JP5323215B2 - 汎用エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータジェネレータが一体化された汎用エンジンに関する。
汎用エンジンの典型的な利用形態の一つとして、エンジンに外部装置としての発電体を外付けし、エンジンの駆動力を用いて発電する形態がある。特許文献1には、ラジアルギャップ型のモータジェネレータ(発電体)を外付けした汎用エンジンが開示されている。
特開2001−295657号公報
従来、汎用エンジンに発電体を外付けする場合には、汎用エンジンの側方より突出したエンジンの回転軸に外部装置である発電体を取り付ける必要がある。しかしながら、汎用エンジンとは別体化された発電体は、それ自体のサイズおよび重量が非常に大きい。したがって、発電体を単に外付けした場合には、全体的なサイズや重量が大きくなってしまい、ユーザにとって扱い難いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、発電用途に供される汎用エンジンの軽量化・小型化を図ることである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、アキシャルギャップ型モータジェネレータがエンジン本体に一体化された汎用エンジンを提供する。エンジン本体の駆動力によって回転する回転軸は、エンジン本体の一方の側部より突出した第1の突出部位を有する。第1の突出部位には、アキシャルギャップ型モータジェネレータが取り付けられている。このアキシャルギャップ型モータジェネレータは、回転軸と一体で回転する発電用ロータと、エンジン本体に取り付けられ、回転軸上において発電用ロータよりも外側に配置され、発電用ロータと離間したステータとを有する。また、ステータの中心部に中空部位を形成し、この中空部位に挿入されるフィン部材を有する。発電用ロータには、回転軸の回転角度を検出するための点火用磁石が取り付けられている。ここで、発電用ロータにおけるステータと対向する対向面には、複数の磁石が周方向に並んで取り付けられており、ステータには、複数のコイルが結線されて取り付けられていることが好ましい。
また、第1の発明において、フィン部材は、複数の第1のフィンが周方向に並んでいることが好ましい。この場合、フィン部材は、発電用ロータに一体形成されていてもよい。
また、第1の発明において、ステータの外径が発電用ロータの外径よりも大きいという前提において、略直線状に延在する取付部材をさらに設けてもよい。この場合、取付部材の一端は、エンジン本体に取り付けられ、取付部材の他端は、ステータにおける発電用ロータよりも大径な部位に取り付けられていることが好ましい。
さらに、第1の発明において、発電用ロータに、周方向に並んだ複数の第2のフィンを設けてもよい。また、発電用ロータは、回転軸の回転力を自己の慣性力によって安定化させるフライホイールとしての機能を担っていることが好ましい。また、ステータよりも外側に配置され、エンジン本体を始動させる際に回転軸を強制的に回転させるリコイルをさらに設けてもよい。また、回転軸は、さらにエンジン本体の他方の側部より突出した第2の突出部位を有してもよい。第2の突出部位には、オプションとして提供される外部装置を取り付けることが可能である。
第2の発明は、アキシャルギャップ型モータジェネレータがエンジン本体に一体化された汎用エンジンを提供する。エンジン本体の駆動力によって回転する回転軸は、エンジン本体の一方の側部より突出した第1の突出部位を有する。第1の突出部位には、アキシャルギャップ型モータジェネレータが取り付けられている。このアキシャルギャップ型モータジェネレータは、回転軸と一体で回転し、回転軸の回転力を自己の慣性力によって安定化させる第1のフライホイールと、エンジン本体に取り付けられ、回転軸上において第1のフライホイールよりも外側に配置され、第1のフライホイールと離間しており、複数のコイルが結線されて取り付けられたステータとを有する。また、ステータの中心部に中空部位を形成し、この中空部位に挿入されるフィン部材を有する。第1のフライホイールにおけるステータと対向した対向面には、複数の磁石が周方向に並んで取り付けられている。第1のフライホイールには、回転軸の回転角度を検出するための点火用磁石が取り付けられている。

また、第2の発明において、フィン部材は、複数の第1のフィンが周方向に並んでいることが好ましい。この場合、フィン部材は、第1のフライホイールに一体形成されていてもよい。

また、ステータの外径が第1のフライホイールの外径よりも大きいという前提において、略直線状に延在する取付部材をさらに設けてもよい。この場合、取付部材の一端は、エンジン本体に取り付けられ、取付部材の他端は、ステータにおける第1のフライホイールよりも大径な部位に取り付けられていることが好ましい。
