JP2001000562A - 治療装置 - Google Patents

治療装置

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JP2001000562A
JP2001000562A JP11180015A JP18001599A JP2001000562A JP 2001000562 A JP2001000562 A JP 2001000562A JP 11180015 A JP11180015 A JP 11180015A JP 18001599 A JP18001599 A JP 18001599A JP 2001000562 A JP2001000562 A JP 2001000562A
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treatment apparatus
charged particle
irradiation
range shifter
affected part
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JP11180015A
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Satoru Sukenobu
悟 祐延
Kinzo Hirose
金三 広瀬
Kosuke Sato
耕輔 佐藤
Katsushi Hanawa
勝詞 塙
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビームサイズの変化を少なくし、正常組織への
照射損傷の発生を防ぐ治療装置を提供すること。 【解決手段】荷電粒子を患部に照射して治療を行なう治
療装置において、前記荷電粒子を発生させる加速器から
取り出した荷電粒子線の軌道を偏向させる偏向電磁石2
と、前記荷電粒子線の軌道上に配置され、その軌道に対
して垂直な平面における前記荷電粒子の範囲を規定する
コリメータ4と、前記荷電粒子のエネルギーを減衰させ
て前記患部の照射深さを変化させるレンジシフタ3と、
を具備し、前記加速器から前記患部に向かって、前記偏
向電磁石2、前記コリメータ4、前記レンジシフタ3の
順に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーの荷
電粒子線を用いた治療装置に関し、例えばがん患部に照
射して治療に供する荷電粒子線を用いた治療装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】放射線による癌の治療では、加速器で加
速した高エネルギーの荷電粒子(水素、ヘリウム、炭素
などのイオン)のビームを照射することが行なわれてい
る。
【0003】図9は、従来例に係る荷電粒子線を用いた
癌の治療装置の概略構成を示す図である。図9で示した
治療装置は、荷電粒子線1、偏向電磁石2、レンジシフ
タ3、コリメータ4が配備され、治療台5に固定された
患者6の患部に荷電粒子線1を照射する構成をなしてい
る。なお、偏向電磁石2は荷電粒子を発生させる図示し
ない加速器から取り出した荷電粒子線(荷電粒子ビー
ム)の軌道を偏向させ、コリメータ4は前記荷電粒子線
の軌道上に配置され、その軌道に対して垂直な平面にお
ける前記荷電粒子の範囲を規定し、レンジシフタ3は前
記荷電粒子のエネルギーを減衰させて患部の照射深さを
変化させる。
【0004】通常、患部の大きさは荷電粒子線1のビー
ムの太さに比べて大きいため、患部へ一様に照射を行な
うためには荷電粒子線1のビームの太さを広げるか、あ
るいは細いビームをビーム軸に対して垂直な方向に走査
し、患部の大きさに合わせてビームを分散照射する方法
が行なわれている。
【0005】ビームをビーム軸に対して垂直な方向に走
査して照射する方法は、ピクセルスキャン照射法、ある
いはラスタースキャン照射法とも呼ばれている。この方
法では、ビーム軸に垂直な方向をX軸、ビーム軸とX軸
に垂直な方向をY軸とするとき、患部の寸法に合わせて
複数の照射位置を決定し、偏向電磁石2を用いてX軸方
向及びY軸方向にビームを偏向させ、患部形状に合わせ
て細いビームを走査して照射を行なう。
【0006】また、患部の軸方向では、荷電粒子線1の
照射による損傷の影響の大きい領域がブラッグピークと
呼ばれる荷電粒子線1の停止位置近傍の薄い領域に限ら
れるため、上記ビーム軸に対して垂直な平面への照射を
行なった後にレンジシフタ3を用いて患者6に照射され
るビームエネルギーを変化させる。そして、ブラッグピ
ークを軸方向に移動させて、再度X軸方向及びY軸方向
にビームを偏向させ患部領域内への照射を繰り返す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の荷
