JP2010007489A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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圭助 河井
Naoto Kato
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Hiroyuki Tanaka
宏幸 田中
Isato Nakada
勇人 仲田
Shinichi Soejima
慎一 副島
Iku Otsuka
郁 大塚
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の各種機能に関する要求の実現過程において筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを回避できるようにする。
【解決手段】燃料噴射タイミングでは、目標トルクに基づいてA/Fガード値を決定し、このA/Fガード値によって修正した目標空燃比に基づいて燃料噴射量を決定する。そして、同気筒の吸気弁の閉弁により気筒内空気量が確定した後、点火時期タイミングでは、確定した気筒内空気量と修正目標空燃比とに基づいて効率ガード値を決定し、この効率ガード値によって修正したトルク効率に基づいて点火時期を決定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、内燃機関の各種の機能に関する要求を複数のアクチュエータの協調制御によって実現させる制御装置に関する。
従来、内燃機関のトルクの制御方法として、トルクに関係する複数のアクチュエータを協調制御する方法が知られている。例えば、特開2005−113877号公報には、要求トルクに基づいてスロットル開度と点火時期とを協調制御する所謂トルクデマンド制御に関して記載されている。ここに記載された技術では、ベース点火時期とMBTとの差に応じて決まる点火時期効率によって要求トルクが補正され、その効率補正された要求トルクに基づいて要求スロットル開度が算出されている。また、実際の吸入空気量と機関回転数とから推定されたMBTにおける推定図示トルクが空燃比効率で補正され、これと要求トルクとの比に基づいて要求点火時期が算出されている。
特開2005−113877号公報 特表2000−512713号公報
上記公報に記載の技術では、要求トルクの他にも点火時期効率や空燃比効率といった複数の目標値が設定されている。各アクチュエータの制御量はこれら目標値を入力値として所定の計算規則に従って計算されている。ところが、通常、各目標値は内燃機関の各種機能に関する要求に基づいてそれぞれが独立して設定される。このため、目標値間の関係によっては結果として実現不可能な制御量が算出されるおそれがある。また、各アクチュエータの個々の制御量は実現可能であったとしても、それら制御量間の関係によっては筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまい、燃焼変動や失火といった問題が発生するおそれがある。
このような問題への対応策としては、独立して設定された各目標値を相互の関係に基づいて修正することが考えられる。しかし、燃焼限界を超えないための安全代を大きくとりすぎると、目標値の修正が大きくなってしまい要求の実現精度は低下してしまう。したがって、目標値の修正は燃焼限界を超えない範囲の最小限にとどめたいが、そのためには、燃焼タイミングにより近いタイミングで修正を行うことが好ましい。燃焼タイミングに近いほど、筒内の燃焼条件に関するより精度の高い情報が得られるものと考えられるからである。ただし、アクチュエータはそれぞれが所定の規則に従って動作するため、目標値の修正タイミングを定める際には各アクチュエータの動作タイミングも考慮する必要がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の各種機能に関する要求の実現過程において筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを回避できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明としての内燃機関の制御装置は、
内燃機関の機能に関する要求のうちトルクで表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
前記内燃機関の機能に関する要求のうち効率で表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標効率を設定する目標効率設定手段と、
前記内燃機関の機能に関する要求のうち空燃比で表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、
前記目標トルクと前記目標効率とに基づいて吸気調整弁の開度を設定する吸気調整弁開度設定手段と、
前記目標トルクと現在の吸気調整弁開度から推定されるトルクとの比をトルク効率として算出するトルク効率算出手段と、
気筒の一燃焼のための燃料供給量を決定するタイミングに合わせて、同気筒内の燃焼条件が燃焼限界内に収まるように、少なくとも前記目標トルクに基づいて前記目標空燃比を修正する目標空燃比修正手段と、
前記修正目標空燃比に基づいて同気筒の燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、
同気筒の吸気弁の閉弁により気筒内空気量が確定した後、同気筒内の燃焼条件が燃焼限界内に収まるように、少なくとも前記気筒内空気量に基づいて前記トルク効率を修正するトルク効率修正手段と、
