JPH07148277A - 重荷電粒子線原体照射用不均一リッジフィルターシステム - Google Patents

重荷電粒子線原体照射用不均一リッジフィルターシステム

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JPH07148277A
JPH07148277A JP30007693A JP30007693A JPH07148277A JP H07148277 A JPH07148277 A JP H07148277A JP 30007693 A JP30007693 A JP 30007693A JP 30007693 A JP30007693 A JP 30007693A JP H07148277 A JPH07148277 A JP H07148277A
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    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、陽子線又は重イオン線などの
重荷電粒子線を用いた治療装置において、腫瘍の形に応
じて高い線量分布を所望範囲内に集中する重荷電粒子線
原体照射用不均一リッジフィルターシステムを提供する
ことにある。 【構成】本発明の重荷電粒子線原体照射用不均一リッジ
フィルターシステムは、陽子線又は重イオン線などの重
荷電粒子線を用いた治療装置において、位置により拡大
ブラックピーク幅が異なる不均一リッジフィルターと、
この不均一リッジフィルターに形成される不均一厚さの
高線量域の線量を略均一にするため前記重荷電粒子線の
ビームの照射量に同期して開閉する多葉コリメータ、又
は前記重荷電粒子線のビームの照射量に同期して当該ビ
ームの進行方向に垂直な方向に当該ビームを不均一に走
査する手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陽子線又は重イオン線
などの重荷電粒子線を用いた治療装置に係り、特に、腫
瘍の形に応じて高い線量分布を所望範囲内に集中する重
荷電粒子線原体照射用不均一リッジフィルターシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線による治療は、癌治療において重
要な位置を占めてきた。この種の放射線治療に使用する
放射線としては、従来から使用されてきたX線・ガンマ
線・電子線等の他に、最近研究が盛んになってきた陽子
線や重イオン線などの重荷電粒子線がある。重荷電粒子
線は、目に見えない鉄砲弾のように生体を破壊しながら
連続的にエネルギーを失い、入射エネルギーによって決
まる特定の深さで停止するものである。重荷電粒子線
は、停止する寸前を重点的に破壊する。これは、放射線
の線量は、荷電粒子線の停止する寸前で高いことに起因
する。この線量の高い部分は、ブラックピークと称され
ている。
【0003】一方、照射すべき患者の病巣には厚みがあ
るので、病巣を均一に破損するためには、重荷電粒子線
に、その厚み(幅)に応じたエネルギー分布を持たせな
ければならない。重荷電粒子線にエネルギー分布を持た
せることにより形成された厚さ方向に線量の高い領域を
拡大ブラックピークと呼んでいる。
【0004】従来、重荷電粒子線にエネルギー分布を持
たせて拡大ブラックピークを形成するためには、リッジ
フィルターやレンジモジュレーターが用いられてきた。
【0005】リッジフィルターは、厚さの分布を持った
板で、重荷電粒子線がこれを通過すると、その厚さの分
布に応じたエネルギー分布を持つものである。このよう
なリッジフィルターとして、リッジフィルター入射前か
らビームの方向に分布を持たせたり、リッジフィルター
を通過した後に散乱体によりビームの方向に分布を持た
せることにより、重荷電粒子線を混ぜ合わせ、位置によ
るエネルギー分布の違いを無くすことができる。
【0006】一方、レンジモジュレーターは、厚さの均
一でない扇形状の板が回転するものであり、当該レンジ
モジュレーターを通過した重荷電粒子線は、時間的に平
均するとエネルギー分布を持つようになる。
【0007】かかる従来の技術においては、エネルギー
分布はビームの位置によらず均一であるため、拡大ブラ
ックピークの幅も位置によらず一定である。しかし、病
巣の厚さはその位置によって異なるものである。従っ
て、従来の構成では位置によらず均一の厚さが照射され
るため、病巣の薄い部分では病巣でない部分まで高い線
量で照射されてしまうという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、陽子線又は重イオン線などの重荷電粒子線を用いた
治療装置において、腫瘍の形に応じて高い線量分布を所
望範囲内に集中する重荷電粒子線原体照射用不均一リッ
ジフィルターシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の重荷電粒子線原
