JP5323519B2 - エンジンの吸気構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの吸気構造に関する。
金属からなる従来のインレットパイプは、エンジンの吸気ポートとスロットルボディ間に設けられており、エンジンとスロットルボディ間で屈曲している(例えば、特許文献1参照)。このインレットパイプは、吸気ポート側端部(エンジン側端部)にフランジ部を備え、このフランジ部がエンジンに複数のボルトにより締結される。また、金属からなるインレットパイプは、熱伝導性が高いため、インレットパイプのスロットルボディ側端部に弾性部材からなるインシュレーターである弾性連結筒を設け、この弾性連結筒を介してスロットルボディに連結し、スロットルボディへの熱影響を小さくしている。
また、インレットパイプには、インジェクタを挿通する挿通口が設けられ、この挿通口に挿通されたインジェクタを上方より覆うカバーが取り付けられ、インジェクタは、カバー部材とインレットパイプとの間で挟持される。
特開2004−183538号公報
しかしながら、従来の構成は、インレットパイプをインシュレーターを介してスロットルボディに接続するため、部品点数が増えてしまう。また、従来の構成は、インジェクタを覆うカバーの支持部を、インジェクタ挿通口よりも上流側に設けるので、インジェクタ挿通口とインシュレーターとの間に支持部のスペースを広く確保する必要があり、インレットパイプの管長が長くなってしまい、全体の大型化も招いてしまう。
一方、インシュレーターを介さずに熱影響を低減する構造として、インレットパイプを金属よりも熱伝導性が低い樹脂で形成することが考えられる。その場合、従来の構成では、インシュレーターを筒状に形成し、一端にスロットルボディの接続管を嵌合し、他端にインレットパイプを嵌合し、インシュレーターの外周からクランパを締め付けることによってインレットパイプとスロットルボディとを接続していたが、インシュレーターを使わない場合にはこの接続構造を必要としない。
インレットパイプを樹脂製にする場合には、インレットパイプとスロットルボディとの接続もボルト締結で行うことが考えられるが、インレットパイプには、スロットルボディの他にも、インジェクタを覆うカバー部材やエンジンが取り付けられるので、他の部品をボルト等で取り付ける取付部が多く必要となり、これらを取り付けしやすく、かつ、省スペースでレイアウトすることが難しくなる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、樹脂製のインレットパイプを用いながら、他の部品を取り付けしやすく、かつ、全体の小型化を図ることができるエンジンの吸気構造を提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、一端がコネクティングチューブ(55)を介してエアクリーナ(57)と接続され、他端がインレットパイプ(51)を介してエンジン(20)と接続されるスロットルボティ(53)を備え、このインレットパイプ(51)に設けられるインジェクタ(60)は、インレットパイプ(51)に所定角度で取り付けられており、前記インレットパイプ(51)は、一定の内径で延出する管部(61)からなり、この管部(61)には、インジェクタ(60)を挿通する挿通口(51B)を備えるとともに、インジェクタ(60)を覆うカバー部材(80)の支持部(64)を備え、この管部(61)のエンジン側端部には、エンジン(20)との接続部(63)を備えるエンジンの吸気構造において、前記インレットパイプ(51)は、樹脂で形成されており、前記エンジン(20)との接続部(63)は、前記インレットパイプ(51)より径方向に延出する一対のフランジであり、前記インジェクタ(60)は前記インレットパイプ(51)に設けられる前記挿通口(51B)に挿通され、このインジェクタ(60)を上方より覆う前記カバー部材(80)を設け、前記カバー部材(80)を支持する支持部(64)は、前記挿通口(51B)よりインジェクタ(60)の軸線に対して径方向に延出し、前記カバー部材(80)は、前記支持部(64)の径方向に延出する部分と重なり、この重なる部分に、前記支持部(64)に設けられたボルト通し用の開口(64A1)に連通する開口(80A)を備え、この互いに連通する開口(64A1、80A)に一本のボルト(94)を挿通し、このボルト(94)と該ボルト(94)に締結したナット(96)とによって前記カバー部材(80)を前記支持部(64)に取り付け、前記インジェクタ(60)を、前記カバー部材(80)と前記インレットパイプ(51)とで挟持したことを特徴とする。
この発明によれば、インレットパイプは、樹脂で形成されており、エンジンとの接続部は、インレットパイプより径方向に延出する一対のフランジであり、カバー部材を支持する支持部は、挿通口よりインジェクタの軸線に対して径方向に延出するので、樹脂製のインレットパイプを用いながら、他の部品(エンジン、カバー部材)を取り付けしやすく、かつ、全体の小型化を図ることができる。また、インレットパイプとスロットルボディとの間にエンジンの熱がスロットルボディに伝わらないようにするための別部品を設ける必要がなく、部品点数も低減される。上記構成において、インレットパイプをエンジンとスロットルボディの間で屈曲して設けてもよい。また、ボルトによる締結力でカバー部材およびインジェクタを支持することができるとともに、簡易な構成でインジェクタを確実にインレットパイプに取り付けることができる。
また、本発明は、一端がコネクティングチューブを(55)を介してエアクリーナ(57)と接続され、他端がインレットパイプ(51)を介してエンジン(20)と接続されるスロットルボティ(53)を備え、このインレットパイプ(51)に設けられるインジェクタ(60)は、インレットパイプ(51)に所定角度で取り付けられており、前記インレットパイプ(51)は、一定の内径で延出する管部(61)からなり、この管部(61)には、インジェクタ(60)を挿通する挿通口(51B)を備えるとともに、インジェクタ(60)を覆うカバー部材(80)の支持部(64)を備え、この管部(61)のエンジン側端部には、エンジン(20)との接続部(63)を備えるエンジンの吸気構造において、前記インレットパイプ(51)は、樹脂で形成されており、前記エンジン(20)との接続部(63)は、前記インレットパイプ(51)より径方向に延出する一対のフランジであり、前記カバー部材(80)を支持する支持部(64)は、前記挿通口(51B)よりインジェクタ(60)の軸線に対して径方向に延出する延出部(64A)の端部に形成され、前記延出部(64A)は、前記インレットパイプ(51)から車体側方へ向けて突出するように形成されることを特徴とする。
上記構成において、前記管部(61)は、前記支持部(64)から前記接続部(63)間で拡径する拡径部(61B)を備え、この拡径部(61B)に前記インジェクタ(60)を挿通する前記挿通口(51B)を設け、この挿通口(51B)より前記支持部(64)を延出させるようにしてもよい。この構成によれば、エンジン接続部分およびインジェクタ支持部分の剛性を高くすることができる。
また、上記構成において、前記カバー部材(80)には、位置決め部をなす突出部(81)が設けられており、前記支持部(81)には、前記突出部(81)を受ける凹部(64B1)が設けられるようにしてもよい。この構成によれば、位置決め部によりカバー部材が支持部に位置決めされるので、カバー部材を容易に取り付けることができ、また、カバー部材を取り付けるボルトを一本のボルトにすることができる。
また、前記インジェクタ60)の本体部(60A)には、径方向に凹む窪み部(60G)が設けられており、前記カバー部材(80)には、前記窪み部(60G)に入り込む張り出し部(95)が設けられており、このカバー部材(80)の張り出し部(95)は、前記インジェクタ(60)の前記窪み部(60G)と外周部との間にできる段部(60G1)に対向するように配置されるようにしてもよい。この構成によれば、インジェクタの位置決めを容易にすることができる。
また、上記構成において、前記スロットルボディ(53)には、吸気量を調整するバルブと、このバルブの開度を検出するスロットルセンサとが設けられており、このスロットルセンサに接続される配線のコネクタ部(53X)が、前記拡径部(61B)と前記スロットルボディ(53)の間に位置するようにしてもよい。この構成によれば、インレットパイプの拡径部とスロットルボディの間は、インレットパイプが細い分、その周囲にレイアウトスペースを確保でき、上記コネクタ部に接続する配線部品等の補記類を容易に配置することができる。
また、上記構成において、前記支持部(64)に設けられる前記開口(64A1)に挿通するボルト(94)の軸線と、前記インジェクタ(60)の軸線とを平行にしてもよい。この構成によれば、ボルトおよびインジェクタの挿通方向を一致させてこれらの組み付け方向を揃えることができ、これらの着脱作業を容易にすることができる。
