JP5317921B2 - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

この発明は、がん治療等に用いる粒子線治療装置に関し、特に、走査式照射を実現する粒子線治療装置に係わるものである。
粒子線治療装置における照射方法には、大きく分けて、照射対象である患者の患部全体に対してビームを一斉に照射するブロード照射法と、ビームを走査して照射する走査式照射法とがある。走査式照射法にはスポットスキャニング法、ラスタスキャニング法などがあるが、この明細書ではこれらをまとめて走査式照射法とよぶことにする。走査式照射法を実現するためには、その照射方法に適した機器や制御法が必要となる。荷電粒子ビームが実際に照射される先端部も、走査式照射法を実現するための工夫が必要である。荷電粒子ビームを照射する先端部は、照射系,照射野形成装置,照射ヘッド,照射ノズルなどと呼ばれているが、この明細書では、照射装置とよぶことにする。
従来の粒子線治療装置に用いられる走査式照射装置においては、患者の患部への照射位置精度を高めるために、真空領域や、空気よりも軽いヘリウムなどのガス領域を確保し、ビームの散乱を抑え、ビームサイズを小さくする構成が提案されている(例えば、特許文献1)。真空領域やガス領域を確保する部分は、チェンバ(ビーム輸送チェンバ,ガスチェンバ等)、又はダクト(真空ダクト,バキュームダクト等)などと表現されているが、本質的には同等のものと解釈できる。したがって、この明細書ではこの部分をダクトとよぶことにする。また、前記ダクトにおいて、荷電粒子ビームが通過する部分を窓と呼ぶ。特許文献によって隔離窓(隔離膜),ビーム取出し窓と呼ばれるが、この明細書では、荷電粒子ビーム軌道の最下流にある窓をビーム取出し窓とよぶことにする。
従来の粒子線治療装置における走査式照射装置を、図7に基づいて説明する。走査式照射装置は、真空領域を確保するための真空ダクト1、真空ダクト1において荷電粒子ビームが通過する窓(ビーム取出し窓)7、荷電粒子ビームを走査するビーム走査装置5a,5b、荷電粒子ビームの位置を測定するビーム位置モニタ3a,9、及びビーム線量を測定する線量モニタ8から構成されている。
次に、従来の粒子線治療装置における走査式照射装置の動作について説明する。加速器により加速された荷電粒子ビームは、図示しないビーム輸送装置を経由し、真空ダクト1へと導かれる(図7の場合、図の上方から下方へ)。荷電粒子ビームは真空ダクト1の窓7を通過し大気中へと放出され、第1ビーム位置モニタ3aによりビーム照射位置が確認される。さらに下流において荷電粒子ビームは走査電磁石等のビーム走査装置5a,5bにより照射方向が制御される。荷電粒子ビームは、図に記載した中心線(一点鎖線)上をたどるように照射され、ビーム走査装置5a,5bで何も制御しなければ、最終的にはアイソセンタ(照射基準点)11に向かうように調整される。
ビーム走査装置5a,5bは通常、一方はX軸方向への走査、他方はY軸方向への走査を行う。荷電粒子ビームは、さらに下流に配置された線量モニタ8でその線量が測定され、さらに下流に配置された第2ビーム位置モニタ9でビーム位置が再び確認される。最終的に荷電粒子ビームは照射対象である患者の患部へと照射される。線量モニタ8及び第2ビーム位置モニタ9は、図7に示すように、照射対象である患者10bの患部箇所、大きさに応じて、駆動装置21によりビーム軸方向に移動できるようなものもある。また、図8に示すように、従来の粒子線治療装置における照射装置にあらたに真空ダクト4a,6aを追加することにより、荷電粒子ビームの通過する領域において、真空領域をできるだけ多く確保することが考えられる。
従来の走査式照射装置を用いて、図8に示したようにダクトにより真空領域や、空気よりも軽いヘリウムなどのガス領域を確保し、その間の空気によるビーム散乱を低減することが考えられる。しかし、空気によるビーム散乱はビームサイズを決定する1条件にすぎず、図8の走査式照射装置では実用的な走査式照射を行うのに必要な小さいビームサイズが得られないという問題点があった。以下、さらに詳しく説明する。
