JP2010238574A - 複合膜および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】単セルが平面状に配列された燃料電池の形状安定性を向上させて発電性能を向上させつつ、安価に製造することができる技術を提供する。
【解決手段】実施の形態に係る燃料電池に用いられる基材は、繊維状の導電部材30と繊維状の絶縁部材32とが交差して織り込まれることにより形成されている。導電部材30と絶縁部材32とが交差する部分で両者が溶着されている。また、繊維状の導電部材30に交差するように繊維状の電解質保持部材34が織り込まれている。導電部材30と電解質保持部材34とが交差する部分で両者が溶着されている。電解質保持部材34は電解質膜22の中に埋め込まれている。隣接する導電部材30の間に長方形の膜電極接合体20が形成されており、重畳領域Rにおいて、導電部材30によって隣接する膜電極接合体20が直列に接続されている。
【選択図】図3
【解決手段】実施の形態に係る燃料電池に用いられる基材は、繊維状の導電部材30と繊維状の絶縁部材32とが交差して織り込まれることにより形成されている。導電部材30と絶縁部材32とが交差する部分で両者が溶着されている。また、繊維状の導電部材30に交差するように繊維状の電解質保持部材34が織り込まれている。導電部材30と電解質保持部材34とが交差する部分で両者が溶着されている。電解質保持部材34は電解質膜22の中に埋め込まれている。隣接する導電部材30の間に長方形の膜電極接合体20が形成されており、重畳領域Rにおいて、導電部材30によって隣接する膜電極接合体20が直列に接続されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、燃料電池に関する。より具体的には、本発明は、単セルが平面状に配列された燃料電池に関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書、電子書籍)などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。さらに、平面配列型の燃料電池の例として、導電繊維と絶縁繊維を編み込んだ織物状の基材を用いた構造が知られている(特許文献2)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
従来、平面状に複数の単セルを直列に接続する構造を有する燃料電池では、単セル間を絶縁する基材に隣接する単セル間を直列に接続する導電部を形成するのが困難であり、大量生産の障害となっていた。
特許文献1では、導電繊維と絶縁繊維を編み込んだ織物状の基材を用いられているが、投影面積あたりの発電に寄与しない繊維部分の比率が大きいため、十分な発電性能が得られていない。投影面積あたりの発電に寄与しない繊維部分の比率を下げるためには、電解質膜を保持可能な範囲内で基材を構成する導電繊維の間隔や絶縁繊維の間隔を広げる必要がある。また、セル性能のばらつきを小さくし、安定した発電特性を得るためには、カソードおよびアノードを発電有効部分に精度よく形成する必要がある。このため、基材の形状や寸法の維持性を高めることが不可欠となっている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、単セルが平面状に配列された燃料電池の形状安定性を向上させて発電性能を向上させつつ、安価に製造することができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、複合膜である。当該複合膜は、互いに離間して併設された複数の繊維状の導電部材と、複数の導電部材と交差して織り込まれ、互いに離間して併設された複数の繊維状の絶縁部材とを有する基材と、隣接する導電部材の間に形成された開口部を埋めるように基材に設けられた電解質膜と、電解質膜の一方の面に互いに離間して形成されている複数のカソード触媒層と、カソード触媒層に電解質膜の他方の面に互いに離間して形成され、隣接するカソード触媒層とそれぞれ対応して形成されている複数のアノード触媒層と、を備え、基材を平面視したときに、隣接するカソード触媒層のうち一方のカソード触媒層の一部と、他方のカソード触媒に対応して形成されたアノード触媒層の一部とが重畳する重畳領域を有し、導電部材が重畳領域に設けられ、導電部材によって重畳領域のカソード触媒層と、当該カソード触媒層に隣接して設けられたカソード触媒層に対応して形成されたアノード触媒層とが電気的に接続されていることを特徴とする。
この態様の複合膜によれば、十分な発電有効面積を確保しつつ、基材の形状安定性を高めることができる。基材を構成する導電部材がインターコネクタとして機能するため、導電部材および絶縁部材を織り込むだけでインターコネクタを改めて作製する必要がない。このため、基材ひいては燃料電池を安価に大量生産することができる。
上記態様の複合膜において、導電部材と絶縁部材とが交差する部分において、導電部材と絶縁部材とが溶着されていてもよい。また、複数の導電部材と交差して織り込まれ、互いに離間して併設された複数の繊維状の電解質保持部材をさらに備え、電解質膜の中に電解質保持部材が埋め込まれていてもよい。この場合に、導電部材と電解質保持部材とが交差する部分において、導電部材と電解質保持部材とが溶着されていてもよい。また、各導電部材に沿って繊維状の溶着部材が設けられており、溶着部材を介して導電部材と絶縁部材とが溶着されていてもよい。
