JP2010249018A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】要求トルクと要求効率とがともに増大した場合に生じる筒内空気量の応答遅れを抑えることによって内燃機関のトルク応答性を向上させる。
【解決手段】要求トルクを要求効率で除算して得られるKL用嵩上げトルク(要求潜在トルク)と要求トルクとの差分ΔTrqを算出する。要求トルクに差分ΔTrqの前回値を加算した値とKL用嵩上げトルクとを比較し、後者が前者以下の大きさになった場合には、差分ΔTrqの前回値を初期値としてトルク補正量を設定する。そして、KL用嵩上げトルクにトルク補正量を加算した値を用いて要求筒内空気量を算出し、要求筒内空気量からスロットルに向けた開度指令値を算出する。トルク補正量の値は、前記の初期値からゼロまで徐々に減少させていく。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、スロットルの開度と点火時期とによって動作を制御される内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関のトルクの制御方法として、要求トルクに基づいてスロットル開度と点火時期とを協調制御するいわゆるトルクデマンド制御が知られている。特開2006−138300号公報に開示されている技術もそのようなトルクデマンド制御に関するものである。この公報に開示された技術では、要求トルクとは別にトルクリザーブのためのトルク余裕値が入力され、要求トルクとトルク余裕値とに基づいてスロットル開度と点火時期とを算出している。詳しくは、要求トルクにトルク余裕値を加算した値からスロットル開度を算出している。また、要求トルクと、要求トルクにトルク余裕値を加算した値との比から点火時期の遅角量を算出している。
特開2006−138300号公報
要求トルクは内燃機関に実際に出力させるトルクに関する要求値であり、要求トルクにトルク余裕値を加算した値は内燃機関が出力しうる潜在トルクに関する要求値であると言うことができる。ここで、内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合を効率と呼び、その要求値を要求効率と呼ぶとするならば、要求トルクにトルク余裕値を加算した値は要求トルクを要求効率で除算した値に相当する。以下に記載する従来技術(特開2006−138300号公報の技術)が有する問題の説明では、適宜、要求トルク及びトルク余裕値という用語に代えて、要求トルク及び要求効率という用語を用いるものとする。
従来技術において問題が生じるのは、要求トルクの増大にあわせて要求効率も増大した場合(言い換えれば、要求トルクの増大にあわせてトルク余裕値が減少した場合)である。要求トルクの変化に対する要求効率の変化の程度によっては、要求トルクが増大したのとは逆に要求潜在トルク(言い換えれば、要求トルクにトルク余裕値を加算した値)は一時的に減少する場合がある。要求潜在トルクが減少すれば、要求潜在トルクの実現のために要求される筒内空気量も一旦減量する方向に変化し、それを実現するようにスロットルは一時的に閉方向に操作される。しかし、スロットルの操作に対する筒内空気量の応答には遅れがあるため、スロットルの閉側への動作によって減少した筒内空気量は直ぐには増大には転じず、暫くたってから増大し始めることになる。
以上のような要求トルク、要求効率、要求筒内空気量、そして、実際筒内空気量の動きを時間軸に沿って示したチャートが図4である。図4には、点火時期の遅角量と実際に実現されるトルクの動きも併せて示されている。従来技術によれば、要求効率の増大にともなって点火時期は進角されることになり、点火時期の進角はトルクを増大させる方向に作用する。しかし、筒内空気量の応答が遅いために、実際に実現されるトルクは要求トルクが増大してから、すなわち、トルクの増大が要求されてから大きく遅れて増大し始めることになる。図4からも明らかなように、従来技術には、要求トルクと要求効率とがともに増大した場合に生じるトルク応答性の低下という問題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の制御装置に関し、要求トルクと要求効率とがともに増大した場合に生じる筒内空気量の応答遅れを抑えることによって内燃機関のトルク応答性を向上させることを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、スロットルの開度と点火時期とによってトルクを制御可能な内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)を取得する要求トルク取得手段と、