図9は散乱角とビームスポット径との関係を説明する模式図である。直進するビームは何か障害物にぶつかると散乱が生じ、ある広がりをもって伝播するようになる。この広がりのことを散乱角といい、図9ではθ(ラジアン)で表している。障害物から距離r離れたところでのビームスポット径は、図9に示したようにおよそrθとなる。従来の走査式照射装置においては、走査電磁石よりも上流に配置された窓7や第1ビーム位置モニタ3aが障害物に相当する。すなわち荷電粒子ビームはこの窓7の箇所で散乱し、以降広がりをもって伝播するようになる。
図7や図8に示す従来技術においては、ビームの散乱要因となる障害物が照射点であるアイソセンタから遠い位置にあるため、すなわち、図9の模式図における距離rが大きいため、ビームスポット径が大きくなってしまい、実用的な走査式照射を行うのに十分小さいビームサイズが得られないという問題点があった。図8に示すように、従来の粒子線治療装置の照射装置にあらたに真空ダクト4a,6aを追加することにより、荷電粒子ビームの通過する領域において、真空領域をできるだけ多く確保することは考えられる。たしかに、この構成によって、空気によるビーム散乱を低減することはできる。しかし、この構成では、最初にビームの散乱を生じる窓2aの位置が照射対象(制御対象)に近くなるわけではないので、根本的な解決にはならない。また、荷電粒子ビームが通過する隔離窓2a,2b、ビーム取出し窓7の3箇所と多くなり、これもビームサイズを大きくしてしまう原因となっていた。
図8のように真空領域を単に追加する場合の別の問題点について、図8に基づき説明する。照射対象である患者の患部が存在している箇所は、常に同じ大きさであるとは限らない。例えば、照射対象である患者の患部がある部分の断面を見ると、図8に示したように患者10a(タイプ1),患者10b(タイプ2)と異なることも考えなければならない。患者10a(タイプ1)の場合に比べて患者10b(タイプ2)のような場合は、エアギャップ、すなわち荷電粒子ビームが大気中を通過する距離が長くなる。
このエアギャップは本来不必要なものであり、図9の模式図で説明したとおり、障害物から照射点までの距離rは、できるだけ短くしたい。線量モニタ8、第2ビーム位置モニタ9といったビームの散乱を生じる障害物から照射点までの距離はできるだけ短くしたいが、図8に示した構成においてはエアギャップを機能上、短くできないという問題点があった。
特開2007−268035号公報 特開2007−229025号公報
この発明は前記のような課題を解決するためになされたものであり、荷電粒子ビームを照射対象に照射するときは、ビーム取出し窓を照射対象に近づけることができ、回転ガン
トリを有する回転照射型の粒子線治療装置においても、ダクトが照射対象である患者と干渉することなく、安全なビーム照射を行うことができる粒子線治療装置を得ることを目的とする。
この発明の粒子線治療装置は、荷電粒子ビームを加速する加速器と、前記荷電粒子ビームを走査するビーム走査装置とこのビーム走査装置よりも下流側にビーム取出し窓が設けられた第1のダクトを有し、この第1のダクト内部を通過させて前記荷電粒子ビームを照射対象に照射する照射装置と、第2のダクトを有し、前記加速器から出射された前記荷電粒子ビームを第2のダクトの内部を通過させて前記照射装置に輸送するビーム輸送装置と、前記ビーム輸送装置の一部と前記照射装置とを搭載した回転ガントリとを備えた粒子線治療装置であって、前記第1のダクトは、前記ビーム取出し窓を前記荷電粒子ビームの軸方向に移動可能とするダクト伸縮手段を備え、前記荷電粒子ビームを前記照射対象に照射する場合には前記ダクト伸縮手段を伸ばし、前記回転ガントリを回転する時は前記ダクト伸縮手段を縮めるものである。
