JP5318755B2 - バルビツル酸誘導体類の塩類を含有する重合性組成物類 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、重合性組成物類に関する。より具体的には、本発明は、バルビツル酸誘導体類の塩類を含有する重合性組成物類に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、欧州特許出願公開第06011176.2号(2006年5月31日出願)に対する優先権を主張する。
バルビツル酸及びチオバルビツル酸、及びこれらの誘導体類は、重合性組成物類中での酸化還元反応開始系の構成成分として使用されてきた。特に、ハロゲン化合物及び金属イオンと組み合わされたバルビツル酸が、メタクリレート類の硬化において効率的であることが見出されてきた。例えば、バルビツル酸またはチオバルビツル酸化合物及び銅ハロゲン化物または鉄ハロゲン化物を含有するポリマー反応開始系が、メタクリレート組成物類を硬化させるために使用されてきた。バルビツル酸誘導体及び塩化銅(II)を使用する反応開始系もまた使用されてきた。バルビツル酸またはチオバルビツル酸誘導体、銅塩、及びスルフィン酸化合物を含む反応開始系が、不飽和、酸性樹脂類を硬化させるために使用されてきた。
しかし、バルビツル酸、チオバルビツル酸、及び/またはそれらの誘導体類を反応開始系の一部として使用する従来の反応開始系は一般に、例えばメタクリレート類などの不飽和化合物類と接触する保存期限中には、安定な組成物類を提供しない。このため、保存期限中の安定性を向上した、改良された重合性組成物の必要性がある。
本発明は、少なくとも1つのバルビツル酸誘導体塩を含む重合性組成物類に関する。加えて、前記重合性組成物類は、通常、非酸性重合性構成成分を含む。前記塩を、非酸性、フリーラジカル重合性組成物と共に混合することによって、商業的用途において有用な十分な寿命を備えた安定した配合物を有する重合性組成物を得ることができる。このような配合物は順次、酸性組成物と共に混合して、重合を開始させてよい。
本明細書で使用する時、用語「バルビツル酸誘導体」は、バルビツル酸、バルビツル酸誘導体類、チオバルビツル酸、及びチオバルビツル酸誘導体類を含む。前記塩は、金属カチオンまたは無機カチオンを含むことが可能である。好適な金属カチオン類としては、安定カチオン類M+、M2+またはM3+を提供することができる任意の金属類Mを含む。幾つかの可能な無機カチオン類としては、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Fe、Cu、Zn、またはLaのカチオン類が含まれる。バルビツル酸の代表的な塩は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩である。好適なバルビツル酸塩の別の実施例は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩である。チオバルビツル酸誘導体の1つの可能な塩は、5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩である。
幾つかの実施形態においては、前記塩が、有機カチオンを含むことが可能である。好適な可能な有機カチオン類としては、アンモニウムのカチオンまたはアルキルアンモニウムのカチオンなどのアミン類のカチオン類が挙げられる。このタイプのバルビツル酸塩の一例は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩である。
非酸性フリーラジカル重合性組成物は、アクリレートまたはメタクリレートを含んでよい。幾つかの実施形態では、前記メタクリレートは、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、またはこの2つの混合物であることも可能である。
本発明の組成物類としては更に、バルビツル酸誘導体、非酸性重合性構成成分、及び酸性構成成分、または酸性構成成分への前駆体の塩の組み合わせを含む重合性組成物類が挙げられる。前記酸性構成成分、または酸性構成成分への前駆体は、重合性であってよく、かつ例えば、1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートなどのエチレン性不飽和化合物であってよい。
通常は、バルビツル酸誘導体塩と非酸性重合性構成成分を酸性構成成分、または酸性構成成分への前駆体と共に混合することによって、結果的に混合物が重合する。幾つかの実施形態では、前記酸性構成成分、または酸性構成成分への前駆体は、バルビツル酸誘導体のpKaよりも小さいpKaを有する。
一実施形態では、前記硬化性組成物は、1−ベンジル−5−フェニルバルビツル酸、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、及び1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートのカルシウム塩を含む。他の実施形態では、1−ベンジル−5−フェニルバルビツル酸のカルシウム塩は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩、5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩、または1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩によって置き換えられる。前記重合性組成物は、水吸着剤、ヒュームドシリカ、安定剤、促進剤、色素、光反応開始剤系、または安定剤からなる群から選択される、1種類以上の添加剤類を更に含んでよい。前記重合性組成物は更に、1種類以上の充填剤類を含んでよい。
本発明は、キットも含む。当該キットの1つの可能な特性は、それが、混合して重合を開始させる2種類またはそれ以上のペースト類を含有してもよいことである。2種類またはそれ以上のペースト類を混合することで、従来から使用してきた粉末及び液体系とは対照的に、混和性が増大することがある。本発明のキットは、共にまたは別個の部分を含有する1種類以上のペースト類、即ち、バルビツル酸誘導体塩、非酸性重合性構成成分、及び/または酸性重合性構成成分を含んでもよい。前記キット類はまた通常、ペースト類の混合手段を含む。
本発明は、バルビツル酸誘導体塩、酸性化合物または酸性化合物への前駆体、及び銅化合物を含む、酸化還元反応開始剤系も含む。前記酸化還元反応開始剤系は、可視光増感剤を更に含んでよい。
別の態様では、本発明は、重合性組成物の硬化方法に関する。本方法は、バルビツル酸誘導体塩及び非酸性重合性構成成分を含む第1組成物を調製する工程と、酸性構成成分または酸性構成成分への前駆体を含む第2組成物を調製する工程と、前記第1及び第2組成物を共に混合する工程とからなる。幾つかの実施形態では、前記酸性構成成分または酸性組成物への前駆体は、重合性であってよい。
本発明のある種の実施形態は、水吸着剤構成成分、光開始剤、安定剤、ヒュームドシリカ、促進剤、または色素などの添加剤類を1種類以上含有する。その他の添加剤類もまた、ある種の実施形態にて存在してよい。ある種の実施形態は、1種類以上の充填剤類を含有することが可能である。
組成物は、1以上の利点を提供し得る。例えば、バルビツル酸誘導体類を含有する反応開始剤系によって硬化させた重合性組成物類は、通常、良好な色安定性及び機械的特性を示す。加えて、これらの配合物の硬化は、その他の酸化還元反応開始系と比較して、より少ない熱を生成する場合がある。バルビツル酸誘導体塩と非酸性重合性化合物との混合物によって実現可能な1つの利点は、長期間にわたり保存することになる前記混合物の安定性である。従来の配合物は、バルビツル酸誘導体類をモノマーと共に貯蔵することができなかったが、これは該混合物の重合が予定より早い段階で生じるためである。
本発明の別の見込まれる利点は、バルビツル酸誘導体塩と重合性構成成分とのペースト状安定混合物によって実現される改良された混和性である。従来の配合物は、バルビツル酸構成成分と重合性構成成分とを分離していたが、これは反応性によるものであって、バルビツル酸を粉末として導入していた。改良された混和性は、1種類の粉末と液体ではなくむしろ、2種類のペーストを混合することによって実現することが可能である。歯科医のためのより容易な取り扱いを提供するためには、本発明が歯科分野にて使用される場合、改良された混和性が望ましい。
本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、以下の「発明を実施するための最良の形態」及び特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
定義
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5)が含まれる。用語「含む」、「含有する」、または「なる」は、特徴の非排他的列挙を意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「或る(a及びan)」及び「その(the)」は、その内容について別段のはっきりした指示がない限り、複数の指示対象を包含する。従って、例えば「化合物」を含有する組成物への言及は、2種以上の化合物の混合物を含む。同様に、用語「a」、「an」、「the」、及び「one」は、「少なくとも1つの」という意味に理解されるべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「または」は、その内容について別段のはっきりした指示がない限り、一般的に「及び/または」を包含する意味で用いられる。
用語「非酸性重合性」組成物は、酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物を含む。
本発明は、象牙質、エナメル質、及び骨などの硬い表面を処理するために使用し得る組成物を提供する。前記組成物類は、ルーティングセメント、充填材、コアビルドアップ材料またはピット及び亀裂用シーラントとしての接着剤(例えば、歯科用接着剤)と共に使用することが可能である。前記組成物類はまた、自己粘着性としても処方することができ、かつ任意の追加の接着剤なしに、例えば、ルーティングセメント、充填材、コアビルドアップ材料として使用することができる。
本発明の組成物類は、所望により、充填剤類、水吸着剤類、ヒュームドシリカ類、可視光増感剤類、安定剤類及びその他の添加剤類を含有することができる。本明細書に記載される構成成分の様々な組み合わせが、本発明の組成物中にて使用することが可能である。
本発明の組成物類は、重合性構成成分を含有することもできる。1つの重合性組成物は、以下の成分、(A)バルビツル酸誘導体塩、及び(B)酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物を含む。