前記修正トルク効率に基づいて同気筒の点火時期を設定する点火時期設定手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記トルク効率修正手段は、前記気筒内空気量及び前記修正目標空燃比に基づいて前記トルク効率を修正することを特徴としている。
第3の発明は、第1の発明において、
前記トルク効率修正手段は、前記トルク効率を効率ガード値でガードすることによって前記トルク効率に修正を施す手段であって、前記気筒内空気量に応じて前記効率ガード値を変更することを特徴としている。
第4の発明は、第2の発明において、
前記トルク効率修正手段は、前記トルク効率を効率ガード値でガードすることによって前記トルク効率に修正を施す手段であって、前記気筒内空気量及び前記修正目標空燃比に応じて前記効率ガード値を変更することを特徴としている。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記目標空燃比修正手段は、前記目標空燃比を空燃比ガード値でガードすることによって前記目標空燃比に修正を施す手段であって、前記目標トルクに応じて前記空燃比ガード値を変更することを特徴としている。
第6の発明は、第3又は第4の発明において、
前記目標効率を前記効率ガード値でガードすることによって前記目標効率に修正を施す目標効率修正手段、
をさらに備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、燃料供給量の設定に用いられる目標空燃比と点火時期の設定に用いられるトルク効率とが、気筒内の燃焼条件が燃焼限界内に収まるように修正される。このうち目標空燃比は、気筒の一燃焼のための燃料供給量を決定するタイミングに合わせて、少なくとも目標トルクに基づいて修正され、トルク効率は、同気筒の吸気弁の閉弁により気筒内空気量が確定した後、少なくとも気筒内空気量に基づいて修正される。気筒内空気量は燃焼限界に影響する重要な燃焼条件であるところ、目標トルクは将来の気筒内空気量の予測値に対応しており、しかも燃料供給量を決定するタイミングは目標空燃比を燃料供給量に反映可能な時間内で燃焼タイミングに最も近いタイミングである。したがって、燃料供給量を決定するタイミングに合わせて目標空燃比を修正することで、最新の情報を目標空燃比の修正に反映させることができる。さらに、トルク効率の修正は気筒内空気量が確定した後とすることで、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを確実に回避することができる。
第2の発明によれば、空燃比と効率とは燃焼限界に関して密接に関連するところ、気筒内空気量に加えて修正目標空燃比にも基づいてトルク効率を修正することにより、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことをより確実に回避することができる。
第3の発明によれば、トルク効率を修正するためには、トルク効率と効率ガード値とを比較し、その比較結果に基づいてトルク効率と効率ガード値の何れか一方を選択するだけでよい。また、気筒内空気量を修正に反映させるためには、効率ガード値を気筒内空気量に応じて変更するだけでよい。この発明によれば、トルク効率の修正処理に要する計算を簡素化することができ、制御装置の計算負荷を抑えることができる。
第4の発明によれば、トルク効率を修正するためには、トルク効率と効率ガード値とを比較し、その比較結果に基づいてトルク効率と効率ガード値の何れか一方を選択するだけでよい。また、気筒内空気量を修正に反映させるためには、効率ガード値を気筒内空気量及び修正目標空燃比に応じて変更するだけでよい。効率ガード値の設定には、気筒内空気量と修正目標空燃比とをパラメータとして持つマップを用いることもできる。この発明によれば、トルク効率の修正処理に要する計算を簡素化することができ、制御装置の計算負荷を抑えることができる。
第5の発明によれば、目標空燃比を修正するためには、目標空燃比と空燃比ガード値とを比較し、その比較結果に基づいて目標空燃比と空燃比ガード値の何れか一方を選択するだけでよい。また、目標トルクを修正に反映させるためには、燃料供給量の決定タイミングに合わせて目標トルクを取得し、その目標トルクに応じて空燃比ガード値を変更するだけでよい。この発明によれば、目標空燃比の修正処理に要する計算を簡素化することができ、制御装置の計算負荷を抑えることができる。
第6の発明によれば、吸気調整弁開度の設定に関わる目標効率をトルク効率のガードで用いるのと同じ効率ガード値でガードすることによって、点火遅角量に比べて吸入空気量の嵩上げが過大になることを防止して目標トルクの実現精度を高めることができる。
本発明の実施の形態について図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、火花点火式の内燃機関に適用され、火花点火式内燃機関のアクチュエータであるスロットル、点火装置及び燃料供給装置の動作を制御する制御装置として構成されている。まずは、図1を参照して本実施の形態の制御装置の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の制御装置は目標値設定部2、修正部4、制御量計算部6及びアクチュエータ制御部8から構成されている。これら部分2,4,6,8間での信号の流れは基本的には一方向であり、目標値設定部2からアクチュエータ制御部8へ向けて信号が伝達されるようになっている。内燃機関のアクチュエータであるスロットル、点火装置及び燃料供給装置は、最下位のアクチュエータ制御部8に接続されている。