体照射用不均一リッジフィルターシステムは上記課題を
解決し且つ目的を達成するために、重荷電粒子線を用い
た治療装置において、位置により拡大ブラックピーク幅
が異なる不均一リッジフィルターと、この不均一リッジ
フィルターに形成される不均一厚さの高線量域の線量を
略均一にするため前記重荷電粒子線のビームの照射量に
同期して開閉する多葉コリメータとを具備することを特
徴とする。
【0010】また、本発明の重荷電粒子線原体照射用不
均一リッジフィルターシステムは上記課題を解決し且つ
目的を達成するために、重荷電粒子線を用いた治療装置
において、位置により拡大ブラックピーク幅が異なる不
均一リッジフィルターと、この不均一リッジフィルター
に形成される不均一厚さの高線量域の線量を略均一にす
るため前記重荷電粒子線のビームの照射量に同期して当
該ビームの進行方向に垂直な方向に、当該ビームを不均
一に走査する手段とを具備することを特徴とする。
【0011】前記不均一リッジフィルターとしては、前
記拡大ブラックピーク幅が多角形の範囲内で均一である
当該均一範囲を組み合わせて広範囲に亙って不均一特性
が形成されてなるものであることが好ましい。
【0012】また、前記不均一リッジフィルターとして
は、前記拡大ブラックピーク幅が円形の範囲内で均一で
ある当該均一範囲を予め作られた円形の孔に嵌め込ん組
合せて広範囲に亙って不均一特性が形成されてなるもの
であることが好ましい。
【0013】さらに、前記不均一リッジフィルターとし
ては、前記拡大ブラックピーク幅が略連続的に変化して
なるものであることが好ましい。
【0014】
【作用】本発明においては、上述した構成を採用するこ
とにより次のような作用する。すなわち、上述したよう
な拡大ブラックピークを得るためのリッジフィルターを
位置(場所)によって異なる構造にし、照射の位置によ
り拡大ブラックピークの幅を変え、病巣に一致した高い
線量分布の領域で患者を照射するためのものである。な
お、拡大ブラックピークの幅を変えると、ビームの進行
方向に垂直な方向にビーム強度が均一である場合、拡大
ブラックピークの薄い領域は厚い領域より高い線量で照
射される。ビームの照射量に同期して開閉する多葉コリ
メータ、又は不均一なビーム走査を併用することによ
り、線量を略均一にすることができる。よって、本発明
によれば、腫瘍の形に応じて高い線量分布を所望範囲内
に集中することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下本発明の重荷電粒子線原体照射用不均一
リッジフィルターシステムの一実施例を、図面を参照し
て説明する。先ず、本発明システムが好ましく適用され
る陽子線又は重イオン線などの重荷電粒子線を用いた治
療装置の一例を図1〜図3を参照して説明する。
【0016】図1において、本治療装置を構成する陽子
加速器10、ビーム輸送系12中におけるエネルギービ
ーム輸送系16は、図1及び図2に詳細に示されてい
る。図2は、図1のビーム輸送系12のII−II方向から
見た図である。陽子加速器10は6角形のシンクロトロ
ンからなり、高周波加速部14を有している。シンクロ
トロンを6角形にすると、例えば4角形のものに比べて
高性能の強集束型の設計が容易となり、且つ直線部が増
えることにより多様なビームの取り出しが可能となる。
ビーム輸送系12は、垂直上方向ビーム輸送系18、垂
直下方向ビーム輸送系20と水平方向ビーム輸送系28
とを具備している。
【0017】陽子を深部の病巣に到達させて治療を行う
には、所要のビーム強度の陽子を所要のエネルギーまで
加速しなければならない。例えば体内の32cmの深さ
に陽子を到達させるには、230MeVのエネルギーが
必要となる。このようなエネルギーまで陽子を加速する
本実施例における手順を以下に説明する。
【0018】先ず水素分子のイオン源から負水素イオン
を生成させ、生成した負水素イオンを静電的に50ke
Vまで加速して、予備加速を行うために入射器22に入
射する。入射器22としてターミナル電圧2.5MVの
タンデム静電加速器を使用する。タンデム静電加速器を
使用すると、エネルギー幅を低減できるメリットがあ
る。負水素イオンは2.5MeVまで加速されて、ター
ミナルで炭素薄膜により陽子に変換され、5MeVまで
加速される。陽子は中エネルギービーム輸送系16によ
り陽子加速器(主加速器)10に導かれる。
【0019】主加速器10は超周期6の強集束型シンク
ロトロンで、その主要パラメーターを第1表に示す。陽
子は一周約35mの軌道上を周回し、高周波加速部を通
過する毎に加速され、約0.5秒の後に230MeVに
達する。所要のエネルギーに達した陽子は、シンクロト
ロン10から取り出されてビーム輸送系12により治療
室に導かれる。
【0020】陽子線のエネルギーは、病巣の深さに対応
したものでなければならない。シンクロトロン10では