さらに、第2の発明において、第1のフライホイールに、周方向に並んだ複数の第2のフィンをさらに設けてもよい。また、ステータよりも外側に配置され、エンジン本体を始動させる際に回転軸を強制的に回転させるリコイルをさらに設けてもよい。また、回転軸は、さらにエンジン本体の他方の側部より突出した第2の突出部位を有してもよい。第2の突出部位には、オプションとして提供される外部装置を取り付けることが可能である。
第1の発明によれば、発電体としてのアキシャルギャップ型モータジェネレータがエンジン本体に一体化されている。したがって、これを外部装置として別途取り付けなくても、汎用エンジンを発電用途に供することができる。また、エンジン本体に一体化される発電体としては、アキシャルギャップ型モータジェネレータが用いられる。したがって、回転軸の軸方向長の増大を抑制できる。その結果、発電用途に供される汎用エンジンの小型化・軽量化を図ることが可能になる。
第2の発明によれば、発電体としてのアキシャルギャップ型モータジェネレータがエンジン本体に一体化されている。したがって、これを外部装置として別途取り付けなくても、汎用エンジンを発電用途に供することができる。また、エンジン本体に一体化される発電体としては、アキシャルギャップ型モータジェネレータが用いられる。したがって、既存の汎用エンジンが有するフライホイールのサイズ等の仕様を大きく変更することなく、発電用磁石の追加等を以て、発電用ロータとしての機能を第1のフライホイールに付加することができる。したがって、回転軸の軸方向長の増大を抑制できる。その結果、既存の汎用エンジンをベースとした発電用エンジンに関して、既存の設計や仕様を大きく変更することなく低コストで実現でき、かつ、小型化・軽量化を図ることが可能になる。
回転軸の一端側より見た汎用エンジンの展開斜視図 回転軸の他端側より見た汎用エンジンの展開斜視図 汎用エンジンの展開側面図 気流による冷却メカニズムの説明図 汎用エンジンを用いた充電/放電システムの説明図
図1および図2は、本実施形態に係る汎用エンジン1の展開斜視図であり、図1は回転軸9の一端側から、図2は回転軸9の他端側からそれぞれ見たものである。また、図3は、汎用エンジン1の展開側面図であり、同図に示した符号Cは回転軸9の軸方向(アキシャル方向)を示す。この汎用エンジン1は、エンジン本体2にアキシャルギャップ型モータジェネレータ3を一体化した形態を有し、発電用途に供される。汎用エンジン1は、エンジン本体2と、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3と、リコイル4と、ハウジング5、燃料タンク6と主体に構成されている。
エンジン本体2は、一般的な汎用エンジンと同様の構成を有している。このエンジン本体2の上部には、燃料を貯蔵する燃料タンク6が取り付けられている。回転軸9は、エンジン本体2の駆動力によって回転する。回転軸9は、エンジン本体2の左右の側部よりそれぞれ突出しており、図3に示した突出部位9a,9bを有する。エンジン本体2の一方の側部より突出した突出部位9aには、汎用エンジン1とは別体化され、オプションとして提供される任意の外部装置(図示せず)を取り付けることが可能である。一方、この突出部位9aとは反対側である他方の側部より突出した突出部位9bには、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3が一体的に取り付けられている。
アキシャルギャップ型モータジェネレータ3は、円盤状の発電用ロータ31(以下、「内ロータ」という)と、中空状のステータ32とを主体に構成されている。本明細書では、内ロータ31における左右の側面のうち、ステータ32と対向する側を「対向面」といい、ステータ32と対向しない側を「非対向面」という(後述するバックヨーク33についても同様)。内ロータ31は、その中心を回転軸9に固定することによって、回転軸9と一体で回転する。内ロータ31の対向面には、例えばネオジウム系永久磁石といった複数の発電用磁石31aが周方向に並んで取り付けられており、隣り合った発電用磁石31aの極性は、交互に反転している。ステータ32は、その中心周りに中空部位が形成されたリング形状を有する。ステータ32は、略直線状に延在する複数の取付部材7を介してエンジン本体2に固定されている。ステータ32は、回転軸9上において内ロータ31よりも外側に配置され、回転軸9の軸方向Cにおいて内ロータ31と離間している。ステータ32には、例えば集中巻導線といった複数のコイル32aが結線されて取り付けられている。
