JP5326997B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、スロットルの開度と点火時期とを協調操作することによって内燃機関が出力するトルクを制御する制御装置に関する。
車両用の内燃機関のトルクの制御方法として、内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)に基づいてスロットル開度と点火時期とを協調操作するいわゆるトルクデマンド制御が知られている。特開2009−047102号公報(特許文献1)や特開2009−068402号公報(特許文献2)には、そのようなトルクデマンド制御の一例が記載されている。
特許文献1には、要求トルクに加えて要求効率も取得し、要求トルク及び要求効率に従ってスロットルの開度及び点火時期を操作することによって内燃機関のトルクを制御することが開示されている。なお、本明細書でいうところの“効率”とは、内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合を意味し、その要求値が要求効率である。特許文献1の開示内容からは、例えば、図5に示す構成の制御装置を導き出すことができる。
図5には、要求トルク及び要求効率からスロットルの開度及び点火時期が決定されるまでの処理の流れがブロック図で表されている。図5に示す制御装置では、要求トルクと要求効率は除算器2に入力されて、要求効率による要求トルクの除算が行なわれる。そして、要求トルクを要求効率で除算して得られた値が、スロットル開度計算用のトルクとして用いられる。要求効率が1よりも小さい場合には、スロットル開度計算用のトルクは要求トルクよりも嵩上げされることになる。これは要求トルクよりも大きなトルクを潜在的に出力可能にしておくことがスロットルに要求されていることを意味する。スロットル開度計算部4は、入力されたトルクの値を筒内空気量(或いは充填効率)の値に変換し、さらに、スロットルへの指示開度(TA)に変換する。
上記の処理と並行して、実際のスロットル開度(実TA)に基づいた推定潜在トルクの計算がトルク推定部6にて行なわれる。推定潜在トルクとは、現在のスロットル開度の元で点火時期を最適点火時期にセットした場合に出力できるトルク、すなわち、内燃機関が潜在的に出力しうるトルクの推定値である。この推定潜在トルクは要求トルクとともに除算器8に入力され、要求トルクの推定潜在トルクに対する割合がトルク効率として算出される。点火時期計算部10は、このトルク効率に基づいて要求トルクの実現に必要な点火時期(SA)を決定する。点火時期の決定においては、トルク効率が1であれば点火時期の最適点火時期からの遅角量はゼロとされ、トルク効率が1よりも小さいほど点火時期の最適点火時期からの遅角量は大きくされる。
図5に示す制御装置によれば、1よりも小さい値の要求効率が入力されると、要求潜在トルクとしてのスロットル開度計算用トルクが嵩上げされて、スロットルへの指令開度は大きくされる。それにより筒内空気量が増大すると、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合であるトルク効率は1よりも小さくなり、点火時期は自動的に遅角されるようになる。これにより、要求トルクを要求通りに実現しつつ、要求通りに効率を下げることが可能になる。要求効率を下げることは、例えば、触媒の暖気のために排気温度を上昇させたい場面や、将来の急激なトルクアップ要求に備えて余裕を持っておきたい場面等において有効である。
ただし、あまりにも低い要求効率を実現しようとすると、行き過ぎた点火時期の遅角によって燃焼が不安定になり失火が生じてしまう可能性がある。この点に関し、図5に示す制御装置には、要求効率を下限ガード値によって制限する下限ガード部12が設けられている。下限ガード値は失火が生じる限界の値(失火限界効率)に対応していて、その値は空燃比等の運転条件に応じて設定されるようになっている。除算器2には下限ガード値によって制限された要求効率が入力される。
また、図5に示す制御装置には、トルク効率を下限ガード値によって制限する下限ガード部14も設けられている。ここで用いられる下限ガード値も前述の失火限界効率に対応していて、その値は空燃比等の運転条件に応じて設定されるようになっている。筒内空気量が変化している過渡状態では、要求効率とトルク効率との間にはずれが生じ、要求効率よりもトルク効率の方が低くなる可能性がある。しかし、要求効率と同様の下限ガードをトルク効率にも施せば、トルク効率が失火限界効率を下回ることはなくなり、過渡状態での失火も確実に防止することができる。
