JP5320522B2 - 固体高分子型燃料電池用電解質膜およびその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
本発明は、不織布で補強された固体高分子型燃料電池用電解質膜およびその製造方法、並びに固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、発電反応を起こす電解質膜に触媒層を接合し、それらをセパレータで挟んだものを一つのモジュールとして、必要な個数のモジュールを積み上げ構成されている。燃料ガスの封止性を持たせるために、電解質膜をガスケットと呼ばれる燃料ガスの漏れを防止する固定シールの射出成形で、主に樹脂製の枠状の枠体に固定する。枠体に固定された電解質膜をセパレータに挟み、モジュールとしている。
近年、固体高分子型燃料電池用の電解質膜として、プロトン伝導性イオン交換膜が用いられてきている。特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(以下、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体)からなる陽イオン交換膜が基本特性に優れるため広く検討されている。実際の燃料電池用電解質膜は、膜のオーム損が低いものが求められている。膜オーム損は、その用いられている電解質ポリマーの導電性に依存する。
上述のような陽イオン交換膜の電気抵抗を低減する方法としては、スルホン酸基濃度の増加と膜厚の低減がある。しかし、スルホン酸基濃度が著しく増加すると膜の機械的強度が低下したり、燃料電池の長期運転において膜がクリープしたりして、燃料電池の耐久性が低下するなどの問題が生じる。
また、スルホン酸基濃度の高い電解質膜は含水時に膜自身が大きく膨潤し、様々な弊害を生じやすく、発電反応時に生成した水や燃料ガスと共に供給される水蒸気などにより、膜寸法が増大する。そして、膜の寸法増大分は「シワ」となりその「シワ」によって、セパレータの溝を埋めてガスの流れを阻害する。また、運転停止の繰り返しにより、膜が膨潤収縮を繰返すことで、膜や膜に接合された電極にクラックを発生させ、電池特性の低下を引き起こす。
また、スルホン酸基濃度の高い電解質膜は含水時に膜自身が大きく膨潤し、様々な弊害を生じやすく、発電反応時に生成した水や燃料ガスと共に供給される水蒸気などにより、膜寸法が増大する。そして、膜の寸法増大分は「シワ」となりその「シワ」によって、セパレータの溝を埋めてガスの流れを阻害する。また、運転停止の繰り返しにより、膜が膨潤収縮を繰返すことで、膜や膜に接合された電極にクラックを発生させ、電池特性の低下を引き起こす。
上記の問題を解決する方法として、電解質膜に補強層を入れることが提案されている(特許文献1〜7参照)。
図12に示すように、例えば特許文献1には、固体高分子型の電解質膜111と、電解質膜111の内部に補強層として配置された多孔シート113を備える膜電極接合体が開示されている。特許文献1記載の膜電極接合体の構成では、多孔シート113は電解質膜111の厚み方向において中心部に存在しており、面内方向においては多孔シート113により寸法変化を抑制することができるとされる。
図12に示すように、例えば特許文献1には、固体高分子型の電解質膜111と、電解質膜111の内部に補強層として配置された多孔シート113を備える膜電極接合体が開示されている。特許文献1記載の膜電極接合体の構成では、多孔シート113は電解質膜111の厚み方向において中心部に存在しており、面内方向においては多孔シート113により寸法変化を抑制することができるとされる。
しかしながら、上述の特許文献1記載の構成では、多孔シート113の両面には電解質材のみの領域(樹脂層125)が存在する。そのため、樹脂層125は、膜厚方向に対して多孔シート113の規制を受けることがなく、燃料電池の発電時に生成される生成水や燃料ガスの加湿に用いられた水分により膨潤する。電解質膜111の膨潤により、電極層127、128を外側に押し広げ、ガス拡散層133、134をセパレータ141、142に押し付ける。
セパレータ141、142に押し付けられたガス拡散層133、134は、セパレータ141、142に具備された溝145、146に入り込む。ガス拡散層133、134の入り込みにより、溝145、146は狭められ、燃料ガスの通りを妨げる結果、燃料ガスの圧損を生じさせ、燃料電池の発電特性の低下を引き起こすという問題を有していた。
セパレータ141、142に押し付けられたガス拡散層133、134は、セパレータ141、142に具備された溝145、146に入り込む。ガス拡散層133、134の入り込みにより、溝145、146は狭められ、燃料ガスの通りを妨げる結果、燃料ガスの圧損を生じさせ、燃料電池の発電特性の低下を引き起こすという問題を有していた。
図13は、電解質膜中に補強層として不織布を備える従来の単電池モジュールの断面の組み立て概略図である。図13に示すように、補強層412に不織布を用いた場合、不織布は三次元構造を持った構造であるため、電解質膜431の厚み方向に対して、全領域に不織布を含有させることができる。
図14は、補強層として不織布を固体高分子電解質内部に配した電解質膜431の含水により膨潤した模式図である。図14に示すように、不織布521は不織繊維が層状に積み重なった形状であるため、厚み方向に対して規制する力が働かない。含水時に不織布521の層間の厚みが広がり、結果として膜全体の厚み方向に対する膨潤を防ぐことができない。膨潤した電解質膜431は、電極層127及び電極層128を外側に押し広げ、ガス拡散層133、134をセパレータ141、142に押し付ける。
セパレータ141、142に押し付けられたガス拡散層133、134は、セパレータ141、142に備えられた溝145、146に入り込む。ガス拡散層133、134の入り込みにより、溝145、146は狭められる。燃料ガスの通りが悪くなる結果、燃料ガスの圧損を生じさせ、燃料電池の発電特性の低下を引き起こすという問題を有していた。
セパレータ141、142に押し付けられたガス拡散層133、134は、セパレータ141、142に備えられた溝145、146に入り込む。ガス拡散層133、134の入り込みにより、溝145、146は狭められる。燃料ガスの通りが悪くなる結果、燃料ガスの圧損を生じさせ、燃料電池の発電特性の低下を引き起こすという問題を有していた。
一方、特許文献2、5には、加熱ロールプレス法を用いて製造された、フッ素樹脂の繊維からなる、当該繊維間の交点の少なくとも一部が固定化された不織布で補強されたイオン交換樹脂を主成分とする固体高分子形燃料電池用電解質膜が開示されている。特許文献3には、繊維間の交点が格子状に固着された織布または不織布にガラス電解質を付着させ、この織布または不織布の表裏両面に、官能基を有する含フッ素重合体膜を積層固着して形成した固体電解質膜が開示されている。特許文献6,7には電解質膜の繊維の交点の一部を固定する旨が示唆されている。しかし、特許文献2、3,5によれば、電解質膜の寸法安定性の向上は期待されるものの、いずれの特許文献にも、具体的な繊維間の交点の位置が開示されていなかった。そのため、特に燃料電池として用いる際の電解質膜の寸法精度を向上させることは困難であった。
また特許文献4には、(イ)帯状基体に印刷手法により絶縁材を含浸させて、絶縁材含浸層により外周を囲われた島状の電解質領域を長手方向に等間隔に形成する工程と、(ロ)この電解質領域に電解質を含浸させて電解質膜を形成する工程と、(ハ)電解質膜間の絶縁材含浸層に導体貫通部を形成する工程とを有する平面スタック型の燃料電池の製造方法が開示されている。しかし、この方法は工程が複雑であり、印刷精度等の問題があることより、電解質膜の寸法精度を向上させることは困難であった。
また特許文献4には、(イ)帯状基体に印刷手法により絶縁材を含浸させて、絶縁材含浸層により外周を囲われた島状の電解質領域を長手方向に等間隔に形成する工程と、(ロ)この電解質領域に電解質を含浸させて電解質膜を形成する工程と、(ハ)電解質膜間の絶縁材含浸層に導体貫通部を形成する工程とを有する平面スタック型の燃料電池の製造方法が開示されている。しかし、この方法は工程が複雑であり、印刷精度等の問題があることより、電解質膜の寸法精度を向上させることは困難であった。
そこで、本願は上記従来の課題を解決するものであり、電解質膜の面内方向だけでなく厚み方向に対しても膨潤を低減し、燃料電池の発電特性を維持することができる、固体高分子型燃料電池用電解質膜およびその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
