JP5701396B2 - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

この発明は、粒子線を照射して癌の治療を行うなど粒子線を応用する粒子線治療装置に関するものである。
粒子線治療装置における粒子線の照射方法には、大きく分けて、照射対象である患者の患部全体に対してビームを一斉に照射するブロード照射法と、ビームを走査して照射する走査式照射法とがある。走査式照射法にはスポットスキャニング法、ラスタスキャニング法などがあるが、この明細書ではこれらをまとめて走査式照射法と呼ぶことにする。走査式照射法を実現するためには、その照射方法に適した機器や制御法が必要となる。粒子線が実際に照射される先端部も、走査式照射法を実現するための工夫が必要である。粒子線を照射する先端部は、照射系,照射野形成装置,照射ヘッド,照射ノズルなどと呼ばれている。
走査式照射法を実現する粒子線治療装置においては、患者の患部への照射位置精度を高めるために、ビームサイズが小さいビームを照射する必要がある。一方、ビームは空気中を進行すると、散乱によりビームサイズが大きくなってゆく。そこで、ビームの散乱を抑えて、真空領域や、空気よりも軽いヘリウムなどのガス領域を確保し、ビームサイズを小さくする構成が提案されている(例えば、特許文献1)。真空領域やガス領域を確保する部分を、この明細書ではダクトと呼ぶことにする。また、ダクトにおいて、粒子線が通過する部分を窓と呼び、この明細書では、粒子線軌道の最下流にある窓をビーム取り出し窓と呼ぶことにする。
走査式照射法を実現する粒子線治療装置における照射ノズルは、真空領域を確保するための真空ダクト、真空ダクトにおいて粒子線が通過する窓(ビーム取出し窓)、粒子線を走査するビーム走査装置、粒子線の位置を測定するビーム位置モニタ、及びビーム線量を測定する線量モニタなどから構成されている。
直進するビームは何か障害物にぶつかると散乱が生じ、ある広がりをもって伝播するようになる。この広がりのことを散乱角といい、θ(ラジアン)で表すとする。障害物から距離r離れたところでのビームスポット径は、およそrθとなる。走査式照射法の照射ノズルにおいては、走査電磁石よりも下流に配置された窓やビーム位置モニタが障害物に相当する。すなわち粒子線はこの窓の箇所で散乱し、以降拡がりをもって伝播するようになる。
従来技術においては、ビームの散乱要因となる障害物が照射点であるアイソセンタから遠い位置にあるため、すなわち距離rが大きいため、ビームスポット径が大きくなってしまい、実用的な走査式照射法を行うのに十分小さいビームサイズが得られないという問題点があった。
この問題点を解決するために、特許文献2には、真空ダクトを伸縮自在にして、真空ダクトの先端に設けたビーム取り出し窓やビーム位置モニタ、線量モニタといった散乱の要因となる部材を、患者に近づけて照射する構成が開示されている。
特開2007−268035号公報 国際公開 WO2010/122662号
特許文献2に記載された構成によれば、照射対象である患部におけるビームサイズの拡大を抑えて、小さいビームサイズのビームで走査式照射法を実施することができる。しかし、伸縮自在とする真空ダクトを、特許文献2に開示されているようにベローズで構成する場合、大気圧によっても潰れないベローズはそのストロークが小さいものとなってしまう。あるいは、非常に高価なベローズを用いる必要がある。
この発明は前記のような課題を解決するためになされたものであり、伸縮自在な真空ダクトなどを用いることなく、長さ固定の照射ノズルのままでビームサイズの拡大を抑えて粒子線を照射でき、精度の高い照射が可能な走査式照射法の粒子線治療装置を得ることを目的とする。
