JP6755208B2 - 荷電粒子線治療装置 - Google Patents

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本発明は、荷電粒子線治療装置に関する。
従来、患者の患部に荷電粒子線を照射することによって治療を行う荷電粒子線治療装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の荷電粒子線治療装置では、加速器で加速された荷電粒子線を拡大し、コリメータを用いて一部の不要な荷電粒子線を遮断した上で、被照射体の形状に合わせた照射野にて荷電粒子線の照射を行っている。
特開2009−236867号公報
ここで、上述のような荷電粒子線治療装置においては、コリメータで遮断する分の荷電粒子線は被照射体への照射には用いられないため、線量が無駄になるという問題が生じる。また、荷電粒子線の拡大量に比してコリメータの照射野が小さい場合には、粒子の位相空間の分布の関係から半影が大きくなる場合がある。
そこで本発明は、被照射体の形状に応じて、効率よく荷電粒子線を照射することができる荷電粒子線治療装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子線治療装置は、荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射する加速器と、被照射体に対して荷電粒子線を照射する照射部と、照射部内に設けられ、荷電粒子線を拡大する拡大部と、被照射体の形状に合わせて荷電粒子線の照射範囲を規定するコリメータと、被照射体の形状に合わせて拡大部による荷電粒子線の拡大量を調整する拡大量調整部と、を備える。
本発明に係る荷電粒子線治療装置は、照射部内に設けられ、荷電粒子線を拡大する拡大部と、被照射体の形状に合わせて荷電粒子線の照射範囲を規定するコリメータと、を備えている。従って、拡大部で拡大された荷電粒子線の外縁付近は、コリメータで遮蔽され、当該コリメータを通過した部分が、被照射体へ照射される。ここで、荷電粒子線治療装置は、被照射体の形状に合わせて拡大部による荷電粒子線の拡大量を調整する拡大量調整部を有している。これによって、例えば、被照射体が小さくなる場合は、それに合わせて拡大量調整部が荷電粒子線の拡大量を小さくすることができる。従って、荷電粒子線のうち、コリメータで遮蔽される線量を低減することができる。また、コリメータの照射野に合わせて荷電粒子線の拡大量を小さくすることで、半影の発生も抑制できる。以上より、被照射体の形状に応じて、効率よく荷電粒子線を照射することができる。
荷電粒子線治療装置において、拡大部は、荷電粒子線を拡散する散乱体を複数備えており、拡大量調整部は、散乱体の枚数を調整することによって、荷電粒子線の拡大量を調整してよい。これにより、拡大量調整部が、被照射体の形状に合わせて散乱体の枚数を調整することで、適切に荷電粒子線を拡大することができる。
荷電粒子線治療装置において、拡大量調整部は、被照射体を仮想的に深さ方向へ複数層に分割した場合、各層に対して照射される荷電粒子線の拡大量をそれぞれ調整してよい。これにより、被照射体の各層の形状に応じて、効率よく荷電粒子線を照射することができる。
本発明によれば、被照射体の形状に応じて、効率よく荷電粒子線を照射することができる荷電粒子線治療装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置の概略構成図である。 図1の荷電粒子線治療装置の照射部付近の概略構成図である。 マルチリーフコリメータを照射軸方向から見た図である。 荷電粒子線の拡大量を説明するための模式図である。 荷電粒子線治療装置による処理内容の一例を示すフローチャートである。 本実施形態及び比較例に係る荷電粒子線治療装置の荷電粒子線の拡大とコリメータの関係を示す模式図である。 被照射体を仮想的な層に分割した様子を示す模式図である。 変形例に係る荷電粒子線治療装置による処理内容の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用される装置であり、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速して荷電粒子線として出射する加速器2と、荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部8と、加速器2から出射された荷電粒子線を照射部8へ輸送するビーム輸送ライン45と、を備えている。照射部8は、治療台16を取り囲むように設けられた回転ガントリ17に取り付けられている。照射部8は、回転ガントリ17によって治療台16の周りに回転可能とされている。