前記内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合の要求値(以下、要求効率)を取得する要求効率取得手段と、
前記要求トルクを前記要求効率で除算することにより要求潜在トルクを算出する要求潜在トルク算出手段と、
前記要求潜在トルクの実現に必要な筒内空気量(以下、要求筒内空気量)を算出する要求筒内空気量算出手段と、
前記要求筒内空気量に基づいて前記スロットルへ向けた開度指令値を算出する開度指令値算出手段と、
前記開度指令値に従って前記スロットルを操作した場合の潜在トルクを算出し、そのトルクと前記要求トルクとのずれに基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期の遅角量を算出する点火時期遅角量算出手段と、
前記要求トルクは増大するが、同時期或いはその前後の時期に生じた前記要求効率の増大により前記要求潜在トルクは減少する場合、前記要求潜在トルクから前記開度指令値が算出されるまでの演算過程で用いられる所定のパラメータを補正することで、前記スロットルの閉側への動作を抑制するスロットル閉動作抑制手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記スロットル閉動作抑制手段は、
前記要求潜在トルクの前回値と前記要求トルクとの差分を算出する手段と、
前記要求トルクに前記差分の前回値を加算した値と前記要求潜在トルクとを比較し、後者が前者以下の大きさになった場合には、前記差分の前回値を初期値としてトルク補正量を設定する手段と、
前記要求筒内空気量の算出に使用される前記要求潜在トルクの値に前記トルク補正量を加算する手段と、
前記トルク補正量を初期値からゼロまで徐々に減少させていく手段と、
を備えることを特徴としている。
第3の発明は、第2の発明において、
前記差分がゼロよりも大きい値の場合には点火時期の遅角を許可し、前記差分がゼロ以下の値の場合には点火時期の遅角を禁止する判定手段をさらに備え、
前記点火時期遅角量算出手段は、前記判定手段による判定結果に従って点火時期の遅角量を算出することを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、
前記点火時期遅角量算出手段は、点火時期の遅角が禁止されていた状態で点火時期の遅角が許可された場合には、点火時期の遅角量の算出値をゼロから前記要求トルクの実現に必要な値まで徐々に増加させることを特徴としている。
第5の発明は、第1の発明において、
前記開度指令値算出手段は、前記要求筒内空気量が変化した場合には、変化後の要求筒内空気量の実現に必要な開度を超えて前記スロットルがオーバーシュート的に動作するように前記開度指令値を算出するものであり、
前記スロットル閉動作抑制手段は、前記要求トルクは増大するが、同時期或いはその前後の時期に生じた前記要求効率の増大により前記要求潜在トルクは減少する場合、前記スロットルのオーバーシュート的な動作を制限するように、その動作の実現に係るパラメータを補正することを特徴としている。
第1の発明によれば、要求トルクは増大するが、同時期或いはその前後の時期に生じた要求効率の増大により要求潜在トルクは減少する場合、要求潜在トルクから開度指令値が算出されるまでの演算過程で用いられる所定のパラメータが補正され、それによってスロットルの閉側への動作が抑制される。これにより、一時的な筒内空気量の減少は抑えられるので、要求トルクが増大してから実際のトルクが増大し始めるまでの応答遅れも改善されることになる。
第2の発明によれば、要求トルクが増大する一方で要求潜在トルクが減少する場合、その前段階で生じていた要求潜在トルクと要求トルクとの差分がトルク補正量として要求潜在トルクに加算されるので、要求潜在トルクの減少に伴う要求筒内空気量の減少は制限される。また、要求潜在トルクに加算されるトルク補正量はゼロに向けて徐々に減少されていくので、要求筒内空気量は徐々に本来の値に近づけられていく。このように要求筒内空気量が変化することでスロットルが閉側に動作することがなくなり、一時的な筒内空気量の減少は防止される。この場合、筒内空気量から決まる潜在トルクは要求トルクを超えることになるが、そのずれに基づいて要求トルクの実現に必要な点火時期の遅角量が算出される。したがって、第2の発明によれば、要求トルクと要求効率とがともに増大した場合であっても要求トルクを高い精度で実現することできる。
