JP5835078B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、要求トルクに基づいて空気量と点火時期を制御する内燃機関の制御装置に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、要求トルクと要求効率をそれぞれ受け取り、要求トルクと要求効率に基づいてスロットル開度と点火時期を決定する制御装置(以下、第1の従来装置)が知られている。ここでいう効率は最適点火時期のもとで得られるトルクに対する実際のトルクの比率を意味する。第1の従来装置によるスロットル開度の計算では、要求トルクを要求効率で除算することによって要求トルクが嵩上げされ、その嵩上げされた要求トルクに見合った空気量が目標空気量とされる。そして、目標空気量の達成に必要なスロットル開度がエア逆モデルを用いて計算される。一方、第1の従来装置による点火時期の計算では、点火時期を最適点火時期とした場合に現在の空気量で得られる推定トルクが計算され、要求トルクの推定トルクに対する比率が算出される。そして、その比率に基づいて最適点火時期に対する遅角量が計算される。
第1の従来装置によれば、要求効率によってトルクを変化させることなく点火時期を制御することができる。具体的には、要求効率が1に設定されているときには、点火時期を最適点火時期に保持しながら要求トルクを達成することができる。要求効率が1よりも小さい値に設定されているときには、点火時期を最適点火時期に対して遅角しながら要求トルクを達成することができる。このときの点火時期の遅角量は要求効率の値によって決まる。要求効率が1よりも小さいほど最適点火時期に対する遅角量は大きくなる。このような制御方法によれば、例えば触媒の暖機時において、トルクに影響を与えることなく排気ガスの温度を上昇させることができる。
また、例えば特許文献2に開示されているように、2種類の要求トルクを受け取り、それら2種類の要求トルクに基づいてスロットル開度と点火時期を決定する制御装置(以下、第2の従来装置)が知られている。2種類の要求トルクとは将来要求トルクと直近要求トルクを意味する。将来要求トルクは主としてドライバが要求するトルクであり、直近要求トルクは変速時の要求トルクのように将来要求トルクに比較して緊急性或いは優先度が高いトルクである。第2の従来装置では、将来要求トルクに基づいてスロットル開度が計算されるとともに、直近要求トルクに基づいて点火時期が算出される。
第2の従来装置によれば、スロットル開度に比較してトルク応答性が高い点火時期を利用して要求トルクを達成することができる。具体的には、将来要求トルクと直近要求トルクとが同値であるならば、点火時期を最適点火時期に保持しながら要求トルクが達成される。将来要求トルクよりも直近要求トルクが低くなったときには、将来要求トルクに対する直近要求トルクの低下分に応じて点火時期が遅角される。一方、スロットル開度は将来要求トルクに応じて決定されるため、将来要求トルクに変化がなければスロットル開度は一定に保持される。よって、点火時期の遅角の効果はそのままトルクに反映され、最適点火時期に対する遅角量に応じてトルクは速やかに低下される。将来要求トルクよりも直近要求トルクが低くなっている間は点火時期は遅角されたままとされ、その後、直近要求トルクが将来要求トルクと同値まで戻されたときに点火時期は最適点火時期まで進角される。このような制御方法によれば、例えば自動変速機による変速時において、変速タイミングに合わせて速やかにトルクを変化させることができる。
特開2010−001794号公報 特開2011−157882号公報 特開2010−168993号公報 特開2010−090813号公報
以上述べたように、第1の従来装置及び第2の従来装置は内燃機関の制御に関してそれぞれに利点を有している。しかしながら、第1の従来装置で得られる利点は第2の従来装置では得ることができない。第2の従来装置では、点火時期は直近要求トルクによって制御されるため、点火時期を遅角させる場合にはトルクを低下させることになる。つまり、トルクを変化させることなく点火時期を遅角させることはできない。同様に、第2の従来装置で得られる利点は第1の従来装置では得ることができない。第1の従来装置では、変速時の要求トルクの低下は一時的には点火時期の遅角によって達成されるが、スロットルの閉弁によって空気量が低減されるのに合わせて点火時期は次第に最適点火時期まで進角される。このため、その後の要求トルクの上昇は空気量のみで達成せねばならないが、スロットル開度の変化に対する空気量の応答性は高くないため、要求トルクに合わせて速やかにトルクを上昇させることはできない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、トルクを変化させるために点火時期の遅角を利用することも、トルクを変化させることなく点火時期を遅角させることもできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、以下の動作を行うように構成される。