目標値設定部2は、内燃機関の各種機能に関する要求を調停し、内燃機関の動作を制御するための目標値を設定する機能を有している。内燃機関の機能とはドライバビリティ、排気ガス、燃費等であり、それらに関する要求はトルク、効率及び空燃比の何れかの物理量で表現されている。なお、ここでいう効率とは、トルクに変換可能な熱エネルギのトルクへの変換効率に相当し、点火時期がMBTのときを基準にして設定される無次元パラメータである。触媒暖機のために熱エネルギを排気ガスの昇温に利用したい場合等には、効率の要求値は基準値の1よりも小さい値とされる。また、点火時期の進角によってトルクアップを図りたい場合にも、予めリザーブトルクを確保しておくために効率の要求値は基準値の1よりも小さい値とされる。
目標値設定部2には、トルクに関する要求を集約して1つの値に調停するトルク調停部12と、効率に関する要求を集約して1つの値に調停する効率調停部14と、空燃比に関する要求を集約して1つの値に調停する空燃比調停部16とが設けられている。トルク調停部12は、調停したトルク値を内燃機関の目標トルクとして設定する。また、効率調停部14は、調停した効率値を内燃機関の目標効率として設定する。そして、空燃比調停部16は、調停した空燃比を内燃機関の目標空燃比として設定する。なお、ここでいう調停とは、予め定められた計算規則に従って複数の数値から1つの数値を得る動作である。計算規則には例えば最大値選択、最小値選択、平均、或いは重ね合わせ等が含まれる。それら複数の計算規則を適宜に組み合わせたものとしてもよい。
トルク調停部12で設定された目標トルクと、効率調停部14で設定された目標効率とは直接にはスロットル制御(吸気制御)に用いられる信号となる。また、空燃比調停部16で設定された目標空燃比は直接には燃料供給制御に用いられる信号となる。内燃機関を制御するためには、これらの信号に加えて点火時期制御に用いる信号が必要であり、目標値設定部2にはその信号を生成する機能も備えられている。
本実施の形態の制御装置において点火時期制御に用いられる信号はトルク効率である。トルク効率は、内燃機関の推定トルクに対する目標トルクの比として定義される。目標値設定部2は、トルク効率の算出ための要素として、推定トルク算出部40とトルク効率算出部42とを備えている。推定トルク算出部40は、現在のスロットル開度のもと点火時期を最適点火時期(MBT若しくはトレースノック点火時期)に設定した場合に出力されるトルクを内燃機関の推定トルクとして算出する。トルク効率算出部42は、トルク調停部12にて設定された目標トルクと、推定トルク算出部40で算出された推定トルクとの比をトルク効率として算出する。
後述するが、スロットルは目標トルクを目標効率で除算して嵩上げした補正目標トルクを実現するように制御される。これは目標効率の分だけ低下するトルクを吸入空気量の増量によって補うためである。ただし、スロットルの動作に対する実際の吸入空気量の応答には遅れがあるため、実際に出力可能なトルク(推定トルク)は目標効率の変化に対して応答遅れがある。推定トルクと目標トルクとの比であるトルク効率は、目標効率と実際の吸入空気量の変化とを共に点火時期制御に反映させるためのパラメータになっている。少なくとも吸入空気量が一定となった定常状態では、理論的には推定トルクは補正目標トルクに一致し、トルク効率は目標効率に一致するようになる。
次の階層の修正部4には、目標値設定部2で設定された目標トルク、目標効率及び目標空燃比と、同じく目標値設定部2で算出されたトルク効率とが入力される。目標値設定部2で行われる各目標値の設定或いは算出時には、各々の目標値が他の目標値との関係で実現可能な値かどうかは考慮されない。このため、各目標値の大きさの関係によっては筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまい、内燃機関を適正に運転できない可能性がある。そこで、修正部4では、内燃機関の適正運転が可能になるように、目標値設定部2から出力される目標値のうち目標効率、目標空燃比及びトルク効率の各値が修正される。修正部4の構成とその機能に関しては追って詳細に説明する。
次の階層の制御量計算部6には、修正部4から出力される目標トルク、修正目標効率、修正目標空燃比、そして、修正トルク効率が入力される。制御量計算部6では、これらの信号に基づいて各アクチュエータの制御量であるスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量が計算される。
制御量計算部6は、スロットル開度の計算のための要素として目標トルク補正部50とスロットル開度設定部52とを備えている。修正部4から出力される信号のうち目標トルクと修正目標効率とは、目標トルク補正部50に入力される。目標トルク補正部50は目標トルクを修正目標効率で除算して補正し、効率補正後の目標トルクをスロットル開度設定部52に出力する。修正目標効率が最大効率の1であれば、トルク調停部12で設定された目標トルクがそのままスロットル開度設定部52に供給される。一方、修正目標効率が1よりも小さければ、修正目標効率による除算によって目標トルクは嵩上げされ、嵩上げされた補正目標トルクがスロットル開度設定部52に供給される。
スロットル開度設定部52は補正目標トルクを目標吸入空気量に変換し、さらに、目標吸入空気量をスロットル開度に変換する。目標トルクの目標吸入空気量への変換においては、点火時期が最適点火時期に設定されているとの前提で計算が行われる。目標吸入空気量のスロットル開度への変換においては、スロットルの動作に対する吸入空気量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した吸気系エアモデルの逆モデルが用いられる。スロットル開度設定部52は、目標吸入空気量から変換されたスロットル開度を目標スロットル開度として設定する。