また、本願は、プロトン伝導度を低下させることなく、電解質膜の含水時の膜厚方向の膨潤を抑制でき、膜厚方向の膨潤に起因する燃料電池用ガス拡散層基材(以下「GDL」ともいう。)のセパレータの燃料ガス流路への入り込みを抑制することができる固体高分子型燃料電池用電解質膜を提供することを目的とする。
また、本願は、プロトン伝導度を低下させることなく、電解質膜の含水時の膜厚方向の膨潤を抑制でき、膜厚方向の膨潤に起因する燃料電池用ガス拡散層基材(以下「GDL」ともいう。)のセパレータの燃料ガス流路への入り込みを抑制することができる固体高分子型燃料電池用電解質膜を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、(イ)電解質膜と、(ロ)電解質膜の両面に配置された電極層と、(ハ)電極層を挟むように配置されたガス流路を内面に備える一対のセパレータと、を有する単電池モジュールを複数個積層した固体高分子型燃料電池であって、電解質膜は、電解質材料と、前記電解質材料に内包された不織布と、を備え、不織布は、固体高分子型燃料電池の発電領域に対応する部分の一部に直線状または点状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された不織布の膜厚よりも薄膜の融着部を複数備え、前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である固体高分子型燃料電池を要旨とする。
本発明の第二の態様は、(イ)電解質材料により形成された電解質膜と、(ロ)電解質膜に内包された不織布と、を備え、不織布は、固体高分子型燃料電池の発電領域に対応する部分の一部に直線状または点状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された不織布の膜厚よりも薄膜の融着部を複数有し、前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜を要旨とする。
本発明の第三の態様は、(イ)不織布を準備する工程と、(ロ)不織布の固体高分子型燃料電池の発電領域に対応する部分の一部に、直線状または点状に、2本以上の不織繊維を互いに融着させて不織布の膜厚よりも薄膜の複数の融着部を形成する工程と、(ハ)融着部が形成された不織布に、電解質材料を含浸させて、電解質膜を形成する工程と、を有し、前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を要旨とする。
本発明の第二の態様は、(イ)電解質材料により形成された電解質膜と、(ロ)電解質膜に内包された不織布と、を備え、不織布は、固体高分子型燃料電池の発電領域に対応する部分の一部に直線状または点状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された不織布の膜厚よりも薄膜の融着部を複数有し、前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜を要旨とする。
本発明の第三の態様は、(イ)不織布を準備する工程と、(ロ)不織布の固体高分子型燃料電池の発電領域に対応する部分の一部に、直線状または点状に、2本以上の不織繊維を互いに融着させて不織布の膜厚よりも薄膜の複数の融着部を形成する工程と、(ハ)融着部が形成された不織布に、電解質材料を含浸させて、電解質膜を形成する工程と、を有し、前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法を要旨とする。
本発明によれば、電解質膜の面内方向だけでなく厚み方向に対しても膨潤を低減し、燃料電池の発電特性を維持することができる、固体高分子型燃料電池用電解質膜およびその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池が提供される。本発明によれば、不織布の一部で繊維同士が融着されていることで、電解質膜が膜厚方向に対して補強され、燃料電池が稼動した際の電解質膜の膨潤を抑制し、高い耐久性を確保することができる。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜によれば、プロトン伝導度を低下させることなく、電解質膜の含水時の膜厚方向の膨潤を抑制でき、膜厚方向の膨潤に起因するGDLのセパレータの燃料ガス流路への入り込みを抑制することができる。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜によれば、プロトン伝導度を低下させることなく、電解質膜の含水時の膜厚方向の膨潤を抑制でき、膜厚方向の膨潤に起因するGDLのセパレータの燃料ガス流路への入り込みを抑制することができる。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。図中同一の機能又は類似の機能を有するものについては、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
<固体高分子型燃料電池>
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュールの断面の組み立て概略図である。
図1に示されるように、実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュール(単体セル)170は、電解質膜410と、電解質膜410の上面と下面のそれぞれの発電領域422に配置された電極層127,128と、電極層127,128を挟むように配置された一対のセパレータ141,142とを備える。電解質膜410は、電解質材料と、補強層として電解質材料に内包された不織布516と、を備える。なお、電解質材料としては、不織布の隙間に充填されうるイオン交換樹脂を用いることができる。セパレータ141,142は内面の発電領域422に対応する部分に溝145,146を備え、溝145,146の底面と側面で仕切られる空間にガス流路147,148が形成されている。
単電池モジュール170は、さらに、電極層127とセパレータ141の間にガス拡散層133、電極層128とセパレータ142の間にガス拡散層134を有する。電解質膜410の端部の膜固定部423には、ガスケット153、154が配置されている。
図2は実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュール170の一部切り欠き上面図である。図2に示すように、単電池モジュール170は、略正方形状の枠体160を備える。枠体160の上端に燃料ガス入り口161と、下端に燃料ガス出口162とを備える。また枠体160の発電領域422に対応する部分に電解質膜410が配置されている。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュールの断面の組み立て概略図である。
図1に示されるように、実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュール(単体セル)170は、電解質膜410と、電解質膜410の上面と下面のそれぞれの発電領域422に配置された電極層127,128と、電極層127,128を挟むように配置された一対のセパレータ141,142とを備える。電解質膜410は、電解質材料と、補強層として電解質材料に内包された不織布516と、を備える。なお、電解質材料としては、不織布の隙間に充填されうるイオン交換樹脂を用いることができる。セパレータ141,142は内面の発電領域422に対応する部分に溝145,146を備え、溝145,146の底面と側面で仕切られる空間にガス流路147,148が形成されている。
単電池モジュール170は、さらに、電極層127とセパレータ141の間にガス拡散層133、電極層128とセパレータ142の間にガス拡散層134を有する。電解質膜410の端部の膜固定部423には、ガスケット153、154が配置されている。
図2は実施の形態1に係る固体高分子型燃料電池を構成する単電池モジュール170の一部切り欠き上面図である。図2に示すように、単電池モジュール170は、略正方形状の枠体160を備える。枠体160の上端に燃料ガス入り口161と、下端に燃料ガス出口162とを備える。また枠体160の発電領域422に対応する部分に電解質膜410が配置されている。