この発明に係る粒子線治療装置によれば、荷電粒子ビームを照射対象に照射するときはダクトを伸ばした状態で行い、照射角度を変えるために回転ガントリを回すときはダクトを縮めた状態で行うようにするため、荷電粒子ビームを照射対象に照射するときは、ビーム取出し窓を照射対象に近づけることができ、ダクトを伸縮可能としたことで、回転ガントリを有する回転照射型の粒子線治療装置においても、ダクトが照射対象である患者と干渉することなく、安全なビーム照射を行うことができる。
この発明の実施の形態1における粒子線治療装置を示す概略全体構成図である。 この発明の実施の形態1における粒子線治療装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1におけるビーム位置モニタのビーム軌道からの退避機構を示す構成図である。 この発明の実施の形態2における粒子線治療装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4における粒子線治療装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5における粒子線治療装置を示す構成図である。 従来の粒子線治療装置における走査式照射装置を示す構成図である。 従来の粒子線治療装置における他の走査式照射装置を示す構成図である。 散乱角とビームスポット径との関係を表す模式図である。
まず、粒子線治療装置において、照射対象である患者の患部に照射されるビームのサイズがどのような要因によって決まるかを説明する。加速器により加速された荷電粒子ビームは、ビーム輸送装置を経て照射装置のダクトへと導かれる。荷電粒子ビームはここで、ダクトの外に配置された2組の走査電磁石によりビームの照射位置へとその照射方向が制御される。方向が制御された荷電粒子ビームはビーム取出し窓を通過し、空中を伝播し、患者の体内を経由し、照射対象である癌等の患部に照射される。
荷電粒子ビームのビームサイズは、伝播経路の材質と距離によって決定される。より具体的には、ダクト内の媒体(真空)の他、ダクト内のビームが通る長さ,ビーム取出し窓の材質と厚さ,ビーム取出し窓から照射対象までの距離によってビームの散乱の度合いが決まり、ビームサイズが決定される。散乱角とビームスポット径との関係は、図9にその模式図を示す。
ビームサイズを小さくするために、この発明の特徴は、ビーム走査装置よりも下流側にビーム取出し窓が設けられた第1のダクト内部の真空領域と、ビーム輸送装置の第2のダク内部の真空領域とを連通させたことである。
実施の形態では、ビームサイズを小さくするために、さらに、以下に示す種々の構成を取り入れている。
(1)上流の第1ビーム位置モニタを第1のダクト内に配置する。これにより、第1ビーム位置モニタの前後の隔離窓をなくし、隔離窓部でのビーム散乱を抑えることができる。(2)第1のダクト内の前記第1ビーム位置モニタを荷電粒子ビームの軌道から第1のダクト内で退避できる機構とした。これにより、ビームの散乱を発生させる障害物となる上流の前記第1ビーム位置モニタを、実際の治療中には荷電粒子ビームの軌道から退避させることができ、この位置でのビーム散乱をなくすことができる。
(3)第1のダクトにビーム軸方向にダクトを伸縮させるダクト伸縮手段とその駆動手段を設けた。これにより、照射対象の形状が異なる各々のケースに応じて、ダクトを照射対象にできるだけ近くにすることができ、エアギャップ(ビームが空気中を伝播する距離)を短くすることができ、ビームスポット径を大きくする要素である距離rを短くすることができる。
また、ビーム軸方向にダクトを伸縮させることにより、ビーム照射をする際に、ダクトが照射対象である患部に近づいているため、粒子ビームがどこに照射されるか、医者や患者にとって一目瞭然であり、医者にも患者にも安心感を与える。さらに、粒子線治療装置にはその照射方向を360度自在に変えられるよう、照射装置が回転ガントリに搭載されている回転照射式のものがあるが、この照射方向を変更している最中はダクトを患者から遠ざけることができるため、照射装置が患者や他の機器にぶつかるリスクを回避できる。
