JP2010001796A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置に関し、減速時のEGR率の上昇を抑えて失火を防止しつつ、減速要求に応じた減速性能を確保できるようにする。
【解決手段】減速要求が取得されたら、スロットルを閉じ方向に動作させるとともに、EGR弁も閉じ方向に動作させる。そして、スロットルを閉じていく過程においてスロットル開度から算出される実際の吸入空気量(充填効率でもよい)が燃焼限界吸入空気量KLref2まで低下したら、スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることで、吸入空気量の減少に伴うEGR率の上昇を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、スロットルとEGR弁とを吸気系に備えている内燃機関の制御装置に関する。
排気ガスを筒内に還流させるための外部EGR装置を備えた内燃機関が知られている。外部EGR装置は、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、EGR通路に設けられたEGR弁とから構成されている。筒内に還流させるEGRガスの量(以下、EGR量)はEGR弁の開度によって制御することができる。
このような外部EGR装置付の内燃機関においては、筒内ガスに占めるEGRガスの割合(以下、EGR率)を大きくしすぎると、混合ガスの燃焼が不安定になって失火が発生してしまう。失火が発生するとトルク変動によってドライバビリティを低下させるだけでなく、触媒にダメージを与えてしまう。このため、外部EGR装置付の内燃機関では、減速時、スロットルを閉じると同時にEGR弁も閉じることによって、スロットルの閉弁によって吸入空気量が減少する分、EGR量も減らすようにしている。
しかし、EGR通路におけるEGR弁の下流にはEGRガスが残留しているため、スロットルと同時にEGR弁を閉じた場合でも、残留EGRガスが筒内に流入することでEGR率は一時的に急上昇することになる。このため、定常運転時のEGR率が高く設定されていると、減速時に一時的にEGR率が急上昇したときにEGR率が燃焼限界を超えてしまうおそれがある。従来の内燃機関では、減速時の失火を防止するため、定常運転時のEGR率は燃焼限界よりも十分な余裕をもって低めに設定されていた。
EGRには、内燃機関のポンプロスを低減させて燃費を向上させる効果がある。EGRによるポンプロスの低減効果は、EGR率を高くするほど大きくすることができる。したがって、燃費の観点からはEGR率は可能な限り高く設定したいが、前述のように、減速時の失火を考慮すると定常運転時のEGR率はあまり高く設定することはできない。定常運転時のEGR率を高く設定するのであれば、何らかの方法によって減速時のEGR率の急上昇を抑える必要がある。
減速時のEGR率の急上昇を抑える技術としては、特開2006−194143号公報に記載された技術が存在する。この技術は、内燃機関に対して減速要求があった場合に、吸気圧、機関回転数及びEGR弁開度に基づいて筒内のEGR率を推定し、推定されたEGR率が所定値以下になるまでは減速要求時のスロットル開度を維持するようにしたものである。この技術によれば、吸気通路内の残留EGRガスが十分に少なくなってからスロットルが閉じられるので、吸入空気量の減少に伴う相対的なEGR率の上昇を低く抑えることができる。
特開2006−194143号公報
しかしながら、特開2006−194143号公報に記載の技術は、内燃機関の減速性能を犠牲にしている点において問題がある。この技術では、減速要求があった場合に直ぐにスロットルを閉じるのではなく、暫くは減速要求時のスロットル開度を維持するため、その分、機関回転数の低下が遅れることになる。失火を防止する上で減速時のEGR率の急上昇を抑えることは重要ではあるが、それにより減速性能が低下してしまうことはドライバリティの観点からは好ましくない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、減速時のEGR率の上昇を抑えて失火を防止しつつ、減速要求に応じた減速性能を確保できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関への減速要求を取得する減速要求取得手段と、
前記減速要求が取得されたときには前記スロットルを閉じ方向に動作させ、前記減速要求の大きさから決まる最終スロットル開度と前記減速要求の取得時点でのスロットル開度との中間開度まで前記スロットルを閉じたときに、前記スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させる吸気制御手段と、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記内燃機関の筒内に流入するEGRガスの量(以下、EGR量)を算出するEGR量算出手段と、
前記EGR量に基づいて前記内燃機関の燃焼限界に対応する燃焼限界充填効率を算出する燃焼限界充填効率算出手段と、
前記内燃機関への減速要求を取得する減速要求取得手段と、
前記減速要求が取得されたときには前記スロットルを閉じ方向に動作させ、前記スロットルの開度から算出される実際の充填効率が前記燃焼限界充填効率まで低下したら、前記スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させる吸気制御手段と、
を備えることを特徴としている。
そして、第3の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関への減速要求を示す信号を取得する減速要求取得手段と、
前記減速要求信号を複数のパラメータを経由して前記スロットルの制御信号に変換する吸気制御手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記内燃機関の筒内に流入するEGRガスの量(以下、EGR量)を算出するEGR量算出手段と、
前記EGR量に基づいて前記内燃機関の燃焼限界に対応する燃焼限界充填効率を算出する燃焼限界充填効率算出手段と、
前記複数のパラメータの中の所定のパラメータの値を充填効率に換算し、当該換算充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、充填効率を前記燃焼限界充填効率以上とするように前記所定パラメータの値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、
前記吸気制御手段は、
前記減速要求信号に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
前記目標トルクから目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、
前記目標充填効率から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、
前記目標スロットル開度に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を有し、
前記補正手段は、前記目標充填効率を前記所定パラメータとして使用し、前記目標充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、前記目標充填効率を前記燃焼限界充填効率以上の値に補正することを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、
前記補正手段は、前記目標充填効率を下限値でガードする手段であって、前記燃焼限界充填効率を下限値として設定することを特徴としている。
第6の発明は、第3の発明において、
前記吸気制御手段は、
前記減速要求信号に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
前記目標トルクから目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、
前記目標充填効率から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、
前記目標スロットル開度に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を有し、
前記補正手段は、前記目標トルクを前記所定パラメータとして使用し、前記目標トルクから換算される充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、当該換算充填効率に対する前記燃焼限界充填効率の比に基づいて前記目標トルクを補正することを特徴としている。
第7の発明は、第4乃至第6の何れか1つの発明において、
点火時期を最適点火時期に設定したときの推定トルクを実際のスロットル開度に基づいて計算する推定トルク計算手段と、
前記減速要求信号に基づいて設定された目標トルクと前記推定トルクとの比をトルク効率として算出するトルク効率算出手段と、
前記トルク効率を用いて最適点火時期に対する点火遅角量を算出し、前記点火遅角量に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第8の発明は、第7の発明において、
前記内燃機関は複数の気筒を有する内燃機関であって、
前記目標充填効率と前記EGR量とに基づいて点火時期の遅角限界値を設定する遅角限界設定手段と、
点火時期の遅角を前記遅角限界値で制限する遅角制限手段と、
点火時期を前記遅角限界値に設定したときの遅角限界トルクを算出する遅角限界トルク算出手段と、
前記遅角限界トルクが前記目標トルクよりも大きいときには、そのトルク差に応じて一部の気筒を休止させる気筒休止手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第9の発明は、第7の発明において、
前記内燃機関は排気弁の開弁時期を変更可能な内燃機関であって、
前記目標充填効率と前記EGR量とに基づいて点火時期の遅角限界値を設定する遅角限界設定手段と、
点火時期の遅角を前記遅角限界値で制限する遅角制限手段と、
点火時期を前記遅角限界値に設定したときの遅角限界トルクを算出する遅角限界トルク算出手段と、
前記遅角限界トルクが前記目標トルクよりも大きいときには、そのトルク差に応じて前記排気弁の開弁時期を変更する排気弁制御手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、減速要求があった場合にスロットルを最終スロットル開度まで一気に閉じるのではなく、中間開度においてその閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることで、減速過程での充填効率の減少を一時的に停止或いは鈍化させることができる。これによれば、EGR弁の閉弁後に残留EGRガスが筒内に流入したときのEGR率の上昇を抑えることが可能であり、その分、定常運転時のEGR率を高く設定することができる。また、この発明によれば、減速要求を取得したら一旦スロットルを中間開度まで閉じることで、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすことができる。つまり、この発明によれば、燃費性能と減速性能とを両立させることができる。