また、上記構成において、前記インレットパイプ(51)のエンジン(20)との接続部は、前記インレットパイプ(51)の中心線より径方向に延出する一対のフランジ(63A、63A)であり、一方のフランジ(63A)と他方のフランジ(63A)は、異なる方向に延出し、各々のフランジ(63A、63A)に締結用開口(63B、63B)が設けられ、前記カバー部材(80)を支持する前記支持部(64)の支持面(64X)は、前記一対のフランジ(63A、63A)のエンジン接続面(63X)に対して所定角度傾斜した面にしてもよい。この構成によれば、インジェクタの取付方向とインレットパイプのエンジンへの取付方向を異ならせて取付作業をし易くすることができる。
また、上記構成において、前記支持部(64)の支持面(64X)は、前記スロットルボディ(53)との接続面(62X)に対して所定角度傾斜した面にしてもよい。この構成によれば、インジェクタの取付方向とインレットパイプのスロットルボディへの取付方向を異ならせて取付作業をし易くすることができる。



本発明では、インレットパイプは、樹脂で形成されており、エンジンとの接続部は、インレットパイプより径方向に延出する一対のフランジであり、インジェクタを覆うカバー部材を支持する支持部は、挿通口よりインジェクタの軸線に対して径方向に延出するので、樹脂製のインレットパイプを用いながら、他の部品を取り付けしやすく、かつ、全体の小型化を図ることができる。
また、支持部には、ボルトを通す開口が設けられており、この開口に通したボルトと、このボルトに締結したナットとによってインジェクタを覆うカバー部材を支持したので、ボルトによる締結力でカバー部材およびインジェクタを支持することができる。
また、インレットパイプの管部は、インジェクタの支持部からエンジンとの接続部間で拡径する拡径部を備え、この拡径部にインジェクタを挿通する挿通口を設け、この挿通口より支持部を延出させたので、エンジン接続部分およびインジェクタ支持部分の剛性を高くすることができる。
また、インジェクタはインレットパイプに設けられる挿通口に挿通され、このインジェクタを上方より覆うカバー部材を設け、このカバー部材は、支持部の径方向に延出する部分と重なり、この重なる部分に、支持部に設けられた開口に連通する開口を備え、この互いに連通する開口に一本のボルトを挿通し、このボルトと該ボルトに締結したナットとによってカバー部材を支持部に取り付け、インジェクタを、カバー部材とインレットパイプとで挟持したので、簡易な構成でインジェクタを確実にインレットパイプに取り付けることができる。
また、カバー部材には、位置決め部をなす突出部が設けられており、インジェクタの支持部には、上記突出部を受ける凹部が設けられるので、カバー部材を容易に取り付けることができる。
また、インジェクタの本体部には、径方向に凹む窪み部が設けられており、カバー部材には、上記窪み部に入り込む張り出し部が設けられており、このカバー部材の張り出し部は、インジェクタの上記窪み部と外周部との間にできる段部に対向するように配置されるので、インジェクタの位置決めを容易にすることができる。
また、スロットルボディには、吸気量を調整するバルブと、このバルブの開度を検出するスロットルセンサとが設けられており、このスロットルセンサに接続される配線のコネクタ部が、上記拡径部とスロットルボディの間に位置するようにしたので、上記コネクタ部に接続する配線部品等の補記類を容易に配置することができる。
また、支持部に設けられる開口に挿通するボルトの軸線と、インジェクタの軸線とを平行にしたので、ボルトおよびインジェクタの挿通方向を一致させてこれらの組み付け方向を揃えることができ、これらの着脱作業を容易にすることができる。
また、インレットパイプのエンジンとの接続部は、インレットパイプの中心線より径方向に延出する一対のフランジであり、一方のフランジと他方のフランジは、異なる方向に延出し、各々のフランジに締結用開口が設けられ、カバー部材を支持する支持部の支持面は、一対のフランジのエンジン接続面に対して所定角度傾斜した面にしたので、インジェクタの取付方向とインレットパイプのエンジンへの取付方向を異ならせて取付作業をし易くすることができる。
また、支持部の支持面は、スロットルボディとの接続面に対して所定角度傾斜した面にしたので、インジェクタの取付方向とインレットパイプのスロットルボディへの取付方向を異ならせて取付作業をし易くすることができる。
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後左右および上下といった方向は、乗員から見た方向であり、図中矢印Fは車体前方を、矢印Lは車体左方を、矢印Uは車体上方をそれぞれ示している。
図1は本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、車体前部のヘッドパイプ3と、同ヘッドパイプ3から後ろ下がりに延びる一本のメインフレーム4と、同メインフレーム4の後部に連設されて下方へ延出する左右一対のピボットブラケット5、5と、メインフレーム4の後部に連設されて後ろ上がりに延びる左右一対のリヤフレーム6、6と、ピボットブラケット5、5とリヤフレーム6、6との間に架橋される左右一対の補強フレーム7、7とを備えている。
左右一対のリヤフレーム6、6の上方には、乗員用シート8が前端側を回動支点に開閉自在に支持される。また、リヤフレーム6、6の前部には、上方が開口する収納ボックス9が支持され、リヤフレーム6、6の後部には、燃料タンク10が支持される。すなわち、乗員用シート8は、収納ボックス9の上方開口及び燃料タンク10の上方に設けられる燃料給油口を外部に露出自在に覆う蓋体を兼用するように構成されている。
また、車体前部上方には、ヘッドパイプ3に軸支されたハンドル30が設けられ、その下方にフロントフォーク11、11が延びてその下端に前輪12が軸支される。車体中央のピボットブラケット5、5には、ピボット軸13を介してリヤフォーク14が前端を揺動可能に軸支されて後方に延びており、リヤフォーク14の後端部には、後輪15が軸支される。リヤフォーク14の後部とリヤフレーム6、6との間には左右一対のリヤクッション16、16が介挿される。
メインフレーム4の下方かつピボットブラケット5、5の前方には、エンジン(パワーユニットとも言う)20が懸架される。エンジン20の上部は、メインフレーム4の中央部に垂設された支持ブラケット17、17に吊り下げられ、エンジン20の後部は、ピボットブラケット5の上部及び下部に固定される。すなわち、エンジン20は、メインフレーム4の後部下側に吊り下げる態様で3点支持される。
また、車体フレーム2は、各部に分割された合成樹脂製の車体カバー18で覆われる。車体カバー18は、メインフレーム4の両側方を覆う左右一対のメインフレームサイドカバー18Aと、乗員の脚部を前方から覆うようにして両メインフレームサイドカバー18Aの前部に締結される左右一対のレッグシールド18Bと、ヘッドパイプ3を前方側から覆うようにして両レッグシールド18Bに連なるフロントトップカバー18Cと、ヘッドパイプ3を後方側から覆うとともにメインフレーム4を上方側から覆うようにしてフロントトップカバー18Cに連なるアッパーカバー18Dと、両メインフレームサイドカバー18Aの下部に連なるアンダーカバー18Eと、車体フレーム2の後部を燃料タンク10とともに両側方から覆う左右一対のリヤサイドカバー18Fとを備えている。
なお、図1中、符号19Aは、フロントフォーク11、11間に取り付けられて前輪12の上方を覆うフロントフェンダであり、符号19Bは、リヤフレーム6、6に取り付けられて後輪15の上方を覆うリヤフェンダである。
エンジン20は、単気筒の4サイクル空冷エンジンであり、シリンダ部22がクランクケース24の前面から略水平に近い状態まで大きく前傾する水平エンジンである。このため、車体を低重心化できるとともに、図示のようにメインフレーム4を低くして乗車時に運転者が跨ぐ跨ぎ部Mを低くでき、乗降性を向上できる。なお、このエンジン20のシリンダ部22及びクランクケース24は、金属材料を鋳造成形することによって形成されている。
このエンジン20のクランクケース24の左側面後部には、エンジン20の出力軸31がその先端を露出させて軸支されており、この出力軸31の先端には、駆動スプロケット32が取り付けられ、この駆動スプロケット32と、後輪15に一体に設けられた従動スプロケット33との間には、動力伝達チェーン34が巻回され、これによって、出力軸31の動力を後輪15に伝達するチェーン伝動機構が構成される。これにより、このチェーン伝動機構を介してエンジン20の動力が後輪15へ伝達される。
また、車体カバー18は、図1に示すように、車体側面視でクランクケース24の外縁近傍まで車体を覆うカバー形状を有しており、クランクケース24側面及び下面を外部に露出させるようになっている。
