JP2010086682A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクト化を図りつつ、触媒層中の拡散性を損なうことなく、電解質膜と平行方向の抵抗を低くすることのできる燃料電池を提供する。
【解決手段】カソード26a、bは、電解質膜の一方の面に離間した状態で形成されている。各カソード26a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体82a、bが接続されている。また、集電体82a、bが設けられた辺とは反対側の各カソード26a、bの側面には、絶縁体86a、bが設けられている。カソード26a、bの上には、導電層300a、bがそれぞれ成膜されている。導電層300a、bには、それぞれ開口部310a、bが設けられており、開口部310a、bにおいて、それぞれカソード26a、bの一部が露出している。カソード26a、bの面方向と平行方向の導電層300a、bの抵抗率は、カソード26a、bの面方向の抵抗率より小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に関する。より具体的には、本発明は、セルが平面配列された燃料電池に関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書(書籍))などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
固体高分子形燃料電池から外部に電気を取り出すために、触媒層の表面にガス拡散層(GDL)やメッシュ金属などの集電体を設ける構造や、触媒層の周囲に集電体を形成する構造が採用されている。しかし、触媒層の表面にGDL等を設けた構造の場合には、触媒層とGDL等との接触性を高めるために、ねじなどの締結部材を用いてGDL等を触媒層に押しつける必要がある。このため、締結部材が占める部分が燃料電池をコンパクト化する際の障害となっていた。一方、触媒層の周囲に集電体を形成する構造では、締結部材が不要となるため薄型化が可能であるものの、電子は触媒層を電解質膜と平行方向に移動するため移動距離が大きくなり、電圧のロスが大きくなる。
したがって、固体高分子形燃料電池の発電性能をより高めるためには、セル上の電解質膜と平行方向の抵抗を低くすることが必要である。抵抗を低くするために、触媒層の膜厚を増やし、電子の伝導パスの断面積を大きくすることが考えられるが、単純に膜厚を増加させるだけだと触媒層中の拡散性が低下して、フラッディングや燃料欠の原因となる。
特許文献2では、触媒層中のフラッディングを防止するために、触媒層表面に幅0.1〜0.3mmの溝を設けている。しかし、特許文献2に記載の燃料電池では、従来のように触媒層表面にGDLを設け、締付けた状態で使用することを想定している。このため、締付け圧に耐えうる強度と電解質膜と垂直方向の導電性を重視しているため、溝の間隔が1〜5mmと非常に広い。また、特許文献2では溝の作製方法として、触媒層を白金ワイヤで削る、溝に対応するPTFEなどの樹脂シートに作製した触媒層を電解質膜上に転写する、触媒層をインクジェット法で作製する、ということが挙げられている。この場合、以下のような課題が生じる。白金ワイヤで削る場合、溝の断面は半円状になる。また、ワイヤの半径より微細で緻密な溝を作製することはできない。転写法の場合、転写時にプレスをするため、微細な溝は潰れてしまう。触媒層をインクジェット法で作製する場合、触媒層の膜厚が薄くなってしまう。
特開2004−146092号公報 特開2007−141588号公報
上述したように、従来の固体高分子形燃料電池では、コンパクト化、触媒層中の拡散性、電解質膜と平行方向の低抵抗化を両立させることが困難であった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクト化を図りつつ、触媒層中の拡散性を損なうことなく、電解質膜と平行方向の抵抗を低くすることのできる燃料電池の提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に形成された複数のアノード触媒層と、各アノード触媒層の近傍領域において電解質膜の上に形成されたアノード集電体と、電解質膜の他方の面に形成された複数のカソード触媒層と、各カソード触媒層の近傍領域において電解質膜の上に形成されたカソード集電体と、アノード触媒層およびカソード触媒層のうち少なくとも一方の触媒層の電解質膜と反対側の主表面上に触媒層の一部が露出する開口を有するように触媒層に成膜され、かつ、触媒層に対応する、アノード集電体またはカソード集電体と電気的に接続された導電層と、を備えることを特徴とする。
この態様によれば、触媒層の一部が露出するように導電層を触媒層の上に成膜することにより、導電層を触媒層に締結する必要がないため、締結部材を用いることなく燃料電池を構築することができる。これにより、燃料電池のコンパクト化が可能になる。また、触媒層の一部が露出しているため、触媒層の拡散性を損なうことがない。また、電子が導電層を移動することにより、電解質膜と平行方向の抵抗を低減することができる。
