JP5328067B2 - 樹脂組成物および該樹脂組成物を塗布してなる塗装物 - Google Patents

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Description

本発明は、アニリン点が50℃以上の溶剤に対して好適に溶解しうる加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体を含有する樹脂組成物に関する。また、該樹脂組成物をベースとした塗料は、脆弱な塗膜にも塗り重ねが可能となる。
高耐候性を有する樹脂として、例えばフッ素樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂などが知られている。
また、近年環境問題が重視されるようになってから、従来の強溶剤タイプの溶剤の臭気や安全性が問題視され、弱溶剤タイプの溶剤にアクリルウレタン樹脂やアクリルシリコン樹脂を溶解させた樹脂が開発されている。
たとえば、特開平11−228903公報や特開平11−279480公報には、溶剤に弱溶剤系を使用したアクリルシリコン樹脂が記載されている。
弱溶剤タイプの溶剤は労安法第3種に相当する溶剤であり、キシレンやトルエンの含有量が規定されている。しかしながら、その他の芳香族成分を多量に含んでいる場合が殆どであり、溶剤の臭気や安全性に対しては、充分ではないという問題があった。
発明が解決しようとする課題
本発明は、アニリン点が50℃以上の溶剤に好適に溶解しうる加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体を提供することを目的とする。また、該樹脂をベースとして用いることで、脆弱な塗膜にも塗り重ね可能な塗料を提供することも目的とする。
発明が解決しようとする手段
本発明は、アニリン点が50℃以上の溶剤と、主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
Figure 0005328067
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有し、且つアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共
重合体からなる樹脂組成物。(請求項1)
アニリン点が50℃以上の溶剤と、主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
Figure 0005328067
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するとともに、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個含有し、さらにアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体からなる樹脂組成物。(請求項2)
アニリン点が50℃以上の溶剤中の芳香族含有量が1.0%以下である請求項1または2記載の樹脂組成物。(請求項3)
ビニル系重合体組成物に更に硬化触媒および/または架橋剤が配合されてなる請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。(請求項4)
請求項4記載の樹脂組成物を塗布してなる塗装物。(請求項5)
である。
本発明には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として加水分解性基と結合したシリル基を有するビニル系共重合体が含有される。
ビニル系共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系単量体及び必要に応じてその他単量体を共重合した主鎖からなる。
ここで、「主鎖がビニル系共重合体鎖からなる」とは、ビニル基、ビニリデン基のように、重合性炭素炭素二重結合を化合物あるいは重合性二重結合を有する化合物と他の化合物との共重合体ブロックがビニル系共重合体の主鎖を構成していることを意味する。
上記加水分解性シリル基は、1分子中に少なくとも1個存在すればよいが、充分な硬化性を与え、また、内部応力を緩和するという観点から2〜10個存在することが好ましい。
前記ビニル系共重合体は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
前記加水分解性基と結合したケイ素基の加水分解性基は、ハロゲン基、アルコキシ基等がある。その中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が有用である。
前記ビニル系共重合体の数平均分子量は、2000〜30000が好ましい。より好ましくは、3000〜25000である。数平均分子量が2000未満であると、硬化性、耐候性が低下する傾向にあり、30000を超えると外観性、作業性が低下する傾向がある。
前記ビニル系共重合体は、たとえば重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)、アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)、その他のビニル系単量体(d)を共重合することによって製造することができる。
上記反応性シリル基を含有するビニル系単量体の具体例としては、例えば、
Figure 0005328067
などの一般式(II)
Figure 0005328067
(式中、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R5は炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される化合物;
Figure 0005328067
などの一般式(III)
Figure 0005328067
(式中、R3、R4、R5、aは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)
で表される化合物;
Figure 0005328067
などの一般式(IV):
Figure 0005328067
(式中、R3、R4、R5、a、nは前記と同じ)で表される化合物;
Figure 0005328067
などの一般式(V):
Figure 0005328067
(式中、R3、R4、R5およびaは前記と同じ、pは1〜14の整数を示す)で表される化合物
Figure 0005328067
などの一般式(VI)
Figure 0005328067
(式中、R3、R4、R5、aは前記と同じ、qは0〜22の整数を示す(化13も同じ))で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。
これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
これらの単量体(a)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。前記単量体(a)は、前記のように、得られるビニル系共重合体中に反応性シリル基を含有する単量体が2〜90重量%、さらには3〜70重量%、特には4〜50重量%含有されるように使用するのが好ましい。単量体(a)がこれら範囲より少ない場合は、得られる共重合体を塗料として用いた場合、塗膜の耐候性、基材との密着性が劣る傾向があり、また、多い場合は、塗膜の柔軟性が少なくなり、塗膜がもろくなり、また基材との密着性が劣る傾向があるので好ましくない。また、前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)の具体例としては、たとえば分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体であれば特に限定はしないが、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−トが挙げられる。特に好ましくは、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トである。
