JP3390284B2 - 非水系樹脂分散液 - Google Patents

非水系樹脂分散液

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JP3390284B2 JP05821095A JP5821095A JP3390284B2 JP 3390284 B2 JP3390284 B2 JP 3390284B2 JP 05821095 A JP05821095 A JP 05821095A JP 5821095 A JP5821095 A JP 5821095A JP 3390284 B2 JP3390284 B2 JP 3390284B2
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孝男 藤井
裕昭 小畑
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用ビヒクルとして
用いたとき、顔料分散性、貯蔵安定性に優れた塗料を製
造することができ、得られる塗膜も各種基材表面、特に
金属基材表面に対する優れた付着性を有し、しかも常温
硬化によって、耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐候
性などの優れた塗膜性能を有するものとなる卓越した非
水系樹脂分散液に関し、詳しくは、脂肪族炭化水素系溶
媒を主成分とする有機溶媒(A)、該有機溶媒に可溶性で
特定のアセトアセチル基を含むペンダント側鎖を有する
繰返し単位を特定量含有するアクリル系重合体(B)、及
び、該有機溶媒に実質的に不溶性の重合体微粒子(C)、
並びに、必要に応じて架橋剤(D)からなる非水系樹脂分
散液するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料用のビヒクルとしては、優れ
た塗膜を形成することから有機溶媒溶解型樹脂組成物が
多くの用途に用いられてきた。しかし、近年、大気汚染
性や環境衛生上の問題点及び貯蔵や使用に際しての防火
上の安全性等の観点から、光学不活性な脂肪族炭化水素
系溶媒を代表とした比較的引火点の高い非極性有機溶媒
に溶解又は分散された樹脂組成物が注目されている。
【0003】中でも、非極性有機溶媒中に重合体分散安
定剤を用いて不溶性重合体微粒子を分散させた非水分散
型樹脂は、通常の有機溶媒溶解型樹脂に比較し高固形分
化が容易であって有機溶媒の使用量を減らすことがで
き、また粘度挙動上チキソトロピー性を有するものであ
って厚塗りが可能であり、さらに塗り替えや補修塗装時
の塗料として、又は、例えば防錆塗料等の上塗り塗料と
して用いる場合に、塗料中の有機溶媒が下地塗膜や旧塗
膜を溶解もしくは膨潤させるなどの不都合が生じにくい
こと(耐リフティング性)などの特性を有しているた
め、建築物、構築物などの内外装塗料用などを中心に多
方面に使用されるようになってきた。
【0004】しかしながら、これらの非水分散型樹脂は
一般に非架橋型のものが多く、得られる塗料塗膜の金属
基材表面などに対する付着性や、耐水性、耐溶剤性、耐
アルカリ性、耐候性などの塗膜性能が必ずしも十分でな
いため、使用範囲に制限があった。
【0005】そこで非水分散型樹脂に架橋性官能基を含
有させ、さらにこの架橋性官能基と反応する架橋剤を配
合することにより、上記諸物性を改善する試みがなされ
ているが、得られる塗料の顔料分散性、貯蔵安定性と基
材付着性、塗膜性能とを同時に満足するような非水分散
型樹脂を得ることは容易でなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、上記従来の非水分散型樹脂の問題点を改善して、塗
料用ビヒクルとして用いた時、優れた顔料分散性、貯蔵
安定性、ポットライフを有すること;得られる塗料塗膜
の金属基材表面などに対する付着性に優れていること;
必要に応じて常温硬化させることにより、さらに優れた
付着性、耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐候性など
の塗膜性能を付与することができること;など卓越した
性能を発揮しうる非水系樹脂分散液を提供することにあ
る。
【0007】本発明者等は、非水分散型樹脂を塗料用ビ
ヒクルとして用いる時にみられる前記の問題点を解決す
べく鋭意研究した結果、脂肪族炭化水素系溶媒を主成分
とする有機溶媒、該有機溶媒に可溶性で特定のアセトア
セチル基を含むペンダント側鎖を有する繰返し単位を特
定量含有するアクリル系重合体、及び、該有機溶媒に実
質的に不溶性の重合体微粒子、並びに、必要に応じて、
例えば金属キレート化合物などの架橋剤からなる非水系
樹脂分散液が、上記目的を達成するものであることを見
い出し本発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(A)〜(D)、
【0009】(A) 脂肪族炭化水素系溶媒を主成分とする
有機溶媒、
【0010】(B) 下記一般式(1)、
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1、R2及びY1は請求項1に記
載した定義の通りである)
【0013】で示される繰返し単位を0.2〜30重量%含
有する、上記有機溶媒(A)に可溶性のアクリル系重合
体、及び、
【0014】(C) 上記有機溶媒(A)に実質的に不溶性の
重合体微粒子、並びに、必要に応じて、
【0015】(D) 架橋剤、からなることを特徴とする非
水系樹脂分散液が提供される。
【0016】以下、本発明の非水系樹脂分散液について
さらに詳細に説明する。
【0017】有機溶媒(A):本発明の非水系樹脂分散液
において使用される有機溶媒(A)は、非極性の脂肪族炭
化水素系溶媒を主成分とするものである。ここで、「脂
肪族炭化水素」なる表現は、直鎖状もしくは分岐鎖状の
脂肪族炭化水素のみならず、環状の脂肪族炭化水素(す
なわち脂環式炭化水素)をも包含するものである。
【0018】しかして、本発明において使用しうる有機
溶媒(A)としては、例えば、n-ヘキサン、i-ヘキサン、n
-ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、n-ド
デカン等の炭素数6〜14のアルカン類;例えば、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メ
チルシクロヘプタン等の炭素数6〜14のシクロアルカン
類;などが挙げられる。
【0019】これらの脂肪族炭化水素系溶媒はそれぞれ
単独で使用することができ、又は2種以上混合して使用
してもよい。脂肪族炭化水素系混合溶媒としては、多く
のものが市販されており、例えば、「ロウス」、「ミネ
ラルスピリットEC」、「シェルゾール72」、「VM & Pナ
フサ」、「シェルTS28ソルベント」〔以上、シェル社
製〕、「アイソパーC」、「アイソパーE」、「アイソパ
ーG」、「アイソパーH」、「アイソパーM」、「ナフサ
3号」、「ナフサ5号」、「ナフサ6号」、「ソルベン
ト7号」〔以上、エクソンケミカル社製〕;「IPソルベ
ント1016」、「IPソルベント1620」、「IPソルベント20
28」、「IPソルベント2835」〔以上、出光石油化学(株)
製〕; 「ホワイトゾール」〔共同石油(株)製〕;「三
菱ミネラルタービン」、「ダイヤモンドソルベント」
〔以上、三菱石油(株)製〕;「ペガゾールAN-45」、
「ペガゾール3040」〔以上、モービル石油(株)製〕など
を挙げることができる。
【0020】本発明において用いる脂肪族炭化水素系溶
媒は、防災上の安全性等の観点から、一般に、沸点が約
65〜300℃、特に約95〜220℃の範囲内にあるものが好適
である。
【0021】以上述べた脂肪族炭化水素系溶媒は適宜混
合してそのまま使用することができるが、必要に応じ
て、例えば、後述するアクリル系重合体(B)の溶解性を
高めたり、最終の樹脂分散液の粘度を調節したりする目
的で、少割合で、例えば通常、使用する有機溶媒(A)全
量を基準にして、50重量%以下、好ましくは40重量%以
下、さらに好ましくは30重量%以下の量で脂肪族炭化水
素系以外の有機溶媒を併用することができる。
【0022】併用しうる有機溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
ン、t-ブチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キ
シレン、テトラリン、デカリン、「ソルベッソ100」、
「ソルベッソ150」〔以上、エクンケミカル社製〕等の
芳香族炭化水素系有機溶媒;例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロ
ピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコ
ール、n-ヘキシルアルコール、n-オチルアルコール、i-
オクチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール等の
アルコール系有機溶媒;例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチル-i-ブチルケトン、メチルアミルケト
ン、シクヘキサノン等のケトン系有機溶媒;
【0023】例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n
-ブチル、酢酸アルミ等のエステル系有機溶媒;例え
ば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n-プロピル
セロソルブ、i-プロピルセロソルブ、n-ブチルセロソル
ブ、i-ブチルセロソルブ、i-アミルセロソルブ、フェニ
ルセロソルブ、ベンジルセロソルブ、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、n-プロピルカルビトール、i-
プロピルカルビトール、n-ブチルカルビトール、i-ブチ
ルカルビトール、i-アミルカルビトール、フェニルカル
ビトール、ベンジルカルビトール等のグリコールエーテ
ル系有機溶媒;などを挙げることができる。これら併用
しうる有機溶媒のうち、殊に芳香族炭化水素系有機溶媒
が好適である。
【0024】本発明において使用される有機溶媒(A)
は、本発明の非水系樹脂分散液を用いて製造される塗料
の安定性の良さや、該塗料を樹脂塗膜上に重ね塗りする
場合に、該塗膜を侵すなどの不都合が生じにくい(耐リ
フティング性のよさ)などの理由により、一般に、アニ
リン点が10〜90℃、特に15〜85℃、さらに20〜75℃の範
囲内にあることが好ましい。ここで「アニリン点」と
は、等容積のアニリンと炭化水素溶媒又は炭化水素系混
合溶媒とが均一な溶液として存在する最低温度をいい、
JIS K 2256に記載の測定方法によって求められるもので
ある。
【0025】また本発明で使用する有機溶媒(A)は、物
質の溶解性の傾向を表わす指標である溶解性パラメータ
(SP値)が、一般に6.8〜8.6、特に7.0〜8.4、さらに7.