また、制御量計算部6は、点火時期の計算のための要素として点火時期設定部54を備えている。修正部4から出力される信号のうち修正トルク効率が点火時期設定部54に入力される。点火時期設定部54は修正トルク効率から最適点火時期に対する遅角量を計算する。点火遅角量は修正トルク効率が最大効率である1のときにゼロとされ、修正トルク効率が小さいほど大きい値に設定されるようになっている。点火時期設定部54は点火遅角量を最適点火時期に加算し、その計算結果を最終的な点火時期として設定する。なお、最適点火時期は内燃機関の運転状態に基づいて計算される。
また、制御量計算部6は、燃料噴射量の計算のための要素として燃料噴射量設定部56を備えている。燃料噴射量設定部56には修正目標空燃比が入力される。燃料噴射量設定部56は、修正目標空燃比と吸入空気量とから燃料噴射量を計算する。
アクチュエータ制御部8には、スロットル制御部60、点火時期制御部62及び燃料供給制御部64が設けられている。スロットル制御部60は、スロットル開度設定部52で設定されたスロットル開度を実現するようにスロットルを制御する。また、点火時期制御部62は、点火時期設定部54で設定された点火時期を実現するように点火装置を制御する。そして、燃料供給制御部64は、燃料噴射量設定部56で設定された燃料噴射量を実現するように燃料供給装置を制御する。
以上が本実施の形態の制御装置の基本的な構成に関する説明である。次に、本実施の形態の制御装置にとっての要部である修正部4の構成とその機能について説明する。
修正部4は目標効率の上下限を制限する第1の目標効率ガード部20と、同じく目標効率の上下限を制限する第2の目標効率ガード部22とを備えている。目標効率はまず第1目標効率ガード部20で処理されて、次に第2目標効率ガード部22で処理される。これら目標効率ガード部20,22は、目標効率の上限を定めた上限ガード値と下限を定めた下限ガード値とを有している。目標効率ガード部20,22に入力された目標効率が上限ガード値と下限ガード値との間にある場合には、入力された目標効率がそのまま出力される。一方、入力された目標効率が上限ガード値よりも大きい場合には、上限ガード値が修正目標効率として出力される。また、入力された目標効率が下限ガード値よりも小さい場合には、下限ガード値が修正目標効率として出力される。
また、修正部4は目標空燃比の上下限を制限する目標空燃比ガード部32と、トルク効率の上下限を制限するトルク効率ガード部36を備えている。目標空燃比ガード部32及びトルク効率ガード部36の機能は前述の目標効率ガード部20,22の機能に共通している。これらのガード部20,22,32,36によって目標効率、目標空燃比及びトルク効率の上下限が制限されることで、各目標値の大きさの関係は筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えない範囲に収められる。
ただし、燃焼限界は内燃機関の運転条件によって変わるので、仮に上下限ガード値を固定にするのであれば燃焼限界を超えないための安全代を大きくとらざるを得ない。その場合、目標値の修正が大きくなってしまい内燃機関の各種機能に関する要求の実現精度は低下してしまう。そこで、本実施の形態の制御装置では、各ガード部20,22,32,36の上下限ガード値は何れも可変とされ、相互に連動して変更されるようになっている。その仕組みは次の通りである。
まず、第1目標効率ガード部20について説明する。第1目標効率ガード部20の上下限ガード値には、効率最上下限値マップ24から読み出された値がセットされる。効率最上下限値マップ24には、全空燃比領域において正常燃焼を担保できる効率の最上限値及び最下限値が、機関回転数、目標トルク、バルブタイミング等の運転条件に関連付けて記憶されている。これら運転条件をもとに効率最上下限値マップ24から読みされた最上限値が目標効率の上限ガード値となり、読みされた最下限値が目標効率の下限ガード値となる。
次に、目標空燃比ガード部32について説明する。目標空燃比ガード部32の上下限ガード値には、運転モードとして効率優先モードが選択されたときの上下限ガード値(効率優先時)と、空燃比優先モードが選択されたときの上下限ガード値(A/F優先時)とが用意されている。目標空燃比ガード部32の規制範囲を変更することで、目標空燃比の大きさの調整が可能になる。運転モードに応じた上下限ガード値の選択は選択部30が行う。選択部30は運転モードに応じて選択した何れか一方の上下限ガード値を目標空燃比ガード部32にセットする。
空燃比優先モードが選択された場合、目標空燃比ガード部32の上下限ガード値には、A/F最上下限値マップ26から読み出された値がセットされる。A/F最上下限値マップ26には、全効率領域において正常燃焼を担保できる空燃比の最上限値及び最下限値が、機関回転数、目標トルク、バルブタイミング等の運転条件に関連付けて記憶されている。これら運転条件をもとにA/F最上下限値マップ26から読みされた最上限値が目標空燃比の上限ガード値となり、読みされた最下限値が目標空燃比の下限ガード値となる。
効率優先モードが選択された場合、目標空燃比ガード部32の上下限ガード値には、A/F限界値マップ28から読み出された値がセットされる。A/F限界値マップ28には、ある効率のもとで正常燃焼を担保できる空燃比の上限値及び下限値が機関回転数、筒内空気量、バルブタイミング等の運転条件に関連付けて記憶されている。A/F限界値マップ28に入力される効率は、前述の第1目標効率ガード部20から出力される修正目標効率である。修正目標効率と前記の運転条件をもとにA/F限界値マップ28から読みされた上限値が目標空燃比の上限ガード値となり、読みされた下限値が目標空燃比の下限ガード値となる。