電粒子線を用いた治療装置では、上述したような照射に
おいてビーム軸方向の深さ制御を行なうためにレンジシ
フタ3をビーム軸内に置いて用いた場合、レンジシフタ
3の構成材料による荷電粒子線1の散乱によってビーム
のエミッタンスが増加し、患部に照射されるビームの太
さが大きくなり、患部に隣接する正常組織への照射損傷
が発生するという問題がある。
【0008】本発明の目的は、ビームサイズの変化を少
なくし、正常組織への照射損傷の発生を防ぐ治療装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の治療装置は以下の如く構成さ
れている。
【0010】(1)本発明の治療装置は、荷電粒子を患
部に照射して治療を行なう治療装置において、前記荷電
粒子を発生させる加速器から取り出した荷電粒子線の軌
道を偏向させる偏向電磁石と、前記荷電粒子線の軌道上
に配置され、その軌道に対して垂直な平面における前記
荷電粒子の範囲を規定するコリメータと、前記荷電粒子
のエネルギーを減衰させて前記患部の照射深さを変化さ
せるレンジシフタと、を備え、前記加速器から前記患部
に向かって、前記偏向電磁石、前記コリメータ、前記レ
ンジシフタの順に配置している。
【0011】(2)本発明の治療装置は上記(1)に記
載の装置であり、かつ前記コリメータと前記レンジシフ
タの間にブラッグピークの深さ方向の幅を拡大するリッ
ジフィルタを配置している。
【0012】(3)本発明の治療装置は上記(2)に記
載の装置であり、かつ前記リッジフィルタ及び前記レン
ジシフタがビーム軌道方向に可動である。
【0013】(4)本発明の治療装置は上記(1)乃至
(3)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記加速器
の出射エネルギーを変えることにより前記荷電粒子の照
射深さを調節する (5)本発明の治療装置は上記(2)または(3)に記
載の装置であり、かつ前記加速器の出射エネルギーに変
調を加えることにより前記ブラッグピークの深さ方向の
幅を拡大する。
【0014】(6)本発明の治療装置は上記(1)乃至
(5)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記偏向電
磁石の荷電粒子偏向部に真空のビームダクトを配置し、
かつ前記ビームダクトにプラスチックを用いている。
【0015】(7)本発明の治療装置は上記(1)乃至
(6)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記偏向電
磁石に対してビーム進行方向上流側に可動のビームコリ
メータを配置している。
【0016】(8)本発明の治療装置は上記(1)乃至
(7)のいずれかに記載の装置であり、かつボーラスを
患者固定具に固定して配備可能としている。
【0017】(9)本発明の治療装置は上記(1)乃至
(8)のいずれかに記載の装置であり、かつ一対の前記
偏向電磁石を配置し、前記各偏向電磁石に印加する励磁
電流を正弦波とし、かつ前記各偏向電磁石へ位相を90
度ずらした励磁電流を流す。
【0018】上記手段を講じた結果、それぞれ以下のよ
うな作用を奏する。
【0019】(1)本発明の治療装置によれば、荷電粒
子線に対する散乱体となるレンジシフタを患部の近傍に
配置できることになり、前記荷電粒子線が前記レンジシ
フタで散乱され、ビームが発散しても前記レンジシフタ
と前記患部との距離を短くすることができるため、前記
患部でのビームサイズを小さく維持することができる。
【0020】(2)本発明の治療装置によれば、非常に
鋭いピークを持つブラッグピークの深さ方向の幅を拡大
するためにリッジフィルタを用いた場合に、コリメータ
とレンジシフタの間に前記リッジフィルタを配備するこ
とにより、前記リッジフィルタによって荷電粒子線の散
乱があっても患部と前記リッジフィルタとの距離を短く
することができるため、前記荷電粒子線のビームサイズ
を小さく維持することができる。
【0021】(3)本発明の治療装置によれば、患部近
傍にレンジシフタ及びリッジシフタを配置することにな
るが、治療台への患者の乗り降りあるいは前記治療台に
乗った患者の照射位置決めの際に、前記リッジフィルタ
及び前記レンジシフタをビーム軌道方向に可動とするこ
とにより、患者あるいは治療台と前記レンジシフタとが
接触しないようビーム軸方向に患者から離して照射位置
決めを行なうことができ、荷電粒子線の照射の前に前記
リッジフィルタ及び前記レンジシフタを患者に接近させ
ることによって散乱体である前記レンジシフタ及び前記
リッジフィルタを患部に近づけることができる。これに
より、照射する荷電粒子線のビームサイズを小さく維持
