JP5320323B2 - 廃液の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力施設等において発生する放射性廃液の処理方法及び処理装置に関する。
原子力施設等より発生するオフガスは、通常、スクラバー等で処理して環境への放射性核
種の漏洩を防止している。スクラバー処理により処理廃液が発生するが、スクラバー処理
廃液には放射性核種の他、可燃物・難燃物を焼却したオフガス等に起因して塩素、臭素及
びヨウ素などのハロゲン(系化合物)なども含有される場合がある。なお、これらハロゲ
ン(系化合物)は、処理廃液中において一般にはイオンとして存在する。
一方、処理廃液は一般にはセメント固化に供するために濃縮して減容処理することになるが、上述のようなハロゲンを含む場合は、施設機器の腐食防止の観点から濃縮が困難である。また、環境基準や排出基準の観点からも、ハロゲンを含むような廃液の濃縮は困難となる。
したがって、上述のように放射性廃液がハロゲンを含む場合は、廃液からハロゲンを除去することが必要になる。一方、一般産業においてもハロゲンを含む廃液においては、これら廃液からハロゲンを除去することが必要になる。
特許文献1には、廃液からの塩素、臭素などハロゲンの除去に関し、廃液を噴霧燃焼させた後に、生成した燃焼ガスを洗浄した洗煙水に対してフェライト化処理を行って除去することが開示されている。しかしながら、この方法は、実験廃液の処理方法であるため廃液ごとの前処理系が必要とされており、大量に発生する廃液を処理しようとすると装置構成が大規模化し、現実的でない。
また、特許文献2には、電気透析によってフッ素含有排水を脱塩するとともに、この脱塩処理液を前記フッ素含有排水の発生源への補給水として再生し、フッ酸濃縮液を利用可能な濃度にまで低減することが開示されている。しかしながら、このような電気透析を用いる方法はコストがかかるために、大量に発生する廃液を処理する場合には、高コスト化してしまうという問題があった。
特開2008−49225号 特開2004−174439号
本発明は、原子力施設より発生するオフガスのスクラバー処理廃液等の、ハロゲン(系化合物)を含む廃液から簡易にハロゲンを除去し、施設機器の腐食を回避することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の一態様は、原子力施設から発生するオフガスを処理して
排出される塩化物イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンが解離して存在す
ハロゲン系化合物を含むスクラバー廃液と、ハイドロタルサイト様物質、シュベルトマ
ナイト、エトリンガイト、及びモノサルフェートからなる群より選ばれる少なくとも一種
から選択される吸着物質とを接触させ、前記ハロゲン系化合物を前記吸着物質に吸着させ
て、前記廃液から前記ハロゲン系化合物を除去する、ハロゲン系化合物除去ステップを具
えることを特徴とする、廃液の処理方法に関する。
また、本発明の一態様は、原子力施設から発生するオフガスを処理して排出される塩化物
イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンが解離して存在するハロゲン系化合
物を含むスクラバー廃液を得るためのスクラバー処理装置と、前記スクラバー廃液と、ハ
イドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガイト、及びモノサルフェート
からなる群より選ばれる少なくとも一種から選択される吸着物質とを接触させ、前記ハロ
ゲン系化合物を前記吸着物質に吸着させて、前記廃液から前記ハロゲン系化合物を除去す
るための吸着装置を具えることを特徴とする、廃液の処理装置に関する。
本発明によれば、廃液中のハロゲン系化合物を所定の吸着物質に吸着させて前記廃液から除去するようにしているので、従来の技術で説明したような、処理系ごとに前処理系を準備する必要もなく、電気透析のような複雑な処理を行うこともない。したがって、極めて簡易かつ安価に廃液からハロゲン系化合物を除去することができる。
なお、上記ハロゲン系化合物中のハロゲンは、廃液中では一般にイオンとして存在する。したがって、この場合において、上述した“ハロゲン系化合物を含む廃液”とは、ハロゲン系イオンを含む廃液を意味し、“ハロゲン系化合物を吸着物質に吸着させる”とは、ハロゲン系イオンを吸着物質に吸着させることを意味し、“廃液からハロゲン系化合物を除去する”とは、廃液からハロゲン系イオンを除去することを意味する。
また、“ハロゲン系化合物”とは、ハロゲンを含む任意の化合物を意味し、その具体的な組成は、施設等の種類に依存する。
