JP5320201B2 - タイヤ製造方法及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト補強層にゴムストリップを積層してトレッドを形成し、未加硫タイヤを成形するタイヤ製造方法と、このタイヤ製造方法により製造されたタイヤに関する。
空気入りタイヤ等のタイヤでは、ベルトと外周面のトレッドとの間に、タイヤ周方向に延びるコードを有するベルト補強層を配置し、ベルトを補強して高速耐久性等のタイヤ性能を向上させることが行われている。また、従来、トレッドに、発熱性が高く厚さの薄い内面側のベース部と、トレッド性能に主に寄与する外面側のキャップ部とを設け、要求性能を確保したタイヤが使用されている。
ところで、ベルト補強層を形成する際、コードをゴムで被覆等した補強部材の巻き付け手段を複数設け、被成形体に複数の補強部材を同時に螺旋状に巻き付けてベルト補強層を形成する装置が知られている(特許文献1参照)。
また、従来、リボン状のゴムストリップを螺旋状に巻き付けて積層し、ベース部、及び、その外周に重なるキャップ部を順に形成して、トレッドを所定の断面形状及び構造に形成するタイヤ製造方法が知られている(特許文献2参照)。
図5は、このようにベルト補強層とトレッドを形成する従来のタイヤ製造方法の例を示す模式図であり、タイヤ幅方向断面の要部を拡大して示している。
ここでは、図示のように、未加硫タイヤ成形の所定段階で、ベルト71を配置した被成形体70の外周に、ベルト補強層80とトレッド90とを順に形成する。ベルト補強層80(図5A参照)は、回転する被成形体70に対して、サイド部72から所定幅の補強部材の巻き付けを開始し(矢印M1)、同時に、タイヤ赤道面CL付近からも補強部材の巻き付けを開始する(矢印M2)。このように、ベルト補強層80を幅方向に分割し、それぞれ補強部材を螺旋状に巻き付けて形成し、その分割位置Dで、分割形成したベルト補強層80A、80Bの補強部材同士を重ねて、1つのベルト補強層80を被成形体70に形成する。
これに対し、トレッド90(図5B参照)は、ベース部91のゴムストリップを、回転する被成形体70のサイド部72間に亘って螺旋状に連続して巻き付け(矢印M3)、ベルト補強層80の外周全体に積層して、ベース部91が形成される。続いて、ベース部91の外周に沿って、キャップ部92のゴムストリップを螺旋状に巻き付けて順に積層し(矢印M4)、キャップ部92を形成して、トレッド90の形成が完了する。
図6は、このように形成したベルト補強層80とトレッド90を示す要部断面図であり、タイヤ赤道面CLを中心にした一部を模式的に示している。また、図7は、図6のZ範囲を拡大して模式的に示す断面図である。
このベルト補強層80は、図示のように、複数本(図では6本)の並列したコード81(図7参照)を未加硫ゴムで被覆した帯状の補強部材82からなり、補強部材82を側面を当接させてタイヤ周方向に沿って巻き付け、2層積層して形成される。その際、2つの補強部材82を同時に巻き付け、ベルト補強層80を幅方向に分割して形成することで、ベルト補強層80を効率的に形成して形成時間を短縮している。ただし、この場合には、分割形成したベルト補強層80A、80B間に隙間ができるのを防止するため、分割位置Dで各補強部材82を重ね合わせる必要があり、ベルト補強層80A、80Bの重ねた部分に段差が生じる。
トレッド90(図6参照)は、このベルト補強層80の外周に、ゴムストリップG1、G2(G1にはハッチングを付す)を互いに重ね合わせて積層して、ベース部91とキャップ部92が順に形成される。その際、ベース部91とキャップ部92は、ゴム成形の無駄を省く等のため、同じ幅に成形されたゴムストリップG1、G2により形成され、ベース部91では、ゴムストリップG1の積層間隔を広くして、その重なり幅と積層角度を小さくし、ゲージ(厚さ)が薄く形成される。一方、キャップ部92では、ゴムストリップG2の積層間隔を狭くして、その重なり幅と積層角度を大きくし、ゲージを厚くして、トレッド90を必要なゴムゲージに形成する。