また、本発明の他の態様の燃料電池は、少なくとも膜厚方向にプロトン伝導性を有する複数の第1の領域と、第1の領域を互いに電気的に絶縁する第2の領域とを有する複合膜と、複合膜の一方の面の、第1の領域の上にそれぞれ形成されたアノード触媒層と、各アノード触媒層の近傍領域において第2の領域の上に形成されたアノード集電体と、複合膜の他方の面の、第1の領域の上にそれぞれ形成されたカソード触媒層と、各カソード触媒層の近傍領域において第2の領域の上に形成されたカソード集電体と、アノード触媒層およびカソード触媒層のうち少なくとも一方の触媒層の電解質膜と反対側の主表面上に触媒層の一部が露出する開口を有するように触媒層に成膜され、かつ、触媒層に対応する、アノード集電体またはカソード集電体と電気的に接続された導電層と、を備えることを特徴とする。
上述した態様の燃料電池において、導電層の触媒層の面方向と平行方向の抵抗率が、触媒層の面方向の抵抗率よりも小さくてもよい。また、導電層の空隙率が、触媒層の空隙率よりも小さくてもよい。また、開口部は、長手方向が一定方向を向いて並設された複数の矩形領域から構成されていてもよい。また、触媒層が矩形の場合に、矩形領域の長手方向が、触媒層の短手方向を向いていてもよい。また、矩形領域に挟まれた導電層の幅が、触媒層の厚さの2倍より小さくてもよい。
本発明によれば、燃料電池のコンパクト化を図りつつ、触媒層中の拡散性を損なうことなく、電解質膜と平行方向の抵抗を低くすることができる。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る燃料電池10の分解斜視図である。燃料電池10は、膜電極接合体20、水素吸蔵合金タンク30、アノード側筐体40、カソード側筐体42を備える。膜電極接合体20の詳細な構造については後述し、燃料電池10の全体的な概略構造について説明する。
膜電極接合体20の一方の面には、アノード側筐体40が設けられ、アノード側筐体40内に、アノード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のアノード側の面には、アノードカバー50および水素吸蔵合金タンク30が設けられている。
アノードカバー50によって、膜電極接合体20のアノードに面し、水素が充填される空間が形成される。水素吸蔵合金タンク30には、水素を吸蔵可能な水素吸蔵合金(たとえば、希土類系のMm(ミッシュメタル)Ni4.32Mn0.18Al0.1Fe0.1Co0.3)が格納されている。なお、水素吸蔵合金は、希土類系に限られず、たとえばTi−Mn系、Ti−Fe系、Ti−Zr系、Mg−Ni系、Zr−Mn系等であってもよい。
水素吸蔵合金タンク30には、補給用の水素を貯蔵する外部ボンベ(図示せず)に接続可能な燃料補給口32が設けられている。燃料補給口32に外部ボンベを接続することにより、水素吸蔵合金タンク30内の水素吸蔵合金に水素を補充可能である。
水素吸蔵合金タンク30に貯蔵された水素は、レギュレータ(図示せず)を介して膜電極接合体20のアノードに供給される。レギュレータにより、外部ボンベから水素吸蔵合金に水素が補充される際や、水素吸蔵合金から水素が放出される際に、アノードに供給される水素の圧力が低減され、アノードが保護される。
また、アノード側筐体40内には、制御回路70が格納されている。制御回路70は、燃料電池10で発生する電圧を調整し、一定の値を外部に出力するDC−DCコンバータなどの電気回路を含む。
一方、膜電極接合体20の他方の面には、カソード側筐体42が設けられ、カソード側筐体42内に、カソード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のカソード側の面には、パッキン60を介してメッシュ状のカソードフィルタ62が設けられている。カソードフィルタ62により、外部から取り込まれる空気の塵やほこりが除去される。
図2は、膜電極接合体20の構造を示す平面図である。図3は、図2のA−A’線に沿った断面図である。図4は、図2のB−B’線に沿った断面図である。膜電極接合体20は、電解質膜22、アノード24a、bおよび、アノード24a、bにそれぞれ対向するカソード26a、bを備える。すなわち、膜電極接合体20において、複数のセルが平面状に直列接続されている。アノード24a、bには、水素吸蔵合金タンク30から水素が供給される。カソード26a、bには空気が供給される。膜電極接合体20(燃料電池10)は、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。なお、図2に示した膜電極接合体の例では、2つのセルが直列接続した部分を抜き出したが、セルの数は任意である。また、複数のセルを並列接続することも可能である。
アノード24a、bは、電解質膜22の一方の面に離間した状態で形成されている。本実施の形態では、各アノード24a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体80a、bが接続されている。また、集電体80a、bが設けられた辺とは反対側の各アノード24a、bの側面には、絶縁体84a、bが設けられている。絶縁体84a、bにより、隣接するアノード間において一方のアノードに接続された集電体と他方のアノードとが絶縁されている。