本発明に係る制御装置は、内燃機関に対する第1の要求トルク、内燃機関に対する第2の要求トルク、そして、内燃機関に対する遅角要求のそれぞれを受け付ける。第2の要求トルクは第1の要求トルクよりも緊急性或いは優先度の高い要求トルクとすることができる。また。第2の要求トルクは内燃機関に求める応答性が第1の要求トルクが求める応答性よりも高い要求トルクであってもよい。さらに、第2の要求トルクは第1の要求トルクを基準にして生成された第1の要求トルクよりも変化が速い要求トルクとすることもできる。遅角要求は単にその有無を表すためのフラグでもよいが、最適点火時期におけるトルクを1としたときの所望の遅角量にて達成されるべきトルクの比率にて表されていることがより好ましい。この場合、前記比率が1であれば遅角要求が無いことを意味し、前記比率が1よりも小さければ遅角要求が有ることを意味する。
本発明に係る制御装置は第1の要求トルクと遅角要求とに基づいて第1の目標トルクを決定する。詳しくは、遅角要求が有る場合には第1の要求トルクを嵩上げしたものを第1の目標トルクに決定し、遅角要求が無い場合には第1の要求トルクを第1の目標トルクに決定する。遅角要求が前記比率にて表されているのであれば、第1の要求トルクを前記比率にて除算したものを第1の目標トルクに決定してもよい。本発明に係る制御装置は、このように決定された第1の目標トルクに基づいて目標空気量を決定する。好ましくは、最適点火時期のもとで第1の目標トルクを達成するための空気量を目標空気量に決定する。
また、第1の目標トルクの決定と並行して、本発明に係る制御装置は第2の要求トルクと第1の要求トルク及び遅角要求に基づいて第2の目標トルクを決定する。詳しくは、遅角要求が有る場合には第1の要求トルクを第2の目標トルクに決定し、遅角要求が無い場合には第2の要求トルクを第2の目標トルクに決定する。ただし、遅角要求が有る場合において第2の要求トルクが第1の要求トルクよりも小さいときには、第1の要求トルクに代えて第2の要求トルクを第2の目標トルクに決定してもよい。本発明に係る制御装置は、このように決定された第2の目標トルクと現在の空気量とに基づいて目標点火時期を決定する。好ましくは、現在の空気量のもとで第2の目標トルクを達成するための点火時期を目標点火時期に決定する。

本発明に係る制御装置によれば、遅角要求が有る場合には、第1の目標トルクには第1の要求トルクを嵩上げしたものが用いられ、第2の目標トルクには第1の要求トルクがそのまま用いられる。これにより、嵩上げ分を補償するように点火時期を遅角しながら、空気量と点火時期との協働によって第1の要求トルクを達成することができる。一方、遅角要求が無い場合には、第1の目標トルクには第1の要求トルクが用いられ、第2の目標トルクには第2の要求トルクが用いられる。これにより、第1の要求トルクに対して第2の要求トルクが低下したときには、点火時期の遅角によって第2の要求トルクを達成することができる。つまり、本発明に係る制御装置によれば、トルクを変化させるために点火時期の遅角を利用することもできるし、トルクを変化させることなく点火時期を遅角させることもできる。
本発明の実施の形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置による制御結果を示す図である。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態おいて制御対象とされる内燃機関(以下、エンジン)は、火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。本実施の形態に係る制御装置は、エンジンの制御量としてトルクと効率を使用する。ここでいうトルクはより厳密にはエンジンが発生させる図示トルクを意味する。本明細書における効率はエンジンが潜在的に出力しうるトルク(潜在トルク)に対する実際に出力されるトルクの比率を意味する。効率の最大値は1であり、そのときにはエンジンが出力しうる潜在トルクがそのまま実際に出力されることになる。効率が1よりも小さい場合には、実際に出力されるトルクはエンジンが出力しうる潜在トルクよりも小さく、その余裕分は主に熱となってエンジンから出力されることになる。効率が最大値の1になるのは点火時期が最適点火時期の場合であるから、効率は最適点火時期におけるトルクを1としたときの実際の点火時期におけるトルクの比率と定義することもできる。