(4)ビーム取出し窓の材質をアルミニウムで構成した。これにより、ビーム取出し窓でのビームの散乱を抑え、ビームサイズを小さくすることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における粒子線治療装置を示す概略全体構成図である。図2は実施の形態1における粒子線治療装置を示す構成図である。図1において、前段加速器16で発生し前段加速された荷電粒子ビームは、加速器(シンクロトロン)14に入射され、必要なビームエネルギーまで加速され、出射デフレクタ17からビーム輸送装置15に出射され、照射装置18に至り、照射対象に照射される。ビーム輸送装置15は収束電磁石13と偏向電磁石12を有している。ビーム輸送装置15の一部と照射装置18とは回転ガントリ19に搭載され、回転ガントリ19の(図で矢印に示す)回転で照射装置18の照射方向を変えことができる。
図2において、粒子線治療装置は、加速器14、収束電磁石13と偏向電磁石12を有し、加速器14から出射された荷電粒子ビームをダクト内で輸送するビーム輸送装置15、加速器14から真空領域を確保する連通したダクト4b,6b、荷電粒子ビームを走査するビーム走査装置5a,5b、ビーム位置を計測する第1ビーム位置モニタ3b、荷電粒子ビームを取出すビーム取出し窓7、線量を計測する線量モニタ8、第2ビーム位置モニタ9、ダクトを伸縮させるダクト伸縮手段20および駆動手段21から構成されている。なお、図中のx,y,zは、x方向,y方向,z方向を示す。各図中で同一符号は同一又は相当部分を示す。
次に動作について説明する。実施の形態1による粒子線治療装置には、4つの特徴がある。
第1の特徴は、ビーム輸送装置のダクトの真空領域又はガス領域をビーム走査装置より下流にあるビーム取出し窓まで延長(連通)させたことである。つまり、ビーム輸送装置に
設けられたダクト1(第2のダクト)と照射装置に設けられたダクト4b,6b(第1のダクト)を連通させ、ビーム輸送装置のダクトの真空領域又はガス領域をビーム走査装置より下流にあるビーム取出し窓まで連通させたものである。そのため、図2に示すように、荷電粒子ビームの散乱を生じる障害物の数が最小限となり、構造上不可避でやむを得ず障害物となってしまうビームが通過するビーム取出し窓7がビーム走査装置5よりも下流に配置される。このように、ビームの散乱を生じる障害物をできるだけ下流に置くことにより、図9の模式図で示す距離rを短くすることができ、荷電粒子ビームのスポットサイズを小さく抑えることができる。
「ビーム取出し窓7をビーム走査装置5a,5bよりも下流に配置する」ことのみを実現しようとするならば、前述した図8に示すような構成が考えられる。これは、従来技術による走査式照射装置に対し、荷電粒子ビームが通過する領域のうち真空領域を増やすように、両端が窓で構成されているダクト4a、6aを追加する考え方である。たしかに、空気自体もビームにとってみれば散乱を生じる障害物なので、この構成により、空気によるビーム散乱を低減することができる。しかし、この構成では最初にビームの散乱を生じる原因となる隔離窓2a,2bと照射対象との距離を短くすることはできないため、荷電粒子ビームサイズを小さく抑えることが困難だった。(空気による散乱よりも、窓による散乱の方が支配的である)。
また、ビーム取出し窓をビーム走査装置の下流側に配置し、このビーム走査装置の配置箇所においてビーム取出し窓まで連通する真空領域を確保したことにより、この部分のビーム散乱を小さくすることができる。ビーム走査装置はビームが通過する箇所に開口を設けた電磁石によって構成されることが多いが、このビーム走査装置配置箇所におけるビーム散乱を小さくすることにより、この開口も小さくすることができるため、ビーム走査装置を小型化することができるという利点もある。
