JP5326998B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)を取得し、要求トルクに従って複数のアクチュエータを協調操作する内燃機関の制御装置に関する。
車両用の内燃機関のトルクの制御方法として、要求トルクに従って複数のアクチュエータを協調操作するいわゆるトルクデマンド制御が知られている。特開2009−174328号公報(特許文献1)、特開2009−167916号公報(特許文献2)或いは特開2009−068430号公報(特許文献3)には、そのようなトルクデマンド制御の一例が記載されている。
上記の各特許文献に記載されている制御装置(以下、従来の制御装置)は、スロットルの開度と点火時期とによって内燃機関のトルクを制御している。詳しくは、従来の制御装置は、要求トルクに基づいてスロットルへの指令開度を決定している。そして、指令開度に従ってスロットルを操作した場合の推定MBTトルク(点火時期をMBTと仮定した場の推定トルク)を計算し、要求トルクの推定MBTトルクに対する割合をトルク効率として算出している。推定MBTトルクは、指令開度のもとで内燃機関が潜在的に出力可能な最大トルクであり、トルク効率は、内燃機関が潜在的に出力可能なトルクに対して実際に出力することが要求されているトルクの割合を意味する。したがって、トルク効率の最大値は1であり、トルク効率が1よりも小さいほどトルクを低下させるためのアクチュエータ操作が必要となる。従来の制御装置は、トルク効率に基づいて点火時期のMBTからの遅角量を決定することで、内燃機関から出力されるトルクを要求通りに制御している。
特開2009−174328号公報 特開2009−167916号公報 特開2009−068430号公報
ところで、内燃機関が出力するトルクはマイナス値になる場合もありうる。図6は4サイクル内燃機関のPV線図である。この図に示すように、内燃機関は圧縮〜膨張行程では燃焼によってトルクを発生するが、排気〜吸気行程ではポンプ損によってトルクを消費している。内燃機関の図示トルクは、プラスの発生トルクとマイナスのポンプ損トルクとの和であるため、燃焼による発生トルクがポンプ損トルクよりも小さければ内燃機関が出力するトルクはマイナス値になる。
図7には、内燃機関において点火時期の遅角によって制御可能なトルクの範囲を示している。ただし、ここでは失火の可能性は考慮していない。この図に示すように、ポンプ損トルクを利用するならば、ゼロよりも小さい値のトルクが要求された場合であっても、各アクチュエータを適宜に操作することでその要求トルクを実現することは可能である。要求トルクをマイナス値まで下げることができれば、燃焼により発生するトルクを限りなく小さくすることができるので、例えば、それを減速フューエルカットの前に実施した場合にはフューエルカットに伴うトルクショックを最小限に抑えることができる。
しかしながら、内燃機関のトルク制御においてゼロ以下のトルク範囲を利用する場合には次のような問題がある。
要求トルクを下げていくと、それに追従してスロットルも閉じられていく。その結果、要求トルクがゼロ以下の値まで低下した場合には、スロットルへの指令開度に基づいて計算される推定MBTトルクも要求トルクに追従してゼロ以下の値になる可能性がある。その際、トルク効率は推定MBTトルクに対する要求トルクの割合であることから、推定MBTトルクの値がゼロになったときトルク効率の計算においてゼロ割エラーが起きてしまう。さらに、何らかの方法でゼロ割を回避したとしても、分母がプラス値からマイナス値に変化することで、トルク効率の値に連続性がなくなってしまう。
このような問題が生じるのは、従来のトルク効率の計算方法は、あくまでも要求トルクはゼロよりも大きく、トルク効率はゼロから1までの範囲にあるという前提に立っていたためである。このため、従来の制御装置においてゼロよりも小さい値のトルクが要求されたとしても、トルク効率と点火時期の遅角量との対応関係が崩れているため、要求トルクの実現に必要な遅角量をトルク効率に基づいて決定することはできない。
本発明は上述のような課題に鑑みなされたもので、要求トルクがゼロ以下の値の場合であっても適切にアクチュエータを操作して要求トルクを要求通りに実現可能にすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明の内燃機関の制御装置は、
トルクを制御するためのアクチュエータとして吸入空気量を調整する主アクチュエータと、吸入空気量以外の機関パラメータを調整する副アクチュエータとを有する内燃機関に適用され、前記内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)に従って前記主アクチュエータ及び副アクチュエータを操作する制御装置において、
前記要求トルクに基づいて前記主アクチュエータの操作量を決定する主アクチュエータ操作量決定手段と、
前記主アクチュエータの操作量に基づいて前記内燃機関の推定潜在トルクを計算する推定潜在トルク計算手段と、