以上説明した制御装置の構成は特許文献1の開示内容から導き出されるものであるが、条件によっては下限ガード部14を省略することも可能と考えられる。例えば、スロットルの開度の操作に対して筒内空気量の応答遅れが小さく、要求効率とトルク効率とのずれが小さい場合には下限ガード部14を省略することができる。また、要求効率とトルク効率とのずれを見越して余裕のある下限ガード値が下限ガード部12に設定されている場合にも下限ガード部14を省略することができる。図5に示す制御装置から下限ガード部14を省略した場合の構成を図6に示す。
特開2009−047102号公報 特開2009−068402号公報
ところで、要求トルクには、アクセルペダルの開度から計算されるドライバ要求トルクの他に、車両制御上の必要性からVSCやTRCといった各種制御デバイスからの要求トルクが含まれている。このため、要求トルクの信号波形は必ずしも滑らかではなく、それをそのままスロットルの指令開度に変換したのでは、スロットルの動作がギクシャクしたものになってしまうおそれがある。
上記の問題に対する策としては、スロットル開度計算用トルクをフィルタに通し、フィルタで処理したスロットル開度計算用トルクに基づいてスロットルの指令開度を決定することが考えられる。具体的には、図7或いは図8に示すように、除算器2とスロットル開度計算部4との間にフィルタ16を挿入すればよい。なお、図7は、図5に示す制御装置にフィルタ16を追加した場合の構成を示し、図8は、図6に示す制御装置にフィルタ16を追加した場合の構成を示している。フィルタ16としては、スロットル開度計算用トルクの信号波形を平滑化することが可能なもの、例えばローパスフィルタの使用が考えられる。
しかしながら、図7に示す制御装置の構成と図8に示す制御装置の構成には、それぞれ次に説明するような問題がある。図9及び図10は、その問題点について説明するための図であり、それぞれ図7、図8に示す構成で生じる要求トルク、要求効率及びスロットル開度計算用トルクの時間変化を示している。
図9に示す例では、要求効率は一定のまま、ある時点から要求トルクのみが低下し始めている。この例では、要求効率は常に失火限界効率よりも高くなっている。このため、失火限界効率による要求効率の制限は行われず、そのままの要求効率がスロットル開度計算用トルク(trq1)の計算に用いられる。なお、trq1は、図7、図8に示すように、フィルタ16による処理前のスロットル開度計算用トルクを意味している。
要求トルクを失火限界効率で除算して得られるトルクの値は、失火を生じさせないスロットル開度計算用トルクの上限値、すなわち、失火限界トルクを意味する。図8の最下段には、この失火限界トルクとスロットル開度計算用トルクとの関係が示されている。その算出方法からして当然ではあるが、スロットル開度計算用トルク(trq1)は、常に、失火限界トルクよりも低く保たれている。
ところが、フィルタ16により処理されることで、スロットル開度計算用トルク(trq2)の信号波形は平滑化され、その変化速度は緩められる。このため、要求トルクの低下によって失火限界トルクが低下している場面では、失火限界トルクの低下速度よりもスロットル開度計算用トルク(trq2)の減少速度のほうが遅くなり、やがてスロットル開度計算用トルク(trq2)が失火限界トルクを超えてしまう可能性がある。
一方、図10に示す例では、要求トルクは一定のまま、ある時点から要求効率のみが上昇し始めている。この例では、要求効率はある時点までは失火限界効率を下回っており、上昇をし始めて暫くしてから失火限界効率よりも高くなっている。要求効率が失火限界効率を下回っている間は、失火限界効率によるガード後の値によってスロットル開度計算用トルク(trq1)が計算される。そして、要求効率が失火限界効率よりも高くなってからは、そのままの要求効率がスロットル開度計算用トルク(trq1)の計算に用いられる。図10の最下段には、要求トルクを失火限界効率で除算して得られる失火限界トルクとスロットル開度計算用トルクとの関係が示されている。スロットル開度計算用トルク(trq1)は、常に、失火限界トルクよりも低く保たれている。
しかし、この場合もフィルタ16により処理されることで、スロットル開度計算用トルク(trq2)の信号波形は平滑化され、その変化速度は緩められる。このため、失火限界効率の上昇によって失火限界トルクが低下している場面では、失火限界トルクの低下速度よりもスロットル開度計算用トルク(trq2)の減少速度のほうが遅くなり、やがてスロットル開度計算用トルク(trq2)が失火限界トルクを超えてしまう可能性がある。
以上のように、図9に示す例においても、また、図10に示す例においても、スロットル開度計算用トルク(trq2)が失火限界トルクを超えてしまう可能性がある。その場合、スロットルが過度に開かれることで推定潜在トルクが増大し、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合、すなわち、トルク効率が失火限界効率を下回ってしまうことになる。
