JP5319441B2 - カードプリンタ - Google Patents

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本発明は、カードの表裏面を反転させてカードの両面に印刷を行う両面印刷機能を備えるカードプリンタに関する。
一般に、カードの両面に対して印刷を行う両面印刷機能を備えたカードプリンタは知られており、この種のカードプリンタにおけるカードの搬送系には、カードの表裏面を反転させる反転処理部を備えている。
従来、このような反転処理部としては、特許文献1で開示されるカード反転搬送装置が知られており、同文献1には、先にカード部材の一面に熱転写にて印字記録し、そのカードを反転させて、その他面に熱転写にて印字記録することを目的として、表面及び裏面の両面に印刷記録可能なカード部材と、このカード部材を載置可能な長方形状の反転板部と、この反転板部に取り付けられて、当該反転板部の長手方向に沿った軸中心に回転可能な回転部材と、を備え、表面に印字記録され、反転板部上に搬送されたカード部材は、回転部材の軸中心の回転により反転板部とともに反転し、裏面を印字記録するために外部に搬送するようにした構成が開示されている。
特開2003−252487号公報
しかし、上述した従来のカード反転搬送装置を備えるカードプリンタは、次のような問題点があった。
第一に、通常の使用では、両面印刷のみならず片面印刷を行う場合も少なくないが、片面印刷については、必ずしも十分に対応させているとは言えない。例えば、カードに対して、熱転写印刷を行ったり印刷後にラミネート処理を行った場合、この際に付加される熱と圧力によりカードの材質によって少なからずカール(反り)が生じる。この場合、両面印刷時には、発生するカールが自ら相殺されるが、片面印刷時には、そのままカールが残留し、カード品質の低下を招く要因となる。一方、このような不具合を回避するには、熱転写印刷及びラミネート処理を行った後、カールを矯正するデカール処理部を別途追加すればよいが、装置の大型化及びコストアップを招く要因となる。
第二に、カード反転搬送装置には、カードのみをセットする必要があるため、通常、カードの搬送に際しては、搬送ローラ機構によりカードのみを搬送している。しかし、カードは、サイズが小さく、かつ厚みがあるとともに、プラスチック等の摩擦係数の小さい材質で形成されることも多いため、カードをローラ搬送する場合にはスリップによる搬送トラブルや印刷精度の低下を生じやすい。また、ローラ搬送は、多様なカードに対する適用性、更には汎用性にも難がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したカード供給装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、カードC(Cr)を順方向Df又は逆方向Drの双方へ搬送可能な双方向搬送機構部2と、搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理部3と、この印刷処理部3により片面に印刷されたカードCの表裏面を反転させる反転処理部4と、印刷処理部3により両面が印刷されたカードCを排出するカード排出部5とを備えるカードプリンタ1を構成するに際して、印刷処理部3の後段に反転処理部4を配設し、かつ当該反転処理部4の後段にカード排出部5を配設するとともに、反転処理部4に、カードCを搬送する搬送機能及びカードCのカールを矯正する矯正機能を兼ねるローラ機構6rを有するデカール処理部6を配設したことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、双方向搬送機構部2は、カードCを載せて搬送するカードトレイ11と、このカードトレイ11をガイドするガイドレール12と、カードトレイ11を順方向Df及び逆方向Drへ移動させるベルト搬送機構13を備えて構成できる。また、デカール処理部6には、デカールローラ14と、このデカールローラ14の周方向に沿って配した一対のピンチローラ15,16を有するローラ機構6rを設けることができる。さらに、デカール処理部6には、デカールローラ14に内蔵して通過するカードCを加熱するヒータ17を設けることができるとともに、ヒータ17の加熱温度を調整可能な温度調整部18を設けることができる。一方、カードプリンタ1には、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向Dfに搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転するカード反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,デカール処理部6を制御して両面の印刷されたカードCをカード排出部5に供給するカード排出処理,を行う制御部7を設けることができる。他方、印刷処理部3には、少なくともカードCの印刷面に対して印刷を行う熱転写印刷部3aを設けることができるとともに、当該熱転写印刷部3aにより印刷されたカードCの印刷面に対してラミネート層を設けるラミネート処理部3bを設けることができる。
このような構成を有する本発明に係るカードプリンタ1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 印刷処理部3の後段に反転処理部4を配設し、かつ当該反転処理部4の後段にカード排出部5を配設するとともに、反転処理部4に、カードCを搬送する搬送機能及びカードCのカールを矯正する矯正機能を兼ねるローラ機構6rを有するデカール処理部6を配設したため、両面印刷機能を有するカードプリンタ1により片面印刷を行う場合であっても、カードCに生じたカールに対する的確な矯正処理を行うことができるとともに、反転処理部4にデカール処理部6を一体に設けたため、搬送系の小型コンパクト化及びコストダウンを図ることができる。