本発明の組成物類としては、次の一般的構造を有するバルビツル酸誘導体塩が挙げられる。
Figure 0005318755
本構造において、R1、R2及びR3(同一でも異なっていてもよい)は、次の水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたは置換アリールラジカルから独立して選択される。R1、R2、及びR3には、塩素などのハロゲンラジカルまたはヒドロキシル基、アミノ基若しくはニトロ基もまた組み込まれてよい。
R1〜R3のラジカルのうち1つが非置換アルキルである場合、このラジカルは直鎖または分岐鎖であり得、例えば、1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に、1〜6個の炭素原子を含有することができる。低分子量アルキルラジカル類の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、及びイソアミルが挙げられる。
R1〜R3のラジカルのうち1つが置換アルキルラジカルである場合、本ラジカルのアルキル部分は通常、非置換アルキルについて上で示した炭素原子数を有する。R1〜R3のラジカルのうち1つがアルコキシアルキルまたはアルコキシカルボニルアルキルである場合、アルコキシラジカルは通常、例えば、1〜5個の炭素原子を含有し、かつ最も一般的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、またはイソアミルである。R1〜R3のラジカルのうち1つがハロアルキルである場合、ハロ部分は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであると理解される。
R1〜R3のラジカルのうち1つがアルケニルである場合、それは通常、C3〜C5アルケニルラジカルであり、特にアリルである。
R1〜R3のラジカルのうち1つが非置換シクロアルキルである場合、それは通常、C4〜C7シクロアルキルラジカル、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシルである。R1〜R3のラジカルのうち1つが置換シクロアルキルである場合、それは通常、上で示したシクロアルキルラジカル類の1つであり、該シクロアルキルラジカル上には、単一または複数の置換基が備わっており、例えば、場合により、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルまたはイソブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードまたはC1〜C4アルコキシ、特にメトキシなどのC1〜C4アルキルである。R1〜R3のラジカルのうち1つがアリールまたはアラルキルである場合、それは通常、アリールとしてのフェニルまたはナフチルである。特に好適なアリールアルキルラジカル類は、ベンジル及びフェニルエチルである。
R1〜R3はまた、所望する場合、置換アリールラジカル類であってもよい。この場合、フェニル及びナフチルが好ましく、環置換基としてのC1〜C4アルキル、特にメチル、ハロゲンまたはC1〜C4アルコキシ、特にメトキシが好ましい。
Xは、酸素またはイオウである。
Yは、有機カチオンまたは無機カチオンであってもよい。前記無機カチオンは、カチオンM+、M2+、またはM3+を提供することができる任意の金属Mであり得るが、これらに限定されない。好適な無機カチオン類としては、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Fe、Cu、Zn、またはLaのカチオン類が含まれる。
前記有機カチオンは、アンモニアまたは一級、二級若しくは三級アミン類から誘導されるカチオンであってもよい。一級、二級または三級アミン類の置換基類としては、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール若しくは置換アリールまたはこれらの混合物が挙げられる。
好適な一級アミン類の例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、第3ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、モノアリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルアミン、ナフチルアミンが挙げられる。
好適な二級アミン類の例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−第3ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジエタノールアミン、ジアリルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルエチルアミン、ジフェニルアミン、ジナフチルアミンが挙げられる。
好適な三級アミン類の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−第3ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリアリルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルエチルアミン、トリフェニルアミン、トリナフチルアミンが挙げられる。
上に列挙した1分子当たり1個の窒素原子を含有する一級、二級、または三級アミン類の例の他に、1分子当たり2個またはそれ以上の窒素原子を有するアミン化合物類(いわゆるポリアミン類)もまた、本発明に従って使用して、バルビツル酸誘導体類またはチオバルビツル酸誘導体類の有機塩類を調製することが可能である。好適なポリアミン類の例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン)、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、ポリプロピレンオキシドに対応するアミノ官能性ポリエチレンオキシド(ジェファミン(Jeffamin)、D−シリーズとして知られている)が挙げられる。
バルビツル酸誘導体塩の調製は当該技術分野において既知であり、かつ実施例中に図示されている。
構成成分(A)を製造するために使用してよいバルビツル酸誘導体類の例示的代表例を以下に挙げる:バルビツル酸、チオバルビツル酸、1,3,5−トリメチルバルビツル酸、1−フェニル−5−ベンジルバルビツル酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツル酸、1,3−ジメチルバルビツル酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツル酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツル酸、5−ラウリルバルビツル酸、5−ブチルバルビツル酸、5−アリルバルビツル酸、5−フェニルチオバルビツル酸、1,3−ジメチルチオバルビツル酸、トリクロロバルビツル酸、5−ニトロバルビツル酸、5−アミノバルビツル酸、及び5−ヒドロキシバルビツル酸。
本発明の組成物類としては、酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物類が挙げられる。これらの化合物類は重合性であり、かつモノマー類、オリゴマー類、またはポリマー類であってよい。
通常は、本発明の組成物は、化学的に重合可能である。これらの組成物類としては、重合性構成成分(例えば、エチレン性不飽和重合性構成成分)及びバルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩(重合開始剤として作用し得る)が挙げられる。
一実施形態では、前記エチレン性不飽和構成成分としては、強靱性、接着性、硬化時間等の変更された特性を提供することができる、α,β−不飽和化合物類が挙げられる。α,β−不飽和化合物類を用いる場合、それらは好ましくは、非水溶性または水混和性であるが、水溶性または水分散性でもあり得る。非水溶性、水溶性、水混和性、または水分散性(メタ)クリレート類(即ち、アクリレート類及びメタクリレート類)、(メタ)クリルアミド類(即ち、アクリルアミド類及びメタクリルアミド類)、及びウレタン(メタ)クリレート類が好ましい。
実施例としては、モノ−、ジ−またはポリ−(メタ)クリレート類(即ち、アクリレート類及びメタクリレート類)例えば、メチル(メタ)クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)クリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)クリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;(メタ)アクリルアミド(即ち、アクリルアミド及びメタクリルアミド)例えば、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)クリルアミド、及びジアセトン(メタ)クリルアミド;ウレタン(メタ)クリレート類、ポリエチレングリコール類のビス−(メタ)クリレート類(好ましくは、分子量200〜500)、米国特許第4,652,274号(ボッチャー(Boettcher)ら)に記載されているような、アクリル化されたモノマー類の共重合性混合物、米国特許第4,642,126号(ザドール(Zador)ら)に記載されているような、アクリル化されたオリゴマー類、及び米国特許第4,648,843号(ミトラ(Mitra))に開示されているもののような、ポリ(エチレン部が不飽和の)カルバモイルイソシアヌレート類、及びビニル化合物例えば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルサクシネート、ジビニルアジパート及びジビニルフタレートが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なフリーラジカル重合化合物としては、例えば、PCT国際公開特許WO−00/38619(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許WO−01/92271(ヴァインマン(Weinmann)ら)、PCT国際公開特許WO−01/07444(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許WO−00/42092(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)に開示されているようなシロキサン官能性(メタ)クリレート類、例えば、米国特許第5,076,844号(フォック(Fock)ら)、米国特許第4,356,296号(グリフィス(Griffith)ら)、欧州特許公開第0373384号(ヴァーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、欧州特許公開第0201031号(ライナーズ(Reiners)ら)、及び欧州特許公開第0201778号(ライナーズ(Reiners)ら)に開示されているようなフルオロポリマー官能性(メタ)クリレート類が挙げられる。所望する場合、2つ以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することが可能である。