また、これらの部材31,32によって構成されるアキシャルギャップ型モータジェネレータ3と隣接して、回転軸9上におけるステータ32よりも外側には、回転軸9と一体で回転する円盤状のバックヨーク33が配置されている。バックヨーク33は、軸方向Cにおいてステータ32と離間している。バックヨーク33は、内ロータ31における発電用磁石31aの磁束通路を効率的に確保すべく補助的に用いられ(ただし必須ではない)、例えば、比較的薄い鉄板等を用いることができる。また、バックヨーク33には、複数の通気孔33bと、フィン部材34とが設けられている。周方向に並んだこれらの通気孔31bは、バックヨーク33を軸方向Cに貫通する。一方、内ロータ31の対向面に設けられたフィン部材34は、径方向に延在する複数の冷却フィンが外周に並んでおり、回転軸9と一体で回転する。なお、フィン部材34は、回転軸9と一体で回転する形態であれば、バックヨーク33に一体形成する必要は必ずしもなく、内ロータ31に一体形成してもよいし、これらの部材31,33とは別部材として形成してもよい。フィン部材34は、ステータ32の中空部位内に挿入・収容される。通気孔33bおよびフィン部材34は、内ロータ31側の部位31b,31cと連携して、エンジン本体2およびアキシャルギャップ型モータジェネレータ3の双方を冷却するために機能する。
内ロータ31には、複数の冷却フィン31cと、複数の通気孔31bとが設けられている。周方向に並んだ冷却フィン31cのそれぞれは、内ロータ31の非対向面より軸方向Cに起立し、略径方向に延在している。また、周方向に並んだ通気孔31bは、冷却フィン31cの内側に設けられ、内ロータ31を軸方向Cに貫通する。
内ロータ31の外径は、その外側に位置するステータ32の外径よりも小さい。その理由は、ステータ32をエンジン本体2に取り付けるために用いられる取付部材7の形状を最適化し、エンジン本体2の振動に起因したステータ32の変位(振動の増幅)を抑制するためである。この場合、ステータ32の径方向(ラジアル方向)に突出した部位(内ロータ31よりも大径な部位)は、アーム状の取付部材7の一端を固定するための部位、すなわち糊代部として用いられる。また、内ロータ31はステータ32よりも小径なので、取付部材7の形状をその延在長が最短になる略直線状にしたとしても、内ロータ31との干渉を回避することができる。
アキシャルギャップ型モータジェネレータ3は、内ロータ31とステータ32とのペアによって構成され、内ロータ31の対向面と、これと向かい合ったステータ32の面との間に存在する隙間がアキシャルギャップに相当する。なお、電磁鋼板を使用しないアキシャルギャップ型モータジェネレータ3を採用する場合には、一般的なラジアルギャップ型モータジェネレータと比較して鉄損が少なく、高効率な発電が可能になる。
回転軸9の突出部位9bに固定された内ロータ31は、それ自体の自重に加えて、発電用磁石31aも埋め込まれているので、ある程度の重量を有する。したがって、内ロータ31は、回転時における自己の慣性力によって、エンジン本体2の1サイクルの間で変化する回転軸9の回転力を安定化させるフライホイールとしての役割を担う。同様に、バックヨーク33も、ある程度の重量を有す場合には、フライホイールとして機能し得る。
バックヨーク33の非対向面側、すなわち、バックヨーク33よりも外側には、エンジン本体2を始動させる際に回転軸9を強制的に回転させるリコイル4が設けられている。このリコイル4には、エンジン本体2およびアキシャルギャップ型モータジェネレータ3を冷却するための空気を取り入れる吸気口が形成されている。以上のような構成を有するアキシャルギャップ型モータジェネレータ3は、ハウジング5によって略全体が覆われている。このハウジング5は、リコイル4の吸気口より吸入された空気をエンジン本体2側へ導く内部形状を有する。
バックヨーク33には、回転軸9の回転角度を検出するための点火用磁石8(図3参照)が取り付けられている。本実施形態において、点火用磁石8は、バックヨーク33の非対向面側に取り付けられており、図示しない位置検出センサによって点火用磁石8の位置、すなわち回転軸9の回転角度を検出する。位置検出センサは、バックヨーク33の外縁よりも外側に位置するようにエンジン本体2に取り付けられ、バックヨーク33の径方向において点火用磁石8と対向した際、これを検出する。この場合、ステータ32との干渉を避けるために、位置検出センサをステータ32の外縁よりも外側に取り付ける必要があり、点火用磁石8とのギャップが大きくなってしまうが、実用上支障のない検出精度を確保可能である。なお、バックヨーク33に取り付ける場合、その点火用磁石8の近傍に点火コイル等の点火系部材(図示せず)が併せて備え付けられる。点火系部材がより外側に備え付けられることで、メンテナンス時におけるクリアランス調整を容易に行うことができる。
なお、点火用磁石8は、バックヨーク33ではなく内ロータ31に取り付けてもよい。例えば、内ロータ31の非対向面側に点火用磁石8を取り付けるといった如くである。