この発明の粒子線治療装置は、荷電粒子を加速して粒子線を出射する加速器と、この加速器から出射される粒子線を輸送するための真空ダクトと、この真空ダクトの下流部に設けられ、真空ダクト内を進行する粒子線を進行方向に対して垂直な方向に偏向させて、照射対象である患者の患部を粒子線で走査するための走査電磁石と、真空ダクトの先端に設けられ、粒子線を前記真空ダクトから大気中に取り出すためのビーム取り出し窓とを備えた照射ノズルと、患者を載せる治療台と、治療台の位置を制御する治療台制御部と、この治療台制御部と加速器と走査電磁石とを制御するための指令を出力する照射制御部とを備えた粒子線治療装置において、治療台制御部は、患者の患部基準位置である患者アイソセンタを、照射ノズルから取り出される粒子線の中心軸上であって患者を位置決めするための基準位置として予め設定された点である機器アイソセンタよりも照射ノズルに近い位置に設定された照射アイソセンタの位置まで移動させるように治療台を制御した後、照射制御部は患者へ粒子線を照射するための指令を出力するようにした。
走査式照射法を実現する粒子線治療装置において、長さ固定の照射ノズルのままでビームサイズの拡大を抑えて粒子線を照射でき、精度の高い照射が可能なものを得ることができる。
本発明による粒子線治療装置の概略構成および動作を示すブロック図である。 本発明の効果の一例を示す線図である。 本発明の実施の形態1による粒子線治療装置の要部および動作を示す概略ブロック図である。 従来の粒子線治療装置の要部を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1による別の粒子線治療装置の要部および動作を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線治療装置の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2による粒子線治療装置の要部および動作を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態3による粒子線治療装置の要部および動作を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態3による粒子線治療装置を適用する一例の患者の拡大断面図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による粒子線治療装置の概要を示す模式図である。荷電粒子を加速する加速器1から高エネルギービームとして出射された粒子線2は、真空ダクト3内を通って、真空ダクト3の下流に設けられた照射ノズル4に輸送される。ここで、真空ダクト3が曲がっている部分には、粒子線2の進行方向を変化させるための偏向電磁石が設けられるが、図1では省略して図示している。粒子線2は、照射ノズル4において、X方向走査電磁石5およびY方向走査電磁石6から構成される走査電磁石7によって、粒子線2の進行方向に垂直な2次元方向に走査される。走査された粒子線2aは下流真空ダクト13を通って、ビーム取り出し窓8から大気中に取り出されて、治療台30に載せられた照射対象である患者11に照射される。照射する際の、照射距離を含む種々の照射パラメータは治療計画部62で設定され、その照射パラメータで照射するためのパラメータが、治療計画部62から照射制御部60へ送信され、この照射制御部60から治療台制御部61、加速器1、走査電磁石電源70などに対してそれぞれの指令が出力される。
粒子線治療装置においては、通常、照射するための位置の基準となるアイソセンタが設定されている。アイソセンタは、通常、機器特有の点として、一点の位置で設定されている。すなわち、アイソセンタは、通常、粒子線の中心軸上で、粒子線照射の中心となる位置に設定される。図1では、IC1で示される位置が、機器特有の機器アイソセンタである。破線で示す患者11aのように、通常は、この位置が患者の患部の基準位置となるよう、患者を位置決めして、粒子線を照射する。しかし、機器アイソセンタIC1の位置は、通常、ビーム取り出し窓8からある程度離れた位置にあり、粒子線は大気中を進行する間に散乱によりビーム径が拡大する。また、ビーム取り出し窓8や、通常下流真空ダクト13内にあるビーム位置モニタ9、線量モニタ90といった、粒子線が通過する部材にも散乱の要因がある。
