JP6005635B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書、電子書籍)などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている。平面配列型の燃料電池として、各単セルの電極(アノードおよびカソード)との導通を得るための集電部材を電極の露出面ではなく、電極の周縁部分に設ける形態が知られている。
特開平10−312815号公報 特開2006−252967号公報
このような形態の燃料電池では、電気化学反応に伴って生じる生成水によって電解質が膨潤するなどの理由により電解質が変形すると、電極にクラックが生じ、電極の導電性が低下するという課題がある。電極にクラックが発生することを防止する技術として、電解質膜に発電に寄与しない補強材を加えることで、電解質膜の変形を防止する技術が知られている(特許文献1、2参照)。ところが、発電に寄与しない補強材を用いて電解質の変形を防止しようとすると、補強材によって導電抵抗が増加するため、セルの発電性能が低下するという新たな課題が生じる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池の発電性能を損なうことなく、電極の導電性が低下することを抑制することができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、固体高分子材料によって形成された電解質膜と当該電解質膜の一方の面に設けられたアノードと電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを含む膜電極接合体と、膜電極接合体の周縁部に設けられた集電部と、を備え、電解質膜に膜厚が相対的に厚い厚膜部が形成されており、アノード、カソードの少なくとも一方の電極に形成された個々のクラックについて、電解質膜上における集電部に向かう導電方向の成分の長さの総和が、導電方向に直交する成分の長さの総和より大きくなるように、厚膜部によってクラックの形成が制限されていることを特徴とする。
この態様の燃料電池によれば、電解質膜に設けた厚膜部により、電解質膜の変形が抑制され、電極に生じるクラックは、隣接する厚膜部の間の領域において、導電方向に形成されるように制限される。この結果、発電に寄与しない部材を用いることなく、電極において導電方向と直交する方向のクラックが進展することを抑制され、ひいては、導電方向の導電経路をより確実に確保することができる。
上記態様の燃料電池において、電解質膜の面内で、厚膜部と厚膜部以外の各領域が、電解質膜上の導電方向に直交する方向に、交互に配置されていてもよい。電解質膜の面内の厚膜部と厚膜部以外の各領域が、電解質膜上の導電方向に直交する方向に交互に配置されている領域で、導電方向と直交する線上において、厚膜部以外の領域が連続する長さの最大値Qが、導電方向の電解質膜の長さPより小さくてもよい。電解質膜の面内で導電方向と直交する線上において、厚膜部が連続する長さの最大値Rが、最大値Qより小さくてもよい。電解質膜の面内で導電方向に、厚膜部がいずれか一方の端部より離れて配置されており、離間距離の最大値Sが最大値Qまたは導電方向の電解質膜の長さPの1/3のいずれか小さい方より小さくてもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、燃料電池の発電性能を損なうことなく、電極の導電性が低下することを抑制することができる。
実施の形態1に係る燃料電池の構造を示す分解斜視図である。 図1のA−A線に沿った燃料電池の断面図である。 図3(A)は、電解質膜22の構造を示す平面図である。図3(B)は、図3(A)のB−B線に沿った断面図である。 実施の形態1に係る触媒層に生じるクラックの発生方向を示す平面図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜を作製する方法を示す工程図である。 図11(A)は実施の形態2に係る電解質膜の平面図である。図11(B)は実施の形態2に係る電解質膜の平面図である。 図12(A)は実施の形態2に係る電解質膜の平面図である。図12(B)は実施の形態2に係る電解質膜の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る燃料電池の構造を示す分解斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。図1および図2に示すように、燃料電池10は、膜電極接合体(MEA、触媒塗布プロトン交換膜(CCM)ともいう)20が組み込まれた複合膜12、アノード用ハウジング40およびカソード用ハウジング42を備える。また、複合膜12の周縁部に後述する封止部材50が設けられている。