エンジン本体2の駆動によって回転軸9が回転すると、回転軸9と一体化された内ロータ31も回転する。内ロータ31が回転すると、内ロータ31に取り付けられた発電用磁石31aが、回転軸9の軸線を中心に鉛直方向に回転するので、内ロータ31の周囲の磁界が急激に変動する。これにより、内ロータ31の近傍に設置されたステータ32のコイル32aには、発電用磁石31aの電磁誘導による誘導電流が流れる。このような発電メカニズムによって、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3は電力を生成・出力する。
図4は、ハウジング5内における気流による冷却メカニズムの説明図である。同図において、部材31〜33は軸方向Cにかなり離間して示されているが、これは説明の便宜上のものに過ぎず、実際にはこれよりも近接しており、バックヨーク33のフィン部材34がステータ32の中空部位に挿入される点に留意されたい。エンジン本体2の駆動によって回転軸9が回転すると、内ロータ31に設けられた冷却フィン31cが周方向に変位する。これにより、リコイル4の吸気口より吸入され、バックヨーク33の通気孔33bを通った空気の一部は、冷却フィン31cによって内ロータ31の外周方向に流出する。そして、外周に流出した外気流は、ハウジング5との内部形状に沿って旋回しながら軸方向Cに流れ、エンジン本体2に至る。この気流によって、ステータ32の中空部位と、内ロータ31の内部とが冷却され(バックヨーク33の中心部位も冷却される)、その上でエンジン本体2も冷却される。
また、回転軸9が回転すると、バックヨーク33に一体化されたフィン部位34も回転する。これにより、リコイル4の吸気口より吸入され、バックヨーク33の通気孔33bを通った空気の一部は、ステータ32の中空部位に流入する。そして、流入した気流の一部は、フィン部材34aの回転によって、内ロータ31とステータ32との間の隙間(アキシャルギャップ)を経てステータ32の外周方向に流出する。また、この気流の一部は、ステータ32とバックヨーク33の間のギャップを経てステータ32の外周方向に流出する。そして、外周に流出した気流は外気流と合流する。この気流によって、バックヨーク33、ステータ32および内ロータ31のそれぞれの内部が冷却される。また、気流の一部は、内ロータ31の通気孔31bを経てエンジン本体1に流れる。以上のような気流によって、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3およびエンジン本体2の双方が冷却される。なお、ステータ32の内部の気流方向は、回転軸9の回転方向とフィン部材34の傾斜方向との関係により一義的に特定される。エンジン本体1に到達した空気は、幅方向奥側(車軸方向内側)に排出される。
このように、本実施形態によれば、発電体としてのアキシャルギャップ型モータジェネレータ3がエンジン本体2に一体化されている。したがって、これを外部装置として別途取り付けなくても、汎用エンジン1を発電用途に供することができる。また、何らかの外部装置の取付時においては、この外部装置の使用と、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3による発電とを並行して行うことも可能である。一体化される発電体としては、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3が用いられる。したがって、回転軸9の軸方向長の増大を抑制できる。その結果、発電用途に供される汎用エンジン1の小型化・軽量化を図ることが可能になる。
一般に、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3は、ラジアルギャップ型モータジェネレータと比較して、ラジアル方向(径方向)のサイズが小さくて済むという利点を有する。したがって、既存の汎用エンジンが有するフライホイールのサイズ等の仕様、或いは、それに伴うエンジン本体の仕様等を大きく変更することなく、発電用磁石31aの取り付けを以て、内ロータ31としての機能をフライホイールに付加することができる。その結果、既存の汎用エンジンをベースとした発電用途の汎用エンジン1に関して、既存の設計や仕様を大きく変更することなく低コストで実現でき、かつ、発電能力の向上を図りつつ、小型化・軽量化を図ることが可能になる。
フライホイールを備えた既存の汎用エンジンをベースにする場合、突出部位9bに取り付けられ、回転軸9と一体で回転するフライホイールにおける対向面に、複数の発電用磁石31aを周方向に並べて取り付ける。そして、回転軸9上におけるフライホイールの内側に、このフライホイールと離間するようにステータ32を配置する。このような改良を既存のフライホイールに施すことによって、これらを内ロータ31と機能的に等価なものとして扱うことができる。同様に、回転軸9上においてステータ32よりも外側に配置され、ステータ32と離間したバックヨーク33もフライホイールとして機能し得る。