2〜8.2の範囲内にあることが望ましい。殊に、高固形分
で安定な樹脂分散液を調製するためには、有機溶媒(A)
の溶解度パラメータ(以下SPAということがある)は、
後述するアクリル系重合体(B)の溶解度パラメータ(以
下SPBということがある)及び重合体粒子(C)の溶解性パ
ラメータ(以下SPCということがある)との間に、以下
に述べる関係を満足するようにすることが望ましい。
【0026】(イ) 0.4≦SPB−SPA≦1.4、好ましくは0.5
≦SPB−SPA≦1.2、(ロ) 1.2≦SPC−SPA≦3.4、好ましく
は1.2≦SPC−SPA≦3.0、且つ、(ハ) SPB≦SPC
【0027】以上の(イ)〜(ハ)のSP値の要件を満足する有
機溶媒(A)、アクリル系重合体(B)及び重合体粒子(C)を
使用することにより、通常、40〜65重量%、場合によっ
ては65〜80重量%という高固形分の非水系樹脂分散液を
調製することが可能となる。
【0028】ここで「溶解性パラメータ(SP値)」は、
「ポリマーハンドブック 第2版(Polymer Handbook, S
econd Edition)」〔H. Burrell著:(1975年)〕のIV-33
7〜IV-359頁に記載の方法で測定または算出される値で
ある。なお混合溶媒のSP値は、混合溶媒を構成する各溶
媒成分のSP値に体積分率を乗じたものを合算して求め
る。また単独重合体のSP値は、該重合体を形成している
構成単位の分子引力定数Gに基づいた下式のSP値計算式
により算出する。
【0029】SP=dΣG/M ここで、dは単独重合体の密度(g/l)であり、ΣGは構
成単位の分子中の分子引力定数の総和であり、Mは構成
単位の分子量(g/mol)である。
【0030】共重合体のSP値は、上記式により、その共
重合体を構成する各構成単位のそれぞれの単独重合体の
SP値を算出し、それらSP値のそれぞれに各構成単位のモ
ル分率を乗じたものを合算して算出されるものである。
【0031】アクリル系重合体(B):本発明の非水系樹
脂分散液において使用される前記有機溶媒(A)に可溶性
のアクリル系重合体(B)は、後述する重合体微粒子(C)を
有機溶媒(A)中に安定に分散させるための分散安定剤と
しての役割を果すのみならず、金属基材表面等に対する
付着性の付与、顔料分散性及び分散安定性の向上、重合
体微粒子の造膜性向上等の作用を有するものであり、下
記一般式(1)、
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R1、R2及びY1は請求項1に記
載した定義の通りである)
【0034】で示される繰返し単位を0.2〜30重量%含
有するものである。
【0035】かかる繰返し単位を含むアクリル系重合体
(B)を用いた本発明の非水系樹脂分散液は、塗料用ビヒ
クルとして用いたとき、各種基材に対する付着性、特に
金属基材に対する付着性が極めて優れている。その効果
は、該アクリル系重合体(B)が前記一般式(1)の繰返し単
位を0.2〜0.5重量%という小割合で含有する場合であっ
ても十分に発揮するが、通常、0.2〜30重量%、好まし
くは0.5〜25重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%の範
囲内が好適である。
【0036】また、前記一般式(1)の繰返し単位に含有
されているアセトアセチル基は、活性メチレン基とカル
ボニル基の2個所に反応位を有しているため、該反応位
と反応する後述するような架橋剤(D)を利用して架橋さ
せることが可能であり、その場合、適度の架橋度を達成
するためには、該一般式(1)の繰返し単位は、通常1〜3
0重量%、好ましくは2〜25重量%、さらに好ましくは
3〜20重量%の範囲内の含有量で存在するのがよい。
【0037】一方、かかる架橋剤(D)を併用しない場合
には、一般式(1)の繰返し単位の含有量が多くなると、
本発明の非水系樹脂分散液を塗料用ビヒクルとしたとき
形成される塗膜の耐水性、耐アルカリ性とうが低下する
傾向が見られるので、該一般式(1)の繰返し単位を、通
常0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ま
しくは0.5〜5重量%の範囲内で含むアクリル系重合体
(B)を使用するのが望ましい。
【0038】本発明に用いられるアクリル系重合体(B)
は、前記一般式(1)の繰返し単位に由来するアセトアセ
チル基以外に、必要に応じてさらに架橋性官能基、例え
ば、水酸基、カルボキシル基、置換アミノ基(例えば、
モノ-もしくはジ-アルキルアミノ基)、アミド基、置換
アミド基(例えば、モノ-もしくはジ-アルキルアミド
基)、エポキシ基、メルカプト基、ラジカル重合性不飽
和基等を含有させることができる。
【0039】またアクリル系重合体(B)は、一般に、10,
000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000の範囲内の
重量平均分子量をもつのがよく、この範囲内で該分子量
を本発明の非水系樹脂分散液の使用形態に応じて任意に
選ぶことができるが、一応の目安として、該非水系樹脂
分散液を非架橋系として使用する場合には、該アクリル
系重合体(B)は、通常30,000〜200,000、特に50,000〜15
0,000の範囲内の重量平均分子量を有しているのが好ま
しく、また、架橋系として用いる場合には、架橋剤(D)
のタイプに応じて、例えば、キレート化合物を架橋剤と
して用いる場合には、該アクリル系重合体(B)は、通常2
0,000〜200,000、特に30,000〜150,000の範囲内、それ
以外の架橋剤を用いる場合には、通常10,000〜150,00
0、特に10,000〜50,000の範囲内の重量平均分子量を有
していることが望ましい。
【0040】尚、本発明における重量平均分子量の値
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC
法)によって測定されたものである。
【0041】さらにアクリル系重合体(B)は、本発明の
非水系樹脂分散液を塗料用ビヒクルとして用いたときの
形成塗膜物性の観点から、一般に0〜60℃、特に10〜50
℃の範囲内のガラス転移温度(以下、Tgということが
ある)を有しているのが好ましい。
【0042】本明細書においてTgとは、L. E. ニール
セン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35
頁に記載されているような一般の高分子で測定されるT
gであり、共重合体の場合は、同書第26〜27頁に記載さ
れている計算Tgである。すなわち共重合体のTgは次式
により計算されたものである。
【0043】
【数1】
【0044】(但し上記式において、Tgとは共重合体
のガラス転移温度であり絶対温度に換算して計算する。
Tg1、Tg2・・・・・・及びTgnは成分1、成分2・・・・・・及び
成分nのそれぞれ純粋な単独重合体1、2・・・・・・及びn
のガラス転移温度であり絶対温度に換算して計算する。
1、W2・・・・・・及びWnはそれぞれの成分の重量分率で
あり、W1+W2+・・・・・・+Wn=1を満足する)
【0045】本発明の必須成分であるこのようなアクリ
ル系重合体(B)は、例えば、下記一般式(3)、
【0046】
【化7】
【0047】(式中、R1、R2及びY1は請求項1に記
載した定義の通りである)
【0048】で示されるアセトアセチル基含有単量体を
必須成分とし、これを共重合可能な他の不飽和単量体と
共重合することにより製造することができる。
【0049】上記一般式(3)の単量体としては、例え
ば、アセト酢酸ビニル、アセト酢酸アリル等のアセト酢
酸アルケニルエステル類;例えば、2-アセトアセトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3-アセトアセトキシプロピル
(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシブチル(メタ)
アクリレート、3-アセトアセトキシブチル(メタ)アクリ
レート、4-アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート
等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢
酸ジエステル;例えば、2-アセトアセトキシエチルクロ
トネート、2-アセトアセトキシプロピルクロトネート、
3-アセトアセトキシプロピルクロトネート等のアルキレ
ングリコールのクロトン酸アセト酢酸ジエステル;例え
ば、N-(アセトアセトキシメチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N-(2-アセトアセトキシエチル)(メタ)アクリルアミ
ド等のN-アルキロール(メタ)アクリルアミドのアセト酢
酸エステル;を挙げることができる。
【0050】また前記一般式(3)の単量体としては、2-
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、カ
プロラクトン等のラクトンとの付加体からなるラクトン
変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをアセト酢
酸によりエステル化するか、又は、該ラクトン変性ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートをジケテンによりア
セトアセチル化することにより得られるラクトン変性ヒ
ドロキシアルキルグリコールの(メタ)アクリル酸アセト
酢酸ジエステルも使用可能である。
【0051】これらの中でも2-アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3-アセトアセトキシプロピル(メタ)
アクリレート、4-アセトアセトキシブチル(メタ)アクリ
レートが好適である。
【0052】これら一般式(3)の単量体の共重合量は、
アクリル系重合体(B)における前記一般式(1)の繰返し単
位の含有量に対応する量で使用することができる。
【0053】本発明におけるアクリル系重合体(B)は、
前記一般式(3)の単量体と共に、これと共重合可能な下
記一般式(4)、
【0054】
【化8】
【0055】(式中、R5及びY2は請求項6に記載した
定義の通りである)
【0056】の不飽和単量体と共重合することにより製
造することができる。
【0057】上記一般式(4)の不飽和単量体としては、
例えば、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、i-ブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系単量体;
例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;
(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例
えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
n-酪酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」〔商品名:シ
ェル社製〕等の飽和脂肪酸ビニルエステル単量体;例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)
アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル
(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、
n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)アク
リレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i-ノ
ニル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル単量体;等を例示できる。
【0058】またアルキル基の水素原子の一部がフッ素
原子で置換された炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐アル
キル基又は炭素数6〜8のシクロアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルも使用することができ、この
ような単量体としては、例えば、「ビスコート8F」、
「ビスコート8FM」、「ビスコート3FM」〔以上、
大阪有機化学工業(株)製〕等を挙げることができる。