なお、以下の説明においては、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」という語を用いて説明する。「Z方向」とは、荷電粒子線Rの基軸AXが延びる方向である。なお、「基軸AX」とは、後述の走査電磁石3a,3bで偏向しなかった場合の荷電粒子線Rの照射軸とする。図2では、基軸AXに沿って荷電粒子線Rが照射されている様子を示している。なお、以下の説明では、基軸AXに沿って荷電粒子線Rが照射される方向を「荷電粒子線Rの照射軸方向」であるものとする。「X方向」とは、Z方向と直交する平面内における一の方向である。「Y方向」とは、Z方向と直交する平面内においてX方向と直交する方向である。
図2を参照して、ワブラー法に係る荷電粒子線治療装置の構成について説明する。図2に示すように、荷電粒子線治療装置1は、加速器2、走査電磁石3a,3b、モニタ4a,4b、散乱部5、リッジフィルタ22、マルチリーフコリメータ24、ボーラス26、患者コリメータ27、ディグレーダ30、制御装置7、及び治療計画装置100を備えている。走査電磁石3a,3b、モニタ4a,4b、散乱部5、リッジフィルタ22、マルチリーフコリメータ24、ボーラス26、患者コリメータ27、及びディグレーダ30は、照射部8の内部に配置されている。制御装置7は、照射部8の外部に設けられている。
加速器2は、荷電粒子を加速させて、荷電粒子線Rを連続的に発生させる発生源である。加速器2として、例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、サイクロシンクロトロン、ライナック等が挙げられる。加速器2で発生した荷電粒子線Rは、ビーム輸送系によって照射部8へ輸送される。この加速器2は、制御装置7に接続されており、供給される電流が制御される。
走査電磁石3a,3bは、それぞれ一対の電磁石から構成され、制御装置7から供給される電流に応じて一対の電磁石間の磁場を変化させ、当該電磁石間を通過する荷電粒子線Rを走査する。X方向走査電磁石3aは、X方向(第1の走査方向)に荷電粒子線Rを走査し、Y方向走査電磁石3bは、Y方向(第1の走査方向と直交する第2の走査方向)に荷電粒子線Rを走査する。これらの走査電磁石3a,3bは、基軸AX上であって、加速器2の下流側にこの順で配置されている。
モニタ4aは、荷電粒子線Rのビーム位置を監視し、モニタ4bは、荷電粒子線Rの線量の絶対値と荷電粒子線Rの線量分布とを監視する。各モニタ4a,4bは、監視した監視情報を制御装置7に出力する。モニタ4aは、荷電粒子線Rの基軸AX上であって、加速器2の下流側でX方向走査電磁石3aの上流側に配置されている。モニタ4bは、基軸AX上であってY方向走査電磁石3bの下流側に配置されている。
散乱部5は、通過する荷電粒子線Rを、照射軸と直交する方向に広がりを持つ幅広のビームに拡散する。本実施形態に係る散乱部5は、複数枚の散乱体5aと、当該散乱体5aを駆動させる駆動部5bと、を備えている。駆動部5bは、散乱体5aを荷電粒子線Rの通過位置に対して進退可能に駆動させる。駆動部5bは、制御装置7からの信号に基づいて各散乱体5aを駆動させる。従って、制御装置7は、設定された荷電粒子線Rの散乱角度に応じて駆動部5bを制御し、荷電粒子線Rの通過位置に配置される散乱体5aの枚数を切り替える。この散乱体5aは、板状を呈し、例えば厚さ数mmのタングステンで形成されている。散乱部5は、基軸AX上において、走査電磁石3bの下流側でモニタ4bの上流側に配置されている。
リッジフィルタ22は、荷電粒子線Rの線量分布を調整するものである。具体的には、リッジフィルタ22は、患者13の体内の腫瘍14の厚さ(照射軸方向の長さ)に対応するように、荷電粒子線Rに拡大ブラッグピーク(SOBP)を与える。リッジフィルタ22は、基軸AX上において散乱部5の下流側でモニタ4bの上流側に配置されている。