実施の形態1による第2の特徴は、上流に配置されている第1ビーム位置モニタ3bがダクト4bの中で、荷電粒子ビーム軌道上から退避可能なことである。なお、第1ビーム位置モニタ3bはビーム走査装置5a、5bの上流側、下流側のどちらにあってもかまわない。図2は下流側にある例を示している。上流に配置されている第1ビーム位置モニタ3bは、下流に配置されている第2ビーム位置モニタ9と共に照射されているビーム位置を確認する上で必要であるが、常に2つのビーム位置モニタ3b,9を併用しつづける必要はない。すなわち、上流の第1ビーム位置モニタ3bはメンテナンス時や治療前後にのみ用い、治療照射時には使わないという選択肢もある。そこで、図2に示したように第1ビーム位置モニタ3bは、必要に応じてビーム軌道から退避できるような構造とした。
図3は実施の形態1におけるビーム位置モニタのビーム軌道からの退避機構を示す構成図である。図3は、ビーム位置モニタの退避機構の一例である。ダクト4bには退避ダクト4cが設けられている。22はリング状フランジ、23は端板で、フランジ22と端板23間にはベローズ24が外気の進入を阻止するように密封接合されている。25はガイド棒で、端板23の貫通孔に挿入され、端板23の前後進をガイドする。端板23には、ダクト4c内でビーム位置モニタ3bを支持する軸26が固定されている。軸26はリング状フランジ22を貫通している。端板23には、外気側で、ネジ付き動作軸27が固定され、支持板28で支持されたナット29をモータ等で回転させることにより、動作軸27を前後進させて、端板23と軸26を介してビーム位置モニタ3bを前後進させる。それによって、ビーム位置モニタ3bをビーム軌道上に設置させたり、ビーム軌道上から退避させることができる。
実施の形態1による第3の特徴は、ダクトをビーム軸方向に伸縮させるダクト伸縮手段20とその駆動手段21を設けたことである。図2においては、ダクト4bとダクト6bとの間にダクト伸縮手段20を入れ、駆動手段21で駆動するようにした。このようにダ
クトを伸縮させる伸縮手段20と駆動手段21とを設けたことにより、従来技術で真空ダクトを追加した図8の構成ではエアギャップが大きくなってしまう患者10b(タイプ2)に対しても、ダクトを患者10b側に伸ばすことにより、不必要なエアギャップを抑えることができ、ビームサイズを小さくすることができる。
図2では、ダクト4bとダクト6bとの間に外気を遮断するように密封接合されたベローズ51が設けられている。52はネジ付き動作軸で、一端がダクト6bに固定され、他端がダクト4b側の支持板53を貫通している。54は動作軸52に螺合され、支持板53で保持されたナットで、これをモータ等の駆動手段21で回転させることにより、ベローズ52を伸縮させ、ダクト4bに対してダクト6bを伸縮させ、ダクトをビーム軸方向に伸縮させることができる。荷電粒子ビームにとってみれば空気も散乱を生じる障害物であるが、窓による散乱の方が支配的であり、ここでエアギャップを抑えることは、ビーム取出し窓7と照射対象との距離を小さくすることによる効果が大きい。このようにして、ビーム取出し窓7は照射対象である患者の近傍に配置できる。
実施の形態1による第4の特徴は、ビーム取出し窓7の近傍で下流に設けられる線量モニタ8とビーム位置モニタ9とを、ダクトのビーム軸方向への移動と共に移動させるように保持部材を取り付けたものである。図2では、ダクト6bの先端部に、線量モニタ8とビーム位置モニタ9とを保持部材55で保持させたものである。これにより、ダクトのビーム軸方向への移動(伸縮)に伴なって、線量モニタ8とビーム位置モニタ9が移動するので、ダクトの移動(伸縮)時に線量モニタ8とビーム位置モニタ9が患者10や機器に接触するトラブルを回避できる。
なお、実施の形態1に特徴1〜4を有する粒子線治療装置を示したが、粒子線治療装置に必ず特徴1〜4のすべてを満たしている必要はなく、例えば、第1の特徴のみを有している粒子線治療装置でもビームサイズを小さく抑える効果を発揮できる。
実施の形態2.