第2の発明によれば、減速要求があった場合にスロットルを最終スロットル開度まで一気に閉じるのではなく、EGR量に基づいて燃焼限界充填効率を算出し、その燃焼限界充填効率まで充填効率が低下した時点でスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることで、減速過程での充填効率の減少を一時的に停止或いは鈍化させることができる。これによれば、充填効率の減少によってEGR率が燃焼限界を超えてしまうことを防止することが可能であり、その分、定常運転時のEGR率を高く設定することができる。また、この発明によれば、減速要求の取得後、充填効率が燃焼限界充填効率になるまではスロットルを閉じることができるので、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすことができる。つまり、この発明によれば、燃費性能と減速性能とを両立させることができる。
また、第3の発明によれば、内燃機関への減速要求があった場合、その減速要求信号を複数のパラメータを経由してスロットルの制御信号に変換する。その際、複数のパラメータのうち所定のパラメータの値を充填効率に換算し、その換算充填効率がEGR量に基づく燃焼限界充填効率よりも小さくなったときには、充填効率を燃焼限界充填効率以上とするように当該所定パラメータの値を補正する。このような補正処理を行うことで、スロットルを最終スロットル開度まで閉じていく過程においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることができる。その結果、減速過程での充填効率の減少は、充填効率が燃焼限界充填効率を下回る直前において一時的に停止或いは鈍化することになり、EGR率の急上昇による失火の発生は防止される。したがって、この発明によれば、減速時のEGR率の上昇が抑えられる分、定常運転時のEGR率を高く設定することができる。また、この発明によれば、減速要求の取得後、所定パラメータの値から換算される充填効率が燃焼限界充填効率よりも小さくなるまではスロットルを閉じることができるので、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすことができる。つまり、この発明によれば、燃費性能と減速性能とを両立させることができる。
第4の発明によれば、目標充填効率から算出された目標スロットル開度に基づいてスロットルの制御信号が生成されることから、目標充填効率はスロットルの動作によって実現される充填効率の将来値に相当する。したがって、目標充填効率が燃焼限界充填効率よりも小さくなったら目標充填効率を燃焼限界充填効率以上の値に補正することによって、実際に充填効率が燃焼限界充填効率を下回る直前においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させ、充填効率が燃焼限界充填効率を下回ってしまうことを確実に予防することができる。
第5の発明によれば、目標充填効率を補正するためには、目標充填効率とその下限値である燃焼限界充填効率とを比較し、目標充填効率と燃焼限界充填効率の何れか大きいほうを選択するだけでよいので、補正処理に要する計算を簡素化することができ、制御装置の計算負荷を抑えることができる。
第6の発明によれば、目標トルクから目標充填効率が算出され、目標充填効率から算出された目標スロットル開度に基づいてスロットルの制御信号が生成されることから、目標トルクから換算される充填効率はスロットルの動作によって実現される充填効率の将来値に相当する。したがって、その換算充填効率が燃焼限界充填効率よりも小さくなったら当該換算充填効率に対する燃焼限界充填効率の比に基づいて目標トルクを補正することによって、実際に充填効率が燃焼限界充填効率を下回る直前においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させ、充填効率が燃焼限界充填効率を下回ってしまうことを確実に予防することができる。
第7の発明によれば、実際のスロットル開度で実現できるトルクが内燃機関の推定トルクとして算出され、推定トルクと目標トルクとの比であるトルク効率に基づいて最適点火時期に対する点火遅角量が算出される。したがって、EGR率が燃焼限界を超えないようにスロットルの閉動作が一時的に停止或いは鈍化させられた場合には、それによるトルクの低下の遅れを補償するように自動的に点火時期が遅角されることになる。したがって、この発明によれば、減速時のEGR率の上昇を抑えて失火を防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
第8の発明によれば、目標充填効率とEGR量とに基づいて設定される遅角限界値によって点火時期の遅角が制限された場合には、遅角限界値に対応する遅角限界トルクと目標トルクとのトルク差に応じて一部の気筒が休止されることになる。したがって、この発明によれば、EGR率の急上昇による失火だけでなく点火時期の過遅角による失火も確実に防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
第9の発明によれば、目標充填効率とEGR量とに基づいて設定される遅角限界値によって点火時期の遅角が制限された場合には、遅角限界値に対応する遅角限界トルクと目標トルクとのトルク差に応じて排気弁の開弁時期が変更されることになる。したがって、この発明によれば、EGR率の急上昇による失火だけでなく点火時期の過遅角による失火も確実に防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
本発明の実施の形態についての説明に先立ち、各実施の形態に共通する本発明のポイントについて図1及び図2を用いて説明する。
図1は吸入空気量(以下、空気量)とEGR量と燃焼限界EGR率との関係を示すグラフである。なお、本明細書でいう吸入空気量(空気量)とは、1サイクルあたりの筒内吸入空気量のことであって、単位時間当たりに流れる空気量(空気流量)とは異なる。この吸入空気量を無次元化した充填効率や負荷率を用いてもよい。図中の実線は空気量の各値における燃焼限界EGR率を示す線であって、この線よりも下側の領域が燃焼可能な領域となる。そして、この線よりも上側の領域が失火領域となる。図中の各破線はEGR量を一定としたときの空気量とEGR率との関係を示す線である。EGR量の大小に応じて空気量とEGR率との関係は変化する。
ここで、空気量とEGR量とで定まる内燃機関の運転状態が図1のグラフ上では点P0に位置していたとする。この状態で運転者から減速要求があった場合には、その減速要求の大きさに応じてスロットルを閉じ方向に動作させ、空気量を現在のKL0から減少させる。減速要求通りにスロットルを閉じたときの最終的な空気量をKLrefとする。
減速時には外部EGR装置のEGR弁も閉じられる。しかし、EGR通路におけるEGR弁の下流にはEGRガスが残留しているため、筒内に流入するEGR量は直ぐには低下しない。このため、スロットルを一気に閉じて空気量をKLrefまで低下させてしまうと、図1のグラフ上に点P1で示すように、EGR率が燃焼限界EGR率を超えて失火領域に入ってしまう。
そこで、本発明では、空気量をKL0からKLrefまで一気に減少させるのではなく、図1のグラフ上に点P2で示すように、EGR率が燃焼限界EGR率を超える手前のKLref2まで減少させるようにした。そして、図1のグラフ上に点P3で示すように、EGR量が低下するのを待ってから、空気量をKLref2からKLrefまで減少させるようにした。このような空気量の変化はスロットルを用いた吸気制御によって実現することができる。本発明では、減速途中においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることによって上記のような空気量の変化を実現した。
図2は減速時の機関回転数、空気量、EGR弁の開閉状態、EGR量及びEGR率の各時間変化を示すタイムチャートである。空気量に関しては本発明に係る吸気制御を実施したときの時間変化を実線で示し、従来制御による時間変化を破線で示している。また、本発明に係る吸気制御によって実現されるEGR率の時間変化を実線で示し、従来制御の場合のEGR率の時間変化を破線で示している。
図2に示すように、本発明に係る吸気制御によれば、空気量を減少させていく過程の途中で空気量の減少速度が一旦落とされるので、EGR量の減少の遅れによるEGR率の上昇を抑えることが可能であり、その分、定常運転時のEGR率を高く設定することができる。これに対し、従来制御の場合には減速時には空気量の急減に伴ってEGR率が急上昇することから、定常運転時のEGR率はあまり高く設定することができない。つまり、従来制御と比較した場合、本発明に係る吸気制御を実施することで定常運転時のEGR率を従来よりも高く設定することが可能になる。
なお、図2では空気量は二段階に減少しているが、これは本発明の吸気制御によって実現される空気量変化の形態の一例にすぎない。たとえば、スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させた後、スロットルを緩やかに開いていくのであれば、空気量の減少速度は緩やかに増大していくことになる。
また、本発明に係る吸気制御によれば、EGR量が十分に減少するのを待ってから空気量を一気に減少させるのではなく、図2に示すように、減速要求を取得したら直ぐにある程度まで空気量を減少させるので、減速要求に対する減速開始の遅れをなくすことができる。つまり、本発明に係る吸気制御を実施することで燃費性能と減速性能とを両立させることができる。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図を参照して説明する。
図3は、本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は外部EGR装置付きの内燃機関に適用され、外部EGR装置付き内燃機関のアクチュエータであるスロットルとEGR弁の各動作を制御する制御装置として構成されている。以下、図3を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
図3に示すように、本実施の形態の制御装置は、スロットル8の動作を制御する吸気制御部4と、EGR弁10の動作を制御するEGR制御部6とを備えている。また、アクセル開度に基づいて運転者の減速要求の有無を判定する減速要求判定部2を備えている。減速要求判定部2は、減速要求が有ったと判定した場合、吸気制御部4とEGR制御部6とに減速要求信号を送信する。減速要求信号には減速要求の大きさが情報として含まれている。吸気制御部4は、減速要求信号を受信したときにはスロットル8を閉じ方向に動作させる。また、減速要求信号を受信したEGR制御部6は、EGR弁10を閉じ方向に動作させる。
本実施の形態の制御装置は、EGR量算出部12と燃焼限界判定部14とをさらに備えている。EGR量算出部12は、内燃機関の筒内に流入するEGR量をEGR弁の開度に基づいて算出する。EGR量の計算には、EGR弁の動作に対するEGR量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した数式やマップを用いることができる。また、EGR量やその変化速度は機関回転数や吸入空気量の影響を受けるので、EGR量の計算ではそれらをパラメータとして使用する。