第3の発明によれば、点火時期の遅角によるトルク調整機能が要求される場合のみ点火時期の遅角が許可されるので、不用意な点火時期の遅角による燃費の悪化を防止することができる。
第4の発明によれば、点火時期の遅角が禁止された状態から点火時期の遅角を許可する状態へ移行するときのトルクの連続性を保つことができる。
第5の発明によれば、スロットルのオーバーシュート的な動作が制限されることによって、要求トルクの増大に反した一時的な筒内空気量の減少は抑えられる。
本発明が適用される内燃機関の制御システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかるトルク制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態2にかかるトルク制御を説明するための図である。 従来技術の問題点について説明するための図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図1及び図2を参照して説明する。
図1は本発明が適用される内燃機関の制御システムの概略構成を示すブロック図である。このシステムにおいて制御対象とされる内燃機関は、火花点火式の4サイクル内燃機関である。制御装置は、内燃機関に備えられるアクチュエータを操作することで内燃機関の運転を制御する。制御装置が操作可能なアクチュエータには、点火装置、スロットル、燃料噴射装置、可変バルブタイミング機構、EGR装置等が含まれる。ただし、本実施の形態において制御装置が操作するのはスロットルと点火装置であり、制御装置はこれら2つのアクチュエータを操作して内燃機関が出力するトルクを制御する。制御装置によるスロットルの操作量はスロットル開度(以下、TAと表記する場合もある)であり、点火装置の操作量は点火時期(以下、SAと表記する場合もある)である。制御装置は、内燃機関に対して各操作量の指令値、すなわち、TA指令値とSA指令値とを出力する。
制御装置には、内燃機関の現在の運転状態を示す情報(以下、機関情報という)と、内燃機関の制御量に関する要求とが入力される。機関情報とは、機関回転数、水温、排気空燃比、各アクチュエータの現在の操作量等である。内燃機関の制御量としては、本実施の形態ではトルクと効率とが用いられる。したがって、内燃機関には要求トルクと要求効率とが入力される。ここでいう効率とは内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合である。効率の最大値は1であり、そのときには内燃機関が出力しうる潜在トルクがそのまま実際に出力されることになる。効率が1よりも小さい場合には、実際に出力されるトルクは内燃機関が出力しうる潜在トルクよりも小さく、その余裕分は主に熱となって内燃機関から出力されることになる。したがって、例えば触媒暖機のように積極的に排気温度を上げたいような場合には、効率が1よりも小さくなるようなアクチュエータ操作を行えばよい。
制御装置が行う処理は、各制御量の要求値(すなわち、要求トルクと要求効率)の各操作量の指令値(すなわち、TA指令値とSA指令値)への変換である。その変換処理には、制御対象である内燃機関の逆モデル(以下、機関逆モデルという)が使用される。機関逆モデルはマップや関数で表された複数の統計モデルや物理モデルで構成されている。前述の機関情報は機関逆モデルにおける各種の係数や引数の決定に用いられる。制御装置は、各制御量の要求値を各操作量の指令値に変換することによって、内燃機関のトルク制御を行う。
図2は本実施の形態の制御装置によって実施される内燃機関のトルク制御を説明するための図である。以下では、本実施の形態にかかるトルク制御の内容について、要求トルク及び要求効率のTA指令値及びSA指令値への変換処理の手順と合わせて説明する。