上記単量体(b)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)の具体例としては、たとえば、オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレ−ト、オレイル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。中でも耐候性、溶剤への溶解性が良好という点からデシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましくは、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ−トである。
上記単量体(c)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/または(c)の合計使用量は50重量%、より好ましくは70重量%以上である。使用量が50重量%未満の場合には、ビニル系重合体の溶解性、希釈性が低下する。
前記その他の単量体(d)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、Placcel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、HEAC−1(以上、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートやスチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4ーヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
さらに、アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(e)を共重合することもできる。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(d)を共重合した場合には、硬化塗膜にウレタン結合を導入することができ、有機塗膜に対する密着性をより向上させることが可能となる。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(e)としては特に限定されず、例ば、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチルビニルエーテル、N―メチロール(メタ)アクリルアミド、4―ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE―10、HE―20、HP―10及びHP―20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε―カプロラクトンとの反応によるε―カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC―1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、塗膜に優れた耐酸性及び耐水性を付与することができる点から、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(e)の使用量は、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは、5〜20重量%である。3重量%以下の場合には、塗膜硬度や密着性、耐候性が低下する傾向にあり、30重量%以上の場合にはリコート性が低下する傾向にある。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(e)を共重合した場合には、硬化塗膜にウレタン結合を導入することができ、有機塗膜に対する密着性をより向上させることが可能となる。
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメント、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)、単量体(e)以外の単量体に由来するセグメントなどを、30重量%を超えない範囲でビニル系共重合体の製造時に導入してもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビニル系共重合体にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上するが、重合体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化させようとしても良好な特性の硬化物が得られにくい。
前記アニリン点が50℃以上の溶剤とは、アニリンを溶解できる温度が50℃以上の溶剤であり、JIS2256に準じて測定することが出来る値のことである。尚且つ、有害性を考慮した場合、芳香族成分が1.0重量%以下、さらには0.7重量%以下、特には0.5重量%以下の溶剤が好ましい。また、その使用量についても、有害性やPRTR法等の規制を考慮した場合、全溶剤成分中80重量%以上使用することが好ましい。特に好ましくは、90重量%以上である。
その他使用できる溶剤としては、アルコール系、エステル系、ケトン系等が挙げられるが、これらの溶剤は下地を侵すことが考えられることから、その使用量は、可能な限り少ないことが好ましい。
また、混合溶剤を使用する場合には、トータルの溶剤のアニリン点が50℃以上であればよい。
前記アニリン点が50℃以上で芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤の具体例としては、エクソールD40、エクソールD80、アイソパーG(以上、エクソンモービル(株)製)、IPソルベント(出光石油化学(株)製)などのナフテンやパラフィン系の溶剤やキシレンあるいはその他芳香族を含む溶剤の水添物、さらにはヘキサンやヘプタンなどいわゆる炭化水素系溶剤が挙げられる。
アニリン点の下限は、50℃であるが、さらには55℃、あるいは60℃の態様であることも好ましい。
上記アニリン点が50℃以上の溶剤は、重合溶剤に使用しても、希釈溶剤に使用してもよいが、臭気や有害性を考慮して両者に用いることが最も好ましい。また、上記アニリン点が50℃以上の溶剤以外の溶剤で重合した後、一度該溶剤を除去し、アニリン点が50℃以上の溶剤で希釈溶解してもよい。
前記硬化触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズ、ジブチルスズビス(メルカプト酸エステル)等の有機スズ化合物;エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト、アルミニウムトリス(アセチルアセテ−ト)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテ−ト)、アルミニウムモノアセチルアセトネ−トビス(エチルアセトアセテ−ト)、アルキルアセチルアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−トなどの有機アルミ化合物;有機チタネート化合物;有機亜鉛化合物等の有機金属化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化触媒の具体例としてさらに、酸触媒が挙げられる。酸触媒としては、リン酸エステル系、スルホン酸系触媒、リン酸に有機アミン配合した系、スルホン酸と有機アミンを配合した系、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系がある。
これらは、加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部配合することができる。配合量としては0.2〜8重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。
上記硬化触媒は、単独および2種類以上併用することができる。