(2) 好適な態様により、双方向搬送機構部2を、カードCを載せて搬送するカードトレイ11と、このカードトレイ11をガイドするガイドレール12と、カードトレイ11を順方向Df及び逆方向Drへ移動させるベルト搬送機構13を設けて構成すれば、カードトレイ11によりカードCを載せて搬送できるため、カードC…の厚さ,大きさ及び材質等に左右されることなく、様々なカードC…に対して搬送トラブルを生じることなく安定かつ確実に搬送できるとともに、印刷精度を高めることができる。また、多様なカードに対する適用性、更には汎用性も高めることができるとともに、搬送系の構成を比較的簡易かつ低コストに実現できる。
(3) 好適な態様により、デカール処理部6のローラ機構6rを、デカールローラ14と、このデカールローラ14の周方向に沿って配した一対のピンチローラ15,16により構成すれば、搬送機能によりカードCを確実に搬送できることに加え、両面印刷時にはカードCを確実に保持できるとともに、片面印刷時にはカールを矯正する矯正処理を容易に行うことができる。しかも、このような搬送機能,保持機能及び矯正機能を比較的シンプルな構成により容易に実現できる。
(4) 好適な態様により、デカール処理部6に、デカールローラ14に内蔵し、通過するカードCを加熱するヒータ17を設ければ、片面印刷時におけるカールを矯正するデカール処理を確実かつ容易に行うことができる。特に、カードCにカールが生じる印刷処理部3(熱転写印刷部3a,ラミネート処理部3b)の作用に対して反対の作用を疑似的につくり出すことができるため、カールに対する的確な矯正処理を行うことができるとともに、カードCの良好な品質を確保できる。
(5) 好適な態様により、デカール処理部6に、ヒータ17の加熱温度を調整可能な温度調整部18を設ければ、カールを矯正処理する際の矯正度合を調整できるため、矯正処理の最適化が可能となる。したがって、カードCに対して、より的確な矯正処理を行うことができるとともに、より良好な品質を確保できる。
(6) 好適な態様により、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向Dfに搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転するカード反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,デカール処理部6を制御して両面の印刷されたカードCをカード排出部5に供給するカード排出処理,を行う制御部7を設ければ、両面印刷及び片面印刷の双方の機能を円滑に実行させることができる。
本発明の好適実施形態に係るカードプリンタの全体の模式的構成図、 同カードプリンタに備えるカードトレイ及び支持アームの平面図、 同カードプリンタにおける図2中A−A線断面図、 同カードプリンタにおける反転処理部の駆動系のを示す断面構成図、 同反転処理部の駆動系の原理構成図、 同カードプリンタにおける主要制御系の全体を示すブロック系統図、 同カードプリンタの全体の動作を説明するためのフローチャート、 同カードプリンタのスタンバイ時におけるカード供給部の模式図、 同カードプリンタのカード供給時の模式図、 同カードプリンタにおける印刷時の模式図、 同カードプリンタにおける反転処理開始時の模式図、 同カードプリンタにおける反転処理途中の模式図、 同カードプリンタにおける反転処理終了後の模式図、 同カードプリンタにおける逆方向搬送後の模式図、 同カードプリンタにおけるデカール時及びカード排出時の模式図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るカードプリンタ1の構成について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、カードプリンタ1の全体の模式的構成を示す。カードプリンタ1は、主要構成として、カードCの供給側から、カード供給部8,双方向搬送機構部2,熱転写印刷部3a,カードリーダ/ライタ9,ラミネータ処理部3b,デカール処理部6を有する反転処理部4,カード排出部5及びコントローラボックス10を備える。この場合、熱転写印刷部3a及びラミネータ処理部3bは印刷処理部3を構成する。例示のカードプリンタ1は熱転写プリンタを構成するため、カードプリンタ1は、プリンタ本体1oとこのプリンタ本体1oに対して着脱するリボンユニット3ar等の装備品からなる。印刷対象となるカードCには、一般的なクレジットカード等の各種カードをはじめ、クレジットカードの二倍程度の大きさとなる首等から吊り下げて使用するネームプレート等の各種カード類が適用される。
カード供給部8は、カードホッパ部21及びリフト機構22を備えるとともに、双方向搬送機構部2及び制御部7が含まれる。カードホッパ部21は、少なくとも上端21u及び下端21dが開放され、内部に複数のカードC…(カード群Co)を積層状態に収容することができる。したがって、開放された上端21uは、カードC…の投入口となり、この上端21uからカードC…を補給できる。カードホッパ部21は、印刷するカードCの最大サイズを収容可能に構成するとともに、スライド式の規制板等を内部に付設することにより、印刷するカードCの最小サイズから最大サイズまで適応可能に構成する。
双方向搬送機構部2は、カードCを載せて搬送するカードトレイ11を備えるとともに、このカードトレイ11を順方向Df及び逆方向Drへガイドするガイドレール12,12と、カードトレイ11を移動させるベルト搬送機構13を備える。したがって、双方向搬送機構部2は、カードトレイ11に載せたカードCをカード送り方向前方となる順方向Df又は後方となる逆方向Drの双方へ搬送可能となる。