ディグレーダ30は、通過する荷電粒子線Rのエネルギーを低下させて当該荷電粒子線Rの飛程を調整する。なお、飛程の調整は、加速器2の直後に設けられたディグレーダ(不図示)によって荒調整が行われ、照射部8内のディグレーダ30で微調整が行われる。ディグレーダ30は、基軸AX上であって、走査電磁石3a,3bよりも荷電粒子線Rの下流側に設けられ、患者13の体内における荷電粒子線Rの最大到達深さを調整する。ディグレーダ30は、X方向及びY方向に拡がる板状の部材である。なお、本実施形態において「飛程」とは、荷電粒子線Rが運動エネルギーを失って静止するまでに進む距離である。より詳細には、飛程は、最大線量を100%とした場合に、最大線量となる照射距離(深さ)よりも深い側であって、線量が90%となる深さである。
マルチリーフコリメータ24は、照射軸方向と垂直な平面方向における荷電粒子線Rの形状(平面形状)を整形するものであり、複数の櫛歯を含む遮線部24a,24bを有している。遮線部24a,24bは、互いに突き合わせるように配置されており、これらの遮線部24a,24b間には、開口部24cが形成されている。このマルチリーフコリメータ24は、開口部24cに荷電粒子線Rを通過させることで、開口部24cの形状に対応する輪郭に荷電粒子線Rを切り取る。
また、マルチリーフコリメータ24は、Z方向と直交する方向に遮線部24a,24bを進退させることで、開口部24cの位置及び形状を変化することが可能となっている。さらに、マルチリーフコリメータ24は、リニアガイド28で照射軸方向に沿って案内されており、Z方向に沿って移動可能になっている。このマルチリーフコリメータ24は、モニタ4bの下流側に配置されている。
より具体的には、図3に示すように、マルチリーフコリメータ24は、X方向で対向する一対のリーフ群31,32を有している。一対のリーフ群31,32は、基準軸Aに直交するXY平面において、基準軸Aを挟んでX方向で対向する。一対のリーフ群31,32は、それぞれX方向に独立して進退可能な多数のリーフ41を含むリーフ部材40から構成されている。
リーフ部材40は、リーフ41と、リーフ41を移動させるリーフ駆動部43と、を有する。リーフ部材40は、リーフ群31に含まれるリーフ部材40のリーフ41と、リーフ群32に含まれるリーフ部材40のリーフ41と、が互いに対向するように、XY平面に沿って配置される。
リーフ41は、X方向に沿って延びる長方形板状の部材である。リーフ41は、荷電粒子線の遮蔽に用いられる部材であることから、荷電粒子線を遮蔽可能な材料により製造される。荷電粒子線を遮蔽可能な材料としては、真鍮、銅、タンタル、モリブデン等が挙げられるが、遮蔽能力の高い真鍮製とすることが好ましい。
リーフ駆動部43は、制御装置7からの信号に基づいて、各リーフ41を要求された位置に配置させる。制御装置7は、照射軸方向から見た場合の腫瘍14の形状に合わせて、マルチリーフコリメータ24の開口部24cの形状を設定する。マルチリーフコリメータ24は、腫瘍14の外縁から僅かに外側に離れた位置に各リーフ41の端部が配置されるように、開口部24cを形成する。
ボーラス26は、荷電粒子線Rの最大到達深さの部分の立体形状を、腫瘍14の最大深さ部分の形状に合わせて整形する。このボーラス26の形状は、例えば、腫瘍14の輪郭線と、X線CTのデータから求められる周辺組織の電子密度とに基づいて算出される。ボーラス26は、基軸AX上においてマルチリーフコリメータ24の下流側に配置されている。患者コリメータ27は、荷電粒子線Rの平面形状を腫瘍14の平面形状に合わせて最終的に整形するものである。この患者コリメータ27は、基軸AX上においてボーラス26の下流側に配置されている。ボーラス26及び患者コリメータ27は、照射部8の先端部8aに設けられている。
図2に示す荷電粒子線治療装置1により、ワブラー法によって荷電粒子線Rの照射を行う場合、所定の飛程に調整可能なディグレーダ30をセットすると共に、マルチリーフコリメータ24の遮線部24a,24bが進退されて開口部24cが所定形状とされる。
続いて、加速器2から荷電粒子線Rを出射する。出射された荷電粒子線Rは、走査電磁石3a,3bによって円を描くように走査されて散乱部5によって拡散された後、リッジフィルタ22、ディグレーダ23、マルチリーフコリメータ24、ボーラス26及び患者コリメータ27によって整形及び調整される。これにより、腫瘍14の形状に沿った一様照射範囲でもって腫瘍14に荷電粒子線Rが照射されることとなる。