また、本実施形態によれば、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3およびエンジン本体1を効果的に冷却することができる。すなわち、冷却フィン31cの周方向の変位によって内ロータ31の外周方向に流出した外気流は、ハウジング5に沿って軸方向Cに導かれてエンジン本体2に至る。また、フィン部材34の回転によって通気孔33bより吸入された気流は、ステータ32の中空部位からギャップを通って、上記外気流と合流する。これらの気流によって、内ロータ31およびステータ32によって構成されるアキシャルギャップ型モータジェネレータ3と、エンジン本体2とが冷却される。
また、本実施形態によれば、ステータ32よりも内側に内ロータ31を配置することで、外部に露出する内ロータ31の露出部位を少なくすることができる。これにより、冷却フィン31c等による気流発生時においても、内ロータ31とステータ32との間に異物が侵入しにくくなるので、耐久性の高い汎用エンジン1を実現できる。
さらに、本実施形態によれば、ステータ32よりも内側に配置された内ロータ31に冷却フィン31cを形成することで、同一部材で発電機能と冷却機能とを兼用でき、使用する摩耗部品数を削減することができる。また、内ロータ31に更に点火用磁石8に取り付けた場合には、エンジン制御機能をも兼用させることができ、汎用エンジン1の部品数を一層削減できる(バックヨーク33についても同様)。そして、これらの効果に起因して、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3の組立作業が容易になり、量産性の向上に寄与する。
なお、上述した実施形態では、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3による発電、すなわち充電に着目しているが、充電/放電の双方を行うようにしてもよい。図5は、汎用エンジン1を用いた充電/放電システムの説明図である。充電時には、ステータ32より流出した電流がユニット10を介して電源11に流れる。ユニット10は、電源11による充放電を制御する。また、電源11は、例えば、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、キャパシタといった充放電が可能な蓄電装置である。これによって、回転体の運動エネルギーが電気的なエネルギーに変換され、電源11が充電される。一方、放電時には、電源11より流出した電流がユニット10を介してステータ32に流れる。これによって、電気的なエネルギーが回転体の運動エネルギーに変換され、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3が回転し始める。このような充電/放電を利用することで、アキシャルギャップ型モータジェネレータ3を発電体として機能させるだけでなく、汎用エンジン1のスタータとして機能させることも可能になる。なお、充電/放電の切り替えは、ユニット10における切り替えスイッチの操作によって行われる。
1 汎用エンジン
2 エンジン本体
3 アキシャルギャップ型モータジェネレータ
4 リコイル
5 ハウジング
6 燃料タンク
7 取付部材
8 点火用磁石
9 回転軸
9 回転軸
9a,9b 突出部位
10 ユニット
11 電源
31 発電用ロータ(内ロータ)
31a 発電用磁石
31b,33b 通気孔
31c 冷却フィン
32 ステータ
32a コイル
33 バックヨーク
34 フィン部材

Claims (16)

  1. 汎用エンジンにおいて、
    エンジン本体と、
    前記エンジン本体の駆動力によって回転し、前記エンジン本体の一方の側部より突出した第1の突出部位を有する回転軸と、
    前記第1の突出部位に取り付けられたアキシャルギャップ型モータジェネレータとを有し、
    前記アキシャルギャップ型モータジェネレータは、
    前記回転軸と一体で回転する発電用ロータと、
    前記エンジン本体に取り付けられ、前記回転軸上において前記発電用ロータよりも外側に配置され、前記発電用ロータと離間したステータとを有し、
    前記ステータの中心部に中空部位を形成し、
    前記中空部位に挿入されるフィン部材を有し、
    前記発電用ロータには、前記回転軸の回転角度を検出するための点火用磁石が取り付けられていることを特徴とする汎用エンジン。
  2. 前記発電用ロータにおける前記ステータと対向する対向面には、複数の磁石が周方向に並んで取り付けられており、
    前記ステータには、複数のコイルが結線されて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載された汎用エンジン。
  3. 前記フィン部材は、複数の第1のフィンが周方向に並んでいることを特徴とする請求項1または2に記載された汎用エンジン。