走査式照射法は、三次元照射法の一つであり、照射の自由度が高く、複雑な形状の患部への適用が可能である。一方、重要臓器が多い頭頸部は、眼球、視神経、脊髄、脳などの重要臓器が多く、走査式照射法を適用したいとのニーズがある。しかし、頭頸部の場合は、胴体部分と違い、体のサイズが小さいため、患部までの深さが比較的浅く必要なビームのエネルギーも低い。図2は、粒子線が水ファントム中に入射された場合の、各エネルギーにおける飛程の位置でのビームサイズを示したものである。粒子線のエネルギーが大きくなるほど飛程は大きくなり、粒子線は水の中を長い距離進行するため、水の散乱によってビームサイズが大きくなる。図2の破線Aは、この水の散乱による物理限界のビームサイズを示している。また、Bの実線は、本発明の技術の一例、すなわち真空取り出し窓から水表面までの距離が約0.8mの場合の、水中飛程位置でのビームサイズを示したものである。さらに、Cの実線は、従来技術の一例、すなわち、真空取り出し窓から水表面までの距離が約3mの場合の、水中飛程位置でのビームサイズを示したものである。
150MeVの陽子線の場合、真空窓やモニタ、大気などのロスを無視すると、16cm程度の飛程があり、頭頸部の場合は、これよりも少ない飛程であることが多い。つまり、症例を考えた場合、図2に示す150MeVよりも低いエネルギーで小さなビーム径が必要である。しかしながら、大気中の進行距離が大きい従来技術の場合には、150MeVよりも低いエネルギーのビームでは、患者に入るまでの真空窓やモニタ、あるいは大気による散乱(角)の寄与が大きいため、非常に大きなビーム径となってしまう。
そこで、本発明では、患部での粒子線のビーム径が、散乱によりできるだけ拡大されないよう、患部に照射する時は、患者をビーム取り出し窓8に近い位置まで移動させて照射するようにする。このようにして照射することで、図2のBの実線で示すように、物理的に避けることができない水の散乱による物理限界のビームサイズに近いビームサイズでの患部への照射が可能となる。この場合、機器アイソセンタIC1とは異なる位置が、照射時の位置の基準としてのアイソセンタ、すなわち照射アイソセンタIC2として設定される。機器アイソセンタIC1と異なる位置で照射するための照射パラメータは、例えば治療計画部62で設定される。ここで、走査電磁石7により粒子線が偏向されて曲げられる中心位置、すなわち偏向中心から照射対象の中心となるアイソセンタまでの距離を照射距離(SAD:Source Axis Distance)とする。図1に示すように、従来は、偏向中心がから機器アイソセンタIC1までの照射距離SAD1として照射パラメータを設定していたが、本発明では、照射距離を、SAD1よりも短い、SAD2として照射パラメータを設定する。
以上説明したように、従来は、機器アイソセンタIC1を位置の基準として粒子線を照射するのが常であったが、その考え方を捨て、機器アイソセンタIC1と異なる、より取り出し窓に近い位置で照射するという、今までにない考えを導入したのが本発明の大きなポイントである。
図3はガントリ型の粒子線治療装置に本発明を適用するための照射主要部の概念図である。図3において、照射ノズル4の構成は、図1の照射ノズル4と同様である。ガントリ型の粒子線治療装置では、通常、機器アイソセンタIC1は、ガントリ躯体20の回転中心軸と粒子線の走査中心軸とが交差する点に位置する。ここで粒子線の走査中心軸とは、走査電磁石7を動作させない、すなわち走査電磁石7で粒子線2が偏向されない場合に通過する粒子線の中心軸のことである。このような点は機器特有に一意に決まるため、また、粒子線を照射するための基準位置として都合が良いため、従来からアイソセンタとして設定されている。患者は、治療台30の天板(治療台天板と呼ぶ)31に載せられて、照射対象である患部の基準位置(以後、患者アイソセンタと呼ぶ)をアイソセンタIC1に一致させて位置決めする。さらに、治療台30は、治療台天板31に載せた患者が照射ノズル4近くまで移動できるように、大きなストロークLsだけ動くことが可能となっている。この治療台30は、位置決めした際の治療台位置と治療計画部62に保存されている治療計画のデータに従って治療台制御部61により制御することにより、治療台天板31に載せられた患者を所定の位置に位置決めする。
