JP4629606B2 - 走査式照射ノズル装置、ビーム輸送チェンバ及び粒子線治療システム - Google Patents
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また、少なくとも第2チェンバセクションをラッパ形状し、接続フランジの第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、第1チェンバセクションを第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、接続フランジの第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、第2チェンバセクションを第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とすることにより、従来メンテナンス時に走査電磁石の分解が必要であった第1チェンバセクション側についても、第1チェンバセクションの接続フランジの外形寸法を第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくできるようになり、第1及び第2ビーム走査電磁石のいずれも分解することなく、第1及び第2チェンバセクションを引き抜くことができ、メンテナンス性が良い。
更に、第1及び第2チェンバセクションをセラミックスに代わる非磁性材として樹脂製とすることにより、第1及び第2チェンバセクションの強度・剛性を保ったまま第1及び第2チェンバセクションの厚みを薄くすることができ、第1及び第2ビーム走査装置の磁極間隙や外形を小さくでき、ビーム輸送チェンバ及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できる。
<効果1>
ビーム輸送チェンバ103においては、チェンバ本体130の素材であるセラミックスは割れ物であるため、輸送時の衝撃や照射ノズル装置のハウジング内への組み込み時にチェンバ103(チェンバ本体130)が破損するおそれがあり、図3(c)に示す如く、チェンバ本体130の厚みを厚くして強度・剛性を持たせる必要がある。また、セラミックスは焼き物であるため、チェンバ本体130の形状を自由に選択することができない。これらはセラミックス製チェンバ本体130の外形を大きくし、単純な直管形状で製作しなければならないことを意味し、その大きさ及び形状に応じてビームを偏向する走査装置(第1及び第2ビーム走査電磁石121,122)の磁極間隔gcx,gcyや外形も大きくしなければならない。その結果、ビーム輸送チェンバ103及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できない。
<効果2>
図4は、メンテナンス時におけるビーム輸送チェンバの引き抜き、組み込み手順を本実施の形態のチェンバ3と提案されているセラミックチェンバ103とを比較して示す図であって、図4上側は本実施の形態のものを、図4下側は提案されているものを示す。
<効果3>
提案されているビーム輸送チェンバにおいても、第1及び第2チェンバセクション131,132に設けられる接続フランジ133a,133b,134a,134bは金属製であり、第1及び第2チェンバセクション131,132と接続フランジ133a,133b,134a,134bとを接合するためには、セラミックスと金属間を銀ロウ付けなどの特殊な方法で接着する必要がある。このため製作し難く、かつコスト高となる。
<効果4>
本実施の形態のビーム輸送チェンバ3は、第1及び第2チェンバセクション31,32がラッパ形状であるため、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22の磁極間内にスペースが確保され、ビーム偏向磁場を監視する検出器5a,5bを設置できる。
2 ビーム走査装置
3 ビーム輸送チェンバ
4 隔離窓
5a,5b 検出器
6 線量モニタ
7 ビーム位置モニタ
8 ハウジング
10 荷電粒子ビーム
21 第1ビーム走査電磁石
22 第2ビーム走査電磁石
30 チェンバ本体
31 第1チェンバセクション
32 第2チェンバセクション
33a,33b,34a,34b 接続フランジ
51 荷電粒子ビーム発生装置
52 ビーム輸送系
53 回転式照射装置
54 走査式照射ノズル装置
61 前段加速器
62 シンクロトロン
63 出射用デフレクタ
64 治療台
65 患者
66 スノート
Claims (6)
- 荷電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、
前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、
前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、
前記第1及び第2チェンバセクションのうち少なくとも前記第2チェンバセクションが前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、
前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、
前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、
前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたことを特徴とする走査式照射ノズル装置。 - 荷電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、
前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、
前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、
前記第1チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、前記第2チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向と前記第2ビーム走査電磁石の偏向方向の両方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、
前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、
前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、
前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたことを特徴とする走査式照射ノズル装置。 - 前記第1及び第2チェンバセクションは樹脂製であることを特徴とする請求項1又は2記載の走査式照射ノズル装置。
- 荷電粒子ビーム発生装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置から出射された荷電粒子ビームを輸送するビーム輸送系と、前記ビーム輸送系により輸送された荷電粒子ビームを照射対象に照射する回転式照射装置とを備え、前記回転式照射装置は請求項1〜3のいずれか1項記載の走査式照射ノズル装置を有することを特徴とする粒子線治療システム。
- 前記第1及び第2チェンバセクションの樹脂はGFRP或いはCFRPで或いはGFRPとCFRPの組み合わせであることを特徴とする請求項3記載の走査式照射ノズル装置。
- 前記第1及び第2チェンバセクションは、GFRP或いはCFRP或いはGFRPとCFRPの組み合わせのフィラメントワインディング成型品であることを特徴とする請求項1又は2記載の走査式照射ノズル装置。
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