  4. 前記フィン部材は、前記発電用ロータに一体形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された汎用エンジン。
  5. 略直線状に延在する取付部材をさらに有し、
    前記ステータの外径は、前記発電用ロータの外径よりも大きく、
    前記取付部材の一端は、前記エンジン本体に取り付けられ、前記取付部材の他端は、前記ステータにおける前記発電用ロータよりも大径な部位に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された汎用エンジン。
  6. 前記発電用ロータに設けられ、周方向に並んだ複数の第2のフィンをさらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載された汎用エンジン。
  7. 前記発電用ロータは、前記回転軸の回転力を自己の慣性力によって安定化させるフライホイールとしての機能を担っていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された汎用エンジン。
  8. 前記ステータよりも外側に配置され、前記エンジン本体を始動させる際に前記回転軸を強制的に回転させるリコイルをさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載された汎用エンジン。
  9. 前記回転軸は、さらに前記エンジン本体の他方の側部より突出した第2の突出部位を有し、オプションとして提供される外部装置を前記第2の突出部位に取り付けることが可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載された汎用エンジン。
  10. 汎用エンジンにおいて、
    エンジン本体と、
    前記エンジン本体の駆動力によって回転し、前記エンジン本体の一方の側部より突出した第1の突出部位を有する回転軸と、
    前記第1の突出部位に取り付けられたアキシャルギャップ型モータジェネレータとを有し、
    前記アキシャルギャップ型モータジェネレータは、
    前記回転軸と一体で回転し、前記回転軸の回転力を自己の慣性力によって安定化させる第1のフライホイールと、
    前記エンジン本体に取り付けられ、前記回転軸上において前記第1のフライホイールよりも外側に配置され、前記第1のフライホイールと離間しており、複数のコイルが結線されて取り付けられたステータとを有し、
    前記ステータの中心部に中空部位を形成し、
    前記中空部位に挿入されるフィン部材を有し、
    前記第1のフライホイールにおける前記ステータと対向した対向面には、複数の磁石が周方向に並んで取り付けられ、
    前記第1のフライホイールには、前記回転軸の回転角度を検出するための点火用磁石が取り付けられていることを特徴とする汎用エンジン。
  11. 前記フィン部材は、複数の第1のフィンが周方向に並んでいることを特徴とする請求項10に記載された汎用エンジン。
  12. 前記フィン部材は、前記第1のフライホイールに一体形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載された汎用エンジン。
  13. 略直線状に延在する取付部材をさらに有し、
    前記ステータの外径は、前記第1のフライホイールの外径よりも大きく、
    前記取付部材の一端は、前記エンジン本体に取り付けられ、前記取付部材の他端は、前記ステータにおける前記第1のフライホイールよりも大径な部位に取り付けられていることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載された汎用エンジン。
  14. 前記第1のフライホイールに設けられ、周方向に並んだ複数の第2のフィンをさらに有することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載された汎用エンジン。
  15. 前記ステータよりも外側に配置され、前記エンジン本体を始動させる際に前記回転軸を強制的に回転させるリコイルをさらに有することを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載された汎用エンジン。
  16. 前記回転軸は、さらに前記エンジン本体の他方の側部より突出した第2の突出部位を有し、オプションとして提供される外部装置を前記第2の突出部位に取り付けることが可能であることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載された汎用エンジン。
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