この場合、カードトレイ11は、図2及び図3に示すように、一枚のプレート部材により全体の形状を矩形状に形成し、カード送り方向に対して左右両側に位置する側辺部の前後二か所(計四カ所)に、後述する支持アーム22a…の昇降を許容する切欠凹部31…をそれぞれ有する。これにより、上面11uには、印刷するカードC…(カード群Co)を載せることができる。したがって、カードトレイ11は、印刷するカードCの最大サイズよりも大きい形状を選定する。図2中、仮想線がカードCを示している。また、カードトレイ11には、上面11uに載せたカードCを当該上面11uに吸着させる吸引ファン32fを用いた吸引部32を付設する。吸引部32は、カードトレイ11の下面に配設し、吸引ファンモータ32m(図6)により回転する吸引ファン32fと、この吸引ファン32fを囲むダクト部33と、カードトレイ11における当該ダクト部33の内側に位置する部位に設けた多数の吸気用小孔34…を備える。このような吸引部32を付設することにより、カードトレイ11の上面11uに載せたカードCの位置ズレを防止し、定位置に確実に保持できるとともに、カードCの搬送、更には後段における印刷処理等の各種処理を高い位置精度で行うことができる。さらに、カードトレイ11の上面11uにおける後部には、当該上面11uに載せた一枚のカードCの後端辺に係止する突起状(爪状)のカードキッカー11us…を設ける。これにより、カードトレイ11の上面11uに載せたカードCに対する少なくとも前後方向の位置決め(保持)を確実に行うことができる。特に、上述した吸引部32と組合わせれば、左右方向,前後方向及び上下方向の位置規制(保持)を確実に行うことができる。カードトレイ11は、カードホッパ部21の下方の位置Xsがホームポジションとなる。したがって、カードトレイ11は、位置Xsにおいて、上面11uによりカード群Coを支持可能になるとともに、カードトレイ11の高さ、即ち、カードホッパ部21の下端21dの位置に対する相対高さは、上面11uに一枚のカードCを載せた状態で、位置Xsからカード送り方向の順方向Df及び逆方向Drへの移動が許容される高さを選定する。
ガイドレール12,12は、断面C形に形成し、側面に形成されるスリットを相対向させて配設する。一方、カードトレイ11の下面における前部及び後部にはローラブラケット35f,35rを取付ける。例示の場合、前部のローラブラケット35fは、矩形の枠形に形成し、一短辺となる上端辺部をカードトレイ11の下面に固定するとともに、後部のローラブラケット35rは、コの字形に形成し、中央辺部をカードトレイ11の下面に固定する。そして、各ローラブラケット35f,35rの各垂直辺部に空転ローラ36…を回動自在に取付けるとともに、各空転ローラ36…を各ガイドレール12,12にそれぞれ移動自在に装填する。
ベルト搬送機構13は、前側に配した従動ローラ37sと、後側に配した駆動ローラ37dと、従動ローラ37sと駆動ローラ37d間に架け渡した無端タイミングベルト37bと、駆動ローラ37dを回転させる搬送ベルト駆動部38を備え、カードトレイ11に取付けたローラブラケット35fの下端辺部を無端タイミングベルト37bに固定する。この場合、ガイドレール12,12とベルト搬送機構13の前後方向における設置範囲(搬送ストローク)は、カードトレイ11を搬送するに必要な全ストロークを考慮して選定する。このように、双方向搬送機構部2を、カードCを載せて搬送するカードトレイ11と、このカードトレイ11をガイドするガイドレール12と、カードトレイ11を順方向Df及び逆方向Drへ移動させるベルト搬送機構13により構成すれば、カードC…の厚さ,大きさ及び材質等に左右されることなく、様々なカードC…に対して搬送トラブルを生じることなく安定かつ確実に搬送できるとともに、印刷精度を高めることができる。また、多様なカードに対する適用性、更には汎用性も高めることができるとともに、搬送系の構成を比較的簡易かつ低コストに実現できる。
リフト機構22は、左右一対のリフト機構部22p…を備え、各リフト機構部22p…はカード群Coの最下部を支持可能な前後一対の支持アーム22a…と、この支持アーム22a…を昇降させるアーム昇降駆動部22b…を備える。支持アーム22aは、アーム昇降駆動部22bから上方に突出して上端を直角に折曲形成する。なお、例示のアーム昇降駆動部22bは、前側の支持アーム22aと後側の支持アーム22aをそれぞれ独立して昇降させることができる。
また、カード供給部8には、カードホッパ部21の下端であって前端位置に、カードトレイ11をカードホッパ部21の下方の位置Xsから順方向Dfへ移動させた際に、当該カードトレイ11の上面11uに一枚のカードCのみを載せるリタードローラ39rを設ける。この場合、リタードローラ39rには、トルクリミッター内蔵型アクティブリタードローラを用いる。このようなリタードローラ39rを用いれば、リタードローラ39rの分離作用により一枚のカードCを確実に分離して送り出すことができるとともに、特に、リタードローラ39rとしてトルクリミッター内蔵型アクティブリタードローラを用いれば、厚さの異なる様々な種類のカードC…に対しても一枚のカードCを確実に分離して送り出すことができる。さらに、リタードローラ39rには、その機能を有効にし又は無効にする切換手段を付設する。具体的には、リタードローラ39rとこのリタードローラ39rを回転させるリタードローラ駆動部39dを、クラッチを介して接続する。これにより、クラッチの接続又は切断により、リタードローラ39rをカードCの供給方向に対して逆方向へ回転させるリタードモードと、リタードローラ39rを空転状態にするリタード解除モードに切換えることができる。