また、カソード触媒層およびアノード触媒層が長方形であり、隣接するカソード触媒層の一方のカソード触媒層の長辺に沿った領域と、当該カソード触媒層に隣接して設けられたカソード触媒層に対応して形成されたアノード触媒層の長辺に沿った領域とが導電部材により電気的に接続されていてもよい。導電部材の繊維方向に沿った方向の基材の開口部の幅は、絶縁部材の径以上であってもよい。
本発明の他の態様は燃料電池である。当該燃料電池は、上述したいずれかの態様の複合膜を有することを特徴とする。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、単セルが平面状に配列された燃料電池の形状安定性を向上させて発電性能を向上しつつ、安価に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る燃料電池10の構成を示す分解斜視図である。燃料電池10は、複合膜12、カソード用ハウジング70およびアノード用ハウジング72を備える。
図1は、実施の形態1に係る燃料電池10の構成を示す分解斜視図である。燃料電池10は、複合膜12、カソード用ハウジング70およびアノード用ハウジング72を備える。
カソード用ハウジング70およびアノード用ハウジング72は、燃料電池10の筐体を構成している。カソード用ハウジング70は、後述する膜電極接合体20のカソード側に設けられている。カソード用ハウジング70には、外部から空気を取り込むための空気取入口71が設けられている。カソード用ハウジング70と膜電極接合体20のカソード面との間に、空気が流通する空気室が形成されている。一方、アノード用ハウジング72は、膜電極接合体20のアノード側に設けられている。アノード用ハウジング72と膜電極接合体20のアノード面との間に、燃料貯蔵用の燃料ガス室が形成されている。なお、アノード用ハウジング72に燃料供給口(図示せず)を設置することにより、燃料カートリッジなどから燃料を適宜補充可能である。
カソード用ハウジング70およびアノード用ハウジング72に用いられる材料としては、フェノール樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂等の一般的なプラスティック樹脂が挙げられる。
複合膜12は、基材14、複数の膜電極接合体20および補強部材60を含む。
基材14および膜電極接合体20の詳細については後述する。基材14の周囲には、シート状の補強部材60が設けられている。補強部材60を設置することにより、基材14の形状安定性が高められている。補強部材60としては、剛性が高く、電気的絶縁性を有する材料が好ましく、たとえば、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのシート材、またはこれらのシート材を組み合わせた多層ラミネートシートが挙げられる。補強部材60の表面には、配線62、64が形成されている。配線62は直列接続された膜電極接合体20のカソードに接続され、配線64は直列接続された膜電極接合体20のアノードに接続されている。
図2は、複合膜12を構成する基材14の構成を示す要部平面図である。図3(A)は、図2のA−A’線に沿った断面図である。図3(B)は、図2のB−B’線に沿った断面図である。図3(C)は図2のC−C’線に沿った断面図である。図3(D)は図2のD−D’線に沿った断面図である。また、図4(A)は図2のE−E’線に沿った断面図である。図4(B)は図2のF−F’線に沿った断面図である。図4(C)は図2のG−G’線に沿った断面図である。
なお、図2では、電解質膜が省略され、カソード触媒層24の一部が基材14に重ね合わせて図示されている。
基材14は、導電部材30、絶縁部材32および電解質保持部材34を含む。膜電極接合体20は、電解質膜22、カソード触媒層24、アノード触媒層26を含む。
本実施の形態では、複数の導電部材30が所定の間隔で互いに離間して併設されている。複数の導電部材30は互いに平行な位置関係にあることがより好ましい。各導電部材30は、繊維状の導体によって形成されている。導電部材30としては、カーボン繊維などのカーボン材料や、金線などの金属材料が挙げられる。なお、本実施の形態では、導電部材30として導電性の単繊維(単線)が例示されているが、導電部材30は複数の導電性の単繊維を束にした繊維束であってもよい。導電部材30が単繊維の場合の繊維径は、たとえば、500μmである。
また、本実施の形態では、複数の絶縁部材32が所定の間隔で互いに離間し、かつ導電部材30と交差する位置関係で併設されている。複数の絶縁部材32は互いに平行な位置関係にあることがより好ましい。また、絶縁部材32は導電部材30と直交する位置関係にあることがより好ましい。各絶縁部材32は、繊維状の絶縁体によって形成されている。絶縁部材32は、絶縁性を有する材料が繊維状になっていれば特に限定されないが、合成繊維が好適である。特に、絶縁部材32として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これにより、絶縁部材32と導電部材30との交差部分において絶縁部材32と導電部材30とを熱溶着することが可能となり、絶縁部材32および導電部材30の形状安定性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、絶縁部材32として絶縁性の単繊維が例示されているが、絶縁部材32は複数の絶縁性の単繊維を束にした繊維束であってもよい。絶縁部材32が単繊維の場合の繊維径は、たとえば、200μmである。