制御装置は、まず、外部から入力される要求トルク及び要求効率を取得する。図2の最上段のチャートには制御装置に入力される要求トルク(以下、少なくとも図2に関してはトルクとは図示トルクを意味する)の時間変化を示し、2段目のチャートには制御装置に入力される要求効率の時間変化を示している。ここでは、要求トルクは時点t1から時点t2までは一定の速度で低下し、時点t2から時点t3までは一定となり、時点3からは一定の速度で増大している。一方、要求効率は時点t2までは最大値の1とされ、時点t2である値に低下し、時点t2から時点t3までは一定となり、時点t3で再び最大値の1に増大している。
制御装置は、次に、要求トルクを要求効率で除算することによって要求潜在トルクを算出する。制御装置は算出した要求潜在トルクを空気量算出用トルクとして使用する。図2の3段目のチャートには空気量算出用トルクの時間変化を示している。また、比較のために要求トルクの時間変化を点線で示している。時点t2から時点t3までの間は、要求効率が1よりも下げられることで、空気量算出用トルクは要求トルクよりもかさ上げされることになる。そして、時点t3において再び要求効率が1まで上げられることで、空気量算出用トルクは一時的に低下する。しかし、時点t3から要求トルクが増大されることで、要求トルクの増大に合わせてすぐさま空気量算出用トルクは増大していく。
制御装置は、空気量算出用トルクを筒内空気量(以下、要求筒内空気量という)に変換し、さらに、要求筒内空気量の達成に必要なスロットル開度を算出する。しかし、図2における時点t3以降に関しては、空気量算出用トルクをそのまま要求筒内空気量の算出に用いるのは望ましくない。時点t3以降の空気量算出用トルクの挙動はスロットルの操作によっては実現することはできないからである。時点t3において空気量算出用トルクが低下すると、要求筒内空気量も一旦減量する方向に変化し、それを実現するようにスロットルは一時的に閉方向に操作される。その後、空気量算出用トルクの増大に合わせて要求筒内空気量も増大していくが、スロットルの閉側への動作によって減少した筒内空気量は直ぐには増大には転じず、暫くたってから増大し始めることになる。スロットルの操作に対する筒内空気量の応答には遅れがあるからである。したがって、空気量算出用トルクをそのまま要求筒内空気量の算出に使用した場合には、実トルクは要求トルクよりも大きく遅れて増大することになりトルク応答性が著しく損なわれてしまうことになる。
そこで、制御装置は、空気量算出用トルクをそのまま要求筒内空気量の算出に用いるのではなく、空気量算出用トルクに対して下限ガード処理を実施する。下限ガード処理は、空気量算出用トルクに下限ガード値を加算することで、増大直前の空気量算出用トルクの一時的な減少を防止する処理である。下限ガード値の算出には、空気量算出用トルクと要求トルクとの偏差(以下、ΔTrqという)が用いられる。ただし、空気量算出用トルクが算出されるのは、要求トルクが取得されたステップの次のステップとなるので、ΔTrqの計算には空気量算出用トルクの前回値と要求トルクの今回値とが用いられる。図2の4段目のチャートにはΔTrqの時間変化を示している。ΔTrqは要求効率が1の場合にはゼロであり、要求効率が1よりも小さくなることで発生する。
制御装置は、ある条件が満たされた場合に、ΔTrqを用いた下限ガード処理を開始する。その条件とは、空気量算出用トルクの今回値が、要求トルクの今回値に偏差ΔTrqの前回値を加算した値以下になることである。この条件によれば、図2における時点t3での空気量算出用トルクの低下を検知することができる。条件が満たされた場合には、制御装置はΔTrqの計算を停止し、その時点でのΔTrqの値を下限ガード値の初期値として設定する。そして、図2の4段目のチャートに太線で示すように、制御装置は設定した初期値を基準にして下限ガード値を徐々に減少させていき、最終的には下限ガード値をゼロにする。下限ガード値の減少速度は可変でもよいが図2では一定速度に設定されている。時点t3以降の空気量算出用トルクには、このように設定された下限ガード値が加算されることになる。
図2の5段目のチャートには下限ガード後の空気量算出用トルクの時間変化を示している。また、比較のために下限ガード前の空気量算出用トルクの時間変化を点線で示している。前述の下限ガード値が加算されることにより、下限ガード後の空気量算出用トルクは時点t3で一時的に低下することがなく、時点t3からすみやかに増大し始める。さらに、下限ガード値はゼロに向けて徐々に減少されていくので、下限ガード後の空気量算出用トルクは徐々に本来の値に近づけられていく。そして、下限ガード値がゼロとなる時点t4において下限ガード後の空気量算出用トルクは本来の値に一致する。