これに対して、図4は、従来のガントリ型の粒子線治療装置の概要を示す図である。図4に示すように、従来の治療台300は、治療台天板311が、点線で示す治療台天板311a、すなわち患者11aを載せる時の位置から、最大限、機器アイソセンタIC1の位置まで、ストロークLsaだけ動くことが可能となっている。すなわち、従来は、患者アイソセンタが機器アイソセンタIC1に位置決めできれば良かったため、治療台天板311がアイソセンタIC1の位置を通り越して動く必要はなかった。
従来の装置を説明する図4と、本発明の装置を説明する図3とを比較してわかるとおり、本発明の治療台30の治療台天板31が可動であるストロークLsは、従来の治療台300の治療台天板311が可動であるストロークLsaよりもLuだけ大きなストロークとなっている。これにより、従来は照射ノズル4に近づけることができなかった照射対象を、照射ノズル4に近づけることができるようになった。このように、従来よりも、照射対象を照射ノズル4に近づけることができるようになったのは、機器アイソセンタIC1とは異なる位置で照射するという、今までにない考えを導入したため可能になったものである。
本実施の形態1による粒子線治療装置における、患者の位置決めの一例を図5に基づいて説明する。X線管50により患者11bの患部111bに向けてX線が放射され、X線受像装置51により患者11bのX線像が撮像される。同様に、X線管50とは異なる位置のX線管52により患者11bの患部111bに向けてX線が放射され、X線受像装置53により患者11bのX線像が撮像される。これら、2方向から撮像されたX線像により、患部111bに予め設定された患部の中心である患者アイソセンタの位置を特定する。治療台30を移動させることにより、患者を前後左右および上下方向に移動させ、この患者アイソセンタの位置が、機器アイソセンタIC1に一致するように制御される。患者アイソセンタが機器アイソセンタIC1に一致した後、患者アイソセンタが照射アイソセンタIC2の位置となるよう、治療台天板31が予め設定された位置まで上昇するよう治療台30が制御ざれる。
ここで、本発明による粒子線治療装置の治療計画について説明する。図6が治療計画を説明するフロー図である。まず、患者の患部を含むX線CTなどのCT画像を読み込む(ST1)。このCT画像のデータを用いて、患部である照射領域(ターゲット)や重要臓器を入力する(ST2)。これらターゲットおよび重要臓器の配置などに基づいて、ガントリ型など、粒子線治療装置を選択する(ST3)。装置を選択した後、粒子線を照射する方向を設定する(ST4)。照射方向を設定した後、その照射方向に従って、照射距離SADを設定する(ST5)。ここで、従来の装置であれば、SADは、照射ノズルと機器アイソセンタの位置関係で予め決まった距離となるが、本発明による粒子線治療装置では、SADは決まった距離ではなく、患者や患部と照射ノズル、照射方向に基づいて、できるだけ患部が照射ノズルに近くなるよう、治療計画毎に設定する。
SADが設定されると、そのSADの値に従って、ビーム設計を実施する(ST6)。ビーム設計は、ビームサイズ、スポット位置、スポット毎の照射線量、照射経路(スポットの移動経路)、ウエイトの最適化、などにより実施される。ビーム設計により照射パラメータが設定されると、次にこれらのパラメータを用いて線量分布計算を行い(ST7)、この計算結果を用いて線量分布評価(DVH:Dose Volume Histogram)などを実施する(ST8)。通常、複数門(複数の照射方向から照射)の計画を立案することが多く、また複数の計画を立案して比較するケースが多いため、さらに別計画を立案する必要があるかどうか判断する(ST9)。別計画の立案が必要と判断された場合は、ステップST3に戻って別の治療計画を立案する。別計画の立案が必要ではないと判断されたら、立案した治療計画の中から治療に使用する治療計画を選択する(ST10)。選択された治療計画の照射パラメータなどのデータが治療計画部62に保存される。照射時には、治療計画部62に保存された照射パラメータで照射するための指令が、治療計画部62から照射制御部60に送信され、照射制御部60から治療台制御部61、加速器1、走査電磁石電源70などに対してそれぞれの指令が出力される。