この外部に露出するクランクケース24には、このケース24を下方から跨ぐステップバー36を介して運転者が足を載せる左右一対のステップ36A、36Aが設けられている。
また、クランクケース24の左側方には、エンジン20を始動するキック式始動装置の一部を構成するキックアーム39が軸支され、運転者がこのキックアーム39の先端部に回動自在に設けられたキックペダル40を踏み込むことによってエンジン20が始動する。また、クランクケース24の前上部には、スタータモータ41が配設されており、このスタータモータ41は、運転者が図示せぬスタータスイッチを操作することによって回転駆動してエンジン20を始動させる。すなわち、この自動二輪車1には、キック式およびスタータモータ式の始動装置を具備し、運転者が適宜に始動装置を選択してエンジン20を始動できるように構成されている。
図2は、エンジン20のシリンダ部22を周辺構成とともに示す図である。なお、図2に示すように、シリンダ部22は、クランクケース24の前面に連結されるシリンダブロック25と、シリンダブロック25の前面に連結されるシリンダヘッド26とを備え、シリンダ部22の下面(シリンダヘッド26の下面に相当)に排気口22Aが設けられている。
この排気口22Aには、排気管42が接続され、この排気管42は下方に延出した後に屈曲して後方へ略水平に延び、クランクケース24の後方と後輪15との間を通って後輪15右側に配置されたマフラー43(図1参照)に接続される。すなわち、エンジン20の排気系の部品を構成する排気管42は、エンジン20の下側に配設されて後方に延出し、エンジン20の側方には張り出さない。
また、図2に示すように、シリンダ部22の上面(シリンダヘッド26の上面に相当)には、吸気口22Bが設けられ、この吸気口22Bにつながるエンジン20の排気系は、エンジン20のシリンダ部22とメインフレーム4との間であって、かつ、車体カバー18(特にメインフレームサイドカバー18A(図1参照))の内側の空間内にレイアウトされる。
具体的には、エンジン20の吸気系は、エンジン20のシリンダ部22上面の吸気口22Bに連結されて前上がりに屈曲して延びるインレットパイプ(吸気管)51と、このインレットパイプ51に連結されるスロットルボディ53と、このスロットルボディ53にコネクティングチューブ55を介して連結され、上端部57Aがボルト(六角フランジボルト)58によりメインフレーム4に支持されたエアクリーナ57とを備えており、これらがメインフレーム4に略沿って前上がりに順に連設されることによって該空間内にレイアウトされる。
また、インレットパイプ51には、燃料タンク10内の燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)60が取り付けられている。すなわち、図1に示すようにエアクリーナ57で清浄化された空気は、スロットルボディ53内の不図示のスロットル弁(バルブ)が設けられた吸気通路を通ってインレットパイプ51に供給され、このインレットパイプ51を介してシリンダ部22内に形成されたシリンダ室へ供給されるとともに、インジェクタ60によってエンジン20内のシリンダ室へ燃料が噴射される。この場合、スロットル弁の開度は、運転者のスロットル操作に応じて設定され、インジェクタ60の燃料噴射量(実際には噴射時間)及び噴射タイミング等は、車両に搭載された図示せぬ制御ユニット(ECU)により制御され、これによって、エンジン20の運転状態が制御される。
図3は、インレットパイプ51をスロットルボディ53とともに示す斜視図であり、図4は、車体後方から見た図であり、図5は、車体右側から見た側面図である。なお、上記した各図及び後述する各図に示す方向F、LおよびUは、リヤクッション16、16の伸縮等によって若干変動するものである。
スロットルボディ53は、一端にコネクティングチューブ55が連結されるチューブ連結部53Aを有し、他端にインレットパイプ51が接続されるインレットパイプ接続部53Bを有する略管状のボディ本体53Cを備えている。このボディ本体53C内の吸気通路には、吸気量を調整するバタフライ式のスロットル弁(不図示)が回動自在に設けられており、このスロットル弁の弁軸53D(図3参照)は、車幅方向に延びてボディ本体53Cを貫通し、この弁軸53Dには外方からスロットルドラム53Eが固定されている。
スロットルドラム53Eは、自動二輪車1に組み込まれた状態でボディ本体53Cの左側方に配置され、このスロットルドラム53Eおよびボディ本体53C間には、スロットル弁を閉じ側に付勢する戻しばねが設けられ、このスロットルドラム53Eに巻き掛け、連結されるスロットルケーブルを、運転者のスロットル操作に応じて牽引操作することにより、スロットル弁が開き側に回転駆動される。
スロットルボディ53におけるスロットルドラム53Eの反対側には、すなわち、ボディ本体53Cの右側方には、スロットル開度出力用(バルブの開度出力用)のコネクタ部53Xがボルト(六角孔付きフランジボルト)53Yで取り付けられている。このコネクタ部53Xは、ボディ本体53C内に設けられたスロットルセンサ(不図示)に電気的に接続されており、このスロットルセンサにより検出されたスロットル開度(バルブ開度)を示す信号を、当該コネクタ部53Xに接続された図示せぬ配線(ハーネス)を介して制御ユニットに出力する配線接続部として機能する。
図5に示すように、このコネクタ部53Xは、側面視で、スロットルボディ53からインレットパイプ51に略沿って後ろ下がりに延出して、その延出端が開口しており、これによって、このコネクタ部53Xが側面視でインレットパイプ51及びスロットルボディ53に重なり、全体の小型化を図ることができる。
なお、スロットルボディ53には、上述したスロットルセンサに加えて、スロットル弁よりも上流側で吸気温を検出する吸気温センサや吸気圧を検出する吸気圧センサ等が配置される場合もある。この場合には、上記コネクタ部53Xは、内部の端子数が多いコネクタに変更することによって、これらセンサに接続される共通のコネクタ部として使用される。
次にインレットパイプ51について説明する。
図6(A)は、インレットパイプ51の左側面図であり、図6(B)は、背面から見た図であり、図7は、図6(A)のVII方向から見た図である。また、図8は、図6(B)のVIII−VIII断面図であり、図9は、図7のIX−IX断面図であり、図10は、図6(B)のX方向から見た底面図であり、図11は、図6(A)のXI方向から見た図である。
インレットパイプ51は、吸気通路51A(図8参照)を形成するとともにインジェクタ60の挿通口となる開口部51B(図8参照)を備える屈曲管部61と、この屈曲管部61の上流側端部に設けられてスロットルボディ53に接続される第1フランジ部(スロットルボディ接続部)62と、この屈曲管部61の下流側端部に設けられてエンジン20のシリンダ部22に接続される第2フランジ部(エンジン接続部)63と、第2フランジ部63近傍に設けられるインジェクタ支持部64とを備えている。
本実施形態のインレットパイプ51は、樹脂で形成されており、すなわち、屈曲管部61と、第1フランジ部62と、第2フランジ部63と、インジェクタ支持部64とを樹脂で一体成形することによって一部品に形成されている。
図6(A)(B)に示すように、屈曲管部61は、内径が一定の直径で略円弧に沿って屈曲する管形状であって、インジェクタ支持部64よりも上流側の管部61Aが略一定の外径に形成され、インジェクタ支持部64を含む下流側の管部61Bが、上記上流側の管部61Aの外径より拡径した拡径部に形成されている。
より具体的には、屈曲管部61は、図6(A)に示すように、この屈曲管部61の吸気通路51A(図8参照)の中心を通る軸線(中心線)L1に対して直交する直交面M1をインジェクタ支持部64の上流側に設定し、この直交面M1を基準にして上流側を比較的薄肉の管形状にし、下流側を上流側に比して肉厚の管形状にすることによって形成されている。
このように、インレットパイプ51を、吸気通路51Aの軸線L1を基準にして上流側と下流側とに分けるので、吸気通路51Aの上流側と下流側とを正確に二分できる。ここで、吸気通路51Aの上流側を相対的に薄肉の縮径部とし、下流側を相対的に厚肉の拡径部として下流側の剛性を相対的に強くしているため、第2フランジ部63周辺およびインジェクタ支持部64周辺の剛性が向上し、つまり、エンジン接続部分及びインジェクタ支持部分の剛性を高めることができる。
第1フランジ部62は、図6(B)および図11に示すように、屈曲管部61の上流側開口部51A1に対して左右方向に延出する左右一対の延出部(フランジ)62A、62Aを有しており、これら延出部62A、62Aの端部には、金属製のインサートナット62B、62Bが嵌め込まれている。この第1フランジ部62は、スロットルボディ53のインレットパイプ接続部53Bに重ね合わされ、この状態で、図5に示すように、スロットルボディ53側から複数本(本例では2本)のボルト(六角フランジボルト)91、91を挿通し、各ボルト91、91を延出部62A、62Aのインサートナット62B、62Bに各々締結することによって、ボルト91とナット62Bによりインレットパイプ51とスロットルボディ53とが連結される。