本実施の形態に係る制御装置は、上記の2つの制御量の要求値、すなわち、要求トルク及び要求効率に基づいて空気量制御及び点火時期制御を行う。空気量制御で用いることのできるアクチュエータとしては、スロットル、バルブタイミング可変装置、バルブリフト量可変装置等を挙げることができる。また、本エンジンが過給機付きエンジンであるならば、ウエストゲートバルブや可変ノズル等の過給圧可変装置もそのようなアクチュエータの1つに挙げることができる。ただし、説明を簡単にするために、本実施の形態に係る空気量制御用のアクチュエータはスロットルのみとする。点火時期制御で用いるアクチュエータは点火装置である。
図1のブロック図に示す構成は、本実施の形態に係るエンジンの制御装置10の構成を示している。図1において制御装置10を構成している各要素は、本実施の形態に係る制御装置が有する種々の機能に係る要素のうち、スロットル及び点火装置の操作による空気量制御及び点火時期制御に関係する要素のみを特別に図で表現したものである。したがって、図1は本実施の形態に係る制御装置10がこれらの要素のみで構成されていることを意味するものではない。なお、本実施の形態に係る制御装置10はエンジンに備えられるECUの一機能として実現される。詳しくは、メモリに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、ECUは本実施の形態に係る制御装置10として機能し、図1に示す各要素が仮想的に実現されるようになっている。
図1に示す制御装置10は、大きく分けて要求調停部20とトルク実現部30から構成されている。制御装置10には、車両全体の運転を制御する図示しないパワートレインマネージャから要求トルク及び要求効率が入力される。入力された要求トルク及び要求効率は、制御装置10内の信号の伝達系統の上流に位置する要求調停部20が受け付ける。トルク実現部30は信号伝達系統において要求調停部20の下流に位置し、スロットル及び点火装置にはトルク実現部30から操作信号が出力される。以下、要求調停部20とトルク実現部30の詳細な構成と、そこで行われている処理について説明する。
まず、要求調停部20について説明する。要求調停部20が受け付ける要求トルクには2つの種類がある。1つ目は将来要求トルクであり、これはエンジンに求められる応答性が高くなく今直ぐでなくとも近い将来に実現されればよい種類の要求トルクである。将来要求トルクはアクセルペダルの操作量から計算される駆動要求トルクTqr1aを主体とする。さらに、駆動要求トルクTqr1aに付随して、エンジンシステムの保護のための上限トルクTqr1bと過回転防止のための上限トルクTqr1cが将来要求トルクには含まれている。これらの要求トルクTqr1a,Tqr1b,Tqr1cは要求調停部20が備える第1要求トルク調停部22に入力される。第1要求トルク調停部22は、3つの要求トルクTqr1a,Tqr1b,Tqr1cの中から最小値を選択することによって、3つの要求トルクTqr1a,Tqr1b,Tqr1cを1つに調停する。以下、第1要求トルク調停部22による調停後の要求トルクを第1要求トルクTqr1という。
要求調停部20が受け付ける2種類の要求トルクの2つ目は直近要求トルクであり、これは将来要求トルクよりも緊急性或いは優先度が高くエンジンに高い応答性が求められる種類の要求トルク、すなわち、今直ぐに実現することが求められる種類の要求トルクである。直近要求トルクには、自動変速機の変速タイミングに合わせて要求される駆動要求トルクが含まれる。直近要求トルクは要求目的に応じた速度の速いトルク成分(或いは高周波成分)を将来要求トルク(駆動要求トルクTqr1a)に重畳させることによって生成することができる。或いは、それとは逆に、エンジンに対する全ての要求に基づいて最初に直近要求トルクを算出し、直近要求トルクをフィルタで処理することによって低周波のトルク成分である将来要求トルク(駆動要求トルクTqr1a)を取り出すようにしてもよい。以下、要求調停部20に入力される直近要求トルクを第2要求トルクTqr2という。
要求調停部20は、前述の第1要求トルク調停部22に加えて、第1目標トルク決定部24を備えている。第1目標トルク決定部24は目標空気量の計算に使用するエンジンの目標トルクを決定するための要素である。第1目標トルク決定部24には、第1要求トルクTqr1とともに要求効率η0が入力される。要求効率η0は最適点火時期におけるトルクを1としたときの所望の遅角量にて達成されるべきトルクの比率という意味も有している。したがって、要求効率η0の値が1であればエンジンに対して点火時期の遅角が要求されていないことを意味し、要求効率η0の値が1よりも小さければエンジンに対して点火時期の遅角が要求されていることを意味する。具体的には、通常は要求効率η0の値は1とされているが、触媒の暖機が必要とされる場合には要求効率η0の値は1よりも小さい値に変更される。