することが可能になる。
【0022】(4)本発明の治療装置によれば、レンジ
シフタの代わりに加速器の出射エネルギーを変えること
によって荷電粒子の照射深さを調節し、荷電粒子線の散
乱源となるレンジシフタとして深さ方向の照射位置の微
調整を行なうための薄いレンジシフタを用意するだけで
よいことになる。これにより、厚いレンジシフタを用い
ることなく照射深さを制御することができ、かつレンジ
シフタによる散乱の影響を小さくし、荷電粒子線のビー
ムサイズを小さく維持することが可能になる。
【0023】(5)本発明の治療装置によれば、リッジ
フィルタの代わりに加速器の出射エネルギーに変調を加
えることにより荷電粒子のエネルギーの分散を大きく
し、ブラッグピークの深さ方向の幅を拡大することによ
ってビーム軌道上の散乱体となるリッジフィルタをなく
すことができ、患部に照射する荷電粒子線のビームサイ
ズを小さく維持することが可能になる。
【0024】(6)本発明の治療装置によれば、荷電粒
子線と空気との散乱をなくすことができ、また加速器か
ら取り出した荷電粒子を患者に照射する際に必要となる
ビーム取り出し窓の位置を患者に近づけることができる
ことにより、前記ビーム取り出し窓による荷電粒子線の
散乱の影響を減らすことができ、患部に照射する荷電粒
子線のビームサイズを小さく維持することが可能にな
る。
【0025】(7)本発明の治療装置によれば、偏向電
磁石のビーム進行方向上流に可動のビームコリメータを
配置したことにより、荷電粒子線のビームサイズを前記
ビームコリメータによって調節し、患部の外周における
照射を行なう荷電粒子線の照射ビームサイズを小さく維
持することが可能になる。
【0026】(8)本発明の治療装置によれば、ボーラ
スを用いた治療の際に、前記ボーラスと患部との距離を
非常に小さくすることができ、荷電粒子線の照射ビーム
サイズを小さく維持することが可能になる。
【0027】(9)本発明の治療装置によれば、ワブラ
ー照射法を適応でき、さらに患部の内部をワブラー照射
法によって一様照射し、患部の外周のみをピクセル照射
するという双方の照射法を用いることにより、患部近傍
の正常組織への損傷を減らすことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を基に説明する。
【0029】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概
略構成を示す図である。なお、図1において図9と同一
な部分には同符号を付して説明を省略する。
【0030】図1に示すように本治療装置では、荷電粒
子線1の進行方向にむかって、順に偏向電磁石2、コリ
メータ4、レンジシフタ3が配置されている。荷電粒子
線を用いた本治療装置の動作としては、図示しない加速
器から導かれた細い荷電粒子ビームを、偏向電磁石2に
より患者6のがん患部の形状に合わせた複数の照射位置
に合わせて予め決められた角度で偏向させる。複数の照
射位置での荷電粒子の照射中は、少なくとも1つの偏向
電磁石2への励磁電流を一定とし、予め決められた照射
量を照射する。また、レンジシフタ3を用いて深さ方向
の照射位置を変え、照射を繰り返す。
【0031】図2は、患部への照射の例を示す図であ
る。図2の点線は患部11の外周を示しており、Z方向
は荷電粒子線1のビームの進行方向である。荷電粒子線
1の照射では、照射深さ方向に非常に鋭いピークを持つ
ブラッグピークを有するため、患部11の深さ方向には
図2に示されるLnレーヤーの厚さに集中的に細胞の損
傷が起こる。また、荷電粒子線1は通常患部11に比べ
細いビームであるため、図2のDnで示されるビームの
大きさとなる。患部11全体に荷電粒子線1による損傷
を与えるためには、Lnレーヤー内で複数の照射位置に
合わせて荷電粒子の照射を行なうとともに、さらに深さ
方向にも複数のレーヤーを照射する必要がある。Lnレ
ーヤー内での照射位置の変更には、偏向電磁石2を用い
て荷電粒子軌道を変える。また、照射するレーヤーを変
えるためには、レンジシフタ3を用いる。
【0032】荷電粒子線を用いた治療装置における荷電
粒子のビームの経路にレンジシフタ3などの散乱体があ
る場合は、ビームの大きさが散乱によって大きくなり、
患部11内を均一に照射を行おうとした際に、患部11
から外れる荷電粒子線1のビームの部分が増えて患部1
1以外の正常組織への損傷を引き起こすことになる。
【0033】しかし本治療装置では、偏向電磁石2、コ
リメータ4、レンジシフタ3をこの順に配置したことに
よって、荷電粒子ビームに対する散乱体となるレンジシ
フタ3を患部の近傍に配置できることになり、荷電粒子
線1がレンジシフタ3で散乱され、レンジシフタ3と患
部11との距離が短くなるため、散乱体から患部11ま