図2に示すように、不織布516は、単電池モジュール170の発電領域422に直線状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された、不織布516の膜厚よりも薄膜の融着部510を複数備える。融着部510は、単電池モジュール170の発電領域422に対応する部分、特に図1に示すようにセパレータのガス流路147,148に対応する部分に設けられていることが好ましい。電解質膜410の面内方向だけでなく厚み方向に対しても膨潤を低減し、燃料電池の発電特性の維持を図ることができるからである。
実施の形態1では、枠体160の燃料ガス入り口161及び燃料ガス出口162の具備されない辺、即ち右端(左端)に平行に、直線状の融着部510を設けた。しかし、直線状の融着部510は、枠体160の燃料ガス入り口161及び燃料ガス出口162の具備されない辺に垂直に設けても良く、枠体160の辺に対して斜めに設けても良い。
融着部510の線幅は隣接する2本以上の繊維同士を融着する必要があるため、隣接する繊維間隔以上にすることが望ましい。不織布516は繊維間隔が0.1μm〜100μm程度の分布を持つので、隣接する繊維同士を融着させるためには、融着部510の線幅は0.1mm以上が望ましい。なお、実施の形態1では直線状の融着部510の線幅を約1mmとした。
不織布516の融着部510では不織繊維間の隙間が狭いか、隙間がなくなるため、プロトンの伝搬が阻害される。融着部510の間隔が狭すぎると、プロトンの伝導が阻害され、燃料電池の発電特性が低下してしまう。一方、融着部510の間隔が広すぎると、融着部510間で電解質材料が膨潤し膜厚が変化してしまう。以上より、発電特性と膜厚方向の膨潤を防止する観点からは、融着部510の間隔W1を、10mm〜20mmとすることが好ましい。なお、実施の形態1では、直線状の融着部510の間隔W1を20mmとした。
電解質膜410の厚みを20μm〜30μmとし、融着部510の間隔W1を20mmとすることが好ましい。但し、電解質膜410の膜厚がこれよりも薄い場合は、膜厚方向に対する寸法変化量が小さいため、直線状の融着部510の間隔W1をより大きくしてもよい。発電面積に対する融着部の総面積が小さくなることで、プロトンの伝導が良好となることで、燃料電池の発電効率が向上するからである。
不織布516の融着領域は、不織布516の発電領域422に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下であることが好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。
融着部510は、等間隔に形成されていることが好ましく、融着部510の配置間隔が10mm以上20mm以下であることがより好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜410の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。
融着部510は、格子状に形成されていることが好ましい。燃料電池として用いた場合に、電解質膜410の寸法を安定させることの他に、外部からの応力を緩和しやすくなるからである。
融着部510は、等間隔に形成されていることが好ましく、融着部510の配置間隔が10mm以上20mm以下であることがより好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜410の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。
融着部510は、格子状に形成されていることが好ましい。燃料電池として用いた場合に、電解質膜410の寸法を安定させることの他に、外部からの応力を緩和しやすくなるからである。
また、引張強度の大きい不織繊維からなる不織布を用いた場合、直線状の融着部510の間隔W1を大きくしてもよい。直線状の融着部510の間隔W1が大きい場合、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部の総面積が小さくなるため、プロトン伝導への影響が小さくなりよい。発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部510の総面積の割合は、上述の線幅及び融着部の間隔W1より、0.5〜10%が好ましい。なお、実施の形態1における、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部510の総面積の割合は5%程度である。
融着部510は、融着していない箇所と比較して電解質膜410の硬度が変化する。膜固定部423に電解質膜410の硬度にばらつきが生じると、枠体160と電解質膜410との固定強度にばらつきが発生する。そのため、枠体160と電解質膜410との固定強度を安定させるためには、図2に示すように、融着部510は、発電領域422にのみ設け、膜固定部423には設けないことが好ましい。
図1に示すように、層状に不織繊維が積層して形成された不織布516において、不織布516の一部に融着部510が設けられている。この場合、矢印412で示される不織布516の厚み412を所定の厚さに維持しつつ、融着部510の厚みを限りなく薄くすることが好ましい。不織布516の膜厚方向の断面形状において、「8」の字を横にして並べたような、融着部510を介して不織布の一方の主面と他方の主面とがつながる形状とすることが好ましい。電解質膜410の膜厚方向の寸法変化を低減するためである。またプロトンの伝播流路を確保することができるからである。
なお、電解質膜410の膜厚方向の寸法変化を低減し、プロトンの伝播流路が確保されるのであれば、融着部510の膜厚は、特に制限されるものではない。具体的には、不織布516の厚みは、電解質膜の厚みに対して、5〜65%が好ましく、融着部510の厚みは、不織布516の厚みに対して、5〜50%とすることが好ましい。
なお、電解質膜410の膜厚方向の寸法変化を低減し、プロトンの伝播流路が確保されるのであれば、融着部510の膜厚は、特に制限されるものではない。具体的には、不織布516の厚みは、電解質膜の厚みに対して、5〜65%が好ましく、融着部510の厚みは、不織布516の厚みに対して、5〜50%とすることが好ましい。
燃料電池はプロトンの伝搬による発電反応を用いているため、プロトンの伝搬経路となりうる不織繊維の隙間の割合が高い方がより高い発電特性を得ることができる。エレクトロスピニング法により作製した不織布516は繊維径が細く、不織布516の単位体積当りの隙間の割合を高くすることができる。そのため、エレクトロスピニング法により作製した不織布516を用いるが好ましい。
電解質膜410は、燃料電池の運転時には約80℃にまで達する。そのため、不織布516の材料としては、その温度領域においても充分な耐熱性を有し、かつ化学的に安定した材料を用いることが好ましい。具体的な不織布516の材料としては、耐熱性と化学安定性を有し、エレクトロスピニング法で不織繊維化が可能である観点から、ポリビニリデンフルオライド重合体(以下、「PVDF」という。)を用いることが好ましい。PVDF以外にも、ポリビニルフルオライド重合体(以下、「PVF」という。)を用いてもよい。また、PVDFやPVFをモノマー単位とする共重合体を用いてもよい。またPVDFとPVFの混合物を用いてもよい。不織布516材料としては、さらに、疎水性を有した材料であることが好ましい。疎水性を有した材料の不織布516を電解質膜410内部に配することにより、発電反応により電解質膜410中に生じる、不要な生成水を排水することができ、生成水による不要な膨潤を低減することが可能となるからである。
電解質膜410の膨潤収縮による寸法変化を低減するという目的から、引っ張り強度や伸度など機械的物性が良好であることが望ましい。分子量が低すぎると機械的強度が低下し、また、分子量が高すぎる場合には溶解性が落ち、溶液化しにくくなるためである。PVDFの分子量は150000〜550000が望ましい。
PVDFをエレクトロスピニングで不織繊維化するためには、溶媒としてのジメチルアセトアミド(以下、DMAC)に、PVDFを溶解させて得られた溶液を用いることが好ましい。溶媒としては、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド、アセトンなどを用いても良い。なお、極性を持つ溶媒を用いた場合、溶融しやすくなる。
溶液濃度は10%から25%が望ましい。溶液濃度が下限値よりも低いと充分な繊維径を得ることが出来ず、電解質膜410の膨潤収縮による寸法変化を抑制することが困難になるからである。また、溶液濃度が上限値よりも高いと、エレクトロスピニング法での不織繊維化において、充分な静電爆発を得ることが出来ず、繊維間が詰まり、電解質膜410としての機能の一つであるプロトン伝導を阻害してしまうからである。