このように金属製のインサートナット62B、62Bを用いてボルト連結するので、樹脂製のインレットパイプ51をスロットルボディ53に十分な連結力で固定することができる。この場合、ボルト91、91によってインレットパイプ51とスロットルボディ53とが位置決めされるので、屈曲管部61の吸気通路51Aとスロットルボディ53の吸気通路とを容易に連通させることができる。
また、左右一対の延出部62A、62Aは、一方(左方)が屈曲管部61よりも上側に設けられ、他方(右方)が屈曲管部61よりも下側に設けられている(図4参照)。これによって、一方(左方)の延出部62Aと屈曲管部61の下側との間のスペースを広く確保することができ、このスペースを、インジェクタ60の本体部60Aから側方に突出するコネクタ部60Bのレイアウトスペースに利用することが可能になる(図3参照)。
また、他方の延出部62Aを屈曲管部61よりも下側に設けているため、図5に示すように、他方の延出部62Aをスロットルボディ53の側方(右方)に設けられたコネクタ部53Xよりも下方に位置させることができる。このため、ボルト91を側方から視認でき、コネクタ部53Xが邪魔になることなく、インレットパイプ51をスロットルボディ53にボルト連結でき、また、取り外しも容易にすることができる。
さらに、左右一対の延出部62A、62Aと屈曲管部61との間には、補強用のリブ67が一体に設けられる(図6(B)参照)。このため、リブ67により延出部62A、62Aと屈曲管部61間の剛性が向上し、屈曲管部61に対する延出部62A、62Aの倒れや捻れを回避することができる。ここで、本実施形態では、リブ67を上下方向と左右方向とに直交させて設けており、これによって、延出部62A、62Aと屈曲管部61の縦剛性および横剛性の両方を向上させることができる。
第2フランジ部63は、図10に示すように、屈曲管部61の下流側開口部51A2に対して左右方向に延出する左右一対の延出部(フランジ)63A、63Aを有し、これら延出部63A、63Aの端部には、孔部(締結用開口)63B、63Bが形成され、外部から孔部63B、63Bにボルト(六角フランジボルト)92、92(図4参照)を各々挿通してエンジン20に締結することによってインレットパイプ51がエンジン20に連結される。
詳述すると、左右一対の延出部63A、63Aは、下流側開口部51A2に対して車幅方向に沿って左右に延出しており、各延出部63A、63Aの端部には、金属製のインサートカラー63C、63Cが嵌め込まれ、このインサートカラー63C、63Cの中央貫通孔が上記ボルト92、92を挿通する上記孔部63B、63Bとして使用される。このように金属製のインサートカラー63C、63Cを用いてボルト連結するため、樹脂製のインレットパイプ51をエンジン20に十分な連結力で固定することができる。
また、第2フランジ部63には、下流側開口部51A2の周囲に円環状のシール溝63Dが設けられており(図10参照)、このシール溝63Dには、第2フランジ部63とエンジン20との間の隙間をより確実に閉塞するためのシール材が配置される。
上記したように、本構成では、スロットルボディ接続部である第1フランジ部62と、エンジン接続部である第2フランジ部63とが各々一対の延出部(フランジ)62A、62A、63A、63Aで構成され、各々がボルト91、91、92、92でスロットルボディ53およびエンジン20へと締結される。この場合、一対の延出部62A、62Aに設けられる締結部間を通る直線LLは、一対の延出部63A、63Aに設けられる締結部間を通る直線LMに対して所定角度だけ傾斜しており(図7参照)、側面視では、図6(A)に示すように、直線LLは、角度θ1(略45度)傾斜する。これにより、各締結部を離間配置してボルト91、91、92、92を挿通し易くでき、スロットルボディ53およびエンジン20への取り付けをし易くできる。なお、本構成では、直線LMがインレットパイプ51の軸線L1を通過するが(図10参照)、軸線L1を通過しないように形成しても良く、また、直線LLがインレットパイプ51の軸線L1を通過していないが(図11参照)、軸線L1を通過するように形成してもよい。
屈曲管部61の下流側の管部61B、つまり、拡径部には、インジェクタ60を挿通する開口部(インジェクタ挿通口)51Bが形成されている(図7、図8参照)。より具体的には、図8に示すように、下流側の管部61Bと第2フランジ部63との間には、屈曲管部61が上流側に向かって曲がる方向(軸線L1に沿う方向)とは逆方向、つまり、後ろ上がり方向に突出する突出部71が一体に設けられており、この突出部71に直線状に貫通して上記開口部51Bとなる貫通孔が形成されている。
この開口部51Bは、車体側面視(図8参照)で、第2フランジ部63よりも下流側で屈曲管部61の軸線L1に交差する傾斜角度の軸線L2であって、かつ、車体背面視(図6(B)参照)で、軸線L1と重なる軸線L2となる貫通孔に形成されている。
このため、この開口部51Bにインジェクタ60をその先端から挿通することによって、このインジェクタ60から該軸線L2に沿って燃料が噴射され、燃料をエンジン20のシリンダヘッド26内へ噴射することができる。
なお、この開口部51Bの軸線L2は、開口部51Bに挿通されたインジェクタ60の軸線と一致するため、以下、インジェクタ60の軸線も軸線L2と表記する。
本実施形態では、上記インジェクタ60は、上記開口部51BにOリング等のシール部材(不図示)を介して嵌め込まれ、このインジェクタ60を支持するインジェクタ支持部64は、開口部51Bよりインジェクタ60の軸線L2に対して径方向である車体右方に延出する第1延出部64Aを備えている(図7参照)。そして、この第1延出部64Aに対して、図4に示すように、インジェクタ60を上方より覆うカバー部材80がボルト(六角フランジボルト)94とナット96で固定され、これによって、インジェクタ60がインレットパイプ51に支持されるようになっている。
詳述すると、この第1延出部64Aは、インレットパイプ51に一体に形成された樹脂部材であり、図7および図9に示すように、その端部に上記ボルト94を通す孔部(締結用開口)64A1が形成される。また、この第1延出部64Aは、第2フランジ部63から突出する突出部71の突出端から車体右方に延出するので、第2フランジ部63との間に間隔H1(図9参照)を空けて設けられる。この間隔H1、つまり、第1延出部64Aの下面64A2と第2フランジ部63の上面63A1との間の間隔H1は、ナット96(図4、図5参照)の取付スペースを十分に確保可能な間隔とされる。本構成では、この第1延出部64Aを、突出部71の突出端の上面に対して一段高くなるように段差64A3(図9参照)を介して一体に設けることで、この段差64A3の分だけ、第1延出部64Aの下面64A2を高くし、上記間隔H1を拡げるようにしている。
また、インジェクタ支持部64は、図7に示すように、開口部51Bよりインジェクタ60の軸線L2に対して上記第1延出部64Aとは異なる径方向である後方向に延出する第2延出部64Bを有している。この第2延出部64Bは、上記カバー部材80を位置決めする位置決め部材として機能するものであり、この第2延出部64Bも、インレットパイプ51に一体に形成された樹脂部材であり、図7および図8に示すように、突出部71の突出端から車体後方に延出する。
この第2延出部64Bは、上記第1延出部64Aが延出する方向(右方向)と一致する方向に凹む凹部64B1を有し、図3に示すように、この凹部64B1に上記カバー部材80に設けられた突出部81が嵌ることによって上記カバー部材80を位置決めする。
この第2延出部64Bについても、第1延出部64Aと同様に、屈曲管部61下流側の突出部71の突出端の上面に対して一段高くなるように段差64B2(図8参照)を介して一体に設けられ、この第2延出部64Bと第1延出部64Aとは面一で連設するように形成されている。また、図7に示すように、第2延出部64Bと第1延出部64Aとの間には補強用のリブ64Cが設けられ、これによって、第2延出部64Bと第1延出部64Aの剛性が効率よく向上するようになっている。
この第1延出部64Aと第2延出部64Bは、上記カバー部材80の受け部としても機能する。すなわち、図4および図5に示すように、カバー部材80は、第1延出部64Aおよび第2延出部64Bの外形形状に略沿ったフランジ部82を有しており、このフランジ部82を第1延出部64Aおよび第2延出部64Bに重ね合わせ、このフランジ部82側からボルト94を挿通し、このボルト94の先端を、第1延出部64Aの下方に露出させ、このボルト94の先端にナット96を締結することによって、カバー部材80をインレットパイプ51にボルト連結することができる。
