JP2011025807A - 空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ径方向の力の変動(RFV)を抑制した空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】カーカス層20と、カーカス層20の径方向外側に設けられたベルト層22と、ベルト層22の径方向外側に設けられたトレッド26と、をタイヤ10が有し、カーカス層20は、一対のビードコア14間をトロイド状に延びる本体部16と、ビードコア14の周りに折り返されて端部19がベルト層22よりもタイヤ赤道面CL側に位置する折返し部18と、長尺カーカスプライ30の端部同士又は短尺カーカスプライ31の隣接する端部同士が重ね合わされた重ね合せ部32と、を備え、さらに、端部領域Hについてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、第1端部領域H1の厚みT1を第2端部領域H2の厚みT2よりも薄くすることで、タイヤ径方向の力の変動(RFV)を抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、カーカス層の折返し部の端部がカーカス層の径方向外側に配設されるベルト層の端部よりもタイヤ赤道面側に位置している空気入りタイヤ、及びこの空気入りタイヤの製造方法に関する。
カーカス層をビードコアの周りに折返した折返し部の端部を、カーカス層の径方向外側に配設されるベルト層の端部よりもタイヤ赤道面側に位置(ベルト層の下部に位置)させて、カーカス層の本体部とベルト層とでカーカス層の折返し部の端部を挟み込む、所謂エンベロープ構造を採用した空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、カーカス層の折返し部のうち、カーカス層のジョイント部(製造時にカーカス層の周方向の端部同士を重ねて接合した部分)を折り返した部分は、他の部位よりも多層(計4層)となるため、ジョイント部と他の部位との段差が大きくなる。
このため、折返し部の端部がベルト層の下部に位置するエンベロープ構造を採用した空気入りタイヤでは、タイヤのユニフォミティのうち、タイヤ径方向の力の変動(すなわち、上下の変動)であるラジアル・フォースバリエーション(RFV)が悪化する問題がある。
特許文献1に開示の空気入りタイヤは、カーカス層の折返し部のうち、ジョイント部の端部を切り欠くことで他の部位との段差を小さくして上述の問題点であるRFVの悪化を抑制している。
特開2008−222000号公報
しかし、カーカス層の折返し部を切り欠く特許文献1とは異なる方法で、空気入りタイヤのRFVを抑制することが求められている。
以上のことから、本発明は、タイヤ径方向の力の変動(RFV)を抑制した空気入りタイヤ、及びこの空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の空気入りタイヤは、周方向の端部同士が重ね合わされた一枚の長尺カーカスプライ、又は周方向に並べられて隣接する端部同士が重ね合わされた複数枚の短尺カーカスプライによって形成されたトロイド状のカーカス層と、前記カーカス層の径方向外側に設けられたベルト層と、前記ベルト層の径方向外側に設けられて前記ベルト層を覆うトレッドと、を有し、前記カーカス層は、一対のビードコア間をトロイド状に延びる本体部と、前記ビードコアの周りに幅方向内側から幅方向外側へ折り返されて端部が前記ベルト層の幅方向端部よりもタイヤ赤道面側に位置する折返し部と、前記一枚の長尺カーカスプライの周方向の端部同士、又は前記複数枚の短尺カーカスプライの隣接する端部同士が重ね合わされた重ね合せ部と、を備え、前記折返し部の端部から前記トレッドの幅方向外側端部までの端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記重ね合せ部に対応する前記トレッドの領域を第1の端部領域とし、該第1の端部領域を除いた前記トレッドの領域を第2の端部領域とすると、前記第1の端部領域の厚みは、前記第2の端部領域の厚みよりも薄い。
請求項1の空気入りタイヤによれば、カーカス層の厚みは、重ね合せ部を折返した折り返し部で最も厚くなるが、トレッドは、端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、第1の端部領域の厚みが前記第2の端部領域の厚みよりも薄いことから、カーカス層の内周面からトレッドの外周面までの厚みが、トレッドの第1の端部領域の厚みと第2の端部領域の厚みを同じにしたものと比べて、均一に近づく。これにより、トレッド外周面の端部領域における周方向の均一性が向上し、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)が抑制される。