でのビームの飛行距離を短くすることができる。これに
より、患部11での荷電粒子線1のビームサイズを小さ
く維持することができ、患部11以外の正常組織への損
傷を減らすことができる。
【0034】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第
2の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概
略構成を示す図である。なお、図3において図1と同一
な部分には同符号を付してある。
【0035】図3に示すように本治療装置では、図1に
示したコリメータ4とレンジシフタ3の間に、ブラッグ
ピークの深さ方向の幅を拡大するリッジフィルタ21を
配置している。荷電粒子線1のブラッグピークは非常に
鋭いため、リッジフィルタ21を用いない場合、図2に
示すレーヤーの厚さは非常に薄いものとなり、レンジシ
フタ3を用いた照射レーヤーの変更回数が非常に増えて
しまう。
【0036】このため、リッジフィルタ21を用いて照
射レーヤーの厚さを制御することで、レンジシフタ3の
変更回数を減らすことができる。しかしながら、リッジ
フィルタ21は断面が階段状あるいは三角形の形状をな
すアルミニウムで作成されており、荷電粒子線1がリッ
ジフィルタ21を通過した場合、散乱によって荷電粒子
線1のビームの太さが大きくなる。
【0037】本治療装置では、リッジフィルタ21をコ
リメータ4とレンジシフタ3の間に配置したことによ
り、リッジフィルタ21と患部11との距離を小さくす
ることができ、散乱体から患部11までのビームの飛行
距離を短くすることができる。これにより、患部11で
の荷電粒子線1のビームサイズを小さく維持することが
でき、患部11以外の正常組織への損傷を減らすことが
できる。
【0038】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概略構成
は、図3に示したものと同一であり、さらにリッジフィ
ルタ21及びレンジシフタ3がビーム軌道方向に可動で
ある。
【0039】第1及び第2の実施の形態に示した構成の
荷電粒子線を用いた治療装置では、患部近傍にレンジシ
フタ3やリッジフィルタ21を配置することになる。そ
こで本治療装置では、リッジフィルタ21及びレンジシ
フタ3をビーム軌道方向に可動とすることにより、治療
台5への患者6の乗り降り、あるいは治療台5に乗った
患者6への照射位置決めの際に、患者6あるいは治療台
5とレンジシフタ3とが接触しないようビーム軸方向に
患者6から離し、照射位置決めを行なうことができる。
【0040】そして、荷電粒子線1の照射の前にリッジ
フィルタ21及びレンジシフタ3を患者6に接近させる
ことにより、散乱体であるレンジシフタ3及びリッジフ
ィルタ21を患部に近づけることができ、患部への照射
の際に荷電粒子線1のビームサイズを小さく維持するこ
とが可能になる。
【0041】(第4の実施の形態)図4は、本発明の第
4の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置にお
ける図示しない加速器のビームエネルギーの変化とビー
ムの取りだし時間の一例を示した図である。
【0042】図4に示すように、加速器におけるビーム
の出射エネルギーを変化させることにより荷電粒子の照
射深さを調節することで、荷電粒子線1の散乱源となる
レンジシフタ3として、深さ方向の照射位置を微調整す
るための薄いレンジシフタ3を用意するだけでよいこと
になる。
【0043】これにより、厚いレンジシフタ3を用いる
ことなく照射深さを制御することができ、かつレンジシ
フタ3による散乱の影響を小さくし、荷電粒子線1のビ
ームサイズを小さく維持することが可能になる。
【0044】(第5の実施の形態)図5は、本発明の第
5の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置にお
ける図示しない加速器としてのシンクロトロンのビーム
エネルギーの変調動作とビームの取りだし時間の一例を
示した図である。
【0045】シンクロトロンにおけるビームの出射エネ
ルギーの変調は、シンクロトロンの変更電磁石への励磁
エネルギーとキャビティーの共進周波数とを連動させて
行なう。荷電粒子線1のブラッグピークを広げるために
は、照射ビームのエネルギーに変調を加えることが必要
である。
【0046】リッジフィルタ21を用いた場合には、リ
ッジフィルタ21の構成材料と散乱によってビームの太
さは増加する。そこで、図2に示す各照射点に照射する
ビームのエネルギーに対して図5に示すように一例とし
て鋸状に変調を加えることにより荷電粒子のエネルギー
の分散を大きくし、ブラッグピークの深さ方向の幅を拡