【0059】本発明においては、これらの中から1種又
は2種以上の不飽和単量体を適宜選択して用いることが
でき、中でもn-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタク
リレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタ
クリレート、i-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビ
ニルトルエンの使用が好ましい。
【0060】本発明の必須成分であるアクリル系重合体
(B)における前記一般式(4)の不飽和単量体の共重合量
は、前記一般式(3)の単量体を含む共重合に用いる全単
量体の合計100重量%に基づいて、一般に70〜99.8重量
%が適当であり、好ましくは75〜99.5重量%、より好ま
しくは80〜99重量%、さらに好ましくは80〜98重量%で
あるのがよい。
【0061】上記単量体の共重合量が上記下限値以上で
あれば、本発明の非水系樹脂分散液を塗料用のビヒクル
として用いたとき、得られる塗膜の耐水性、耐アルカリ
性の低下などの不都合が生ずることがないので好まし
く、一方、該上限値以下であれば、えられる塗膜が優れ
た付着性を有し、また顔料分散性にも優れたものとなる
ので好ましい。
【0062】本発明におけるアクリル系重合体(B)は、
さらに必要に応じて前記一般式(4)の不飽和単量体の一
部を、架橋性官能基を1分子中に少なくとも1個含有す
る不飽和単量体(以下、官能性単量体ということがあ
る)で置き換えることができる。
【0063】使用しうる官能性単量体としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコ
ン酸、桂皮酸等(好ましくはアクリル酸、メタクリル
酸)のカルボキシル基含有単量体;例えば、(メタ)アク
リルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチルア
クリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド等
〔好ましくは(メタ)アクリルアミド〕のアミド基もしく
は置換アミド基含有単量体;例えば、2-ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3-ヒドロキシロピル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ(メタ)ブチル
アクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール
等〔好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒド
ロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート〕の水酸基含有
単量体;
【0064】例えば、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N-2-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、N,N-3-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト等〔好ましくはN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト等のN,N-ジ-低級アルキルアミノ-低級アルキル(メタ)
アクリレート〕の置換アミノ基含有単量体;例えば、グ
リシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリル
エーテル、グリシジルビニルエーテル等のエポキシ基含
有単量体;例えば、ビニルメルカプタン、アリルメルカ
プタン等のメルカプト基含有単量体;(ポリ)エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジ
アリルフタレート、ジビニルベンゼンなどの1分子中に
2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等
を例示することができる。
【0065】これら官能性単量体のうち、水酸基含有単
量体及び置換アミノ基含有単量体、殊にヒドロキシ低級
アルキル(メタ)アクリレート及びN,N-ジ-低級アルキル
アミノ-低級アルキル(メタ)アクリレートの使用が好ま
しい。
【0066】尚、本明細書において「低級」なる語は、
この語が付された基又は化合物の炭素数が6個以下、好
ましくは4個以下であることを意味する。
【0067】このような官能性単量体は、前記前記一般
式(3)の単量体を含む共重合に用いる全単量体の合計100
重量%に基づいて、一般に0〜15重量%、好ましくは0
〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%の範囲内で
使用することができる。
【0068】ここで、本明細書において「アクリル系重
合体」とは、該重合体を構成するアクリル系繰返し単位
の合計量〔すなわち、前記一般式(1)の繰返し単位のう
ち(メタ)アクリル酸エステルもしくは(メタ)アクリルア
ミド系単量体に由来する繰返し単位、前記一般式(4)の
単量体うち(メタ)アクリル酸エステルもしくは(メタ)ア
クリロニトリルに由来する繰返し単位、及び、必要に応
じて用いられる前記官能性単量体のうち(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリルアミド、置換(メタ)アクリルアミ
ド、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、置換
アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、エポキ
シ基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体もしくは1分
子中に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単量体に由来する繰返し単位の
合計量〕が、該重合体の重量に基づいて、一般に30重量
%以上、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50
重量%以上であることを意味する。
【0069】以上述べた単量体の共重合は、それ自体既
知の重合法、例えば溶液重合、乳化重合、光重合等の方
法で行うことができる。具体的には、例えば、前述した
有機溶媒(A)で、前記一般式(3)の単量体、前記一般式
(4)の単量体及び場合により官能性単量体を、適宜な重
合開始剤並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、適
宜不活性気体雰囲気中で共重合させることことができ
る。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤及び/又
は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
【0070】重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパ
ーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジ-i-プロピル
パーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパー
オキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシビバレート
等の有機過酸化物;例えば、2,2'-アゾビス-i-ブチルニ
トリル、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、
2,2'-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ化合物;などをそれぞれ単独又は組み合わせ
て使用することができる。
【0071】上記重合開始剤の使用量は、共重合に使用
する単量体の合計100重量部当り、一般に、0.01〜5重
量部、好ましくは0.02〜2重量部の範囲内とすることが
できる。
【0072】また、前記連鎖移動剤としては、例えば、
シアノ酢酸;アルキル基の炭素数が1〜8のシアノ酢酸
アルキルエステル類;ブロモ酢酸;アルキル基の炭素数
が1〜8のブロモ酢酸エステル類:例えば、アントラセ
ン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオレ
ンなどの芳香族化合物類;例えば、p-ニトロアニリン、
ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香
酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエン等の香族ニ
トロ化合物類;例えば、ベンゾキソン、2,3,5,6-テトラ
メチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;ト
リブチルボラン等のボラン誘導体;例えば、四臭化炭
素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブ
ロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロ
エタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペンのハ
ロゲン化炭化水素類;例えば、クロラール、フラルデヒ
ド等のアルデヒド類;炭素数1〜18のアルキルメルカプ
タン類;例えば、チオフェノール、トルエンメルカプタ
ン等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカ
プト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数
1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;例えば、
ピネン、ターピノレン等のテルペン類;等を挙げること
ができる。
【0073】このような連鎖移動剤を用いる場合、その
使用量は、共重合に使用する単量体の合計100重量部当
り、0.005〜3重量部であるのが好ましい。
【0074】前記共重合は、一般に30〜180℃、好まし
くは60〜150℃の温度範囲で行うのがよい。
【0075】重合体微粒子(C):本発明の非水系樹脂分
散液において、前述の有機溶媒(A)中に、アクリル系重
合体(B)によって安定に分散せしめられる重合体微粒子
(C)は、該分散液並びに該分散液をビヒクルとした塗料
の粘度のコントロール、該塗料を用いて形成される塗膜
の乾燥又は硬化の促進、厚塗り、タレ防止、高固形分化
等の目的で使用されるものであり、有機溶媒(A)に実質
的に不溶性のものである限り、その種類は必ずしも制限
されるものではなく、粒子内架橋したもの(所謂ミクロ
ゲル)であってもよく、また実質的に未架橋の粒子の形
態のものであってもよく、一般に、非水分散型エマルジ
ョンの形態であるのが好適である。
【0076】ここで「有機溶媒(A)に実質的に不溶性」
とは、重合体微粒子(C)が、たとえ有機溶媒(A)により膨
潤した状態であっても、明確な粒子状をなしており、有
機溶媒と粒子の境界面が認められる状態をいう。この状
態は顕微鏡により、又は光散乱法により確認しうる。
【0077】本発明における重合体微粒子(C)は、本発
明の非水系樹脂分散液の用途等にもよるが、一般には約
0.05〜5μm、好ましくは約0.1〜2μmの範囲内の粒子
径をもつのがよい。また該重合体微粒子(C)は、本発明
の非水系樹脂分散液の常温造膜性及びその形成被膜の粘
着性等を考慮したとき、一般に−10〜50℃、好ましくは
0〜40℃、さらに好ましくは5〜35℃の範囲内のガラス
転移温度(Tg)を有しているのがよい。
【0078】本発明において重合体微粒子(C)は、予め
別途調製した後、アクリル系重合体(B)を含む有機溶媒
(A)中に分散させるか、又は有機溶媒(A)中に分散させて
からアクリル系重合体(B)を添加溶解させてもよいが、
例えば、アクリル系重合体(B)を溶解しうる有機溶媒(A)
中でアクリル系重合体(B)を前述の如くして形成せし
め、次いで得られるアクリル系重合体(B)を溶解含有す
る有機溶媒(A)中で、重合体微粒子(C)を形成するための
1種又は2種以上の単量体を(共)重合せしめることによ
り製造するのが好都合である。
【0079】この場合、アクリル系重合体(B)と重合体