前記要求トルクの値をゼロよりも小さい値に設定された基準トルクに対する相対値に補正する要求トルク補正手段と、
前記推定潜在トルクの値を前記基準トルクに対する相対値に補正する推定潜在トルク補正手段と、
補正後の推定潜在トルクに対する補正後の要求トルクの割合(以下、トルク効率)を計算するトルク効率計算手段と、
前記トルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な前記副アクチュエータの操作量を決定する副アクチュエータ操作量決定手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明の内燃機関の制御装置は、第1の発明の内燃機関の制御装置において、
前記基準トルクは、想定される最大のポンプ損トルクに合わせて設定されていることを特徴としている。
第3の発明の内燃機関の制御装置は、第1の発明の内燃機関の制御装置において、
前記基準トルクは、現在の運転条件のもとで発生するポンプ損トルクに対応するように前記内燃機関の運転条件に応じて変更され、
前記副アクチュエータ操作量決定手段は、前記基準トルクの変更に応じて前記トルク効率と前記副アクチュエータの操作量との対応関係を補正することを特徴としている。
第1の発明の内燃機関の制御装置によれば、トルク効率の算出に際し、要求トルクはその値を基準トルクの分だけ嵩上げされ、推定潜在トルクもその値を基準トルクの分だけ嵩上げされる。そして、嵩上げされた要求トルク及び推定潜在トルクを用いてトルク効率が計算される。このようにしてトルク効率を計算することで、要求トルクがゼロ以下の値の場合であってもトルク効率の値はゼロ以上に保つことができ、そして、要求トルクと推定潜在トルクとのずれに応じて最大値の1からゼロまでの範囲でリニアに変化するトルク効率を得ることができる。したがって、第1の発明の内燃機関の制御装置によれば、トルク効率の値と副アクチュエータの操作量とを対応させることが可能であり、要求トルクがゼロ以下の値の場合であっても適切に各アクチュエータを操作して要求トルクを要求通りに実現することができる。
第2の発明の内燃機関の制御装置によれば、想定される最大のポンプ損トルクに合わせて基準トルクが設定されているので、燃焼で発生するトルクがゼロになるまで、つまり、最小値まで要求トルクを下げることができる。また、トルク効率の分子及び分母の嵩上げ分を大きくすると、要求トルクと推定潜在トルクとのずれに関する情報としての価値は希釈されてしまうが、上記のように基準トルクを設定することで、トルク効率がゼロよりも小さくなる可能性を排除しつつ、トルク効率が有する上記情報としての価値も十分に担保することができる。
第3の発明の内燃機関の制御装置によれば、運転条件に応じて変化するポンプ損トルクに合わせて基準トルクを変更されるので、全運転領域でトルク効率が0よりも小さくなる可能性を排除しつつ最適な精度を確保することができる。また、基準トルクが変更された場合には、それに応じてトルク効率と副アクチュエータの操作量との対応関係も補正されるので、基準トルクが変更された場合でも適切に各アクチュエータを操作して要求トルクを要求通りに実現することができる。
本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1で実施されるトルク効率の計算方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2で実施されるトルク効率の計算方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2で実施されるトルク効率の計算の手順を示すフローチャートである。 4サイクル内燃機関のPV線図である。 従来のトルク効率の計算方法の問題点について説明するための図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図1及び図2を参照して説明する。
図1は本実施の形態の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態において制御対象とされる内燃機関は、火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。制御装置は、内燃機関に備えられるアクチュエータを操作することで内燃機関の運転を制御する。制御装置が操作可能なアクチュエータには、点火装置、スロットル、燃料噴射装置、可変バルブタイミング機構、EGR装置等が含まれる。ただし、本実施の形態において制御装置が操作するのはスロットルと点火装置であり、制御装置はこれら2つのアクチュエータを操作して内燃機関が出力するトルクを制御する。制御装置によるスロットルの操作量はスロットル開度(以下、TAと表記する場合もある)であり、点火装置の操作量は点火時期(以下、SAと表記する場合もある)である。制御装置は、内燃機関に対して各操作量の指令値、すなわち、指令開度(TA)と指令点火時期(SA)とを出力する。