この場合、本実施形態では、インジェクタ支持部64を構成する第1延出部64Aおよび第2延出部64Bを、インジェクタ60の軸線L2を基準に一方側(略右側)に形成し、その反対側(略左側)には形成しないので、反対側からインジェクタ60を視認可能にできるとともに、インジェクタ60の反対側にスペースを空けることができる。このため、図4に示すように、このスペースを、インジェクタ60の本体部60Aから側方に突出するコネクタ部60Bのレイアウトスペースに利用することができる。
上記したカバー部材80は、図4に示すように、インレットパイプ51に挿通されたインジェクタ60の本体部60Aより上方に位置する基端部を上方から覆うキャップ部84と、このキャップ部84から延びる燃料ホース接続管部86とを備えている。そして、カバー部材80をインジェクタ支持部64にボルト連結した状態では、キャップ部84が、インジェクタ60を第2フランジ部63側に押さえてインジェクタ60をインレットパイプ51に挿通した状態に保持する。
本実施では、このカバー部材80も樹脂で一体成形することによって形成されている。ここで、キャップ部84は、インジェクタ60の基端部がOリング等のシール部材を介して気密状態で嵌合し、燃料ホース接続管部86に接続された図示せぬ燃料ホースを介して燃料タンク10から供給された燃料をインジェクタ60に供給させる部品である。また、燃料ホース接続管部86は、キャップ部84から車体後方に延びるので、車体後方に配置された燃料タンク10と燃料ホース接続管部86との間の燃料ホースを大きく曲げることなくレイアウトすることができる。
なお、キャップ部84とフランジ部82との間には、周方向に間隔を空けて補強用のリブ88が設けられ、キャップ部84とフランジ部82との連結強度が高められている。
また、上述したように、カバー部材80には、図3に示すように、インジェクタ支持部64の一部を構成する第2延出部64Bの凹部64B1に嵌ってカバー部材80の位置決め部をなす突出部81を備えており、この突出部81は、車体左側からこの突出部81と凹部64B1との嵌合状態を視認可能にフランジ部82の端部から下方に突出している。このため、カバー部材80を装着する際に、突出部81と凹部64B1とを作業者が目視で容易に嵌ることができ、カバー部材80の装着作業を容易にすることができる。
次にカバー部材80とインジェクタ支持部64の取付構造を説明する。ここで、図12(A)〜図12(C)は、この取付構造の説明に供する図であり、カバー部材80とインジェクタ支持部64とを、突出部81および凹部64B1の部分からボルト94を通す部分を横切るように切断した断面を模式的に示した図である。
図12(A)に示すように、カバー部材80は、インジェクタ支持部64の孔部64A1に連通する孔部(締結用開口)80Aを備える。この孔部80Aには、ボルト94を挿通可能な貫通孔を有する筒状のカラー101が圧入され、カラー101の上端がカバー部材80の上面から若干突出した状態でカバー部材80に保持される。
このカラー101は、孔部80Aの深さ(カバー部材80の厚さ)より長い筒形状を有し、図12(B)に示すように、カバー部材80がインジェクタ支持部64に重ねられた状態で、インジェクタ支持部64の孔部64A1に挿入される。この場合、カラー101は、孔部64A1を貫通し、カバー部材80とインジェクタ支持部64とが密着した状態では、その下端がインジェクタ支持部64の下面より下方に距離だけ突出する(図12(B)参照)。
インジェクタ支持部64の孔部64A1は、カラー101の外径より若干大きい内径に形成されており、すなわち、カラー101は、インジェクタ支持部64の孔部64A1に遊嵌されるようになっている。
図12(B)に示すように、カバー部材80とインジェクタ支持部64とを上下に重ね、上方からカラー101にボルト94を挿通してナット96を締結することによって、ボルト94およびナット96でカラー101を挟持し、カバー部材80がインジェクタ支持部64から外れないようになっている。
この場合、カラー101は、インジェクタ支持部64に遊嵌されるので、このカラー101を介してカバー部材80が上下に移動自在となる。つまり、カバー部材80は、ボルト94、ナット96およびカラー101と一体化され、この一体部品が、インジェクタ支持部64に対して上下動自在となる。このため、走行時に下方向(重力方向)への力が作用している場合には、図12(B)に示すように、カバー部材80が、インジェクタ支持部64の支持面64Xに当接した位置となり、走行時に上方向への力が作用した場合には、図12(C)に示すように、カバー部材80が上方へ移動し、このカバー部材80と一体的に移動するナット96がインジェクタ支持部64に当接する位置まで移動する。つまり、図12(B)(C)に示す距離(隙間)Sの分だけカバー部材80が上下動する。
このように、カバー部材80を上下動自在にしたことにより、外部から伝わる振動をカバー部材80等の上下動で逃がすことができ、ボルト94等への振動伝達を抑えることができる。
図13は、カバー部材80とインジェクタ60とを組んだ状態を示している。
この図に示すように、インジェクタ60の本体部60Aには、インジェクタ60の径方向に凹む窪み部60Gが設けられ、カバー部材80には、この窪み部60Gに入り込む張り出し部95が設けられ、これらによりカバー部材80とインジェクタ60とが係合するように構成されている。
より具体的には、インジェクタ60の窪み部60Gは、インジェクタ60の径方向に凹むことによって、インジェクタ60の周方向に本体部60Aの外周部との間の段差でできる左右一対の第1壁部(段部)60G1、60G1を有するとともに、カバー部材80の抜き方向(上方向)に開口する窪み形状とされることによって、抜き方向と反対側(インジェクタ60の先端側に相当)に外周部との間の段差でできる第2壁部(段部)60G2とを有している。
また、カバー部材80の張り出し部95は、カバー部材80に樹脂で一体に形成されており、インジェクタ60の上方からカバー部材80を適切に被せた場合に、窪み部60Gに入り込んで上記第1壁部60G1、60G1および第2壁部60G2に対向する形状に形成されている。これによって、カバー部材80の張り出し部95とインジェクタ60の窪み部60Gとがインジェクタ60の周方向および挿入方向の両方で係合し、カバー部材80に対するインジェクタ60の自由回転を規制するとともに、インジェクタ60の挿入深さを規制することができる。つまり、カバー部材80に対するインジェクタ60の装着位置を位置決めすることができる。
これによれば、カバー部材80をインジェクタ支持部64を介してインレットパイプ51に位置決めすることによって、インジェクタ60の位置(回転位置および挿入位置)を位置決めすることができ、インジェクタ60の自由回転や抜けを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、インレットパイプ51を樹脂で形成し、エンジン20との接続部である第2フランジ部63を、インレットパイプ51の径方向に延出する一対の延出部(フランジ)63A、63Aとし、インジェクタ60を上方より覆うカバー部材80を支持するインジェクタ支持部64を、インジェクタ60の軸線L2に対して径方向である車体右方に延出する第1延出部64Aとし、この第1延出部64Aに、ボルト94を通す開口を設け、この開口に通したボルト94と、このボルト94に締結したナット96とによってカバー部材80を支持するようにしたので、インレットパイプ51のエンジン20への取り付けやカバー部材80の取り付けをし易くすることができ、また、インジェクタ支持部をインジェクタ挿通口よりも上流側に設ける場合に比して、インレットパイプの管長を短くでき、省スペースでインジェクタ60を支持することができる。
また、本構成では、樹脂製のインレットパイプ51に雌ねじ部を形成することなく、ボルト94による締結力でカバー部材80およびインジェクタ60を支持するので、インジェクタ60の取り付け位置が制限されず、エンジン20に近く、エンジン20内の最適位置に燃料を噴射可能な位置に配置でき、効率よく燃料噴射が可能になる。しかも、樹脂製のインレットパイプ51は金属製にする場合よりも熱伝導性が低いので、インレットパイプ51とスロットルボディ53との間にエンジン20の熱がスロットルボディ53に伝わらないようにするための別部品を設ける必要がなく、部品点数も低減される。
従って、本構成は、樹脂製のインレットパイプ51を用いながら、他の部品(エンジン20、カバー部材80等)を取り付けしやすく、かつ、全体の小型化を図ることができる。また、部品点数を抑えつつスロットルボディ53への熱影響を小さくでき、しかも、樹脂は金属に比して軽いので、吸気系の軽量化を図ることができる。さらに、インジェクタ60周辺構成がエンジン20寄りとなるので、吸気系の重心位置がエンジン20寄りとなり、車両のマスの集中化にも寄与する。