以上のように、本実施の形態1による粒子線治療装置では、照射対象である患部111を照射ノズル4に近づけて、この近づいた状態、すなわち小さいSADの値に従って治療計画を実施して、治療計画部62に保存された照射パラメータに基づく指令を、照射制御部60から加速器1、走査電磁石電源70、治療台制御部61などに出力して粒子線を照射する。このように照射することにより、粒子線が大気中を進行する間に受ける散乱によるビーム径の拡大の影響を小さくできる。のみならず、照射ノズルのビーム取り出し窓8やビーム位置モニタ9、線量モニタ90といった粒子線が通過する部材による散乱に起因するビーム径の拡大の影響も小さくなり、患部111における粒子線のビーム径を従来よりも小さくできる。よって、周辺臓器への影響が少なく、精度が良い粒子線治療が可能となる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2による粒子線治療装置の照射主要部の概略構成および動作を示す側面断面模式図である。図7において、図5と同一符号は同一または相当する部分を示す。患部によっては、斜め方向から粒子線を照射したほうが都合が良い場合がある。この照射方向は、例えば、実施の形態1の治療計画で説明した、ステップST6において設定される。斜め方向から粒子線を照射する場合、図7に示すように、ガントリ躯体20を回転させて、照射ノズル4を患者の斜め方向に設定して、粒子線を照射する。このような場合、まず、位置合わせ時のX線受像装置51aのX線像によって、位置合わせ時の患者11bの患部111bの基準位置である患者アイソセンタが機器アイソセンタIC1に一致するように、治療台30の位置を制御して、図7に示す治療台30bの位置に設定する。なお、実施の形態1の図5に示したのと同様、2つのX線管およびX線受像装置を用いて2つの画像により位置決めしてもよい。その後、SADが設定値となるよう、治療台30を移動させるとともに、X線管50aおよびX線受像装置51aも機器アイソセンタIC1と照射アイソセンタIC2の距離だけ移動させ、移動後の患者11の患部111の患者アイソセンタが照射アイソセンタIC2の位置となるように治療台30の位置を設定する。
以上のように、粒子線の照射を斜め方向から行うように設定する場合も、SADを通常のSADよりも小さく、照射対象である患部111を照射ノズル4に近づけて位置設定を行う。この場合、患部111の位置をモニタするためのX線管50およびX線受像装置51を、機器アイソセンタIC1と照射アイソセンタIC2の距離だけ移動させて、患部111の位置をモニタして、患部111の患者アイソセンタが照射アイソセンタIC2に一致するように微調整することが望ましい。なお、実施の形態1で説明した、治療台30を上昇だけさせる場合でも、X線管50およびX線受像装置51を、機器アイソセンタIC1と照射アイソセンタIC2の距離だけ移動させて、患部111の位置をモニタして、患者アイソセンタが照射アイソセンタIC2に一致するように微調整しても良いのは言うまでもない。
以上のように、本実施の形態2による粒子線治療装置では、斜めから照射する場合においても、照射対象である患部111を照射ノズル4に近づけて、この近づいた状態、すなわち小さいSADの値に従って治療計画を実施して粒子線を照射することにより、粒子線が大気中を進行する間に受ける散乱によるビーム径の拡大の影響を小さくできる。のみならず、照射ノズルのビーム取り出し窓8やビーム位置モニタ9、線量モニタ90といった粒子線が通過する部材による散乱に起因するビーム径の拡大の影響も小さくなり、患部111における粒子線のビーム径を従来よりも小さくできる。よって、周辺臓器への影響が少なく、精度が良い粒子線治療が可能となる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3による粒子線治療装置の概略構成および動作を示す概略ブロック図である。図8において、図5および図7と同一符号は、同一または相当する部分を示す。患部によっては、粒子線を斜め下方から照射したい場合がある。