カソード26a、bは、電解質膜22の他方の面に離間した状態で形成されている。アノードと同様に、各カソード26a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体82a、bが接続されている。ただし、カソード側において、集電体82a、bは、電解質膜22を挟んでアノード側に設けられた絶縁体84a、bとそれぞれ対向する位置に設けられている。また、集電体82a、bが設けられた辺とは反対側の各カソード26a、bの側面には、絶縁体86a、bが設けられている。絶縁体86a、bにより、隣接するカソード間において一方のカソードに接続された集電体と他方のカソードとが絶縁されている。
なお、集電体80a,bおよび集電体82a、bは、たとえば、アルミニウム、金、白金などの金属あるいはカーボンからなる導電材料により構成される。
隣接するセルにおいて、一方のセルのアノード側の集電体80と他方のセルのカソード側の集電体82とは、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタ(図示せず)により電気的に接続される。図2の例では、集電体80bと集電体82aとがインターコネクタにより接続される。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード24とカソード26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。
アノード24a、bおよびカソード26a、bは、イオン交換樹脂と触媒粒子からなる触媒層で構成される。
イオン交換樹脂は、触媒担持炭素粒子と電解質膜22を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン交換樹脂は、電解質膜22と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒には、例えば白金、ルテニウム、ロジウムなどの1種または2種を合金化したものや、これらの金属、合金を担持したカーボンなどがある。
カソード26a、bの上には、導電層300a、bがそれぞれ成膜されている。ここで、「成膜」とは、塗布、蒸着、印刷、転写などによる膜形成をいう。導電層300a、bには、それぞれ開口部310a、bが設けられており、開口部310a、bにおいて、それぞれカソード26a、bの一部が露出している。これにより、カソード26における空気の拡散性が確保される。さらに、導電層300a、bは、それぞれ、集電体82a、bと接し電気的に接続されている。導電層300a、bに用いられる材料としては、カーボン、白金/カーボン粒子を凝集させたものの他、白金、金(Au)などの金属が挙げられる。
カソード26a、bの面方向と平行方向の導電層300a、bの抵抗率は、カソード26a、bの面方向の抵抗率より小さいことが好ましい。たとえば、カソード26a、bの触媒として白金担持カーボンを用いた場合、カソード26a、bの面方向と平行方向の抵抗率は2.5×10−3Ωm程度である。導電層300a、bとしてカーボン粒子を使用した場合、導電層300a、bの面方向と平行方向の抵抗率は1×10−4Ωmである。これによれば、導電層300a、bにおける電圧ロスを抑制することができる。
また、導電層300a、bの空隙率は、カソード26a、bの空隙率より小さいことが好ましい。たとえば、カソード26a、bの空隙率は30%程度である。導電層300a、bとしてカーボン粒子を使用した場合、空隙率は10%程度である。これによれば、導電層300a、bにおける抵抗が小さくなり、電圧ロスを抑制することができる。
本実施の形態では、図2に示すように、開口部310a、bは、長手方向が一定方向を向いて並設された複数の矩形領域で構成されている。言い換えると、導電層300a、bは、短冊状に形成されている。さらに、開口部310a、bに関して、矩形領域の長手方向が、それぞれカソード26a、bの短手方向を向いている。これにより、カソード26と集電体82と間の電子の移動経路を短くし、電圧ロスを抑制することができる。
開口部310に挟まれた短冊状の導電層300の幅は、導電性向上の目的から広いほど望ましい。ただし、カソード26中の拡散性を保つために、面方向において開口部310から最も遠い部分(導電層300の中央部分の下方)のカソード26においても、拡散性が十分に保たれることが好ましい。この条件を満たすため、開口部310に挟まれた短冊状の導電層300の幅は、カソード26の厚みの2倍より小さいことが好ましい。なお、カソード26内では、少なくともその厚み(通常10〜100μm)分の拡散性は確保されている。
また、開口部310に挟まれた短冊状の導電層300の幅が5μm未満の場合、作製が困難であり、導電層300の作製中に導電層300が折れるなどして歩留まりも悪くなるため、開口部310に挟まれた短冊状の導電層300の幅は5μm以上であることが好ましい。
さらに、拡散性を損なうことなく、導電層300の導電性をより大きくするために、導電層300の断面積は大きいほうがよい。すなわち、導電層300の壁面は電解質膜22に対して垂直であることが望ましい。
