JPH0732806B2 - 陽子線を用いた治療装置 - Google Patents

陽子線を用いた治療装置

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JPH0732806B2
JPH0732806B2 JP2325685A JP32568590A JPH0732806B2 JP H0732806 B2 JPH0732806 B2 JP H0732806B2 JP 2325685 A JP2325685 A JP 2325685A JP 32568590 A JP32568590 A JP 32568590A JP H0732806 B2 JPH0732806 B2 JP H0732806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、陽子線を用いた治療装置に関し、陽子線を、
例えば癌病巣に正確に一致させて大線量を集中させる陽
子線治療装置に関する。特に、陽子線エネルギー減速を
散乱とを同時に行い、また、線量ピーク幅を拡大する金
属製フィルタを散乱に寄与せしめて、適切な形状の照射
野を形成させる機能を有機的に結合させたシステムであ
る。
(従来技術) 放射線による癌の治療には、X線、ガンマ線および電子
線が使用されており、また最近では中性子線も導入され
てきた。これらは線形加速器やベータトロンなどの小形
電子加速器により発生する電子線やX線を照射するシス
テムであり、多数病院に設置されてきた。またガンマ線
を用いたものの大部分は、コバルト60線源を格納する遠
隔照射治療装置と各種の放射性核種を使用する小線源照
射治療装置であり、普及している。これらの放射線治療
装置は以下のような利点を有している。
(a)手術にて摘出不能な癌症例の治療が可能である。
(b)化学療法や温熱療法との併用で効果を高めること
が可能である。
(c)治療に成功すれば、組織の欠損や機能障害が軽減
であるので患者の社会復帰が容易である。
(発明が解決しようとする課題) 上述したような従来の放射線治療装置では、電子線を除
けば、体内での到達飛程の概念があてはまらず、ほぼ指
数的に減弱する。また電子線においてもその統計的変や
散乱が大きいために体内飛程は明瞭ではない。
よって、これらの従来の放射線の照射野形成において
は、3次元的照射野の形成制御が困難であり、いわゆる
原体照射野法によって近似的に病巣への線量集中が画ら
れてきた。
しかし、一般に癌病巣の形状は不定形かつ複雑であり、
癌病巣はしばしば重要臓器内に、またはそれらに近接し
た位置に存在する。よって従来の放射線では正常組織に
障害を与えずに癌病巣全体に十分に治癒線量を与えるこ
とは困難であり、このことが放射線治療後の再発を招く
という欠点があった。
本発明の目的は、周辺臓器など正常組織に与える線量を
可及的に軽減し、不定形な例例えば癌病巣に十分に大き
な線量を選択的に集中するために、陽子線の体内飛程を
癌病巣最大深に一致させ、陽子線線量ピーク幅を病巣厚
に一致させ、また、収束、輸送された陽子線束を拡大し
病巣全体を一様線量強度で蔽い、病巣線量を積算表示し
て、所要の予定線量にて照射停止を行わせる信号を発生
し、しかもこのような制御を自動化して、陽子線による
癌治療を容易に行える陽子線を用いた治療装置を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の陽子線を用いた治療装置は、個々の治療に必要
なエネルギー、強度及び準定常的もしくはパルス状の時
間構造を有する陽子線を生成する陽子線加速手段と、 前記加速された陽子を輸送する輸送手段と、 前記加速された陽子線を複数の方向に振り分ける振り分
け手段と、 前記複数の方向に振り分けられた陽子線を所定の治療室
に導く手段と、 前記治療室に固定して設けられ、前記治療室に導かれた
陽子線を制御して、垂直上下方向または水平方向より前
記陽子線を所定の部位に照射する照射制御手段とを具備
し、 前記照射制御手段が、 前記陽子線を大照射野に拡大する散乱手段と、 散乱手段に対して独立に設けられ、前記所定の部位の最
大深に合致する体内飛程をもつエネルギーに前記陽子線
を調整するエネルギー減速手段と、 前記部位に最大厚に合致する幅に、前記陽子線の線量ピ
ーク幅を拡げる3次元的照射野形成手段であって、前記