図8に示す制御装置の構成においてトルク効率が失火限界効率を下回った場合、失火限界効率よりも低いトルク効率に基づいて点火時期が決定されることになる。このため、実際の効率が失火限界効率を下回るような行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じてしまう可能性がある。一方、図7に示す制御装置の構成においてトルク効率が失火限界効率を下回った場合は、下限ガード部14が機能することで、トルク効率は失火限界効率で制限される。しかし、スロットルが過度に開かれたにもかかわらず点火時期の遅角が制限されることで、要求トルクを要求通りに実現することはできなくなってしまう。
本発明は上述のような課題に鑑みなされたもので、要求トルクと要求効率とに従ってスロットルの開度と点火時期とを協調操作する内燃機関の制御装置において、要求トルクを要求通りに実現しつつ、実際の効率が失火限界効率を下回るような行き過ぎた点火時期の遅角を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明の内燃機関の制御装置は、
内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)と、前記内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合の要求値(以下、要求効率)とを取得し、前記要求トルク及び要求効率に従ってスロットルの開度及び点火時期を操作することによって前記内燃機関のトルクを制御する制御装置において、
前記要求効率を失火限界効率に対応する下限ガード値によって制限する下限ガード手段と、
前記要求トルクを前記下限ガード値による制限後の要求効率で除算することにより要求潜在トルクを算出する要求潜在トルク算出手段と、
前記要求潜在トルクの信号波形をフィルタによって平滑化する平滑化手段と、
前記失火限界効率と前記要求トルクとから失火限界トルクを算出し、前記フィルタによる処理後の要求潜在トルクを前記失火限界トルクに対応する上限ガード値によって制限する上限ガード手段と、
前記上限ガード値による制限後の要求潜在トルクに基づいて前記スロットルへの指示開度を決定する指示開度決定手段と、
前記指示開度に従って前記スロットルを操作した場合の推定潜在トルクに対する前記要求トルクの割合(以下、トルク効率)を算出するトルク効率算出手段と、
前記トルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期を決定する点火時期決定手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明の内燃機関の制御装置は、第1の発明の内燃機関の制御装置において、
前記トルク効率を前記失火限界効率に対応する下限ガード値によって制限する第2の下限ガード手段をさらに備え、
前記点火時期決定手段は、前記下限ガード値による制限後のトルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期を決定することを特徴としている。
第1の発明の内燃機関の制御装置では、要求効率は失火限界効率に対応する下限ガード値によって制限され、この制限された要求効率と要求トルクとから要求潜在トルクが算出される。仮に、この段階の要求潜在トルクに従ってスロットルへの指示開度を決定し、その指示開度に従ってスロットルを操作したならば、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合、すなわち、トルク効率は失火限界効率よりも高く保たれる。したがって、この場合であれば、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じてしまう可能性は少ない。
しかし、第1の発明の内燃機関の制御装置では、要求潜在トルクはフィルタに通されてその信号波形の平滑化が行なわれる。要求潜在トルクの信号波形が平滑化されることで、それに基づいて決定される指示開度の振動は抑えられ、スロットルの滑らかな操作が実現される。ところが、要求潜在トルクをフィルタに通すと、平滑化に伴って要求潜在トルクの値がフィルタ処理前よりも高くなる場合がある。その場合、スロットルが過度に開かれることで推定潜在トルクが増大し、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合、すなわち、トルク効率が失火限界効率を下回ってしまう状況が発生しうる。トルク効率が失火限界効率を下回ってしまえば、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じてしまう。