溶液濃度は10%から25%が望ましい。溶液濃度が下限値よりも低いと充分な繊維径を得ることが出来ず、電解質膜410の膨潤収縮による寸法変化を抑制することが困難になるからである。また、溶液濃度が上限値よりも高いと、エレクトロスピニング法での不織繊維化において、充分な静電爆発を得ることが出来ず、繊維間が詰まり、電解質膜410としての機能の一つであるプロトン伝導を阻害してしまうからである。
<固体高分子型燃料電池の製造方法>
固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法について説明する。
固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、(イ)不織布を準備する工程と、(ロ)不織布の一部に、直線状または点状に、2本以上の不織繊維を互いに融着させて不織布の膜厚よりも薄膜の複数の融着部を形成する工程と、(ハ)融着部が形成された不織布に、電解質材料を含浸させて、電解質膜を形成する工程とを有する。実施の形態1では、エレクトロスピニング法を用いて作製したPVDFの不織布516を熱圧着により融着させる方法を例に挙げて各工程毎に説明する。
固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法について説明する。
固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法は、(イ)不織布を準備する工程と、(ロ)不織布の一部に、直線状または点状に、2本以上の不織繊維を互いに融着させて不織布の膜厚よりも薄膜の複数の融着部を形成する工程と、(ハ)融着部が形成された不織布に、電解質材料を含浸させて、電解質膜を形成する工程とを有する。実施の形態1では、エレクトロスピニング法を用いて作製したPVDFの不織布516を熱圧着により融着させる方法を例に挙げて各工程毎に説明する。
(イ)不織布を準備する工程について
まず初めに、エレクトロスピニング法を用いて不織布516を作製する。ここで、「エレクトロスピニング法」とはシリンジに入った高分子溶液とコレクタ電極間に高電圧を印可することで、シリンジから押出された溶液が電荷を帯び、細かな繊維となってコレクタに付着する微小繊維製造方法をいう。
具体的には、エレクトロスピニング装置を用意し、例えばDMACにPVDFを溶解させたPVDF溶液をシリンジに加えた後、シリンジとコレクタ電極間の印加電圧を20kV程度、送液圧力を30kPa程度とすることで、不織布を製造することができる。
まず初めに、エレクトロスピニング法を用いて不織布516を作製する。ここで、「エレクトロスピニング法」とはシリンジに入った高分子溶液とコレクタ電極間に高電圧を印可することで、シリンジから押出された溶液が電荷を帯び、細かな繊維となってコレクタに付着する微小繊維製造方法をいう。
具体的には、エレクトロスピニング装置を用意し、例えばDMACにPVDFを溶解させたPVDF溶液をシリンジに加えた後、シリンジとコレクタ電極間の印加電圧を20kV程度、送液圧力を30kPa程度とすることで、不織布を製造することができる。
(ロ)融着部を形成する工程について
図3A〜図3Cは、実施の形態1に係る熱圧着による不織布の融着部の作製方法の模式図である。突起部613を備える圧着治具611、612を用意する。不織布516の燃料電池の発電領域422に対応する部分、特にセパレータのガス流路147,148に対応する部分に突起部613を備えるものを用意することが好ましい。その後、圧着治具611、612を不織布516の上面と下面に配し、圧着治具611、612の間に不織布516を挟み込ませる。そして、突起部613が不織布516に接触するように圧力を加えると略同時に熱を伝達させる。不織布516の一部を熱圧着させることで、融着部510を有する不織布516が得られる。不織布516は層状に不織繊維が積層した形状であるため、熱圧着による融着を行うことで電解質膜410の厚み方向に不織繊維が接触し、確実に融着することが可能となる。
図3A〜図3Cは、実施の形態1に係る熱圧着による不織布の融着部の作製方法の模式図である。突起部613を備える圧着治具611、612を用意する。不織布516の燃料電池の発電領域422に対応する部分、特にセパレータのガス流路147,148に対応する部分に突起部613を備えるものを用意することが好ましい。その後、圧着治具611、612を不織布516の上面と下面に配し、圧着治具611、612の間に不織布516を挟み込ませる。そして、突起部613が不織布516に接触するように圧力を加えると略同時に熱を伝達させる。不織布516の一部を熱圧着させることで、融着部510を有する不織布516が得られる。不織布516は層状に不織繊維が積層した形状であるため、熱圧着による融着を行うことで電解質膜410の厚み方向に不織繊維が接触し、確実に融着することが可能となる。
圧着治具611、612としては、アルミニウム製のものを用いることが好ましい。電解質膜中にアルミニウムが混入した場合でも、電解質膜の分解に寄与が低いからである。仮に鉄、銅、クロムなどからなる圧着治具を用いると、電解質膜内に鉄・銅・クロムなどの金属異物が混入した場合に、発電時の化学反応中に生成された鉄イオン、銅イオンなどが電解質膜材料の官能基と置換するなどの化学反応するおそれがある。そのため、電解質膜410が分解され発電特性を低下させることを防止するため、圧着治具611、612の材料としては、鉄、銅、クロムは用いないことが好ましい。
圧着治具611、612としては、熱伝達特性が低下するが、異物混入を低減する観点からは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂やガラスなどを用いることができる。
圧着治具611、612としては、熱伝達特性が低下するが、異物混入を低減する観点からは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂やガラスなどを用いることができる。
不織布516の熱圧着において、圧着治具611,612の温度を120℃から170℃に設定することが好ましい。設定温度が高すぎると、不織布516自体が熱分解により低分子化してしまい、引っ張り強度が低下し、電解質膜410における補強層としての機能を損失してしまうからである。
熱圧着において、不織布516に印加する圧力及び時間は、圧着治具611、612の温度により最適な圧力、時間に調整すればよく、不織布516の樹脂材料が熱により溶融し、隣接する繊維同士で融着していれば良い。
熱圧着において、不織布516に印加する圧力及び時間は、圧着治具611、612の温度により最適な圧力、時間に調整すればよく、不織布516の樹脂材料が熱により溶融し、隣接する繊維同士で融着していれば良い。
融着は、熱圧着の他にもレーザ光線の照射により行ってもよい。また融着は、有機溶媒により不織布を溶融することにより、または不織布材料が溶けた溶液を融着部に供給することにより行ってもよい。熱圧着の場合、ロールプレス装置等の大がかりな装置を必要とするが、レーザ光線の照射や有機溶媒を使用する方法によればそのような大がかりな装置を必要としないからである。
不織布516の融着領域は、不織布516の発電領域422に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下であることが好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。融着部は、等間隔に形成されていることが好ましく、融着部510の配置間隔が10mm以上20mm以下であることがより好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。融着部は、格子状に形成されていることが好ましい。燃料電池として用いた場合に、電解質膜の寸法を安定させることの他に、外部からの応力を緩和しやすくなるからである。
不織布516の融着領域は、不織布516の発電領域422に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下であることが好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。融着部は、等間隔に形成されていることが好ましく、融着部510の配置間隔が10mm以上20mm以下であることがより好ましい。下限値よりも少ないと、電解質膜の寸法安定性を維持することが難しく、上限値を超えると発電効率が低下するからである。融着部は、格子状に形成されていることが好ましい。燃料電池として用いた場合に、電解質膜の寸法を安定させることの他に、外部からの応力を緩和しやすくなるからである。