ところが、以上のようにトレッド90を形成すると、ベース部91のゴムストリップG1がタイヤ幅方向に沿うように配置され、この相対的に幅が広いゴムストリップG1により、上記したベルト補強層80A、80Bの重ねた部分の段差が覆われることがある。その結果、段差が埋まらずに、幅広なゴムストリップG1により、ベルト補強層80の分割位置の重ねた部分(図7参照)にエアが閉じ込められて、段差付近に空隙Vが生じる虞がある。また、このように空隙Vが生じると、ゴムストリップG1によりエアの排出が妨げられて、エアが溜まり易くなる虞もある。従って、ベルト補強層80とトレッド90間のエア入りの発生を抑制する観点から、トレッド90のゴムゲージの不足を防止しつつ、エアの閉じ込めに対処することが求められている。
特開平7−314574号公報 特開2006−130880号公報
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、分割形成したベルト補強層にゴムストリップを積層してベース部とキャップ部とを有するトレッドを形成するとき、トレッドのゴムゲージを確保しつつ、ベルト補強層の分割位置の重ねた部分にエアが閉じ込められるのを防止し、ベルト補強層とトレッド間のエア入りの発生を抑制することである。
本発明は、被成形体の外周にベルト補強層を挟んでゴムストリップを積層し、ベース部とキャップ部とを有するトレッドを形成して未加硫タイヤを成形するタイヤ製造方法であって、ベルト補強層を幅方向に分割して、かつ、分割位置で互いに重ねて被成形体の外周に形成する工程と、ベルト補強層の少なくとも重ねた部分を覆わずに、ベルト補強層にゴムストリップを積層してベース部を形成する工程と、ベース部の外周に沿って、ゴムストリップを順次重ね合わせて積層してキャップ部を形成する工程と、キャップ部の形成中にゴムストリップの積層間隔を変更し、ベース部のゴムストリップを積層していない範囲で他の範囲よりも積層間隔を狭くする工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、ゴムストリップにより形成されたトレッドを備えたタイヤであって、幅方向に分割して、かつ、分割位置で互いに重ねて形成され、トレッドの内側に配置されたベルト補強層を備え、トレッドが、ベルト補強層の少なくとも重ねた部分を覆わずに、ベルト補強層にゴムストリップを積層して形成されたベース部と、ベース部の外周に沿ってゴムストリップを順次重ね合わせて積層して形成され、ベース部のゴムストリップを積層していない範囲のゴムストリップの積層間隔が他の範囲の積層間隔よりも狭いキャップ部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、分割形成したベルト補強層にゴムストリップを積層してベース部とキャップ部とを有するトレッドを形成するとき、トレッドのゴムゲージを確保しつつ、ベルト補強層の分割位置の重ねた部分にエアが閉じ込められるのを防止でき、ベルト補強層とトレッド間のエア入りの発生を抑制できる。
本実施形態のタイヤ製造方法を説明するための模式図である。 本実施形態のタイヤ製造方法により形成したベルト補強層とトレッドを示す要部断面図である。 図2のY範囲を拡大して示す断面図である。 積層間隔を変更して積層したゴムストリップを模式的に示す断面図である。 従来のタイヤ製造方法の例を示す模式図である。 従来のベルト補強層とトレッドの例を示す要部断面図である。 図6のZ範囲を拡大して示す断面図である。
以下、本発明のタイヤ製造方法とタイヤの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ製造方法では、被成形体の外周にベルト補強層を挟んでゴムストリップを積層し、ベース部とキャップ部とを有するトレッド(トレッドゴム)を形成して未加硫タイヤを成形する。その際、ここでは、上記と同様に、ベルト補強層を、複数本の並列したコードを未加硫ゴムで被覆した帯状の補強部材により形成する。また、トレッドのベース部とキャップ部を、互いに異なる種類や特性のゴムからなり、同じ幅に成形された各ゴムストリップにより形成する。
ここで、被成形体は、例えば、成形途中段階の未加硫タイヤ、タイヤケース等の中間成形体、又は、タイヤからトレッドを取り除いた更生前の台タイヤであり、タイヤ成形の所定段階でベルト補強層とトレッドが形成される。ただし、被成形体は、ベルトとトレッドの組立体を成形する成形ドラムであってもよく、その構成は特に限定されず、少なくともベルト補強層とトレッドを形成する対象物であればよい。被成形体が成形ドラムであるときには、成形後のベルト・トレッド組立体を、その内側に配置される他の部材の外周に接合等して未加硫タイヤが成形される。また、未加硫タイヤは、未加硫のトレッドが設けられたタイヤであり、生タイヤに加えて、新たに未加硫のトレッドを配置した加硫前の更生タイヤを含む。以下では、成形途中段階の未加硫タイヤにベルト補強層とトレッドを形成して、生タイヤを成形する場合を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のタイヤ製造方法を説明するための模式図であり、タイヤ幅方向断面の要部を拡大して示している。また、図2は、このタイヤ製造方法により形成したベルト補強層とトレッドを示す要部断面図であり、タイヤ赤道面CLを中心にした一部を模式的に示している。図3は、図2のY範囲を拡大して模式的に示す断面図である。