制御装置は、下限ガード後の空気量算出用トルクをトルク−空気量変換マップに当てはめることで要求筒内空気量を算出する。トルク−空気量変換マップでは、点火時期がMBTであることを前提にして、トルクと空気量とが種々の機関情報をキーにして関連付けられている。次に、制御装置は、要求筒内空気量をエアモデルの逆モデルに入力してスロットル開度を算出する。エアモデルはスロットルの動作に対する筒内空気量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した吸気系の物理モデルである。その逆モデルによって算出されたスロットル開度は要求筒内空気量の達成に必要なスロットル開度であり、制御装置はそれをTA指令値として内燃機関に出力する。
また、制御装置は、現在のスロットル開度において点火時期MBTに設定したならば得られるトルク(以下、実MBTトルクという)を算出する。前述のエアモデルを用いて現在のスロットル開度にて実現可能な筒内空気量を算出し、それを前述のトルク−空気量変換マップを用いてトルクに変換したものが実MBTトルクである。この実MBTトルクには、現在の運転条件において内燃機関が潜在的に出力しうるトルク(潜在トルク)という側面もある。
図2の6段目のチャートには実MBTトルク(図では実トルク@MBTと表記している)の時間変化を示している。また、比較のために下限ガード後の空気量算出用トルクの時間変化を破線で示し、要求トルクの時間変化を点線で示している。TA指令値は下限ガード後の空気量算出用トルクを実現するように設定されるので、理屈上では実MBTトルク(実線)と下限ガード後の空気量算出用トルク(破線)とは一致するはずである。しかし、図2に示すように、実線と破線との間には時間軸方のずれが存在する。このずれは、スロットルの操作に対する筒内空気の応答遅れに起因したずれである。また、時点t2において破線はステップ上に増大しているが、実線は時点t2から徐々に増大している。この違いもスロットルの操作に対する筒内空気の応答遅れによるものである。
制御装置は、実MBTトルクに対する要求トルクの比(以下、トルク効率という)を算出し、点火時期マップを用いてトルク効率を点火時期に変換する。点火時期マップでは、MBTに対する遅角量とトルク効率とが各種の機関情報をキーにして関連付けられている。点火時期マップによれば、トルク効率が最大値の1のときにMBTが点火時期として算出され、トルク効率が1よりも小さいほどMBTに対する点火遅角量は大きくされる。ただし、点火時期の遅角は燃費の悪化を招くため、本実施の形態では、点火時期の遅角は基本的には禁止されている。点火時期の遅角が許可されるのは、前述のΔTrqがゼロよりも大きい期間、及びΔTrqを初期値とする下限ガード値がゼロになるまでの期間に限られる。また、点火時期の遅角が禁止から許可へ切り替えられた場合、制御装置はすぐさま必要な点火遅角量を出力するのではなく、必要な点火遅角量まで徐々に増大させていく徐変処理を実施する。突然の点火時期の遅角によるトルク段差の発生を防止するためである。
図2の7段目のチャートには点火遅角量の時間変化を示している。図2では時点t2において点火時期の遅角は禁止から許可へ切り替えられ、時点t4において再び禁止に切り替えられている。また、図2からは、時点t2の直後の期間は点火遅角量を徐々に増大せる徐変処理が施されていることが分かる。比較のため、図2には徐変処理を実施していない場合の点火遅角量の変化を破線で示している。制御装置は、以上のようにして設定された点火時期をSA指令値として内燃機関に出力する。
図2の最下段のチャートには内燃機関によって実際に実現されるトルク(以下、実トルクという)の時間変化を示している。また、比較のために要求トルクの時間変化を点線で示している。図2に示す実トルクの時間変化は、上記方法にて要求トルク及び要求効率がTA指令値及びSA指令値に変換され、TA指令値及びSA指令値に従って各アクチュエータが操作された結果である。実線と破線とを比較すれば明らかなように、実トルクが要求トルクから大きくずれることはない。特に、要求トルクが増大に転じたときには、同時期の要求効率の増大によって要求潜在トルク(空気量算出用トルク)が一時的に減少したとしても、実トルクは要求トルクの増大に遅れることなく追従して増大する。これは、空気量算出用トルクを下限ガード値によって補正したことで、スロットルの閉側への動作が抑制されたことによる。