上記廃液が特に放射性廃液の場合は、後にセメント固化する必要が生じるので、濃縮槽を設けて、前記ハロゲン系化合物が除去された後の放射性廃液を減容処理することができる。但し、放射性廃液でなくても、減容処理が必要な廃液の場合についても適宜に用いることができる。
上記廃液の処理装置は、スクラバー処理装置を具える。この場合、上記廃液は、オフガスをスクラバー処理装置で洗浄したことによって得られるスクラバー廃液となる
この場合、スクラバー処理装置と吸着槽との間に循環ラインを設け、吸着装置で吸着物質によってハロゲン系物質が除去された廃液をスクラバー処理装置に戻し、再度洗浄することができるとともに、再度廃液を吸着装置に戻して吸着物質と接触させるような操作を複数回繰り返すことができる。したがって、スクラバー処理装置による洗浄と吸着物質による吸着操作とを複数回実施することができるので、廃液中のハロゲン系物質の濃度を所定の濃度まで十分に低減させた後、濃縮することができるようになる。結果として、減容処理の際に、施設機器等の腐食をより効果的に回避することができる。
上記吸着物質としては、好ましくはハイドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガイト、及びモノサルフェートを挙げることができる。
なお、ハイドロタルサイト様物質とは、物質中の少なくとも一部にハイドロタルサイト構造を含み、吸着物質として機能するようなものを意味する。ハイドロタルサイトは、例えば一般式[MgAl(OH)]1/2CO 2−・2HOで表されるものであって、マグネシウムイオンを中心とする八面体(ブルーサイト層)が二次元的に連なり、マグネシウムイオンの一部をアルミニウムイオンで置き換えた層が積層されて層状構造を形成しているものである。
シュペルトマナイトは、(Fe(OH)8−2x(SO)なる一般式で表され、特にイオン吸着性に優れるものである。エトリンガイドは、3CaO・Al・3CaSO・32HOなる一般式で表され、イオン等の吸着性に優れる。モノサルフェートは、通常は水和物として存在し、3CaO・Al・CaSO・12HOなる一般式で表され、同じくイオン等の吸着性に優れるものである。
好ましくは、廃液のpH値を6以上とする。廃液の酸性度合いが強くなりすぎると、吸着物質を劣化させてしまい、ハロゲン系化合物に対する吸着能が劣化してしまうためである。なお、廃液のpH値の上限は10とする。これを超えると、吸着物質を劣化させてしまう場合がある。
本発明の一例においては、吸着装置の前段に、炭酸イオンを分離除去するための前処理反応槽及び固液分離装置を設け、上記ハロゲン系化合物除去ステップの前に、廃液中に含有される炭酸イオンを除去する前処理を行うことができる。吸着装置において、廃液中のハロゲン系化合物を吸着物質で吸着する際に炭酸イオンが存在すると、この炭酸イオンの存在により、ハロゲン系化合物、特にハロゲン系イオンの、吸着物質、特にハイドロタルサイト様物質への吸着効率が低下してしまう場合がある。
しかしながら、本例のように、吸着装置の前段に、前処理反応槽及び固液分離装置を設けることにより、ハロゲン系化合物の吸着前に炭酸イオンを予め除去することができるので、上述のように、炭酸イオンの存在によって、ハロゲン系化合物の吸着物質への吸着効率が低下してしまうようなことがない。
なお、炭酸イオンの除去に際しては、上記前処理反応槽に、反応槽へ薬剤を投入するためのバッファタンク及び投入配管を付随的に設けることにより、上記バッファタンクから所定の薬剤を、上記投入配管を介して上記前処理反応槽内に投入することによって実施することができる。
上述のような炭酸イオンは、例えば大気に含有される二酸化炭素ガスなどに由来して生じるものである。
本発明によれば、原子力施設より発生するオフガスのスクラバー処理廃液等の、塩化物
イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンが解離して存在するハロゲン系化合
を含む廃液から簡易に塩化物イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンを除
去し、施設機器の腐食を回避することができる。
第1の実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。 第2の実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。 第3の実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。 第4の実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の廃液の処理方法及び処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。