複合膜12は、基材14および複数の膜電極接合体20を含む。基材14は、ポリアクリレートなどの絶縁性の材料により形成されている。基材14には、膜電極接合体20と同数の開口部16が設けられている。
膜電極接合体20は、電解質膜22、電解質膜22の一方の面に設けられたアノード触媒層24、電解質膜22の他方の面に設けられたカソード触媒層26を備える。電解質膜22は、基材14に設けられた開口部16に充填するように設けられている。アノード触媒層24には、燃料ガスとして水素が供給される。一方、カソード触媒層26には酸化剤として空気が供給される。一対のアノード触媒層24とカソード触媒層26との間に電解質膜22が挟持されることによりセルが構成され、各セルは水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
このように、本実施の形態の燃料電池では、アノード触媒層24にカソード触媒層26が対となり、複数のセルが平面状に形成されている。
本実施の形態のインターコネクタ(集電部材)18は、膜電極接合体20の周縁部に設けられており、電解質膜22とは反対側のアノード触媒層24の主表面および電解質膜22とは反対側のカソード触媒層26はインターコネクタ18で被覆されずに露出している。具体的には、インターコネクタ18は、隣接する膜電極接合体20の間において、基材14を貫通して設けられている。隣接するセルにおいて、一方のセルの電解質膜22に被覆されたアノード触媒層24は、インターコネクタ18の方へ延在して設けられており、インターコネクタ18と一方のセルの電解質膜22との間の基材14を被覆し、インターコネクタ18に接続されている。また、隣接するセルにおいて、他方のセルの電解質膜22に被覆されたカソード触媒層26は、インターコネクタ18の方へ延在して設けられており、インターコネクタ18と他方のセルの電解質膜22との間の基材14を被覆し、インターコネクタ18に接続されている。インターコネクタ18は導電性の材料で形成され、たとえば、カーボンなどが用いられる。以上の構成により、隣接するセル同士はインターコネクタ18により直列接続されている。
なお、カソード触媒層26においてインターコネクタ18に向かって流れる電流の向き、および、インターコネクタ18からアノード触媒層24に向けて流れる電流の向きを導電方向とよぶ。
電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード触媒層24とカソード触媒層26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。
図3(A)は、電解質膜22の構造を示す平面図である。図3(B)は、図3(A)のB−B線に沿った断面図である。電解質膜22は、膜厚が部分的に異なっており、相対的に膜厚が厚い厚膜部23を有する。本実施の形態では、厚膜部23は導電方向に沿って所定の間隔で形成された帯状の形態であり、導電方向と交差する方向に延在する電解質膜22の一方の辺L1から導電方向と交差する方向に延在する電解質膜22の他方の辺L2にかけて延在している。厚膜部23は、電解質膜22のアノード側の面およびカソード側の面の両方に凸状に形成されている。厚膜部23の厚さは、たとえば、30〜50μmであり、厚膜部23以外の電解質膜22の厚さは、たとえば、15〜30μmである。電解質膜22の厚さは燃料電池の性能を引き出すための最適な厚みに設定され、厚膜部23は燃料電池の性能を著しく損ねない範囲において、電解質膜22より厚く形成される。