次に、トルク効率ガード部36について説明する。トルク効率ガード部36の上下限ガード値には、効率限界値マップ34から読み出された値がセットされる。効率限界値マップ34には、ある空燃比のもとで正常燃焼を担保できる効率の上限値及び下限値が機関回転数、筒内空気量、バルブタイミング等の運転条件に関連付けて記憶されている。先に説明したマップ24,26,28では目標トルクをパラメータとしているのに対し、この効率限界値マップ34では気筒内空気量をパラメータとしていることが本実施の形態の1つの特徴になっている。その意義については追って詳述する。効率限界値マップ34に入力される空燃比は、目標空燃比ガード部32から出力される修正目標空燃比である。修正目標空燃比と前記の運転条件をもとに効率限界値マップ34から読み出された上限値がトルク効率の上限ガード値となり、読みされた下限値がトルク効率の下限ガード値となる。
最後に、第2目標効率ガード部22について説明する。第2目標効率ガード部22の上下限ガード値には、トルク効率ガード部36の場合と同じく、効率限界値マップ34から読み出された値がセットされる。修正目標空燃比と前記の運転条件をもとに効率限界値マップ34から読みされた上限値が目標効率の上限ガード値となり、読みされた下限値が目標効率の下限ガード値となる。
上述のような修正部4の構成によれば、内燃機関の運転モードにより決まる優先順序に従い、優先順位の高い目標値を基準にして優先順位の低い目標値を修正することができる。このような機能を実現可能にしている要素が、A/F限界値マップ28と効率限界値マップ34である。以下、A/F限界値マップ28を用いた上下限ガード値の設定方法と、効率限界値マップ34を用いた上下限ガード値の設定方法とについて図2、図3を用いて説明する。
図2はA/F限界値マップ28のイメージを示した図であり、図3は効率限界値マップ34のイメージを示した図である。各図では縦軸に効率をとり横軸に空燃比(A/F)をとっている。図中に示す曲線は燃焼限界ラインである。燃焼限界ラインよりも上の領域は適正な運転が担保できる領域(OK領域)であり、燃焼限界ラインよりも下の領域は失火や緩慢燃焼によって適正に運転できない領域(NG領域)である。図2と図3とを比較して分かるように、A/F限界値マップ28と効率限界値マップ34とは信号の入出力が反対の関係になっている。
A/F限界値マップ28では、まず、機関回転数、目標トルク、バルブタイミング等の運転条件が読み込まれ、それら運転条件に基づいて燃焼限界ラインが決定される。また、第1目標効率ガード部20でガード処理された修正目標効率αが読み込まれ、図2に示すように、燃焼限界ライン上で修正目標効率αに対応する空燃比の値が計算される。図2に示す場合では、修正目標効率αに対応する空燃比の値は大小二つ存在し、大きい方の値が修正目標効率αの下での目標空燃比の上限ガード値として設定される。また、小さい方の値が修正目標効率αの下での目標空燃比の下限ガード値として設定される。
効率限界値マップ34では、まず、機関回転数、筒内空気量、バルブタイミング等の運転条件が読み込まれ、それら運転条件に基づいて燃焼限界ラインが決定される。また、目標空燃比ガード部32でガード処理された修正目標空燃比βが読み込まれ、図3に示すように、燃焼限界ライン上で修正目標空燃比βに対応する効率の値が計算される。その値が、修正目標空燃比βの下でのトルク効率及び目標効率の下限ガード値として設定される。上限ガード値には予め設定されている値(例えば1)が用いられる。
先に述べたように、A/F限界値マップ28は効率優先モードが選択された場合に有効になり、空燃比優先モードが選択された場合は無効になる。一方、効率限界値マップ34は空燃比優先モードが選択された場合に有効になり、効率優先モードが選択された場合には実質的に無効になる。以下では、空燃比優先モードが選択された場合の修正部4の動作と、効率優先モードが選択された場合の修正部4の動作とについてそれぞれ図を用いて順に説明する。
図4は空燃比優先モードが選択された場合の修正部4の動作について示す図である。図4では空燃比優先モードにおいて有効な要素の枠を太実線で描いている。また、空燃比優先モードにおいて無効な要素は枠を破線で描き、実質的に無効となる要素の枠を細実線で描いている。また、空燃比優先モードにおける特徴的な信号の流れは太い矢印線で示している。
図4中に太線で示すように、空燃比優先モードでは、A/F最上下限値マップ26から読み出された上下限ガード値が目標空燃比ガード部32にセットされる。そして、目標空燃比ガード部32で修正された修正目標空燃比が効率限界値マップ34に入力され、修正目標空燃比に基づいて上下限ガード値が設定される。効率限界値マップ34で設定された上下限ガード値は、トルク効率ガード部36にセットされるとともに、第2目標効率ガード部22にもセットされる。トルク効率がトルク効率ガード部36でガード処理されることで、空燃比と効率との関係が燃焼限界内に収められることになる。また、それと合わせて目標効率が第2目標効率ガード部22でガード処理されることで、点火遅角量に比べて吸入空気量の嵩上げが過大になってしまうことを防止することができる。
この場合、第1目標効率ガード部20による目標効率の修正も機能してはいる。しかし、効率限界値マップ34で設定される上下限ガード値は効率最上下限値マップ24で設定される上下限ガード値よりも制限が厳しいため、第1目標効率ガード部20による目標効率の修正は実質的に無効になる。