この点に関し、第1の発明の内燃機関の制御装置では、フィルタによる処理後の要求潜在トルクに対して上限ガード値による制限が加えられる。上限ガード値は、失火限界効率と要求トルクとから算出される失火限界トルクに対応しているので、上限ガード値による制限後の要求潜在トルクは失火限界トルク以下に抑えられている。したがって、上限ガード値による制限後の要求潜在トルクに従ってスロットルへの指示開度を決定し、その指示開度に従ってスロットルを操作することで、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合、すなわち、トルク効率を失火限界効率以上に保つことができる。これにより、第1の発明の内燃機関の制御装置によれば、要求トルクを要求通りに実現しつつ、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じることを防止することができる。
第2の発明の内燃機関の制御装置によれば、トルク効率に対して失火限界効率に対応する下限ガード値による制限が加えられ、その制限後のトルク効率に基づいて点火時期が決定されるので、定常状態のみならず過渡状態においても、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じることを確実に防止することができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の内燃機関の制御装置の利点を説明するための図である。 本発明の実施の形態の内燃機関の制御装置の利点を説明するための図である。 図1の制御装置の一変形例の構成を示すブロック図である。 特許文献1の開示内容から導き出される内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 図5の制御装置の一変形例の構成を示すブロック図である。 図5の制御装置にフィルタを追加した構成を示すブロック図である。 図6の制御装置にフィルタを追加した構成を示すブロック図である。 図7の制御装置の構成及び図8の制御装置の構成がそれぞれ有する問題点について説明するための図である。 図7の制御装置の構成及び図8の制御装置の構成がそれぞれ有する問題点について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図1、図2及び図3を参照して説明する。
図1は本実施の形態の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態において制御対象とされる内燃機関は、火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。制御装置は、内燃機関に備えられるアクチュエータを操作することで内燃機関の運転を制御する。制御装置が操作可能なアクチュエータには、点火装置、スロットル、燃料噴射装置、可変バルブタイミング機構、EGR装置等が含まれる。ただし、本実施の形態において制御装置が操作するのはスロットルと点火装置であり、制御装置はこれら2つのアクチュエータを操作して内燃機関が出力するトルクを制御する。制御装置によるスロットルの操作量はスロットル開度(以下、TAと表記する場合もある)であり、点火装置の操作量は点火時期(以下、SAと表記する場合もある)である。制御装置は、内燃機関に対して各操作量の指令値、すなわち、指令開度(TA)と指令点火時期(SA)とを出力する。
図1に示すように、本実施の形態の制御装置は要求トルクと要求効率とを取得する。車両の制御系統において、本実施の形態の制御装置の上位にはパワートレインマネージャ(図示省略)が配置されており、要求トルク及び要求効率はそのパワートレインマネージャから制御装置に入力されるようになっている。入力される要求トルクには、アクセルペダルの開度から計算されるドライバ要求トルクの他、車両制御上の必要性からVSCやTRCといった各種制御デバイスからの要求トルクも含まれている。効率は内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合であり、要求効率はその要求値である。効率の最大値は1であり、そのときには内燃機関が出力しうる潜在トルクがそのまま実際に出力されることになる。効率が1よりも小さい場合には、実際に出力されるトルクは内燃機関が出力しうる潜在トルクよりも小さく、その余裕分は主に熱となって内燃機関から出力されることになる。したがって、例えば触媒暖機のように積極的に排気温度を上げたいような場合には、効率が1よりも小さくなるようなアクチュエータ操作を行えばよい。