以上説明したように、本実施の形態の制御装置によれば、要求トルクと要求効率とがともに増大した場合であっても要求トルクを高い精度で実現することできる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図3を参照して説明する。
図3は本実施の形態の制御装置によって実施される内燃機関のトルク制御を説明するための図である。以下では、本実施の形態にかかるトルク制御の内容について、要求トルク及び要求効率のTA指令値及びSA指令値への変換処理の手順と合わせて説明する。
制御装置は、まず、外部から入力される要求トルク及び要求効率を取得する。図3の最上段のチャートには制御装置に入力される要求トルク(以下、少なくとも図3に関してはトルクとは図示トルクを意味する)の時間変化を示し、2段目のチャートには制御装置に入力される要求効率の時間変化を示している。ここでは、要求トルクは時点t5までは一定であり、時点5からは一定の速度で増大している。一方、要求効率は時点t5までは1よりも小さい一定値であり、時点t5で最大値の1に増大している。
制御装置は、要求トルクを要求効率で除算することによって要求潜在トルクを算出する。本実施の形態では、制御装置は要求潜在トルクをそのまま空気量算出用トルクとして使用し、前述のトルク−空気量変換マップを用いて要求筒内空気量に変換する。図3の3段目のチャートには要求筒内空気量の時間変化を示している。
次に、制御装置は、要求筒内空気量をエアモデルの逆モデル(以下、エア逆モデルという)に入力する。エア逆モデルからは、入力された要求筒内空気量の時間変化を実現するために必要なスロットルの開度の時間変化が出力される。エア逆モデルでは、スロットル開度の変化に対する筒内空気量の変化の応答遅れが考慮されている。このため、要求筒内空気量がステップ的に変化したときには、変化後の要求筒内空気量の実現に必要な開度を超えてスロットルがオーバーシュート的に動作するようにスロットル開度が算出される。スロットルをオーバーシュート的に動作させることで、筒内空気量の立ち上がり(或いは立ち下がり)を鋭くすることができる。
ところが、図3のように要求筒内空気量が変化する場合、スロットルのオーバーシュート的な動作は要求筒内空気量に対する実際筒内空気量の応答性をかえって悪化させることになる。スロットルは一旦大きく閉じられ、すぐさま開かれることになるが、スロットルを閉じることで減少した筒内空気量が再び増大に向かうまでには時間を要するからである。図3の4段目のチャートにはスロットルをオーバーシュート的に動作させたときのスロットル開度の時間変化を破線で示している。また、図3の5段目のチャートにはスロットルをオーバーシュート的に動作させたときの実際筒内空気量の時間変化を破線で示している。
そこで、制御装置は、要求トルクと要求効率とが共に増大したために、要求トルクと要求筒内空気量とが逆方向に変化するときには、スロットルのオーバーシュート的な動作を制限する(ここでいう制限には禁止も含まれる)。そのような制限は、エア逆モデルを構成する係数或いは定数のうち、スロットルのオーバーシュート的な動作に関わる係数或いは定数を補正することで達成することができる。制御装置は、このように補正されたエア逆モデルによってスロットル開度を算出し、それをTA指令値として内燃機関に出力する。図3の4段目のチャートには制御装置から出力されるTA指令値の時間変化を実線で示している。また、図3の5段目のチャートにはTA指令値に従ってスロットルを動作させたときの実際筒内空気量の時間変化を実線で示している。実線と破線とを比較すれば明らかなように、スロットルのオーバーシュート的な動作が制限されることによって、要求トルクの増大に反した一時的な筒内空気量の減少は抑えられる。
また、制御装置は、現在のスロットル開度から実MBTトルクを算出し、続いて、実MBTトルク対する要求トルクの比であるトルク効率を算出する。そして、前述の点火時期マップを用いてトルク効率を点火時期に変換する。図3の6段目のチャートには点火遅角量の時間変化を示している。制御装置は、トルク効率から変換された点火時期をSA指令値として内燃機関に出力する。