大する。これにより、ビーム軌道上の散乱体となるリッ
ジフィルタ21を無くすことができ、かつ患部に照射す
る荷電粒子線1のビームサイズを小さく維持することが
可能になる。
【0047】(第6の実施の形態)図6は、本発明の第
6の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概
略構成を示す図である。なお、図6において図1と同一
な部分には同符号を付してある。
【0048】図6に示すように本治療装置では、偏向電
磁石2の荷電粒子偏向部に真空のビームダクト22とプ
ラスチックからなるビームダクト23とを配置してい
る。偏向電磁石2の荷電粒子偏向部に真空のビームダク
ト22を配置し、かつプラスチックのビームダクト23
を使用したことにより、荷電粒子線1が飛行する間に空
気との散乱をなくすことができる。
【0049】また、図示しない加速器から取り出した荷
電粒子を患者6に照射する際に必要となるビーム取り出
し窓24の位置を患者6に近づけることができることに
より、ビーム取り出し窓24による荷電粒子線1の散乱
の影響を減らすことができ、患部に照射する荷電粒子線
1のビームサイズを小さく維持することが可能になる。
【0050】(第7の実施の形態)図7は、本発明の第
7の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概
略構成を示す図である。なお、図7において図1と同一
な部分には同符号を付してある。
【0051】図7に示すように本治療装置では、偏向電
磁石2のビーム進行方向上流に、可動のビームコリメー
タ31と収束電磁石32とを新たに配置している。偏向
電磁石2のビーム進行方向上流に可動のビームコリメー
タ31を配置したことにより、荷電粒子線1のビームサ
イズをビームコリメータ31により調節し、患部への荷
電粒子線1の照射、特に患部の外周への照射における荷
電粒子線1の照射ビームサイズを小さく維持することが
可能になる。
【0052】さらに、図7に示すようにビームコリメー
タ31と偏向電磁石2の間に収束電磁石32を配置する
ことにより、ビームコリメータ31から発散するビーム
を収束電磁石32を用いて患部の照射位置に絞ることが
でき、患部への荷電粒子線1の照射、特に患部の外周へ
の照射における荷電粒子線1の照射ビームサイズを小さ
く維持することが可能となる。
【0053】(第8の実施の形態)図8は、本発明の第
8の実施の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置の概
略構成を示す図である。なお、図8において図1と同一
な部分には同符号を付してある。
【0054】図8に示すように本治療装置では、ボーラ
ス33と呼ばれる患者毎に異なる形状をなす患者コリメ
ータを患者固定具34に固定して配備している。ボーラ
ス33を患者固定具34に固定して配備できることによ
り、ボーラス33を用いた治療の際に、ボーラス33と
患部との距離を非常に小さくすることができ、荷電粒子
線1の照射ビームサイズを小さく維持することが可能に
なる。
【0055】(第9の実施の形態)本発明の第9の実施
の形態に係る荷電粒子線を用いた治療装置は、図1に示
した治療装置において、一対の偏向電磁石2を配置し、
各偏向電磁石2に印加する励磁電流を正弦波とし、かつ
各偏向電磁石2へ位相を90度ずらした励磁電流を流
す。
【0056】これにより、第1の実施の形態に示した照
射装置の構成であってもワブラー照射法を適応でき、さ
らに患部の内部をワブラー照射法によって一様に照射
し、かつ患部の外周のみをピクセル照射するという双方
の照射法を用いることにより、患部近傍の正常組織への
損傷を減らすことができる。
【0057】なお、本発明は上記各実施の形態のみに限
定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施で
きる。
【0058】
【発明の効果】本発明の治療装置によれば、ビーム軸方
向の深さ制御を行なうためにレンジシフタを用いた場合
に、このレンジシフタによる散乱によってビームのエミ
ッタンスが増加し、患部に照射されるビームの太さが大
きくなり、患部に隣接する正常組織への照射損傷が発生
する、という問題を解消できる。
【0059】すなわち、ピクセルスキャンあるいはラス
タースキャン照射法を用いた深さ方向の照射制御を行な
った場合でも、従来に比べビームサイズの変化を少なく
し、正常組織への過度の照射損傷を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る患部への照射
の例を示す図。
【図3】本発明の第2,第3の実施の形態に係る荷電粒