本実施の形態の制御装置は、取得した要求トルクと要求効率を除算器2に入力し、要求効率によって要求トルクを除算する。ただし、除算器2に入力する要求効率は下限ガード部12を通したものとする。下限ガード部12では、失火限界効率に対応する下限ガード値によって要求効率の制限が行なわれる。失火限界効率の値は固定ではなく、空燃比や要求トルク等の運転条件に応じて設定される。
本実施の形態の制御装置は、要求トルクを要求効率で除算して得られたトルク値(trq1)をフィルタ16に通し、さらに、フィルタ16を通った後のトルク値(trq2)を上限ガード部18に通す。フィルタ16はスロットル開度計算用トルク(trq1)の信号波形を平滑化することが可能なものであればよく、例えばローパスフィルタをフィルタ16として使用することができる。上限ガード部18は、フィルタ16による処理後のスロットル開度計算用トルク(trq2)を上限ガード値によって制限する。上限ガード値は失火が生じる限界の値(失火限界トルク)に対応していて、その値は要求トルクを失火限界効率で除算することによって得られる。失火限界トルクの設定に使用される失火限界効率は、下限ガード部12で用いられるのと同値であって、空燃比等の運転条件に応じて設定される。
スロットル開度計算部4には上限ガード値によって制限されたスロットル開度計算用トルク(trq3)が入力される。スロットル開度計算部4は、入力されたトルク値(trq3)を筒内空気量(或いは充填効率)の値に変換し、さらに、スロットルへの指示開度(TA)に変換する。トルク値(trq3)の筒内空気量への変換には、トルク−空気量変換マップが用いられる。トルク−空気量変換マップでは、点火時期が最適点火時期であることを前提にして、トルクと空気量とが種々の機関情報をキーにして関連付けられている。筒内空気量の指示開度への変換には、エアモデルの逆モデルが用いられる。エアモデルはスロットルの動作に対する筒内空気量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した吸気系の物理モデルである。その逆モデルによって算出されたスロットル開度は要求され筒内空気量の達成に必要なスロットル開度であり、制御装置はそれを指示開度としてスロットルに出力する。
本実施の形態の制御装置は、上記の処理と並行して、実際のスロットル開度(実TA)に基づいた推定潜在トルクの計算をトルク推定部6にて実施する。そして、推定潜在トルクを要求トルクとともに除算器8に入力し、要求トルクの推定潜在トルクに対する割合をトルク効率として算出する。ただし、点火時期の計算に使用するトルク効率は下限ガード部14を通したものとされる。下限ガード部14では、失火限界効率に対応する下限ガード値によってトルク効率の制限が行なわれる。ここで使用される失火限界効率は、下限ガード部12で用いられるのと同値であって、空燃比等の運転条件に応じて設定される。点火時期計算部10は、下限ガード値によって制限されたトルク効率に基づいて要求トルクの実現に必要な点火時期(SA)を決定する。点火時期の決定においては、トルク効率が1であれば点火時期の最適点火時期からの遅角量はゼロとされ、トルク効率が1よりも小さいほど点火時期の最適点火時期からの遅角量は大きくされる。
以上説明した構成を採ることで、本実施の形態の制御装置には次に説明するような利点がある。図2及び図3は、その利点について説明するための図であり、それぞれ図1に示す構成で生じる要求トルク、要求効率及びスロットル開度計算用トルクの時間変化を示している。
図2に示す例では、要求効率は一定のまま、ある時点から要求トルクのみが低下し始めている。この例では、要求効率は常に失火限界効率よりも高くなっている。このため、失火限界効率による要求効率の制限は行われず、そのままの要求効率がスロットル開度計算用トルク(trq1)の計算に用いられる。スロットル開度計算用トルク(trq1)は、常に、失火限界トルクよりも低く保たれている。
ところが、フィルタ16により処理されることで、スロットル開度計算用トルク(trq2)の信号波形は平滑化され、その変化速度は緩められる。このため、要求トルクの低下によって失火限界トルクが低下している場面では、失火限界トルクの低下速度よりもスロットル開度計算用トルク(trq2)の減少速度のほうが遅くなり、やがてスロットル開度計算用トルク(trq2)が失火限界トルクを超えてしまう可能性がある。
一方、図3に示す例では、要求トルクは一定のまま、ある時点から要求効率のみが上昇し始めている。この例では、要求効率はある時点までは失火限界効率を下回っており、上昇をし始めて暫くしてから失火限界効率よりも高くなっている。要求効率が失火限界効率を下回っている間は、失火限界効率によるガード後の値によってスロットル開度計算用トルク(trq1)が計算される。そして、要求効率が失火限界効率よりも高くなってからは、そのままの要求効率がスロットル開度計算用トルク(trq1)の計算に用いられる。スロットル開度計算用トルク(trq1)は、常に、失火限界トルクよりも低く保たれている。