電解質膜22の面内で導電方向と直交する線上において、厚膜部23以外の領域が連続する長さの最大値Qは、導電方向の電解質膜22の長さPより小さい(P/Q>1)。本意実施の形態では、厚膜部23の間隔が均等である場合には、最大値Qは隣接する厚膜部23の間隔に相当する。また、厚膜部23の間隔にばらつきがある場合には、最大値Qは隣接する厚膜部23の間隔のうち、最大の長さとなる。また、導電方向と直交する線上において、厚膜部23が連続する幅の最大値Rは、上記最大値Qより小さい(Q/R>1)。厚膜部23の幅が均等である場合には、最大値Rは厚膜部23の幅自体となる。また、厚膜部23の幅にばらつきがある場合には、最大値Rは厚膜部23の幅のうち、最大の幅となる。
図1および図2に戻り、アノード触媒層24およびカソード触媒層26は、イオン交換樹脂ならびに触媒粒子、場合によって炭素粒子を有する。
アノード触媒層24およびカソード触媒層26が有するイオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜22を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。このイオン交換樹脂は、電解質膜22と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒金属としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。また触媒を担持する場合には炭素粒子として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどを用いてもよい。
図4に例示するように、厚膜部23では、電解質膜の変形が抑制されるため、アノード触媒層24に生じるクラック200は、隣接する厚膜部23の間の領域において、導電方向に形成されるように制限される。このため、アノード触媒層24に形成された個々のクラック200の導電方向の成分をaiとし、アノード触媒層24に形成された個々のクラック200の導電方向に直交する方向の成分をbiとすると、Σai>Σbiなる関係が成立している。また、図示しないが、カソード触媒層26に生じるクラックについても、アノード触媒層24と同様に、Σai>Σbiなる関係が成立している。
なお、アノード触媒層24およびカソード触媒層26が有するイオン交換樹脂は、たとえば、炭化水素系イオン交換樹脂のように、基材14に含まれる樹脂に比べてC−F結合の数が少なくてもよい。
アノード用ハウジング40により、燃料貯蔵用の燃料貯蔵部37が形成されている。なお、アノード用ハウジング40に燃料供給口(図示せず)を設置することにより、燃料カートリッジなどから燃料を適宜補充可能である。
一方、カソード用ハウジング42には、外部から空気を取り込むための空気取入口44が設けられている。
アノード用ハウジング40とカソード用ハウジング42とは、複合膜12の周縁部に設けられた封止部材50を介して、ボルト、ナットなどの締結部材(図示せず)を用いて締結されている。これにより、封止部材50に圧力が加えられ、封止部材50によるシール性が高められる。
本実施の形態に係る複合膜12では、アノード触媒層24の周囲、特に隣接するアノード触媒層24の間の基材14の上に絶縁性の保護層30aが設けられている。また、カソード触媒層26の周囲、特に隣接するカソード触媒層26の間の基材14の上に保護層30bが設けられている。以下、保護層30a、bをまとめて保護層30という場合がある。保護層30としては、たとえばポリイミド、ナフィオンなどを用いることができる。
保護層30により、隣接する膜電極接合体20の間の絶縁性が高められている。この結果、隣接する膜電極接合体20、言い換えると隣接するセルの間隔を狭めても、隣接するセル間で短絡が生じることが抑制される。
本実施の形態の燃料電池によれば、電解質膜22に上述したような異方性を有する厚膜部23を設けることで、電解質膜22の変形が抑制されるため、電極に生じるクラックは、隣接する厚膜部23の間の領域において、導電方向に形成されるように制限される。言い換えると、導電方向の比率が導電方向に直交する方向の比率に対して長くになるような異方性を有するクラックが形成される。このため、発電に寄与しない部材を用いることなく、電極において導電方向と直交する方向のクラックが進展することを抑制でき、ひいては、導電方向の導電経路をより確実に確保することができる。
(複合膜の作製方法)
実施の形態1に係る燃料電池に用いられる複合膜12の作製方法について、図5乃至図10を参照して説明する。図5乃至図10は、実施の形態1に係る複合膜12を作製する方法を示す工程図である。なお、図5乃至図10において、左側(i)に平面図を示し、右側(ii)に平面図のA−A線に沿った断面図を示す。