前記重合性構成成分は、ヒドロキシル基及びフリーラジカル活性官能基を1つの分子内に含有していてもよい。このような物質の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;グリセロールモノ−またはジ−(メタ)クリレート;トリメチロールプロパンモノ−またはジ−(メタ)クリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−またはトリ−(メタ)クリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、またペンタ−(メタ)クリレート;及び2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパンなどのヒドロキシアルキル(メタ)クリレート類が挙げられる。
好適なエチレン性不飽和化合物類はまた、多種多様な市販の供給元、例えばシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)(ミズーリ州セントルイス)、及びローム&テック社(Rohm and Tech, Inc.)(ドイツ・ダルムシュタット)から入手可能である。更に好適な単官能性及び多官能性アクリレート類及びメタクリレート類、及び更なるエチレン性不飽和化合物については、G.ウエブスター(G. Webster)編、「コーティング、インク及び塗料のためのUV&EB形成についての化学及び技術(Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks and Paints)」第2巻「プレポリマー及び反応性希釈剤類(Prepolymers and Reactive Diluents)」(J.ワイリー・アンド・サンズ(J. Wiley and Sons)(チチェスター(Chichester)、ニューヨーク(N.Y.)、ワインハイム(Weinheim)、ブリスベン(Brisbane)、トロント(Toronto)、シンガポール(Singapore))刊、1997年)にもまた記載されている。必要であれば、α,β−不飽和化合物類の混合物を使用できる。
有用なエチレン性不飽和化合物類のその他の例としては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル類、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
通常は、本発明の組成物は、所望の硬化または硬化速度、及び硬化に続く所望の全体的な性質を提供するための十分な量のエチレン系不飽和構成成分を含む。
前記重合性組成物は更に、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物も含む。それゆえに、本発明の一実施形態では、前記重合性組成物は、以下の成分:(A)バルビツル酸誘導体塩と、(B)酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物と、(C)酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物とを含む。
バルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩を活性化することによって処方物の重合を開始させるために、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を使用することができる。本活性化は、ペーストまたは液体混合物(バルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩及び酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物で構成されている)と、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含むペーストまたは液体混合物とを混合することによって行うことが可能である。無機塩または有機塩と混合及び接触させることによって、酸官能性を有する前記エチレン性不飽和化合物は、バルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩を活性化する。バルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩の活性化は、エチレン性不飽和化合物類の重合を開始させる。
本明細書で使用する時、「酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物」とは、エチレン性不飽和、酸及び/または酸前駆体官能性を有するモノマー類、オリゴマー類、及びポリマー類を含むことを意味する。酸−前駆体官能基としては、例えば、無水物類、酸ハロゲン化物類、及びピロホスフェート類が挙げられる。
好適な酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、(例えば、HEMA)ホスフェート類、ビス((メタ)クリルオキシエチル)ホスフェート、((メタ)クリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)クリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)クリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)クリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)クリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)クリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)クリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)クリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)クリルオキシデシル)ホスフェート、α,β−不飽和酸性化合物類、例えば、グリセロールホスフェートモノメタクリレート類、グリセロールホスフェートジメタクリレート類、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−またはトリ−メタクリレート類、ポリ(メタ)クリレート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリ(メタ)クリル酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)クリレート化ポリホウ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また、不飽和炭酸類のモノマー類、オリゴマー類、及びポリマー類、例えば、(メタ)クリル酸類、芳香族(メタ)クリレート化酸類、(例えば、メタクリレート化トリメリット酸)、及びこれらの無水物類を使用することが可能である。幾つかの実施形態においては、本発明の組成物は、少なくとも1つのP−OH部分を有する酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
これら化合物のあるものは、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)クリレート類とカルボン酸との間の反応物として得られる。酸官能性及びエチレン系不飽和構成成分の両方を有するこの種の追加の化合物は、米国特許第4,872,936号(エンゲルブレヒト(Engelbrecht))及び同第5,130,347号(ミトラ(Mitra))に記載されている。エチレン系不飽和部分及び酸部分の両方を含有する多種多様のこのような化合物を使用することが可能である。所望する場合、このような化合物の混合物を使用することが可能である。
追加の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、米国特許公開公報第2004/0206932号(アブュールヤマン(Abuelyaman))に開示されているような重合性ビスホスホン酸類;AA:ITA:IEM(例えば、米国特許第5,130,347号(ミトラ(Mitra))の実施例11に記載されているように、AA:ITAコポリマーを十分な2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させ、前記コポリマーの酸基部分をペンダントメタクリレート基に変換することにより調製されるペンダントメタクリレートを有するアクリル酸:イタコン酸コポリマー);及び、米国特許第4,259,075号(ヤマウチ(Yamauchi)ら)、米国特許第4,499,251号(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,537,940号(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,539,382号(オムラ(Omura)ら)、米国特許第5,530,038号(ヤマモト(Yamamoto)ら)、米国特許第6,458,868号(オカダ(Okada)ら)、及び欧州特許出願公開第712,622号(トクヤマ社(Tokuyama Corp.))及び欧州特許出願公開第1,051,961号(クラレ社(Kuraray Co., Ltd.))に記載されているようなものが挙げられる。
その他の実施形態においては、前記組成物類は、酸、またはエチレン系不飽和官能性基を有さない酸への前駆体を含有してよい。好適な酸性基類の例は、カルボン酸残基類、亜リン酸(例えば、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸)残基類、イオウ酸(例えば、硫酸類、スルホン酸類、スルフィン酸類)残基類及びホウ酸残基類である。前記酸残基類は、自由な形態にて入手可能であるが、例えば、無水物類、酸ハロゲン化物類またはピロホスフェート類などの誘導体化された形態でも入手可能である。好適な酸類または酸前駆体類としては、酢酸、無水酢酸、塩化酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、安息香酸クロライド、ポリカルボン酸、リン酸、ポリホスホン酸、硫酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びポリスルホン酸が挙げられる。