部位の形状に一致するように形状が調節可能で、かつ前
記部位からの距離が異なる一対のコリメータを具備する
3次元的照射野形成手段と、 陽子線の前記部位に与える所要線量を監視するためのモ
ニタ手段と、 前記モニタ手段のモニタ値を積算し、その積算値がプリ
セット値に達すると照射停止信号を発生して、前記陽子
線の線量制御を行う制御手段と、を具備することを特徴
とする。
ところで、前記陽子線加速手段は、陽子または負水素イ
オンを生成するイオン源と、 前記陽子または負水素イオンを予備加速する予備加速手
段と、 前記予備加速された陽子または水素を所要のエネルギー
まで加速する主加速手段と、 を有することが好ましい。
本発明の装置を以下により詳しく説明する。本発明の装
置は陽子加速器とビーム輸送系を具備する。陽子加速器
とビーム輸送系は、水素分子より陽子または負水素イオ
ンを生成させるイオン源、予備加速を行う入射器へ入射
するための加速を行う前段加速部、入射器、入射器によ
り予備加速された陽子線を主加速器に導く中エネルギー
ビーム輸送系、がん治療に必要とされるエネルギーに陽
子を加速する主加速器、陽子線を治療室に導く振り分け
電磁石を含むビーム輸送系及びこれらの機器の制御部よ
り構成される。
入射器には、タンデム静電加速器または直線加速器を使
用し、タンデム静電加速器には負水素イオンを、直線加
速器には陽子または負水素イオンを入射する。タンデム
静電加速器と陽子を入射する直線加速器は、陽子を予備
加速して主加速器に入射し、負水素イオンを入射する直
線加速器は負水素イオンを予備加速して荷電変換方式に
より主加速器に入射する。
主加速器はシンクロトロンで、入射された陽子を予備加
速のエネルギーから病巣の位置と形状に対応したエネル
ギーまで高周波加速を行った後、陽子を主加速器からビ
ーム輸送系に取り出す。
陽子ビームの取り出しに関しては、共鳴を利用してある
時間内は準定常的にビームを取り出す遅い取り出しと、
陽子が主加速器を一周する時間内に取り出す速い取り出
しのいずれかを選択でき、いずれの方法により取り出さ
れた陽子ビームも同一の振り分け電磁石とビーム輸送系
により、1または2以上の治療室の水平方向または垂直
上下方向のいずれかの照射制御装置に導かれる。
加速器による陽子の加速は照射制御装置よりの信号によ
り行い、加速器及びビーム輸送系の制御は安全確保のイ
ンターロックシステムと電算機により行う。
照射制御装置の原理的構成は、3次元的照射野形成部と
線量監視部から成る。
3次元的照射野形成部は、エネルギー減速器と、エネル
ギー減速器上部に設けられた重金属板と、線量ピーク幅
拡大フィルタとを有する。
エネルギー減速器は、2枚の楔状エネルギー吸収物質の
重なり合う部分の厚さを変化させて所要のエネルギー吸
収を行わせるものである。そして、遠隔的に1mm以内の
の精度で1分以内に所要の厚さに制御可能である。
収束ビームの拡大のために、光照射ミラー上部に重金属
板の一次散乱体が装着され、その下方のリングストッパ
と共に散乱機能を強化する。
線量ピーク幅拡大フィルタは、厚さに傾斜があるエネル
ギー吸収金属体であり、入射する鋭い線量ピーク部エネ
ルギーを順次変化させて累積的に所要の幅の平坦な線量
ピークとする。拡大幅1cmより15cmまで1cmステップで15
組を用意し、これを4×4の方形に16枠をもつ移動台に
装置し、遠隔的に選択する。なおそのうち1枠はブラン
クとし、もとの線量ピークによる照射を可能とする。
線量監視部は、主、副一対の透過形平行平板電極をもつ
モニタ電離箱と、その出力電流の増幅器、積算表示器お
よび線量プリセット器を有する。線量監視部は積算値が
予定線量に達すると照射停止信号を発生し、陽子線照射
を停止させるもので、操作・制御は電算機によって行う
ようにしたものである。
(作 用) 上記のように構成した本発明による陽子線を用いた治療
装置によれば、陽子を加速して患者の病巣部位を照射で
きる。陽子線は体内に入射しても従来のX線、ガンマ線
のように指数関数的にエネルギーが減少せず、所定の深
さに線量ピークを有する線量分布を得ることが可能であ
る。また、その線量分布を容易に調整可能であり、陽子
線の飛程調整ができる。
従って、癌のように不定形でかつ複難な形状であって
も、陽子線の線量分布を調整することにより、所定の部
位に照射可能である。そのため、正常な組織を障害を与