以上のように、空燃比優先モードでは全効率領域での最上下限値に設定された上下限ガード値によって目標空燃比の修正が行われる。そして、その修正目標空燃比に基づいて設定された上下限ガード値によってトルク効率と目標効率の修正が行われる。このような手順で各目標値が修正されることにより、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを回避しつつ、優先順位が高い目標空燃比の実現精度を高く保つことができる。
一方、図5は効率優先モードが選択された場合の修正部4の動作について示す図である。図5では効率優先モードにおいて有効な要素の枠を太実線で描いている。また、効率優先モードにおいて無効な要素は枠を破線で描き、実質的に無効となる要素の枠を細実線で描いている。また、効率優先モードにおける特徴的な信号の流れは太い矢印線で示している。
図5中に太線で示すように、効率優先モードでは、効率最上下限値マップ24から読み出された上下限ガード値が第1目標効率ガード部20にセットされる。そして、第1目標効率ガード部20で修正された修正目標効率がA/F限界値マップ28に入力され、修正目標効率に基づいて上下限ガード値が設定される。A/F限界値マップ28で設定された上下限ガード値は目標空燃比ガード部32にセットされる。目標空燃比が目標空燃比ガード部32でガード処理されることで、目標空燃比と目標効率との関係が燃焼限界内に収められることになる。
この場合も、目標空燃比ガード部32で修正された修正目標空燃比が効率限界値マップ34に入力され、修正目標空燃比に基づいて上下限ガード値が設定される。効率限界値マップ34で設定された上下限ガード値はトルク効率ガード部36にセットされるとともに、第2目標効率ガード部22にもセットされる。
ここで、効率限界値マップ34はA/F限界値マップ28の信号の入出力を逆にしたものであるので、A/F限界値マップ28に基づいて効率と空燃比との関係の調整が完了しているならば、効率限界値マップ34に基づく調整が機能することはない。したがって、第2目標効率ガード部22に入力された目標効率が上下限ガード値に掛かることは基本的にはない。
一方、トルク効率ガード部36では、入力されたトルク効率が上下限ガード値に掛かることがある。第1目標効率ガード部20で修正された修正目標効率よりもトルク効率のほうが小さい値のときには、目標空燃比ガード部32で修正された修正目標空燃比との関係が燃焼限界を超えてしまう。その場合には、トルク効率ガード部36が機能することによって、トルク効率は全空燃比領域での最下限値で制限されることになり、内燃機関の適正運転が担保されるようになる。
以上のように、効率優先モードでは全空燃比領域での最上限値及び最下限値に設定された上下限ガード値によって目標効率の修正が行われる。そして、その修正目標効率に基づいて設定された上下限ガード値によって目標空燃比の修正が行われる。さらに、その修正目標空燃比に基づいて設定された上下限ガード値によってトルク効率が燃焼限界を超えていないか確認される。このような手順で各目標値が修正されることにより、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを回避しつつ、優先順位が高い目標効率の実現精度を高く保つことができる。
次に、修正部4の演算タイミングに関して説明する。本実施の形態では、図6に示すように修正部4を構成する要素が3つのグループに分けられ、グループ毎に演算タイミングが設定されている。まず、第1のグループは第1目標効率ガード部20、第2目標効率ガード部22及び効率最上下限値マップ24からなるグループである。これらの要素20,22,24は主として目標効率の修正のための要素であり、スロットル制御に関わっている。そこで、このグループの演算タイミングはスロットルの制御周期(スロットルタイミング)に合わせて設定されている。スロットルタイミングは機関回転数によらず一定の周期(例えば8msec)に設定されている。
第2のグループはA/F最上下限値マップ26、A/F限界値マップ28、選択部30及び空燃比ガード部32からなるグループである。これらの要素26,28,30,32は主として目標空燃比の修正のための要素であり、燃料噴射制御に関わっている。そこで、このグループの演算タイミングは燃料噴射タイミングに合わせて設定されている。燃料噴射タイミングはクランク角度によって決まる。
そして、第3のグループは効率限界値マップ34とトルク効率ガード部36からなるグループである。これらの要素34,36は主としてトルク効率の修正のための要素であり、点火時期制御に関わっている。そこで、このグループの演算タイミングは点火時期タイミングに合わせて設定されている。トルク効率算出部42の演算タイミングに関しても同様である。点火時期タイミングはクランク角度によって決まる。
このように各アクチュエータの動作タイミングに合わせてその制御に関係する要素の演算タイミングを設定したのは、次のような理由による。
後段の制御量計算部6では、修正部4から供給される各目標値に基づいて各アクチュエータの制御量を計算し、計算した制御量をアクチュエータ制御部8にセットする。この制御量を用いてアクチュエータ制御部8が各アクチュエータの動作を制御することで、目標値設定部2に入力された各種要求が実際の内燃機関の運転に反映されることになる。このときの内燃機関の運転状態が本当に適正運転になっているかどうかは、各アクチュエータを動作させる制御量の精度によって決まり、その精度を左右するのが修正部4で行われる各目標値の修正精度である。修正精度は修正のために用いる情報の新しさによって左右され、その情報の新しさを決定するのが情報の取得タイミングである。