図2乃至図4に示すように、導電部材30と絶縁部材32とは、交互に編み込まれている。これにより、各導電部材30は波状にうねっている。より詳しくは、図2の平面視で、導電部材30と絶縁部材32との交差部分において、導電部材30が絶縁部材32の上になる部分と、導電部材30が絶縁部材32の下になる部分とが交互に存在している(図3(C)、図3(D)参照)。このように、絶縁部材32は、主に、導電部材30を波状にうねらせるとともに、導電部材30の配置を維持する骨格としての機能を担っている。
さらに、本実施の形態では、複数の電解質保持部材34が設けられている。電解質保持部材34は、隣接する絶縁部材32の間に絶縁部材32と並行して設けられている。また、各電解質保持部材34は、導電部材30と交差しており、電解質保持部材34と導電部材30とは、交互に編み込まれている。複数の電解質保持部材34は互いに平行な位置関係にあることがより好ましい。また、電解質保持部材34は導電部材30と直交する位置関係にあることがより好ましい。本実施の形態では、隣接する絶縁部材32の間に2本の絶縁部材32が設置されているが、隣接する絶縁部材32の間に設けられる絶縁部材32の本数は2本に限定されない。
各電解質保持部材34は、繊維状の絶縁体によって形成されている。電解質保持部材34は、絶縁性を有する材料が繊維状になっていれば特に限定されないが、合成繊維が好適である。特に、絶縁部材32として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これにより、電解質保持部材34と導電部材30との交差部分において電解質保持部材34と導電部材30とを熱溶着することが可能となり、電解質保持部材34および導電部材30の形状安定性を高めることができる。
なお、絶縁部材32および電解質保持部材34は、芯部分がたとえばPPで形成され、外周部分がPEで形成された二重構造の繊維であってもよい。これによれば、絶縁部材32および電解質保持部材34が自己溶着性を有するため、絶縁部材32と導電部材30との交差部分の溶着性、または電解質保持部材34と導電部材30との交差部分の溶着性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、電解質保持部材34として絶縁性の単繊維が例示されているが、電解質保持部材34は複数の絶縁性の単繊維を束にした繊維束であってもよい。電解質保持部材34の径は、絶縁部材32の径より細くなっており、電解質保持部材34が単繊維の場合の繊維径は、たとえば、20μmである。電解質保持部材34は、電解質膜22の中に埋め込まれており、電解質膜22を保持する機能を担う。このため、電解質保持部材34の径は、電解質膜22の厚さより小さいことが望ましい。電解質保持部材34を電解質膜22に埋め込むことにより、電解質保持部材34の周りの電解質膜22にプロトンが迂回することができるため、電解質保持部材34によって発電に有効な領域が無駄になることが抑制される。
上述した導電部材30、絶縁部材32および電解質保持部材34が編み込まれることにより基材14が構成されている。絶縁部材32および電解質保持部材34のうち、少なくとも一方を熱可塑性樹脂で形成し、基材14を形成した後、絶縁部材32と導電部材30との交点部分、または/および電解質保持部材34と導電部材30との交点部分を熱溶着することにより、基材14の目崩れを抑制することができる。
導電部材30の繊維方向に沿った方向の基材14の開口部の幅は、絶縁部材32の径(幅)より大きいことが好ましい。これによれば、基材14における開口部の比率を高めることができ、ひいては発電に有効な領域の面積比率を増大させることができる。絶縁部材32同士の間隔は、電解質膜22を形成可能な範囲でより広いことが望ましく、たとえば、0.5〜1.5μmである。これによれば、電解質溶液の表面張力により開口部に電解質膜22を成膜可能であり、かつ、基材14における開口部の比率をより高めることができる。このような構成を採用することにより、本実施の形態では、基材14の投影面積全体に対して開口部の総面積が占める比率が50%以上に高められている。これにより、発電に有効な領域の面積が増大するため、燃料電池10の出力向上を図ることができる。
電解質膜22は、基材14の全面に形成されている。より詳しくは、電解質膜22により、基材14の開口部分が埋められている。電解質保持部材34は電解質膜22の中央部分に埋め込まれている。これにより、電解質膜22の形状安定性が高められている。
電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、カソード触媒層24とアノード触媒層26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。電解質膜22の厚さは、たとえば10〜200μmである。