図3の最下段のチャートには内燃機関によって実際に実現される実トルクの時間変化を示している。また、比較のために、スロットルをオーバーシュート的に動作させたときの実トルクの時間変化を破線で示している。実線と破線とを比較すれば明らかなように、本実施の形態にかかるトルク制御によれば、要求トルクと要求筒内空気量とが逆方向に変化する局面であっても、実トルクは要求トルクの増大に遅れることなく追従して増大する。これは、スロットルのオーバーシュート的な動作を制限したことで、スロットルの閉側への動作が抑制されたことによる。
以上説明したように、本実施の形態の制御装置によれば、実施の形態1の制御装置と同様に、要求トルクと要求効率とがともに増大した場合であっても要求トルクを高い精度で実現することできる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。

Claims (5)

  1. スロットルの開度と点火時期とによってトルクを制御可能な内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関に出力させるトルクの要求値(以下、要求トルク)を取得する要求トルク取得手段と、
    前記内燃機関が出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合の要求値(以下、要求効率)を取得する要求効率取得手段と、
    前記要求トルクを前記要求効率で除算することにより要求潜在トルクを算出する要求潜在トルク算出手段と、
    前記要求潜在トルクの実現に必要な筒内空気量(以下、要求筒内空気量)を算出する要求筒内空気量算出手段と、
    前記要求筒内空気量に基づいて前記スロットルへ向けた開度指令値を算出する開度指令値算出手段と、
    前記開度指令値に従って前記スロットルを操作した場合の潜在トルクを算出し、そのトルクと前記要求トルクとのずれに基づいて前記要求トルクの実現に必要な点火時期の遅角量を算出する点火時期遅角量算出手段と、
    前記要求トルクは増大するが、同時期或いはその前後の時期に生じた前記要求効率の増大により前記要求潜在トルクは減少する場合、前記要求潜在トルクから前記開度指令値が算出されるまでの演算過程で用いられる所定のパラメータを補正することで、前記スロットルの閉側への動作を抑制するスロットル閉動作抑制手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記スロットル閉動作抑制手段は、
    前記要求潜在トルクの前回値と前記要求トルクとの差分を算出する手段と、
    前記要求トルクに前記差分の前回値を加算した値と前記要求潜在トルクとを比較し、後者が前者以下の大きさになった場合には、前記差分の前回値を初期値としてトルク補正量を設定する手段と、
    前記要求筒内空気量の算出に使用される前記要求潜在トルクの値に前記トルク補正量を加算する手段と、
    前記トルク補正量を初期値からゼロまで徐々に減少させていく手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記差分がゼロよりも大きい値の場合には点火時期の遅角を許可し、前記差分がゼロ以下の値の場合には点火時期の遅角を禁止する判定手段をさらに備え、
    前記点火時期遅角量算出手段は、前記判定手段による判定結果に従って点火時期の遅角量を算出することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記点火時期遅角量算出手段は、点火時期の遅角が禁止されていた状態で点火時期の遅角が許可された場合には、点火時期の遅角量の算出値をゼロから前記要求トルクの実現に必要な値まで徐々に増加させることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記開度指令値算出手段は、前記要求筒内空気量が変化した場合には、変化後の要求筒内空気量の実現に必要な開度を超えて前記スロットルがオーバーシュート的に動作するように前記開度指令値を算出するものであり、
    前記スロットル閉動作抑制手段は、前記要求トルクは増大するが、同時期或いはその前後の時期に生じた前記要求効率の増大により前記要求潜在トルクは減少する場合、前記スロットルのオーバーシュート的な動作を制限するように、その動作の実現に係るパラメータを補正することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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