また、樹脂中にアルコール性水酸基を含有する場合には、架橋剤としてポリイソシアナート化合物を配合してもよい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を挙げることができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系;水素添加キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系等のものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ブロックポリイソシアネート化合物も使用することができ、具体的には、上記ポリイソシアネート化合物を、例えばε―カプロラクタム等のラクタム系ブロック化剤;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系ブロック化剤;アセトキシム等のオキシム系ブロック化剤等でブロックしたもの等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルコール性水酸基含有ビニル系共重合体と上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物との配合割合は、上記アルコール性水酸基含有ビニル系共重合体の水酸基に対し、上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5〜1.5当量になるようにするのが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2当量である。0.5当量未満であると、塗膜の耐候性、耐水性等が低下し、1.5当量を超えると、外観性、耐候性等が低下する傾向にある。
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られるビニル系共重合体の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、ビニル系共重合体の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、特には0.1〜8%であることが好ましい。
また、ビニル系重合体が湿分硬化性であるため、安定性を保持する目的で、脱水剤を使用することが好ましい。脱水剤としては、加水分解性エステル化合物などが挙げられる。その具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;メチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリメトキシシランなどである。この中では、脱水効果の点からオルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
次に、本発明のビニル系重合体を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例 ビニル系重合体の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き110℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分を加えて攪拌した。
得られた加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(A―1、A−2、A−3、A−4、A−7およびA−8)、加水分解性シリル基及び水酸基含有ビニル系重合体(A−5、A−6、A−9およびA−10)の各ビニル系共重合体の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。
Figure 0005328067
なお、表中の成分は以下のものを示す。
溶剤
エクソールD40;エクソン−モービル化学株式会社製(アニリン点69℃)
アイソバーG;エクソン−モービル化学株式会社製(アニリン点80℃)
MCH(メチルシクロヘキサン);新日鐵化学株式会社製
実施例(溶剤希釈性)
得られた重合体を重合溶剤を用いて固形分濃度が50%になるように希釈した後、重合体100重量部に対して、20℃と5℃の雰囲気下、アニリン点が50℃以上の溶剤として、エクソールD40をある一定の割合加えていき白濁を生じるまでの希釈性を確認した。
Figure 0005328067
白エナメルの作製
製造例1でえられたビニル系共重合体(A)−1の樹脂固形分100部に対し、顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)40部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60%の白エナメルをえた。
えられた白エナメルの樹脂固形分100部に対して、硬化触媒としてU−15(日東化成(株)製)を1部、シンナーとしてエクソールD40を添加して撹拌し、固形分濃度が45%の組成物をえた。
表3に示す配合に従い、以下同様にして、固形分濃度45%の組成物を得た。
Figure 0005328067
(イ)表面状態
得られた組成物をアルミニウム板(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmになるようにエアースプレーで塗装し、23℃で7日間養生(硬化)させ塗膜を得た。塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:表面状態が良好である。
B:部分的に曇りや斑点がみられる。
C:全体に曇りや斑点が認められる。
(ロ)密着性
アルミニウム板(A5052P)上に弱溶剤型エポキシ(マイルドボーセイ;エスケー化研(株))を乾燥膜厚が30μとなるように塗装し、屋外で2週間曝した。その後、塗膜表面の汚れを軽く拭き取り、実施例に示す白エナメル組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。
23℃、55%RH条件下で7日間養生後、50℃の温水に7日間浸し、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
(ハ)ちぢみ
得られた組成物を、塩化ゴム系エナメル(クリンラバテクト;関西ペイント(株)製)を1.4〜1.6Kg/m2になるように塗装したものをサンシャインウエザオメーター試験に200時間、400時間、600時間曝し、その後実施例に示す組成物を乾燥膜厚40〜50μmで塗装し、ただちに5℃条件下に静置しサンプルとした。塗膜の状態を観察、ちぢみ等がないことを確認した。尚、比較例1および3については、塗膜状態が悪くちぢみ評価まで至らなからた。
(評価基準)
○ ;塗膜に異常が見られない。
△ ;塗膜が膨潤している。
× ;塗膜の溶解が見られる。
なお、表中の成分は以下のものを示す。
硬化触媒U−20;日東化成株式会社製 有機錫化合物
架橋剤TSE100;旭化成工業株式会社製 ポリイソシアネート
発明の効果
本発明は、溶剤成分としてアニリン点が50℃以上の溶剤を主成分とした溶剤と、主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
Figure 0005328067
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有し、且つアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体とからなる、充分な溶剤溶解性を有し、且つ臭気や有害性を抑えた樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を塗布してなる良好な塗膜特性の塗装物を得ることができる。

Claims (4)

  1. アニリン点が50℃以上の溶剤と、主鎖がビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
    【化1】
    Figure 0005328067

    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有し、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を含有せず、且つアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体からなり、芳香族含有量が50重量%以下の有機溶剤に可溶な多官能性イソシアナート化合物を含有せず、前記アニリン点が50℃以上の溶剤が、全溶剤成分中80重量%以上を占める樹脂組成物。
  2. アニリン点が50℃以上の溶剤中の芳香族含有量が1.0重量%以下である請求項記載の樹脂組成物。
  3. ビニル系重合体組成物に更に硬化触媒および/または架橋剤が配合されてなる請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項記載の樹脂組成物を塗布してなる塗装物。
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