第1目標トルク決定部24は第1要求トルクTqr1を要求効率η0によって除算することによって目標トルクを決定する。以下、第1目標トルク決定部24により決定される目標トルクを第1目標トルクTqt1という。第1目標トルク決定部24により行われる処理によれば、要求効率η0の値が1であれば第1要求トルクTqr1がそのまま第1目標トルクTqt1に決定され、要求効率η0の値が1より小さい場合には第1要求トルクTqr1を嵩上げしたものが第1目標トルクTqt1に決定される。
要求調停部20は、さらに、第2目標トルク決定部26と選択値切替部28を備えている。第2目標トルク決定部26及び選択値切替部28は点火時期の計算に使用するエンジンの目標トルクを決定するための要素である。選択値切替部28には、第1要求トルクTqr1とともに要求効率η0が入力され、第2目標トルク決定部26には、第2要求トルクTqr2とともに選択値切替部28による選択値Tqr3が入力される。
選択値切替部28は、第1要求トルクTqr1と無効値の何れか一方を選択して出力するものであって、その選択の切り替えに要求効率η0が用いられている。要求効率η0の値が1の場合、つまり、エンジンに対する遅角要求が無い場合には、選択値切替部28は無効値を選択値Tqr3として第2目標トルク決定部26に入力する。無効値は第2要求トルクTqr2が取り得る最大値よりも大きい値に固定されている。一方、要求効率η0の値が1よりも小さい場合、つまり、遅角要求が有る場合には、選択値切替部28は第1要求トルクTqr1を選択値Tqr3として第2目標トルク決定部26に入力する。
第2目標トルク決定部26は入力された2つの値Tqr2,Tqr3のうち何れか小さいほうをエンジンの目標トルクに決定する。以下、第2目標トルク決定部26により決定される目標トルクを第2目標トルクTqt2という。第2目標トルク決定部26及び選択値切替部28により行われる処理によれば、要求効率η0の値が1の場合には、第2目標トルク決定部26では無効値と第2要求トルクTqr2とが比較される。そして、無効値は第2要求トルクTqr2よりも常に大きいことから、最小値選択によって第2要求トルクTqr2が第2目標トルクTqt2に決定される。要求効率η0の値が1よりも小さい場合には、第2目標トルク決定部26では第1要求トルクTqr1と第2要求トルクTqr2とが比較される。このとき、トルクに関して緊急性或いは優先度の高い要求が無い場合には、第2要求トルクTqr2は第1要求トルクTqr1と同値となるため、第2目標トルク決定部26では第1要求トルクTqr1が第2目標トルクTqt2に決定される。
次に、トルク実現部30について説明する。トルク実現部30は目標空気量決定部32を備えている。要求調停部20で決定された第1目標トルクTqt1は目標空気量決定部32に入力される。目標空気量決定部32は第1目標トルクTqt1の達成に必要な空気量を計算する。その計算では目標空燃比A/Fとエンジン回転数NEが用いられる。また、その計算では点火時期は最適点火時期(MBTとトレースノック点火時期のうち遅角側の点火時期)であると仮定される。目標空気量決定部32は計算で得た空気量をエンジンの目標空気量KLtに決定する。
制御装置10は目標空気量KLtに基づいてスロットルの目標開度を計算し、目標開度に従ってスロットルを操作する。目標開度の計算にはエア逆モデルを用いることができる。スロットルの動作に対する空気量の応答を流体力学等に基づいてモデル化した吸気系の物理モデルがエアモデルであって、エア逆モデルはその逆モデルである。なお、目標開度の算出時点からスロットルへの出力時点までの間にはディレイ時間が設けられている。実際のスロットル開度を目標開度よりも遅れて変化させることで、そのディレイ時間分だけ将来のスロットル開度を目標開度から予測することができる。このようなスロットルディレイ制御は、燃料噴射量の計算に使用する実空気量の予測に使用される。空気量は吸気バルブの閉弁時点において確定するので、スロットルディレイ制御によってその時点でのスロットル開度を予測すれば、その予測スロットル開度から空気量を精度良く予測することができる。
トルク実現部30は、さらに、目標点火時期決定部34を備えている。要求調停部20で決定された第2目標トルクTqt2は目標点火時期決定部34に入力される。目標点火時期決定部34は第2目標トルクTqt2の達成に必要な点火時期を計算する。その計算では現在の空気量KLと目標空燃比A/Fとエンジン回転数NEが用いられる。目標点火時期決定部34はこれらの情報から点火時期を最適点火時期に設定したならば得られるであろう推定トルクを計算する。そして、第2目標トルクTqt2に対する推定トルクの比率である点火用効率を計算し、点火用効率に応じて最適点火時期に対する遅角量を計算する。点火用効率は過渡状態では要求効率η0から乖離するが、その収束値は要求効率η0と一致する。よって、最終的な点火時期の遅角量は要求効率η0の値に応じて決まることになる。目標点火時期決定部34は計算で得た遅角量だけ最適点火時期に対して遅角させた点火時期を計算し、その点火時期をエンジンの目標点火時期SAtに決定する。