例えば、図4に示すように、所定の面(例えばマルチリーフコリメータ24の上面)に対する荷電粒子線Rの照射領域E1は、拡散された荷電粒子線Rのスポット領域Sと、当該スポット領域Sの走査範囲によって決まる。すなわち、所定の大きさのスポット領域Sが円を描くように、又は螺旋を描くように走査されることで、照射領域E1が定められる。荷電粒子線Rのスポット領域Sの大きさは、散乱角度θ2によって決められる。散乱角度θ2は、荷電粒子線Rの照射軸RXに対する、荷電粒子線Rの広がりの角度である。また、スポット領域Sの大きさに加え、スポット領域Sが最外周側の円を描いている時の軌跡により、照射領域E1が定められる。スポット領域Sの最外周側の円の大きさは、ワブラー角度θ1によって決められる。ワブラー角度θ1は、基軸AXに対する荷電粒子線Rの照射軸RXの角度である。なお、ワブラー角度θ1及び散乱角度θ2で定められる荷電粒子線Rの広がり度合いを「拡大量」と称する。
また、荷電粒子線Rの拡大は、走査電磁石3a、3bによるスポット領域Sの走査範囲の移動と、散乱部5によるスポット領域Sの大きさの調整によってなされる。よって、以降の説明では、走査電磁石3a、3b及び散乱部5をまとめて「拡大部70」と称する場合がある。このように、拡大部70は、スポット領域S自体を大きくすることと、スポット領域Sの移動量を大きくすることによって、荷電粒子線Rの照射領域を拡大するものである。拡大部70は、照射領域が少なくともマルチリーフコリメータ24の開口部24cの全域を覆うように、荷電粒子線Rを拡大する。ただし、拡大部70は、スポット領域S自体を大きくすること、及びスポット領域Sの移動量を大きくすることの一方のみによって荷電粒子線Rの照射領域を拡大してもよい。なお、スポット領域Sの移動の軌道は、円軌道や螺旋軌道のみならず、直線状の往復軌道を採用してもよい。
次に、上述のような手順で荷電粒子線Rの照射を行う荷電粒子線治療装置1の治療計画について説明する。荷電粒子線治療装置1の治療計画は、治療計画装置100によってなされる。図2に示すように、治療計画装置100は、照射サイズ決定部101と、拡大量調整部102と、を少なくとも有している。
照射サイズ決定部101は、腫瘍14の形状に合わせて荷電粒子線Rの照射サイズを決定する。ここで、照射サイズとは、照射軸方向における何れかの位置における照射領域の大きさのことである。どの位置(例えばアイソセンター)を基準としてもよいが、本実施形態では、図3に示すようにマルチリーフコリメータ24の上面の位置における照射領域E1の大きさを基準として、照射サイズの決定について説明するものとする。なお、治療計画装置100は、予め取得しておいたCTなどのデータに基づいて、腫瘍14の形状を把握している。また、治療計画装置100は、腫瘍14の形状に合わせて、マルチリーフコリメータ24の開口部24cの形状も計画することができる。
従って、照射サイズ決定部101は、照射軸方向から見たときの腫瘍14の形状、及びマルチリーフコリメータ24の開口部24cの形状に合わせて荷電粒子線Rの照射サイズを決定する。例えば、図3に示すような腫瘍14に対して、マルチリーフコリメータ24の開口部24cの形状を設定した場合、照射サイズ決定部101は、照射領域E1が開口部24cの全域を含むように照射サイズを決定する。照射サイズ決定部101は、開口部24cの縁部のうち、基軸AXから最も距離が離れている部分の寸法を把握し、当該寸法よりも照射領域E1の半径が大きくなるように、照射サイズを決定する。また、照射サイズ決定部101は、開口部24cに対して照射領域E1が過剰に大きくならないように、照射サイズを決定する。例えば、照射サイズ決定部101は、ガウス分布(ペンシルビームによる横方向のビームの広がり分布)を円筒積分(ワブラーの回転経路に沿って、基軸AXをZ軸をとしたときのXY平面上での分布を足しあわせること)が形成する横方向の平坦度を指標にして照射サイズを計算してよい。小さい方から大きい方にワブラー角を振ることで、照射領域E1が大きすぎるという状態が選択されることを防ぐことができる。
拡大量調整部102は、腫瘍14の形状に合わせて拡大部70による荷電粒子線Rの拡大量を調整する。拡大量調整部102は、照射サイズ決定部101が決定した照射サイズが得られるように、当該照射サイズに基づいて、拡大量を調整する。ここで、本実施形態では、散乱角度θ2及びワブラー角度θ1によって荷電粒子線Rの拡大量が決まる。従って、拡大量調整部102は、所望の照射サイズを得るための、散乱角度θ2及びワブラー角度θ1を調整する。散乱角度θ2は、散乱部5の散乱体5aの枚数に従い、複数段階で調整可能である。よって、拡大量調整部102は、散乱部5の調整によって選択可能なものの中から、最適な散乱角度θ2を選択する。そして、拡大量調整部102は、選択した散乱角度θ2に応じて、X方向及びY方向のワブラー角度θ1を決定する。