化学重合性組成物類は、追加の酸化還元硬化系を含んでもよい。樹脂系(例えば、エチレン性不飽和構成成分)の重合を開始させることが可能なフリーラジカルを生成するために、還元剤及び酸化剤は、通常、互いに反応するか、ないしは別の方法で協働する。この種類の硬化は、暗反応である。即ち、光の存在に依存せずかつ光が存在しない状態下で進行可能である。通常は、前記還元剤及び酸化剤は、典型的な歯科用条件下での保存及び使用が可能なだけの十分な保管安定性があり、望ましくない着色が無く、かつ、前記樹脂系と十分に混和性であり、重合性組成物の他の構成成分へ容易に溶解可能で(同時にそこから分離しないようなもので)ある。
有用な還元剤類としては、米国特許第5,501,727号(ワング(Wang)ら)に記載されているようなアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体類、及び金属錯体アスコルビン酸化合物;アミン類、特に三級アミン類、例えば、4−第3ブチルメチルアニリン;芳香族スルフィン酸塩類、例えば、p−トルエンスルフィン酸塩類及びベンゼンスルフィン酸塩類;チオ尿素類、例えば、1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、及び1,3−ジブチルチオ尿素;及びこれらの混合物が挙げられる。他の二級還元剤類としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存する)、亜ジチオン酸塩または亜硫酸塩アニオンの塩類、及びこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、前記還元剤はアミンである。
好適な酸化剤はまた、当業者によく知られており、過硫酸及びその混合物、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、及びアルキルアンモニウム塩類が挙げられるが、これらに限定するものではない。追加の酸化剤類としては、過酸化物類、例えば、過酸化ベンゾイル類、ヒドロペルオキシド類、例えば、クミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、及びアミルヒドロペルオキシド、及び遷移金属の塩類、例えば塩化コバルト(III)及び塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸及びそれらの塩類、過マンガン酸及びその塩類、過リン酸及びその塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。
複数の酸化剤または複数の還元剤を使用することが望ましい場合がある。少量の遷移金属化合物を添加して、酸化還元硬化速度を速めてもよい。幾つかの実施形態では、米国特許公開公報第2003/0195273号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているような重合性組成物の安定性を高めるために、二級イオン性塩を包含することが好ましい場合がある。
前記還元剤及び酸化剤は、適切なフリーラジカル反応速度を得るのに十分な量で存在する。これは、任意の充填剤を除く、重合性組成物のすべての成分を混ぜ合わせることにより、及び硬化した大部分が得られたか否かを観察することにより、評価することができる。
前記還元剤または酸化剤は、米国特許第5,154,762号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている様に、マイクロカプセル化することができる。これは、一般に重合性組成物の貯蔵安定性を高め、かつ必要であれば、前記還元剤及び酸化剤を共にパッケージングすることを可能にする。例えば、カプセル化用材料を適切に選択することにより、前記酸化剤及び還元剤を酸官能性構成成分及び任意の充填剤と共に混ぜ合わせ、安定した保管状態に維持することができる。同様に、非水溶性カプセル化用材料を適切に選択することにより、前記酸化剤及び還元剤をFASガラス及び水と共に混ぜ合わせ、安定した保管状態に維持することができる。
酸化還元硬化系は、他の硬化系、例えば米国特許第5,154,762号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているような光重合性組成物と混ぜ合わせることができる。
ある実施態様においては、前記組成物類は光重合可能であり、即ち、前記組成物類は、化学線の照射により、フリーラジカル重合性組成物の重合(または硬化)を開始する光開始剤(即ち、光反応開始剤系)を含有する。
光重合性組成物類は、1以上のエチレン部が不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーを包含し得るフリーラジカル活性官能基を有する化合物類を包含してよい。少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を含有しかつ付加重合可能である。このようなフリーラジカル重合性化合物としては、モノ−、ジ−またはポリ−(メタ)クリレート類(即ち、アクリレート類及びメタクリレート類)例えば、メチル(メタ)クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)クリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレート、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;(メタ)クリルアミド類(即ち、アクリルアミド類及びメタクリルアミド類)例えば、(メタ)クリルアミド、メチレンビス−(メタ)クリルアミド、及び、ジアセトン(メタ)クリルアミド;ウレタン(メタ)クリレート類;ポリエチレングリコール類のビス−(メタ)クリレート類(好ましくは、分子量200〜500)、米国特許第4,652,274号(ボッチャー(Boettcher)ら)に記載されているような、アクリレート化されたモノマー類の共重合可能混合物、米国特許第4,642,126号(ザドール(Zador)ら)に記載されているような、アクリレート化されたオリゴマー類、及び、米国特許第4,648,843号(ミトラ(Mitra))に開示されているもののような、ポリ(エチレン部が不飽和の)カルバモイルイソシアヌレート類;ビニル化合物類、例えばスチレン、ジアリルフタレート、ジビニルサクシネート、ジビニルアジパート及びジビニルフタレートが挙げられる。他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、例えば、PCT国際公開特許00/38619(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許01/92271(ヴァインマン(Weinmann)ら)、PCT国際公開特許01/07444(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許00/42092(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)に開示されているようなシロキサン官能性(メタ)クリレート類、例えば、米国特許第5,076,844号(フォック(Fock)ら)、米国特許第4,356,296号(グリフィス(Griffith)ら)、欧州特許公開第0373384号(ヴァーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、欧州特許公開第0201031号(ライナーズ(Reiners)ら)、及び欧州特許公開第0201778号(ライナーズ(Reiners)ら)に開示されているようなフルオロポリマー官能性(メタ)クリレート類が挙げられる。所望する場合、2つ以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することが可能である。
前記重合性構成成分は、ヒドロキシル基類及びラジカル活性官能基を1つの分子内に含有していてもよい。このような物質の例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)クリレート類、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;グリセロールモノ−またはジ−(メタ)クリレート;トリメチロールプロパンモノ−またはジ−(メタ)クリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−またはトリ−(メタ)クリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、またペンタ−(メタ)クリレート;及び2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパンが挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物はまた、多種多様な民間の供給元、例えばシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)(セントルイス)から入手可能である。更に好適な単官能性及び多官能性アクリレート類及びメタクリレート類、及び更なるエチレン性不飽和化合物については、G.ウエブスター(G. Webster)編、「コーティング、インク及び塗料のためのUV&EB形成についての化学及び技術(Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks and Paints)」第2巻「プレポリマー及び反応性希釈剤類(Prepolymers and Reactive Diluents)」(J.ワイリー・アンド・サンズ(J. Wiley and Sons)(チチェスター(Chichester)、ニューヨーク(N.Y.)、ワインハイム(Weinheim)、ブリスベン(Brisbane)、トロント(Toronto)、シンガポール(Singapore))刊、1997年)にもまた記載されている。必要であれば、エチレン性不飽和化合物の混合物を使用できる。