微粒子(C)との合計量100重量%中、アクリル系重合体
(B)は一般に10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%、
特に好ましくは20〜60重量%とするのがよく、また重合
体微粒子(C)は一般に30〜90重量%、好ましくは35〜85
重量%、特に好ましくは40〜80重量%とするのがよい。
【0080】重合体微粒子(C)を製造するための単量体
としては、例えば、アクリル系重合体(B)の製造におい
て述べた、前記一般式(4)の単量体から選ばれる1種又
は2種以上の単量体、又は、該一般式(4)の単量体と前
記一般式(3)の単量体及び官能性単量体から選ばれる少
なくとも1種の官能基含有単量体とからなる組合わせ単
量体が、好適なものとして前記アクリル系重合体(B)の
製造の場合と同様に使用することができる。
【0081】後者の組合わせ単量体を選択することによ
り、重合体微粒子(C)に架橋性官能基を含有させ、後述
する架橋剤(D)を用いて架橋反応させることができる。
この場合、上記官能基含有単量体は、重合体微粒子(C)
を構成するための単量体の合計量を基準にして、一般に
50重量%以下、好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ま
しくは0.5〜25重量%、最も好ましくは1〜20重量%の
範囲内で使用することができる。
【0082】尚、架橋剤(D)としてアミノ樹脂又はポリ
イソシアネート化合物を使用する場合には、該官能基含
有単量体の中でも特に、前記一般式(3)で示される単量
体及び水酸基含有単量体から選ばれる少なくとも1種を
用いるのが好ましく、その使用量は、重合体微粒子(C)
を構成するための単量体の合計量を基準にして、一般に
1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さらに好まし
くは10〜20重量%の範囲内とするのがよい。また架橋剤
(D)としてポリアミノ化合物を使用する場合には、該官
能基含有単量体の中でも特に、前記一般式(3)で示され
る単量体及びエポキシ基含有単量体から選ばれる少なく
とも1種を用いるのが好ましく、その使用量は、重合体
微粒子(C)を構成するための単量体の合計量を基準にし
て、一般に1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さ
らに好ましくは10〜20重量%の範囲内とするのがよい。
さらに架橋剤(D)としてキレート化合物を使用する場合
には、前記一般式(3)で示される単量体を、重合体微粒
子(C)を構成するための単量体の合計量を基準にして、
一般に0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、さら
に好ましくは1〜20重量%の範囲内とするのが適当であ
る。
【0083】本発明において、重合体微粒子(C)を製造
するために用いることのできる前記一般式(4)の単量体
としては、前記例示の中から適宜選択することができる
が、通常、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アク
リレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メ
タ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレートが特に
好適に使用されるが、重合体微粒子(C)が前記有機溶媒
(A)に不溶性となるためには、 SPC−SPA≧1.2 となるようにこれら単量体の1種又は2種以上を選択す
ることが望ましい。
【0084】以上述べた単量体の(共)重合は、アクリル
系重合体(B)の共重合について前述したとのと同様にし
て行うことができる。これにより重合体微粒子(C)がア
クリル系重合体(B)の存在下に有機溶媒(A)中に安定に分
散している非水分散型エマルジョンが得られる。
【0085】架橋剤(D):本発明の非水系樹脂分散液
は、必要に応じて架橋剤(D)を含有することができる。
なお、架橋剤(D)が常温において有機溶媒(A)中のアクリ
ル系重合体(B)及び/又は重合体微粒子(C)と反応する可
能性がある場合には、2液型として使用時に配合するよ
うにすることが望ましい。使用しうる架橋剤(D)として
は、前記一般式(1)の繰返し単位に含有されるアセトア
セチル基と反応するものであればよく、例えば、アミノ
樹脂、ポリイソシアネート化合物、ポリアミノ化合物、
金属キレート化合物等を挙げることができる。
【0086】アミノ樹脂としては、一般に塗料用に用い
られるアルキル化メチロールメラミンが特に好適に使用
できる。中でもメチロール化度が4〜6の範囲内にあ
り、アルキル化度が3〜6の範囲内にあるものが好まし
い。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基及び
これら異性体など炭素数1〜8のものが挙げられるが、
その中でも炭素数1〜4のものが好ましい。
【0087】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、m-もしくはp-フェニレンジイソシアネート、2,4-も
しくは2,6-トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略
称することがある)、m-もしくはp-キシリレンジイソシ
アネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと略称することがある)などの芳香族ジイ
ソシアネート化合物;例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(以下、HMDIと略称することがある)、イソホ
ロンジイソシアネート、上記芳香族ジイソシアネート化
合物の水素添加物、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂
肪族又は脂環族ジイソシアネート化合物;これらイソシ
アネート化合物の2量体又は3量体;これらイソシアネ
ート化合物と、例えば、水、エチレングリコール、トリ
メチロールプロパン等の2価又は3価のポリオールとの
アダクト物、イソシアネート基をブロック化したブロッ
ク化ポリイソシアネートが挙げられる。これらポリイソ
シアネート化合物の中でも、耐候性がよいという点から
トリレンジイソシアネートの水添加物、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネートの水添加
物、これらイソシアネート化合物の2量体又は3量体、
これらイソシアネート化合物と水や2価又は3価のポリ
オールとのアダクト体が特に好ましい。
【0088】ポリアミノ化合物としては、例えば、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタ
メチレンジアミン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサ
ン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、1-アミ
ノ-1-メチル-4-(2-アミノ-2-メチルプロピル)シクロヘ
キサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシ
クロヘキサン、メチレンビス(4-アミノシクロヘキサ
ン)、メチレンビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキサ
ン)、m-ジアミノメチルシクロヘキサン、m-キシレンジ
アミン、イミノビス(6-ヘキシルアミン)、1,8-ジアミノ
-4-アミノメチルオクタン等が挙げられる。
【0089】金属キレート化合物は、前記一般式(1)の
繰返し単位におけるアセトアセチル基とのキレート交換
反応による架橋反応を生じさせて、特に優れた樹脂被膜
を形成させることができるので好ましい。このような金
属キレート化合物としては、アルミニウムキレート化合
物、チタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート
化合物を好適なものとして例示することができる。これ
らのキレート化合物のなかでも、ケト・エノール互変異
性体を構成し得る化合物(以下、ケト・エノール互変異
性体型化合物という)を安定なキレート環を形成する配
位子として含む金属キレート化合物が特に好ましい。
【0090】上記のケト・エノール互変異性体型化合物
としては、β-ジケトン類(アセチルアセトン等)、ア
セト酢酸エステル類(アセト酢酸メチル等)、マロン酸
エステル類(マロン酸エチル等)、β位に水酸基を有す
るケトン類(ジアセトンアルコール等)、β位に水酸基
を有するアルデヒド類(サリチル酸アルデヒド等)、β
位に水酸基を有するエステル類(サリチル酸メチル等)
などを使用することができる。特に、アセト酢酸エステ
ル類、β-ジケトン類を使用すると好適な結果が得られ
る。
【0091】アルミニウムキレート化合物は、下記一般
式(5)、
【0092】
【化9】
【0093】(式中、R8は炭素数1〜20のアルキル基
又は炭素数2〜20のアルケニル基を表わす)
【0094】で示されるアルミニウムアルコラート化合
物1モルに対して、前記ケト・エノール互変異性体型化
合物を通常3モル以下程度の割合で混合し、必要に応じ
て加熱することにより調製されるものが挙げられる。
【0095】ここで、炭素数1〜20のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プ
ロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブ
チル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル
基、n-ヘキシル基、i-ヘキシル基、n-ヘプチル基、1-メ
チルペンチル基、2-メチルペンチル基、2-メチルヘキシ
ル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
オクタデシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げら
れ、また、炭素数2〜20のアルケニル基としては、例え
ばビニル基、アリル基が挙げられる。
【0096】このような一般式(5)で示されるアルミニ
ウムアルコラート化合物としては、例えば、アルミニウ
ムトリメチラート、アルミニウムトリエチラート、アル
ミニウムトリ-n-プロピラート、アルミニウムトリ-i-プ
ロピラート、アルミニウムトリ-n-ブチラート、アルミ
ニウムトリ-i-ブチラート、アルミニウムトリ-s-ブチラ
ート、アルミニウムトリ-t-ブチラート等が挙げられ、
特にアルミニウムトリ-i-プロピラート、アルミニウム
トリ-s-ブチラート、アルミニウムトリ-n-ブチラート等
を使用するのが好ましい。
【0097】またチタニウムキレート化合物は、一般式
(6)、
【0098】
【化10】
【0099】〔式中、R8は一般式(5)で定義した通りで
あり、pは0〜10の整数である〕
【0100】で示されるチタニウムアルコラート化合物
中のチタン1モルに対し、前記ケト・エノール互変異性
体型化合物を通常4モル以下程度の割合で混合し、必要
に応じて加熱することにより調製されるものが挙げられ
る。
【0101】一般式(6)で示されるチタニウムアルコラ
ート化合物において、pが0のものとしては、例えば、
チタニウムテトラメチラート、チタニウムテトラエチラ
ート、チタニウムテトラ-n-プロピラート、チタニウム
テトラ-i-プロピラート、チタニウムテトラ-n-ブチラー
ト、チタニウムテトラ-i-ブチラート、チタニウムテト
ラ-t-ブチラート、チタニウムテトラ-n-ペンチラート、
チタニウムテトラ-n-ヘキシラート、チタニウムテトラ-
i-オクチラート、チタニウムテトラ-n-ラウリラート等
が挙げられ、特にチタニウムテトラ-i-プロピラート、
チタニウムテトラ-n-ブチラート、チタニウムテトラ-i-
ブチラート、チタニウムテトラ-t-ブチラート等が好適
である。また、nが1以上のものについては、チタニウ
ムテトラ-i-プロピラート、チタニウムテトラ-n-ブチラ
ート、チタニウムテトラ-i-ブチラート、チタニウムテ
トラ-t-ブチラートの2量体から11量体〔一般式(6)に
おいてp=1〜10〕が好適な結果を与える。
【0102】さらにジルコニウムキレート化合物として
は、下記一般式(7)、
【0103】
【化11】
【0104】〔式中、R8は一般式(5)で定義した通りで
あり、qは0〜10の整数である〕