また、本構成では、インジェクタ支持部64は、一対の延出部(フランジ)63A、63Aの一方と同方向(車体右方)に延出するので、省スペースでインジェクタ支持部64および延出部63A、63Aを配置できる。
また、インレットパイプ51は、インジェクタ支持部64およびエンジン接続部を構成する第2フランジ部63間で拡径する拡径部(下流側の管部61Bに相当)を備え、この拡径部にインジェクタ60を挿通する開口部51Bを設けて、この開口部51Bより第1延出部64Aを延出させたので(図6(B)、図7参照)、エンジン接続部分およびインジェクタ支持部分の剛性を高くすることができる。
さらに、本構成では、インジェクタ60は、インレットパイプ51に設けられる開口部51B(挿通口)に挿通され、このインジェクタ60を上方より覆うカバー部材80を設け、このカバー部材80は、インジェクタ支持部64と径方向に延出する第1延出部64Aと重なり、この重なる部分に、インジェクタ支持部64に設けられた孔部64A1に連通する孔部(締結用開口)80Aを備え、この互いに連通する孔部64A1、80Aに一本のボルト94を挿通し、このボルト94と該ボルト94に締結したナット96とによってカバー部材80をインジェクタ支持部64に取り付け、インジェクタ60をカバー部材80とインレットパイプ51とで挟持したので、カバー部材80とインジェクタ支持部64を連結するボルト94とナット96を利用してインジェクタ60を支持でき、簡易な構成でインジェクタ60を確実にインレットパイプ51に取り付けることができる。
さらに、カバー部材80には、位置決め部をなす突出部81が設けられ、インジェクタ支持部64には、突出部81を受ける凹部64B1が設けられるので(図3参照)、カバー部材80とインジェクタ支持部64とを位置決めして取り付けることができる。これによれば、位置決め部によりカバー部材80がインジェクタ支持部64に位置決めされるので、カバー部材80とインジェクタ支持部64とを複数のボルトによる多点支持で位置決めする構造に比して、ボルトの数を減らすことができ、一本のボルト94でカバー部材80の取り付けができる。すなわち、この一本のボルト94を取り外せば、カバー部材80およびインジェクタ60が外れる。従って、カバー部材80およびインジェクタ60の着脱作業が容易であり、その作業時間も短縮することができる。
また、インジェクタ60の本体部60Aには、径方向に凹む窪み部60Gが設けられ、カバー部材80には、窪み部60Gに入り込む張り出し部95が設けられ、このカバー部材80の張り出し部95は、インジェクタ60の窪み部60Gと外周部との間にできる段部である第1壁部(段部)60G1および第2壁部60G2に対向するように配置されるので(図13参照)、インジェクタ60の位置決めを容易にすることができる。
また、本構成では、スロットルボディ53に設けられるスロットル開度出力用のコネクタ部53Xを、側面視で、インレットパイプ51の拡径部である下流側の管部61Bと、スロットルボディ53との間に位置させている(図5参照)。
このため、この下流側の管部61Bとスロットルボディ53との間の部分は、下流側の管部61Bより細い上流側の管部61Aがある部分に相当するため、この上流側の管部61Aが細い分、その周囲にレイアウトスペースを確保し易い。
本構成では、このレイアウトスペースにコネクタ部53Xを配置するので、コネクタ部53Xの周囲にスペースを確保でき、コネクタ部53Xに車両側から接続する配線部品等の補記類を容易に配置することができる。
また、本構成では、図7に示すように、インジェクタ支持部64に設けられる孔部64A1に挿通するボルト94の軸線L3と、インジェクタ60の軸線L2とが平行であり、これにより、ボルト94およびインジェクタ60の挿通方向を一致させてこれらの組み付け方向を揃えることができ、これらの着脱作業を容易にすることができる。なお、本構成では、図6(A)および図8に示すように、これら軸線L2、L3が車体側面視で重なるが、車体側面視で重ならないようにしてもよい。
さらに、本構成では、インレットパイプ51のエンジン20との接続部は、インレットパイプ51の軸線L1より径方向に延出する一対の延出部(フランジ)63A、63Aであり、一方の延出部63Aと他方の延出部63Aは、異なる方向に延出し、各々の延出部63A、63Aに孔部(締結用開口)63B、63Bが設けられ、図8に示すように、カバー部材80を支持するインジェクタ支持部64の支持面(インジェクタ支持面)64Xは、一対の延出部63A、63Aのエンジン接続面63Xに対して後ろ下がりに所定角度θAだけ傾斜した面とされるので、車体側面視でインジェクタ60の取付方向(締結方向)とエンジン20への取付方向(締結方向)とを異ならせることができる。この場合、図6(B)に示すように、インレットパイプ51のインジェクタ支持面64Xとエンジン接続面63Xとは、車体背面視(正面視も同様)で、同方向(右方向)に延びるため、インジェクタ60の取付部(締結部)とエンジン20への取付部(締結部)とが近接配置される。
従って、インジェクタ60の取付部(締結部)と、エンジン20への取付部(締結部)とを近接配置しつつ、取付方向(締付方向)を異ならせて省スペース化と取付作業性とを両立することができる。
さらに、本構成では、インジェクタ支持部64のインジェクタ支持面64Xは、図8に示すように、スロットルボディ53との接続面(スロットルボディ接続面)62Xに対しても所定角度θBだけ傾斜した面とされるので、インジェクタ支持部64に連結されるカバー部材80のスペースを確保して取付作業(締結作業)をし易くすることができる。
また、このスロットルボディ接続面62Xは、図8に示すように、エンジン接続面63Xに対して後ろ上がりに所定角度θCだけ傾斜した面とされるので、スロットルボディ53への取付方向(締結方向)とエンジン20への取付方向(締結方向)とを異ならせることができるとともに、インジェクタ60の取付方向(締結方向)とも異ならせることができる。
すなわち、本構成では、スロットルボディ53への取付部(締結部)、インジェクタ60の取付部(締結部)、および、エンジン20への取付部(締結部)とを近接配置しつつ、取付方向(締付方向)を前後に異ならせることができ、省スペース化と取付作業性とを両立することができる。
次に、インレットパイプ51を構成する樹脂材料について説明する。
本構成では、インレットパイプ51を構成する樹脂材料を、エラストマーを含むポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)としている。なお、このPPS樹脂を、ポリフェニレンスルフィドと称する場合もある。
PPS樹脂は、熱変形温度が260℃以上であり、また、連続使用温度も高く、自動車部品に使用される一般的な樹脂(例えば、ポリアミド(ナイロン)やポリプロピレン)よりも高い耐熱性を有している。
本実施形態では、エンジン20が空冷エンジンであり、水冷エンジンに比してエンジンケース(シリンダ部22等)が高温になるが、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を使用することにより、インレットパイプ51を直にエンジン20に接続することができる。しかも、このPPS樹脂は、熱可塑性の結晶性プラスチックであるため、再成形が容易であり、リサイクルが可能である。
さらに、このPPS樹脂にエラストマーを含めているので、インレットパイプ51にゴムの性質(ある荷重を材料に与えて変形した後、荷重を取り去ると元の形に戻る性質(ゴム弾性))を付加することができる。
これにより、振動に対する疲労強度が向上し、インレットパイプ51の熱疲労強度が向上するとともに、ウエルド部(樹脂部品を成形する際に溶けた材料同士がぶつかって生じる部分)の強度も向上させることができる。
また、エンジン20およびスロットルボディ53とボルト連結した場合に、インレットパイプ51側が弾性変形してエンジン20およびスロットルボディ53に密着するので、これら部材との隙間をふさぐシール(或いはパッキン)の性質を持たせることもできる。
特に、本車両では、エンジン20の吸気系の一端側(上流側)のエアクリーナ57が車体フレーム2(メインフレーム4)の前部に支持され、吸気系の他端側(下流側)が連結されるエンジン20が、車体フレーム2の前部とは離れた位置(メインフレーム4の中間部、後部、ピボットブラケット5)に固定されるので、吸気系の一端側(上流側)と他端側(下流側)とで異なる振動が生じる一方、その間の一部品であるスロットルボディ53は内部にスロットル弁(バルブ)を有するために剛体に形成されるから、インレットパイプ51にある程度の柔軟性が要求される構成となっている。また、一般に、自動二輪車1自体が、四輪車に比して不整地等の凹凸が多い場所を走行する頻度が高いため、耐振動性が要求される。