この他、導電層300の導電性を大きくするためには、開口部310の幅はより小さいことが望ましく、たとえば、開口部310の幅は、開口部310に挟まれた導電層300の幅の半分以下であることが好ましい。
また、電流が一部に集中し、導電層300が劣化することを防ぐために、導電層300の断面形状および面積が均一、または導電層300が所定の断面形状および面積を有することが望ましい。
一方、アノード24a、bの上には、導電層200a、bがそれぞれ成膜されている。カソードと同様に、導電層200aには開口部210aが設けられている。また、導電層200bには同様に開口部(図示せず)が設けられている。アノード側の開口部において、それぞれアノード24a、bの一部が露出している。これにより、アノード24における水素の拡散性が確保される。さらに、導電層200a、bは、それぞれ、集電体80a、bと接し電気的に接続されている。導電層200a、bに用いられる材料としては、カーボン、白金/カーボン粒子を凝集させたものの他、白金、金(Au)などの金属が挙げられる。
アノード24a、bの面方向と平行方向の導電層200a、bの抵抗率は、アノード24a、bの面方向の抵抗率より小さいことが好ましい。たとえば、アノード24a、bの触媒として白金担持カーボンを用いた場合、アノード24a、bの面方向と平行方向の抵抗率は2.5×10−3Ωm程度である。導電層200a、bとしてカーボン粒子を使用した場合、導電層200a、bの面方向と平行方向の抵抗率は1×10−4Ωmである。これによれば、導電層200a、bにおける電圧ロスを抑制することができる。
また、導電層200a、bの空隙率は、アノード24a、bの空隙率より小さいことが好ましい。たとえば、アノード24a、bの空隙率は30%程度である。導電層200a、bとしてカーボン粒子を使用した場合、空隙率は10%程度である。これによれば、導電層200a、bにおける抵抗が小さくなり、電圧ロスを抑制することができる。
本実施の形態では、アノード側の開口部は、カソード側の開口部310と同様に長手方向が一定方向を向いて並設された複数の矩形領域で構成されている。言い換えると、導電層200a、bは、短冊状に形成されている。さらに、アノード側の開口部に関して、矩形領域の長手方向が、それぞれアノード24a、bの短手方向を向いている。これにより、アノード24と集電体80と間の電子の移動経路を短くし、電圧ロスを抑制することができる。
アノード側の開口部に挟まれた短冊状の導電層200の幅は、導電性向上の目的から広いほど望ましい。ただし、アノード24中の拡散性を保つために、面方向においてアノード側の開口部から最も遠い部分(導電層200の中央部分の下方)のアノード24においても、拡散性が十分に保たれることが好ましい。この条件を満たすため、アノード側の開口部に挟まれた短冊状の導電層200の幅は、アノード24の厚みの2倍より小さいことが好ましい。なお、アノード24内では、少なくともその厚み(通常10〜100μm)分の拡散性は確保されている。
また、アノード側の開口部に挟まれた短冊状の導電層200の幅が5μm未満の場合、作製が困難であり、導電層200の作製中に導電層200が折れるなどして歩留まりも悪くなるため、アノード側の開口部に挟まれた短冊状の導電層200の幅は5μm以上であることが好ましい。
さらに、拡散性を損なうことなく、導電層200の導電性をより大きくするために、導電層200の断面積は大きいほうがよい。すなわち、導電層200の壁面は電解質膜22に対して垂直であることが望ましい。
この他、導電層200の導電性を大きくするためには、アノード側の開口部の幅はより小さいことが望ましく、たとえば、アノード側の開口部の幅は、アノード側の開口部に挟まれた導電層200の幅の半分以下であることが好ましい。
また、電流が一部に集中し、導電層200が劣化することを防ぐために、導電層200の断面形状および面積が均一であること、または導電層300の断面形状および表面形状が滑らかであり、長手方向で連続的に変化していることが望ましい。
なお、膜厚方向において、カソード26の側の開口部310の位置と、アノード24の側の開口部の位置とが一致していないことが好ましい。これによれば、膜電極接合体20の強度を向上させることができる。
以上説明した導電層は、以下の手順により作製することができる。まず、アノードおよびカソードを構成する触媒スラリー、導電層を構成するカーボンスラリーの順に、電解質膜の両面にスプレー塗布し、ホットプレスを行う。この後、レーザ加工により、カーボンを選択的に除去して、アノード側の開口部およびカソード側の開口部を形成する。波長180〜600nm程度のレーザを用いることにより、熱による影響を抑えつつ、微細なアノード側の開口部およびカソード側の開口部を容易に作製することが可能である。また、ホットプレス後にアノード側の開口部およびカソード側の開口部を形成することにより、導電層の形状を崩すことなく維持することができる。
この他、アノード24およびカソード26を作製し、ホットプレスを行った後、
(1)金をセル全体に蒸着し、レーザで金のみを除去する