図1に示すように、本実施の形態の制御装置は要求トルクと要求効率とを取得する。車両の制御系統において、本実施の形態の制御装置の上位にはパワートレインマネージャ(図示省略)が配置されており、要求トルク及び要求効率はそのパワートレインマネージャから制御装置に入力されるようになっている。要求トルクは、内燃機関に出力させるトルク、より厳密には図示トルクの要求値である。効率は内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合であり、要求効率はその要求値である。効率の最大値は1であり、そのときには内燃機関が出力しうる潜在トルクがそのまま実際に出力されることになる。効率が1よりも小さい場合には、実際に出力されるトルクは内燃機関が出力しうる潜在トルクよりも小さく、その余裕分は主に熱となって内燃機関から出力されることになる。したがって、例えば触媒暖機のように積極的に排気温度を上げたいような場合には、効率が1よりも小さくなるようなアクチュエータ操作を行えばよい。
本実施の形態の制御装置は、取得した要求トルクと要求効率を除算器2に入力し、要求効率によって要求トルクを除算する。要求トルクを要求効率で除算して得られた値は、スロットル開度計算用のトルクとして用いられる。要求効率が1よりも小さい場合には、スロットル開度計算用のトルクは要求トルクよりも嵩上げされることになる。これは要求トルクよりも大きなトルクを潜在的に出力可能にしておくことがスロットルに要求されていることを意味する。
スロットル開度計算部4は、入力されたスロットル開度計算用トルクの値を筒内空気量(或いは充填効率)の値に変換し、さらに、スロットルへの指示開度(TA)に変換する。スロットル開度計算用トルクの筒内空気量への変換には、トルク−空気量変換マップが用いられる。トルク−空気量変換マップでは、点火時期がMBTであることを前提にして、トルクと空気量とが種々の機関情報をキーにして関連付けられている。筒内空気量の指示開度への変換には、エアモデルの逆モデルが用いられる。エアモデルはスロットルの動作に対する筒内空気量の応答をモデル化した吸気系の物理モデルである。その逆モデルによって算出されたスロットル開度は要求される筒内空気量の達成に必要なスロットル開度であり、制御装置はそれを指示開度としてスロットルに出力する。
本実施の形態の制御装置は、上記の処理と並行して、実際のスロットル開度に基づいた推定MBTトルクの計算を推定MBTトルク計算部6にて実施する。推定MBTトルクとは、現在のスロットル開度の元で点火時期をMBTにセットした場合に出力できるトルク、すなわち、内燃機関が潜在的に出力しうるトルクの推定値である。この推定MBTトルクは要求トルクとともに除算器8に入力され、要求トルクの推定MBTトルクに対する割合がトルク効率として算出される。
ただし、本実施の形態では、トルク効率の計算に使用する要求トルクは要求トルク補正部12で補正されたものとされる。同様に、トルク効率の計算に使用する推定MBTトルクは推定MBTトルク補正部14で補正されたものとされる。図中に示すように、要求トルク補正部12では、要求トルクに対して基準トルクがマイナスの符号を付けて加え合わされる。推定MBTトルク補正部14では、推定MBTトルクに対して同基準トルクがマイナスの符号を付けて加え合わされる。これらの加え合わせにより、要求トルクと推定MBTトルクは、それぞれゼロに対する相対値から基準トルクに対する相対値へと補正される。
上記の基準トルクは、ゼロよりも小さい所定の固定値である。このため、トルク効率の算出に際し、要求トルクはその値を基準トルクの分だけ嵩上げされ、推定MBTトルクもその値を基準トルクの分だけ嵩上げされることになる。この点に関して図解したものが図2である。図2の軸は図示トルクであり、Ttは図示トルクとしての要求トルクの大きさを示し、Teは図示トルクとしての推定MBTトルクの大きさを示している。Ttoffsetは補正後の要求トルクであり、矢印線の長さが補正後要求トルクの絶対値の大きさを示し、矢印線の向きはプラス値かマイナス値かを示している。Teoffsetは補正後の推定MBTトルクであり、矢印線の長さが補正後推定MBTトルクの絶対値の大きさを示し、矢印線の向きはプラス値かマイナス値かを示している。
図2から分かるように、要求トルク(Tt)がゼロ以下の値の場合であっても、基準トルクの方が要求トルク(Tt)よりも大きいマイナス値であれば、補正後要求トルク(Ttoffset)はゼロ以上の値になる。同じく、補正後推定MBTトルク(Teoffset)もゼロ以上の値になる。したがって、補正後推定MBTトルク(Teoffset)に対する補正後要求トルク(Ttoffset)の割合であるトルク効率の値はゼロ以上に保たれることになる。また、このようにしてトルク効率を計算することで、要求トルク(Tt)と推定MBTトルク(Te)とのずれに応じて最大値の1からゼロまでの範囲でリニアに変化するトルク効率を得ることができる。