(ハ)電解質膜を形成する工程について
図4A〜図4Cは、実施の形態1に係る電解質膜410の製造方法の模式図である。まず図4Aに示すように、基材として、シート状のポリエチレンテレフタレート(PET基材)711を用意する。そして融着部510を設けた不織布516をPET基材711上に配置する。さらに図4Bに示すように、不織布516に電解質溶液712を含浸させる。以上の工程により、図4Cに示すような電解質膜410が製造される。
図4A〜図4Cは、実施の形態1に係る電解質膜410の製造方法の模式図である。まず図4Aに示すように、基材として、シート状のポリエチレンテレフタレート(PET基材)711を用意する。そして融着部510を設けた不織布516をPET基材711上に配置する。さらに図4Bに示すように、不織布516に電解質溶液712を含浸させる。以上の工程により、図4Cに示すような電解質膜410が製造される。
電解質溶液712としては、水とエタノールの混合溶媒が好ましい。融着部510を有したPVDFの不織布516に電解質溶液712を含浸させるためには、溶媒中の水の割合は半分以下が望ましい。溶媒の水の比率が50%以上の場合、PVDFが疎水性のため、電解質溶液712が馴染まず、適切に塗工できないからである。
またバーコーター(図示せず)を用いて、電解質溶液712を、融着部510を具備した不織布516に塗工しても良い。また電解質溶液712の塗工には、スリットダイを用いた塗工や印刷・スプレーを用いた方法でもよい。単位体積当りの隙間の割合の高い不織布に、電解質溶液が隙間なく含浸させることが好ましい。
またバーコーター(図示せず)を用いて、電解質溶液712を、融着部510を具備した不織布516に塗工しても良い。また電解質溶液712の塗工には、スリットダイを用いた塗工や印刷・スプレーを用いた方法でもよい。単位体積当りの隙間の割合の高い不織布に、電解質溶液が隙間なく含浸させることが好ましい。
電解質溶液712を塗工した後に、溶媒を揮発させ、溶液を乾燥させる。なお、乾燥後の電解質膜厚が所定の厚みとなるように、溶質濃度を調整した電解質溶液を塗工することが好ましい。
塗工した電解質溶液712が乾燥した後にアニールを行い、電解質を結晶化させる。電解質は結晶化させることで、耐久性を向上させることができる。この場合、空気雰囲気中において大気圧下でアニール処理を行うことが好ましい。電解質に対して不活性ガスである窒素雰囲気下でアニールすることがより好ましい。減圧状態でアニールすることで、塗工した電解質溶液712中に気泡やピンホールの発生を防ぐことができるからである。
アニール温度は、電解質材料のガラス転移温度より10℃以上であることが望ましい。アニール温度が低いと充分な結晶化が起こらず、電解質膜410の耐久性が確保できないからである。アニール時間は30分以上、2時間以下で行うことが望ましい。アニール時間が短いと充分な結晶化が得られないからである。またアニール時間が長い場合は、過度に結晶化が進んでしまうため、プロトン導電性が低くなるからである。
アニール温度は、電解質材料のガラス転移温度より10℃以上であることが望ましい。アニール温度が低いと充分な結晶化が起こらず、電解質膜410の耐久性が確保できないからである。アニール時間は30分以上、2時間以下で行うことが望ましい。アニール時間が短いと充分な結晶化が得られないからである。またアニール時間が長い場合は、過度に結晶化が進んでしまうため、プロトン導電性が低くなるからである。
(製造方法の変形例1)
図5A〜図5Cは、実施の形態1の変形例に係る電解質膜における電解質材料の塗工工程の模式図である。実施の形態1では、図4A〜図4Cに示すようにPET基材711上の不織布516に、電解質溶液712を塗工し乾燥させることで電解質膜410を得た。しかし、図5Aに示すように予めPET基材711上に電解質溶液712を塗工しておき、図5Bに示すように電解質溶液712の溶媒が乾燥する前に、融着部510を設けた不織布516を乗せて、電解質溶液712中に沈みこませても良い。塗工した電解質溶液に融着部510を具備した不織布516を沈み込ませて、電解質膜410を得る場合、融着部510を具備した不織布516は完全に電解質溶液712中に沈みこんでいる状況が望ましい。以上のようにして、図5Cに示すような電解質膜410が製造される。
電解質溶液712から融着部510を具備した不織布516がはみ出た場合、電解質膜410からはみ出た部分の不織布516により電解質膜410表面に凹凸が形成される。この凹凸部に燃料電池の発電時に生じた生成水が溜まると、溜まった生成水により電子やガスの移動を阻害してしまい、発電特性を低下させるおそれがある。そのため、不織布516は電解質膜410からはみ出ないようにすることが好ましい。
図5A〜図5Cは、実施の形態1の変形例に係る電解質膜における電解質材料の塗工工程の模式図である。実施の形態1では、図4A〜図4Cに示すようにPET基材711上の不織布516に、電解質溶液712を塗工し乾燥させることで電解質膜410を得た。しかし、図5Aに示すように予めPET基材711上に電解質溶液712を塗工しておき、図5Bに示すように電解質溶液712の溶媒が乾燥する前に、融着部510を設けた不織布516を乗せて、電解質溶液712中に沈みこませても良い。塗工した電解質溶液に融着部510を具備した不織布516を沈み込ませて、電解質膜410を得る場合、融着部510を具備した不織布516は完全に電解質溶液712中に沈みこんでいる状況が望ましい。以上のようにして、図5Cに示すような電解質膜410が製造される。
電解質溶液712から融着部510を具備した不織布516がはみ出た場合、電解質膜410からはみ出た部分の不織布516により電解質膜410表面に凹凸が形成される。この凹凸部に燃料電池の発電時に生じた生成水が溜まると、溜まった生成水により電子やガスの移動を阻害してしまい、発電特性を低下させるおそれがある。そのため、不織布516は電解質膜410からはみ出ないようにすることが好ましい。
(製造方法の変形例2)
図6A〜図6Dは、実施の形態1の変形例に係る電解質膜における、電解質材料の塗工工程の模式図である。まず図6Aに示すように予めPET基材711に電解質溶液712を塗工しておく。その後、図6Bに示すように塗工した電解質溶液712が乾燥した後に、融着部510を設けた不織布516を電解質材料(712)上に乗せる。さらに図6Cに示すように、不織布516の上から電解質溶液712を塗工して電解質膜410としても良い。これにより、図6Dに示すように、不織布516の両側に確実に電解質のみの層713を形成することができる。その結果、電解質膜410の両側に形成される触媒層127及び128からのプロトン輸送が起こりやすく、発電特性の向上につながる。
図6A〜図6Dは、実施の形態1の変形例に係る電解質膜における、電解質材料の塗工工程の模式図である。まず図6Aに示すように予めPET基材711に電解質溶液712を塗工しておく。その後、図6Bに示すように塗工した電解質溶液712が乾燥した後に、融着部510を設けた不織布516を電解質材料(712)上に乗せる。さらに図6Cに示すように、不織布516の上から電解質溶液712を塗工して電解質膜410としても良い。これにより、図6Dに示すように、不織布516の両側に確実に電解質のみの層713を形成することができる。その結果、電解質膜410の両側に形成される触媒層127及び128からのプロトン輸送が起こりやすく、発電特性の向上につながる。
図7は、レーザ光621を用いた不織布516の融着方法の模式図である。レーザ発振器622から発振されたレーザ光621を集光光学系623を用いて不織布516上に集光し、駆動走査系(図示せず)を用いてレーザ光621を走査することで所定の融着部510のパターンを形成することができる。図7では、レーザ光621を走査することで融着部510のパターンを形成している。しかし、ワーク側(不織布516)を走査しても良く、レーザ光621の固定が可能であるため、高精度に調整された光学素子の位置精度を長期に維持することができる。
また、ガルバノミラー(図示せず)とfθレンズ(図示せず)を組み合わせた光学系を用いても良く、駆動走査系を用いる必要がないため機構を小型化できると共に、融着部510形成の生産性を向上することが可能となる。また、レーザ光をDOEなどの回折格子(図示せず)を介してレーザ光を分割し、分割された複数のレーザ光線を一括して不織布516に照射することで、融着部510のパターンを一括で形成することが可能となり、融着部510形成の生産性を向上することができる。