【0105】で示されるジルコニウムアルコラート化合
物中のジルコニウム1モルに対し、前記ケト・エノール
互変異性体型化合物を通常4モル以下程度の割合で混合
し、必要に応じて加熱することにより調製されるものが
挙げられる。
【0106】一般式(7)で示されるジルコニウムアルコ
ラート化合物において、qが0のものとしては、例え
ば、ジルコニウムテトラエチラート、ジルコニウムテト
ラ-n-プロピラート、ジルコニウムテトラ-i-プロピラー
ト、ジルコニウムテトラ-n-ブチラート、ジルコニウム
テトラ-i-ブチラート、ジルコニウムテトラ-s-ブチラー
ト、ジルコニウムテトラ-t-ブチラート、ジルコニウム
テトラ-n-ペンチラート、ジルコニウムテトラ-t-ペンチ
ラート、ジルコニウムテトラ-t-ヘキシラート、ジルコ
ニウムテトラ-n-ヘプチラート、ジルコニウムテトラ-n-
オクチラート、ジルコニウムテトラ-n-ステアリラート
等があり、特にジルコニウムテトラ-i-プロピラート、
ジルコニウムテトラ-n-プロピラート、ジルコニウムテ
トラ-i-ブチラート、ジルコニウムテトラ-n-ブチラー
ト、ジルコニウムテトラ-s-ブチラート、ジルコニウム
テトラ-t-ブチラート等が好適である。また、qが1以
上のものについては、ジルコニウムテトラ-i-プロピラ
ート、ジルコニウムテトラ-n-プロピラート、ジルコニ
ウムテトラ-n-ブチラート、ジルコニウムテトラ-i-ブチ
ラート、ジルコニウムテトラ-s-ブチラート、ジルコニ
ウムテトラ-t-ブチラートの2量体から11量体〔一般
式(7)におけるq=1〜10〕が好適な結果を与える。ま
た、これらジルコニウムアルコラート化合物同士が会合
した構成単位を含んでもよい。
【0107】しかして、本発明で用いることのできる架
橋剤(D)として好ましい金属キレート化合物は、例え
ば、アルミニウムジ-i-プロピラート・エチルアセトアセ
テート、アルミニウム-i-プロピラート・ビス(エチルア
セトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セテート)、アルミニウムトリス(n-プロピルアセトアセ
テート)、アルミニウムトリス(i-プロピルアセトアセテ
ート)、アルミニウムトリス(n-ブチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(i-ブチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(s-ブチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、ア
ルミニウムエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセ
トナート)、アルミニウムアセチルアセトナート・ビス
(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート化
合物;
【0108】チタニウムジ-i-プロピラート・ビス(エチ
ルアセトアセテート)、チタニウムジ-i-プロピラート・
ビス(アセチルアセトナート)等のチタニウムキレート化
合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナー
ト)、ジルコニウムテトラキス(エチルアセトアセテー
ト)、ジルコニウムテトラキス(n-プロピルアセトアセテ
ート)等のジルコニウムキレート化合物を挙げることが
できる。
【0109】これら金属キレート化合物は、それぞれ1
種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜併用して使
用してもよいが、常温硬化性、硬化速度及び本発明の非
水系樹脂分散液と配合て一液タイプとしたときの貯蔵安
定性等の観点から、アルミニウムキレート化合物、中で
も、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ア
ルミニウムトリス(n-プロピルアセトアセテート)、アル
ミニウムトリス(i-プロピルアセトアセテート)、アルミ
ニウムトリス(n-ブチルアセトアセテート)、アルミニウ
ムアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテー
ト)が特に好適であり、該金属キレート化合物を使用し
た本発明の非水系樹脂分散液は、一液常温硬化型塗料用
ビヒクルとして好適に使用することができる。
【0110】これら架橋剤(D)を用いる場合、その使用
量は必ずしも限定されるものではなく、目的に応じて適
宜変えることができるが、例えば、前記のアミノ樹脂、
ポリイソシアネート化合物又はポリアミノ化合物を用い
る場合には、一般には、アクリル系重合体(B)及び重合
体微粒子(C)に含まれる、これら架橋剤と反応しうる架
橋性官能基の合計当量数に対して、これら架橋剤中の架
橋性官能基の合計当量数が0.5〜2倍、特に0.75〜1.5倍
となるような割合で使用することができる。また、金属
キレート化合物を用いる場合には、一般に、アクリル系
重合体(B)及び重合体微粒子(C)に含まれる前記一般式
(1)の繰返し単位中のアセトアセチル基1当量に対し
て、通常、0.1〜3当量、特に0.2〜2当量の範囲内とな
るような割合で使用するのが好ましい。
【0111】さらに架橋剤(D)としてアミノ樹脂、ポリ
イソシアネート化合物又はポリアミノ化合物を用いる場
合には、これらの架橋剤を予め本発明の非水系樹脂分散
液に含有させておくことも可能であるが、これら架橋剤
は経時的に徐々に架橋反応が進行する可能性もあるの
で、一般的には使用の直前に混合するのが好ましい。ま
た架橋剤(D)としてアミノ樹脂を用いる場合、十分に架
橋反応を進めるためには、通常、約80〜200℃、好まし
くは約100〜180℃の温度で加熱する、所謂焼付型として
用いるのがよい。架橋剤(D)としてポリイソシアネート
化合物を用いる場合、通常、常温においても架橋反応が
速かに進むので、所謂常温硬化型として好適に実用され
る。
【0112】さらにまた、架橋剤(D)として金属キレー
ト化合物を用いる場合、該金属キレート化合物は一般
に、本発明の非水系樹脂分散液中において長時間安定に
その活性を保持し、乾燥により強靱な架橋樹脂被膜を形
成できるので、該金属キレート化合物を予め該非水系樹
脂分散液に含有させて一液常温硬化型として好適に使用
することができる。
【0113】以上述べた有機溶媒(A)、アクリル系重合
体(B)、重合体微粒子(C)及び必要に応じて架橋剤(D)か
らなる本発明の非水系樹脂分散液は、塗料、接着剤、シ
ーリング剤、コーキング剤等の分野において広く使用す
ることができる。その際のこれら成分の配合割合は、用
途などに応じて適宜変えることができるが、一般には、
これら(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分の合計量を基準に
して、次の範囲内で配合するのが好都合である。
【0114】有機溶媒(A):20〜70重量%、好ましくは2
0〜60重量%、さらに好ましくは25〜55重量%;アクリル系重合体(B): 3〜56重量%、好ましくは6〜5
2重量%、さらに好ましくは9〜45重量%;重合体微粒子(C): 9〜72重量%、好ましくは14〜68重
量%、さらに好ましくは18〜60重量%;架橋剤(D): 0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%、
さらに好ましくは0〜15重量%;
【0115】本発明の非水系樹脂分散液は、必要に応じ
て、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク、弁柄、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、キ
ナクリドンレッド等の有機もしくは無機の着色顔料;例
えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、
クレー、タルク、珪藻土、マイカ、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ガラス粉、雲母
状酸化鉄等の無機質充填剤;アルミニウム、銅、青銅、
ステンレス鋼等の鱗片状金属粉末;等を添加混合して、
各種の塗料として使用することができる。またこのよう
な塗料には、必要に応じてさらに、老化防止剤;防腐
剤;防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;;可塑剤;消
泡剤;レベリング剤;顔料湿潤剤;分散剤;色分かれ防
止剤;増粘剤;沈降防止剤;ダレ防止剤等を適宜添加混
合してもよい。
【0116】上記着色顔料、無機質充填剤を添加混合す
る場合には、これらを本発明の非水系樹脂分散液に直接
分散混合してもよく、又はアクリル系重合体(B)の有機
溶媒溶液に予め高濃度で分散させた後、添加混合しても
よい。
【0117】さらに本発明の非水系樹脂分散液を用いた
塗料には、本発明の効果を妨げない範囲において、アル
キッド樹脂、アクリル変性アルキッド樹脂、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂等の他の塗料用樹脂を配合してもよい。
【0118】本発明の非水系樹脂分散液を塗料として使
用する場合、該塗料を必要に応じて、適宜な有機溶媒に
よって希釈した後、浸漬、噴霧、塗布(例えば、刷毛、
ローラー、スプレー、ロールコーター、ナイフコーター
等による塗布)、印刷等の各種の方法により、種々の基
材に適用することができる。
【0119】本発明の非水系樹脂分散液を含有する塗料
を好適に適用できる基材としては、例えば、モルタル、
コンクリート、ガラス、セラミック、スレート板、岩
石、硅カル板、鉱石等の無機質基材;例えば、吹付けタ
イル塗膜、自動車上塗塗膜、アルキッド樹脂系錆止塗
膜、エポキシ樹脂系錆止塗膜等の新設・既設の各種塗膜
面;例えば、トタン、カラートタン等の特に建築物や構
造物の外壁、屋根等に用いられる金属基材;などを挙げ
ることができる。
【0120】本発明の非水系樹脂分散液を含有する塗料
は、この他、例えば、アルミニウム板、亜鉛板、鉄板、
ステンレス鋼板等の金属板;例えば、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、ウレ
タン系樹脂、SBR系樹脂等の熱可塑性合成樹脂の成形
物;例えば、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリ
ア系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹
脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性合成樹脂の成形物;
等の基材に対して好適に用いることができる。
【0121】
【実施例】以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて本
発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に
よって限定されるものではない。
【0122】重合体(B)溶液の製造 参考例1 温度計、攪拌機、還流冷却器などを備えた反応容器に、
市販の炭化水素系有機溶媒「ロウス」〔脂肪族炭化水素
を主成分とする有機溶媒、沸点約155〜196℃、アニリン
点44.5℃、溶解性パラメーター7.8;シェル社製〕50重
量部を仕込み、また別の容器に単量体(b)であるi-ブチ
ルメタアクリレート(iBMA)35重量%、n-ブチルメタア
クリレート(nBMA)15重量%、2-エチルヘキシルアクリ
レート(EHA)19重量%及びスチレン(St)30重量%、
並びに、単量体(a)であるアセトアセトキシエチルメタ
クリレート(AAEM)1重量%からなる単量体混合物600
重量部を用意し、このうち300重量部を反応容器に仕込
み、該反応容器の気相部を窒素ガスで置換した後100℃
に昇温し、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エ
チルヘキサノエート(tBPOH)0.2重量部を添加して30分
間同温度に保持した。次いで、残りの単量体混合物300
重量部、有機溶媒「ロウス」50重量部及び重合開始剤tB
POH1重量部からなる混合物を一定速度で2時間かけて
逐次添加した。添加終了後同温度で30分間保持した後、
重合開始剤tBPOH 3重量部を添加し、同温度でさらに3
時間保持してから有機溶媒「ロウス」500重量部を加え
て冷却し、重合体(B)の溶液を得た。
【0123】使用した有機溶媒の種類、その初期添加
量、逐次添加量及び後添加量、単量体の組成、その初期