まず、図5(A)に示すように、基材14を用意する。基材14の厚さは、20〜150μmである。基材14として、たとえば、ポリアクリレートを用いることができる。
次に、図5(B)に示すように、基材に複数の開口部16、17を作製する。開口部17は、隣接する開口部16の間に形成される。開口部16と開口部17との間隔は500μm以下である。開口部16、17を形成する方法として例えば、赤外レーザ、可視光レーザ、紫外レーザによるレーザ加工あるいは金型を用いた打ち抜き法などの手法を用いることができる。
基材14の準備と並行して、図6(A)および図6(B)に示すように、保護層30a、保護層30bを用意する。保護層30aには、アノード触媒層が設けられる領域に対応する開口部31aが設けられている。一方、保護層30bには、カソードが設けられる領域に対応する開口部31bが設けられている。保護層30a、30bの作製方法として、たとえば、シート状の保護層にレーザや金型を用いて開口部を設ける方法が挙げられる。なお、保護層30aおよび保護層30bは、後述するレーザ加工の際に用いられるレーザに対する遮蔽性、耐熱性、熱伝導性を有することが好ましく、保護層30aおよび保護層30bの材料として、たとえば、フェノール樹脂、ポリイミド、セルロースが挙げられる。
次に、図7(A)に示すように、基材14の一方の面(アノード形成側)に保護層30aを重ね合わせ、基材14の他方の面(カソード形成側)に保護層30bを重ね合わせた後、ホットプレスなどを用いて基材14に保護層30a、bを接着する。なお、本作製方法では、開口部が予め形成された保護層30を基材14に貼り付ける手順が取られているが、保護層30を形成する領域が開口となるようなマスクを用いて、保護層の材料となる樹脂をスプレー法などを用いて基材14に塗布する手順も適用可能である。
次に、図7(B)に示すように、電解質膜22の厚膜部23に対応したパターンの溝302が形成された台座300を用意し、この台座300の所定領域に基材14を位置合わせして載置する。
次に、図8(A)に示すように、基材14に設けられた開口部16(図7(A)参照)に電解質膜22を形成する。具体的には、ナフィオン溶液を開口部16に充填する。このとき、台座300に形成された溝302にもナフィオン溶液を充填する。
次に、図8(B)に示すように、溶媒を蒸発させることにより厚膜部23を有する電解質膜22を形成する。なお、溶媒が蒸発する過程で、ナフィオン溶液に表面張力が働くことにより、厚膜部23は電解質膜22の両主表面もしくは片側の主平面に対して凸になる。
次に図9(A)に示すように、基材14に設けられた開口部17(図7(B)参照)にたとえばカーボンペーストなどのペーストを充填させる。ペーストを充填した後に乾燥させることによりインターコネクタ18が形成される。
次に、図9(B)に示すように、基材14の一方の面側において、複数の電解質膜22を跨ぐように、基材14の長手方向に沿って触媒層80を形成する。具体的には、水10g、ナフィオン溶液5g、白金ブラックまたは白金担持カーボン5g、1−プロパノール5gを十分撹拌することにより触媒スラリーを調整し、この触媒スラリーをスプレー塗布することにより触媒層80を形成する。同様に、基材14の他方の主表面側において、複数の電解質膜22を跨ぐように、基材14の長手方向に沿って触媒層82を形成する。具体的には、上述した触媒スラリーをスプレー塗布することにより触媒層82を形成する。
次に、図10(A)に示すように、基材14の一方の面側に設けられた触媒層80の所定領域、すなわち、隣接する電解質膜22に挟まれた領域に位置する保護層30aに対応する触媒層80をエキシマレーザなどのレーザを用いて部分的に除去する(触媒層80を除去する幅は、1〜500μm好ましくは50〜200μm)。触媒層80が分断されることで、隣接する電解質膜22に挟まれた領域に保護層30aが露出し、アノード触媒層24が形成される。
また、基材14の他方の面側に設けられた触媒層82の所定領域、すなわち、隣接する電解質膜22に挟まれた領域に位置する保護層30bに対応する触媒層82をエキシマレーザなどのレーザを用いて部分的に除去する(触媒層82を除去する幅は、1〜500μm好ましくは50〜200μm)。触媒層82が分断されることで、隣接する電解質膜22に挟まれた領域に保護層30bが露出し、カソード触媒層26が形成される。