なお、治療計画装置100は、荷電粒子線Rの拡大量の他、荷電粒子線Rの飛程なども決定する。また、治療計画装置100は、決定した条件に基づいて、当該条件で治療を行った場合の線量の分布などを演算し、各種条件を再調整することもできる。
次に、図5を参照して、荷電粒子線治療装置1による処理内容の一例について説明する。なお、図5の処理内容は一例にすぎず、適宜変更可能である。
図5に示すように、治療計画装置100は、荷電粒子線Rの照射サイズを決定する(ステップS10)。S10では、治療計画装置100は、予め取得した腫瘍14のデータから、マルチリーフコリメータ24の開口部24cの形状を設定する。そして、治療計画装置100は、照射軸方向から見たときの腫瘍14の形状、すなわち当該開口部24cの形状に合わせた照射サイズを決定する。なお、このとき、治療計画装置100は、腫瘍14の深さに基づいて、荷電粒子線Rの飛程を決定する。
治療計画装置100は、S10で決定した照射サイズに基づいて、荷電粒子線Rの拡大量、すなわちワブラー角度θ1及び散乱角度θ2を設定する(ステップS20)。S20でワブラー角度θ1及び散乱角度θ2を設定したら、装置内の各種構成要素についての設定を行う(ステップS30)。例えば、治療計画装置100は、散乱角度θ2を得るための散乱部5での散乱体5aの枚数(散乱体の厚み)を設定したり、飛程に応じたディグレーダ30の設定などを行う。
次に、治療計画装置100は、設定した各種条件にて荷電粒子線Rの照射を行ったと仮定した場合に、平坦度が規定値以内となるか否かについて判定する(ステップS40)。S40では、例えば、アイソセンターでの荷電粒子線Rの線量の側方分布を計算し、平坦度を計算する。このとき、治療計画装置100は、使用するリッジフィルタ22に基づいて、アイソセンターでのX方向及びY方向の散乱半径を算出して、平坦度の計算を行う。
S40において、平坦度が規定値に収まらなかったと判定された場合は、治療計画装置100は、荷電粒子線Rの拡大量を再度調整する(ステップS50)。例えば、治療計画装置100は、ワブラー角度θ1を調整し、再度S30から処理を繰り返す。
S40において、平坦度が規定値以内であると判定された場合、治療計画装置100は、制御装置7に治療計画のデータを送信し、設定した条件にて治療を行えるように、各種構成要素に対して信号を出力する(ステップS60)。以上により、図5に示す処理が完了する。
次に、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
まず、図6(a)を参照して、比較例に係る荷電粒子線治療装置について説明する。比較例に係る荷電粒子線治療装置では、腫瘍14の大きさに関わらず、荷電粒子線Rの拡大量が所定の大きさに定められている(例えば、図3の照射領域E2も参照)。荷電粒子線治療装置においては、マルチリーフコリメータ24で遮断する分の荷電粒子線Rは腫瘍14への照射には用いられない。よって、腫瘍14が小さくなった場合は、荷電粒子線Rのうち、マルチリーフコリメータ24で遮蔽される部分(図においてAで示される部分)が多くなり、線量が無駄になるという問題が生じる。更に、荷電粒子線Rの拡大量が腫瘍14に対して大きい場合は、相対的に荷電粒子線Rの密度も小さくなる。また、荷電粒子線Rの拡大量に比してマルチリーフコリメータ24の照射野が小さい場合には、粒子の位相空間の分布の関係から半影が大きくなる場合がある。
一方、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、照射部8内に設けられ、荷電粒子線Rを拡大する拡大部70と、腫瘍14の形状に合わせて荷電粒子線Rの照射範囲を規定するマルチリーフコリメータ24と、を備えている。従って、拡大部70で拡大された荷電粒子線Rの外縁付近は、マルチリーフコリメータ24で遮蔽され、当該マルチリーフコリメータ24を通過した部分が、腫瘍14へ照射される。ここで、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、腫瘍14の形状に合わせて拡大部70による荷電粒子線Rの拡大量を調整する拡大量調整部102を有している。