請求項2の空気入りタイヤは、請求項1の空気入りタイヤにおいて、前記端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記カーカス層の内周面から前記トレッドの外周面までの厚みが均一となるように、前記第1の端部領域の厚みが前記第2の端部領域の厚みよりも薄くされている。
請求項2の空気入りタイヤによれば、端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、カーカス層の内周面からトレッドの外周面までの厚みが均一となるように第1の端部領域の厚みを第2の端部領域の厚みよりも薄くしていることから、端部領域におけるトレッド外周面の周方向の均一性がさらに向上する。
請求項3の空気入りタイヤは、請求項1又は請求項2の空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の前記折返し部の両端部間の中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記重ね合せ部に対応する前記トレッドの領域を第1の中央領域とし、該第1の中央領域を除いた前記トレッドの領域を第2の中央領域とすると、前記第1の中央領域の厚みは、前記第2の中央領域の厚みよりも薄い。
請求項3の空気入りタイヤによれば、中央領域におけるカーカス層の厚みは、重ね合せ部で厚くなるが、中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、トレッドは、第1の中央領域の厚みが第2の中央領域の厚みよりも薄いことから、カーカス層の内周面からトレッドの外周面までの厚みが、トレッドの第1の中央領域の厚みと第2の中央領域の厚みを同じにしたものと比べて、均一に近づく。これにより、トレッド外周面の中央領域における周方向の均一性が向上し、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)が抑制される。
請求項4の空気入りタイヤは、請求項3の空気入りタイヤにおいて、 前記中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記カーカス層の内周面から前記トレッドの外周面までの厚みが均一となるように、前記第1の中央領域の厚みが前記第2の中央領域の厚みよりも薄くされている。
請求項4の空気入りタイヤによれば、中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、カーカス層の内周面からトレッドの外周面までの厚みが均一となるように第1の中央領域の厚みを第2の中央領域の厚みよりも薄くしていることから、中央領域におけるトレッド外周面の周方向の均一性がさらに向上する。
請求項5の空気入りタイヤの製造方法は、周方向の端部同士を重ね合わせることで重ね合せ部が形成された一枚の未加硫長尺カーカスプライ、又は周方向に並べられて隣接する端部同士を重ね合わせることで重ね合せ部が形成された複数枚の未加硫短尺カーカスプライによって環状カーカスプライを形成し、該環状カーカスプライの幅方向両端部を一対の未加硫ビードコアの周りに幅方向内側から幅方向外側へ折り返すと共に、前記一対の未加硫ビードコア間の本体部分を径方向外側へ膨らませてトロイド状に成形して未加硫カーカス層を形成するカーカス層形成工程と、前記未加硫カーカス層の径方向外側に前記幅方向両端部を覆うように未加硫ベルト層を形成するベルト層形成工程と、前記未加硫カーカス層の前記重ね合せ部に対応した領域の厚みを他の部位よりも薄くした帯状の未加硫トレッドゴムを用い、該未加硫トレッドゴムを前記未加硫ベルト層に巻き付けて未加硫トレッドを形成するトレッド形成工程と、を有する。
請求項5の空気入りタイヤの製造方法によれば、未加硫カーカス層は、重ね合せ部の厚みが他の部位よりも厚くなるが、未加硫カーカス層の重ね合せ部に対応した領域の厚みを他の部位よりも薄くした未加硫トレッドゴムを用い、該未加硫トレッドゴムを未加硫ベルト層に巻き付けて未加硫トレッドを形成することから、このようにして形成された未加硫タイヤを加硫した空気入りタイヤは、未加硫トレッドゴムの厚みを均一としたものを用いて形成された空気入りタイヤと比べて、トレッド外周面の周方向の均一性が向上し、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)が抑制される。
ここで、未加硫カーカス層の重ね合せ部に対応した領域の厚みを他の部位よりも薄くした未加硫トレッドゴムを用いるため、厚みを均一とした未加硫トレッドゴムを用いる場合と比べて、未加硫トレッドの外周面の周方向の均一性を向上させるために、外周面を削って均す作業が軽減又は削除される。これにより、生産性が向上される。