なお、触媒層除去に用いるレーザにはエキシマレーザの他にその発振波長が180nm以上550nm以下であるYAG第3高周波レーザやYVO第4高周波グリーンレーザなどを用いてもよい。レーザの出力は、レーザ照射部分の触媒層を完全に除去するのに十分であればよく、触媒層の材質や厚さに応じて適宜調整すればよい。
これによれば、レーザ加工により触媒層80を部分的に除去する際に、基材14が保護層30aにより保護されるため、基材14の劣化が抑制される。また、レーザ加工により触媒層82を部分的に除去する際に、基材14が保護層30bにより保護されるため、基材14の劣化が抑制される。
以上の製造工程により、実施の形態1に係る膜電極接合体20が組み込まれた複合膜12が作製される。なお、上述した製造工程では、各工程でアノードおよびカソードに同様な工程を実施した後、次の工程に移行しているが、たとえば、アノードに一連の工程を施した後、カソードに一連の工程を施してもよい。また、保護層30を形成する工程は、基材14に電解質膜22を予め充填させた後でもよい。
(電解質膜に形成される厚膜部の形態)
実施の形態1では、電解質膜22の厚膜部23は直線的な帯状に形成されているが、厚膜部23の形態はこれに限られず、様々な形態を取りうる。以下の実施の形態では、電解質膜22に形成される厚膜部23について例示する。
(実施の形態2)
図11(A)は、実施の形態2に係る電解質膜22を示す平面図である。本実施の形態では、厚膜部23aと厚膜部23bが導電方向と直交する方向に間隔を置いて交互に形成されている。厚膜部23aおよび厚膜部23bは、導電方向に延在する横断領域と湾曲領域が組み合わされた帯状の形態である。厚膜部23aの一方の端部(横断領域の端部)は、導電方向と交差する方向に延在する電解質膜22の一方の辺L1に達しており、厚膜部23aの他方の端部(湾曲領域の端部)は、導電方向と交差する方向に延在する電解質膜22の他方の辺L2と離間している。厚膜部23bの一方の端部(横断領域の端部)は、辺L2に達しており、厚膜部23bの他方の端部(湾曲領域の端部)は、辺L1と離間している。また、厚膜部23aの湾曲領域の湾曲の向きは、導電方向と直交する方向において、厚膜部23bの湾曲領域の湾曲の向きと反対側になっている。厚膜部23aの湾曲領域の端部と、隣接する厚膜部23bの横断領域との間隔が、厚膜部23aの横断領域と厚膜部23bの横断領域との間隔に比べて狭くなっている。また、厚膜部23bの湾曲領域の端部と、隣接する厚膜部23aの横断領域との間隔が、厚膜部23aの横断領域と厚膜部23bの横断領域との間隔に比べて狭くなっている。
(実施の形態3)
図11(B)は、実施の形態3に係る電解質膜22を示す平面図である。本実施の形態では、厚膜部23は横断領域と湾曲領域とが組み合わされたS字形状をなしており、その一方の端部は辺L1と離間した状態で辺L1に近接している。また、厚膜部23の他方の端部は辺L2と離間した状態で辺L2に近接している。厚膜部23の横断領域は所定の間隔で並設されている。
(実施の形態4)
図12(A)は、実施の形態4に係る電解質膜22を示す平面図である。本実施の形態では、厚膜部23aおよび厚膜部23bは2つの横断領域と湾曲領域とが組み合わされたU字形状をなしており、厚膜部23aの湾曲領域は辺L1と離間した状態で辺L1に近接している。また、厚膜部23aの2つの横断領域は湾曲領域から辺L2の方へ延在し、横断領域の端部は辺L2と離間している。また、厚膜部23bの湾曲領域は辺L2と離間した状態で辺L2に近接している。厚膜部23bの2つの横断領域は湾曲領域から辺L1の方へ延在し、横断領域の端部は辺L1と離間している。厚膜部23aの横断領域と、厚膜部23bの横断領域とは、導電方向に直交する方向で重畳するように配置されている。