燃焼限界判定部14は、EGR量算出部12で算出されたEGR量に基づいて内燃機関の燃焼限界に対応する燃焼限界空気量を計算する。具体的には、燃焼限界判定部14は、図1に示す空気量とEGR量と燃焼限界EGR率との関係をマップ化したものを記憶しており、このマップを用いて燃焼限界空気量を算出する。例えば、図1においてEGR量がegr1のときには燃焼限界空気量はKLref2となる。次に、燃焼限界判定部14は、現在の空気量が燃焼限界空気量を下回っていないか否か判定し、その判定結果を吸気制御部4に入力する。現在の空気量はスロットル開度に基づいて計算する。
吸気制御部4は、空気量が燃焼限界空気量まで低下したと判定されたときには、スロットル8の閉動作を一時的に停止或いは鈍化させるようになっている。その間に筒内に流入するEGR量は減少していき、それに応じて燃焼限界空気量も低下していく。燃焼限界空気量が減速要求の大きさから決まる最終的な空気量以下まで低下したと判定されたら、吸気制御部4はスロットル8の閉動作を再開し、最終的なスロットル開度までスロットル8を閉じるようになっている。
以上のように、本実施の形態の制御装置は、運転者からの減速要求があった場合、スロットル8を最終スロットル開度まで一気に閉じるのではなく、燃焼限界空気量まで空気量が低下した時点でスロットル8の閉動作を一時的に停止或いは鈍化させる。これによれば、減速過程での空気量の減少は一時的に停止或いは鈍化することになるので、空気量の減少によってEGR率が燃焼限界を超えてしまうことを防止し、失火を未然に防ぐことができる。また、減速要求の取得後、空気量が燃焼限界空気量になるまではスロットル8を閉じていくことができるので、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすこともできる。つまり、本実施の形態の制御装置によれば、失火の防止と減速性能とを両立させることができる。
なお、本実施の形態では、減速要求判定部2が第2の発明の「減速要求取得手段」に相当している。また、EGR量算出部12は第2の発明の「EGR量算出手段」に相当し、燃焼限界判定部14の一部機能が第2の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当している。そして、燃焼限界判定部14の一部機能と吸気制御部4とにより第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
さらに、本実施の形態は第1の発明とも対応している。本実施の形態では、減速要求判定部2が第1の発明の「減速要求取得手段」に相当している。そして、燃焼限界判定部14と吸気制御部4とにより第1の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を参照して説明する。
実施の形態2では、目標トルクを設定して空気量によってトルク制御を行うトルクデマンド型の制御装置に本発明を適用する。図4は、本発明の実施の形態2としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。以下、図4を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
本実施の形態の制御装置には、図示しないアクセルセンサからアクセル開度信号が入力される。アクセル開度信号は運転者のアクセル操作が反映された信号であって、減速要求もこのアクセル開度信号に含まれている。入力されたアクセル開度信号は目標トルク設定部20において目標トルクに変換される。アクセル開度信号に含まれる要求が加速要求である場合には目標トルクはより大きい値に設定され、減速要求である場合には目標トルクはより小さい値に設定される。
目標トルクは目標空気量算出部22において目標空気量に変換される。変換にはトルクと空気量との関係を定めたマップを使用する。このマップでは、機関回転数、A/F、点火時期等、トルクと空気量との関係に影響する各種の運転条件がパラメータとして用いられている。目標空気量算出部22で得られた目標空気量(KLref)は、目標空気量補正部30に入力される。
目標空気量補正部30には、EGR量算出部28で算出されたEGR量も入力される。EGR量算出部28は、EGR弁の開度に基づいて内燃機関の筒内に流入するEGR量を算出する。なお、図4ではEGR弁の制御系は省略しているが、EGR弁は空気量と機関回転数とに応じてその開度を制御されている。減速時には、EGR量を減らすようにEGR弁を閉じ方向に動作させる制御が行われる。なお、EGR量の計算には、EGR弁の動作に対するEGR量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した数式やマップを用いることができる。また、EGR量やその変化速度は機関回転数や空気量の影響を受けるので、EGR量の計算ではそれらをパラメータとして使用する。
目標空気量補正部30には、図1に示す空気量とEGR量と燃焼限界EGR率との関係をマップ化したものが記憶されている。目標空気量補正部30は、EGR量算出部28から入力されたEGR量をマップデータと照合して、そのEGR量に対応する燃焼限界空気量を算出する。そして、目標空気量(KLref)と燃焼限界空気量とを比較して、大きいほうを補正後の目標空気量(KLref2)として出力する。
補正後の目標空気量(KLref2)は目標スロットル開度算出部24において目標スロットル開度に変換される。変換にはエア逆モデルを使用する。エア逆モデルは、スロットルの動作に対する吸入空気量の応答を流体力学等に基づいてモデル化し、それを数式で表したものの逆モデルである。目標スロットル開度算出部24で得られた目標スロットル開度は、スロットル制御部26にセットされる。スロットル制御部26はスロットルを動作させるための制御信号を目標スロットル開度に基づいて生成する。
以上のように、本実施の形態の制御装置は、内燃機関への減速要求があった場合、その減速要求信号を目標トルク、目標空気量そして目標スロットル開度を経由してスロットルの制御信号に変換する。その際、目標空気量と燃焼限界空気量とを比較し、大きいほうを最終的な目標空気量として選択することによって、実際に空気量が燃焼限界空気量を下回る直前においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることができる。その結果、減速過程での空気量の減少は、空気量が燃焼限界空気量を下回る直前において一時的に停止或いは鈍化することになり、EGR率の急上昇による失火の発生は防止される。また、本実施の形態の制御装置によれば、運転者からの減速要求の取得後、目標空気量が燃焼限界空気量よりも小さくなるまではスロットルを閉じることができるので、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすことができる。
なお、本実施の形態では、目標トルク設定部20が第3の発明の「減速要求取得手段」に相当している。また、目標トルク設定部20、目標空気量算出部22、目標スロットル開度算出部24及びスロットル制御部26によって第3の発明の「吸気制御手段」が構成されている。特に、目標トルク設定部20は第4の発明の「目標トルク設定手段」に相当し、目標空気量算出部22は第4の発明の「目標充填効率算出手段」に相当し、目標スロットル開度算出部24は第4の発明の「目標スロットル開度算出手段」に相当し、スロットル制御部26は第4の発明の「制御信号生成手段」に相当している。また、本実施の形態では、EGR量算出部28は第3の発明の「EGR量算出手段」に相当している。そして、目標空気量補正部30が第3の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」並びに第3及び第4の発明の「補正手段」に相当している。
本実施の形態は第2の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部20が第2の発明の「減速要求取得手段」に相当している。EGR量算出部28は第2の発明の「EGR量算出手段」に相当し、目標空気量補正部30の一部機能が第2の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当している。そして、目標トルク設定部20、目標空気量算出部22、目標空気量補正部30、目標スロットル開度算出部24及びスロットル制御部26によって第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
さらに、本実施の形態は第1の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部20が第1の発明の「減速要求取得手段」に相当している。そして、目標トルク設定部20、目標空気量算出部22、目標空気量補正部30、目標スロットル開度算出部24及びスロットル制御部26によって第1の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を参照して説明する。
図5は、本発明の実施の形態3としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態2の制御装置の構成をベースとしつつ、目標空気量の補正に係る部分を一部変形した構成になっている。図5において実施の形態2と共通する要素は同一の符号を付している。以下、図5を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。ただし、実施の形態2と共通する構成についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態2とは異なる構成について重点的に説明するものとする。
本実施の形態の制御装置は、目標空気量に対する燃焼限界空気量の比率を算出する空気量比率算出部32を備えている。空気量比率算出部32には、図1に示す空気量とEGR量と燃焼限界EGR率との関係をマップ化したものが記憶されている。空気量比率算出部32は、EGR量算出部28から入力されたEGR量をマップデータと照合して、そのEGR量に対応する燃焼限界空気量(KLref2)を算出する。そして、目標空気量(KLref)に対する燃焼限界空気量(KLref2)の比率(=Klref2/KLef)である空気量比率を算出する。ただし、空気量比率は1以上とされ、目標空気量(KLref)が燃焼限界空気量(KLref2)よりも大きい値のときには空気量比率は1に設定される。
空気量比率は目標空気量(KLref)とともに目標空気量補正部34に入力される。目標空気量補正部34は目標空気量(KLref)に空気量比率を乗算し、その乗算結果を補正後の目標空気量として出力する。この補正後の目標空気量が目標スロットル開度に変換され、それに基づいて生成された制御信号によってスロットルの動作が制御される。