ラジカル光重合性組成物を重合させるための好適な光反応開始剤(即ち、1以上の化合物を包含する光反応開始剤系)としては、2元系及び3元系が挙げられる。典型的3元光反応開始剤類としては、米国特許第5,545,676号(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、ヨードニウム塩、光増感剤、及び電子供与体化合物が挙げられる。好適なヨードニウム塩類としては、ジアリールヨードニウム塩類、例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、及びトリクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。好適な光増感剤は、約400nm〜約520nm(好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲内のいくらかの光を吸収するモノケトン類及びジケトン類である。特に好適な化合物としては、約400nm〜約520nm(更により好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲にあるいくらかの光を吸収するα−ジケトン類が挙げられる。実施例としては、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン、及びその他の1−アリール−2−アルキル−1,2−エタンジオン類、及び環状α−ジケトン類が挙げられる。好適な電子供与体化合物としては、置換アミン類、例えば、エチルジメチルアミノベンゾエートが挙げられる。
フリーラジカル光重合性組成物を重合するために好適な他の光反応開始剤としては、典型的に約380nm〜約1200nmの範囲の有効波長を有するホスフィンオキシドの部類が挙げられる。約380nm〜約450nmの範囲の有効波長を備えたホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤の例としては、米国特許第4,298,738号(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,324,744号(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,385,109号(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,710,523号(レヒトケン(Lechtken)ら)、及び米国特許第4,737,593号(エルリッヒ(Ellrich)ら)、米国特許第6,251,963号(コーラー(Kohler));欧州特許出願公開第0173567A2号(イン(Ying))に記載されるもののようなアシル及びビスアシルホスフィンオキシド類が挙げられる。
約380nm超〜約450nmの範囲の波長を浴びた場合に、フリーラジカル反応開始が可能な市販のホスフィンオキシド光反応開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(IRGACURE)819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)(ニューヨーク州、タリータウン))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの25:75(重量比)混合物(イルガキュア(IRGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの1:1(重量比)混合物(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(ルシリン(LUCIRIN)LR8893X、BASF社(ノースカロライナ州、シャーロット))が挙げられる。
通常は、ホスフィンオキシド反応開始剤は、光重合性組成物内に、触媒として有効な量、例えば、当該組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜5.0重量%にて存在する。
三級アミン還元剤類を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な三級アミンの一例としては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。存在する場合、前記アミン還元剤は、該組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜5.0重量%の量で光重合性組成物中に存在する。その他の反応開始剤の有用な量は、当業者には周知である。
前記重合性組成物は更に、1種類以上の充填剤類を含んでよい。充填剤は、多くの場合超微粒子状である。前記充填剤は、単峰性(unimodial)または複峰性(polymodial)(例えば、二峰性)の粒子寸法分布を有することができる。通常は、充填剤の最大粒径(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、約20マイクロメートル未満、より典型的には約10マイクロメートル未満、最も典型的には約5マイクロメートル未満である。通常は、充填剤の平均粒径は、約0.1マイクロメートル未満、より典型的には約0.075マイクロメートル未満である。
充填剤は、無機物質であり得る。それはまた、前記樹脂系(即ち、硬化性構成成分)に不溶性の架橋型有機物質であり得、かつ所望により無機充填剤で充填することもできる。歯科用途にて使用する場合、充填剤は、いずれにせよ無毒でかつ口内で用いるのに好適でなければならない。前記充填剤は、放射線不透過性または放射線透過性であり得る。前記充填剤は典型的には、実質的に水に不溶性である。
好適な無機充填剤の例としては、石英(即ち、シリカ、SiO2);窒化物(例えば、窒化ケイ素);Zr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、Zn、及びAlから誘導されるガラス及び充填剤;長石;ボロシリケートガラス;カオリン;タルク;ジルコニア;チタニア;低モース硬度充填剤、例えば、米国特許第4,695,251号(ランドクレブ(Randklev))に記載されているようなもの;サブミクロンのシリカ粒子(例えば、商品名アエロジル(デグサ社(Degussa Corp)(オハイオ州、アクロン)からの「OX50」、「130」、「150」及び「200」シリカ、キャボット社(Cabot Corp.)(イリノイ州、タスコラ)からのCAB−O−SILM5シリカを含む)にて入手可能なもののような発熱性シリカ)を含む、天然素材の物質または合成された物質であるが、これらに限定されるものではない。好適な有機充填剤粒子の例としては、充満粉砕または非充満粉砕のポリカーボネート類、ポリメタクリレート類、ポリエポキシド類が挙げられる。
好適な非酸反応性(non-acid-reactive)充填剤粒子類は、石英(即ち、シリカ)、サブミクロンのシリカ、ジルコニア、サブミクロンのジルコニア、及び米国特許第4,503,169号(ランドクレブ(Randklev))に記載されているような種類の非ガラス質の微小粒子である。これら非酸反応性(non-acid-reactive)充填剤の混合物は更に、有機及び無機の物質から調製される混合充填剤でもよい。
前記充填剤は更に、酸反応性(acid-reactive)充填剤であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物類及び水酸化物類、ガラス類、及び金属塩類が挙げられる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、及びフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。前記ガラスは更に、典型的には、十分な溶離性フッ化物イオンを含有し、これにより前記の硬化した組成物が抗齲蝕性を有する。前記ガラスは、フッ化物、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含有する溶解物から、FASガラス製造技術における当業者によく知られている技術を使用して調製することができる。FASガラスは、通常、十分に超微粒子状の粒子形態であるため、他の構成成分と都合良く混合でき、得られた混合物が口内で使用される場合、良好に機能するであろう。
一般に、前記FASガラスの平均粒径(典型的には直径)は、例えば、沈殿分析器を使用して測定した場合、約12マイクロメートル以下、典型的には約10マイクロメートル以下、より典型的には約5マイクロメートル以下である。好適なFASガラス類は、当業者によく知られており、かつ多種多様な民間の供給元から入手可能であり、多くは、商品名ヴィトレマー(VITREMER)、ヴィトレボンド(VITREBOND)、リリイ・X・ルーティング(RELY X LUTING)・セメント、リリイ・X・ルーティング(RELY X LUTING)・プラス・セメント、フォタック−フィル(PHOTAC-FIL)クイック、ケタック−モラー(KETAC-MOLAR)、ケタック−フィル(KETAC-FIL)プラス(3M ESPE歯科用製品(ミネソタ州、セントポール))、フジII LC及びフジ IX(G−Cデンタル工業社(G-C Dental Industrial Corp.)(日本、東京))、及びCHEMFIL・スペリオール(Superior)(デンツプライ社(Dentsply International)、(ペンシルベニア州、ヨーク))の市販のものなど、現在利用可能なガラス・アイオノマー・セメント内に見出される。所望する場合、充填剤の混合物を使用することが可能である。
充填剤及び樹脂間の結合を高めるために、前記充填剤粒子の表面を更に、カップリング剤で処理することができる。好適なカップリング剤の使用は、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、などを包含する。特定の実施形態では、シラン処理ジルコニア−シリカ(ZrO2−SiO2)充填剤、シラン処理シリカ充填剤、シラン処理ジルコニア充填剤、及びこれらの組み合わせが、特に好ましい。
他の好適な充填剤は、米国特許第6,387,981(チャン(Zhang)ら)及び米国特許第6,572,693号(ウー(Wu)ら)、及びPCT国際公開特許WO01/30305(チャンら)、WO01/30306(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、WO01/30307(チャンら)、及びWO03/063804(ウーら)に開示されている。これらの参考文献に記載されている充填剤構成成分としては、ナノサイズシリカ粒子、ナノサイズ金属酸化物粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。またナノ充填剤は、米国公開特許出願10/847,781(カンガス(Kangas)ら);同10/847,782(コルブ(Kolb)ら);同10/847,803(クライグ(Craig)ら);及び同10/847,805(ブッダ(Budd)ら)にも記載されており、これら4件、全ては2004年5月17日に出願されている。