図4は実施の形態2における粒子線治療装置を示す構成図である。一般に、がん治療等に用いられる粒子線治療装置は、照射対象が人体中に存在する癌等であるため、照射対象の正確な位置を特定するX線撮像装置等が使われる。ここでいう照射対象の位置とは、3次元での位置情報が必要となるため、X線撮像装置は通常2セット使用し、撮像方向が直交するようにそれぞれを配置する。X線撮像装置は、X線を発生するX線源と、投影されたX線を撮像するための撮像管とから構成されている。実施の形態2における粒子線治療装置は、2セットのX線撮像装置を備え、それぞれX線源30と撮像管31を有しているが、X線源とこれに対向する撮像管のそれぞれの撮像方向が、図4に示すように荷電粒子ビームのビーム軸方向とは異なるように配置されている。なお、32はX線通過領域である。
実施の形態2の粒子線治療装置は、従来の粒子線治療装置(図7)に比べて照射基準点であるアイソセンタ11の近くまでダクトが伸びている。したがって、従来よりもダクト6bと撮像管31との干渉に注意しなければならないが、図4に示すようにX線撮像装置の撮像方向をビーム軸方向(つまり、ダクトの伸縮方向)とは異なるように配置することにより、干渉を回避することができる。なお、がん治療等に用いられる粒子線治療装置においては、360度の照射方向を実現するため、回転ガントリを用いた回転照射型のものが多くみられるが、実施の形態2に示す構成も、当然、回転照射型の粒子線治療装置へ適用してよい。この場合、照射装置、X線撮像装置はともに回転ガントリに搭載し、図4に示す照射装置とX線撮像装置との位置関係を保ちながら自由に回転させることができるので、鉛直方向、水平方向はもとより、任意の角度でのX線撮像が可能である。
実施の形態3.
図9の模式図に示したとおり、荷電粒子ビームは障害物にぶつかると散乱が生じる。したがって、ビームスポットサイズをできるだけ小さくするには、理想的には散乱が生じる障害物をなくすことである。ただし、ビーム取出し窓7のように、構造上不可避で障害物となってしまう要素が存在する。ビーム取出し窓7は、真空領域と大気との境界で必ず必要である。このように構造上不可避で散乱を生じる障害物となってしまう要素に対しては、実施の形態1で示したようにできるだけ下流に配置し、図9で示す距離rができるだけ短くなるような工夫が効果的である。
別の視点でこの問題を考えると、同じ位置に配置された障害物でも、散乱角を小さくすることができれば、このことによってもビームスポットサイズを小さく抑えることができる。散乱角は、散乱を生じる障害物の材質や厚さに依存する。材質に関しては、原子番号の低いものの方が散乱角は小さい。また、厚さに関しては、薄い方が散乱角は小さい。
そこで、実施の形態3による粒子線治療装置においては、耐放射性、強度及び散乱角を考慮して、ビーム取出し窓7は厚さ0.8mm程度のアルミニウムとした。金属は放射線に強く、金属の中でもアルミニウムは原子番号が小さい(原子番号13)。このようにビーム取出し窓7の材質と厚さを厳選することにより、ビーム取出し窓7での散乱角を不必要に大きくすることなく、ビームスポットサイズを小さく抑えることができる。また、図示はしないが、ビーム取出し窓7の材質として、カプトン(登録商標)などの樹脂にアルミニウム薄膜を蒸着させたものを使用しても同様の優れた効果が得られる。
実施の形態4.