本実施の形態の制御装置の各構成要素と第1、第2、第3及び第4の各発明との関係は実施の形態2の場合と同様である。ただし、本実施の形態では空気量比率算出部32が第3の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当し、空気量比率算出部32と目標空気量補正部34とにより第3及び第4の発明の「補正手段」が構成されている。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について図を参照して説明する。
実施の形態4では、空気量だけでなく点火時期も併用してトルクを制御することができるトルクデマンド型の制御装置に本発明を適用する。図6は、本発明の実施の形態4としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。以下、図6を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
本実施の形態に係る内燃機関は、その動作を制御するためのアクチュエータとして、図示略のスロットル、バルブタイミング可変装置、バルブリフト量可変装置、外部EGR装置(EGR通路及びEGR弁から構成されている)、点火装置及び燃料供給装置を備えている。これらのアクチュエータを制御するため、図6に示す制御装置には、各アクチュエータのドライバであるスロットル制御部70,VVT制御部72、VL制御部74、外部EGR制御部76、点火時期制御部78及び燃料供給制御部80が設けられている。これらの制御部70,72,74,76,78,80は、制御装置に入力された各種情報から計算された制御量にしたがって担当するアクチュエータの操作量を計算する。
制御装置に入力される情報には、機関回転数等の内燃機関の運転状態情報に加え、内燃機関の各種機能に関する要求が含まれている。内燃機関の機能には、ドライバビリティ、排気ガス、燃費、騒音、振動等が挙げられる。車両の駆動装置全体を制御する上位制御装置(図示略)は、これら機能に関する要求をトルク、効率及び空燃比の3種の物理量で表現して制御装置へ供給する。すなわち、制御装置にはトルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値が入力される。ここでいう効率とはトルクに変換可能な熱エネルギのトルクへの変換効率という意味であり、最適点火時期で得られるトルクを1とした比率で表される。最適点火時期とはMBT若しくはトレースノック点火時期のうち遅角側を指す。
本実施の形態では、運転者がアクセル操作を介して発する減速要求は、アクセル開度信号に乗って上位制御装置に入力される。上位制御装置はアクセル開度信号からトルク要求値を算出し、それを制御装置に供給するので、内燃機関に対する減速要求はトルク要求値で表現されて制御装置に入力されることになる。
また、この制御装置は、センサ等の計測手段や検出手段では得ることのできない内燃機関の運転状態情報を、他の情報に基づいて推定する機能を備えている。具体的には、トルクを推定する機能として推定トルク算出部48を備え、EGR量を推定する機能として推定EGR量算出部50を備えている。
推定トルク算出部48は、現在のスロットル開度のもとで点火時期を最適点火時期に設定した場合に得られるトルクを推定トルクとして算出する。推定トルクの計算には、機関回転数やA/F、バルブタイミング、EGR弁開度等、スロットル開度とトルクとの関係に影響する各種の運転条件がパラメータとして用いられる。
推定EGR量算出部50は、バルブタイミング可変装置、バルブリフト量可変装置及び外部EGR装置の現在の動作状態で得られるEGR量を推定EGR量として算出する。バルブタイミング可変装置とバルブリフト量可変装置は、いずれも内部EGR量を調整する内部EGRアクチュエータに相当する。外部EGR装置は外部EGR量を調整することができる。推定EGR量の計算には、各アクチュエータの動作に対するEGR量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した数式やマップを用いることができる。それら数式やマップでは、機関回転数や吸入空気量等、EGR量の応答に影響する各種の運転条件をパラメータとして用いることができる。なお、実施の形態1乃至3では、このように計算で求めたEGR量を単にEGR量と表現していたが、本実施の形態では実際値ではなく推定値であることを明確にするため推定EGR量と表現する。
制御装置は、内燃機関のトルクの目標値を設定する目標トルク設定部40、効率の目標値を設定する目標効率設定部42、空燃比(以下、A/F)の目標値を設定する目標A/F設定部44、及び、EGR量の目標値を設定する目標EGR量設定部46を備えている。このうち目標トルク設定部40、目標効率設定部42及び目標A/F設定部44は、上位制御装置から入力された各要求値に基づいてそれぞれの目標値を設定する。目標EGR量設定部46は、内燃機関の運転状態を示す複数のパラメータ、例えば、機関回転数や要求負荷を軸とするマップを用いて目標EGR量を設定する。
目標トルクと目標効率は、吸入空気量(以下、単に空気量)の目標値の計算に使用される。目標空気量は、減速要求信号をスロットルの制御信号に変換するための計算過程で使用されるパラメータの一つである。目標空気量は、バルブタイミング可変装置、バルブリフト量可変装置、及び外部EGR装置の各制御信号の生成にも使用される。制御装置には、目標空気量を計算する手段として、目標トルク補正部52とトルク−空気量変換部54と下限ガード部56とを備えている。
目標トルク補正部52には、目標トルクと目標効率とが入力される。目標トルク補正部52は目標トルクを目標効率で除算して補正し、その補正目標トルクをトルク−空気量変換部54に出力する。目標効率が通常値の1であれば、目標トルク設定部40で設定された目標トルクがそのままトルク−空気量変換部54に出力される。一方、目標効率が通常値の1よりも小さければ、目標効率による除算によって目標トルクは嵩上げされ、嵩上げされた補正目標トルクがトルク−空気量変換部54に出力される。
トルク−空気量変換部54は、補正目標トルクの実現に必要な空気量を空気量マップを用いて計算する。空気量マップは補正目標トルクを空気量に変換するためのマップであって、点火時期が最適点火時期のときのトルクと空気量との関係が記されている。また、空気量マップでは、機関回転数、A/F、EGR量等、トルクと空気量との関係に影響する各種の運転条件がパラメータとして用いられている。このうちEGR量に関しては、目標EGR量と推定EGR量のうち大きいほうが最大値選択部62で選択されて空気量マップに入力される。
図7は空気量マップのイメージを示した図である。この図に示すように、内燃機関の運転域はEGR量と空気量との関係によって燃焼可能領域と失火領域とに分けられる。空気量マップは、EGR量と空気量との関係が燃焼可能領域に収まるように作られている。例えば、補正目標トルクと機関回転数等の他のパラメータ値とから算出される最適空気量がαの場合でも、空気量マップでは、EGR量γを考慮して空気量としてはβが算出されるようになっている。
トルク−空気量変換部54で得られた空気量は、下限ガード部56にてガード処理される。下限ガード部56は、入力された空気量と燃焼限界空気量とを比較し、入力空気量が燃焼限界空気量以上であれば入力空気量をそのまま出力する。一方、入力空気量が燃焼限界空気量よりも小さければ入力空気量に代えて燃焼限界空気量を出力する。下限ガード部56から出力された空気量が最終的な目標空気量となる。下限ガード部56によるガード処理は、空気量の減少に伴うEGR率の上昇を抑制し、それにより燃焼可能領域での運転を確実にするための処理である。
下限ガード部56で使用される燃焼限界空気量は、燃焼限界空気量算出部58にて計算される。燃焼限界空気量算出部58は、燃焼限界空気量マップを用いて燃焼限界空気量を計算する。燃焼限界空気量マップは、EGR量と燃焼限界空気量との関係を記憶したマップであって、機関回転数等、EGR導入時の燃焼状態に影響する各種の運転条件がパラメータとして用いられている。図8は燃焼限界空気量マップのイメージを示した図である。燃焼限界空気量を決定する上で基礎とするEGR量は、最大値選択部62で選択されたEGR量、すなわち、目標EGR量と推定EGR量のうち大きいほうのEGR量である。
下限ガード部56から出力される目標空気量は、目標EGR量とともに吸気系目標制御量算出部60で使用される。吸気系目標制御量算出部60は、エア逆モデル、VVTモデル、VLモデル及び外部EGRモデルを用いて各アクチュエータの制御量を計算する。VVTモデルは、吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングの変化に対する内部EGR量の応答を数式で表したものである。VLモデルは、吸気バルブのリフト量の変化に対する内部EGR量の応答を数式で表したものである。そして、外部EGRモデルは、EGR弁の動作に対する外部EGR量の応答を数式で表したものである。吸気系目標制御量算出部60は、これらのモデルを用いて各アクチュエータの目標制御量を計算し、対応する制御部70,72,74,76にセットする。例えば、スロットル制御部70には目標スロットル開度をセットする。
次に、点火に関わるアクチュエータの操作量の計算について説明する。点火に関わるアクチュエータは点火装置であり、TDCを基準とした点火時期(クランク角で表される)が操作量として用いられる。制御装置は、目標点火時期算出部68において目標点火時期を計算し、点火時期制御部78にセットする。
目標点火時期算出部68における目標点火時期の計算には、トルク効率が用いられる。トルク効率は内燃機関の推定トルクに対する目標トルクの比であってトルク効率算出部64にて計算される。トルク効率算出部64は、目標トルク設定部40で設定された目標トルクを推定トルク算出部48で算出された推定トルクで除算し、その計算結果をトルク効率として算出する。ただし、トルク効率算出部64から出力されるトルク効率がそのまま目標点火時期算出部68に入力されるのではなく、下限ガード部66にてガード処理された修正トルク効率が目標点火時期算出部68に入力される。
目標点火時期算出部68は、まず、入力されたトルク効率から最適点火時期に対する点火遅角量を計算する。点火遅角量の計算には、点火時期マップが用いられる。点火時期マップは、トルク効率を含む複数のパラメータを軸とする多次元マップであって、EGR量やA/Fや機関回転数等、点火時期の決定に影響する各種の運転条件をパラメータとして用いられている。これらのパラメータには現在値が入力される。ただし、EGR量に関しては目標EGR量と推定EGR量のうち大きいほうが用いられ、A/Fには目標A/Fが用いられる。
点火時期マップでは、トルク効率が1のときの点火遅角量はゼロに設定され、トルク効率が1よりも小さいほど点火遅角量は大きい値に設定されている。したがって、推定トルクと目標トルクとが一致するときには、トルク効率が1になることにより、点火遅角量はゼロとなる。一方、トルク効率が1よりも小さいとき、つまり、推定トルクと目標トルクとの間に差が生じたときには、それを点火時期の遅角によるトルク調整で補償するための点火遅角量が算出される。目標点火時期算出部68は、点火時期マップを用いて決定された点火遅角量と内燃機関の運転状態から決まる最適点火時期とから目標点火時期を計算し、それを点火時期制御部78にセットする。