情報の取得タイミングは筒内の燃焼条件が確定するタイミング、すなわち、実際に燃焼が起こる燃焼タイミングに近いほど好ましい。取得した情報を目標値の修正に反映させ、さらにその修正目標値を制御量の設定に反映させることが可能なぎりぎりのタイミングは、各アクチュエータの動作タイミング、より詳しくは、各アクチュエータに制御信号を供給するタイミングである。そのタイミングは、スロットルであれば一定周期で到来するスロットルタイミングであり、燃料供給装置であれば各気筒の1サイクル毎に到来する燃料噴射タイミングであり、点火装置であれば各気筒の1サイクル毎に到来する点火時期タイミングである。
図7は修正部4による各演算のタイミング(ロジック側イベント)を機関側イベントに対照させて示したタイミングチャートである。ここでは、アクチュエータの動作タイミングのうち、各気筒の1サイクル毎に決まる燃料噴射タイミングと点火時期タイミングについて示している。本実施の形態の制御装置は、気筒毎に上述の燃料噴射制御と点火時期制御を実施している。図7に示す各イベントはある1つの気筒について示したものであり、他の気筒についても同様のイベントが生じている。
まず、機関側のイベントが排気行程のときに燃料噴射タイミングが到来する。燃料噴射タイミングでは、空燃比ガード部32にセットされる目標空燃比の上下限ガード値(A/Fガード値)が算出される。A/Fガード値はA/F最上下限値マップ26或いはA/F限界値マップ28によって算出されるが、前述のように、これらのマップ26,28ではパラメータとして目標トルクが用いられている。すなわち、目標トルクに応じてA/Fガード値が決定されるようになっている。
燃焼限界に影響する重要な燃焼条件の一つが筒内空気量であるが、A/Fガード値が算出される燃料噴射タイミングでは筒内空気量は未だ確定していない。しかし、図7に示すように空気量は目標トルクに追従して変化するので、目標トルクは将来の気筒内空気量の予測値として用いることができる。目標空燃比を燃料供給量に反映可能な時間内で燃焼タイミングに最も近いのが燃料噴射タイミングであり、このタイミングで取得した目標トルクに基づいてA/Fガード値を算出することで、目標空燃比の修正精度を高めることができる。A/Fガード値が決定されることで修正目標空燃比が決まり、その修正目標空燃比に基づいて燃料噴射量が決定される。これにより、気筒内の燃料量が確定する。
機関側のイベントは吸気弁が開いたタイミング(IVO)で排気行程から吸気行程に移り、吸気弁が閉じたタイミング(IVC)で当該気筒の気筒内空気量が確定する。そして、気筒内空気量が確定した後の圧縮行程において点火時期タイミングが到来する。点火時期タイミングでは、トルク効率ガード部36にセットされるトルク効率の上下限ガード値(効率ガード値)が算出される。効率ガード値は効率限界値マップ34によって算出されるが、前述のように、効率限界値マップ34ではパラメータとして目標トルクではなく気筒内空気量が用いられている。このタイミングでは今回の燃焼における気筒内空気量が確定しているので、効率限界値マップ34にはその確定した気筒内空気量を入力することができる。なお、気筒内空気量の算出方法や推定方法に関しては、吸気弁を含む吸気系の物理モデルを用いる等、種々の方法が提案されている。本発明の実施においては、気筒内空気量をどのような方法で求めるかについては特に限定はない。
気筒内空気量が確定することで燃焼限界に影響する燃焼条件の一つが決まる。したがって、確定した気筒内空気量に基づいて効率ガード値を算出すれば、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えないように正確にトルク効率を修正することができる。このことは、効率ガード値算出タイミングを点火時期タイミングに合わせたことによって実現できた効果でもある。このようにして修正されたトルク効率に基づいて点火時期が決定されることにより、筒内の燃焼条件が燃焼限界を超えてしまうことを確実に回避することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態としての内燃機関の制御装置について説明した。実施の形態と本発明との対応関係は次の通りである。
まず、図1に示す構成において、トルク調停部12は第1の発明の「目標トルク設定手段」に相当する。効率調停部14は第1の発明の「目標効率設定手段」に相当する。空燃比調停部16は第1の発明の「目標空燃比設定手段」に相当する。また、目標トルク補正部50及びスロットル開度設定部52により第1の発明の「吸気調整弁開度設定手段」が構成されている。また、推定トルク算出部40及びトルク効率算出部42により第1の発明の「トルク効率算出手段」が構成されている。点火時期設定部54は第1の発明の「点火時期設定手段」に相当する。燃料噴射量定部56は第1の発明の「燃料供給量設定手段
」に相当する。
さらに、図1に示す構成において、A/F最上下限値マップ26、A/F限界値マップ28、選択部30及び空燃比ガード部32により第1及び第5の発明の「目標空燃比修正手段」が構成されている。また、効率限界値マップ34とトルク効率ガード部36とにより第1、第2、第3及び第4の発明の「トルク効率修正手段」が構成されている。また、第1目標効率ガード部20、第2目標効率ガード部22及び効率最上下限値マップ24により第6の発明の「目標効率修正手段」が構成されている。
ところで、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施の形態では、吸気調整弁としてスロットルを用いているが、可変動弁機構付の吸気弁を吸気調整弁として用いてもよい。その場合の吸気調整弁の動作量は、吸気弁のリフト量或いは作用角である。