請求項6の空気入りタイヤの製造方法は、請求項5の空気入りタイヤの製造方法において、前記未加硫トレッド形成工程では、前記未加硫トレッドゴムの巻き付け始端部と該巻き付け始端部に突き合わされる巻き付け終端部とが、前記未加硫カーカス層の重ね合せ部の径方向外側に配置される。
請求項6の空気入りタイヤの製造方法によれば、未加硫トレッドゴムの巻き付け始端部とこれに突き合わされる巻き付け終端部とが、未加硫カーカス層の重ね合せ部の径方向外側に配置される。つまり、巻き付け始端部と巻き付け終端部は、未加硫カーカス層の重ね合せ部に対応した領域となるため、未加硫トレッドゴムの重ね合せ部に対応していない部位よりも薄くなっている。これにより、未加硫トレッドゴムの未加硫カーカス層の重ね合せ部に対応した領域を未加硫カーカス層の重ね合せ部の径方向外側へ精度よく位置決めすることができる。
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ径方向の力の変動(RFV)を抑制することができる。また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ径方向の力の変動(RFV)を抑制した空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の第1の実施形態の空気入りタイヤの一部分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 第1実施形態のカーカス層の斜視図である。 (A)は、中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面図である。(B)は、端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面図である。 (A)は、第1実施形態の空気入りタイヤの製造工程を示す未加硫タイヤの幅方向断面図である。(B)は、未加硫カーカス層の平面図である。(C)は、未加硫カーカス層の側面図である。(D)は、未加硫トレッドの平面図である。(E)は、図5(D)の5E−5E線断面図である。(F)は、図5(D)の5F−5F線断面図である。 (A)は、未加硫カーカス層の中央領域の重ね合せ部の径方向外側に未加硫トレッドゴムを巻き付ける前の状態を示すタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面である。(B)は、未加硫カーカス層の中央領域の重ね合せ部の径方向外側に未加硫トレッドゴムを巻き付けた後の状態を示すタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面である。 (A)は、未加硫カーカス層の端部領域の重ね合せ部の径方向外側に未加硫トレッドゴムを巻き付ける前の状態を示すタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面である。(B)は、未加硫カーカス層の折返し部の重ね合せ部の径方向外側に未加硫トレッドゴムを巻き付けた後の状態を示すタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の空気入りタイヤ(以下、単にタイヤと記載。)を図1〜図4に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のタイヤ10は、左右一対のビード部12と、左右一対のビード部12にそれぞれ埋設されたビードコア14と、左右一対のビードコア14間にトロイド状に延びる本体部16とビードコア14の周りに幅方向内側から幅方向外側へ折り返される折返し部18とを有するカーカス層20と、このカーカス層20の径方向外側に設けられたベルト層22と、ベルト層22の径方向外側に設けられてベルト層22を覆うトレッド26と、を有している。
また、ビードコア14の径方向外側にはビードフィラー15が配設され、このビードフィラー15はカーカス層20の本体部16と折返し部18とで挟まれている。さらに、カーカス層20の内周面には、インナーライナー21が設けられている。
カーカス層20は、周方向の端部同士が重ね合わされた一枚の長尺カーカスプライ30によって形成されており、長尺カーカスプライ30の周方向の端部同士が重ね合わされた重ね合せ部32(図3参照)を有している。なお、折り返し部18の重ね合せ部32は、本体部16の重ね合せ部32と重なり合っている。
長尺カーカスプライ30は、図3に示すように、互いに平行に並べられた複数本のカーカスコード34を被覆ゴム36で被覆して形成されている。このカーカスコード34は、ラジアル方向に沿って延びており、金属繊維や有機繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維など)の単線又は撚り線で構成されている。