また、ガルバノミラー(図示せず)とfθレンズ(図示せず)を組み合わせた光学系を用いても良く、駆動走査系を用いる必要がないため機構を小型化できると共に、融着部510形成の生産性を向上することが可能となる。また、レーザ光をDOEなどの回折格子(図示せず)を介してレーザ光を分割し、分割された複数のレーザ光線を一括して不織布516に照射することで、融着部510のパターンを一括で形成することが可能となり、融着部510形成の生産性を向上することができる。
レーザ光621は連続発振のレーザ光621でもパルス発振のレーザ光621でもよい。レーザ光621の走査またはワーク(不織布516)を走査し、融着部510のパターンを設ける場合には、連続発振のレーザ光621を用いることが望ましい。パルス発振のレーザ光621を用いた場合、レーザ光621は断続的に発振されるため、レーザ光621の走査またはワーク(不織布516)の走査速度が充分速い場合、パルス発振されたレーザ光621が照射された領域のみ融着し断続的な融着部を形成されてしまう。
不織布516の融着はレーザ光621を不織布516に吸収させ、不織布516自体を加熱するため、赤外領域の波長を持つレーザ光621が望ましく、さらに半導体レーザや二酸化炭素レーザなどの近赤外領域の波長を持つレーザ光621がより望ましい。
不織布516の融着はレーザ光621を不織布516に吸収させ、不織布516自体を加熱するため、赤外領域の波長を持つレーザ光621が望ましく、さらに半導体レーザや二酸化炭素レーザなどの近赤外領域の波長を持つレーザ光621がより望ましい。
図8は、有機溶媒633を用いた不織布516の融着方法の模式図である。有機溶媒633を融着部511に供給し、不織布516の溶媒への溶融により、融着部511を形成することができる。有機溶媒633の融着部511への供給には、シリンジ631に有機溶媒633を充填し、先端に取り付けたノズル632から押し出すことで微量な有機溶媒633の供給を行えばよい。
実施の形態1では、有機溶媒633の押し出しにはエアパルス方式のディスペンサ(図示せず)を用いればよい。融着部510のパターンを形成するために、シリンジ及びノズルの走査または、ワーク側(不織布)を走査させると良い。
不織布516の溶融のためには、エレクトロスピニングの際の溶液化に用いた有機溶媒633を用いればよいが、その他の不織布516を溶融させうる溶媒を用いても良い。
実施の形態1では、有機溶媒633の押し出しにはエアパルス方式のディスペンサ(図示せず)を用いればよい。融着部510のパターンを形成するために、シリンジ及びノズルの走査または、ワーク側(不織布)を走査させると良い。
不織布516の溶融のためには、エレクトロスピニングの際の溶液化に用いた有機溶媒633を用いればよいが、その他の不織布516を溶融させうる溶媒を用いても良い。
本発明は上述の実施の形態1に限定されるものではなく、実施の形態1に変形を加えた、その他の態様も考えられ得る。以下に実施の形態1の変形例として、実施の形態2〜4について、実施の形態1との相異点を中心に説明する。
(実施の形態2)
図9は実施の形態2に係る固体高分子型燃料電池を構成する格子状の融着部を備える単電池モジュール170Aの一部切り欠き上面図である。図9に示すように、実施の形態2では、電解質膜410A内に包含される不織布の融着部513が、発電領域422に相当する領域部において、格子状に配置されている。
図9は実施の形態2に係る固体高分子型燃料電池を構成する格子状の融着部を備える単電池モジュール170Aの一部切り欠き上面図である。図9に示すように、実施の形態2では、電解質膜410A内に包含される不織布の融着部513が、発電領域422に相当する領域部において、格子状に配置されている。
格子状の融着部513の線幅は、約0.1mm以上とすることが好ましい。隣接する繊維同士を融着させるためである。なお、ここでは融着部513の線幅は1mmとした。
また格子状の融着部513の間隔W2は、10mm〜20mmとすることが好ましい。発電特性と膜厚方向の膨潤を防止する観点からである。即ち格子状の融着部513間隔が広すぎる場合、格子状の融着部513の間で電解質材料が膨潤し、膜厚が変化するからである。
実施の形態2では、電解質膜410Aの厚みを20〜30μmとし、格子状の融着部513の間隔を20mmとすることが好ましい。但し、電解質膜410Aが薄い場合は、膜厚方向に対する寸法変化量が小さいため、融着部513の間隔を大きくしてもよい。発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積が小さくなることで、プロトン伝導が良好となることで、燃料電池の発電効率が向上するからである。
また格子状の融着部513の間隔W2は、10mm〜20mmとすることが好ましい。発電特性と膜厚方向の膨潤を防止する観点からである。即ち格子状の融着部513間隔が広すぎる場合、格子状の融着部513の間で電解質材料が膨潤し、膜厚が変化するからである。
実施の形態2では、電解質膜410Aの厚みを20〜30μmとし、格子状の融着部513の間隔を20mmとすることが好ましい。但し、電解質膜410Aが薄い場合は、膜厚方向に対する寸法変化量が小さいため、融着部513の間隔を大きくしてもよい。発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積が小さくなることで、プロトン伝導が良好となることで、燃料電池の発電効率が向上するからである。
また、引張強度の大きい不織繊維からなる不織布を用いた場合、融着部513の間隔を大きくしてもよい。融着部513の間隔が大きい場合、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積が小さくなるため、プロトン伝導への影響が小さくなる点で好ましい。
発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積の割合は、上述の線幅及び融着部513間隔より0.5〜10%が好ましい。なお、実施の形態2では、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積の割合は5%程度であった。
発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積の割合は、上述の線幅及び融着部513間隔より0.5〜10%が好ましい。なお、実施の形態2では、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部513の総面積の割合は5%程度であった。
(実施の形態3)
図10は実施の形態3に係る固体高分子型燃料電池を構成する点状の融着部を備える単電池モジュール170Bの一部切り欠き上面図である。図10に示すように、実施の形態3では、電解質膜410B内に包含される不織布の融着部514が、発電領域422に相当する領域部に点状に配置されている。
図10は実施の形態3に係る固体高分子型燃料電池を構成する点状の融着部を備える単電池モジュール170Bの一部切り欠き上面図である。図10に示すように、実施の形態3では、電解質膜410B内に包含される不織布の融着部514が、発電領域422に相当する領域部に点状に配置されている。
点状の融着部514の直径は、約0.1mm以上とすることが好ましい。隣接する繊維同士を融着させるためである。なお、ここでは融着部514の直径は1mmとした。
点状の融着部514の間隔W2は10mm〜20mmが好ましい。ここでは、点状の融着部514の間隔を20mmとした。点状の融着部514の間隔が広すぎる場合、点状の融着部514の間で電解質材料が膨潤し、膜厚が変化するからである。
実施の形態3では、電解質膜410Bの厚みが20〜30μmとし、点状の融着部514の間隔を20mmとすることが好ましい。但し、電解質膜410Bが薄い場合は、膜厚方向に対する寸法変化量が小さいため、融着部514の間隔を大きくしてもよい。また、融着部514の間隔が大きい場合には、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部の総面積が小さくなるため、プロトン伝導への影響が小さくなる点で好ましい。
点状の融着部514の間隔W2は10mm〜20mmが好ましい。ここでは、点状の融着部514の間隔を20mmとした。点状の融着部514の間隔が広すぎる場合、点状の融着部514の間で電解質材料が膨潤し、膜厚が変化するからである。