しかし、この場合もフィルタ16により処理されることで、スロットル開度計算用トルク(trq2)の信号波形は平滑化され、その変化速度は緩められる。このため、失火限界効率の上昇によって失火限界トルクが低下している場面では、失火限界トルクの低下速度よりもスロットル開度計算用トルク(trq2)の減少速度のほうが遅くなり、やがてスロットル開度計算用トルク(trq2)が失火限界トルクを超えてしまう可能性がある。
しかし、本実施の形態の制御装置によれば、図2に示す例と図3に示す例の何れの場合でも、フィルタ16による処理後のスロットル開度計算用トルク(trq2)に対して上限ガード値による制限が加えられる。上限ガード値は、失火限界効率と要求トルクとから算出される失火限界トルクに対応しているので、上限ガード値による制限後のスロットル開度計算用トルク(trq3)は失火限界トルク以下に抑えられる。したがって、上限ガード値による制限後のスロットル開度計算用トルク(trq3)に従ってスロットルへの指示開度(TA)を決定し、その指示開度(TA)に従ってスロットルを操作することで、推定潜在トルクに対する要求トルクの割合、すなわち、トルク効率を失火限界効率以上に保つことができる。
以上述べたことから明らかなように、本実施の形態の制御装置によれば、要求トルクを要求通りに実現しつつ、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じることを防止することができる。さらに、本実施の形態の制御装置によれば、トルク効率に対して失火限界効率に対応する下限ガード値による制限が加えられ、その制限後のトルク効率に基づいて点火時期が決定されるので、定常状態のみならず過渡状態においても、行き過ぎた点火時期の遅角によって失火が生じることを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、図1に示す構成から下限ガード部14を省略することもできる。図1に示す制御装置から下限ガード部14を省略した場合の構成を図4に示す。
2 除算器(要求潜在トルク算出手段)
4 スロットル開度計算部(指示開度決定手段)
6 トルク推定部
8 除算器(トルク効率算出手段)
10 点火時期計算部(点火時期決定手段)
12 下限ガード部(下限ガード手段)
14 下限ガード部(第2の下限ガード手段)
16 フィルタ(平滑化手段)
18 上限ガード部(上限ガード手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)と、前記内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合の要求値(以下、要求効率)とを取得し、前記要求トルク及び要求効率に従ってスロットルの開度及び点火時期を操作することによって前記内燃機関のトルクを制御する制御装置において、
    前記要求効率を失火限界効率に対応する下限ガード値によって制限する下限ガード手段と、
    前記要求トルクを前記下限ガード値による制限後の要求効率で除算することにより要求潜在トルクを算出する要求潜在トルク算出手段と、
    前記要求潜在トルクの信号波形をフィルタによって平滑化する平滑化手段と、
    前記失火限界効率と前記要求トルクとから失火限界トルクを算出し、前記フィルタによる処理後の要求潜在トルクを前記失火限界トルクに対応する上限ガード値によって制限する上限ガード手段と、
    前記上限ガード値による制限後の要求潜在トルクに基づいて前記スロットルへの指示開度を決定する指示開度決定手段と、
    前記指示開度に従って前記スロットルを操作した場合の推定潜在トルクに対する前記要求トルクの割合(以下、トルク効率)を算出するトルク効率算出手段と、
    前記トルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期を決定する点火時期決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記トルク効率を前記失火限界効率に対応する下限ガード値によって制限する第2の下限ガード手段をさらに備え、
    前記点火時期決定手段は、前記下限ガード値による制限後のトルク効率に基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期を決定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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