加速の途中で任意のエネルギーでの取り出しが可能であ
るけれども、第一段階としては、エネルギー切り替えの
確実性と迅速性を考慮して、陽子線のエネルギーを12
0MeV,180MeV,230MeVの3段階とす
る。これが達成された後に任意のエネルギーでの取り出
しが行われる。
【0021】一般にシンクロトロン10により、設計エ
ネルギーを達成することは、現在の技術で確実となった
が、ビーム強度の目標である20ナノアンペア(nA)
を達成するには設計段階における慎重な配慮と完成後の
入念な調整が必要である。ビーム損失の多くは、シンク
ロトロン10への入射時、シンクロトロン10における
加速開始時、及びシンクロトロン10からの陽子の取り
出しの際に起こる。入射器22のビーム強度があまり高
くないので、シンクロトロン10へは陽子の多数回入射
を行ってシンクロトロン10のビーム強度を確保する。
【0022】なお、入射器22として、負水素イオンを
入射する8MeV以上の直線加速器を使用すれば、炭素
薄膜による負水素イオンの陽子への変換を利用して、高
効率でビーム強度制御の容易なシンクロトロン10への
陽子入射ができる。
【0023】加速開始時のビーム損失は軌道補正磁石を
予め準備して、これらの含めたシンクロトロン10の調
整により対応する。シンクロトロン10からの取り出し
におけるビーム損失は、残留放射能の増加をもたらし、
最も注意を要するものである。 ビーム取り出しの方式
は、取り出し効率の高い半整数共鳴による遅い取り出し
と、立ち上がりの速いキッカーによる速い取り出しのい
ずれかが選択できる。従って、遅い取り出しによりビー
ム走査による照射野形成も可能となる。
【0024】速いビーム取り出し効率は理論上100%
が可能となり、超音波による体内における陽子線の到達
位置の計測を可能とすると共に、病巣器官の運動に同期
して陽子加速を開始するか又は予め加速した陽子ビーム
をシンクロトロン10に蓄積し、病巣器官の運動に同期
して陽子ビームを取り出すことにより、正常組織の被ば
く線量を低減した照射が可能となる。
【0025】加速器による陽子ビームの加速は、照射制
御装置に設けられたモニタ電離箱(図3の参照符号8
6)よりの信号により行う。遅い取り出しによる陽子ビ
ームも、速い取り出しによる陽子ビームも、同一のビー
ム輸送系12に取り出される。2治療室のうち、第1治
療室24には垂直上下方向ビーム輸送系18,20と水
平方向ビーム輸送系28、他の第2治療室26には垂直
上下方向ビーム輸送系18,20から陽子ビームが供給
される。垂直上下方向と水平方向の選択は振り分け電磁
石30による。
【0026】ビーム輸送系12に於いては、所要の照射
制御装置に陽子ビームを導くに要する電磁石(例えば図
3の90度偏向電磁石)以外の電磁石(例えば図1の参
照符号62,64で示される電磁石)の電源は安全確保
の目的で断とする。この手順の条件は他の一般的条件と
共に全システムの運転制御盤(図示せず)に格納された
インターロックシステムに組み込まれている。加速器1
0及びビーム搬送系12の運転条件の設定は前記運転制
御盤に設けられた電算機により行う。
【0027】照射制御装置34の具体的な詳細構成を図
3に示す。図示の照射制御装置34は、第一治療室24
に上下垂直及び水平の3組の照射制御装置を設置した場
合において、垂直上方向ビーム輸送系18からのビーム
を制御する上垂直の装置についての詳細な構成を示し
た。垂直下方向ビーム輸送系20のビームと水平方向ビ
ーム輸送系28のビームを制御する他の2組についても
同様の構成となる。この他の2組は参照符号70,72
により示されている。
【0028】各照射制御装置の中心軸に病巣を一致させ
るように、中央の治療台36上に患者38を固定する。
その位置の確認は同軸上にX線管39及びイメージイン
テンシファイア(I.I.)40を移動させて行う。
【0029】陽子線の照射野形成は、細束陽子線を走査
用電磁石42で走査し、また、一次散乱体44により拡
大し、リングストッパ46にて、照射位置に略均一強度
の20×20cm以上の分布を形成することによりなさ
れる。患者表面の照射野形状のビームの広がりの確認は
光照射野ミラー80によりなされる。
【0030】ビーム軸方向の飛程調整は、エネルギー微
調器48によって所要の体内飛程に対応するエネルギー
に減弱させ、線量ピーク幅が病巣厚に合致するようにリ
ッジフィルタ50を選択して、その幅を拡大する。ま
た、患者体表面及び病巣の形状、体内の不均値病巣の深
度に対応させて陽子線のエネルギー調整を行うためにボ
ーラス82が設けられている。ボーラス82の厚みは各
位置によって変化していて、その各位置を介して陽子線
を通過させることにより、陽子線のエネルギーを吸収す
る。
【0031】病巣形状に一致するようにブロックコリメ
ータ52の形状及び最終コリメータ54の形状を調整す
る。
【0032】リッジフィルタ50とエネルギー微調器4
8との間にはモニタ電離箱90が設けられている。この