電解質膜22は、ナフィオン溶液などの電解質溶液に、上述した導電部材30、絶縁部材32および電解質保持部材34が編み込まれた基材14を浸漬した後、乾燥処理を施すことにより形成することができる。このとき、基材14に電解質保持部材34が編み込まれていることにより、電解質保持部材34を基点として電解質溶液を表面張力により保持する効果が得られる。
カソード触媒層24は、電解質膜22の一方の面に互いに離間して形成されている。各カソード触媒層24は矩形状(短冊状)であり、隣接するカソード触媒層24では、カソード触媒層24の長辺同士が対向している。カソード触媒層24には、酸化剤として空気が供給される。
アノード触媒層26は、電解質膜22の他方の面に互いに離間して形成され、各アノード触媒層26は上述したカソード触媒層24とそれぞれ対応して設けられている。各アノード触媒層26は矩形状(短冊状)であり、隣接するアノード触媒層26では、アノード触媒層26の長辺同士が対向している。アノード触媒層26には燃料ガスとして水素が供給される。
カソード触媒層24およびアノード触媒層26は、イオン交換樹脂ならびに触媒粒子、場合によって炭素粒子を有する。
カソード触媒層24およびアノード触媒層26が有するイオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜22とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。このイオン交換樹脂は、電解質膜22と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒金属としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。また触媒を担持する場合には炭素粒子として、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどを用いてもよい。なお、カソード触媒層24およびアノード触媒層26の厚さは、それぞれ、たとえば10〜40μmである。
このように、一対のカソード触媒層24とアノード触媒層26との間に電解質膜が22が狭持されることにより単セルが構成され、各単セルは水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
電解質膜22の面方向と垂直な方向において、隣接するアノード触媒層26のうち一方のアノード触媒層26の一部が、他方のアノード触媒層26に対応して形成されたカソード触媒層24の一部と重畳している。以下、隣接するアノード触媒層26のうち一方のアノード触媒層26の一部と、他方のアノード触媒層26に対応して形成されたカソード触媒層24の一部とが重畳している領域を重畳領域Rと呼ぶ。すなわち、膜電極接合体20を構成するアノード触媒層26とカソード触媒層24とが電解質膜22を介して対向する発電有効領域と、重畳領域Rとが存在している。
導電部材30は、上記重畳領域Rに設けられている。より具体的には、導電部材30は上述したように波状になっており、絶縁部材32との交差部分において、導電部材30が電解質膜22のカソード側に露出し、カソード触媒層24と接触する箇所と、電解質膜22のアノード側に露出し、導電部材30がアノード触媒層26と接触する箇所とが存在している。また、本実施の形態では、導電部材30と電解質保持部材34との交差部分において、導電部材30が電解質膜22のカソード側に露出し、カソード触媒層24と接触する箇所と、導電部材30が電解質膜22のアノード側に露出し、アノード触媒層26と接触する箇所とが存在している。当該構成により、隣接する膜電極接合体20に関して、一方の膜電極接合体20のカソード触媒層24と、他方の膜電極接合体20のアノード触媒層26とが導電部材30により電気的に接続されている。これにより、隣接する膜電極接合体20が直列に接続される。このように、導電部材30は、隣接する単セル同士を直列に接続するための、いわゆるインタコネクタとしての機能を担っている。直列接続されたセルの一方の端部に位置する膜電極接合体20のカソード触媒層24に図1に示した配線62が接続され、直列接続されたセルの他方の端部に位置する膜電極接合体20のアノード触媒層26に図1に示した配線64が接続されることにより、各セルで発電された電力が外部に供給可能になっている。
導電部材30が長方形の発電有効領域の長辺部分に沿って設けられているため、発電有効領域で生じた電子が導電部材30に到達するまでの経路が短くなっている。このため、各膜電極接合体20における抵抗損失が低減されるため、電気化学反応により生じた電子の集電性を高めることができる。
本実施の形態によれば、十分な発電有効面積を確保しつつ、基材14としての形状安定性を高めることができる。基材を構成する導電部材がインターコネクタとして機能するため、導電部材、絶縁部材および電解質保持部材を織り込むだけでインターコネクタを改めて作製する必要がない。このため、基材ひいては燃料電池を安価に大量生産することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る燃料電池の構成は、後述する基材14の構成を除き、実施の形態1と同様である。
実施の形態2に係る燃料電池の構成は、後述する基材14の構成を除き、実施の形態1と同様である。