次に、上述のように構成される要求調停部20及びトルク実現部30によって得られる制御上の効果について図2を用いて説明する。
図2は、自動変速機からのトルクダウン要求等の緊急性或いは優先度の高いトルク要求が無い状況、つまり、第2要求トルクTqr2が第1要求トルクTqr1と一致する状況において、触媒を暖機するためにエンジンに対して点火時期の遅角が要求された場合の制御結果を示している。図2のチャート(A)は要求調停部20に入力される要求効率η0の時間変化と、目標点火時期決定部34で計算される点火用効率η1の時間変化とを併せて表している。要求効率η0の値は時点t0までは1に保持され、時点t0からは1よりも小さい値に変更されている。これは時点t0においてエンジンに対して遅角要求が出されたことを意味している。
チャート(B)は選択値切替部28における入力と出力の時間変化を表し、チャート(C)は第2目標トルク決定部26における入力と出力の時間変化を表している。チャート(B)に表されるように、遅角要求が出される時点t0までは無効値が選択値Tqr3とされ、遅角要求が出された時点t0の後は第1要求トルクTqr1が選択値Tqr3とされる。そして、この例では第2要求トルクTqr2は第1要求トルクTqr1に一致することから、チャート(C)に表されるように、第2目標トルクTqt2は第1要求トルクTqr1と同じ一定値に保持される。
チャート(D)は第1目標トルクTqt1及び第2目標トルクTqt2の各時間変化と、目標点火時期決定部34で計算される推定トルクTqmbtの時間変化とを併せて表している。チャート(E)は目標空気量KLtと実際の空気量KLの各時間変化を表し、チャート(F)は目標スロットル開度TAtと実際のスロットル開度TAの各時間変化を表し、チャート(G)は目標点火時期SAtの時間変化を表している。ここでは最適点火時期はMBTに一致するものとする。
チャート(A)に表されるように要求効率η0が変化する結果、第1目標トルクTqt1を要求効率η0で除算して得られる第1目標トルクTqt1は、チャート(D)に表されるように時点t0において嵩上げされる。この嵩上げされた第1目標トルクTqt1に基づき目標空気量KLtが計算され、さらに目標空気量KLtから目標スロットル開度TAtが計算される。よって、目標空気量KLtはチャート(E)に表されるように時点t0から増大し、目標スロットル開度TAtはチャート(F)に表されるように時点t0から増大させられる。ただし、スロットルディレイ制御が行われるために実際のスロットル開度TAはディレイ時間だけ後の時点t1から増大し始める。さらに、スロットルの操作に対する空気量の応答遅れのため、実際の空気量KLはスロットル開度TAが増大する時点t1に対してさらに後の時点t2から増大し始める。
推定トルクTqmbtは実際の空気量KLに基づき計算されるため、チャート(D)に表されるように時点t2から増大し始める。これにより推定トルクTqmbtと第2目標トルクTqt2との間の差が拡大していくことになって、推定トルクTqmbtに対する第2目標トルクTqt2の比率である点火用効率η0はチャート(A)に表されるように時点t2から低下し始める。目標点火時期SAtは点火用効率η0に基づいて決定されるため、チャート(D)に表されるように目標点火時期SAtは時点t2まではMBTに保持されるが、時点t2よりも後はMBTに対して遅角される。
以上の制御例からも分かるように、本実施の形態に係る制御装置10によれば、要求効率η0の値が1よりも小さくされた場合、すなわち、エンジンに対して遅角要求が出された場合には、第1目標トルクTqt1には第1要求トルクTqr1を嵩上げしたものが用いられ、第2目標トルクTqrt2には第1要求トルクTqr1がそのまま用いられる。目標空気量KLtは第1目標トルクTqt1に基づき決定され、目標スロットル開度TAtは目標空気量KLtに基づき決定されるので、目標スロットル開度TAtに従いスロットルを操作した結果得られる推定トルクTqmbtは第2目標トルクTqrt2よりも大きくなる。目標点火時期SAtは推定トルクTqmbtに対する第2目標トルクTqrt2の比率に応じて決定されるため、目標点火時期SAtはMBTに対して遅角されたものとなる。これによりエンジンに対して要求された点火時期の遅角が達成され、排気ガス温度の上昇によって触媒の暖機が促進される。また、点火時期の遅角によるトルクの減少を相殺するように空気量が増大されているので、エンジンから実際に出力されるトルクは遅角要求が出される前後で維持される。