このタイヤ製造方法では、図示のように、未加硫タイヤ成形の所定段階で、2層のベルト71を配置した被成形体70の外周に、補強部材82からなるベルト補強層80と、ゴムストリップG1、G2(G1にはハッチングを付す)からなるトレッド10とを順に形成する。その際、例えば、ベルト補強層80は、補強部材82の供給手段や巻付手段(図示せず)により形成され、トレッド10は、ゴムストリップG1、G2の押出機や積層手段(図示せず)により形成される。即ち、補強部材82(図2参照)は、供給手段から連続して供給されて、巻付手段の押圧ローラにより回転する被成形体70に押圧しつつ巻き付けられ、被成形体70の外面に沿って徐々に移動する押圧ローラにより、被成形体70の所定位置に圧着して配置される。また、ゴムストリップG1、G2は、押出機により未加硫ゴムを押し出して連続して成形されて、積層手段の積層ローラにより被成形体70に押圧しつつ巻き付けられ、被成形体70の外面に沿って徐々に移動する積層ローラにより、被成形体70の所定位置に圧着して積層される。本実施形態では、補強部材82の供給手段と巻付手段を2組設けて、2つの補強部材82によりベルト補強層80を形成する。また、一方のゴムストリップG1の押出機と積層手段を2組設けて、2つのゴムストリップG1によりトレッド10のベース部11を形成するとともに、1つのゴムストリップG2によりキャップ部12を形成する。
ベルト補強層80(図1A参照)は、被成形体70を回転手段により回転させ、その外周に対して、サイド部72から補強部材82の巻き付けを開始し(矢印M1)、同時に、タイヤ赤道面CL付近からも補強部材82の巻き付けを開始する(矢印M2)。これら2つの補強部材82を、タイヤ周方向に沿って配置しながらタイヤ幅方向に徐々に変位させ、それぞれ側面を順に当接させつつ回転する被成形体70に螺旋状に巻き付け、タイヤ赤道面CLとサイド部72まで積層する。これにより、タイヤ赤道面CLを中心にベルト補強層80を幅方向に分割して同時に形成し、これら被成形体70の外周面の異なる範囲に、それぞれ補強部材82を1層又は複数層(ここでは2層)積層する。また、タイヤ赤道面CLの分割位置D(図3参照)で、分割形成されたベルト補強層80A、80Bの補強部材82同士を重ねて、それらが一体化された1つのベルト補強層80を被成形体70に形成(図2参照)する。
このように、ベルト補強層80を幅方向に2以上(ここでは2つ)に分割して、かつ、分割位置Dで側部(補強部材82)を互いに重ねて被成形体70の外周に形成し、被成形体70に、タイヤ周方向に螺旋状に延びるコード81が複数並列したベルト補強層80を配置する。次に、ベルト補強層80を形成した被成形体70の外周に、トレッド10のベルト補強層80と接する内面側のベース部11と、トレッドパターンが形成される外面側のキャップ部12を順に形成する。これにより、ベルト補強層80を含む被成形体70の外周の所定範囲に、薄いベース部11と、厚いキャップ部12とを有するトレッド10を所定形状に形成する。
まず、ベース部11(図1B参照)は、回転する被成形体70に対して、その両サイド部72から、ベース部11を構成するゴムストリップG1の積層を開始し(矢印S1、S2)、2つのゴムストリップG1を同時に積層する。これら2つのゴムストリップG1を、タイヤ周方向に沿って配置しながらタイヤ幅方向に徐々に変位させて螺旋状に連続して巻き付け、それぞれタイヤ赤道面CL近傍まで、互いに所定範囲を重ね合わせて積層する。これにより、ベルト補強層80A、80Bの重ねた部分の段差(図3参照)を挟んで、両側にゴムストリップG1を積層し、タイヤ幅方向に分断されたベース部11A、11Bを同時に形成する。