図1に示す処理装置10は、スクラバー処理装置11、吸着槽12及び濃縮槽13が廃液の導入側から下流側に向けて順次に配列されている。また、スクラバー処理装置11と吸着槽12との間は配管24で接続されており、吸着槽12と濃縮槽13との間は配管25で接続されており、いわゆるバッチ式の処理装置を構成している。
スクラバー処理装置11は、溜水中に排ガスをくぐらせることにより集じんする方法(溜水式)、排ガスの流れに加圧水を噴射する方法(加圧水式)、プラスチック・磁器などの充てん物に噴霧した洗浄液の水膜に排ガスを接触させて集じんする方法(充てん層式)、洗浄液を回転体で分散させて排ガスを接触させる方法(回転式)など、汎用の方式とすることができる。
吸着槽12及び濃縮槽13はステンレス鋼(SUS)やポリテトラフルオロエチレンなどのような耐食性に優れた材料から構成する。吸着槽12内には、所定の吸着物質、好ましくはハイドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガイト、及びモノサルフェートが充填されている。なお、吸着物質は、その作用効果を奏することができるように、吸着槽12内に密に充填する必要があるが、仕切り板などを設けることによって、吸着槽12の下方部にのみ密に充填するようにすることもできる。
次に、図1に示す処理装置を用いた処理方法について説明する。
最初に、例えば原子力施設等から発生したオフガスを、配管21を通じてスクラバー処理装置11内に導入するとともに、洗浄液を、配管22を通じてスクラバー処理装置11内に導入して洗浄する。洗浄液には水などの他、水酸化ナトリウム溶液等を用いることができる。処理後のガスは、配管23を通じて系外を放出される。
スクラバー処理装置11内での洗浄を通じて得られた処理廃液中には、揮発性の放射性核種が含まれる可能性がある。また、可燃物・難燃物の焼却に起因して生成した塩素及び臭素などのハロゲン系化合物が含まれる。
上述したようなハロゲン系化合物は、廃液中でイオン化して存在し、塩化ナトリウムは
塩化物イオンが解離して存在するようになり、ヨウ素はヨウ化物イオンが解離して存在す
るようになる。また、塩素及び臭素もそれぞれ素イオン及び臭素イオンが解離して存在
するようになる。
次いで、スクラバー処理装置11で得た処理廃液を配管24によって吸着槽12に移送し、内部に充填された吸着物質と接触させることによって、上述した廃液中のハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)を吸着する。
次いで、上記廃液を、配管25を通じて濃縮槽13内に供給する。この際、吸着槽12において、前記廃液中に含まれる特にハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)は、その大部分が除去されているので、濃縮槽13に移送される廃液中にはハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)はほとんど含まれていない。したがって、濃縮槽13において前記廃液を濃縮した場合においても、施設機器、具体的には濃縮槽13の腐食を防止することができる。また、濃縮槽13内における廃液中にはハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)がほとんど含まれないので、環境基準や排出基準の観点からも好ましい。
濃縮処理後の廃液は、配管26を通じて廃液処理系へ移送される。濃縮槽13における濃縮操作は、例えば廃液を加熱し、溶媒等を蒸発させることによって行う。
このように、本実施形態によれば、原子力施設等より発生するオフガスのスクラバー処理廃液の、ハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)を含む廃液から簡易にハロゲンを除去し、施設機器の腐食を回避することができる。
なお、好ましくは、廃液のpH値を6以上とする。廃液の酸性度合いが強くなりすぎると、吸着物質を劣化させてしまい、ハロゲン系化合物に対する吸着能が劣化してしまう場合がある。なお、廃液のpH値の上限は10とする。これを超えると、廃液のアルカリ性度合いが強くなりすぎ、吸着物質を劣化させてしまう場合がある。
本実施形態においては、放射性廃液を処理する場合を想定し、スクラバー処理装置11及び濃縮槽13を設けるようにしているが、これらは本発明の必須の構成要件ではなく、処理すべき廃液の種類に応じて適宜省略することができる。
なお、図1には特に示していないが、スクラバー処理装置11から吸着槽12への廃液の移送、及び吸着槽12から濃縮槽13への廃液の移送は図示しない所定のポンプを用いて行う。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。なお、図1に示す処理装置と同一あるいは類似の構成要素に関しては、同一の参照数字を用いている。