添加量及び逐次添加量、並びに、重合開始剤の初期添加
量、逐次添加量及び後添加量については表1に示した。
また得られた重合体溶液の中の有機溶媒の溶解性パラメ
ータSP値、重合体(B)の溶解性パラメータSPB、Tg及び
Mw、並びに、重合体溶液の固形分及び粘度を表2に示
した。
【0124】参考例2 参考例1において、有機溶媒「ロウス」を用いる代わり
に、炭化水素系有機溶媒「アイソパー G」〔脂肪族炭化
水素を主成分とする有機溶媒、沸点約155〜175℃、アニ
リン点80℃、溶解性パラメーターは7.2;エクソンケミ
カル社製〕を用い、単量体としてiBMA 35重量%、nBMA
15重量%、EHA 19重量%及びSt 30重量%、並びに、単
量体(a)であるAAEM 1重量%を用いる代わりに、iBMA 5
0重量%及び2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)4
9重量%、並びに、単量体(a)であるAAEM 1重量%を用
い、その初期添加量及び逐次添加量の割合を変え、重合
開始剤の初期添加量、逐次添加量及び後添加量の割合を
変えて重合を行う以外は参考例1と同様の方法で重合体
(B)溶液を得た。使用した有機溶媒の種類、その初期添
加量、逐次添加量及び後添加量、単量体の組成、その初
期添加量及び逐次添加量、並びに、重合開始剤の初期添
加量、逐次添加量及び後添加量については表1に示し
た。また得られた重合体溶液の中の有機溶媒の溶解性パ
ラメータSP値、重合体(B)の溶解性パラメータSPB、Tg
及びMw、並びに、重合体溶液の固形分及び粘度を表2
に示した。
【0125】参考例3 参考例1において、有機溶媒「ロウス」の初期添加量、
逐次添加量及び後添加量の割合を変え、単量体の組成及
びその初期添加と逐次添加との割合を変え、重合開始剤
の初期添加量、逐次添加量及び後添加量の割合を変えて
重合を行う以外は参考例1と同様の方法で重合体(B)溶
液を得た。使用した有機溶媒の種類、その初期添加量、
逐次添加量及び後添加量、単量体の組成、その初期添加
量及び逐次添加量、並びに、重合開始剤の初期添加量、
逐次添加量及び後添加量については表1に示した。また
得られた重合体溶液の中の有機溶媒の溶解性パラメータ
SP値、重合体(B)の溶解性パラメータSPB、Tg及びMw、
並びに、重合体溶液の固形分及び粘度を表2に示した。
【0126】参考例4〜6 参考例3において、単量体の組成を変えて重合を行う以
外は参考例3と同様の方法で重合体(B)溶液を得た。使
用した有機溶媒の初期添加量、逐次添加量及び後添加
量、単量体の組成、その初期添加量及び逐次添加量、並
びに、重合開始剤の初期添加量、逐次添加量及び後添加
量については表1に示した。また得られた重合体溶液の
中の有機溶媒の溶解性パラメータSP値、重合体(B)の溶
解性パラメータSPB、Tg及びMw、並びに、重合体溶液
の固形分及び粘度を表2に示した。
【0127】参考例7 参考例3において、有機溶媒「ロウス」の後添加量を変
え、単量体の組成を変え、重合開始剤の初期添加量及び
逐次添加量を変えて重合を行う以外は参考例3と同様の
方法で重合体(B)溶液を得た。使用した有機溶媒の種
類、その初期添加量、逐次添加量及び後添加量、単量体
の組成、その初期添加量及び逐次添加量、並びに、重合
開始剤の初期添加量、逐次添加量及び後添加量について
は表1に示した。また得られた重合体溶液の中の有機溶
媒の溶解性パラメータSP値、重合体(B)の溶解性パラメ
ータSPB、Tg及びMw、並びに、重合体溶液の固形分及
び粘度を表2に示した。
【0128】参考例8 参考例3において、有機溶媒「ロウス」を用いる代わり
に、炭化水素系有機溶媒「VM & P ナフサ」〔脂肪族炭
化水素を主成分とする有機溶媒、沸点約120〜150℃、ア
ニリン点56℃、溶解性パラメーターは7.6;シェル社
製〕を用いて重合を行う以外は参考例3と同様の方法で
重合体(B)溶液を得た。使用した有機溶媒の種類、その
初期添加量、逐次添加量及び後添加量、単量体の組成、
その初期添加量及び逐次添加量、並びに、重合開始剤の
初期添加量、逐次添加量及び後添加量については表1に
示した。また得られた重合体溶液の中の有機溶媒の溶解
性パラメータSP値、重合体(B)の溶解性パラメータSPB
Tg及びMw、並びに、重合体溶液の固形分及び粘度を表
2に示した。
【0129】参考例9 参考例1において、単量体の組成を変えて重合を行う以
外は参考例1と同様の方法で重合体(B)溶液を得た。使
用した有機溶媒の初期添加量、逐次添加量及び後添加
量、単量体の組成、その初期添加量及び逐次添加量、並
びに、重合開始剤の初期添加量、逐次添加量及び後添加
量については表1に示した。また得られた重合体溶液の
中の有機溶媒の溶解性パラメータSP値、重合体(B)の溶
解性パラメータSPB、Tg及びMw、並びに、重合体溶液
の固形分及び粘度を表2に示した。
【0130】参考例10〜11 参考例1において、単量体の組成及びその初期添加と逐
次添加との割合を変え、重合開始剤の初期添加量、逐次
添加量及び後添加量の割合を変えて重合を行う以外は参
考例1と同様の方法で重合体(B)溶液を得た。使用した
有機溶媒の種類、その初期添加量、逐次添加量及び後添
加量、単量体の組成、その初期添加量及び逐次添加量、
並びに、重合開始剤の初期添加量、逐次添加量及び後添
加量については表1に示した。また得られた重合体溶液
の中の有機溶媒の溶解性パラメータSP値、重合体(B)の
溶解性パラメータSPB、Tg及びMw、並びに、重合体溶
液の固形分及び粘度を表2に示した。
【0131】参考例12 参考例1において、有機溶媒「ロウス」を用いる代わり
に、炭化水素系有機溶媒「ソルベッソ100」〔芳香族炭
化水素を主成分とする有機溶媒、沸点約160〜180℃、ア
ニリン点0℃以下、溶解性パラメーターは8.6;エクソ
ンケミカル社製〕を用い、単量体の組成を変え、その初
期添加量及び逐次添加量の割合を変え、重合開始剤の初
期添加量、逐次添加量及び後添加量の割合を変えて重合
を行う以外は参考例1と同様の方法で重合体(B)溶液を
得た。使用した有機溶媒の種類、その初期添加量、逐次
添加量及び後添加量、単量体の組成、その初期添加量及
び逐次添加量、並びに、重合開始剤の初期添加量、逐次
添加量及び後添加量については表1に示した。また得ら
れた重合体溶液の中の有機溶媒の溶解性パラメータSP
値、重合体(B)の溶解性パラメータSPB、Tg及びMw、並
びに、重合体溶液の固形分及び粘度を表2に示した。
【0132】なお表1の単量体組成における記号は、そ
れぞれ次の単量体を表わす。 単量体(c) HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート AA :アクリル酸 MAA :メタクリル酸
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】非水分散型エマルジョンの製造 実施例1 参考例1で使用したのと同様の反応容器に、参考例1で
得た重合体(B)溶液300重量部及び有機溶媒「ロウス」20
0重量部を仕込み、該反応容器の気相部を窒素ガスで置
換した後、100℃に昇温した。この温度に保ちながら、
単量体(b)としてメチルメタクリレート(MMA)20重量
%、エチルアクリレート(EA)34重量%、n-BMA 20重量
%及びSt 25重量%、単量体(c)としてジエチルアミノエ
チルメタクリレート(DE)1重量%からなる単量体混合
物350重量部、有機溶媒「ロウス」150重量部、並びに、
重合開始剤tBPOO 3.5重量部をからなる混合物を一定速
度で2時間かけて逐次添加した。添加終了後同温度で30
分間保持した後、tBPOO 3.0重量部を添加し、同温度で
さらに3時間保持して非水分散型エマルジョンを得た。
得られたエマルジョンは優れた分散安定性を示した。
【0136】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0137】実施例2 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を用
いる代わりに参考例2で得た重合体(B)溶液を用い、初
期仕込みの有機溶媒として有機溶媒「ロウス」200重量
部用いる代わりに、該有機溶媒「ロウス」120重量部及
び有機溶剤「アイソパー G」80重量部を用い、重合体
(C)のための単量体組成を変更する以外は実施例1と同
様の方法で非水分散型エマルジョンを得た。得られたエ
マルジョンは優れた分散安定性を示した。
【0138】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0139】実施例3及び比較例1〜3 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を用
いる代わりに、参考例2で得た重合体(B)溶液又は参考
例9〜11で得た重合体溶液のいずれかを用い、重合体
(C)のための単量体組成を変更する以外は実施例1と同
様の方法で重合を行った。その結果、実施例3及び比較
例1、3では分散安定性の優れた非水分散型エマルジョ
ンが得られたが、比較例2では、分散安定性の優れた非
水分散型エマルジョンは得られなかった。
【0140】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0141】実施例4 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を用
いる代わりに参考例3で得た重合体(B)溶液を用い、有
機溶媒「ロウス」の使用割合を初期仕込み量を200重量
部から110重量部に変え、重合体(C)のための単量体組成
を変更する以外は実施例1と同様の方法で非水分散型エ
マルジョンを得た。得られたエマルジョンは優れた分散
安定性を示した。
【0142】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0143】実施例5 実施例4において、有機溶媒「ロウス」の逐次添加量を
107重量部に減らす以外は実施例4と同様の方法で重合
を行って樹脂分散液を得た。次いでこの樹脂分散液の固
形分100重量部に対して、アセト酢酸エチル1.5重量部、
アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(ATEA)
の20重量%「ソルベッソ100」溶液7.4重量部を加えて均
一に混合してアルミニウムキレート化合物を含有する非
水分散型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは
優れた分散安定性を示した。
【0144】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、酸価、キレート化合物の種類と量、並びに、非水エ
マルジョンの固形分及び粘度を表4に示した。
【0145】実施例6 実施例5において、重合体(B)溶液として参考例3で得
た重合体(B)溶液を300重量部用いる代わりに、参考例4
で得た重合体(B)溶液を360重量部用い、有機溶媒「ロウ
ス」の逐次添加量を100重量部に減らし、重合体(C)のた
めの単量体の組成を変えて重合を行う以外は実施例5と
同様にしてアルミニウムキレート化合物を含有する非水
分散型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンは優
れた分散安定性を示した。
【0146】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、キレート化合物の種類と量、並びに、非水エマルジ
ョンの固形分及び粘度を表4に示した。
【0147】実施例7〜8 実施例6において、重合体(B)溶液として参考例4で得
た重合体(B)溶液を用いる代わりに、参考例5で得た重
合体(B)溶液を用い、有機溶媒「ロウス」の逐次添加量
を66重量部又は15重量部に減らし、重合体(C)のための
単量体組成を変更し、またアセト酢酸エチル及びATEAの
配合量を変える以外は実施例6と同様にしてアルミニウ
ムキレート化合物を含有する非水分散型エマルジョンを
得た。得られたエマルジョンは優れた分散安定性を示し
た。
【0148】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、キレート化合物の種類と量、並びに、非水エマルジ
ョンの固形分及び粘度を表4に示した。
【0149】実施例9及び比較例4 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を300
重量部用いる代わりに参考例6で得た重合体(B)溶液又
は参考例12で得た重合体溶液を700重量部用い、初期
仕込みの有機溶媒として有機溶媒「ロウス」200重量部