点火時期計算部10は、除算器8で計算されたトルク効率に基づいて要求トルクの実現に必要な点火時期(SA)を決定する。点火時期の決定においては、トルク効率が1であれば点火時期のMBTからの遅角量はゼロとされ、トルク効率が1よりも小さいほど点火時期のMBTからの遅角量は大きくされる。本実施の形態の制御装置によれば、トルク効率は最大値の1からゼロまでの範囲内に保たれるので、トルク効率の値と点火時期の遅角量とを対応させることが可能であり、要求トルクがゼロ以下の値の場合であっても適切に点火時期を設定して要求トルクを要求通りに実現することができる。
なお、上記の基準トルクの値をあまり大きなマイナス値に設定してしまうと、点火時期の遅角によるトルク制御の精度を低下させてしまう可能性がある。なぜなら、トルク効率には、要求トルクと推定MBTトルクとのずれに関する情報という意味が有るが、トルク効率の分子及び分母に占める嵩上げ分(基準トルク)の割合が大きくなるほど、そのような情報としての価値は希釈されてしまうからである。
その一方で、基準トルクの値をゼロに近づけすぎてしまうと、要求トルクがゼロ以下の値になったときに、要求トルクが基準トルクよりも低い値になってしまう可能性がある。その場合には、トルク効率がゼロよりも小さい値になってしまう。また、分母の値がゼロになってゼロ割エラーが起きてしまう可能性もある。
以上のような点を考慮すると、基準トルクの値は、想定される最大のポンプ損トルクに合わせた設定とするのが好ましい。そうすることで、燃焼で発生するトルクがゼロになるまで、つまり、最小値まで要求トルクを下げることができるし、また、トルク効率が0よりも小さくなったりゼロ割エラーが起きる可能性を排除しつつ、点火時期の遅角によるトルク制御の精度を十分に確保することができる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態1について図3、図4及び図5を参照して説明する。
図3は本実施の形態の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置の特徴の一つは、基準トルクを現在の運転条件のもとで発生するポンプ損トルクとしたことにある。ポンプ損トルクは、スロットル開度、エンジン回転数、バルブタイミング、EGR率などの運転条件によって変化する。本実施の形態の制御装置は、内燃機関の運転条件とポンプ損トルクとを関連付けたマップを有し、そのマップを参照して運転条件に応じたポンプ損トルクを算出する。その計算は、ポンプ損トルク計算部16において行なわれる。
要求トルク補正部12では、要求トルクに対してポンプ損トルクがマイナスの符号を付けて加え合わされる。また、推定MBTトルク補正部14では、推定MBTトルクに対してポンプ損トルクがマイナスの符号を付けて加え合わされる。そして、ポンプ損トルクの分だけ嵩上げされた要求トルク及び推定MBTトルクを用いてトルク効率は算出される。この点に関して図解したものが図4であり、一連の計算の手順をフローチャートで示したのが図5である。図4中のTt、Te、Ttoffset及びTeoffsetの意味は図2の場合と同様である。Tpはポンプ損トルクであり、矢印線の長さがポンプ損トルクの絶対値の大きさを示し、矢印線の向きはプラス値かマイナス値かを示している。
図5のフローチャートに示すように、本実施の形態の制御装置は、最初のステップS2にて要求トルク(Tt)を取得する。次のステップS4では、推定MBTトルク計算部6によって推定MBTトルク(Te)を計算する。次に或いは並行して、ステップS6ではポンプ損トルク計算部16によってポンプ損トルク(Tp)を計算する。次のステップS8では、各トルクをポンプ損トルク(Tp)だけオフセットしたもの、すなわち、補正後要求トルク(Ttoffset)と補正後推定MBTトルク(Teoffset)とを計算する。そして、最後のステップS10で、補正後推定MBTトルク(Teoffset)により補正後要求トルク(Ttoffset)を除算することでトルク効率を計算する。
以上のように、本実施の形態の制御装置では、内燃機関の運転条件に応じて変化するポンプ損トルク(Tp)に合わせて基準トルクが変更される。これによれば、内燃機関の全運転領域でトルク効率が0よりも小さくなったりゼロ割エラーが起きる可能性を排除しつつ、トルク効率の分子及び分母に占める嵩上げ分(基準トルク)の割合を最小限に止めることが可能となる。
点火時期計算部10は、以上のような方法で計算されたトルク効率に基づいて要求トルクの実現に必要な点火時期(SA)を決定する。本実施の形態の制御装置は、点火時期計算部10における点火時期の決定方法にも特徴がある。図3に示すように、本実施の形態では、ポンプ損トルク計算部16で計算されたポンプ損トルクが点火時期計算部10にも入力される。点火時期計算部10は、入力されたポンプ損トルクに応じて、トルク効率と点火時期の遅角量との対応関係を補正する。これは、推定MBTトルクと要求トルクが共に一定であったとしても、ポンプ損トルクの値が運転条件に応じて変更された場合には、それに応じてトルク効率の値も変化してしまうからである。トルク効率から点火時期の補正量を決定する過程では一又は複数のマップが用いられるが、そのうちの1つのマップは、ポンプ損トルクを引数の1つとして作成されている。