また、このインレットパイプ51は、射出成形機のノズルから射出され溶融した上記樹脂材料を、流入口となるゲートより型に流し込み、冷却固化することによって樹脂成形される。このインレットパイプ51には、インサートカラー63C、63Cおよびインサートナット62B、62Bがインサートされるが、これらインサート部品(63C、62B)は、図14(A)〜(C)に示すように、樹脂成形の段階で、型に予めセットしておき、溶融した樹脂材料をゲートより型に流し込むことによってインサートされる。なお、図14(A)〜(C)では、樹脂材料の流れを破線で示し、ゲートを符号Gを付して示し、ウエルド部を符号Wを付して示している。
ゲートGの位置としては、インレットパイプ51の管部である屈曲管部61に設ける場合(図14(A)参照)と、インレットパイプ51のフランジ部(第1フランジ部(スロットルボディ接続部)62又は第2フランジ部(エンジン接続部)63)に設ける場合とが考えられる(図14(B)(C)参照)。ここで、図14(B)は、第2フランジ部(エンジン接続部)63において、インサートカラー63C、63Cから離れた側部にゲートG(サイドゲート)を設定した場合を示し、図14(C)は、インサートカラー63C近傍の側部にゲートG(サイドゲート)を設定した場合を示している。
これら図に示すように、いずれの場合もゲートGから流し込まれた溶融した樹脂材料が、インサートカラー63Cの周囲を回り込むので、ウエルド部Wが生じる。このため、ウエルド部Wの強度を確保する必要がある。
また、本インレットパイプ51は、スロットルボディ53等を支持するため、エンジン20との接続部分等での熱間疲労強度も求められる。
次に、PPS樹脂の性能評価を、他の樹脂との比較によって説明する。
比較対象の試料は、耐熱性を有する樹脂材料として知られた66ナイロンとフェノール樹脂としている。また、以下に述べるPPS樹脂、66ナイロンおよびフェノール樹脂に対する各評価は、全重量に対してガラス繊維を30%配合した状態で行ったものである。
<熱疲労強度の評価>
この評価にあっては、エンジン20に接続した場合の熱疲労強度を評価するため、試験条件を摂氏200℃の環境下で1000h(hour)経過させて熱劣化させ、熱劣化後の引張強度を求め、熱劣化前の引張強度からの低下率を求めた。
表1は、試料毎の引張強度低下率を示す。
Figure 0005323519
表1に示すように、フェノール樹脂とPPS樹脂とが、エンジン20に接続した場合の引張強度の低下が20%程度であり、十分な熱疲労強度を備えている、との良好な結果が得られた。また、フェノール樹脂とPPS樹脂とは、アルミニウム合金に比してコストが低いため、コスト低減に有利でもある。
これに対し、66ナイロンは、エンジンに接続した場合の引張強度の低下が60%程度であり、良好な熱疲労強度は得られなかった。
<フェノール樹脂との差異>
フェノール樹脂とPPS樹脂との差異を比較検討するため、成形品を製造する際の成形サイクルに要する時間の評価と、リサイクル性の評価を行った。
Figure 0005323519
表2に示すように、フェノール樹脂は、成形サイクルが長く、かつ、リサイクル性も難である。これはフェノール樹脂が熱硬化性樹脂であることに起因するものである。
これに対し、PPS樹脂は、成形サイクルが短く、かつ、リサイクル性も容易である。つまり、PPS樹脂は、成形サイクルおよびリサイクル性のいずれもフェノール樹脂に対して優位である。これはPPS樹脂が熱可塑性であるため、成形性に優れることに起因するものである。
<エラストマーの評価1>
PPS樹脂にエラストマーを入れる場合と入れない場合とを比較検討すべく、この評価1では、シャルピーノッチ付きの衝撃試験を行い、各々について衝撃強度を求めた。
Figure 0005323519
表3に示すように、PPS樹脂は、エラストマーを入れた方が衝撃強度が高くなる結果が得られた。これはエラストマーが衝撃を吸収する作用を及ぼすためと考えられる。
<エラストマーの評価2>
この評価2では、エンジンに接続した状況での熱間疲労強度を、エラストマーを入れる場合と入れない場合とで比較検討すべく、摂氏200℃の環境下で10回の平面曲げを行った後の疲労強度を求めた。また、この疲労強度は、ウエルド部と、ウエルド部以外の部分(一般部と言う)との各々について求めた。
Figure 0005323519
表4に示すように、PPS樹脂は、エラストマーを入れた場合の平面曲げ疲労強度が、一般部で4.0MPa、ウエルド部で1.2MPaであり、また、エラストマーを入れない場合には、一般部で3.4MPa、ウエルド部で0.8MPaであるという結果が得られた。
以上のことから、PPS樹脂は、熱疲労強度、成形サイクルおよびリサイクル性の観点から66ナイロンおよびフェノール樹脂に対して優位性があることが明らかである。
しかも、このPPS樹脂にエラストマーを含めることによって、衝撃強度および熱間疲労強度が高まり、かつ、ウエルド部の強度も十分に確保されるので、自動二輪車のインレットパイプ51に好適であると言える。
また、このエラストマーによりインレットパイプ51に要求される柔軟性を満足することができる。言い換えれば、エラストマーは、少なくとも吸気系の一端側(上流側)と他端側(下流側)との間の振動(振動量、振動周波数範囲)に対応可能な含有量とされる。
また、エラストマーには、熱可塑性エラストマー(TPE)とゴムの両方が含まれるが、本インレットパイプ51では、熱可塑性エラストマーを使用することによって、高温で加圧させると塑性変形させることができ、これによって、再成形が容易で、リサイクルを可能にしている。
このように、本実施形態では、インレットパイプ51をポリフェニレンサルファイドからなる樹脂(PPS樹脂)で形成したので、スロットルボディ53への熱影響を抑制しつつスロットルボディ53とエンジン20とに直に接続でき、十分な耐熱性を備えたインレットパイプにすることができる。しかも、このインレットパイプ51の樹脂がエラストマーを含むようにしたので、インレットパイプ51のウエルド部強度と熱影響に対する疲労強度を向上することができ、自動二輪車等の車両に好適なインレットパイプ51にすることができる。
また、インレットパイプ51の一端部には径方向に延出する一対の延出部(フランジ)63A、63Aが設けられ、これら延出部63A、63Aを介してエンジン20と接続するようにしているため、エンジン20との接続部分である延出部63A、63Aに熱影響に対する強度が求められるが、このインレットパイプ51がポリフェニレンサルファイドからなる樹脂で形成されるので、要求される強度を確保できる。
また、インレットパイプ51の他端部にも径方向に延出する一対の延出部(フランジ)62A、62Aが設けられており、これら延出部62A、62Aを介してスロットルボディ53を支持するので、インレットパイプ51の両端に設けた延出部62A、63Aを介してエンジン20に接続し、かつ、スロットルボディ53を支持する構成でも、スロットルボディ53へのエンジン20の熱影響を回避でき、かつ、十分な強度を確保できる。
また、インレットパイプ51を樹脂成形する段階では、型にインサートカラー63C、63Cをセットしておき、溶融した樹脂材料をゲートより型に流し込んで該カラー63C、63Cをインサートするので、インサートカラー63C、63Cを容易にインサートできる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、種々の設計変形を行うことができる。
例えば、上記実施形態では、インジェクタ支持部64が、インジェクタ60を挿通する開口部51Bよりインジェクタ60の軸線L2に対して径方向に延出する第1延出部64Aを有し、この第1延出部64Aに、インジェクタ60を上方より覆うカバー部材80をボルト94とナット96で固定し、インジェクタ60をインレットパイプ51に支持する構成としたが、これに限らず、要は、インジェクタ60の径方向に延出する第1延出部64Aを用いてインジェクタ60を支持する構成(第1延出部64Aに雌ねじ部を樹脂成形する構成は除く)を広く適用可能である。
すなわち、インジェクタ60の径方向に延出する第1延出部64Aを用いてインジェクタ60を支持するので、インジェクタ支持用のスペースを広く確保でき、このスペースを利用すれば、種々の支持構造を用いてインジェクタを支持することが可能である。例えば、第1延出部64Aに金属製のナット(インサートナット)を埋め込み、このナットにボルトを介してインジェクタ60を固定する構成にすることも容易であり、また、第1延出部64Aに爪等の係合部材を設け、インジェクタ60をその係合部に引っ掛けて固定する構成にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、インレットパイプ51を、エラストマーを含むポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)からなる樹脂で形成する場合を説明したが、これに限らない。要は、インレットパイプ51の基材を、耐熱性の高いポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)からなる樹脂にすればよく、その範囲で他の材料を用いてもよい。