下限ガード部66によるトルク効率のガード処理は、点火時期の過遅角による失火を防止するための処理である。下限ガード部66は、入力されたトルク効率と下限効率とを比較し、トルク効率が下限効率以上であればトルク効率をそのまま出力する。一方、トルク効率が下限効率よりも小さければトルク効率に代えて下限効率を出力する。ここで、下限効率はEGR量に応じて設定される。EGRの導入下では、点火遅角量が同じであってもEGR量によって失火の可能性は変わってくるからである。下限効率を決めるEGR量としては、目標EGR量と推定EGR量のうち大きいほうが用いられる。
最後に燃料供給に関わるアクチュエータの操作量の計算について説明する。燃料供給に関わるアクチュエータは燃料供給装置であり、インジェクタの駆動時間、すなわち、燃料噴射時間が操作量として用いられる。燃料供給装置はシリンダ内に直接燃料を供給するものでも、吸気ポート内に燃料を噴射するものでもよい。燃料供給制御部80は、目標A/F設定部44で設定された目標A/Fを制御量とし、目標A/Fに基づいて操作量である燃料噴射時間を計算する。
以上、本実施の形態の制御装置についてその構成及び機能を説明した。次に、本実施の形態の制御装置の動作について図9を用いて説明する。
図9は運転者からの減速要求に対する制御装置の動作をタイムチャートで表した図である。運転者がアクセル操作を介して発する減速要求は、上位制御装置からトルク要求値で表現されて制御装置に入力される。制御装置はこのトルク要求値に基づいて目標トルクを設定する。具体的には、タイムチャートの最上段に実線で示すように、減速要求に素早く応えるべく目標トルクをステップ状に大きく低下させる。
タイムチャートの2段目には目標空気量の変化を実線で示している。本実施の形態ではトルク−空気量変換部54と下限ガード部56のそれぞれにおいてEGR量を考慮した目標空気量の補正を行っている。タイムチャートの3段目にはスロットル開度の変化を実線で示している。このタイムチャートに示すように、本実施の形態の制御装置によれば、スロットルを最終スロットル開度まで閉じていく過程においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることができる。
一方、EGR量を考慮した補正を行わない場合には、タイムチャートの2段目に破線で示すように、目標空気量は目標トルクの変化に合わせてステップ状に低下することになる。この場合、タイムチャートの3段目に破線で示すように、スロットルは最終スロットル開度をアンダーシュートするように一気に閉じられ、その後、最終スロットル開度まで戻されることになる。
また、タイムチャートの4段目にはEGR弁開度の変化を示している。減速要求によって目標トルクが低下させられたときには、スロットルの閉じ方向への動作に合わせてEGR弁も閉じ方向に動作させられる。このときのEGR弁の開度は、タイムチャートの5段目に示す目標EGR率を実現するように制御される。なお、目標EGR率は、目標EGR量設定部46で設定された目標EGR量と目標空気量とから計算することができる。また、本実施の形態では目標EGR量を設定するようになっているが、機関回転数や要求負荷などに基づいて目標EGR率を設定し、目標EGR量は目標EGR率と目標空気量とから計算するのでもよい。
タイムチャートの5段目には、目標EGR率と併せて実際のEGR率の変化も示している。実線で示すのは、本実施の形態の制御装置によるEGR率の変化、すなわち、EGR量を考慮して目標空気量を補正した場合のEGR率の変化である。一方、破線で示すのは、目標空気量を補正しない場合のEGR率の変化である。
目標空気量の補正を行わない場合には、EGR弁を閉じた後にEGR率が急上昇する。EGR弁の下流に残留していたEGRガスが筒内に流入するためである。結果、EGR率は一時的に目標EGR率を超えることになり、目標EGR率が燃焼限界EGR率ぎりぎりに設定されている場合には、失火が発生する可能性が増大する。これに対して、本実施の形態の制御装置によれば、空気量が燃焼限界空気量を下回る直前においてスロットルの閉動作が一時的に停止或いは鈍化させられるので、EGR率の上昇は抑制され、EGR率の急上昇による失火の発生は防止される。
タイムチャートの最下段には、本実施の形態の制御装置による点火時期の変化を実線で示している。本実施の形態の制御装置によれば、点火時期を最適点火時期にしたときの推定トルク(タイムチャートの最上段に点線で示す)が算出され、その推定トルクと目標トルクとの比であるトルク効率に基づいて最適点火時期(タイムチャートの最下段に点線で示す)に対する点火遅角量が算出される。したがって、EGR率が燃焼限界を超えないように空気量の減少が一時的に停止或いは鈍化させられるときには、それによるトルクの低下の遅れを補償するように自動的に点火時期が遅角されることになる。
以上説明したように、本実施の形態の制御装置によれば、内燃機関への減速要求があった場合、その減速要求信号を目標トルク、目標空気量そして目標スロットル開度を経由してスロットルの制御信号に変換する。その際、目標空気量とその下限値である燃焼限界空気量とを比較し、目標空気量を燃焼限界空気量でガードすることによって、実際に空気量が燃焼限界空気量を下回る直前においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることができる。その結果、減速過程での空気量の減少は、空気量が燃焼限界空気量を下回る直前において一時的に停止或いは鈍化することになり、EGR率の急上昇による失火の発生は防止される。したがって、本実施の形態の制御装置によれば、減速時のEGR率の上昇が抑えられる分、定常運転時のEGR率を高く設定することができる。
また、本実施の形態の制御装置によれば、減速要求の取得後、目標空気量が燃焼限界空気量よりも小さくなるまではスロットルを閉じることができるので、減速要求の取得時点から速やかに内燃機関の回転数を落とすことができる。さらに、スロットルの閉動作が一時的に停止或いは鈍化させられた場合には、それによるトルクの低下の遅れを補償するように自動的に点火時期が遅角されるようにもなっている。したがって、本実施の形態の制御装置によれば、減速時のEGR率の上昇を抑えて失火を防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
なお、本実施の形態では、目標トルク設定部40が第3の発明の「減速要求取得手段」に相当している。また、目標トルク設定部40、トルク−空気量変換部54、吸気系目標制御量算出部60及びスロットル制御部70によって第3の発明の「吸気制御手段」が構成されている。特に、目標トルク設定部40は第4の発明の「目標トルク設定手段」に相当し、トルク−空気量変換部54は第4の発明の「目標充填効率算出手段」に相当し、吸気系目標制御量算出部60は第4の発明の「目標スロットル開度算出手段」に相当し、スロットル制御部70は第4の発明の「制御信号生成手段」に相当している。
また、本実施の形態では、推定EGR量算出部50及び目標EGR量設定部46は第3の発明の「EGR量算出手段」に相当している。燃焼限界空気量算出部58は第3の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当している。そして、下限ガード部56は第3乃至第5の発明の「補正手段」に相当している。
また、本実施の形態では、推定トルク算出部48は第7の発明の「推定トルク計算手段」に相当している。トルク効率算出部64は第7の発明の「トルク効率算出手段」に相当している。目標点火時期算出部68と点火時期制御部78とにより第7の発明の「点火時期制御手段」が構成されている。
本実施の形態は第2の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部40が第2の発明の「減速要求取得手段」に相当している。推定EGR量算出部50は第2の発明の「EGR量算出手段」に相当し、燃焼限界空気量算出部58は第2の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当している。そして、目標トルク設定部40、トルク−空気量変換部54、下限ガード部56、吸気系目標制御量算出部60及びスロットル制御部70によって第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
さらに、本実施の形態は第1の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部40が第1の発明の「減速要求取得手段」に相当している。そして、目標トルク設定部40、トルク−空気量変換部54、下限ガード部56、燃焼限界空気量算出部58、吸気系目標制御量算出部60及びスロットル制御部70によって第1の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について図を参照して説明する。
図10は、本発明の実施の形態5としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態4の制御装置と同じく、空気量だけでなく点火時期も併用してトルクを制御することができるトルクデマンド型の制御装置である。図10において実施の形態4と共通する要素は同一の符号を付している。以下、図10を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。ただし、実施の形態4と共通する構成についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態4とは異なる構成について説明するものとする。
本実施の形態では、実施の形態4とは異なり、内部EGRアクチュエータであるバルブタイミング可変装置やバルブリフト量可変装置、及び外部EGR装置の制御に目標EGR量は使用されない。図10ではこれらアクチュエータの制御系は省略しているが、これらのアクチュエータは、空気量と機関回転数とを主たるパラメータとするマップを用いて制御されるようになっている。例えば、外部EGR装置の場合は、空気量と機関回転数に応じてEGR弁の開度が制御されるようになっている。また、減速要求があったときには、EGR量を減らすようにEGR弁を閉じ方向に動作させる制御が行われる。
このため、本実施の形態の制御装置は、目標EGR量を設定する機能を有していない。すなわち、実施の形態4の制御装置が備えている目標EGR量設定部46は本実施の形態の制御装置には備えられていない。また、目標EGR量に関係する最大値選択部62も本実施の形態の制御装置は備えていない。
本実施の形態の制御装置は、吸気系アクチュエータのうちスロットルのみを制御対象とし、その目標制御量を計算する手段として目標スロットル開度算出部82を備えている。目標スロットル開度算出部82はエア逆モデルを用いて目標空気量を目標スロットル開度に変換し、スロットル制御部70に目標スロットル開度を入力する。
目標スロットル開度の基礎となる目標空気量は、実施の形態4と同様、トルク−空気量変換部54と下限ガード部56とを用いて計算される。本実施の形態では、推定EGR量算出部50で算出される推定EGR量が目標空気量の補正に使用される。具体的には、トルク−空気量変換部54では空気量マップのパラメータの1つとして推定EGR量が用いられる。また、下限ガード部56では推定EGR量から決まる燃焼限界空気量が目標空気量の下限値として使用される。