制御例は示していないが、本実施の形態に係る制御装置10によれば、要求効率η0の値が1の場合、すなわち、エンジンに対して遅角要求が出されていない場合には、第1目標トルクTqt1には第1要求トルクTqr1が用いられ、第2目標トルクTqrt2には第2要求トルクTqr2が用いられる。これにより、自動変速機からのトルクダウン要求によって第2要求トルクTqr2が第1要求トルクTqr1に対して低下させられたときには、第1要求トルクTqr1から決まる現在の空気量のもとで第2要求トルクTqr2を達成するように点火時期が遅角される。これにより、自動変速機からのトルクダウン要求のような緊急性或いは優先度の高いトルク要求も確実に達成することができる。つまり、本実施の形態に係る制御装置10によれば、トルクを変化させるために点火時期の遅角を利用することもできるし、トルクを変化させることなく点火時期を遅角させることもできる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10 制御装置
20 調停部
22 第1要求トルク調停部
24 第1目標トルク決定部
26 第2目標トルク決定部
28 選択値切替部
30 トルク実現部
32 目標空気量決定部
34 目標点火時期決定部

Claims (9)

  1. 要求トルクに基づいて空気量と点火時期を制御する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関に対する第1の要求トルクを受け付ける手段と、
    前記内燃機関に対する第2の要求トルクを受け付ける手段と、
    前記内燃機関に対する遅角要求を受け付ける手段と、
    前記遅角要求が有る場合には前記第1の要求トルクを嵩上げしたものを第1の目標トルクに決定し、前記遅角要求が無い場合には前記第1の要求トルクを第1の目標トルクに決定する手段と、
    前記遅角要求が有る場合には前記第1の要求トルクを第2の目標トルクに決定し、前記遅角要求が無い場合には前記第2の要求トルクを第2の目標トルクに決定する手段と、
    前記第1の目標トルクに基づいて目標空気量を決定する手段と、
    前記第2の目標トルクと現在の空気量とに基づいて目標点火時期を決定する手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第2の要求トルクは前記第1の要求トルクよりも緊急性或いは優先度の高い要求トルクであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記第2の要求トルクは前記内燃機関に求める応答性が前記第1の要求トルクが求める応答性よりも高い要求トルクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記第2の要求トルクは前記第1の要求トルクを基準にして生成された前記第1の要求トルクよりも変化が速い要求トルクであることを特徴とする請求項1又は3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記遅角要求は最適点火時期におけるトルクを1としたときの所望の遅角量にて達成されるべきトルクの比率にて表されていることを特徴とする請求項1又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記第1の要求トルクを前記比率にて除算したものが前記第1の目標トルクに決定されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記遅角要求が有る場合において前記第2の要求トルクが前記第1の要求トルクよりも小さいときには、前記第1の要求トルクに代えて前記第2の要求トルクが前記第2の目標トルクに決定されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記遅角要求が有る場合には前記第1の要求トルクが選択され、前記遅角要求が無い場合には無効値が選択され、選択された値と前記第2の要求トルクのうち何れか小さいほうが前記第2の目標トルクに決定されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記遅角要求は触媒の暖機が必要な場合に出されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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