また、上記実施形態では、単気筒の4サイクル空冷エンジンに本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、多気筒エンジン、水冷エンジン等の公知のエンジンに本発明を適用してもよい。また、図1に示した自動二輪車に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、他の自動二輪車、ATV、MUV或いはゴルフカートに分類される三輪車両や四輪車両等に本発明を適用してもよい。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 エンジンのシリンダ部を周辺構成とともに示す図である。 インレットパイプをスロットルボディとともに示す斜視図である。 インレットパイプをスロットルボディとともに車体後方から見た図である。 インレットパイプをスロットルボディとともに車体右側から見た図である。 (A)はインレットパイプの左側面図であり、(B)は背面から見た図である。 図6(A)のVII方向から見た図である。 図6(B)のVIII−VIII断面図である。 図7のIX−IX断面図である。 図6(B)のX方向から見た底面図である。 図6(A)のXI方向から見た図である。 (A)〜(C)はカバー部材とインジェクタ支持部の取付構造の説明に供する図である。 カバー部材とインジェクタとを組んだ状態の部分拡大図である。 (A)〜(C)はインレットパイプの樹脂成形の説明に供する図である。
1 自動二輪車(車両)
2 車体フレーム
20 エンジン(パワーユニット)
22 シリンダ部
24 クランクケース
51 インレットパイプ(吸気管)
51A 吸気通路
51B 開口部(インジェクタ挿通口)
53 スロットルボディ
53Y、58、91、92、94 ボルト(締結部材)
53X、60B コネクタ部
55 コネクティングチューブ
57 エアクリーナ
60 インジェクタ(燃料噴射弁)
60A 本体部
60G 窪み部
60G1、第1壁部(段部)
60G2 第2壁部(段部)
61 屈曲管部
61A 上流側の管部(縮径部)
61B 下流側の管部(拡径部)
62 第1フランジ部(スロットルボディ接続部)
63 第2フランジ部(エンジン接続部)
64 インジェクタ支持部
64A 第1延出部
64B 第2延出部
64B1 凹部
80 カバー部材
81 突出部
95 張り出し部
96 ナット

Claims (9)

  1. 一端がコネクティングチューブ(55)を介してエアクリーナ(57)と接続され、他端がインレットパイプ(51)を介してエンジン(20)と接続されるスロットルボティ(53)を備え、このインレットパイプ(51)に設けられるインジェクタ(60)は、インレットパイプ(51)に所定角度で取り付けられており、前記インレットパイプ(51)は、一定の内径で延出する管部(61)からなり、この管部(61)には、インジェクタ(60)を挿通する挿通口(51B)を備えるとともに、インジェクタ(60)を覆うカバー部材(80)の支持部(64)を備え、この管部(61)のエンジン側端部には、エンジン(20)との接続部(63)を備えるエンジンの吸気構造において、
    前記インレットパイプ(51)は、樹脂で形成されており、前記エンジン(20)との接続部(63)は、前記インレットパイプ(51)より径方向に延出する一対のフランジであり、前記インジェクタ(60)は前記インレットパイプ(51)に設けられる前記挿通口(51B)に挿通され、このインジェクタ(60)を上方より覆う前記カバー部材(80)を設け、前記カバー部材(80)を支持する支持部(64)は、前記挿通口(51B)よりインジェクタ(60)の軸線に対して径方向に延出し、前記カバー部材(80)は、前記支持部(64)の径方向に延出する部分と重なり、この重なる部分に、前記支持部(64)に設けられたボルト通し用の開口(64A1)に連通する開口(80A)を備え、この互いに連通する開口(64A1、80A)に一本のボルト(94)を挿通し、このボルト(94)と該ボルト(94)に締結したナット(96)とによって前記カバー部材(80)を前記支持部(64)に取り付け、前記インジェクタ(60)を、前記カバー部材(80)と前記インレットパイプ(51)とで挟持したことを特徴とするエンジンの吸気構造。
  2. 一端がコネクティングチューブを(55)を介してエアクリーナ(57)と接続され、他端がインレットパイプ(51)を介してエンジン(20)と接続されるスロットルボティ(53)を備え、このインレットパイプ(51)に設けられるインジェクタ(60)は、インレットパイプ(51)に所定角度で取り付けられており、前記インレットパイプ(51)は、一定の内径で延出する管部(61)からなり、この管部(61)には、インジェクタ(60)を挿通する挿通口(51B)を備えるとともに、インジェクタ(60)を覆うカバー部材(80)の支持部(64)を備え、この管部(61)のエンジン側端部には、エンジン(20)との接続部(63)を備えるエンジンの吸気構造において、
    前記インレットパイプ(51)は、樹脂で形成されており、前記エンジン(20)との接続部(63)は、前記インレットパイプ(51)より径方向に延出する一対のフランジであり、前記カバー部材(80)を支持する支持部(64)は、前記挿通口(51B)よりインジェクタ(60)の軸線に対して径方向に延出する延出部(64A)の端部に形成され、前記延出部(64A)は、前記インレットパイプ(51)から車体側方へ向けて突出するように形成されることを特徴とするエンジンの吸気構造。
  3. 前記管部(61)は、前記支持部(64)から前記接続部(63)間で拡径する拡径部(61B)を備え、この拡径部(61B)に前記インジェクタ(60)を挿通する前記挿通口(51B)を設け、この挿通口(51B)より前記支持部(64)を延出させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの吸気構造。
  4. 前記カバー部材(80)には、位置決め部をなす突出部(81)が設けられており、前記支持部(81)には、前記突出部(81)を受ける凹部(64B1)が設けられることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの吸気構造。
  5. 前記インジェクタ(60)の本体部(60A)には、径方向に凹む窪み部(60G)が設けられており、前記カバー部材(80)には、前記窪み部(60G)に入り込む張り出し部(95)が設けられており、このカバー部材(80)の張り出し部(95)は、前記インジェクタ(60)の前記窪み部(60G)と外周部との間にできる段部(60G1)に対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気構造。
  6. 前記スロットルボディ(53)には、吸気量を調整するバルブと、このバルブの開度を検出するスロットルセンサとが設けられており、このスロットルセンサに接続される配線のコネクタ部(53X)が、前記拡径部(61B)と前記スロットルボディ(53)の間に位置することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの吸気構造。
  7. 前記支持部(64)に設けられる前記開口(64A1)に挿通するボルト(94)の軸線と、前記インジェクタ(60)の軸線とは平行であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気構造。
  8. 前記インレットパイプ(51)のエンジン(20)との接続部は、前記インレットパイプ(51)の中心線より径方向に延出する一対のフランジ(63A、63A)であり、一方のフランジ(63A)と他方のフランジ(63A)は、異なる方向に延出し、各々のフランジ(63A、63A)に締結用開口(63B、63B)が設けられ、前記カバー部材(80)を支持する前記支持部(64)の支持面(64X)は、前記一対のフランジ(63A、63A)のエンジン接続面(63X)に対して所定角度傾斜した面であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエンジンの吸気構造。
  9. 前記支持部(64)の支持面(64X)は、前記スロットルボディ(53)との接続面(62X)に対して所定角度傾斜した面であることを特徴とする請求項8に記載のエンジンの吸気構造。
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