他方、カード供給部8のカード送り方向前方(後段)には印刷処理部3を配設する。印刷処理部3は、カードCの印刷面に対して印刷を行う熱転写印刷部3aと、この熱転写印刷部3aにより印刷されたカードCの印刷面に対してラミネート層を設けるラミネート処理部3bを備える。熱転写印刷部3aは、さらに、リボンユニット3arと転写ユニット3atを備える。リボンユニット3arは、フルカラーのインクリボン41を巻回したリボン供給リール42と、リボン供給リール42から繰出されるインクリボン41を巻取るリボン巻取リール43を備え、このリボンユニット3arは、プリンタ本体1oに対して着脱(交換)可能である。一方、プリンタ本体1oには、リボン供給リール42から繰出されるインクリボン41に当接して後述する転写シート51に印刷画像を一次転写させるサーマルヘッド45と、リボン巻取リール43を回転させるリボンユニット駆動部46(図6)を備える。また、転写ユニット3atは、透明な転写シート51を繰出す転写シート供給リール52と、カードCの印刷面に転写シート51を所定の圧力及び温度により圧接させて転写シート51の印刷画像をカードCの印刷面に二次転写させる転写ローラ53と、この転写シート51を巻取る転写シート巻取リール54と、転写シート51をガイドする複数のガイドローラ55…と、転写シート供給リール52又は転写シート巻取リール54を回転させる転写ユニット駆動部56(図6)を備える。したがって、転写ユニット駆動部56は、転写シート51を前進方向又は後退方向へ選択的に移送させることができる。なお、転写ローラ53はヒータ58(図6)を内蔵し、このヒータ58により転写ローラ53の表面を所定の温度に加熱する。
一方、熱転写印刷部3aの前方(後段)には、カードCがICチップを内蔵する際に、このICチップに対するデータの書込み及び読取りを行うカードリーダ/ライタ9を配設し、このカードリーダ/ライタ9の後段に、ラミネート処理部3bを配設する。ラミネート処理部3bは、ラミネートシート61を巻回したラミネートシート供給リール62と、カードCの印刷面にラミネートシート61を所定の圧力及び温度により圧接させてカードCの印刷面にラミネート層を形成するラミネートローラ63と、ラミネートシート61を巻取るラミネートシート巻取リール64と、ラミネートシート巻取リール64を回転させるラミネータユニット駆動部66(図6)を備える。ラミネートシート61はベースシートにラミネートフィルムを付着させたものであり、ラミネートローラ63によりラミネートフィルムのみがカードCの印刷面に転写される。ラミネートローラ63はヒータ67(図6)を内蔵し、このヒータ67によりラミネートローラ63の表面を所定の温度に加熱する。なお、カードCにICチップを内蔵しない場合は、カードリーダ/ライタ9は不要になるとともに、カードCの印刷面にラミネートを行わない場合は、ラミネータ処理部3bは不要になるため、カードリーダ/ライタ9とラミネータ処理部3bは、オプションとして用意することができる。
また、ラミネータ処理部3bの前方(後段)には、本発明の要部を構成する反転処理部4を配設するとともに、この反転処理部4の前方(後段)に、カード排出部5を配設する。反転処理部4には、カードCを搬送する搬送機能及びカードCのカールを矯正する矯正機能を兼ねるローラ機構6rを有するデカール処理部6を備える。ローラ機構6rは、通過するカードCを加熱するヒータ17を内蔵するデカールローラ14と、このデカールローラ14の周方向に沿って配し、かつデカールローラ14に対して所定の間隔をおいて配した一対のピンチローラ15,16を備える。このように、デカール処理部6に備えるローラ機構6rを、デカールローラ14と一対のピンチローラ15,16により構成すれば、搬送機能によりカードCを確実に搬送できることに加え、両面印刷時にはカードCを確実に保持できるとともに、片面印刷時にはカールを矯正する矯正処理を容易に行うことができる。しかも、このような搬送機能,保持機能及び矯正機能を比較的シンプルな構成により容易に実現できる利点がある。
図4及び図5はデカール処理部6及び反転処理部4の駆動機構を主に示している。71はプリンタ本体1oのシャーシ72にベアリングにより回動自在に支持されたローラ支持盤であり、このローラ支持盤71…は左右両側にそれぞれ配設する。この場合、一方のローラ支持盤71は、図4に示すように、反転用ギア73を兼ねており、この反転用ギア73に、シャーシ72に設置した反転駆動部74の回転出力軸に設けた駆動ギア75が噛合する。一方、デカールローラ14及びピンチローラ15,16の各シャフト14s,15s,16sの両端は、左右のローラ支持盤71…にベアリングを介して回動自在に支持される。デカールローラ14のシャフト14sは、図4に示すように筒形に形成し、内部の中心位置にヒータ17を配するとともに、ヒータ17に対する配線17eは、シャフト14sの端部から外部に導出させるとともに、図6に示すように、ヒータ17の加熱温度を調整可能な温度調整部18を介して制御部7に接続する。
そして、各シャフト14s,15s,16sの一端に、ギア84,85,86をそれぞれ取付け、デカールローラ14のギア84に、ピンチローラ15,16のギア85,86を噛合させるとともに、ローラ支持盤71に設置したデカールローラ駆動部87の回転出力軸に設けた駆動ギア88をデカールローラ14のギア84に噛合させる。この際、カードCは、デカールローラ14とピンチローラ15間を通過した後、デカールローラ14とピンチローラ16間を通過するため、カードCに対するデカールローラ14及びピンチローラ15,16による移送速度が一致するように、各ギア84,85,86の歯数等を設定するとともに、カードCのカール(反り)を矯正できるように、デカールローラ14及びピンチローラ15,16の相対位置を選定する。
カード排出部5は、一対の排出ローラ91u,91dを有する排出ローラ機構91を備えるとともに、排出ローラ機構91から排出されるカードCを受取る受取トレイ92を備える。この場合、一方の排出ローラ91uは、搬送ローラ駆動部92(図6)により回転駆動される。