図2に示す処理装置30は、スクラバー処理装置11及び濃縮槽13間に、吸着槽13の代わりにカラム式の吸着塔32が設けられるとともに、スクラバー処理装置11及び吸着塔32間に循環ライン35が設けられ、カラム式の処理装置を構成している点で、図1に示す処理装置10と異なり、その他の構成は図1に示す処理装置10と同様である。
吸着塔32内には、吸着槽13の場合と同様に、ハイドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガイト、及びモノサルフェートなどの吸着物質を充填する。
次いで、図2に示す処理装置を用いた処理方法について説明する。
最初に、例えば原子力施設等から発生したオフガスを、配管21を通じてスクラバー処理装置11内に導入するとともに、洗浄液を、配管22を通じてスクラバー処理装置11内に導入して洗浄する。洗浄液には水などの他、水酸化ナトリウム溶液等を用いることができる。処理後のガスは、配管23を通じて系外に放出される。
スクラバー処理装置11内での洗浄を通じて得られた処理廃液中には、第1の実施形態で述べたように、ハロゲン系化合物の他に、放射性化合物が含まれる。なお、これら化合物は、廃液中では解離してイオンとして存在することは、第1の実施形態で述べた通りである。
次いで、バルブ33を閉とした状態で、スクラバー処理装置11で得た処理廃液を配管24によって吸着塔32に移送し、内部に充填された吸着物質と接触させることによって、上述した廃液中のハロゲン系化合物(ハロゲン系イオン)を吸着する。次いで、循環ライン35を通じて、前記廃液を再度スクラバー処理装置11内に導入して洗浄し、その後配管24を通じて再度吸着塔32内に移送し、前記吸着物質と接触させる。このような操作を繰り返すことによって、スクラバー処理装置による洗浄と吸着物質による吸着操作とを複数回実施することになるので、廃液中のハロゲン系物質の濃度を所定の濃度まで十分に低減させた後、濃縮槽13へ移送して濃縮することができるようになる。
濃縮処理後の廃液は、配管26を通じて廃液処理系へ移送される。濃縮槽13では、例えば廃液を加熱し、溶媒等を蒸発させることによって濃縮操作を実施する。
このように、本実施形態においても、原子力施設等より発生するオフガスのスクラバー処理廃液の、ハロゲン系化合物(ハロゲン系イオン)を含む廃液から簡易にハロゲンを除去し、施設機器の腐食を回避することができる。
なお、第1の実施形態と同様の理由から、廃液のpH値を6以上10以下とすることが好ましい。
(第3の実施形態)
図3は、本実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。なお、図1に示す処理装置と同一あるいは類似の構成要素に関しては、同一の参照数字を用いている。
図3に示す処理装置40は、スクラバー処理装置11と吸着槽12との間の配管24において、前処理反応槽41及び固液分離装置42が、スクラバー処理装置11から吸着槽12に向けて順次に配列されてなる。また、前処理反応槽41の上方には、薬剤投入配管44を介して薬液用バッファタンク43が配置されている。
前処理反応槽41、固液分離装置42、薬液用バッファタンク43及び薬剤投入配管44は、以下に説明するように、廃液中のハロゲン系化合物を吸着槽12において吸着する際に、廃液中の炭酸イオンを除去するために使用されるものである。なお、その他の構成は図1に示す処理装置10と同様である。
薬液用バッファタンク43には、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物(薬剤)が充填されている。
次いで、図3に示す処理装置を用いた処理方法について説明する。
最初に、例えば原子力施設等から発生したオフガスを、配管21を通じてスクラバー処理装置11内に導入するとともに、洗浄液を、配管22を通じてスクラバー処理装置11内に導入して洗浄する。洗浄液には水などの他、水酸化ナトリウム溶液等を用いることができる。処理後のガスは、配管23を通じて系外に放出される。
スクラバー処理装置11内での洗浄を通じて得られた処理廃液中には、第1の実施形態で述べたように、ハロゲン系化合物の他に、放射性化合物及び大気に含有される二酸化炭素ガスに由来する炭酸イオンが含まれる。なお、これら化合物は、廃液中では解離してイオンとして存在することは、第1の実施形態で述べた通りである。
次いで、スクラバー処理装置11で得た処理廃液を配管24によって前処理反応槽41に移送するとともに、薬液用バッファタンク43から上述したような所定の薬剤を、薬剤投入配管44を介して前処理反応槽41内に投入する。この場合、上記薬剤と炭酸イオンとが反応し、得られた反応物は廃液中で沈殿するようになる。したがって、このような沈殿物を含む廃液を固液分離装置42内に移送し、廃液中から沈殿物を固液分離して除去することにより、炭酸イオンが除去された廃液を得ることができる。