また、図1及び図2に示すように、カーカス層20の両折返し部18の端部19はベルト層22によって覆われている。換言すると、両端部19はベルト層22の幅方向端部よりもタイヤ赤道面CL側に位置している。つまり、本実施形態のタイヤ10はエンベロープ構造を採用している。
ベルト層22は、3枚のベルトプライ23〜25によって構成されている。ベルトプライ23〜25は、タイヤ径方向最内側をベルトプライ23として、その径方向外側にベルトプライ24、25の順で配置されている。なお、ベルトプライ23〜25は、従来公知のタイヤ補強部材としてのベルトと同構造のものを適用することができる。
トレッド26は、タイヤ10の路面と接地する部位であり、外周面に溝などで構成されるトレッドパターン(図省略)が形成されている。
図2に示すように、折返し部18の端部19からトレッド26の幅方向外側端部までの領域を端部領域Hとし、該端部領域Hのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面(図4(B)参照)において、重ね合せ部32に対応するトレッド26の領域を第1端部領域H1とし、該第1端部領域H1を除いたトレッド26の領域を第2端部領域H2とすると、第1端部領域H1の厚みT1は、第2端部領域H2の厚みT2よりも薄くなっている。
具体的には、端部領域Hのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、トレッド26は、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが均一となるように、第1端部領域H1の厚みT1が第2端部領域H2の厚みT2よりも薄くされている。
なお、本実施形態では、端部領域Hにおいて、折返し部18の重ね合せ部32と本体部16の重ね合せ部32とが重なり合う部分の厚みが長尺カーカスプライ30の4枚分の厚みとなり、それ以外の部分(重ね合せ部32を除いた部分)の厚みが長尺カーカスプライ30の2枚分の厚みとなることから、長尺カーカスプライ30の2枚分の厚みをトレッド26の第2端部領域H2よりも第1端部領域H1で薄くしている。
また、図2に示すように、カーカス層20の折返し部18の両端部19間を中央領域Cとし、該中央領域Cのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面(図4(A)参照)において、重ね合せ部32に対応するトレッド26の領域を第1中央領域C1とし、該第1中央領域C1を除いたトレッド26の領域を第2中央領域C2とすると、第1中央領域C1の厚みT3は、第1中央領域C1を除いた第2中央領域C2の厚みT4よりも薄くなっている。
具体的には、中央領域Cのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、トレッド26は、カーカス層20の内周面からトレッドの外周面までの厚みが均一となるように、第1中央領域C1の厚みT3が第2中央領域C2の厚みT4よりも薄くされている。
なお、本実施形態では、中央領域Cにおいて、重ね合せ部32の厚みが長尺カーカスプライ30の2枚分の厚みとなり、重ね合せ部32を除いた他の部位の厚みが長尺カーカスプライ30の1枚分の厚みとなることから、長尺カーカスプライ30の1枚分の厚みをトレッド26の第2中央領域C2よりも第1中央領域C1で薄くしている。
また、トレッド26の厚みは、中央領域Cよりも端部領域Hで薄くすることが好ましい。具体的には、カーカス層20は、折返し部18がある部分と折り返し部18がない部分とで厚みが長尺カーカスプライ30の一枚分異なるため、トレッド26は中央領域Cよりも端部領域Hで厚みを長尺カーカスプライ30の1枚分薄くすることがより好ましい。
次に、タイヤ10の製造工程について図5〜図7に基づいて説明する。
(カーカス層形成工程)
まず、平行に並べられたカーカスコード34を未加硫被覆ゴム36Gで被覆して帯状の未加硫長尺カーカスプライ30Gを形成する。このとき、カーカスコード34を未加硫長尺カーカスプライ30Gの幅方向に沿って配置する。
次に、未加硫インナーライナー(図資省略)が巻き付けられた成形ドラム(図示省略)に未加硫長尺カーカスプライ30Gを巻き付け、未加硫長尺カーカスプライ30Gの周方向の端部同士を重ね合わせて接合して環状カーカスプライを形成する。なお、未加硫長尺カーカスプライ30Gの端部同士の接合は、従来と同様にローラなどによる圧着、又は接着剤による接着によって行なわれる。