カードプリンタ1において、その他、カードCの搬送経路の適所には、搬送ローラ93,94…を配設する。各搬送ローラ93,94…は搬送ローラ駆動部92(図6)により回転駆動される。なお、図1中、95は、熱転写印刷部13の手前に配設したクリーニングローラを示す。このクリーニングローラ95には、表面にウェブを設けたフェノール樹脂ローラ又は表面に粘着性を持たせた樹脂ローラ等を利用できる。
一方、図6は、カードプリンタ1の主要制御系の全体ブロック系統を示す。7は制御部(コントローラ)であり、カードプリンタ1の全体を制御する機能を備える。特に、本発明に関係して、少なくとも、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向Dfに搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転するカード反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,デカール処理部6を制御して両面の印刷されたカードCをカード排出部5に供給するカード排出処理,を行う機能を備える。このような制御部7を設けることにより、両面印刷及び片面印刷の双方の機能を円滑に実行させることができる。
これにより、搬送ベルト駆動部38,アーム昇降駆動部22b,22b,吸引ファンモータ32m及びリタードローラ駆動部39mは、制御部7のドライブポートに接続する。また、サーマルヘッド45及びカードリーダ/ライタ9は、制御部7のデータ入出力ポートに接続する。さらに、搬送ローラ駆動部92,リボンユニット駆動部46,転写ユニット駆動部56,転写ローラ53のヒータ58,ラミネータユニット駆動部66,ラミネートローラ63のヒータ67,反転駆動部74,デカールローラ駆動部87及びデカールローラ14のヒータ17(温度調整部18)は、制御部7のドライブポートに接続する。
制御部7は、CPU,メモリ,電源ユニット等を含むコンピュータ機能を備え、前述したコントローラボックス10に収容する。制御部7は、カードプリンタ1の動作に係わる一連のシーケンス制御を実行する機能を備え、これらの制御を実現するための制御プログラムを格納する。制御部7は、図6に示すように、外部のコンピュータシステム100に接続して使用する。コンピュータシステム100は、パソコン等の汎用コンピュータを使用可能である。コンピュータシステム100には、印刷を行うための各種印刷データ、例えば、ネームカードの場合には、氏名や写真等の各種印刷データを含むデータベース101を備えている。
次に、本実施形態に係るカードプリンタ1の全体動作について説明する。最初に、両面印刷モードによる全体動作について、図8〜図15及び図1〜図6を参照しつつ、図7に示すフローチャートに従って説明する。
カードプリンタ1の使用に際しては、カード供給モードを選択することができる。今、自動供給モードが選択されている場合を想定する。自動供給モードでは、図8に示すように、カードトレイ11はカードホッパ部2の下方の位置Xsにあり、支持アーム22a…は下降位置Xdへ下降している。したがって、カードC…(カード群Co)はカードトレイ11の上面11uに載置される。また、両面印刷モードと片面印刷モードを選択することができ、例示の場合、両面印刷モードが選択されている。なお、例示のカードCはネームプレートである。
使用者が、スタートボタンをONすることにより印刷工程が開始し、最初に、表側印刷に係わる転写準備が行われる(ステップS1,S2)。転写準備では、コンピュータシステム100から転送された表側印刷に係わる文字データ及び/又は画像(写真)データを含む印刷データがサーマルヘッド45に供給されるとともに、制御部7によりリボンユニット駆動部46と転写ユニット駆動部56が駆動制御され、インクリボン41から転写シート51に対して表側印刷画像が一次転写される。この場合、インクリボン41には、異なる複数の色が順番に並んでいるため、使用する色に対応してインクリボン41が順次送り出されるとともに、転写シート51は使用する色に対応する回数だけ往復移動する。そして、一次転写処理が終了したなら転写シート51は二次転写開始位置まで移動する。
次いで、転写シート51が二次転写開始位置まで移動するタイミングに合わせてカードトレイ11が前進移動を開始する(ステップS3)。図9はカードトレイ11が前進移動を開始した状態を示している。自動供給モードの選択時には、リタードローラ39rの機能が有効になり、リタードローラ39rはカード送り方向に対して反対方向(図中、Rr方向)に回転する。これにより、カードトレイ11が前進移動した際には、一枚のカードCのみがカード群Coから分離され、カードトレイ11と一緒に搬送される。この際、吸引ファンモータ32mが作動し、吸引ファン32fの回転による吸気作用によりカードCはカードトレイ11の上面11uに保持されるとともに、カードCはカードトレイ11のカードキッカー11us…によって位置決めされる。また、カードトレイ11が前進移動することにより、カードホッパ部21の内部のカード群Coは、支持アーム22a…により支持される。この場合、カードトレイ11の厚さが薄ければ、支持アーム22a…の高さはそのままの状態であっても支障なく支持することができるが、支持アーム22a…とカード群Coとの間隔が無視できない程度に大きい場合には、カードトレイ11の移動タイミングに合わせてアーム昇降駆動部22b…を駆動制御し、支持アーム22a…を上昇位置Xuまで上昇させることが望ましい。図9は後側の支持アーム22a…を上昇位置Xuまで上昇させた状態を示している。