幾つかの実施形態(例えば、組成物が歯科用接着剤である場合)では、前記組成物類は、好ましくは、該組成物の全重量を基準にして、少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約2重量%、最も好ましくは少なくとも約5重量%の充填剤を含む。このような実施形態では、本発明の組成物は該組成物の総重量を基準として、好ましくは最大で約40重量%、より好ましくは最大で約20重量%、最も好ましくは最大で約15重量%の充填剤を含む。
他の実施形態(例えば、組成物が歯科修復材または歯科矯正用接着剤である)において、本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として、好ましくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約45重量%、最も好ましくは少なくとも約50重量%の充填剤を含む。そのような実施形態において、本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として、好ましくは約90重量%以下、より好ましくは約80重量%以下、さらにより好ましくは約70重量%以下の充填剤、最も好ましくは約50重量%以下の充填剤を含む。
任意に、本発明の組成物は、溶媒類(例えば、水、アルコール類(例えば、プロパノール、エタノール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル)、及び他の非水溶媒類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロロリジノン))を含有してよい。
所望する場合、本発明の組成物は、添加剤類を含有することができる。好適な添加剤類及びそれらの機能については、例えば、P.ナネッティ(P.Nanetti)著、「Lackrohstoffkunde」(Vincentz Verlag(ハノーバー)刊、1997年)に記載されている。添加剤類の例としては、インジケーター類、染料類、顔料類、阻害剤類、促進剤類、粘度調整剤類、保湿剤類、乳化剤類、酒石酸、キレート剤類、緩衝剤類、安定剤類、及び当業者には明白である他の類似成分類が挙げられる。更に、薬剤または他の治療用物質を、任意に前記組成物に添加することができる。例としては、フッ化物供給源、増白剤類、抗カリエス剤類(例えば、キシリトール)、無機成分補給剤類(例えば、リン酸カルシウム化合物)、酵素類、気分転換剤類、麻酔剤類、凝固剤類、酸中和剤類、化学療法剤類、免疫反応調整剤類、チキソトロープ類、ポリオール類、抗炎症剤類、抗菌剤類、抗カビ剤類、口内乾燥処理剤、減感剤類、など、多くの場合、歯科用組成物にて使用されるタイプのものが挙げられるが、これらに限定されない。上述のいずれかの添加剤の組み合わせを用いてもよい。当業者は、このような添加剤のどれか1つの、選択及び量を、過度な実験をすることなく、所望の結果を達成するために選ぶことができる。
本発明のある種の組成物類は、吸着性構成成分を含有してもよい。吸着剤構成成分は、合成ゼオライト類を含有してよい。幾つかの吸着剤構成成分は、水のみを吸収し、他のものは他の分子を同様に吸収する。
本発明のバルビツル酸誘導体類の塩類は、酸化還元反応開始剤系の一部として使用することが可能である。酸化還元反応開始剤系は、以下の成分を含むことが可能である:(A)バルビツル酸誘導体の無機塩または有機塩、(B)酸性化合物、及び(c)銅化合物。本発明の酸化還元反応開始剤系は、接着性促進物質、歯科用安定化組成物及び様々な充填剤含有量を備えた歯科用充填材を調製及び適用するために使用することができる。本発明の酸化還元反応開始剤系はまた、コーティング材料及び/またはエチレン系不飽和モノマーをベースにした接着剤類を硬化させるためにも好適である。
本発明の酸化還元反応開始剤系はまた、エチレン系不飽和モノマー類、例えば(メタ)クリレート類をベースにした酸性配合物類を硬化させるのに好適である。
酸化還元反応開始剤系の特定の実施形態は、一般式、R1SOO−R2の構成成分(B)として、スルフィン酸化合物及び/またはこれらの混合物を含み、式中、R1は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたは置換アリールラジカルかつR2=H、金属、例えば、リチウム、ナトリウム若しくはカリウムであり、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール若しくは置換アリールラジカルである。
R1またはR2のラジカルのうち1つが、非置換アルキルである場合、このラジカルは直鎖または分岐鎖であることができ、かつ例えば、1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に、1〜6個の炭素原子を含有することができる。低分子量アルキルラジカル類の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、及びイソアミルである。
R1またはR2のラジカルのうち1つが置換アルキルラジカルである場合、本ラジカルのアルキル部分は通常、非置換アルキルについて上で示した炭素原子数を有する。R1またはR2のラジカルのうち1つがアルコキシアルキルまたはアルコキシカルボニルアルキルである場合、アルコキシラジカルは、例えば、1〜5個の炭素原子を含有し、かつ好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチルまたはイソアミルである。R1またはR2のラジカルのうち1つがハロアルキルである場合、ハロ部分は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであると理解される。
R1またはR2のラジカルのうち1つが、アルケニルである場合、それは通常、C3〜C5アルケニルラジカル類であり、特にアリルである。
R1またはR2のラジカルのうち1つが非置換シクロアルキルである場合、それは通常、C4〜C7シクロアルキルラジカル類、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
R1またはR2のラジカルのうち1つが置換シクロアルキルである場合、それは通常、上で示したシクロアルキルラジカル類の1つであり、該シクロアルキルラジカル上には単一または複数の置換基が備わっており、場合により、例えばC1〜C4アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルまたはイソブチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードまたはC1〜C4アルコキシ、特にメトキシである。
R1またはR2のラジカルのうち1つが、アリールまたはアラルキルである場合、それは通常、アリールとしてのフェニルまたはナフチルである。好適なアリールアルキルラジカル類は、ベンジル及びフェニルエチルである。
R1〜R2はまた、所望する場合、置換アリールラジカル類であってもよい。この場合、フェニル及びナフチルが好ましく、環置換基としては、C1〜C4アルキル、特にメチル、ハロゲンまたはC1〜C4アルコキシ、特にメトキシが好ましい。
構成成分(B)の代表例としては例えば、次のものを挙げることが可能である:ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム二水和物、トルエンスルホン酸ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、2,5−ジクロロベンゼンスルフィン酸のナトリウム塩、3−アセトアミド−4−メトキシメンゼンスルフィン酸。
構成成分(B)の特に好適な化合物類は、トルエンスルフィン酸ナトリウムまたはベンゼンスルフィン酸ナトリウム及びそれらの水和物類である。
本発明のある種の組成物類は、銅化合物及び/またはこれらの混合物を含有し、一般式、CuXnを備え、式中、Xは有機アニオン及び/または無機アニオンであり、かつn=1または2である。好適な銅化合物類の例としては、塩化銅、酢酸銅、アセチルアセトン銅、ナフテン酸銅、サリチル酸銅またはチオ尿素若しくはエチレンジアミン四酢酸との銅錯体類が挙げられる。
本発明のある種の実施形態は、キットに関するものである。キットは、構成成分または一緒に混合できるようになっている組成物類の構成成分の組み合わせを含有する。組成物の内容物はパッケージ化されて、それらが必要となるまで構成成分が保管される。
本発明の組成物は、自己粘着性歯科用組成物として配合してよい。1つの粘着性組成物は、以下の成分、(A)バルビツル酸誘導体塩、(B)酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物、及び(C)酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む。
別の態様では、本発明は酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物;バルビツル酸誘導体塩を含む反応開始剤系;及び水を含む、接着剤組成物を提供し、該組成物は自己エッチング性(self-etching)、油中水型エマルション(例えば、マイクロエマルション)である。
前記重合性組成物は、多くの設定で使用されてもよく、任意の特定領域に限定されない。例えば、歯科用領域以外では、本発明に係る重合性組成物は、コーティング材料として、材料を接着固定させるために、または建築用領域において、例えば、アンカーまたは目釘を壁に固定するために使用することが可能である。
以下の実施例により、本発明を説明する。特定の例、材料、量、及び手順は、本明細書において以下に記述する本発明の精神及び範囲に従って広く解釈されるものと解されるべきである。別段の指定がない限り、部及び百分率はすべて、質量基準である。
試験方法
重合時間の決定
実施例1〜18、及び比較例1及び2のモノマー混合物類の重合に所要な時間は、単純な歯科用プローブを使用して決定した。重合のための所要時間は、プローブがそれ以上最初の液体混合物中に埋まらなくなる時点として定義した。
ペースト・ペースト混合物の硬化時間の決定
実施例19における混合ペーストの硬化時間は、レオメーター(型式MRC 301、アントンパール(Anton Paar)社(ドイツ、オストフィルデルン(Ostfildern))製)を使用し、パラメータ・タンジェントδ(粘性係数対弾性率の比として定義される)を観察することによって測定した。
材料
A.バルビツル酸誘導体類の塩類
1.1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩(Ca−BzPBと略される)
水酸化カルシウム(1.234g)を蒸留水500mLに添加し、10分間攪拌して、約11のpHを有する懸濁液を得た。1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸(9.234g)を、撹拌しながら懸濁液に添加して、約7のpHを有するほぼ透明な溶液を得た。前記溶液を更に30分間攪拌してから濾過した。濾液を液体窒素で凍結させ、次に凍結乾燥させて1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩を得て、プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)及び赤外分光法によって特定化する。