モニタ電離箱90は、線量監視部の一部として機能し、
その出力電流に対応した量の積算値が予定線量に対応し
たプリセット値を越えると、照射停止信号が発生され、
陽子線照射が停止される。これらの制御は電算機(図示
せず)によりなされる。
【0033】なお、陽子線の照射を行わない治療室の安
全確保のためにシャッター機構84と遮蔽ブロック86
が設けられている。
【0034】また、この照射装置に設けられた上記各エ
レメントの配置状態、条件等は患者38の状態によって
調整される。手動によってもこの調整は可能であるが、
患者のデータに基づき電算機により自動的に調整する方
が好ましい。
【0035】このような照射装置によれば、上下垂直及
び水平の3組の照射制御装置は固定されているので、操
作が簡単であり、確実な治療ができると共に、メインテ
ナンスが容易である。
【0036】また、走査用電磁石42、一次散乱体4
4、リングストッパ46等の各エレメントが照射装置に
略固定的に組み込まれているので、調整が簡単であり、
装置の安全性が高く、従って正確な治療が達成される。
【0037】以上詳述した図1〜図3に係る構成は、同
一出願人によりなされた特許出願(特願平2−3256
85号)に係る発明者らによる先行する発明であって、
本発明の最も特徴とする、腫瘍の形に応じて高い線量分
布を所望範囲内に集中する重荷電粒子線原体照射用不均
一リッジフィルターシステムが好ましく適用される装置
である。
【0038】そして、本発明の一実施例に係るシステム
は、図4〜図7に示すように、位置により拡大ブラック
ピーク幅が異なる不均一リッジフィルター100と、こ
の不均一リッジフィルター100に形成される不均一厚
さの高線量域の線量を略均一にするため重荷電粒子線の
ビームの照射量に同期して開閉する多葉コリメータ10
1とを具備する構成である。
【0039】また、本発明の他の実施例に係るシステム
は、図4〜図7に示すように、不均一リッジフィルター
100と、この不均一リッジフィルター100に形成さ
れる不均一厚さの高線量域の線量を略均一にするため重
荷電粒子線のビームの照射量に同期して当該ビームの進
行方向に垂直な方向に、当該ビームを不均一に走査する
手段とを具備する構成である。
【0040】前述した実施例における不均一リッジフィ
ルター100としては、拡大ブラックピーク幅が多角形
の範囲内で均一である当該均一範囲を組み合わせて広範
囲に亙って不均一特性が形成されてなるものであること
が好ましい。また、不均一リッジフィルター100とし
ては、拡大ブラックピーク幅が円形の範囲内で均一であ
る当該均一範囲を予め作られた円形の孔に嵌め込ん組合
せて広範囲に亙って不均一特性が形成されてなるもので
あることが好ましい。さらに、不均一リッジフィルター
100としては、拡大ブラックピーク幅が略連続的に変
化してなるものであることが好ましい。
【0041】本発明のシステムにおいては、図4〜図7
に示すように、不均一リッジフィルター100と、多葉
コリメーター101とを具備する。そして、これらの構
成により、略単一のエネルギーよりなる重荷電粒子線に
位置によって異なるエネルギー分布をつくり、病巣の形
に一致する高線量分布領域を形成する。多葉コリメータ
ー101はビームの照射量に同期して開閉し、高線量分
布領域の線量を略均一にする。多葉コリメーター101
を使う代わりに、ビームの照射量に同期して(照射野の
位置に依存する)不均一なビームの走査を行うための電
磁石を使用することもできる。
【0042】図4(a)に示すように、リッジフィルタ
ーが無い場合波、線量の高い領域は狭いものである。ま
た、図4(b)に示すように、従来から用いられてきた
均一リッジフィルター50では、病巣の厚さの位置によ
る変化を考慮にいれて、病巣の形に一致した高線量領域
をつくり照射することができない。このため、位置に依
らず病巣の最大の厚さの高線量域で照射するようにして
いた。このため正常組織に不必要に高い線量が与えられ
てしまい、不必要な放射線障害を引き起こすことがあっ
た。
【0043】図4(c)及び図5に示すように、不均一
リッジフィルター100を使用すること、また不均一リ
ッジフィルター100及び多葉コリメーター101を使
用すにより、病巣の形に一致した略均一な線量の高線量
分布領域を作り出すことができるようになり、不必要な
正常組織への線量を相対的に減らすことができるように
なる。このため病巣へより高い線量を照射して治療成績
を向上させたり、正常組織への放射線障害を軽減するこ
とができる。
【0044】図6及び図7は、従来と本発明とによる臨
床的効果を図示したものであり、患者38内部における
線量曲線102が想定され、体内深部に病巣38Eがあ
るとき、体表から深部にかけて線量が順次高い領域38
A,38B,38C,38Dが形成される。図6に示す
ように、均一リッジフィルター50を使用したときは、
線量の高い領域38Dは、病巣38Eよりも大きい。こ