図5は実施の形態4における粒子線治療装置を示す構成図である。前述してきた照射装置は、上方から下方への鉛直方向に荷電粒子ビームを照射する場合を示してきたが、実際の照射方向は様々である。例えば図5に示すように、照射方向が水平の場合もある。実施の形態4による照射装置の特徴は、ダクトがビーム軸方向に伸縮可能なことであるが、これは、従来の照射装置に比べて照射装置が長くなることを意味する。長い照射装置を水平方向に維持するためには、強度など、気をつけなければならない点がいくつかある。
実施の形態4による照射装置において、ダクトの伸縮手段20は真空ベローズを用いた。特に、多段の真空ベローズ20を用いると、図5に示したように重力によるたるみを抑えることができるので、効果的である。図5で40はフランジ、41はフランジ40の動作軸52への保持具である。このように、ダクトの伸縮手段20を多段の真空ベローズにしたため、照射方向が水平の場合でも問題なくビームサイズを抑えた照射が実現できる。なお、ここではダクトの伸縮手段として多段の真空ベローズを用いる例を示したが、他の伸縮手段でもよい。
実施の形態5.
図6は実施の形態5における粒子線治療装置を示す構成図である。実施の形態5は、照射装置が回転ガントリに搭載された回転照射型の粒子線治療装置である。各実施の形態においては、もちろん、回転ガントリを使用して照射できる。荷電粒子ビームを実際に照射しているときは、一般的に回転ガントリは停止した状態で行い、今まで述べてきたように、ビームサイズを小さく抑えるため、窓をできるだけ照射対象に近づけたい。しかし、荷電粒子ビームの照射角度を変えるとき、ダクトが伸びた状態のまま回転させると、図6からわかるようにダクトと照射対象である患者が干渉してしまうおそれがある。
そこで、実際の荷電粒子ビームの照射を行うときはダクトを伸ばした状態で行い、照射角度を変えるために回転ガントリを回すときはダクトを縮めた状態で行うようにする。このように、ダクトを伸縮可能としたことで、回転ガントリを有する回転照射型の粒子線治療装置においても、ダクトが照射対象である患者と干渉することなく、安全なビーム照射
が行える。
この発明の各種の変形または変更は、関連する熟練技術者が、この発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された各実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。
1 第2のダクト 4a,4b 第1のダクト
5a,5b ビーム走査装置 7 ビーム取出し窓
14 加速器 15 ビーム輸送装置
19 回転ガントリ 20 ダクト伸縮手段
51 ベローズ

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを加速する加速器と、
    前記荷電粒子ビームを走査するビーム走査装置とこのビーム走査装置よりも下流側にビーム取出し窓が設けられた第1のダクトを有し、この第1のダクト内部を通過させて前記荷電粒子ビームを照射対象に照射する照射装置と、
    第2のダクトを有し、前記加速器から出射された前記荷電粒子ビームを第2のダクトの内部を通過させて前記照射装置に輸送するビーム輸送装置と、
    前記ビーム輸送装置の一部と前記照射装置とを搭載した回転ガントリとを備えた粒子線治療装置であって、
    前記第1のダクトは、前記ビーム取出し窓を前記荷電粒子ビームの軸方向に移動可能とするダクト伸縮手段を備え、前記荷電粒子ビームを前記照射対象に照射する場合には前記ダクト伸縮手段を伸ばし、前記回転ガントリを回転する時は前記ダクト伸縮手段を縮めることを特徴とする粒子線治療装置。
  2. 前記第1のダクト内部の真空領域と前記第2のダクト内部の真空領域が連通していることを特徴とする請求項1記載の粒子線治療装置。
  3. 前記ダクト伸縮手段は、ベローズを用いて構成されていることを特徴とする請求項1記載の粒子線治療装置。
  4. 前記ベローズは、多段であることを特徴とする請求項3記載の粒子線治療装置。
  5. 前記ビーム取出し窓は、伸縮手段を伸ばした状態で照射対象の近傍に配置されることを特徴とする請求項1記載の粒子線治療装置。
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