実施の形態2乃至4の厚膜部23は辺L1から辺L2まで延在せず、辺L1側において辺L1から離れていること、辺L2側において辺L2から離れていることの一方、または両方の形態を有し、帯状の厚膜部23が湾曲している点で実施の形態1と異なる。電解質膜22の面内で導電方向に辺L1から厚膜部23まで最大の長さS1と、辺L2から厚膜部23まで最大の長さS2のうち大きい方が、QまたはP/3の小さい方より小さい(max(S1,S2)>min(Q,P/3))条件を満たし、S1からS2の範囲で厚膜部23の横断領域が、導電方向に直交する方向で重畳する範囲において、実施の形態1で説明したように、P/Q>1やQ/R>1という関係を満たせば、厚膜部23辺がL1から辺L2に延在する必要はなく、厚膜部23の横断領域は直線状である必要もない。実施の形態2乃至4によれば、実施の形態1に比べて、電解質膜22において厚膜部23が占める領域を低減することができるため、発電性能をより損なうことなく、実施の形態1で説明したような、導電方向のクラック進展抑制効果を得ることができる。なお、実施の形態2乃至4における最大値Rは、導電方向に延在する直線領域において、導電方向と直交する線上で厚膜部23が連続する幅の最大値として定義される。
(実施の形態5)
図12(B)は、実施の形態5に係る電解質膜22を示す平面図である。本実施の形態の厚膜部23が辺L1から辺L2に延在する帯状の形態である点では、実施の形態1の電解質膜22と共通するが、帯状の厚膜部23がうねっている点で実施の形態1と異なる。このように、実施の形態1で説明したように、P/Q>1やQ/R>1という関係を満たせば、厚膜部23は直線状である必要はない。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
たとえば、上述の各実施の形態では、アノード触媒層24およびカソード触媒層26の両方に厚膜部23に起因して導電方向の比率が導電方向に直交する方向の比率に対して優勢になるような異方性を有するクラックが形成されているが、このようなクラックは、アノード触媒層24、カソード触媒層26のいずれか一方に形成されている場合でも、上述したような効果を奏する。
10 燃料電池、12 複合膜、14 基材、16 開口部、17 開口部、18 インターコネクタ、20 膜電極接合体、22 電解質膜、23 厚膜部、24 アノード触媒層、26 カソード触媒層、30 保護層、31 開口部、37 燃料貯蔵部、40 アノード用ハウジング、42 カソード用ハウジング、44 空気取入口、50 封止部材、80 触媒層、82 触媒層
本発明は、燃料電池分野で利用可能である。

Claims (5)

  1. 固体高分子材料によって形成された電解質膜と前記電解質膜の一方の面に設けられたアノードと前記電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを含む膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の周縁部に設けられた集電部と、
    を備え、
    前記電解質膜に膜厚が相対的に厚い厚膜部が形成されており、
    前記アノード、前記カソードの少なくとも一方の電極に形成された個々のクラックについて、電解質膜上における前記集電部に向かう導電方向の成分の長さの総和が、前記導電方向に直交する成分の長さの総和より大きくなるように、前記厚膜部によってクラックの形成が制限されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記電解質膜の面内で、前記厚膜部と厚膜部以外の各領域が、電解質膜上の前記導電方向に直交する方向に、交互に配置されている請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記電解質膜の面内の前記厚膜部と厚膜部以外の各領域が、電解質膜上の前記導電方向に直交する方向に交互に配置されている領域で、前記導電方向と直交する線上において、厚膜部以外の領域が連続する長さの最大値Qが、前記導電方向の電解質膜の長さPより小さい請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記電解質膜の面内で前記導電方向と直交する線上において、厚膜部が連続する長さの最大値Rが、前記最大値Qより小さい請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記電解質膜の面内で前記導電方向に、前記厚膜部がいずれか一方の端部より離れて配置されており、離間距離の最大値Sが前記最大値Qまたは前記導電方向の電解質膜の長さPの1/3のいずれか小さい方より小さい請求項4に記載の燃料電池。
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