以上のように、本実施の形態の制御装置によれば、運転条件の変化によってポンプ損トルクの計算値が変化したとしても、それに応じてトルク効率と点火時期の遅角量との対応関係も補正される。これにより、内燃機関の全運転領域において適切に点火時期の遅角を行い要求トルクを要求通りに実現することが可能となる。
なお、要求トルク及び推定MBTトルクを補正してから点火時期計算部10で点火時期が計算されるまでの間には1又は数クロックの遅れがあり、その間にポンプ損トルクの計算値が変化する場合がある。よって、点火時期計算部10へのポンプ損トルクの入力は、その遅れの分だけ遅延させることが好ましい。そうすることで、マップの引数として用いるポンプ損トルクの値を、要求トルク及び推定MBTトルクの補正に用いた値と同値とすることができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述の実施の形態では、要求トルクと要求効率とを取得して要求効率によって要求トルクを除算したものをスロットル開度計算用トルクとしている。しかし、要求効率は必ずしも必要ではない。例えば、効率が常に最大値の1になるような運転が求められている場合には、除算器2を削除して要求トルクをそのままスロットル開度計算用トルクとして用いればよい。
上述の実施の形態では、スロットルの開度と点火時期とを操作量としてトルクを制御しているが、操作量の組み合わせはこれに限定されるものではない。吸入空気量を調整するアクチュエータ(主アクチュエータ)に関する操作量と、吸入空気量以外のパラメータを調整するアクチュエータ(副アクチュエータ)に関する操作量との組み合わせであればよい。そして、副アクチュエータの操作量をトルク効率に基づいて決定すればよい。なお、副アクチュエータとしては、操作量の変化に対するトルクの応答性が主アクチュエータのそれよりも優れているものが好ましい。上述の実施の形態で用いている点火装置はそのような副アクチュエータの一例である。
2 除算器(要求潜在トルク計算手段)
4 スロットル開度計算部(主アクチュエータ操作量決定手段)
6 推定MBTトルク計算部(推定潜在トルク計算手段)
8 除算器(トルク効率計算手段)
10 点火時期計算部(副アクチュエータ操作量決定手段)
12 要求トルク補正部(要求トルク補正手段)
14 推定MBTトルク補正部(推定潜在トルク補正手段)
16 ポンプ損トルク計算部

Claims (3)

  1. トルクを制御するためのアクチュエータとして吸入空気量を調整する主アクチュエータと、吸入空気量以外の機関パラメータを調整する副アクチュエータとを有する内燃機関に適用され、前記内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)に従って前記主アクチュエータ及び副アクチュエータを操作する制御装置において、
    前記要求トルクに基づいて前記主アクチュエータの操作量を決定する主アクチュエータ操作量決定手段と、
    前記主アクチュエータの操作量に基づいて前記内燃機関の推定潜在トルクを計算する推定潜在トルク計算手段と、
    前記要求トルクの値をゼロよりも小さい値に設定された基準トルクに対する相対値に補正する要求トルク補正手段と、
    前記推定潜在トルクの値を前記基準トルクに対する相対値に補正する推定潜在トルク補正手段と、
    補正後の推定潜在トルクに対する補正後の要求トルクの割合(以下、トルク効率)を計算するトルク効率計算手段と、
    前記トルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な前記副アクチュエータの操作量を決定する副アクチュエータ操作量決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記基準トルクは、想定される最大のポンプ損トルクに合わせて設定されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記基準トルクは、現在の運転条件のもとで発生するポンプ損トルクに対応するように前記内燃機関の運転条件に応じて変更され、
    前記副アクチュエータ操作量決定手段は、前記基準トルクの変更に応じて前記トルク効率と前記副アクチュエータの操作量との対応関係を補正することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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