実施の形態3では、電解質膜410Bの厚みが20〜30μmとし、点状の融着部514の間隔を20mmとすることが好ましい。但し、電解質膜410Bが薄い場合は、膜厚方向に対する寸法変化量が小さいため、融着部514の間隔を大きくしてもよい。また、融着部514の間隔が大きい場合には、発電領域422に対応する部分の全面積に対する融着部の総面積が小さくなるため、プロトン伝導への影響が小さくなる点で好ましい。
(実施の形態4)
図11は実施の形態4に係る固体高分子型燃料電池を構成する流路に沿って融着部を備える単電池モジュール170Cの一部切り欠き上面図である。図11に示すように、実施の形態4では、電解質膜410C内に包含される不織布の融着部410Cが、発電領域422に相当する領域部において、図1のセパレータ141,142に備えられた燃料ガス流路147,148に沿って配置されている。
実施の形態4では、融着部515は、燃料ガス流路147,148に沿って配置されていれば線状でも点状であってもよい。ここでは融着部515の線幅、又は、点の直径を約1mmとした。実施の形態4では、繊維間隔が0.1〜100μm程度の分布を持つため、隣接する2本以上の繊維同士を融着させるため、流路に沿った融着部515の線幅または点の直径は0.1mm以上が望ましい。
図11は実施の形態4に係る固体高分子型燃料電池を構成する流路に沿って融着部を備える単電池モジュール170Cの一部切り欠き上面図である。図11に示すように、実施の形態4では、電解質膜410C内に包含される不織布の融着部410Cが、発電領域422に相当する領域部において、図1のセパレータ141,142に備えられた燃料ガス流路147,148に沿って配置されている。
実施の形態4では、融着部515は、燃料ガス流路147,148に沿って配置されていれば線状でも点状であってもよい。ここでは融着部515の線幅、又は、点の直径を約1mmとした。実施の形態4では、繊維間隔が0.1〜100μm程度の分布を持つため、隣接する2本以上の繊維同士を融着させるため、流路に沿った融着部515の線幅または点の直径は0.1mm以上が望ましい。
〔実施例1〕
[不織布(不織繊維)材料の作製]
ペレット状のPVDF(アルケマ社製 分子量275000)20gに対して、DMAcを80g混合し、自公転ミキサーで撹拌して、PVDFをDMACに溶融させた。
[不織布(不織繊維)材料の作製]
ペレット状のPVDF(アルケマ社製 分子量275000)20gに対して、DMAcを80g混合し、自公転ミキサーで撹拌して、PVDFをDMACに溶融させた。
[不織布化]
エレクトロスピニング法に用いる不織繊維製造装置(パナソニックファクトリーソリューションズ社製)を用意した。容量10mLのディスポーザブルシリンジの先端に24G(内径0.31mm、外径0.57mm、針長15mm)のステンレス製のノズルを装着した。
コレクタからノズルまでの距離を120mm、コレクタとノズル間の印加電圧を20kV、送液圧力を30kPaとして、不織布を作製した。コレクタ上に生成した不織布の繊維径は400nm〜1100nmの分布を持っており、平均繊維径は700nmであった。不織布の単位体積当りの隙間の割合は90%程度であった。
生産性向上のために、10mLのディスポーザブルシリンジを5本並べた。5本のノズルは15mmで直線状に配置した。ノズルは5mm/sの速度で走査し、所定の起動において複数回走査することで、均一な膜厚の不織布を得た。□300mmの大きさの不織布を作製した。単位面積当たりの質量は1.28mg/cm2、不織布厚みは25μmとした。
エレクトロスピニング法に用いる不織繊維製造装置(パナソニックファクトリーソリューションズ社製)を用意した。容量10mLのディスポーザブルシリンジの先端に24G(内径0.31mm、外径0.57mm、針長15mm)のステンレス製のノズルを装着した。
コレクタからノズルまでの距離を120mm、コレクタとノズル間の印加電圧を20kV、送液圧力を30kPaとして、不織布を作製した。コレクタ上に生成した不織布の繊維径は400nm〜1100nmの分布を持っており、平均繊維径は700nmであった。不織布の単位体積当りの隙間の割合は90%程度であった。
生産性向上のために、10mLのディスポーザブルシリンジを5本並べた。5本のノズルは15mmで直線状に配置した。ノズルは5mm/sの速度で走査し、所定の起動において複数回走査することで、均一な膜厚の不織布を得た。□300mmの大きさの不織布を作製した。単位面積当たりの質量は1.28mg/cm2、不織布厚みは25μmとした。
[融着部の作製]
アルミニウム製の融着治具を用いた。直線状の突起部を具備した溶着治具を上下面用に1セット準備した。融着治具は□300mm程度とし、上下面用の治具の間に不織布を挟み込み、熱プレス機で熱と圧力を印加した。130℃で1MPa程度の圧力を2分間印加することで、不織布に直線状の融着部を形成した。
アルミニウム製の融着治具を用いた。直線状の突起部を具備した溶着治具を上下面用に1セット準備した。融着治具は□300mm程度とし、上下面用の治具の間に不織布を挟み込み、熱プレス機で熱と圧力を印加した。130℃で1MPa程度の圧力を2分間印加することで、不織布に直線状の融着部を形成した。
[電解質膜形成方法]
電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液を融着部を具備した不織布に含浸させた。含浸させた後に、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を含浸させた。乾燥・焼成は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、融着部を具備した不織布を補強層とする電解質膜を得た。
電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液を融着部を具備した不織布に含浸させた。含浸させた後に、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を含浸させた。乾燥・焼成は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、融着部を具備した不織布を補強層とする電解質膜を得た。
[乾湿寸法変化率測定]
電解質膜を30mm角に切り出し、温度25℃、湿度50%の雰囲気に16時間放置し、サンプルの縦と横の長さを測定し、初期寸法とした。次に、80℃のイオン交換水にサンプルを1時間浸漬した後に、サンプルの縦と横の長さを測定した。得られた値を初期寸法で割った値を、乾湿寸法変化率とした。得られた結果を表1に示す。
電解質膜を30mm角に切り出し、温度25℃、湿度50%の雰囲気に16時間放置し、サンプルの縦と横の長さを測定し、初期寸法とした。次に、80℃のイオン交換水にサンプルを1時間浸漬した後に、サンプルの縦と横の長さを測定した。得られた値を初期寸法で割った値を、乾湿寸法変化率とした。得られた結果を表1に示す。
〔比較例1〕
補強層としての不織布を用いず、電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液をPET基材上に塗工し、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を塗工した。乾燥・熱処理は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、電解質膜を得た。実施例1と同様に、乾湿寸法変化測定を行った。得られた結果を表1に示す。
補強層としての不織布を用いず、電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液をPET基材上に塗工し、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を塗工した。乾燥・熱処理は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、電解質膜を得た。実施例1と同様に、乾湿寸法変化測定を行った。得られた結果を表1に示す。
〔比較例2〕
電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液を不織布に含浸させた。含浸させた後に、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を含浸させる。乾燥・焼成は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、不織布を補強層する電解質膜を得た。実施例1と同様に、乾湿寸法変化測定を行った。得られた結果を表1に示す。