次に、環状カーカスプライの幅方向両端部の外周側に一対の未加硫ビードコア14G及び未加硫ビードフィラー15Gを配置し、環状カーカスプライの幅方向両端部を未加硫ビードコア14Gの周りに折り返すと共に、この未加硫ビードコア14Gを互いに近づけながら、未加硫ビードコア14G間の本体部分を径方向外側へ膨らませてトロイド状に成形する(図5(A)参照)。そして、未加硫ビードコア14Gの周りに折り返した折返し部18をトロイド状に成形された本体部16の外周面に接合することで、折り返し部18と本体部16との間に未加硫ビードコア14G及び未加硫ビードフィラー15Gが挟み込まれる。このようにして未加硫カーカス層20Gが形成される。ここで、未加硫カーカス層20Gには、未加硫長尺カーカスプライ30Gの周方向の端部同士が重ね合わされた重ね合せ部32が形成される(図5(B)及び図5(C)参照)。また、折り返し部18は、端部19が後述する未加硫ベルト層22Gの幅方向端部よりもタイヤ赤道面CL側に位置するように折り返されている。
(ベルト層形成工程)
次に、ベルトコード及びベルトコードを被覆した未加硫被覆ゴムからなる帯状の未加硫ベルトプライ23G〜25Gが未加硫カーカス層20Gの径方向外側に順次巻き付けられて、未加硫ベルト層22Gを形成する。このとき、未加硫カーカス層20Gの折返し部18の両端部が未加硫ベルト層22Gの幅方向端部よりもタイヤ赤道面CL側に位置する。
(トレッド形成工程)
次に、図6及び図7に示すように、未加硫カーカス層20Gの重ね合せ部32に対応した領域の厚みを他の部位よりも薄くした帯状の未加硫トレッドゴム27Gを用い、該未加硫トレッドゴム27Gを未加硫ベルト層22Gに巻き付けて未加硫トレッド26Gを形成する。
ここで、未加硫トレッドゴム27Gは、図6(A)に示されるように、未加硫カーカス層20Gの折り返し部18の重ね合せ部32に対応した第1領域HGの厚みを、折返し部18の重ね合せ部32と折返し部18の重ね合せ部32を除いた他の部位との厚みの差分薄くしている。
また、図7(A)に示されるように、未加硫トレッドゴム27Gの未加硫カーカス層20Gの両端部19間の中央部分に対応した第2領域CGの厚みを、前記中央部分の重ね合せ部32と前記中央部分の重ね合せ部32を除いた他の部位との厚みの差分薄くしている。なお、未加硫トレッドゴム27Gは、巻付け面側又はその逆側をバフなどで削って厚みを薄くしている。
これにより、図6(B)及び図7(B)に示すように、未加硫カーカス層20Gの重ね合せ部32に対応した第1領域HG及び第2領域CGの厚みを他の部位よりも薄くした未加硫トレッドゴム27Gを用い、この未加硫トレッドゴム27Gを未加硫ベルト層22Gに巻き付けた場合は、厚みを均一とした未加硫トレッドゴム27Gを未加硫ベルト層22Gに巻き付けた場合と比べて、未加硫トレッド26Gの外周面の周方向の均一性を向上させるために、外周面を削って均す作業が軽減又は削除される。これにより、タイヤの製造工程における生産性が向上される。
また、図6及び図7に示すように、未加硫トレッドゴム27Gの巻き付け始端部28Gを未加硫カーカス層20Gの重ね合せ部32の径方向外側に配置して、未加硫トレッドゴム27Gを未加硫ベルト層22Gに巻き付け、巻き付け始端部28Gに巻き付け終端部29Gを突き合わせて接合して未加硫トレッド26Gを形成している。ここで、本実施形態では、巻き付け始端部28G、及び巻き付け終端部29Gが第1領域HG及び第2領域CGに対応するため、厚みが薄くなっている。これにより、未加硫トレッドゴム27Gの第1領域HG、及び第2領域CGを未加硫カーカス層20Gの重ね合せ部32の径方向外側へ精度よく位置決めすることができる。
そして、未加硫トレッド26Gが形成された未加硫タイヤは加硫工程で加硫される。このようにして、タイヤ10が製造される。
次に本実施形態のタイヤ10の作用について説明する。
カーカス層20の厚みは、折返し部18の重ね合せ部32と本体部16の重ね合せ部32とが重なり合う部分で最も厚くなるが、トレッド26は、端部領域Hについてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面(図4(B)参照)において、第1端部領域H1の厚みT1が第2端部領域H2の厚みT2よりも薄いことから、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが、トレッド26の第1端部領域H1の厚みT1と第2端部領域H2の厚みT2を同じにしたものと比べて、均一に近づく。
ここでさらに、端部領域Hについてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが均一となるように第1端部領域H1の厚みT1を第2端部領域H2の厚みT2よりも薄くしていることから、端部領域Hにおけるトレッド26の外周面の周方向の均一性が向上し、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)が効果的に抑制される。