次いで、炭酸イオンが除去された廃液は、第1の実施形態と同様に、配管24を介して吸着槽12に移送し、内部に充填された吸着物質と接触させることによって廃液中のハロゲン系化合物(ハロゲンイオン)を吸着除去し、次いで、配管25を通じて濃縮槽13内に移送することにより、上記廃液を濃縮する。
本実施形態において、例えば吸着槽12内にハイドロタルサイト様物質の吸着物質が充填されている場合、ハロゲン系化合物(ハロゲン系イオン)のハイドロタルサイト様物質への吸着は、前記構造式に示される、Mg、Al、OHからなる正に帯電した層状構造の層間に、負に帯電しているハロゲン系イオンが取り込まれることによってなされる。ところが、上記廃液中に炭酸イオンが含まれると、ハイドロタルサイト様物質の層間の陰イオン吸着部位に当該炭酸イオンが選択的に吸着し、ハロゲン系イオンの吸着効率を低下させてしまう恐れがある。
したがって、上述したように、廃液を吸着槽12へ導入する以前に上記炭酸イオンを除去しておけば、例えばハイドロタルサイト様物質によるハロゲン系イオンの吸着効率の低下を抑制することができる。
なお、炭酸イオンを除去するための投入薬剤として水酸化カルシウムを用いた場合、前処理反応槽41における反応は、
Ca(OH) → 2Ca2+ + 2OH
Ca2+ + CO 2− → CaCO
のように書き表すことができ、炭酸カルシウムの沈殿物が生成される。したがって、固液分離装置42では、固液分離によって廃液から炭酸カルシウムの沈殿物が除去される。
また、投入薬剤として水酸化バリウムを用いた場合は炭酸バリウムの沈殿物が生成され、水酸化ストロンチウムを用いた場合は炭酸ストロンチウムの沈殿物が生成される。したがって、固液分離装置42では、これら沈殿物を固液分離によって除去する。
なお、本実施形態では、廃液中の炭酸イオンを除去するに際し、前処理反応槽41、固液分離装置42、薬液用バッファタンク43及び薬剤投入配管44を用いて、化学的に行うようにしている。しかしながら、その他、任意の装置を用いることによって、炭酸イオンを物理的に除去するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図4は、本実施形態の廃液の処理装置を示す概略構成図である。なお、図1及び図2に示す処理装置と同一あるいは類似の構成要素に関しては、同一の参照数字を用いている。
図4に示す処理装置50は、スクラバー処理装置11及び吸着塔32間の配管24において、前処理反応槽41及び固液分離装置42が、スクラバー処理装置11から吸着塔32に向けて順次に配列されてなる。また、前処理反応槽41の上方には、薬剤投入配管44を介して薬液用バッファタンク43が配置されている。
前処理反応槽41、固液分離装置42、薬液用バッファタンク43及び薬剤投入配管44は、以下に説明するように、廃液中のハロゲン系化合物を吸着塔32において吸着する際に、廃液中の炭酸イオンを除去するために使用されるものである。なお、その他の構成は図2に示す処理装置30と同様である。
第3の実施形態で述べたように、薬液用バッファタンク43には、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物(薬剤)が充填されている。
次いで、図4に示す処理装置を用いた処理方法について説明する。
最初に、例えば原子力施設等から発生したオフガスを、配管21を通じてスクラバー処理装置11内に導入するとともに、洗浄液を、配管22を通じてスクラバー処理装置11内に導入して洗浄する。洗浄液には水などの他、水酸化ナトリウム溶液等を用いることができる。処理後のガスは、配管23を通じて系外に放出される。
スクラバー処理装置11内での洗浄を通じて得られた処理廃液中には、第1の実施形態で述べたように、ハロゲン系化合物の他に、放射性化合物及び大気に含有される二酸化炭素ガスに由来する炭酸イオンが含まれる。
次いで、スクラバー処理装置11で得た処理廃液を配管24によって前処理反応槽41に移送するとともに、薬液用バッファタンク43から上述したような所定の薬剤を、薬剤投入配管44を介して前処理反応槽41内に投入する。この場合、上記薬剤と炭酸イオンとが反応し、得られた反応物は廃液中で沈殿するようになる。したがって、このような沈殿物を含む廃液を固液分離装置42内に移送し、廃液中から沈殿物を固液分離して除去することにより、炭酸イオンが除去された廃液を得ることができる。
次いで、炭酸イオンが除去された廃液は、第2の実施形態と同様に、配管24によって吸着塔32に移送し、内部に充填された吸着物質と接触させることによって、上述した廃液中のハロゲン系化合物(ハロゲン系イオン)を吸着する。次いで、循環ライン35を通じて、前記廃液を再度スクラバー処理装置11内に導入して洗浄し、その後配管24を通じて再度吸着塔32内に移送し、前記吸着物質と接触させる。このような操作を繰り返すことによって、スクラバー処理装置による洗浄と吸着物質による吸着操作とを複数回実施し、廃液中のハロゲン系物質の濃度を所定の濃度まで十分に低減させた後、濃縮槽13へ移送して濃縮する。