図5は、実施の形態2の燃料電池に用いられる基材14の構成を示す要部平面図である。図6(A)は図5のA−A’線に沿った断面図である。図6(B)は図5のB−B’線に沿った断面図である。図6(C)は図5のC−C’線に沿った断面図である。図6(D)は図5のD−D’線に沿った断面図である。
本実施の形態の基材14では、導電部材30が導電性の複数の単繊維により構成されている。さらに、各導電部材30に沿って溶着部材36が設けられている。溶着部材36は絶縁性の繊維であり、絶縁部材32と同様な材料により形成される。溶着部材36の繊維径は、たとえば20μmである。溶着部材36を介して導電部材30と絶縁部材32とが溶着されており、導電部材30と絶縁部材32との溶着性が高められている。このため、実施の形態1の基材14と同様な効果が得られることに加えて、基材14の形状安定性をさらに高めることができる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
10 燃料電池、12 複合膜、14 基材、20 膜電極接合体、22 電解質膜、24 カソード触媒層、26 アノード触媒層、30 導電部材、32 絶縁部材、34 電解質保持部材、36 溶着部材、60 補強部材、62 配線、64 配線、70 カソード用ハウジング、72 アノード用ハウジング
Claims (8)
- 互いに離間して併設された複数の繊維状の導電部材と、前記複数の導電部材と交差して織り込まれ、互いに離間して併設された複数の繊維状の絶縁部材とを有する基材と、
隣接する前記導電部材の間に形成された開口部を埋めるように前記基材に設けられた電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に互いに離間して形成されている複数のカソード触媒層と、
前記カソード触媒層に前記電解質膜の他方の面に互いに離間して形成され、隣接するカソード触媒層とそれぞれ対応して形成されている複数のアノード触媒層と、
を備え、
前記基材を平面視したときに、前記隣接するカソード触媒層のうち一方のカソード触媒層の一部と、他方のカソード触媒に対応して形成されたアノード触媒層の一部とが重畳する重畳領域を有し、
前記導電部材が前記重畳領域に設けられ、前記導電部材によって前記重畳領域のカソード触媒層と、当該カソード触媒層に隣接して設けられたカソード触媒層に対応して形成されたアノード触媒層とが電気的に接続されていることを特徴とする複合膜。 - 前記導電部材と前記絶縁部材とが交差する部分において、前記導電部材と前記絶縁部材とが溶着されている請求項1に記載の複合膜。
- 前記複数の導電部材と交差して織り込まれ、互いに離間して併設された複数の繊維状の電解質保持部材をさらに備え、
前記電解質膜の中に前記電解質保持部材が埋め込まれている請求項1または2に記載の複合膜。 - 前記導電部材と前記電解質保持部材とが交差する部分において、前記導電部材と前記電解質保持部材とが溶着されている請求項3に記載の複合膜。
- 各導電部材に沿って繊維状の溶着部材が設けられており、前記溶着部材を介して前記導電部材と前記絶縁部材とが溶着されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合膜。
- 前記カソード触媒層および前記アノード触媒層が長方形であり、隣接するカソード触媒層の一方のカソード触媒層の長辺に沿った領域と、当該カソード触媒層に隣接して設けられたカソード触媒層に対応して形成されたアノード触媒層の長辺に沿った領域とが前記導電部材により電気的に接続されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合膜。
- 前記導電部材の繊維方向に沿った方向の前記基材の開口部の幅は、前記絶縁部材の径以上である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複合膜。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合膜を有する燃料電池。
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JP2009086192A JP2010238574A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 複合膜および燃料電池 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5320522B2 (ja) * | 2011-08-09 | 2013-10-23 | パナソニック株式会社 | 固体高分子型燃料電池用電解質膜およびその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池 |
JP2016516260A (ja) * | 2013-02-26 | 2016-06-02 | ヴィート エンフェー | 電極で使用される電流密度ディストリビュータ |
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- 2009-03-31 JP JP2009086192A patent/JP2010238574A/ja not_active Withdrawn
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