2.1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩(Na−BzPBと略される)
Na−BzPBは、水酸化カルシウムに代えて重炭酸ナトリウムを用いたという点を除いて、上記手順に従って調製した。具体的には、50gの1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸を15gの重炭酸ナトリウムに添加した。
3.1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩(TEA−BzPBと略される)
トリエタノールアミン(15.2g)を600mLのアセトン中に溶解させ、30℃まで加熱した。30gの1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸を前記透明溶液に撹拌しながら添加した。10分後、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸(TEA−BzPB)のトリエタノールアンモニウム塩が沈殿した。更に16時間撹拌後、沈殿した塩を濾過によって分離し、減圧下(2Pa(0.02mbar))60℃にて乾燥させ、次に、プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)にて特底化した。
4.5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩(Ca−PTBと略される)
水酸化カルシウム(0.331g)を蒸留水50mLに添加し、10分間攪拌して、約11のpHを有する懸濁液を得た。5−フェニル−チオバルビツル酸(1.914g)を懸濁液に添加した。前記反応混合物を1時間撹拌し、次に濾過した。濾液を液体窒素で凍結し、凍結乾燥させて、5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩を得て、赤外分光法にて特定化した。
B.その他の物質
1.グリセロール−1,3−ジメタクリレートホスフェート
撹拌しながら、氷浴で冷却しつつ、室温での窒素雰囲気下にて48時間、72gのグリセロール−1,3−ジメタクリレートを17gの五酸化リンと反応させ、グリセロール−1,3−ジメタクリレートホスフェートを淡黄色液体として得た。前記生成物は、1H−及び31P−NMR分光法にて特定化した。
2.プロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレート
100gのビスフェノールA、83gの3−クロロ−1−プロパノール及び49gの水酸化カリウムの反応を、100℃にて、300mLのエチレングリコール内にて行った。10時間の反応時間後に、反応混合物を室温まで冷却し、水(300mL)を添加した。次に、前記反応混合物を900mLのトルエンで抽出した。一体化されたトルエン抽出物を200mLの水で洗浄した。溶媒を真空下にて蒸発させ、油状中間生成物を得た。
次に、前記中間生成物を400mLのベンゼン中に溶解させた。78gのメタクリル酸及び2gの硫酸を添加し、混合物を、水冷冷却器を使用して12時間還流下に反応させた。前記反応混合物を室温まで冷却し、300mLの水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、更に、500mLの水で洗浄した。最後に、有機溶媒を真空下にて蒸発させて、最終生成物を淡黄色液体として得た。生成物は、1H−NMR分光法にて特性化した。
3.トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMAと略される)
レーム社(Roehm GmbH & Co. KG)(ドイツ・ダルムシュタット)から市販されている。
4.ストロンチウムアルミニウムフルオロケイ酸塩ガラス(3%シラン)
非反応性SR−ガラス(ショット・グラスヴェルケ社(Schott Glaswerke)(ドイツ、ランツフート)から、GM32087(粒径<12マイクロメートル)として市販されている)を、3重量%のメタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理された。
(実施例1)
5gのトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)及び5gのプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートから成る非酸性メタクリレート類の混合物を調製した。2.6重量%の1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩(Ca−BzPBと略される)(「材料(MATERIALS)」にて記載の如く調製した)を前記混合物に添加し、次に23℃かつ周囲湿度にて密閉容器内で保管した。
モノマー類及び塩の混合物が重合したことを目視にて観察した。単量体混合物は、観察期間中、酸の存在下で重合しなかった。結果は、表1にて要約されている。
(実施例2〜4)
実施例1は、前述した3種類のその他塩類を用いて各々繰り返した:1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩(Na−BzPBと略される)、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩(TEA−BzPBと略される)及び5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩(Ca−PTBと略される)。これらの塩類はいずれも、前記混合物を周囲条件下にて保存した際に、前記非酸性メタクリレートモノマー類の重合を生じなかった。結果は、表1にて要約されている。
比較例1
1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸(BzPBaと略される)(2.6重量%)を実施例1〜4に記載されている単量体混合物に添加した。重合は、24時間以内に観察された。重合時間は、上記試験方法(Test Method)セクションで記載の如く決定した。結果は、表1にまとめた。
比較例2
5−フェニル−チオバルビツル酸(PTBaと略される)(2.6重量%)もまた上記非酸性メタクリレートモノマー類の混合物に添加した。重合は、4時間以内に生じた。
(実施例5〜8)
酢酸(0.33g)を実施例1〜4に記載されている各混合物にそれぞれ添加した。重合のための所要時間は、上記試験方法(Test Methods)にて記載の如く測定し、記録した。結果は、表1にて要約されている。
(実施例9〜12)
p−トルエンスルホン酸(0.27g)を実施例1〜4に記載されている各混合物にそれぞれ添加した。重合のための所要時間は、上記試験方法(Test Methods)にて記載の如く測定し、記録した。結果は、表1にて要約されている。
(実施例13〜16)
グリセロール−1,3−ジメタクリレートホスフェート(2.5g)を実施例1〜4に記載されている各混合物にそれぞれ添加した。重合のための所要時間は、上記試験方法(Test Methods)にて記載の如く測定し、記録した。結果は、表1にて要約されている。
Figure 0005318755
モノマー1 トリエチレングリコールジメタクリレート
モノマー2 プロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレート
−−無し 構成成分が存在しない。
(実施例17)
第1液体構成成分は、95重量%のプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートと5重量%の1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩(Ca−BzPB)とを組み合わせることにより調製した。
第2液体構成成分は、95.45重量%のトリエチレングリコール(triethylenglycol)ジメタクリレート(TEGDMA)、0.16重量%のCu(II)−アセテート促進剤及び4.39重量%の酢酸を組み合わせることにより調製した。
液体Aの1重量部混合を液体Bの1重量部と混合して、20分間23℃にて重合させる組成物を得た。
実施例17の2種類の構成成分の組成を表2にまとめた。
Figure 0005318755
Ca−BzPB:1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩
(実施例18)
実施例17は、以下の2つの点を除いて繰り返された:液体B中にて用いられる酸が6.04重量%のグリセロール−1,3−ジメタクリレートホスフェート(酢酸に代えて)であり、TEGDMAが93.8重量%まで減らされた。
液体Aの1重量部混合と液体Bの1重量部とを混合して、18分間23℃にて重合させる組成物を得た。
(実施例19)
実施例19では、2種類のペースト構成成分で、各構成成分が充填剤を含むものを調製した。
ペーストAは、2種類の非酸性メタクリレートモノマー、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩及び67重量%の酸反応性(acid-reactive)FASガラス(例えば、市販のG018−090、ショット・グラスヴェルケ社(Schott Glaswerke)(ドイツ、ランツフート)製)から構成された。
ペーストBは、酸性構成成分(グリセロール−1,3−ジメタクリレートホスフェート)、促進剤(酢酸銅)及び70重量%のストロンチウムアルミニウムフルオロケイ酸塩ガラス(3%シラン含有)から構成された。ペーストA及びペーストBは、下表に与えられた量の構成成分を混合すること、及び次に市販の混練装置を使用して構成成分を共に混練することによって調製した。
実施例19の2種類の構成成分の組成を表3にまとめた。
Figure 0005318755
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
次に、ペーストAの1重量部とペーストBの1重量部とを、スパチュラ及び混合パッドを使用して手で混合することによって混ぜ合わせた。混合ペーストは、約8分間(28℃にて)後に硬化し始めた。
本発明は、例えば、以下の態様の発明を含む。
[1]
a.下記一般式(I):
Figure 0005318755
(式中、R1、R2及びR3は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたは置換アリールから独立して選択され、