また、上述の実施の形態では、A/Fガード値の算出タイミングを燃料噴射タイミングに一致させているが、A/Fガード値算出タイミングが燃料噴射タイミングよりも先行していてもよい。例えば、A/Fガード値を算出してから燃料噴射の開始までにタイムラグがある場合などである。ただし、目標空燃比の修正精度の観点からいえば、A/Fガード値の算出タイミングは可能な限り燃料噴射タイミングに近いほうが望ましい。
また、上述の実施の形態では、効率ガード値の算出タイミングを点火時期タイミングに一致させているが、効率ガード値算出タイミングが点火時期タイミングよりも先行していてもよい。ただし、気筒内空気量が確定する吸気弁の閉弁タイミングよりは後であることが条件である。
また、図7では燃料噴射開始時期(燃料噴射タイミング)が排気行程に設定されているが、これは燃料噴射の形態としてポート噴射を想定しているからである。気筒内に直接噴射する筒内噴射を採用する場合には、燃料噴射タイミングは吸気行程や圧縮行程に設定される。そして、燃料噴射タイミングが圧縮行程に設定されるのであれば、効率ガード値を算出する場合と同様に、確定した気筒内空気量を用いてA/Fガード値を算出することもできる。
本発明の実施の形態としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 A/F限界値マップを用いた上下限ガード値の設定方法について説明するための図である。 効率限界値マップを用いた上下限ガード値の設定方法について説明するための図である。 空燃比優先モードが選択された場合の修正部の動作について説明するための図である。 効率優先モードが選択された場合の修正部の動作について説明するための図である。 修正部を構成する各要素の演算タイミングについて説明するための図である。 修正部による各演算のタイミング(ロジック側イベント)を機関側イベントに対照させて示したタイミングチャートである。
符号の説明
2 目標値設定部
4 修正部
6 制御量計算部
8 アクチュエータ制御部
12 トルク調停部
14 効率調停部
16 空燃比調停部
20 第1目標効率ガード部
22 第2目標効率ガード部
24 効率最上下限値マップ
26 A/F最上下限値マップ
28 A/F限界値マップ
30 選択部
32 空燃比ガード部
34 効率限界値マップ
36 トルク効率ガード部
40 推定トルク算出部
42 トルク効率算出部
50 目標トルク補正部
52 スロットル開度設定部
54 点火時期設定部
56 噴射量設定部
60 スロットル制御部
62 点火時期制御部
64 燃料供給制御部

Claims (6)

  1. 内燃機関の機能に関する要求のうちトルクで表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    前記内燃機関の機能に関する要求のうち効率で表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標効率を設定する目標効率設定手段と、
    前記内燃機関の機能に関する要求のうち空燃比で表現された要求に基づいて前記内燃機関の目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、
    前記目標トルクと前記目標効率とに基づいて吸気調整弁の開度を設定する吸気調整弁開度設定手段と、
    前記目標トルクと現在の吸気調整弁開度から推定されるトルクとの比をトルク効率として算出するトルク効率算出手段と、
    気筒の一燃焼のための燃料供給量を決定するタイミングに合わせて、同気筒内の燃焼条件が燃焼限界内に収まるように、少なくとも前記目標トルクに基づいて前記目標空燃比を修正する目標空燃比修正手段と、
    前記修正目標空燃比に基づいて同気筒の燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、
    同気筒の吸気弁の閉弁により気筒内空気量が確定した後、同気筒内の燃焼条件が燃焼限界内に収まるように、少なくとも前記気筒内空気量に基づいて前記トルク効率を修正するトルク効率修正手段と、
    前記修正トルク効率に基づいて同気筒の点火時期を設定する点火時期設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記トルク効率修正手段は、前記気筒内空気量及び前記修正目標空燃比に基づいて前記トルク効率を修正することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記トルク効率修正手段は、前記トルク効率を効率ガード値でガードすることによって前記トルク効率に修正を施す手段であって、前記気筒内空気量に応じて前記効率ガード値を変更することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記トルク効率修正手段は、前記トルク効率を効率ガード値でガードすることによって前記トルク効率に修正を施す手段であって、前記気筒内空気量及び前記修正目標空燃比に応じて前記効率ガード値を変更することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記目標空燃比修正手段は、前記目標空燃比を空燃比ガード値でガードすることによって前記目標空燃比に修正を施す手段であって、前記目標トルクに応じて前記空燃比ガード値を変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記目標効率を前記効率ガード値でガードすることによって前記目標効率に修正を施す目標効率修正手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項3又は4記載の内燃機関の制御装置。
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