(2)導電層の形成領域が開口となるようなマスクを設置した後、金を蒸着する
(3)インクジェット法により導電層の形成領域に金ペーストを塗布するという手法も適用可能である。
図3の説明に戻り、本実施の形態の膜電極接合体20では、隣接するセル間にアノード側に突き出た突出部100が形成されている。突出部100において、電解質膜22が折り返されている。カソード26aと接する集電体82aの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aの延長部分は、カソード26a側の電解質膜22aと接し、カソード26b側の電解質膜22bとは離間している。集電体82aと電解質膜22bとの間に絶縁体86bが埋め込まれている。絶縁体86bにより、集電体82aと電解質膜22bとが絶縁されている。また、アノード側において、アノード24bと接する集電体80bの延長部分が、電解質膜22bに沿って設けられている。なお、突出部100(電気接続手段)がアノード24側に突き出しているため、本実施の形態では、カソード26における空気の拡散性が確保されている。
本実施の形態によれば、触媒層の一部が露出するように導電層を触媒層の上に成膜することにより、導電層を触媒層に締結する必要がないため、締結部材を用いることなく燃料電池を構築することができる。これにより、燃料電池のコンパクト化が可能になる。また、触媒層の一部が露出しているため、触媒層の拡散性を損なうことがない。また、電子が導電層を移動することにより、電解質膜と平行方向の抵抗を低減することができる。
なお、本実施の形態のように、膜電極接合体20に突出部100を設けられている場合には、図5に示すように、アノードカバー50に突出部100を挿入可能な溝52を設けることが望ましい。これによれば、突出部100を安定的に固定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて実施の形態1と同様である。実施の形態1の燃料電池10では、膜電極接合体20の端部にインターコネクタを設けることにより、各セルを電気的に直列に接続しているが、各セルを直列に接続する手段はこれに限られない。実施の形態1の燃料電池10では、連続した電解質膜22を用いて複数のセルが形成されているが、電解質膜22は連続していなくてもよい。
図6は、実施の形態2に係る膜電極接合体20の構造を示す平面図である。図7は、図4のC−C’線に沿った断面図である。
実施の形態2の膜電極接合体20では、図6に示すように、カソード26a、bの周囲の四辺に沿って、それぞれ、集電体82a、bが設けられている。また、カソード26a、bに対応して、アノードの周囲の四辺に沿って、それぞれ、集電体が設けられている。
電解質膜22は、セル毎に複数の領域に分離されており、電解質膜22は、絶縁層400によって互いに絶縁されている。絶縁層400としては、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂シート、ポリイミドシート、ポリ塩化ビニルシート、シリコンゴムシート、PETシートが挙げられる。本実施の形態では、電解質膜22と絶縁層400とにより複合膜が形成されている。絶縁体86bは、集電体82aと、集電体82bおよび絶縁層400との間に設けられており、集電体82aと、集電体82bおよび絶縁層400との絶縁性が確保されている。
また、実施の形態2の膜電極接合体20では、図7に示すように、インターコネクタ110が隣接するセルの間に設けられている。具体的には、隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが延長している。インターコネクタ110は、突出部100において絶縁層400を貫通し、集電体80bと集電体82aを電気的に接続している。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様な効果が得られることに加えて、インターコネクタが膜電極接合体20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、電子の移動距離が小さくなり、集電体における抵抗による電圧ロスをさらに低減することができる。
(導電層の変形例)
実施の形態1および2では、導電層200、300が短冊状に形成されているが、導電層200、300の形状は様々な形態に変更可能である。以下の説明では、カソード側を例にとって説明するが、アノード側も同様な形態とすることができる。
図8は、導電層300の変形例1を示す平面図である。この例では、集電体82がカソード26の周囲の一辺に沿って形成されている。カソード26が露出する開口部310で挟まれた導電層300の幅は、集電体82に近づくほど太くなっている。これによれば、移動する電子の数が多くなる集電体82近傍の導電層300を低抵抗化することにより、電圧ロスをさらに抑制することができる。