一方、カードトレイ11が前進移動することにより、クリーニングローラ95により印刷面がクリーニングされ、この後、熱転写印刷部3aにより印刷画像の転写処理が行われる(ステップS4)。この場合、カードトレイ11が所定の印刷開始位置に到達すれば、この移動タイミングに合わせて転写シート51が送られ、カードトレイ11が転写ローラ53を通過する際に、転写シート51に一次転写されている表側印刷画像がカードCの表側印刷面に二次転写(熱転写)される。なお、転写ローラ53により、転写シート51はカードCの印刷面に対して所定の圧力及び温度により圧接する。図10はカードCを載せたカードトレイ11が転写ローラ53を通過する状態を示している。転写ユニット3atを通過したカードトレイ11は、この後、ラミネート処理部3bに到達し、ラミネート処理が行われる(ステップS5)。この場合、カードCがラミネートローラ63を通過する際に、ラミネートシート61からラミネートフィルムがカードCの印刷面に転写される。これにより、当該印刷面にラミネート層が形成され、印刷面が保護される。なお、ラミネートローラ63により、ラミネートシート61はカードCの印刷面に対して所定の圧力及び温度により圧接する。
また、カードトレイ11は、終端位置に到達することにより停止するとともに、吸引ファン32fの回転も停止する。したがって、この後は、搬送ローラ94によりカードCのみが順方向に搬送される。一方、ラミネート処理が終了した時点では、裏側印刷に係わる転写準備が行われる(ステップS6)。転写準備では、裏側印刷に係わる文字データ及び/又は画像(写真)データを含む印刷データがサーマルヘッド45に供給されるとともに、制御部7によりリボンユニット駆動部46と転写ユニット駆動部56が駆動制御され、インクリボン41から転写シート51に対して裏側印刷画像が一次転写される。そして、一次転写処理が終了したなら転写シート51は二次転写開始位置まで移動する処理が平行して行われる。なお、この場合の転写準備は空き時間を利用して準備を行う趣旨であり、必ずしもラミネート処理が終了した時点であることを要しない。
他方、搬送ローラ94によりカードCのみが順方向に搬送されることにより、反転処理部4では、デカールローラ駆動部85によりデカールローラ14,ピンチローラ15,16が回転するとともに、ローラ支持盤71…はデカールローラ14とピンチローラ15が鉛直方向(垂直方向)に並ぶ位置に回動変位している。これにより、搬送ローラ94により搬送されたカードCは、デカールローラ14とピンチローラ15間に進入し、デカールローラ14及びピンチローラ15,16により搬送される(ステップS7)。両面印刷モードでは、デカールローラ14に内蔵するヒータ17がOFFに切換えられ、又はONに切換えられた状態で温度調整部18により比較的温度の低い弱加熱状態に制御される。このときのヒータ17の制御は、カールを矯正するというよりも、続行して行われるカードCの裏側の印刷に対して支障が生じないことを目的に制御することができる。そして、ピンチローラ15と16間の略中央位置にカードCの略中央位置が達したなら、デカールローラ駆動部85を停止させる制御を行う。これにより、デカールローラ14,ピンチローラ15及び16の回転が停止し、図11に示すように、カードCがローラ機構6rにより保持される(ステップS8,S9)。
また、反転駆動部74を駆動制御し、ローラ支持盤71…を略180〔゜〕回転させてカードCの表裏面を反転させる(ステップS10)。図12がローラ支持盤71…を略90〔゜〕回転させた状態、図13がローラ支持盤71…を略180〔゜〕回転させた状態を示している。ローラ支持盤71…を略180〔゜〕回転させたなら、デカールローラ駆動部85を駆動制御し、デカールローラ14,ピンチローラ15及び16を回転させる。これにより、裏返ったカードCrが逆方向に搬送される(ステップS11)。そして、逆方向に搬送されるカードCrは、図13に示すように、再度、搬送ローラ94とカードトレイ11の上面11u間に進入する。この際、搬送ローラ94の回転は逆方向に制御されるとともに、ラミネートローラ63は上方に位置するリリース位置まで変位している。
カードCrがカードトレイ11の上面11uにおける定位置に載ったなら搬送ローラ94の回転を停止させるとともに、吸引ファン32fを回転させる(ステップS12)。この後、双方向搬送機構部2における搬送ベルト駆動部38を駆動制御してカードトレイ11を逆方向Drに搬送する(ステップS13)。この際、転写ローラ53は上方のリリース位置まで変位させるとともに、アーム昇降駆動部22b…を駆動制御して支持アーム22a…を上昇位置Xuまで上昇させる。また、リタードローラ39rはその機能が無効となる空転状態に切換えられる。なお、支持アーム22a…が上昇した際には、カード群Coは、支持アーム22a…により持ち上げられるため、カード群Coはカードトレイ11の上面11uから離間し、カード群Coとカードトレイ11の上面11u間に所定の隙間が生じる。そして、カードトレイ11を逆方向Drに搬送し、再開始位置まで後退したなら搬送ベルト駆動部38を停止させる(ステップS14,S15)。この場合、再開始位置は、ホームポジション、即ち、カードホッパ21の下方位置Xsとなる。この状態を図14に示す。
次いで、カードトレイ11が再前進移動を開始する(ステップS16)。これにより、上述した表側印刷時と同様、クリーニングローラ95により印刷面がクリーニングされ、この後、熱転写印刷部3aにより裏側印刷画像の転写処理が行われる(ステップS17)。この場合、カードトレイ11が所定の印刷開始位置に到達すれば、この移動タイミングに合わせて転写シート51が送られ、カードトレイ11が転写ローラ53を通過する際に、転写シート51に一次転写されている裏側印刷画像がカードCrの裏側印刷面に二次転写(熱転写)される。転写ユニット3atを通過したカードトレイ11は、この後、ラミネート処理部3bに到達し、ラミネート処理が行われる(ステップS18)。この場合、カードCrがラミネートローラ63を通過する際に、ラミネートシート61からラミネートフィルムがカードCrの印刷面に転写される。