本実施形態では、このトレッド10のベース部11を被成形体70の外周に形成するとき、ベルト補強層80の所定の非積層範囲(図2、図3の範囲H)を除いて、ベルト補強層80の外周にゴムストリップG1を隙間なく積層する。非積層範囲Hは、ベルト補強層80の重ねた部分の段差を含んで、それよりも広く設定され、その範囲Hのベルト補強層80と補強部材82の重ねた部分は、ゴムストリップG1が積層されずにベース部11から露出する。このように、ベース部11を、ベルト補強層80の少なくとも重ねた部分(ここでは、少なくとも重ねた部分を含む所定範囲)を覆わずに、ベルト補強層80にゴムストリップG1を積層して形成する。
その際、分断したベース部11A、11Bの対向する端部を、トレッド10(図2の上段に仮想的に二点鎖線で示す)の溝13(ここではタイヤ周方向に延びる周方向溝)が形成される位置(溝形成位置M)に対して、タイヤ幅方向の内側又は外側(ここでは内側)に位置させる。即ち、ゴムストリップG1の積層時に、ベルト補強層80の重ねた部分を挟んだ両側(図2参照)のゴムストリップG1の端部F1、F2を、トレッド10の溝形成位置Mを外して、そのタイヤ半径方向内側からずれた位置に配置する。これにより、タイヤ赤道面CL及び非積層範囲Hを挟んで、両側のゴムストリップG1の端部F1、F2と溝形成位置Mとを異なるタイヤ幅方向位置に配置し、ゴムストリップG1の積層を終了してベース部11を形成する。次に、ベース部11に重ねて、トレッド10のキャップ部12を形成する。
キャップ部12(図1B参照)は、回転する被成形体70に対して、その一方のサイド部72から、キャップ部12を構成するゴムストリップG2の積層を開始する(矢印S3)。このゴムストリップG2を、タイヤ周方向に沿って配置しながらタイヤ幅方向に徐々に変位させて螺旋状に連続して巻き付け、他方のサイド部72まで、互いに所定範囲を重ね合わせて積層する。これにより、ベース部11の外周(ゴムストリップG1を積層していない範囲を含む)に沿って、その外周の全体に亘り、ゴムストリップG2を順次重ね合わせて積層してキャップ部12を形成し、被成形体70(図2、図3参照)の外周に所定形状のトレッド10を形成する。ただし、本実施形態では、このキャップ部12の形成中にゴムストリップG2の積層間隔を変更し、ベース部11のゴムストリップG1を積層していない非積層範囲Hで他の範囲(ゴムストリップG1の積層範囲)よりも積層間隔を狭くする。
図4は、積層間隔を変更して積層したゴムストリップG1、G2を模式的に示す断面図であり、A〜Cの順に積層間隔(P1>P2>P3)が狭くなっている。
ゴムストリップG1、G2は、図示のように、幅が同じときでも、積層間隔が狭くなるほど、重なり幅と被積層面に対する積層角度とが大きくなり、積層後の全体としてのゲージ(厚さ)が厚くなる。このように、積層間隔に応じてゴムゲージを変更でき、これを利用して、ベース部11とキャップ部12の各部を、それぞれ必要な各厚さに形成する。具体的には、ベース部11(図4A参照)は、ゴムストリップG1の積層間隔P1を広くして積層角度を小さくし、ゲージT1が薄く形成される。
これに対し、キャップ部12(図4B、図4C参照)は、ゴムストリップG2の積層間隔P2、P3を狭くして積層角度を大きくし、ゲージT2、T3が厚く形成される。また、キャップ部12は、ベース部11のゴムストリップG1の積層範囲(図4B参照)では、ゴムストリップG2を積層間隔P2でベース部11上に積層し、非積層範囲H(図4C参照)では、積層間隔P3を相対的に狭くして、ゴムストリップG2をベルト補強層80上に積層する。このように、キャップ部12では、ゴムストリップG2を、非積層範囲Hと、その前後の範囲とで積層間隔を連続して変化させて積層し、非積層範囲Hでは狭い積層間隔P3で積層して、よりゲージT3を厚くする。これにより、ベース部11のゴムストリップG1がない部分(図2、図3参照)で、キャップ部12をベース部11のゲージT1に応じて厚くし、ベース部11とキャップ部12からなるトレッド10の全体の厚さを均一にして、必要なゴムゲージに形成している。併せて、非積層範囲H(図3参照)では、ゴムストリップG2の幅方向の側部を、ベルト補強層80の表面に合わせて配置し、その段差部にそれぞれ当接させて積層する。
これら各工程を経て成形された未加硫タイヤは、タイヤ加硫機の加硫モールド内に収納されて加硫成型される。これにより、トレッド10に、溝13(図2参照)等からなる所定のトレッドパターンが形成されて、空気入りタイヤ等の各種のタイヤが製造される。