なお、廃液中に炭酸イオンが存在することによる不利益、及び前処理反応槽41内における投入薬剤と炭酸イオンとの反応については、上記第3の実施形態で述べた通りである。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
10、30、40、50 廃液の処理装置
11 スクラバー処理装置
12 吸着槽
13 濃縮槽
21、22、23、24、25、26 配管
32 吸着塔
33 バルブ
35 循環ライン
41 前処理反応槽
42 固液分離装置
43 薬液用バッファタンク
44 薬剤投入配管

Claims (14)

  1. 原子力施設から発生するオフガスを処理して排出される塩化物イオン、塩素イオン、臭
    素イオンまたはヨウ素イオンが解離して存在するハロゲン系化合物を含むスクラバー廃液
    と、ハイドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガイト、及びモノサルフ
    ェートからなる群より選ばれる少なくとも一種から選択される吸着物質とを接触させ、前
    記ハロゲン系化合物を前記吸着物質に吸着させて、前記廃液から前記ハロゲン系化合物を
    除去する、ハロゲン系化合物除去ステップを具えることを特徴とする、廃液の処理方法。
  2. 前記ハロゲン系化合物を除去した後の前記廃液を濃縮して減容する、廃液濃縮ステップ
    を具えることを特徴とする、請求項1に記載の廃液の処理方法。
  3. 前記スクラバー廃液を循環させて、スクラバー洗浄及び前記吸着物質との接触を少なく
    とも2回以上実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の廃液の処理方法。
  4. 前記廃液のpH値を6以上とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載
    の廃液の処理方法。
  5. 前記吸着物質はハイドロタルサイト様物質であって、前記ハロゲン系化合物除去ステッ
    プの前に、前記廃液中に含有される炭酸イオンを除去する前処理ステップを具えることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の廃液の処理方法。
  6. 前記前処理ステップにおいて、前記炭酸イオンは、前記廃液への所定の薬剤を投入する
    ことによって除去することを特徴とする、請求項5に記載の廃液の処理方法。
  7. 前記薬剤の種類が、アルカリ土類金属の水酸化物であることを特徴とする、請求項6に
    記載の廃液の処理方法。
  8. 原子力施設から発生するオフガスを処理して排出される塩化物イオン、塩素イオン、臭
    素イオンまたはヨウ素イオンが解離して存在するハロゲン系化合物を含むスクラバー廃液
    を得るためのスクラバー処理装置と、
    前記スクラバー廃液と、ハイドロタルサイト様物質、シュベルトマナイト、エトリンガ
    イト、及びモノサルフェートからなる群より選ばれる少なくとも一種から選択される吸着
    物質とを接触させ、前記ハロゲン系化合物を前記吸着物質に吸着させて、前記廃液から前
    記ハロゲン系化合物を除去するための吸着装置を具えることを特徴とする、廃液の処理装
    置。
  9. 前記ハロゲン系化合物を除去した後の前記廃液を濃縮して減容するための濃縮槽を具え
    ることを特徴とする、請求項8に廃液の処理装置。
  10. 前記廃液を、前記スクラバー処理装置と前記吸着装置との間に循環させるための循環ラ
    インを具えることを特徴とする、請求項9に記載の廃液の処理装置。
  11. 前記処理装置は、バッチ式の処理装置であることを特徴とする、請求項8〜10のいず
    れか一に記載の廃液の処理装置。
  12. 前記処理装置は、カラム式の処理装置であることを特徴とする、請求項8〜10のいず
    れか一に記載の廃液の処理装置。
  13. 前記吸着物質はハイドロタルサイト様物質であって、前記吸着装置の前段に、炭酸イオ
    ンを分離除去するための前処理反応槽及び固液分離装置を具えることを特徴とする、請求
    項8〜12のいずれか一に記載の廃液の処理装置。
  14. 前記前処理反応槽には、反応槽へ薬剤を投入するためのバッファタンク及び投入配管が
    設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の廃液の処理装置。
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