JP5320102B2 - 燃料電池車の車体構造 - Google Patents
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Description
すなわち、室内空間を損なうことなく車両の小型化を図るために、例えば、燃料電池スタックを前の隔壁(ダッシュボードパネルロア)近傍まで移動すると、収納空間は拡大するが、ダッシュボードパネルロアの前に配置しているパワーコントロールユニットが正面衝突で後退すると、燃料電池スタックに干渉するという問題が発生する。
特に本発明では、トンネル後部が反力発生機構であるため、一般的な荷重に対して微小の変形は起きるものの、形状を維持する。つまりは、トンネル後部(反力発生機構)は反力を発生する。その結果、トンネル前部(緩衝機構)をより確実に作動させることができ、緩衝機構(トンネル前部)の衝撃吸収効率を高めることができる。
また、センタトンネルは、センタトンネルに達した荷重がトンネル後部からスタック骨格及びトンネルサブフレーム(燃料電池サブフレーム)に伝わり、スタック収納構造によって、トンネル後部を、スタック骨格及びトンネルサブフレーム(燃料電池サブフレーム)と一体化した状態で荷重をそれぞれに分散することができ、結果的に、トンネル後部の強度が高まり、大きな反力を発生させることができ、同時に、スタックを守ることができる。
なお、図6に示すように、スタック骨格47をトンネルサブフレーム(燃料電池サブフレーム)25に載置して固定してもよい。
ピン66は、車両の前側に配置した位置決めピン73と、図2に示した後側に配置したスタッドボルト74(例えば溶接で固定)とからなり、位置決めピン73は、付け根側に位置決め軸部75が形成され、位置決め軸部75に連ねておねじ76が形成され、スタック骨格47を固定する。
なお、位置決め軸部75が車両の前側に配置されているが、配置位置は車両の後側でもよく、対角でもよい。
ボックス本体78は、鋼製で所望の強度を有する丈夫なものである。
トンネル前部44はトンネル後部45の板厚に比べ板厚を薄くすることで、車両の正面に入力される衝撃を吸収する緩衝機構である。また、トンネル後部45の材質の強度に比べ材質の強度を小さくすることで、衝撃を吸収する緩衝機構である。
まず、スタック骨格47をトンネル後部45に取付ける。車両の下方から矢印a1のようにスタック13を収納したスタック骨格47を上昇させ、トンネル後部45に設けた位置決めピン73に第1ラグ81並びに第2ラグ82の位置決め孔71を嵌める。嵌めることで、スタック骨格47の位置決め(X軸方向、Y軸方向)が行われる。同時に、スタッドボルト74に第3ラグ83及び第4ラグ84の締結孔72を嵌める。その次に、ナット86をねじ込むことで第1ラグ81〜第4ラグ84を締結する。つまり、トンネル後部45にスタック骨格47を締結する。これでスタック骨格47の取付けは完了する。
実施例1の車体構造12は、図1〜図3に示すように、車両の正面に衝撃(荷重)が矢印a3のように入力されると、トンネル前部44が変形することで、衝撃を吸収し、トンネル後部45は変形しないで形状を維持するので、スタック13を保護することができる。
トンネル前部44Bは、凹凸形状部であるところの横凹凸機構91がセンタトンネル34Bの長手方向(X軸方向)、つまり車両の前後方向に交差する(Y軸方向)ように横(車幅方向)に延ばして形成されている。また、凹凸形状部であるところの鉛直凹凸機構92がセンタトンネル34Bの長手方向(X軸方向)に交差する(Z軸方向)ように鉛直方向へ延ばして形成されている。
ビード93は、溝状に形成したもので、断面コ字形とした。なお、ビード93の断面形状やビード93の数は任意である。
また、トンネル前部44Bは、凹凸形状部であるところの横凹凸機構91、鉛直凹凸機構92によって、圧縮変形を滑らかに進行させることができるという利点がある。
トンネル後部45Bは、同一板厚や強度の材料を採用した場合に比べ、ビード93によって、より圧縮荷重に対する反力を高めることができる。
スタック収納構造16Cは、スタック13を収納しているスタック骨格47をトンネル後部45のベース部52に下方から支持されているトンネルサブフレーム(燃料電池サブフレーム)25Cに連結しているとともに、スタック骨格47に立設しているピン66Cをトンネル後部45の天部48Cに設けた孔67Cに挿入している。
トンネルサブフレーム(燃料電池サブフレーム)25Cは、スタック骨格47を載置、連結している載置部96を有する。
接続機構51Cは、第1ラグ81、第2ラグ82からピン66Cを上方へ向け立設し、ピン66Cを天部48Cの孔67Cに挿入して締結している。孔67Cは位置決め孔71と締結孔72とからなる。
ピン66Cは、車両の前側に配置した位置決めピン73と、後側に配置したスタッドボルト74(例えば溶接で固定)とからなる。
Claims (5)
- 水素と酸素で電機を発生させるスタック(13)が運転席と助手席の間に設けられ、床(24)に含まれるセンタトンネル(34)内に、且つ、前記運転席と前記助手席とに対向しているインストルメントパネルの下方へ水素と酸素で電気を発生させるスタック(13)を配置した燃料電池車の車体構造であって、
前記センタトンネル(34)は、前記床(24)のフロアパネル(33)の中央を車両前後に延びるトンネル前部(44)と、該トンネル前部に連なり車両後方へ延びるトンネル後部(45)と、からなり、
前記トンネル前部(44)は、前記スタック(13)を保護するために前記スタック近傍から車両前方に設けられて正面衝突時の荷重を吸収する緩衝機構であり、
前記トンネル後部(45)は、前記インストルメントパネル(41)の下方で、前記スタック(13)をスタック収納構造で収納しているとともに、該スタック収納構造を前記荷重に対する反力を発生する反力発生機構としており、
前記スタック収納構造は、スタック(13)を収納しているスタック骨格(47)をトンネル後部(45)の天井部(48)に接続機構(51)で接続し、前記スタック骨格(47)をトンネルサブフレーム(25)に固定し、
前記トンネルサブフレーム(25)は、前記トンネル後部(45)の左側のベース部(52)に平行に左フレーム部材(55)が延び、トンネル後部(45)の右側のベース部(52)に平行に右フレーム部材(56)が延びて、これらでトンネル後部(45)の幅と略同等の幅を形成し、
前記左フレーム部材(55)と右フレーム部材(56)を前後のクロス部材(57,61)で結合し、これらの結合している結合部にそれぞれ締結部(62)が形成されてトンネル後部(45)のベース部(52)にボルト(63)で締結されている、
ことを特徴とする燃料電池の車体構造。 - 前記トンネルサブフレーム(25)は燃料電池サブフレームであり、前記接続機構(51)は、前記天部(48)からピン(73)を下方へ垂下し、該ピン(73)を前記スタック骨格(47)の孔(71)に挿入して締結していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池車の車体構造。
- 前記トンネル前部(44)は、少なくとも、車両前後方向に交差する凹凸形状部、前記トンネル後部(45)の板厚に比べ板厚が薄い、トンネル後部の材質の強度に比べ材質の強度が小さい、のうち一つを採用していることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池車の車体構造。
- 前記トンネル後部(45)は、車両前後方向に沿うように、ビード、凹凸形状部のうち少なくとも一つが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池車の車体構造。
- 前記スタック収納構造は、前記スタック(13)を収納しているスタック骨格(47)を前記トンネル後部(45)のベース部(52)に下方から支持されているトンネルサブフレーム(25)に連結しているとともに、前記スタック骨格(47)に立設しているピンを前記トンネル後部(45)の天部に設けた孔に挿入していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池車の車体構造。
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