また、前記中央部分におけるカーカス層20の厚みは、重ね合せ部32で厚くなるが、中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面(図4(A)参照)において、トレッド26は、第1中央領域C1の厚みT3が第2中央領域C2の厚みT4よりも薄いことから、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが、トレッド26の第1中央領域C1の厚みT3と第2中央領域C2の厚みT4を同じにしたものと比べて、均一に近づく。
ここでさらに、中央領域Cについてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが均一となるように第1中央領域C1の厚みT3を第2中央領域C2の厚みT4よりも薄くしていることから、中央領域Cにおけるトレッド26の外周面の周方向の均一性が向上し、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)が効果的に抑制される。
以上のことから、トレッド26の中央領域C及び端部領域Hにおけるトレッド26の外周面の周方向の均一性が向上するため、走行時のタイヤ径方向の力の変動(RFV)を大幅に抑制することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、カーカス層20は、周方向の端部同士が重ね合わされた一枚の長尺カーカスプライ30によって形成され、周方向の端部同士が重ね合わされた重ね合せ部32を有する構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、カーカス層20は、周方向に並べられて隣接する端部同士が重ね合わされた複数枚の短尺カーカスプライ31によって形成され、隣接する端部同士が重ね合わされた重ね合せ部32を有する構成としてもよい。この場合、トレッド26には、複数箇所の重ね合せ部32の一つに対応するように第1端部領域H1を設けてもよく、全ての重ね合せ部32に対応するように複数の第1端部領域H1を設けてもよい。
なお、カーカス層20は、タイヤ製造工程において、複数枚の未加硫短尺カーカスプライ31Gを隣接する端部同士を重ね合わせながら一列に並べて形成した帯状体を成形ドラム(図示省略)に巻き付け、帯状体の周方向端部同士を重ね合わせて環状カーカスプライを形成してもよく、成形ドラムに複数枚の未加硫短尺カーカスプライ31Gを隣接する端部同士を重ね合わせながら周方向に並べて環状カーカスプライを形成してもよい。
また、上述の実施形態では、トレッド26の第1端部領域H1を第2端部領域H2よりも薄くし、且つ第1中央領域C1を第2中央領域C2よりも薄くする構成としたが、本発明はこの構成に限らず、トレッド26の第1端部領域H1を第2端部領域H2よりも薄くするが、第1中央領域C1を第2中央領域C2よりも薄くしない構成としてもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、本発明を適用したタイヤ(実施例)と、本発明を適用していないタイヤ(比較例)を用いて以下の評価を行なった。なお、試験に用いた供試タイヤのサイズは、225/45R17であった。
(供試タイヤ)
実施例:第1の実施形態の構造を有するタイヤである。なお、カーカスコードをポリエチレンテレフタレート繊維(1670dtex/2)からなる有機繊維コードとした。また、カーカスプライの厚みは1mmであり、折返し部18の重ね合せ部32と本体部16の重ね合せ部32とが重なり合った部分の厚みが4mmであった。そして、トレッド26の第1端部領域H1の厚みT1を第2端部領域H2の厚みT2よりも2mm薄くし、第1中央領域の厚みT3を第2中央領域C2の厚みT4よりも1mm薄くした。
比較例:実施例のタイヤの第1端部領域H1の厚みT1と第2端部領域H2の厚みT2を同じにしたタイヤである。すなわち、カーカス層20の内周面からトレッド26の外周面までの厚みが周方向で均一でないタイヤである。
(試験条件)
試験は、供試タイヤをJATMA規格の正規リムに装着し、このリム組み供試タイヤをユニフォミティ試験機(RFV測定用試験機)にセットしてタイヤ径方向の力の変動(RFV)を測定した。なお、RFV測定試験ではリム組み供試タイヤを10回転させたときのRFVの測定値(表1参照)を求めた。その後、RFVの測定値をフーリエ解析してタイヤ一回転に検出される一次成分RH1(表1参照)を求めた。なお、測定値は、数値が小さいほど良好な結果を示している。
Figure 2011025807
表1の結果から、実施例は比較例と比べてRFV、及びRH1が改良されていることが分かる。
10 タイヤ
14 ビードコア
16 本体部
18 折返し部
19 端部
20 カーカス層
22 ベルト層
26 トレッド
30 長尺カーカスプライ
31 短尺カーカスプライ
32 重ね合せ部
C 中央領域
C1 第1中央領域
C2 第2中央領域
H 端部領域
H1 第1端部領域
H2 第2端部領域