また、カードトレイ11は、終端位置に到達することにより停止し、吸引ファン32fの回転も停止する。したがって、この後は、搬送ローラ94によりカードCrのみが順方向に搬送される。そして、反転処理部4では、デカールローラ駆動部85によりデカールローラ14,ピンチローラ15,16が回転するとともに、ローラ支持盤71…はデカールローラ14とピンチローラ15が鉛直方向(垂直方向)に並ぶ位置に回動変位している。これにより、搬送ローラ94により搬送されたカードCは、デカールローラ14とピンチローラ15間に進入し、デカールローラ14及びピンチローラ15,16により搬送される(ステップS19)。この際、カードCrがローラ機構6rを通過する間に反転駆動部74が駆動制御され、ローラ機構6rから送り出されるカードCrがカード排出部5における排出ローラ機構91の排出ローラ91uと91d間に進入する位置(角度)までローラ支持盤71…を回動変位させる。また、デカールローラ14に内蔵するヒータ17がOFFに切換えられ、又はONに切換えられた状態で温度調整部18により比較的温度の低い弱加熱状態に制御される。両面印刷モードでは、片面の印刷後、反対側の片面が同じ条件で印刷されるため、カードCrに生じるカールが相殺されるため、基本的にはヒータ17がOFFに切換えられる。しかし、時間(順番)的な相違によりカールが僅かに残留する可能性もあるため、この場合には、比較的温度の低い弱加熱状態に制御することも可能である。一方、排出ローラ機構91に進入したカードCrは、排出ローラ機構91により順方向へ送られ、受取トレイ92上に排出される(ステップS20)。
次に、片面印刷モードによる全体動作について、図8〜図15及び図1〜図6を参照しつつ、図7に示すフローチャートに従って説明する。
なお、片面印刷モードでは、図7に示すフローチャートの点線経路、即ち、ステップS1〜S5及びステップS19,S20が対応する。この場合、ステップS1〜S5までは両面印刷モードと片面印刷モードは共通の動作となるため、ステップS1〜S5の説明は省略する。今、ステップS5が終了した状態、即ち、カードCのラミネート処理が終了し、カードトレイ11が終端位置に到達して停止するとともに、吸引ファン32fの回転が停止した状態を想定する。したがって、この後は、搬送ローラ94によりカードCのみが順方向に搬送される(ステップS19)。
一方、反転処理部4では、デカールローラ駆動部85によりデカールローラ14,ピンチローラ15,16が回転するとともに、ローラ支持盤71…はデカールローラ14とピンチローラ15が鉛直方向(垂直方向)に並ぶ位置に回動変位している。これにより、搬送ローラ94により搬送されたカードCは、デカールローラ14とピンチローラ15間に進入し、デカールローラ14及びピンチローラ15,16により搬送されるとともに、同時にデカール処理が行われる。即ち、片面印刷が終了したときは、転写ローラ53(及びラミネートローラ63)を通過したカードCに、圧力と温度(熱)により上面が凹となるカール(反り)が生じる。このため、図15に示すように、カードCを、デカールローラ14とピンチローラ15,16間を通過させれば、印刷時に対して反対方向の作用が疑似的につくり出され、この作用によりカールを矯正するデカール処理が行われる(ステップS20)。
したがって、片面印刷モードでは、デカールローラ14に内蔵するヒータ17がONに切換えられ、加熱状態になっている。この場合、加熱温度は温度調整部18により予め設定する。即ち、カードCの材質や大きさによりカールの度合が異なるため、このカールの度合に対応した最適な矯正度合となるように、加熱温度を設定する。これにより、カードCがローラ機構6rを通過する際は、デカールローラ14とピンチローラ15,16によりカールに対して反対方向の反り(湾曲)が生じるとともに、カードCはデカールローラ14に内蔵するヒータ17により所定の温度に加熱され、カールに対する矯正処理(デカール処理)が行われる。
このように、デカール処理部6に、デカールローラ14に内蔵し、通過するカードCを加熱するヒータ17を設ければ、片面印刷時におけるカールを矯正するデカール処理を確実かつ容易に行うことができる。特に、カードCにカールが生じる印刷処理部3(熱転写印刷部3a,ラミネート処理部3b)の作用に対して反対の作用を疑似的につくり出すことができるため、カールに対する的確な矯正処理を行うことができるとともに、カードCの良好な品質を確保できる。特に、デカール処理部6には、ヒータ17の加熱温度を調整可能な温度調整部18を設けたため、カールを矯正処理する際の矯正度合を調整でき、矯正処理の最適化が可能となる。したがって、カードCに対して、より的確な矯正処理を行うことができるとともに、より良好な品質を確保できる。
一方、カードCがローラ機構6rを通過する間に、制御部7は反転駆動部74を駆動制御し、ローラ機構6rから送り出されるカードCがカード排出部5における排出ローラ機構91の排出ローラ91uと91d間に進入する位置(角度)までローラ支持盤71…を回動変位させる。また、排出ローラ機構91に進入したカードCは、排出ローラ機構91により順方向へ送られ、受取トレイ92上に排出される(ステップS20)。
よって、このような本実施形態に係るカードプリンタ1によれば、印刷処理部3の後段に反転処理部4を配設し、かつ反転処理部4の後段にカード排出部5を配設するとともに、反転処理部4に、カードCを搬送する搬送機能及びカードCのカールを矯正する矯正機能を兼ねるローラ機構6rを有するデカール処理部6を配設したため、両面印刷機能を有するカードプリンタ1により片面印刷を行う場合であっても、カードCに生じたカールに対する的確な矯正処理を行うことができるとともに、反転処理部4にデカール処理部6を一体に設けたため、搬送系の小型コンパクト化及びコストダウンを図ることができる。