これによって、例えば、図6(b)に示すように、腫瘍14が小さくなる場合は、それに合わせて拡大量調整部102が荷電粒子線Rの拡大量を小さくすることができる。すなわち、図3において、他の照射時には照射領域E2で照射していたものを、拡大量を小さくして照射領域E1とすることができる。従って、荷電粒子線Rのうち、マルチリーフコリメータ24で遮蔽される線量を低減することができる。更に、荷電粒子線Rの拡大量が腫瘍14に合わせて小さくなることで、相対的に図6(a)の場合に比して、荷電粒子線Rの密度も大きくすることができる。また、マルチリーフコリメータ24の照射野に合わせて荷電粒子線Rの拡大量を小さくすることで、半影の発生も抑制できる。以上より、腫瘍14の形状に応じて、効率よく荷電粒子線Rを照射することができる。
荷電粒子線治療装置1において、拡大部70として機能する散乱部5は、荷電粒子線Rを拡散する散乱体5aを複数備えており、拡大量調整部102は、散乱体5aの枚数を調整することによって、荷電粒子線Rの拡大量を調整してよい。これにより、拡大量調整部102が、腫瘍14の形状に合わせて散乱体5aの枚数を調整することで、適切に荷電粒子線Rを拡大することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、荷電粒子線治療装置1の照射方法として、ワブラー法を例示していたが、照射方式は特に限定されず、荷電粒子線Rを拡大する拡大照射法に該当する方法であれば、どの方式を採用してもよい。例えば、ユニフォームスキャン(ワブラー法よりも細いビームを直線状に往復させたり、格子状の軌跡を描くように走査する)を行ってもよい。また、積層原体法を採用してもよい。
積層原体法を採用する場合の動作の例について説明する。この場合、図7に示すように、拡大量調整部102は、腫瘍14を仮想的に深さ方向へ複数層に分割する。図7では、腫瘍14はL〜Lの層に分割されている。また、拡大量調整部102は、各層に対して照射される荷電粒子線Rの拡大量をそれぞれ調整する。例えば、層Lに照射する時と層Lに照射する時とでは、照射野の形状が異なり、マルチリーフコリメータ24の開口部の形状も異なるが、拡大量調整部102は、それらの各層の形状に合わせて荷電粒子線Rの拡大量を調整する。以上により、腫瘍14の各層の形状に応じて、効率よく荷電粒子線Rを照射することができる。
この場合、図8に示すような制御処理を実行してよい。すなわち、S40にて、一つの層に対しての設定が完了し、平坦度が規定値以内であると判定された後、治療計画装置100は、全ての層についての設定が完了したか否かの判定を行う(ステップS70)。S70において、完了していないと判定された場合、治療計画装置100は、次の層を決定し、当該対象の層に対して、S10〜S50の処理を行う。S70において、完了していると判定された場合は、S60へ移行する。なお、図8のその他の処理については、図5の処理と同様である。
1…荷電粒子線治療装置、2…加速器、5…散乱部、5a…散乱体、8…照射部、14…腫瘍(被照射体)、24…マルチリーフコリメータ、70…拡大部、102…拡大量調整部。

Claims (3)

  1. 荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射する加速器と、
    被照射体に対して前記荷電粒子線を照射する照射部と、
    前記照射部内に設けられ、前記荷電粒子線を拡大する拡大部と、
    前記被照射体の形状に合わせて前記荷電粒子線の照射範囲を規定するコリメータと、
    前記コリメータの形状、及び前記被照射体の形状に合わせて前記拡大部による前記荷電粒子線の拡大量を調整する拡大量調整部と、を備える、荷電粒子線治療装置。
  2. 前記拡大部は、前記荷電粒子線を拡散する散乱体を複数備えており、
    前記拡大量調整部は、前記散乱体の枚数を調整することによって、前記荷電粒子線の前記拡大量を調整する、請求項1に記載の荷電粒子線治療装置。
  3. 前記拡大量調整部は、前記被照射体を仮想的に深さ方向へ複数層に分割した場合、各層に対して照射される前記荷電粒子線の前記拡大量をそれぞれ調整する、請求項1又は2に記載の荷電粒子線治療装置。
JP2017044262A 2017-03-08 2017-03-08 荷電粒子線治療装置 Active JP6755208B2 (ja)

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