比較例1に対して、比較例2は平面方向の寸法変化率が118.30%から102.57%となった。補強層として不織布が全面に配されているため、平面方向の寸法変化を抑制していると考えられる。一方、膜厚方向の寸法変化率が141.80%から167.76%となった。膜厚方向に対しては、不織布が層状に積み重なって電解質膜内に配されているため、電解質の含水による膨潤により層間が広がることで、膜厚方向の寸法が増加したと考えられる。
電解質溶液として、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液((デュポン社製、ナフィオン(登録商標)溶液、SE−20092)を用いた。バーコーターを用いて、電解質溶液を不織布に含浸させた。含浸させた後に、乾燥・焼成を行った際に30μmの膜厚となるように、適切な容量の電解質溶液を含浸させる。乾燥・焼成は120℃で1時間とした。乾燥・焼成後にPET基材を剥離し、不織布を補強層する電解質膜を得た。実施例1と同様に、乾湿寸法変化測定を行った。得られた結果を表1に示す。
比較例1に対して、比較例2は平面方向の寸法変化率が118.30%から102.57%となった。補強層として不織布が全面に配されているため、平面方向の寸法変化を抑制していると考えられる。一方、膜厚方向の寸法変化率が141.80%から167.76%となった。膜厚方向に対しては、不織布が層状に積み重なって電解質膜内に配されているため、電解質の含水による膨潤により層間が広がることで、膜厚方向の寸法が増加したと考えられる。
比較例2に対して、実施例1は平面方向の寸法変化率が102.57%から102.14%となり、ほぼ同等であった。溶着箇所を設けた不織布であっても、溶着箇所を設けた不織布が電解質膜全面に配されているため、同等の寸法変化になったと考えられる。一方、膜厚方向の寸法変化率は167.76%から122.21%となった。層状に積み重なった不織布に融着部を設けることで、電解質の含水による膨潤により層間の広がりを抑制し、膜厚方向の寸法が低減したと考えられる。
本出願は、同出願人により先にされた日本国特許出願、すなわち、特願2011−173510号(出願日2011年8月9日)に基づく優先権主張を伴うものであって、これらの明細書の内容を参照して本発明の一部としてここに組み込むものとする。
本出願は、同出願人により先にされた日本国特許出願、すなわち、特願2011−173510号(出願日2011年8月9日)に基づく優先権主張を伴うものであって、これらの明細書の内容を参照して本発明の一部としてここに組み込むものとする。
本発明によれば、補強に用いられる不織布を効率よく生産することができ、厚みが薄くても機械的強度が高く、含水時の寸法安定性に優れ、抵抗の低い電解質膜を得ることができる。そしてこの電解質膜を用いて得られた膜電極接合体は、電気特性が高く高耐久性能を有する固体高分子型燃料電池が得られ、家庭用コージェネシステム・車載用燃料電池システムや移動体通信の基地局用電源などに適用できる。
127,128 電極層
133、134 ガス拡散層
141,142 セパレータ
145,146 溝
147,148 ガス流路
153、154 ガスケット
160 枠体
161 燃料ガス入り口
162 燃料ガス出口
170 単電池モジュール(単体セル)
410 電解質膜
422 発電領域
423 膜固定部
511 融着部
516 不織布
133、134 ガス拡散層
141,142 セパレータ
145,146 溝
147,148 ガス流路
153、154 ガスケット
160 枠体
161 燃料ガス入り口
162 燃料ガス出口
170 単電池モジュール(単体セル)
410 電解質膜
422 発電領域
423 膜固定部
511 融着部
516 不織布
Claims (17)
- 電解質膜と、
前記電解質膜の両面に配置された電極層と、
前記電極層を挟むように配置されたガス流路を内面に備える一対のセパレータと、を有する単電池モジュールを複数個積層した固体高分子型燃料電池であって、
前記電解質膜は、電解質材料と、前記電解質材料に内包された不織布と、を備え、前記不織布は、前記固体高分子型燃料電池の発電領域に直線状または点状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された、前記不織布の膜厚よりも薄膜の融着部を複数備え、
前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池。 - 前記融着部は、前記セパレータの前記ガス流路に対応する部分に設けられている、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記不織布の融着領域は、前記不織布の発電領域に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下である、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記融着部は、等間隔に形成されている、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記融着部は、格子状に形成されている、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 電解質材料により形成された電解質膜と、
前記電解質膜に内包された不織布と、を備える固体高分子型燃料電池用電解質膜であって、
前記不織布は、直線状または点状に設けられ、かつ、2本以上の不織繊維が互いに融着された、前記不織布の膜厚よりも薄膜の融着部を複数有し、
前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜。 - 前記融着部は、固体高分子型燃料電池のセパレータのガス流路部分に対応するように設けられている、請求項6に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記不織布の融着部は、前記不織布の発電領域に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下である、請求項6に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記融着部は、等間隔に形成されている、請求項6に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 前記融着部は、格子状に形成されている、請求項6に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜。
- 不織布を準備する工程と、
前記不織布の固体高分子型燃料電池の発電領域に、直線状または点状に、2本以上の不織繊維を互いに融着させて前記不織布の膜厚よりも薄膜の複数の融着部を形成する工程と、
前記融着部が形成された前記不織布に、電解質材料を含浸させて、電解質膜を形成する工程と、を有し、
前記融着部の配置間隔が10mm以上20mm以下である、固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。 - 前記複数の融着部を形成する工程において、セパレータのガス流路に対応する部分に前記融着部を形成する、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記不織布の融着領域は、前記不織布の発電領域に対応する部分の全面積に対して0.5%以上10%以下である、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記融着部は、等間隔に形成されている、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記融着部は、格子状に形成されている、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記複数の融着部を形成する工程において、前記融着は、熱圧着またはレーザ光線の照射により行われる、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記複数の融着部を形成する工程において、前記融着は、有機溶媒により前記不織布を溶融することにより、または前記不織布材料が溶けた溶液を融着部に供給することにより行われる、請求項11に記載の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法。
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