れに対し、図7に示すように、不均一リッジフィルター
100及び多葉コリメーター101を使用することによ
り、線量の高い領域38Dと、病巣38Eと一致したも
のにすることができる。
【0045】以上の各実施例で述べたように本発明によ
れば、病巣の形に一致した略均一な線量の高線量分布領
域を作り出すことができるようになり、不必要な正常組
織への線量を相対的に減らすことができるようになる。
このため病巣へ、より高い線量を照射して治療成績を向
上させたり、正常組織への放射線障害を軽減することが
できる。
【0046】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施できるものである。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不均一リ
ッジフィルターに形成される不均一厚さの高線量域の線
量を略均一にするため重荷電粒子線のビームの照射量に
同期して開閉する多葉コリメータ、又は重荷電粒子線の
ビームの照射量に同期して当該ビームの進行方向に垂直
な方向に当該ビームを不均一に走査する手段を具備した
したので、陽子線又は重イオン線などの重荷電粒子線を
用いた治療装置において、腫瘍の形に応じて高い線量分
布を所望範囲内に集中する重荷電粒子線原体照射用不均
一リッジフィルターシステムを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陽子線を用いた治療装置の平面
図。
【図2】図1の装置のうち振り分け電磁石より下流のビ
ーム輸送系のII−II線から見た図。
【図3】本発明に係る治療装置に用いられている照射制
御装置の垂直上方部分の構成図、
【図4】本発明に係る重荷電粒子線原体照射用不均一リ
ッジフィルターシステムの概略構成図。
【図5】本発明に係る重荷電粒子線原体照射用不均一リ
ッジフィルターシステムの概略構成図。
【図6】本発明に係る重荷電粒子線原体照射用不均一リ
ッジフィルターシステムの作用を示す図。
【図7】本発明に係る重荷電粒子線原体照射用不均一リ
ッジフィルターシステムの作用を示す図。
【符号の説明】 100…不均一リッジフィルターシステム、101…多
葉コリメータ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重荷電粒子線を用いた治療装置におい
    て、 位置により拡大ブラックピーク幅が異なる不均一リッジ
    フィルターと、 この不均一リッジフィルターに形成される不均一厚さの
    高線量域の線量を略均一にするため前記重荷電粒子線の
    ビームの照射量に同期して開閉する多葉コリメータとを
    具備することを特徴とする重荷電粒子線原体照射用不均
    一リッジフィルターシステム。
  2. 【請求項2】 重荷電粒子線を用いた治療装置におい
    て、 位置により拡大ブラックピーク幅が異なる不均一リッジ
    フィルターと、 この不均一リッジフィルターに形成される不均一厚さの
    高線量域の線量を略均一にするため前記重荷電粒子線の
    ビームの照射量に同期して当該ビームの進行方向に垂直
    な方向に、当該ビームを不均一に走査する手段とを具備
    することを特徴とする重荷電粒子線原体照射用不均一リ
    ッジフィルターシステム。
  3. 【請求項3】 前記不均一リッジフィルターは、前記拡
    大ブラックピーク幅が多角形の範囲内で均一である当該
    均一範囲を組み合わせて広範囲に亙って不均一特性が形
    成されてなるものであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の重荷電粒子線原体照射用不均一リッジフィル
    ターシステム。
  4. 【請求項4】 前記不均一リッジフィルターは、前記拡
    大ブラックピーク幅が円形の範囲内で均一である当該均
    一範囲を予め作られた円形の孔に嵌め込ん組合せて広範
    囲に亙って不均一特性が形成されてなるものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の重荷電粒子線原体
    照射用不均一リッジフィルターシステム。
  5. 【請求項5】 前記不均一リッジフィルターは、前記拡
    大ブラックピーク幅が略連続的に変化してなるものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の重荷電粒子
    線原体照射用不均一リッジフィルターシステム。
JP5300076A 1993-11-30 1993-11-30 重荷電粒子線原体照射用不均一リッジフィルタ―システム Expired - Lifetime JP2526405B2 (ja)

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