また、本実施の形態では、目標スロットル開度算出部82における目標スロットル開度の算出、下限ガード部66における下限効率の設定、及び、目標点火時期算出部68における点火遅角量の算出において、推定EGR量算出部50で算出される推定EGR量が参照されるようになっている。
以上説明したように、本実施の形態の制御装置では各EGRアクチュエータが目標EGR量に従って制御されておらず、EGR量の制御は空気量の制御とは独立して行われている。しかし、内燃機関への減速要求によって目標空気量が下げられるときには、推定EGR量から算出される燃焼限界空気量と目標空気量とが比較され、目標空気量は燃焼限界空気量で自動的にガードされる。したがって、本実施の形態の制御装置によれば、各EGRアクチュエータが目標EGR量に従って制御されておらずとも、減速過程でのEGR率の一時的な上昇を抑えることができ、EGR率の急上昇による失火の発生を防止することができる。
なお、本実施の形態の制御装置の各構成要素と第1、第2、第3、第4、第5及び第7の各発明との関係は実施の形態4の場合と同様である。ただし、本実施の形態では目標スロットル開度算出部82が第4の発明の「目標スロットル開度算出手段」に相当する。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について図を参照して説明する。
図11は、本発明の実施の形態6としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態4及び5の制御装置と同じく、空気量だけでなく点火時期も併用してトルクを制御することができるトルクデマンド型の制御装置である。また、本実施の形態の制御装置は、実施の形態5の制御装置と同じく、各アクチュエータの制御量を算出するための情報として目標EGR量を使用せず、推定EGR量のみを使用する構成になっている。図11において実施の形態5と共通する要素は同一の符号を付している。
本実施の形態の制御装置と実施の形態5の制御装置とは、吸入空気量がEGR量から決まる燃焼限界空気量を下回らないように、減速要求信号をスロットルの制御信号に変換するための複数のパラメータの1つを補正する点においては共通する。ただし、実施の形態5の制御装置は目標空気量を補正しているのに対し、本実施の形態の制御装置は目標トルクを補正する点において違いがある。
まず、本実施の形態で採っている目標トルクの補正方法について、実施の形態1の説明で使用した図1を用いて説明する。本実施の形態では、目標トルクを空気量に換算する。その換算空気量を図1中に示すKLrefとする。また、EGR量を取得し、そのEGR量に基づいてEGR率が燃焼限界EGR率となる空気量を算出する。その燃焼限界空気量を図1中に示すKLref2とする。本実施の形態では、目標トルクから換算された空気量に対する燃焼限界空気量の比率(=KLref2/KLef)を空気量比率と定義する。
次に、空気量比率をトルク比率に変換する処理を行う。本実施の形態では、燃焼限界空気量で実現可能なトルクに対する換算空気量で実現可能なトルクの比率をトルク比率と定義する。換算空気量で実現可能なトルクは、燃焼限界EGR率を無視したときのトルクであって、これは目標トルクに等しい。この定義によれば、トルク比率は換算空気量が燃焼限界空気量に等しいときに1となり、換算空気量が燃焼限界空気量を下回る場合に1よりも小さい値になる。ただし、換算空気量が燃焼限界空気量よりも大きいときにはトルク比率は1に固定する。
次に、目標トルクをトルク比率で除算し、その計算結果を補正目標トルクとして使用する。補正目標トルクはEGR量に基づく燃焼限界空気量で実現可能なトルクに等しい。本実施の形態では、この補正目標トルクを用いて目標空気量を算出し、その目標空気量から目標スロットル開度を算出してスロットルを制御する。
本実施の形態で採っているトルクデマンド制御では、目標トルクから目標空気量が算出され、目標空気量から算出された目標スロットル開度に基づいてスロットルが制御される。このような制御順序によれば、目標トルクから換算される空気量はスロットルの動作によって実現される空気量の将来値に相当する。したがって、その換算空気量と燃焼限界空気量との比率に対応するトルク比率で目標トルクを補正することによって、実際空気量が燃焼限界空気量を下回る直前においてスロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させることができる。
以上説明した補正方法を実現するための構成が図11に示す制御装置の構成である。以下、図11を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。ただし、実施の形態5と共通する構成についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態5とは異なる構成について重点的に説明するものとする。
本実施の形態の制御装置は、実施の形態5の制御装置から下限ガード部56と燃焼限界空気量算出部58とを除き、代わりに目標トルクの補正に使用するトルク比率を計算するための計算要素84,86,88を加えた構成になっている。なお、図11では、目標A/F設定部等、実施の形態5の制御装置と共通する構成要素であって、本実施の形態の特徴部分との関連が薄い構成要素に関しては図示を省略している。
本実施の形態の制御装置では、目標トルク設定部40で設定された目標トルクは、目標トルク補正部90とトルク効率算出部64とに入力されるのと並行して、空気量換算部84にも入力される。空気量換算部84は、点火時期が最適点火時期であるとの前提条件のもとで目標トルクを空気量に換算する。換算には空気量マップを使用する。ここで使用される空気量マップはトルク−空気量変換部54で使用される空気量マップと同じものでもよい。
空気量換算部84で得られた空気量は空気量比率算出部86に入力される。空気量比率算出部86には、推定EGR量算出部50で算出された推定EGR量も同時に入力されている。空気量比率算出部86には、図1に示す空気量とEGR量と燃焼限界EGR率との関係をマップ化したものが記憶されている。空気量比率算出部86は、推定EGR量に対応する燃焼限界空気量をマップから読み出し、空気量換算部84から入力された空気量に対する燃焼限界空気量の比率を算出する。
空気量比率のトルク比率への変換はトルク比率算出部88で行われる。トルク比率算出部88は、変換式若しくはマップを用いて空気量比率に対応するトルク比率を算出する。前述のように、目標トルクに基づく空気量がEGR量に基づく燃焼限界空気量以上であればトルク比率は1となるが、燃焼限界空気量を下回っているときにはトルク比率は1よりも小さい値になる。算出されたトルク比率は目標トルク補正部90に入力される。
目標トルク補正部90は目標トルクを目標効率とトルク比率とで除算して補正し、その補正目標トルクをトルク−空気量変換部54に出力する。トルク比率が1であれば、目標効率で補正された目標トルクがトルク−空気量変換部54に出力される。一方、トルク比率が1よりも小さければ、トルク比率による除算によって目標トルクは嵩上げされ、嵩上げされた補正目標トルクがトルク−空気量変換部54に出力される。
トルク−空気量変換部54は、補正目標トルクの実現に必要な空気量を空気量マップを用いて計算する。EGR量を考慮した補正は既に目標トルクに施されているので、本実施の形態では、トルク−空気量変換部54で算出された空気量がそのまま目標空気量として使用される。つまり、トルク−空気量変換部54で得られた空気量はそのまま目標スロットル開度算出部82に入力される。目標スロットル開度算出部82は、エア逆モデルを用いて目標スロットル開度を計算し、算出した目標スロットル開度をスロットル制御部70にセットする。なお、図では省略しているが、トルク−空気量変換部54及び目標スロットル開度算出部82では推定EGR量を参照情報として使用することもできる。
本実施の形態では、目標トルク設定部40が第3の発明の「減速要求取得手段」に相当している。また、目標トルク設定部40、トルク−空気量変換部54、目標スロットル開度算出部82及びスロットル制御部70によって第3の発明の「吸気制御手段」が構成されている。特に、目標トルク設定部40は第6の発明の「目標トルク設定手段」に相当し、トルク−空気量変換部54は第6の発明の「目標充填効率算出手段」に相当し、目標スロットル開度算出部82は第6の発明の「目標スロットル開度算出手段」に相当し、スロットル制御部70は第6の発明の「制御信号生成手段」に相当している。
また、本実施の形態では、推定EGR量算出部50によって第3の発明の「EGR量算出手段」が実現され、空気量比率算出部86の一部機能によって第3の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」が実現されている。また、空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88及び目標トルク補正部90により第3及び第6の発明の「補正手段」が構成されている。本実施の形態の制御装置の各構成要素と第7の各発明との関係は実施の形態5の場合と同様である。
本実施の形態は第2の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部40が第2の発明の「減速要求取得手段」に相当している。推定EGR量算出部50は第2の発明の「EGR量算出手段」に相当し、空気量比率算出部86の一部機能は第2の発明の「燃焼限界充填効率算出手段」に相当している。そして、目標トルク設定部40、空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88、目標トルク補正部90、トルク−空気量変換部54、目標スロットル開度算出部82及びスロットル制御部70によって第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
さらに、本実施の形態は第1の発明とも対応している。本実施の形態では、目標トルク設定部40が第1の発明の「減速要求取得手段」に相当している。そして、目標トルク設定部40、空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88、目標トルク補正部90、トルク−空気量変換部54、目標スロットル開度算出部82及びスロットル制御部70によって第1の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
なお、本実施の形態では、空気量比率の算出に際して推定EGR量から燃焼限界空気量を求めているが、目標EGR量を用いて各アクチュエータを制御する制御装置では、燃焼限界空気量の算出に目標EGR量を用いてもよい。例えば、目標EGR量と推定EGR量とを比較して大きいほうを選択し、選択したEGR量を空気量比率算出部86に入力するようにしてもよい。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について図を参照して説明する。