Xは、酸素またはイオウであり、
Yは、金属カチオンまたは有機カチオンである)
を有する化合物;及び、
b.酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物
を含む、フリーラジカル重合性組成物。
[2]
a.バルビツル酸、チオバルビツル酸、バルビツル酸誘導体、またはチオバルビツル酸誘導体の塩、及び
b.酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物を含む、フリーラジカル重合性組成物。
[3]
構成成分(a)及び(b)が、共に混合した際に安定混合物を形成する、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記塩は無機カチオンを含む、[2]に記載の組成物。
[5]
前記無機カチオンは、安定カチオン類M + 、M 2+ 、またはM 3+ を提供することができる金属Mを含む、[4]に記載の組成物。
[6]
前記無機カチオンが、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Fe、Cu、Zn、またはLaのカチオンである、[4]に記載の組成物。
[7]
前記カチオンが、Na、K、またはCaのカチオンである、[4]に記載の組成物。
[8]
バルビツル酸の塩は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩または1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩を含む、[2]に記載の組成物。
[9]
チオバルビツル酸の塩は、5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩を含む、[2]に記載の組成物。
[10]
前記塩は、有機カチオンを含む、[2]に記載の組成物。
[11]
前記有機カチオンが、アンモニウム、アルキルアンモニウム、またはトリエタノールアンモニウムのカチオンである、[10]に記載の組成物。
[12]
バルビツル酸の塩は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩を含む、[2]に記載の組成物。
[13]
酸性構成成分を更に含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[14]
酸性構成成分の前駆体を更に含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[15]
酸性構成成分または酸性構成成分の前駆体が、エチレン性不飽和化合物である、[13]または[14]に記載の組成物。
[16]
前記組成物は、酸性構成成分、塩化合物、及び酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物を混合することによって硬化している、[13]〜[15]のいずれか一項に記載の組成物。
[17]
酸官能性を有する前記エチレン性不飽和化合物が、1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートである、[15]に記載の組成物。
[18]
前記酸性構成成分または酸性構成成分の前駆体は、一般式(I)を有する化合物の合成のために使用されるバルビツル酸、チオバルビツル酸、バルビツル酸誘導体またはチオバルビツル酸誘導体のそれよりも小さいpKaを有する、[13]または[14]に記載の組成物。
[19]
前記酸性構成成分または酸性構成成分の前駆体は前記組成物を硬化させる、[13]または[14]に記載の組成物。
[20]
酸官能性を有さない前記エチレン性不飽和化合物は、アクリレートまたはメタクリレートを含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[21]
酸官能性を有さない前記エチレン性不飽和化合物が、トリエチレングリコールジメタクリレートまたはプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートである、[1]または[2]に記載の組成物。
[22]
塩化合物は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩、または5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩を含み、
かつ、酸官能性を有さない前記エチレン性不飽和化合物は、トリエチレングリコールジメタクリレートまたはプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートの混合物を含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[23]
1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートを更に含む、[22]に記載の組成物。
[24]
水吸着剤、ヒュームドシリカ、促進剤、色素、光反応開始剤系、酸化還元硬化系及び安定剤からなる群から選択される添加剤を更に含む、[1]〜[23]のいずれか一項に記載の組成物。
[25]
充填剤を更に含む、[1]〜[23]のいずれか一項に記載の組成物。
[26]
[1]または[2]に記載のフリーラジカル重合性組成物と、酸性化合物または酸性化合物への前駆体を含む組成物と、混合手段とを含む、キット。
[27]
前記酸性化合物が酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物である、[26]に記載のキット。
[28]
酸官能性を有する前記エチレン性不飽和化合物が、1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートである、[27]に記載のキット。
[29]
酸官能性を有さない前記エチレン性不飽和化合物がメタクリレートである、[26]に記載のキット。
[30]
前記メタクリレートが、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、またはトリエチレングリコールジメタクリレートとプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートとの混合物である、[29]に記載のキット。
[31]
前記塩化合物または一般式(I)を有する化合物は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩、または5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩を含む、[26]に記載のキット。
[32]
前記塩化合物または一般式(I)を有する化合物は、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のカルシウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のナトリウム塩、1−ベンジル−5−フェニル−バルビツル酸のトリエタノールアンモニウム塩、または5−フェニル−チオバルビツル酸のカルシウム塩を含み、
かつ、酸官能性を有さない前記エチレン性不飽和化合物は、トリエチレングリコールジメタクリレートとプロポキシル化ビスフェノールAジメタクリレートとの混合物を含む、[26]に記載のキット。
[33]
前記酸性構成成分が、1,3−グリセロールジメタクリレートホスフェートである、[32]に記載のキット。
[34]
a.[1]または[2]に記載の組成物を調製する工程と、
b.酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸性構成成分、または酸性構成成分の前駆体からなる群から選択される化合物を含む組成物を調製する工程と、
c.(a)の組成物及び(b)の組成物を共に混合する工程、とを含む歯科用配合物の硬化方法。
[35]
酸の量は、混合によっていくらかの塩化合物が塩でない形態へと変換する程度である、[34]に記載の方法。
[36]
a.バルビツル酸、チオバルビツル酸、バルビツル酸誘導体、またはチオバルビツル酸誘導体、の塩と、
b.酸性化合物と、
c.銅化合物とを含む、酸化還元反応開始剤系。
[37]
構成成分(a)が、次の構造:
Figure 0005318755
(式中、R1、R2及びR3は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたは置換アリールから独立して選択され、
Xは、酸素またはイオウであり、
Yは、金属カチオンまたは有機カチオンである)
を有する、[36]に記載の酸化還元反応開始剤系。
[38]
バルビツル酸、チオバルビツル酸、バルビツル酸誘導体、またはチオバルビツル酸誘導体の塩は、有機カチオンまたは金属カチオンを含む、[2]に記載の組成物。
[39]
前記有機カチオンが、アンモニウムカチオンまたはアルキルアンモニウムカチオンである、[1]〜[38]のいずれか一項に記載の組成物。
[40]
前記金属カチオンが、安定カチオン類M + 、M 2+ 、またはM 3+ を提供することができる金属Mである、[1]に記載の組成物。
[41]
前記金属カチオンが、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Fe、Cu、Zn、またはLaのカチオンである、[1]に記載の組成物。
[42]
前記金属カチオンが、Na、K、またはCaのカチオンである、[1]に記載の組成物。
[43]
前記金属カチオンが、Caのカチオンである、[1]に記載の組成物。
[44]
前記有機カチオンは、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムのカチオンを含む、[1]または[10]に記載の組成物。
[45]
前記フリーラジカル重合性組成物を、コーティング組成物の一部として使用する、[1]または[2]に記載の組成物。

Claims (1)

  1. (1)a.下記一般式(I):
    Figure 0005318755

    (式中、R1、R2及びR3は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたは置換アリールから独立して選択され、
    Xは、酸素またはイオウであり、
    Yは、金属カチオンまたは有機カチオンであり、
    nは1,2または3である
    を有する化合物;及び、
    b.酸官能性を有さないエチレン性不飽和化合物
    を含む、フリーラジカル重合性組成物を含むペーストAと;
    (2)酸性化合物または酸性化合物への前駆体を含む組成物を含むペーストBと;
    (3)混合手段とを含むキット。
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