図9は、導電層300の変形例2を示す平面図である。この例では、集電体82がカソード26の周囲の四辺に沿って形成されている。この場合には、カソード26が露出する開口部310で挟まれた導電層300の幅は、中央部分が最も狭く、導電層300の長手方向において対向する集電体82に近づくほど太くなっている。これによれば、移動する電子の数が多くなる、導電層300の長手方向において対向する集電体82近傍の導電層300を低抵抗化することにより、電圧ロスをさらに抑制することができる。
図10は、導電層300の変形例3を示す平面図である。この例では、集電体82がカソード26の周囲の四辺に沿って形成されている。変形例3では、導電層300が格子状に形成されている。これによれば、セル端部における電子の移動距離が短くなるため、電圧ロスを抑制することができる。
また、集電体82がカソード26の周囲の四辺に沿って形成されている場合には、導電層300は、カソード26の中心部分から各辺の集電体82に向けて放射状に形成されていてもよい。これによれば、各辺の集電体82へ電子の移動距離が短くなるため、電圧ロスを抑制することができる。
この他、集電体82がカソード26の周囲の四辺に沿って形成されている場合には、開口部310は、カソード26の面上に点在して設けられた複数の孔であってもよい。この場合、開口部310の形状は、円形、矩形、多角形でもよい。これによれば、導電層300の面積を大きくすることができるため、導電層300における集電性を向上させることができる。
実施の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。 実施の形態1に係る膜電極接合体の構造を示す平面図である。 図2のA−A’線に沿った断面図である。 図2のB−B’線に沿った断面図である。 実施の形態1に係る燃料電池の要部を示す分解斜視図である。 実施の形態2に係る膜電極接合体の構造を示す平面図である。 図5のC−C’線に沿った断面図である。 導電層の変形例1を示す平面図である。 導電層の変形例2を示す平面図である。 導電層の変形例3を示す平面図である。
符号の説明
10 燃料電池、20 膜電極接合体、22 電解質膜、24 アノード、26 カソード、30 水素吸蔵合金タンク、40 アノード側筐体、42 カソード側筐体、50 アノードカバー、60 パッキン、80、82 集電体、200、300 導電層。

Claims (7)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に形成された複数のアノード触媒層と、
    前記各アノード触媒層の近傍領域において前記電解質膜の上に形成されたアノード集電体と、
    前記電解質膜の他方の面に形成された複数のカソード触媒層と、
    前記各カソード触媒層の近傍領域において前記電解質膜の上に形成されたカソード集電体と、
    前記アノード触媒層および前記カソード触媒層のうち少なくとも一方の触媒層の前記電解質膜と反対側の主表面上に前記触媒層の一部が露出する開口部を有するように前記触媒層に成膜され、かつ、前記触媒層に対応する、前記アノード集電体または前記カソード集電体と電気的に接続された導電層と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 少なくとも膜厚方向にプロトン伝導性を有する複数の第1の領域と、前記第1の領域を互いに電気的に絶縁する第2の領域とを有する複合膜と、
    前記複合膜の一方の面の、前記第1の領域の上にそれぞれ形成されたアノード触媒層と、
    前記各アノード触媒層の近傍領域において前記第2の領域の上に形成されたアノード集電体と、
    前記複合膜の他方の面の、前記第1の領域の上にそれぞれ形成されたカソード触媒層と、
    前記各カソード触媒層の近傍領域において前記第2の領域の上に形成されたカソード集電体と、
    前記アノード触媒層および前記カソード触媒層のうち少なくとも一方の触媒層の前記第1の領域と反対側の主表面上に前記触媒層の一部が露出する開口部を有するように前記触媒層に成膜され、かつ、前記触媒層に対応する、前記アノード集電体または前記カソード集電体と電気的に接続された導電層と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  3. 前記導電層の前記触媒層の面方向と平行方向の抵抗率が、前記触媒層の面方向の抵抗率よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記導電層の空隙率が、前記触媒層の空隙率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記開口部は、長手方向が一定方向を向いて並設された複数の矩形領域からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 前記触媒層が矩形の場合に、前記矩形領域の長手方向が、前記触媒層の短手方向を向いていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. 前記矩形領域に挟まれた前記導電層の幅が、前記触媒層の厚さの2倍より小さいことを特徴とする請求項5または6に記載の燃料電池。
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