図12は、本発明の実施の形態7としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態6の制御装置の構成をベースとしつつ、目標トルクの補正に係る部分を一部変形した構成になっている。図12において実施の形態6と共通する要素は同一の符号を付している。以下、図12を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。ただし、実施の形態6と共通する構成についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態6とは異なる構成について重点的に説明するものとする。
本実施の形態の制御装置と実施の形態6の制御装置とは、トルク比率を目標トルクに反映させる部分の構成に違いがある。実施の形態6の制御装置では、トルク比率と目標効率の双方によって目標トルクが除算されている。このため、トルク比率と目標効率とがともに1よりも小さい値のときには、目標トルクの二重補正によってトルク−空気量変換部54で得られる目標空気量は大きく嵩上げされてしまう。図11に示す構成によれば、空気量の増量分を補償するように自動的に点火時期が遅角されるので、目標トルクの実現は可能であるものの、遅角量が大きくなることで燃費は悪化してしまう。
そこで、本実施の形態の制御装置は、トルク比率と目標効率とによる目標トルクの二重補正を防止できる構成を採っている。本実施の形態の制御装置では、図12に示すように、トルク比率算出部88で算出されたトルク比率は補正係数選択部92に入力されるようになっている。この補正係数選択部92には目標効率設定部42で設定された目標効率も入力されている。実施の形態6ではトルク比率と目標効率とを共に用いて目標トルクを補正していたが、本実施の形態ではトルク比率と目標効率の何れか一方のみが選択されて目標トルクの補正に用いられる。
補正係数選択部92の出力の切り替えは、所定の切り替え条件に従って自動的に行われるようになっている。点火時期制御の精度が優先される場合には目標効率が選択され、減速時にEGR率が燃焼限界を超えないための空気量制御が優先される場合にはトルク比率が選択される。例えば、通常は目標効率を出力し、トルク比率が1よりも小さくなった場合にはトルク比率を出力するのでもよい。また、トルク比率と目標効率とを比較してより小さいほうを出力するのでもよい。目標トルク補正部52は補正係数選択部92で選択されたトルク比率或いは目標効率によって目標トルクを除算し、その補正目標トルクをトルク−空気量変換部54に出力する。
本実施の形態の制御装置の各構成要素と第1、第2、第3、第6及び第7の各発明との関係は実施の形態6の場合と同様である。ただし、本実施の形態では空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88、補正係数選択部92及び目標トルク補正部52により第3及び第6の発明の「補正手段」が構成されている。また、本実施の形態では、目標トルク設定部40、空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88、目標トルク補正部52、トルク−空気量変換部54、目標スロットル開度算出部82及びスロットル制御部70によって第1及び第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について図を参照して説明する。
図13は、本発明の実施の形態8としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態6の制御装置の構成をベースとしつつ、目標トルクの補正に係る部分を一部変形した構成になっている。図13において実施の形態6と共通する要素は同一の符号を付している。以下、図13を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。ただし、実施の形態6と共通する構成についてはその説明を省略或いは簡略し、実施の形態6とは異なる構成について重点的に説明するものとする。
前述のように、実施の形態6の制御装置の構成では、トルク比率と目標効率とによって目標トルクが二重補正された場合に点火時期が大きく遅角されてしまう。このため、実施の形態7の制御装置では、目標トルクの二重補正を防止できる構成を採った。これに対し、本実施の形態の制御装置では、トルク比率によって目標トルクを補正しても点火時期は遅角されない構成を採った。トルク比率によって目標トルクを補正する目的は空気量が燃焼限界空気量を下回らないようにすることにあるので、トルクを補償するための点火時期の遅角は必ずしも必要ではない。
図13に示すように、本実施の形態の制御装置では、目標トルク設定部40で設定された目標トルクは、まず、目標トルク第1補正部94にてトルク比率によって除算される。そして、目標トルク第1補正部94で補正された目標トルクがトルク効率算出部64に入力される。これによれば、トルク効率が反映された補正目標トルクと推定トルクとの比に基づいて点火時期が遅角されるので、トルク比率が1よりも小さくなったことによって点火時期が遅角されることはない。
本実施の形態の制御装置は、目標トルク第1補正部94で補正された目標トルクをさらに目標効率で除算する目標トルク第2補正部96を備えている。また、目標トルク第1補正部94から出力される補正目標トルクと、目標トルク第2補正部96から出力される補正目標トルクの何れか一方を選択して出力する目標トルク選択部98を備えている。目標トルク選択部98で選択された補正目標トルクはトルク−空気量変換部54に出力される。目標トルク選択部98の出力の切り替えは、所定の切り替え条件に従って自動的に行われる。減速時にEGR率が燃焼限界を超えないための空気量制御が優先される場合には、目標トルク第1補正部94から出力される補正目標トルクが選択される。点火時期制御の精度が優先される場合には、目標トルク第2補正部96から出力される補正目標トルクが選択される。
本実施の形態の制御装置の各構成要素と第1、第2、第3及び第6の各発明との関係は実施の形態6の場合と同様である。ただし、本実施の形態では空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88及び目標トルク第1補正部94により第3及び第6の発明の「補正手段」が構成されている。また、本実施の形態では、目標トルク設定部40、空気量換算部84、空気量比率算出部86、トルク比率算出部88、目標トルク第1補正部94、トルク−空気量変換部54、目標スロットル開度算出部82及びスロットル制御部70によって第1及び第2の発明の「吸気制御手段」が構成されている。
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について図を参照して説明する。
図14は、本発明の実施の形態9としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、図6に示す実施の形態4の制御装置の構成をベースとしつつ、新たな計算要素を追加した構成になっている。図14には本実施の形態の特徴部分の構成を取り出して示している。図14において実施の形態4と共通する要素は同一の符号を付している。
本実施の形態のベースとなっている実施の形態4の制御装置では、点火時期を最適点火時期に設定したときの推定トルクと目標トルクとの比であるトルク効率に従って点火時期制御が行われる。このため、内燃機関の減速時、EGR率が燃焼限界を超えないようにスロットルの閉動作が一時的に停止或いは鈍化させられた場合には、それによるトルクの低下の遅れを補償するように自動的に点火時期が遅角されることになる。ただし、点火時期を遅角しすぎると失火が発生してしまうので、実施の形態4の制御装置では、下限ガード部66(図6参照)によってトルク効率をガードすることで点火時期の遅角を制限している。
点火時期の遅角を制限することは失火を防止する上では必要である。しかし、トルクを目標トルクまで低下させることができなくなるため、減速性能は低下してしまう。この点に関して更なる改良を施したものが本実施の形態の制御装置である。以下、図14を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
本実施の形態において新たに追加された計算要素は、最小トルク算出部100と気筒休止判定部102である。最小トルク算出部100は、下限ガード部56から出力される目標空気量に基づいて点火時期制御で実現可能な最小トルク、すなわち、点火時期を限界まで遅角したときのトルクを算出する。下限ガード部66でトルク効率がガードされたときの点火時期が遅角限界点火時期である。
最小トルクは空気量とEGR量との関係によって変わる。このため、最小トルク算出部100には、空気量とEGR量と最小トルクとの関係を記した最小トルクマップが記憶されている。最小トルク算出部100は、この最小トルクマップに目標空気量とEGR量とを入力し、それらの入力条件から決まる最小トルクを出力する。なお、本実施の形態は実施の形態4をベースとしているので、ここで用いられるEGR量は目標EGR量と推定EGR量のうち大きいほうである。
図15は最小トルクマップのイメージを示した図である。図中にはトルクとEGR量との関係を示す曲線が2本描かれている。上側の曲線は、燃焼限界空気量のもとで点火時期を最適点火時期に設定したときのトルクとEGR量との関係を示す曲線である。下側の曲線は、燃焼限界空気量のもとで点火時期を遅角限界点火時期に設定したときのトルクとEGR量との関係を示す曲線である。点火時期制御によって実現可能なトルク範囲は上側曲線と下側曲線とで挟まれた範囲であって、下側曲線よりも下側のトルク範囲は点火時期制御のみでは実現することができない範囲である。
本実施の形態では、目標トルク設定部40(図6参照)で設定された目標トルクが最小トルクよりも小さい場合、すなわち、点火時期を遅角限界点火時期に設定しても目標トルクを実現できない場合には、内燃機関の一部の気筒を休止させてトルクを低下させる。気筒休止は当該気筒への燃料供給の停止、すなわち、フューエルカットによって実現する。気筒休止は吸気弁や排気弁の動作の停止を伴ってもよい。
気筒休止判定部102は、最小トルクと目標トルクとを比較し、目標トルクが実現可能か否かを判定する。そして、目標トルクの実現は不可能と判定したときには、最小トルクと目標トルクとのトルク差に応じて休止する気筒数を決定し、休止気筒数を示す気筒休止フラグを出力する。燃料供給制御部80(図6参照)は、この気筒休止フラグを受けて対象気筒に対してフューエルカットを実行する。
以上のように、本実施の形態の制御装置は、内燃機関の減速時に点火時期の遅角を遅角限界点火時期で制限した場合には、その遅角限界点火時期で実現できる最小トルクと目標トルクとのトルク差に応じて一部の気筒を休止する。これによれば、EGR率の急上昇による失火だけでなく点火時期の過遅角による失火も確実に防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
本実施の形態では、トルク効率をガードする下限ガード部66が第8の発明の「遅角限界設定手段」と「遅角制限手段」とに相当する。また、最小トルク算出部100は第8の発明の「遅角限界トルク算出手段」に相当し、気筒休止判定部102と燃料供給制御部80とにより第8の発明の「気筒休止手段」が構成されている。
なお、図14に示す構成は実施の形態4の制御装置の構成をベースにしているが、本実施の形態の特徴部分である最小トルク算出部100と気筒休止判定部102は、実施の形態5乃至8の制御装置と組み合わせることもできる。
実施の形態10.