子線を用いた治療装置の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置における加速器のビームエネルギーの変
化とビームの取りだし時間の一例を示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置における加速器としてのシンクロトロン
のビームエネルギーの変調動作とビームの取りだし時間
の一例を示した図。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置の概略構成を示す図。
【図7】本発明の第7の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置の概略構成を示す図。
【図8】本発明の第8の実施の形態に係る荷電粒子線を
用いた治療装置の概略構成を示す図。
【図9】従来例に係る荷電粒子線を用いた癌の治療装置
の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…荷電粒子線 2…偏向電磁石 3…レンジシフタ 4…コリメータ 5…治療台 6…患者 11…患部 21…リッジフィルタ 22…ビームダクト 23…プラスチックのビームダクト 24…ビーム取り出し窓 31…ビームコリメータ 32…収束電磁石 33…ボーラス 34…患者固定具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 耕輔 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 塙 勝詞 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 2G085 AA13 CA06 CA13 CA16 DA10 EA07 4C082 AA01 AC04 AE01 AG12 AG21 AG26 AN05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子を患部に照射して治療を行なう治
    療装置において、 前記荷電粒子を発生させる加速器から取り出した荷電粒
    子線の軌道を偏向させる偏向電磁石と、 前記荷電粒子線の軌道上に配置され、その軌道に対して
    垂直な平面における前記荷電粒子の範囲を規定するコリ
    メータと、 前記荷電粒子のエネルギーを減衰させて前記患部の照射
    深さを変化させるレンジシフタと、を具備し、 前記加速器から前記患部に向かって、前記偏向電磁石、
    前記コリメータ、前記レンジシフタの順に配置したこと
    を特徴とする治療装置。
  2. 【請求項2】前記コリメータと前記レンジシフタの間に
    ブラッグピークの深さ方向の幅を拡大するリッジフィル
    タを配置したことを特徴とする請求項1に記載の治療装
    置。
  3. 【請求項3】前記リッジフィルタ及び前記レンジシフタ
    がビーム軌道方向に可動であることを特徴とする請求項
    2に記載の治療装置。
  4. 【請求項4】前記加速器の出射エネルギーを変えること
    により前記荷電粒子の照射深さを調節することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の治療装置。
  5. 【請求項5】前記加速器の出射エネルギーに変調を加え
    ることにより前記ブラッグピークの深さ方向の幅を拡大
    することを特徴とする請求項2または3に記載の治療装
    置。
  6. 【請求項6】前記偏向電磁石の荷電粒子偏向部に真空の
    ビームダクトを配置し、かつ前記ビームダクトにプラス
    チックを用いたことを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れかに記載の治療装置。
  7. 【請求項7】前記偏向電磁石に対してビーム進行方向上
    流側に可動のビームコリメータを配置したことを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載の治療装置。
  8. 【請求項8】ボーラスを患者固定具に固定して配備可能
    としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記
    載の治療装置。
  9. 【請求項9】一対の前記偏向電磁石を配置し、前記各偏
    向電磁石に印加する励磁電流を正弦波とし、かつ前記各
    偏向電磁石へ位相を90度ずらした励磁電流を流すこと
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の治療装
    置。
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