用いる代わりに、該有機溶媒「ロウス」83重量部又は有
機溶媒「ソルベッソ100」83重量部を用い、逐次添加用
有機溶媒として有機溶媒「ロウス」150重量部用いる代
わりに、該有機溶媒「ソルベッソ100」145重量部又は有
機溶媒「ソルベッソ100」30重量部とトルエン(沸点約1
10℃、アニリン点0℃以下、溶解度パラメータ8.9)115
重量部との混合溶媒を用い、重合体(C)のための単量体
組成を変えて重合を行った。その結果、実施例8では分
散安定性の優れた非水分散型エマルジョンが得られた
が、比較例4では、分散粒子がほとんど発生せず、溶解
型の樹脂溶液となった。
【0150】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0151】実施例10〜11 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を300
重量部用いる代わりに参考例5で得た重合体(B)溶液を3
60重量部又は参考例7で得た重合体(B)溶液を388重量部
用い、有機溶媒「ロウス」の初期仕込み量及び逐次添加
量をそれぞれ200重量部及び150重量部とする代わりに、
該有機溶媒「ロウス」110重量部及び150重量部、又は、
45重量部及び50重量部とし、重合体(C)のための単量体
組成を変えて重合を行う以外は実施例1と同様の方法で
非水分散型エマルジョンを得た。得られたエマルジョン
は優れた分散安定性を示した。
【0152】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0153】実施例12 実施例1において、参考例1で得た重合体(B)溶液を用
いる代わりに参考例8で得た重合体(B)溶液を用い、初
期仕込みの有機溶媒として有機溶媒「ロウス」200重量
部用いる代わりに、有機溶媒「VM & P ナフサ」100重量
部及び有機溶媒「ソルベッソ100」100重量部を用い、逐
次添加用有機溶媒として有機溶媒「ロウス」150重量部
用いる代わりに、該有機溶媒「ソルベッソ100」150重量
部用い、重合体(C)のための単量体組成を変える以外は
実施例1と同様の方法で非水分散型エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンは優れた分散安定性を示し
た。
【0154】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、並びに、非水エマルジョンの固形分及び粘度を表4
に示した。
【0155】実施例13〜14 実施例5において、ATEAの20重量%「ソルベッソ100」
溶液7.4重量部用いる代わりに、ジ-i-プロポキシチタニ
ウムビス(エチルアセトアセテート)(TBEA)の20重量%
「ソルベッソ100」溶液7.4重量部又はジルコニウムテト
ラエチルアセトアセテート(ZTEA)の20重量%「ソルベ
ッソ100」溶液7.4重量部を用いる以外は実施例5と同様
にして金属キレート化合物を含有する非水分散型エマル
ジョンを得た。得られたエマルジョンは優れた分散安定
性を示した。
【0156】使用した重合体(B)溶液の種類、使用した
有機溶媒の種類、その初期仕込み量及び逐次添加量、重
合体(C)のための単量体組成、重合開始剤の逐次添加量
及び後添加量については表3に示した。また得られた非
水エマルジョン中の有機溶媒(A)の溶解性パラメータS
PA、SPB−SPAの値、重合体(C)の溶解性パラメータSPC
びTg、SPC−SPAの値、重合体(B)と重合体(C)との量
比、キレート化合物の種類と量、並びに、非水エマルジ
ョンの固形分及び粘度を表4に示した。
【0157】なお表3の単量体組成における記号(表1
記載以外のもの)は、それぞれ次の単量体を表わす。
【0158】単量体(b) VAc:酢酸ビニル
【0159】
【表3】
【0160】
【表4】
【0161】次に、実施例及び比較例で得られた非水分
散型エマルジョンの一部の例について、塗料に調製し、
塗料の評価テストを行った。
【0162】塗料の評価テスト (1) 塗料貯蔵安定性試験 得られた塗料を粘度が2000〜2500cpsとなるように、必
要に応じて有機溶媒「ロウス」により調製した後、ガラ
スビン中に密封し、室温にて1ヵ月間放置し塗料の状態
変化を観察する。またこの塗料をよく攪拌した後、後
(3)項の方法により光沢を測定して、次の基準により評
価する。
【0163】○・・・・・・顔料の沈降、上澄みの発生なし。
塗膜の光沢も貯蔵の前後で殆んど変化なし。 △・・・・・・顔料の沈降、上澄みの発生少し有。塗膜の光沢
も貯蔵の前後で殆んど変化なし。 ×・・・・・・顔料の沈降、上澄みの発生有。光沢も貯蔵後の
ものは貯蔵前のものより著るしく低下している。
【0164】(2) 耐リフティング性試験 JIS G 3141(SPCC-SB)に定める研き鋼板に、アルキッ
ド樹脂系錆止め塗料(JIS K 5621に定める第2種錆止め
塗料)を約150g/m2となるように刷毛を用いて塗布し、
20℃、70%RHで48時間乾燥し、次いで得られた塗料を約
150g/m2となるように刷毛を用いて塗布し、20℃、70%
RHで24時間乾燥したときの塗膜状態を観察して、次の基
準にしたがって評価する。塗料に含有されている有機溶
媒が下地のアルキッド樹脂系錆止め塗料を侵す度合によ
り、塗膜表面に異状が見られる。
【0165】○・・・・・・チヂミ、シワ等の発生なし。 △・・・・・・部分的にチヂミ、シワ発生なし。 ×・・・・・・全面にチヂミ、シワ発生。
【0166】(3) 光沢測定 得られた塗料を粘度が2000〜2500cpsとなるように、必
要に応じて有機溶媒「ロウス」により調製した後、ガラ
ス板上に6ミルのドクターブレードを用いて塗布し、7
日間室温乾燥してから可変角光沢計「TC-108D」〔東京
電色(株)製〕により60゜光沢を測定する。
【0167】(4) 試片の作成 (4-1) 付着性試験用試片 得られた塗料を粘度が2000〜2500cpsとなるように、必
要に応じて有機溶媒「ロウス」により調整した後、刷毛
にて試験基材に湿時厚み約150g/m2で1回塗布し、1週
間室温乾燥(但し架橋剤としてメラミン系樹脂を用いた
ものは、100℃で5分間乾燥後、160℃で30分間焼付け)
し、付着性試験用の試片とした。試験基材としては以下
のものを用いた。
【0168】鋼板・・・・・・・・・・・・・・JIS G 3141 (SPCC-SB)
に定める磨き鋼板をトルエンにて脱脂して使用。 亜鉛鋼板・・・・・・・・・・JIS G 3302 (SGH 340)に定める亜鉛
メッキ鋼板をトルエンにて脱脂して使用。 錆止め塗膜・・・・・・・・JIS G 3141 (SPCC-SB)に定める磨き
鋼板にアルキッド樹脂系錆止め塗料(JIS K 5621 第2
種錆止め塗料)を刷毛にて試験基材に湿時厚み約150g/
m2で1回塗布し、1週間室温乾燥したものを使用。 弾性塗膜・・・・・・・・・・溶剤型下塗り剤で処理されたフレキ
シブル板に、水性エマルジョン型弾性塗料を乾燥厚み約
1mmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、1
日室温乾燥したものを使用。 フレキシブル板・・・・JIS A 5403 (F)に定めるフレキシブ
ル板を使用。
【0169】(4-2) 塗膜試験用試片 得られた塗料を粘度が2000〜2500cpsとなるように、必
要に応じて有機溶媒「ロウス」により調整した後、刷毛
にてフレキシブル板に湿時厚み約150g/m2で2回塗布
し、1週間室温乾燥し、次いで前(3)項と同様に可変角
光度計により60゜光沢を測定した後、各種塗膜試験用の
試片とした。
【0170】(5) 付着性試験 前(4-1)項にて作成した試験片を用い、JIS K 5400に定
められた碁盤目テープ法にて付着性を評価した。但し、
碁盤目のマス目の間隔及びマス目の数はそれぞれ2mm、
100とした。付着性の評価は次の基準に従って点数で表
した。
【0171】10点・・・・・・切り傷1本ごとが細く両側が滑
らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがな
い。 8点・・・・・・切り傷の交点にわずかにはがれがあって、正
方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方
形面積の5%以内。 6点・・・・・・切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損
部の面積は全正方形面積の5〜15%。 4点・・・・・・切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面
積は全正方形面積の15〜35%。 2点・・・・・・切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、
欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。 0点・・・・・・はがれの面積は全正方形面積の65%以上。
【0172】(6) 塗膜試験 (6-1) 耐水性試験 前(4-2)項にて作成した試片を脱イオン水中に7日間浸
漬し、塗膜面のフクレ発生の有無を観察し、更に室温で
2時間放置して、前(3)項と同様に可変角光度計により6
0゜光沢を測定し光沢保持率を求めて、次の基準にしたが
って評価を行った。
【0173】 ◎・・・・・・フクレがなく、光沢保持率が90%以上。 ○・・・・・・フクレがなく、光沢保持率が70〜90%。 △・・・・・・部分的にフクレ発生、または、光沢保持率が50
〜70%。 ×・・・・・・全面にフクレ発生、または、光沢保持率が50%
未満。
【0174】(6-2) 耐アルカリ性試験 前(4-2)項にて作成した試片を5重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液中に2日間浸漬し、試片を取り出して流水で静
かに洗い、フクレ等の塗膜の変化の有無を観察し、更に
室温で2時間放置して、前(3)項と同様に可変角光度計
により 60゜光沢を測定し光沢保持率を求めて、前(6-1)
項記載の基準にしたがって評価を行った。
【0175】(6-3) 耐候性試験 前(4-2)項にて作成した試片を、JIS B 7753に規定する
サンシャイン・カーボンアーク灯式耐候性試験機を用
い、JIS A 1415の5項に従って 720時間試験を行った
後、前(3)項と同様に可変角光度計により60゜光沢を測定
し光沢保持率を求めた。
【0176】塗料の調製 実施例21 実施例1で得られた非水分散型エマルジョン100重量部
及び「タイペーク CR-90」〔ルチル型酸化チタン粉;石
原産業(株)製〕50重量部を、サンドミル中に入れて充分
に混練したのち、有機溶媒「ロウス」16重量部を加えて
塗料を調製した。得られた塗料は固形分が60重量%、粘
度は9000cps、顔料重量濃度(PWC)50重量%であった。
この塗料を用いて前記の塗料の評価テスト及び塗膜試験
を行った。この塗料の固形分、粘度及びPWCの値を表5
に、塗料評価テスト及び塗膜試験の結果を表6に示し
た。
【0177】実施例22、28及び比較例11〜12 実施例21において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョンを用いる代わりに、実施例2、実施例12、
比較例1及び比較例3の何れかで得られた非水分散型エ
マルジョンを用いる以外は実施例21と同様にして塗料
を調製した。この塗料を用いて前記の塗料の評価テスト
及び塗膜試験を行った。この塗料の固形分、粘度及びPW
C、並びに、塗料評価テスト及び塗膜試験の結果を表5
に示した。
【0178】実施例23〜27、29及び30 実施例21において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョン100重量部用いる代わりに、実施例4〜8、
実施例13及び実施例14の何れかで得られた非水分散
型エマルジョン91重量部を用い、有機溶媒「ロウス」を
16重量部添加する代わりに25重量部添加する以外は実施
例21と同様にして塗料を調製した。この塗料を用いて
前記の塗料の評価テスト及び塗膜試験を行った。この塗
料の固形分、粘度及びPWCの値を表5に、塗料評価テス
ト及び塗膜試験の結果を表6に示した。
【0179】比較例13 実施例21において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョン100重量部用いる代わりに、比較例4で得ら
れた非水分散型エマルジョン91重量部を用い、有機溶媒
「ロウス」を16重量部添加する代わりニ、有機溶媒「ソ
ルベッソ100」に25重量部添加する以外は実施例21と