次に、本発明の実施の形態10について図を参照して説明する。
図16は、本発明の実施の形態9としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、実施の形態9の制御装置と同じく、点火時期の遅角が制限されたときのトルク低下の遅れを他の手段によって補償する構成になっている。図16において実施の形態9と共通する要素は同一の符号を付している。以下、図16を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
本実施の形態の制御装置と実施の形態9の制御装置とは、点火時期の遅角が制限された場合にさらにトルクを低下させるための手段に違いがある。本実施の形態では、排気弁の開弁時期(以下、EVO)を変更することによってトルクの低下を図る。このため、本実施の形態の制御装置は、実施の形態9の制御装置の気筒休止判定部102に代えて、EVOを算出するためのEVO算出部104を備えている。
EVO算出部104は、最小トルクと目標トルクとを比較して目標トルクが実現可能か否かを判定する。そして、目標トルクの実現は不可能と判定したときには、最小トルクと目標トルクとのトルク差に基づいてEVOを算出する。VVT制御部72(図6参照)は、算出されたEVOを実現するように排気弁側のバルブタイミング可変装置を制御する。図17において、実線で示す範囲が排気弁の通常の開弁期間であり、最小トルクよりも目標トルクが低いときには破線で示すようにEVOを進角する。図18のP−V線図に示すように、EVOを進角することによって膨張行程での筒内圧の低下を速めることができ、その分、トルクを低下させることができる。
以上のように、本実施の形態の制御装置は、内燃機関の減速時に点火時期の遅角を遅角限界点火時期で制限した場合には、その遅角限界点火時期で実現できる最小トルクと目標トルクとのトルク差に応じてEVOを進角する。これによれば、EGR率の急上昇による失火だけでなく点火時期の過遅角による失火も確実に防止しつつ、内燃機関の発生トルクを減速要求に応じたトルクまで速やかに低下させることができる。
本実施の形態では、トルク効率をガードする下限ガード部66が第9の発明の「遅角限界設定手段」と「遅角制限手段」とに相当する。また、最小トルク算出部100は第9の発明の「遅角限界トルク算出手段」に相当し、EVO算出部104とVVT制御部72とにより第9の発明の「排気弁制御手段」が構成されている。
なお、図16に示す構成は実施の形態4の制御装置の構成をベースにしているが、本実施の形態の特徴部分である最小トルク算出部100とEVO算出部104は、実施の形態5乃至8の制御装置と組み合わせることもできる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第3の発明の実施の形態としては、目標空気量や目標トルクを補正する代わりに、吸入空気量を燃焼限界吸入空気量以上とするように(充填効率を燃焼限界充填効率以上とするように)、目標スロットル開度を補正するようにしてもよい。
吸入空気量とEGR量と燃焼限界EGR率との関係を示すグラフである。 減速時の機関回転数、空気量、EGR弁の開閉状態、EGR量及びEGR率の各時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 目標空気量の算出の際に使用される空気量マップのイメージを示す図である。 燃焼限界空気量の算出の際に使用される燃焼限界空気量マップのイメージを示す図である。 本発明の実施の形態4としての内燃機関の制御装置の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態5としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態7としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態8としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態9としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 最小トルクの算出の際に使用される最小トルクマップのイメージを示す図である。 本発明の実施の形態10としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態10に係る排気弁制御を説明するためのバルブタイミング図である。 排気弁の開弁時期の調整によるトルクダウン効果を説明するための図である。
符号の説明
2 減速要求判定部
4 吸気制御部
6 EGR制御部
8 スロットル
10 EGR弁
12 EGR量算出部
14 燃焼限界判定部
20 目標トルク設定部
22 目標空気量算出部
24 目標スロットル開度算出部
26 スロットル制御部
28 EGR量算出部
30 目標空気量補正部
32 空気量比率算出部
34 目標空気量補正部
40 目標トルク設定部
42 目標効率設定部
44 目標A/F設定部
46 目標EGR量設定部
48 推定トルク算出部
50 推定EGR量算出部
52 目標トルク補正部
54 トルク−空気量変換部
56 下限ガード部
58 燃焼限界空気量算出部
60 吸気系目標制御量算出部
62 最大値選択部
64 トルク効率算出部
66 下限ガード部
68 目標点火時期算出部
70 スロットル制御部
72 VVT制御部
74 VL制御部
76 外部EGR制御部
78 点火時期制御部
80 燃料供給制御部
82 目標スロットル開度算出部
84 空気量換算部
86 空気量比率算出部
88 トルク比率算出部
90 目標トルク補正部
92 補正係数選択部
94 目標トルク第1補正部
96 目標トルク第2補正部
98 目標トルク選択部
100 最小トルク算出部
102 気筒休止判定部
104 EVO算出部

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関への減速要求を取得する減速要求取得手段と、
    前記減速要求が取得されたときには前記スロットルを閉じ方向に動作させ、前記減速要求の大きさから決まる最終スロットル開度と前記減速要求の取得時点でのスロットル開度との中間開度まで前記スロットルを閉じたときに、前記スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させる吸気制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記内燃機関の筒内に流入するEGRガスの量(以下、EGR量)を算出するEGR量算出手段と、
    前記EGR量に基づいて前記内燃機関の燃焼限界に対応する燃焼限界充填効率を算出する燃焼限界充填効率算出手段と、
    前記内燃機関への減速要求を取得する減速要求取得手段と、
    前記減速要求が取得されたときには前記スロットルを閉じ方向に動作させ、前記スロットルの開度から算出される実際の充填効率が前記燃焼限界充填効率まで低下したら、前記スロットルの閉動作を一時的に停止或いは鈍化させる吸気制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを結ぶEGR通路に設けられたEGR弁と、前記吸気通路に設けられたスロットルとを有する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関への減速要求を示す信号を取得する減速要求取得手段と、
    前記減速要求信号を複数のパラメータを経由して前記スロットルの制御信号に変換する吸気制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記内燃機関の筒内に流入するEGRガスの量(以下、EGR量)を算出するEGR量算出手段と、
    前記EGR量に基づいて前記内燃機関の燃焼限界に対応する燃焼限界充填効率を算出する燃焼限界充填効率算出手段と、
    前記複数のパラメータの中の所定のパラメータの値を充填効率に換算し、当該換算充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、充填効率を前記燃焼限界充填効率以上とするように前記所定パラメータの値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気制御手段は、
    前記減速要求信号に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    前記目標トルクから目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、
    前記目標充填効率から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、
    前記目標スロットル開度に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を有し、
    前記補正手段は、前記目標充填効率を前記所定パラメータとして使用し、前記目標充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、前記目標充填効率を前記燃焼限界充填効率以上の値に補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記目標充填効率を下限値でガードする手段であって、前記燃焼限界充填効率を下限値として設定することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記吸気制御手段は、
    前記減速要求信号に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    前記目標トルクから目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、
    前記目標充填効率から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、
    前記目標スロットル開度に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を有し、
    前記補正手段は、前記目標トルクを前記所定パラメータとして使用し、前記目標トルクから換算される充填効率が前記燃焼限界充填効率よりも小さいときには、当該換算充填効率に対する前記燃焼限界充填効率の比に基づいて前記目標トルクを補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  7. 点火時期を最適点火時期に設定したときの推定トルクを実際のスロットル開度に基づいて計算する推定トルク計算手段と、
    前記減速要求信号に基づいて設定された目標トルクと前記推定トルクとの比をトルク効率として算出するトルク効率算出手段と、
    前記トルク効率を用いて最適点火時期に対する点火遅角量を算出し、前記点火遅角量に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記内燃機関は複数の気筒を有する内燃機関であって、
    前記目標充填効率と前記EGR量とに基づいて点火時期の遅角限界値を設定する遅角限界設定手段と、
    点火時期の遅角を前記遅角限界値で制限する遅角制限手段と、
    点火時期を前記遅角限界値に設定したときの遅角限界トルクを算出する遅角限界トルク算出手段と、
    前記遅角限界トルクが前記目標トルクよりも大きいときには、そのトルク差に応じて一部の気筒を休止させる気筒休止手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関は排気弁の開弁時期を変更可能な内燃機関であって、
    前記目標充填効率と前記EGR量とに基づいて点火時期の遅角限界値を設定する遅角限界設定手段と、
    点火時期の遅角を前記遅角限界値で制限する遅角制限手段と、
    点火時期を前記遅角限界値に設定したときの遅角限界トルクを算出する遅角限界トルク算出手段と、
    前記遅角限界トルクが前記目標トルクよりも大きいときには、そのトルク差に応じて前記排気弁の開弁時期を変更する排気弁制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
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