製造後のタイヤは、トレッド部に、ゴムストリップG1、G2により形成されたトレッド10を備えるとともに、幅方向に分割して、かつ、分割位置Dで互いに重ねて形成され、トレッド10の内側に配置されたベルト補強層80を備える。また、トレッド10が、ベルト補強層80の少なくとも重ねた部分を覆わずに、ベルト補強層80にゴムストリップG1を積層して形成されたベース部11と、ベース部11の外周に沿ってゴムストリップG2を順次重ね合わせて積層して形成されたキャップ部12とを有する。このベース部11は、ベルト補強層80の重ねた部分の段差を含んで設定された非積層範囲Hを除いて、ベルト補強層80にゴムストリップG1を積層して形成される。また、このタイヤでは、ベース部11は、ベルト補強層80の重ねた部分を挟んだ両側のゴムストリップG1の端部F1、F2が、トレッド10の溝形成位置Mを外して配置される。一方、キャップ部12は、ベース部11のゴムストリップG1を積層していない範囲のゴムストリップG2の積層間隔P3が他の範囲の積層間隔P2よりも狭くなっている。
以上説明したように、本実施形態では、ベルト補強層80を幅方向に分割して、かつ、分割位置Dで互いに重ねて被成形体70の外周に形成するため、ベルト補強層80を隙間なく効率的に形成して形成時間を短縮できる。また、トレッド10のベース部11をベルト補強層80の重ねた部分を覆わずに形成した後、ベース部11の外周に沿って、ゴムストリップG2を順次重ね合わせて積層してキャップ部12を形成する。そのため、ベース部11のゴムストリップG1により、ベルト補強層80の重ねた部分の段差が覆われることがなく、その付近にエアが閉じ込められずに、段差付近に空隙が生じるのを防止できる。
加えて、キャップ部12のゴムストリップG2の積層間隔を、ベース部11のゴムストリップG1を積層していない範囲で他の範囲よりも狭くすることで、上記のように、トレッド10の全体の厚さを均一にして、必要なゴムゲージに形成できる。また、積層角度が大きいゴムストリップG2の側部を、ベルト補強層80の段差部にそれぞれ当接させて積層できるため、ゴムストリップG2をベルト補強層80の表面に合わせて積層して段差を埋める効果が得られる。同時に、ベルト補強層80とキャップ部12間にエアが残っても、加硫成型時に、積層角度が大きい複数のゴムストリップG2間を通って、比較的容易にエアが外部に排出されるため、それらの間にエアが溜まるのを抑制できる。
従って、本実施形態によれば、分割形成したベルト補強層80にゴムストリップG1、G2を積層してベース部11とキャップ部12とを有するトレッド10を形成するとき、トレッド10の必要なゴムゲージを確保して設定された断面形状に形成できる。また、ベルト補強層80の分割位置Dの重ねた部分にエアが閉じ込められるのを防止でき、ベルト補強層80とトレッド10間のエア入りの発生を抑制できる。更に、ここでは、ベルト補強層80の重ねた部分の段差を含んで非積層範囲Hを設定し、その範囲Hを除いてベルト補強層80にゴムストリップG1を積層する。その際、非積層範囲Hを、ベルト補強層80の補強部材82を重ねる範囲や位置の誤差や変動、又は、発生する段差の程度等に応じて適宜設定することで、ベルト補強層80の重ねた部分を確実に覆わずに、かつ、ゴムストリップG1を適切な範囲に積層できる。
ここで、ベース部11(図2参照)を形成する際に、ベルト補強層80の重ねた部分を挟んだ両側のゴムストリップG1の端部F1、F2を、トレッド10の溝形成位置M内に配置すると、加硫成型時に溝13の形成に伴う圧力が端部F1、F2に大きく作用する。また、溝13の形成に応じたゴムの流動の影響で、ゴムストリップG1の端部F1、F2に、位置を変動させる力が作用する。その結果、端部F1、F2が所定の配置位置から変位して、ベルト補強層80の段差部に接近し、或いは、ベース部11のゴムストリップG1のない範囲が所望範囲よりも広く、又は狭くなる虞がある。従って、ゴムストリップG1の端部F1、F2は、トレッド10の溝形成位置Mを外して配置するのが望ましい。ただし、ゴムストリップG1の端部F1、F2を溝形成位置M内に配置する必要があるときには、最も大きな力が作用する溝13の中心位置Nを外して配置することで、大きな変位の発生を抑制できる。