同様にして塗料を調製した。この塗料を用いて前記の塗
料の評価テスト及び塗膜試験を行った。この塗料の固形
分、粘度及びPWC、並びに、塗料評価テスト及び塗膜試
験の結果を表5に示した。
【0180】実施例31 実施例21において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョンを100重量部用いる代わりに、実施例9で得
られた非水分散型エマルジョンを91重量部用いる以外は
実施例21と同様にして塗料を調製した。この塗料の固
形分、粘度及びPWCを表5に示した。
【0181】次に、この塗料に架橋剤としてイソシアネ
ート系架橋剤「バーノック DN-990」〔HMDI系イソシア
ネートの3量体型;大日本インキ化学工業(株)製〕を、
該塗料に含有される樹脂中のOH基と架橋剤中のNCO基が
等当量となるように塗布直前に添加混合し、前記の塗料
の評価テスト及び塗膜試験を行った。塗料評価テスト及
び塗膜試験の結果を表6に示した。
【0182】実施例32 実施例21において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョンを100重量部用いる代わりに、実施例10で
得られた非水分散型エマルジョンを91重量部用い、有機
溶媒「ロウス」16重量部添加する代わりに25重量部添加
する以外は実施例21と同様にして塗料を調製した。こ
の塗料の固形分、粘度及びPWCを表5に示した。
【0183】次に、この塗料に架橋剤としてイソシアネ
ート系架橋剤「バーノック DN-990」〔HMDI系イソシア
ネートの3量体型;大日本インキ化学工業(株)製〕を、
該塗料中のアセトアセチル基と架橋剤中のNCO基が等当
量となるように塗布直前に添加混合し、前記の塗料の評
価テスト及び塗膜試験を行った。塗料評価テスト及び塗
膜試験の結果を表6に示した。
【0184】実施例33 実施例31において、実施例9で得られた非水分散型エ
マルジョンを91重量部用いる代わりに、実施例11で得
られた非水分散型エマルジョンを71重量部用いる以外は
実施例31と同様にして塗料を調製した。この塗料の固
形分、粘度及びPWCを表5に示した。この塗料に架橋剤
としてイソシアネート系架橋剤「バーノック DN-990」
を、該塗料に含有される樹脂中のアセトアセチル基及び
OH基と架橋剤中のNCO基が当量となるように塗布直前に
添加混合し、前記の塗料の評価テスト及び塗膜試験を行
った。塗料評価テスト及び塗膜試験の結果を表6に示し
た。
【0185】練り顔料の調製 練り顔料(1) 参考例3で得られた重合体(B)溶液60重量部、「タイペ
ーク CR-90」500重量部及び「ロウス」175重量部をサン
ドミル中で充分に混練して、固形分72重量%の練り顔料
(1)を得た。
【0186】練り顔料(2) 参考例3で得られた重合体(B)溶液100重量部、「タイペ
ーク CR-90」350重量部、「サンライト#1000」〔炭酸カ
ルシウム粉;竹原化学(株)製〕350重量部及び「ロウ
ス」200重量部をサンドミル中で充分に混練して、固形
分75重量%の練り顔料(2)を得た。
【0187】実施例34 実施例1で得られた非水分散型エマルジョン94重量部及
び上記練り顔料(1)73.5重量部を充分に攪拌して塗料を
調製した。得られた塗料は固形分が60重量%、粘度は76
00cps、PWC 50重量%であった。この塗料を用いて前記
の塗料の評価テスト及び塗膜試験を行った。この塗料の
固形分、粘度及びPWCの値を表5に、塗料評価テスト及
び塗膜試験の結果を表6に示した。
【0188】実施例35 実施例34において、実施例1で得られた非水分散型エ
マルジョン94重量部を用いる代わりに、実施例4で得ら
れた非水分散型エマルジョン85重量部を用い、これに
「ロウス」9重量部を加える以外は実施例34と同様に
して塗料を調製した。この塗料を用いて前記の塗料の評
価テスト及び塗膜試験を行った。この塗料の固形分、粘
度及びPWC、並びに、塗料評価テスト及び塗膜試験の結
果を表5に示した。
【0189】実施例36 実施例11で得られた非水分散型エマルジョン134重量
部及び前記練り顔料(1)147重量部を充分に攪拌した後、
「ロウス」12重量部とヘキサメチロールテトラメチル化
モノブチル化メラミン(HMMBM)30重量部を加え、50℃
に加温して20分間攪拌し、次いでこの塗料を室温で24時
間放置した。この塗料を前記研き鋼板状に6ミルのドク
ターブレードを用いて塗布し、100℃で5分間乾燥後、1
60℃で30分間焼き付けを行った。形成された塗膜は高い
光沢(60゜光沢90)があり、トルエンに浸漬しても何等
変化せず、基材への密着性も優れていた。
【0190】実施例37〜38 実施例2又は実施例3で得られた非水分散型エマルジョ
ン50重量部及び前記練り顔料(2)100重量部を充分に攪拌
して塗料を調製した。この塗料を用いて前記の塗料の評
価テスト及び塗膜試験を行った。この塗料の固形分、粘
度及びPWCの値を表5に、塗料評価テスト及び塗膜試験
の結果を表6に示した。
【0191】比較例14 サンドミル中に比較例3で得られた非水分散型エマルジ
ョン60重量部、「タイペーク CR-90」35重量部、「サン
ライト#1000」35重量部及び「ロウス」12重量部を加え
て充分に混練した後、さらに「ロウス」8重量部を加え
て塗料を調製した。この塗料を用いて前記の塗料の評価
テスト及び塗膜試験を行った。この塗料の固形分、粘度
及びPWCの値を表5に、塗料評価テスト及び塗膜試験の
結果を表6に示した。
【0192】
【表5】
【0193】
【表6】
【0194】
【発明の効果】本発明の非水系樹脂分散液は、脂肪族炭
化水素系溶媒を主成分とする有機溶媒、該有機溶媒に可
溶性で特定のアセトアセチル基を含むペンダント側鎖を
有する繰返し単位を特定量含有するアクリル系重合体、
及び、該有機溶媒に実質的に不溶性の重合体微粒子、並
びに、必要に応じて架橋剤からなるものである。
【0195】本発明の非水系樹脂分散液は、従来の非水
分散型樹脂の問題点を改善して、塗料用ビヒクルとして
用いたとき優れた顔料分散性、貯蔵安定性、ポットライ
フを有すること;得られる塗料塗膜の金属基材表面など
に対する付着性優れていること;さらに常温硬化によ
り、優れた付着性、耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性、
耐候性などの塗膜性能を付与することができること;な
ど卓越した性能を発揮しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 33/26 C09D 123/00 - 133/26

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)、(A)脂肪族炭化水素系溶媒
    を主成分とする有機溶媒、(B)下記一般式(1)、 【化1】 (式中、R及びRはそれぞれ独立にH又はCH
    表し、Yは単結合、−CH−、下記一般式(2) 【化2】 又は−CONH−R−を表し、R及びRはそれぞ
    れ独立に炭素数1〜6のアルキレン基、mは3〜11の自
    然数、nは0〜10の整数を表す)で示される繰返し単位
    を0.2〜30重量%含有する、上記有機溶媒(A)に可溶性の
    アクリル系重合体、及び(C)上記有機溶媒(A)に実質的に
    不溶性の重合体微粒子からなることを特徴とする非水系
    樹脂分散液。
  2. 【請求項2】下記(A)〜(D)、(A)脂肪族炭化水素系溶媒
    を主成分とする有機溶媒、(B)下記一般式(1)、 【化1】 (式中、R 及びR はそれぞれ独立にH又はCH
    表し、Y は単結合、−CH −、下記一般式(2) 【化2】 又は−CONH−R −を表し、R 及びR はそれぞ
    れ独立に炭素数1〜6のアルキレン基、mは3〜11の自
    然数、nは0〜10の整数を表す)で示される繰返し単位
    を0.2〜30重量%含有する、上記有機溶媒(A)に可溶性の
    アクリル系重合体、、(C)上記有機溶媒(A)に実質的に不
    溶性の重合体微粒子、及び、(D)架橋剤からなることを
    特徴とする非水系樹脂分散液。
  3. 【請求項3】有機溶媒(A)が脂肪族炭化水素系溶媒を50
    重量%以上含有する請求項1又は2に記載の非水系樹脂
    分散液。
  4. 【請求項4】有機溶媒(A)が6.8〜8.6の範囲内の溶解性
    パラメータ(SP値)を有する請求項1〜3のいずれかに
    載の非水系樹脂分散液。
  5. 【請求項5】アクリル系重合体(B)が10,000〜300,000の
    範囲内の重量平均分子量を有する請求項1又は2に記載
    の非水系樹脂分散液。
  6. 【請求項6】アクリル系重合体(B)が0〜60度の範囲内
    のガラス転移温度(Tg)を有する請求項1、2、5の
    いずれかに記載の非水系樹脂分散液。
  7. 【請求項7】アクリル系重合体(B)が、(a)下記一般式
    (3)、 【化3】 (式中、R及びR及びYは請求項1に記載した定
    義の通りである)で示される単量体、(b)下記一般式
    (4)、 【化4】 (式中、RはH又はCHを表し、YはH、炭素数
    1〜2のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭
    素数6〜8のアリール基、−CN−、−COOR又は
    −OCORを表し、Rは水素原子の一部がフッ素原
    子で置換されていても良い炭素数1〜18のアルキル基、
    炭素数6〜8のシクロアルキル基又は炭素数7〜12のア
    ラルキル基を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を
    表す)で示される単量体、及び必要に応じて、(C)架橋
    性官能基を含有する不飽和単量体、を共重合させること
    により得られるものである請求項1、2、5、6のいず
    れかに記載の非水系樹脂分散液。
  8. 【請求項8】重合体微粒子(C)が約0.05〜5μmの範囲内
    の平均粒子径を有する請求項1又は2に記載の非水系樹
    脂分散液。
  9. 【請求項9】重合体粒子(C)が−10〜50℃の範囲内のガ
    ラス転移温度(Tg)を有する請求項1、2、8のいず
    れかに記載の非水系樹脂分散液。
  10. 【請求項10】架橋剤(D)が金属キレート化合物である
    請求項に記載の非水系樹脂分散液。
  11. 【請求項11】金属キレート化合物の使用量が、アクリ
    ル系重合体(B)及び重合体微粒子(C)に含まれる前記一般
    式(1)の繰返し単位中のアセトアセチル基1当量に対し
    て、0.1〜3当量の範囲内である請求項10に記載の非
    水系樹脂分散液。
  12. 【請求項12】架橋剤(D)がアミノ樹脂、ポリアミノ化
    合物及びポリイソシアネート化合物の群から選ばれる少
    なくとも1種の架橋剤である請求項に記載の非水系樹
    脂分散液。
  13. 【請求項13】アミノ樹脂、ポリアミノ化合物及びポリ
    イソシアネート化合物の群から選ばれる少なくとも1種
    の架橋剤の使用量が、アクリル系重合体(B)及び重合体
    (C)に含まれるこれら架橋剤と反応しうる架橋性官能基
    の合計当量数に対して、これらアミノ樹脂、ポリアミノ
    化合物及び/又はポリイソシアネート化合物中の架橋性
    官能基の合計当量数が0.5〜2倍の範囲内である請求項
    12に記載の非水系樹脂分散液。
  14. 【請求項14】非水系樹脂分散液が、重合体微粒子(C)
    を構成する単量体を、アクリル系重合体(B)の存在下に
    有機溶媒(A)中で重合することにより製造されるもので
    ある請求項1又は2に記載の非水系樹脂分散液。
  15. 【請求項15】非水系樹脂分散液が、有機溶媒(A)20〜7
    0重量%、アクリル系重合体(B)3〜56重量%、重合体微
    粒子(C)9〜64重量%、及び、架橋剤(D)0〜20重量%か
    らなるものである請求項1、2、14のいずれかに記載
    の非水系樹脂分散液。
  16. 【請求項16】有機溶媒(A)の溶解性パラメータ(S
    P A 、アクリル系重合体(B)の溶解性パラメータ(S
    P 及び重合体微粒子(C)の溶解性パラメータ(SP C
    が下記(イ)〜(ハ)の関係を満足する請求項1、2、14、
    15のいずれかに記載の非水系樹脂分散液。 (イ)0.4≦SPB−SPA≦1.4、 (ロ)1.2≦SPC−SPA≦3.4、且つ、 (ハ)SPBSP C
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