに直交させて配置した。
[実施例2〜3及び比較例1〜2]
偏光板001を、上記で作製した偏光板002〜006、101および201にそれぞれ代えた以外は、液晶表示装置001と同様にして、液晶表示装置002〜006、101および201をそれぞれ作製した。
(評価)
・黒表示時、白表示時の透過率
上記で作製した液晶表示装置001〜006、101および201について、黒表示時および白表示の、正面方向および斜め方向(極角45度・方位角60度方向)の透過率を測定することにより正面コントラストおよび斜め方向のコントラストを求めた。結果を下記表2に示す。
・黒表示時のカラーシフト
上記で作製した液晶表示装置001〜006、101および201について、黒表示時の色味変化Δu’v’(=√(u’max−u’min)2+(v’max−v’min)2)をそれぞれ測定した。ここで、u’max(v’max)は0〜360度のうち最大のu’(v’)、u’min(v’min)は0〜360度のうち最小のu’(v’)である。結果を下記表2に示す。表2に示す通り、位相差膜001〜006を用いた本発明の実施例の液晶表示装置001〜006は、いずれも位相差膜101および201を用いた比較例の液晶表示装置101および201よりも斜め方向のコントラストが優れ、色味変化が小さいことがわかった。
Figure 2010020269
本発明の液晶表示装置の一例の概略模式図である。 図1に示す構成のVAモード液晶表示装置の光学補償機構の一例をポアンカレ球上で説明するために用いた図である。 図1に示す構成のVAモード液晶表示装置の光学補償機構の一例をポアンカレ球上で説明するために用いた図である。 図1に示す本発明のVAモードの液晶表示装置の例について、その光学補償機構の一例をポアンカレ球上で説明するために用いた図である。
符号の説明
1 液晶セル上側基板
3 液晶セル下側基板
5 液晶層(液晶分子)
8a、8b 偏光フィルム
9a、9b 偏光フィルム吸収軸
10a、10b 位相差膜
P1、P2 偏光板
LC 液晶セル

Claims (9)

  1. 黒表示時に基板に対して垂直配向する液晶層を有する液晶セルと、該液晶セルを挟んで、それぞれの吸収軸を互いに直交にして配置される2枚の偏光子と、前記2枚の偏光子のそれぞれと液晶セルとの間に配置される、光学的異方性が同等である位相差膜とを有する液晶表示装置であって、前記位相差膜がセルロースアシレート及び液晶化合物を含み、且つ下記式(I)〜(IV)を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
    (I) 30≦Re(550)≦80
    (II) 70≦Rth(550)≦140
    (III) Re(450)/Re(550)<1
    (IV) Re(650)/Re(550)>1
    (Re(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム面内のレターデーション[nm]を、及びRth(λ)は波長λ[nm]で測定したフィルム膜厚方向のレターデーション[nm]を表す。)
  2. 前記位相差膜が、下記式(V)及び(VI)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
    (V) Rth(450)/Rth(550)<1
    (VI) Rth(650)/Rth(550)>1
  3. 前記位相差膜が、下記式(VII)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
    (VII) 1.2≦Rth(550)/Re(550)≦2.6
  4. 前記位相差膜が、前記液晶化合物を0.1質量%以上30質量%以下含有し、該液晶化合物の全添加剤に対する比率が5質量%以上100質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶化合物が、下記式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    Figure 2010020269
    (式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す。)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、及びR3は各々独立に置換基を表す。Xは14〜16族原子を表す。nは0から2までの整数を表す。)
  6. 前記液晶化合物が、下記式(a)で表される棒状化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    一般式(a):Ar1−L12−X−L13−Ar2
    (上記式(a)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L12及びL13は、それぞれ独立に、−O−CO−又は−CO−O−基より選ばれる二価の連結基であり、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。)
  7. 前記位相差膜が、さらに、波長250nm〜380nmに吸収極大がある円盤状化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. 前記位相差膜の膜厚が、30〜100μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 黒表示時の前記液晶層と前記位相差膜とが、下記式(VIII)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    (VIII) 0.5≦(2×Rth(550))/Δn(550)×d≦1.3
    (Δn(550)は液晶層中の液晶の550nmにおける固有複屈折、dは液晶層の厚み、Rth(550)は550nmにおける位相差膜の膜厚方向のレターデーション、を示す。)
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