なお、本実施形態では、ベルト補強層80をタイヤ赤道面CLにおいて2つに分割して形成したが、ベルト補強層80は、タイヤ赤道面CL以外の位置で分割して形成してもよい。また、ベルト補強層80は、3つ以上に分割して形成してもよく、この場合には、各分割位置で、上記と同様にトレッド10のベース部11とキャップ部12を形成する。これに対し、トレッド10も、ベース部11とキャップ部12に加えて、両側部に沿って、サイド部等の他のゴム層を有するゴム部材であってもよい。
(タイヤ製造試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したタイヤ製造方法により、ベルト補強層80とトレッド10を形成して未加硫タイヤを成形した後、加硫成型してタイヤを製造した。このタイヤを、非破壊で内部の欠陥を特定可能な検査装置(ここでは、シアログラフィー)により検査し、エア入りの有無を確認した。試験では、JATMA YEAR BOOK(2009、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ235/35R19、及び、235/40R18の乗用車用ラジアルプライタイヤを41本と30本製造し、それぞれエア入りを検査した。試験結果を、表1に示す。
Figure 0005320201
その結果、表1に示すように、全てのタイヤでエア入りは発生せず、検査合格率は、それぞれ41本中41本、30本中30本で100%であった。これより、本発明により、ベルト補強層80の分割位置Dの重ねた部分にエアが閉じ込められるのを防止でき、ベルト補強層80とトレッド10間のエア入りの発生を抑制できることが証明された。
10・・・トレッド、11・・・ベース部、12・・・キャップ部、70・・・被成形体、71・・・ベルト、80・・・ベルト補強層、81・・・コード、82・・・補強部材、CL・・・タイヤ赤道面、D・・・分割位置、G1、G2・・・ゴムストリップ。

Claims (6)

  1. 被成形体の外周にベルト補強層を挟んでゴムストリップを積層し、ベース部とキャップ部とを有するトレッドを形成して未加硫タイヤを成形するタイヤ製造方法であって、
    ベルト補強層を幅方向に分割して、かつ、分割位置で互いに重ねて被成形体の外周に形成する工程と、
    ベルト補強層の少なくとも重ねた部分を覆わずに、ベルト補強層にゴムストリップを積層してベース部を形成する工程と、
    ベース部の外周に沿って、ゴムストリップを順次重ね合わせて積層してキャップ部を形成する工程と、
    キャップ部の形成中にゴムストリップの積層間隔を変更し、ベース部のゴムストリップを積層していない範囲で他の範囲よりも積層間隔を狭くする工程と、
    を有することを特徴とするタイヤ製造方法。
  2. 請求項1に記載されたタイヤ製造方法において、
    ベース部を形成する工程が、ベルト補強層の重ねた部分を挟んだ両側のゴムストリップの端部を、トレッドの溝形成位置を外して配置する工程を有することを特徴とするタイヤ製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたタイヤ製造方法において、
    ベース部を形成する工程が、ベルト補強層の重ねた部分の段差を含んで設定された非積層範囲を除いて、ベルト補強層にゴムストリップを積層する工程を有することを特徴とするタイヤ製造方法。
  4. ゴムストリップにより形成されたトレッドを備えたタイヤであって、
    幅方向に分割して、かつ、分割位置で互いに重ねて形成され、トレッドの内側に配置されたベルト補強層を備え、
    トレッドが、ベルト補強層の少なくとも重ねた部分を覆わずに、ベルト補強層にゴムストリップを積層して形成されたベース部と、ベース部の外周に沿ってゴムストリップを順次重ね合わせて積層して形成され、ベース部のゴムストリップを積層していない範囲のゴムストリップの積層間隔が他の範囲の積層間隔よりも狭いキャップ部と、を有することを特徴とするタイヤ。
  5. 請求項4に記載されたタイヤにおいて、
    ベース部は、ベルト補強層の重ねた部分を挟んだ両側のゴムストリップの端部が、トレッドの溝形成位置を外して配置されていることを特徴とするタイヤ。
  6. 請求項4又は5に記載されたタイヤにおいて、
    ベース部が、ベルト補強層の重ねた部分の段差を含んで設定された非積層範囲を除いて、ベルト補強層にゴムストリップを積層して形成されていることを特徴とするタイヤ。
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