他方、印刷開始前に、手差供給モードを選択した場合には、次のように動作する。まず、制御部7は、アーム昇降駆動部22b…を駆動制御して支持アーム22a…を上昇位置Xuまで上昇させる。これにより、カード群Coは、支持アーム22a…により持ち上げられるため、カード群Coはカードトレイ11の上面11uから離間し、カード群Coとカードトレイ11の上面11u間に所定の隙間が生じる。次いで、制御部7は、搬送ベルト駆動部38を駆動制御し、カードトレイ11を後退移動させる。これにより、カードトレイ11は、カードホッパ部21から逆方向へ抜け出る手差位置Xmまで移動する。したがって、この手差位置Xmにおけるカードトレイ11の上面11uに一枚のカードCを手差しによりセットすることができる。手差位置Xmにおけるカードトレイ11を図1に仮想線で示す。
カードCをセットしたなら、使用者は、スタートボタンをONする。これにより、印刷工程が開始する。なお、手差供給モードの選択時には、リタードローラ39rはその機能が無効となり空転状態に切換えられる。また、この際、吸引ファンモータ32mが作動し、吸引ファン32fの回転による吸気作用によりカードCはカードトレイ11の上面11uに保持されるとともに、カードCはカードトレイ11のカードキッカー11us…によって位置決めされる。さらに、スタートボタンのONにより、上述した自動供給モード時と同様の転写準備が行われる。転写準備の終了により、カードトレイ11が前進移動を開始する。この場合、カード群Coは支持アーム22a…により上昇位置Xuまで持上げられているため、カードトレイ11はそのままカードホッパ部21の下方を通過し、カードホッパ部21の順方向Dfに搬送される。そして、以降は、前述した自動供給モードの場合と同様に二次転写処理等の一連の処理が行われる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、双方向搬送機構部2は、カードCを載せて搬送するカードトレイ11と、このカードトレイ11をガイドするガイドレール12と、カードトレイ11を順方向Df及び逆方向Drへ移動させるベルト搬送機構13を備えて構成したが、カードトレイ11を用いることなく、カードCのみをローラ搬送する場合やリニアモータ等の他の移動手段により構成する場合を排除するものではない。一方、デカール処理部6に、デカールローラ14と、このデカールローラ14の周方向に沿って配した一対のピンチローラ15,16を有するローラ機構6rを設けた場合を示したが、他の形態のローラ機構を排除するものではない。また、デカールローラ14に内蔵するヒータ17を例示したが、ヒータ17の外部に配する放射タイプのヒータを排除するものではない。さらに、温度調整部18は、連続式可変タイプであってもよいし段階式可変タイプであってもよい。
本発明に係るカードプリンタは、カードの表裏面を反転させてカードの両面に印刷を行う両面印刷機能を備える各種のカードプリンタに利用できる。カードは、大きさ,厚さ,材質を問わず、各種カード類を適用できるとともに、カードプリンタは単独のカードプリンタであるか他の機器に内蔵するカードプリンタであるかは問わない。
1:カードプリンタ,2:双方向搬送機構部,3:印刷処理部,3a:熱転写印刷部,3b:ラミネート処理部,4:反転処理部,5:カード排出部,6:デカール処理部,6r:ローラ機構,7:制御部,11:カードトレイ,12:ガイドレール,13:ベルト搬送機構,14:デカールローラ,15:ピンチローラ,16:ピンチローラ,17:ヒータ,18:温度調整部,C(Cr):カード,Df:順方向,Dr:逆方向

Claims (8)

  1. カードを順方向又は逆方向の双方へ搬送可能な双方向搬送機構部と、搬送されるカードに印刷を行う印刷処理部と、この印刷処理部により片面に印刷されたカードの表裏面を反転させる反転処理部と、前記印刷処理部により両面が印刷されたカードを排出するカード排出部とを備えるカードプリンタにおいて、前記印刷処理部の後段に前記反転処理部を配設し、かつ当該反転処理部の後段に前記カード排出部を配設するとともに、前記反転処理部に、前記カードを搬送する搬送機能及び前記カードのカールを矯正する矯正機能を兼ねるローラ機構を有するデカール処理部を配設したことを特徴とするカードプリンタ。
  2. 前記双方向搬送機構部は、カードを載せて搬送するカードトレイと、このカードトレイをガイドするガイドレールと、前記カードトレイを順方向及び逆方向へ移動させるベルト搬送機構を備えることを特徴とする請求項1記載のカードプリンタ。
  3. 前記デカール処理部は、デカールローラと、このデカールローラの周方向に沿って配した一対のピンチローラを有する前記ローラ機構を備えることを特徴とする請求項1記載のカードプリンタ。
  4. 前記デカール処理部は、前記デカールローラに内蔵し、通過するカードを加熱するヒータを備えることを特徴とする請求項3記載のカードプリンタ。
  5. 前記デカール処理部は、前記ヒータの加熱温度を調整可能な温度調整部を備えることを特徴とする請求項4記載のカードプリンタ。
  6. 前記双方向搬送機構部を制御してカードを順方向に搬送する順方向搬送処理,前記印刷処理部を制御して搬送されるカードに印刷を行う印刷処理,前記反転処理部を制御して片面の印刷されたカードを反転するカード反転処理,前記双方向搬送機構部を制御してカードを逆方向に搬送する逆方向搬送処理,前記デカール処理部を制御して両面の印刷されたカードを前記カード排出部に供給するカード排出処理,を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1記載のカードプリンタ。
  7. 前記印刷処理部は、少なくとも前記カードの印刷面に対して印刷を行う熱転写印刷部を備えることを特徴とする請求項1記載のカードプリンタ。
  8. 前記印刷処理部は、前記熱転写印刷部により印刷されたカードの印刷面に対してラミネート層を設けるラミネート処理部を備えることを特徴とする請求項1又は7記載のカードプリンタ。
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