例えば、図9に示す、患者11の拡大断面図において、患部111の近傍に、重要臓器A120、重要臓器B121、重要臓器C122などが存在する場合を想定する。この患部への粒子線の照射は、第一の方向である照射一門目22の方向からと、第二の方向である照射二門目23の方向からの、2方向から照射を行うのが適当であると、治療計画において判断されたとする。照射一門目の照射は、例えば実施の形態2で説明したのと同じ要領で照射を行う。照射一門目の照射が終了した後、ガントリ躯体20を回転して、照射ノズルを図8の位置に設定し、斜め下方から照射二門目の照射を行う。この照射二門目の照射も、患部111の患者アイソセンタを機器アイソセンタIC1の位置から、照射ノズル4に近づいた、すなわちSADが小さい位置である照射アイソセンタIC2の位置に移動させて照射を行う。これを実現するため、治療台30bの位置から、治療台30の位置に治療台を移動可能としている。また、患部111の位置をモニタするためのX線管52およびX線受像装置53を、機器アイソセンタIC1と照射アイソセンタIC2の距離だけ移動させて、患部111の位置をモニタして、患部111の基準位置が照射アイソセンタIC2に一致するように微調整することが望ましい。
以上のように、斜め方向から照射する場合も、患部を照射ノズル4に近づけることが可能なように、治療台30を移動可能とすることにより、散乱が少なく、より小さいビーム径の粒子線を患部に照射することができる。
1:加速器 2:粒子線
3:真空ダクト 4:照射ノズル
5:X方向走査電磁石 6:Y方向走査電磁石
7:走査電磁石 8:ビーム取り出し窓
9:ビーム位置モニタ 11、11a、11b:患者
13:下流真空ダクト 20:ガントリ躯体
30:治療台 60:照射制御部
61:治療台制御部 62:治療計画部
70:走査電磁石電源 90:線量モニタ
111、111b:患部
IC1:機器アイソセンタ IC2:照射アイソセンタ

Claims (4)

  1. 荷電粒子を加速して粒子線を出射する加速器と、この加速器から出射される粒子線を輸送するための真空ダクトと、
    この真空ダクトの下流部に設けられ、前記真空ダクト内を進行する粒子線を進行方向に対して垂直な方向に偏向させて、照射対象である患者の患部を前記粒子線で走査するための走査電磁石と、前記真空ダクトの先端に設けられ、前記粒子線を前記真空ダクトから大気中に取り出すためのビーム取り出し窓とを備えた照射ノズルと、
    前記患者を載せる治療台と、
    この治療台の位置を制御する治療台制御部と、
    この治療台制御部と前記加速器と前記走査電磁石とを制御するための指令を出力する照射制御部と、
    を備えた粒子線治療装置において、
    前記治療台制御部は、前記患者の患部基準位置である患者アイソセンタを、前記照射ノズルから取り出される前記粒子線の中心軸上であって前記患者を位置決めするための基準位置として予め設定された点である機器アイソセンタよりも前記照射ノズルに近い位置に設定された照射アイソセンタの位置まで移動させるように前記治療台を制御した後、前記照射制御部は患者へ粒子線を照射するための指令を出力することを特徴とする粒子線治療装置。
  2. 前記照射ノズルを回転させるガントリ躯体を備え、前記機器アイソセンタは前記ガントリ躯体の回転中心に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
  3. 患者を位置決めするためのX線撮像装置を備え、このX線撮像装置が、前記機器アイソセンタと前記照射アイソセンタの距離を移動することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
  4. 前記治療台制御部は、前記患者アイソセンタが前記機器アイソセンタに一致するように前記治療台を制御した後、前記患者アイソセンタが前記照射アイソセンタに一致するように前記治療台を制御することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
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