14G 未加硫ビードコア
20G 未加硫カーカス層
22G 未加硫ベルト層
26G 未加硫トレッド
27G 未加硫トレッドゴム
28G 巻き付け始端部
29G 巻き付け終端部
30G 未加硫長尺カーカスプライ
31G 未加硫短尺カーカスプライ
HG 第1領域
CG 第2領域
CL タイヤ赤道面

Claims (6)

  1. 周方向の端部同士が重ね合わされた一枚の長尺カーカスプライ、又は周方向に並べられて隣接する端部同士が重ね合わされた複数枚の短尺カーカスプライによって形成されたトロイド状のカーカス層と、
    前記カーカス層の径方向外側に設けられたベルト層と、
    前記ベルト層の径方向外側に設けられて前記ベルト層を覆うトレッドと、を有し、
    前記カーカス層は、一対のビードコア間をトロイド状に延びる本体部と、前記ビードコアの周りに幅方向内側から幅方向外側へ折り返されて端部が前記ベルト層の幅方向端部よりもタイヤ赤道面側に位置する折返し部と、前記一枚の長尺カーカスプライの周方向の端部同士、又は前記複数枚の短尺カーカスプライの隣接する端部同士が重ね合わされた重ね合せ部と、を備え、
    前記折返し部の端部から前記トレッドの幅方向外側端部までの端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、
    前記重ね合せ部に対応する前記トレッドの領域を第1の端部領域とし、該第1の端部領域を除いた前記トレッドの領域を第2の端部領域とすると、前記第1の端部領域の厚みは、前記第2の端部領域の厚みよりも薄い空気入りタイヤ。
  2. 前記端部領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記カーカス層の内周面から前記トレッドの外周面までの厚みが均一となるように、前記第1の端部領域の厚みが前記第2の端部領域の厚みよりも薄くされた請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカス層の前記折返し部の両端部間の中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記重ね合せ部に対応する前記トレッドの領域を第1の中央領域とし、該第1の中央領域を除いた前記トレッドの領域を第2の中央領域とすると、前記第1の中央領域の厚みは、前記第2の中央領域の厚みよりも薄い請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記中央領域についてのタイヤ側面視におけるタイヤ径方向断面において、前記カーカス層の内周面から前記トレッドの外周面までの厚みが均一となるように、前記第1の中央領域の厚みが前記第2の中央領域の厚みよりも薄くされた請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 周方向の端部同士を重ね合わせることで重ね合せ部が形成された一枚の未加硫長尺カーカスプライ、又は周方向に並べられて隣接する端部同士を重ね合わせることで重ね合せ部が形成された複数枚の未加硫短尺カーカスプライによって環状カーカスプライを形成し、該環状カーカスプライの幅方向両端部を一対の未加硫ビードコアの周りに幅方向内側から幅方向外側へ折り返すと共に、前記一対の未加硫ビードコア間の本体部分を径方向外側へ膨らませてトロイド状に成形して未加硫カーカス層を形成するカーカス層形成工程と、
    前記未加硫カーカス層の径方向外側に前記幅方向両端部を覆うように未加硫ベルト層を形成するベルト層形成工程と、
    前記未加硫カーカス層の前記重ね合せ部に対応した領域の厚みを他の部位よりも薄くした帯状の未加硫トレッドゴムを用い、該未加硫トレッドゴムを前記未加硫ベルト層に巻き付けて未加硫トレッドを形成するトレッド形成工程と、
    を有する空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記未加硫トレッド形成工程では、前記未加硫トレッドゴムの巻き付け始端部と該巻き付け始端部に突き合わされる巻き付け終端部とが、前記未加硫カーカス層の重ね合せ部の径方向外側に配置される請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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JP2015036261A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 横浜ゴム株式会社 乗用車用空気入りタイヤ
JP7430525B2 (ja) 2019-12-13 2024-02-13 株式会社ブリヂストン タイヤ

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