えずに、治療することができる。
また、本発明の照射制御手段の具体的構成によれば、照
射制御手段を治療室内に垂直上方向、垂直下方向、水平
方向に固定的に設置している。このようにすると、陽子
線の線量分布を変更するための種々の部材の調整が容易
となり、この容易性のために、安全で適切な治療を実現
できる。
このように本発明の照射制御手段によると、周辺臓器な
ど正常組織に与える線量を可及的に軽減できる。また、
不定形な例えば癌病巣に十分に大きな線量を選択的に集
中するために、陽子線の体内飛程を癌病巣最大深に一致
させ、陽子線線量ピーク幅を病巣厚に一致させ、また、
収束、輸送された陽子線束を拡大し病巣全体を一様線量
強度で蔽うことが可能となる。更に、病巣線量を積算表
示して、所要の予定線量にて照射停止を行わせる信号を
発生するので、陽子線による癌治療を容易に行える。し
かも、このような制御を自動化できる。
(実施例) 以下図面を参照して、本発明の陽子線照射装置の一実施
例を説明する。
陽子加速器10、ビーム輸送系12、中エネルギービーム輸
送系16の構成を第1図と第2図に示す。第2図は、第1
図のビーム輸送系12のII−II方向から見た図である。陽
子加速器10は6角形のシンクロトロンからなり、高周波
加速部14を有している。シンクロトロンを6角形にする
と、例えば4角形のものに比べて高性能の強集束型の設
計が容易となり、且つ直線部が増えることにより多様な
ビームの取り出しが可能となる。ビーム輸送系12は、垂
直上方向ビーム輸送系18、垂直下方向ビーム輸送系20と
水平方向ビーム輸送系28とを具備している。
陽子を深部の病巣に到達させて治療を行うには、所要の
ビーム強度の陽子を所要のエネルギーまで加速しなけれ
ばならない。例えば体内の32cmの深さに陽子を到達させ
るには、230MeVのエネルギーが必要となる。このような
エネルギーまで陽子を加速する本実施例に於ける手順を
以下に説明する。
先ず水素分子のイオン源から負水素イオンを生成させ、
生成した負水素イオンを静電的に50keVまで加速し、予
備加速を行うために入射器22に入射する。入射器22とし
てターミナル電圧2.5MVタンデム静電加速器を使用す
る。タンデム静電加速器を使用すると、エネルギー幅を
低減できるメイットがある。負水素イオンは2.5MeVまで
加速されて、ターミナルで炭素薄膜により陽子に変換さ
れ、5MeVまで加速される。陽子は中エネルギービーム輸
送系16により陽子加速器(主加速器)10に導かれる。
主加速器10は超周期6の強集束型シンクロトロンで、そ
の主要パラメーターを第1表に示す。陽子は一周約35m
の軌道上を周回し、高周波加速部を通過する毎に加速さ
れ、約0.5秒の後に230MeVに達する。所要のエネルギー
に達した陽子は、シンクロトロン10から取り出されてビ
ーム輸送系12により治療室に導かれる。
陽子線のエネルギーは、病巣の深さに対応したものでな
ければならない。シンクロトロン10では加速の途中で任
意のエネルギーでの取り出しが可能であるけれども、第
一段階としては、エネルギーの切り替えの確実性と迅速
性を考慮して、陽子線のエネルギーを120MeV、180MeV、
230MeVの3段階とする。これが達成された後に任意のエ
ネルギーでの取り出しが行なわれる。
一般にシンクロトロン10により、設計エネルギーを達成
することは、現在の技術で確実となったが、ビーム強度
の目標である20ナノアンペア(nA)を達成するには設計
段階に於ける慣重な配慮と完成後の入念な調整が必要で
ある。ビーム損失の多くは、シンクロトロン10への入射
時、シンクロトロン10に於ける加速開始時、及びシンク
ロトロン10からの陽子の取り出しの際に起こる。入射器
22のビーム強度があまり高くないので、シンクロトロン
10の陽子の多数回入射を行ってシンクロトロン10のビー
ム強度を確保する。
なお入射器22として、負水素イオンを入射する8MeV以上
の直線加速器を使用すれば、炭素薄膜による負水素イオ
ンの陽子への変換を利用して、高効率でビーム強度制御
の容易なシンクロトロン10への陽子入射ができる。
加速開始時のビーム損失は軌道補正磁石を予め準備し
て、これらを含めたシンクロトロン10の調整により対応
する。シンクロトロン10からの取り出しに於けるビーム
損失は、残留放射能の増加をもたらし、最も注意を要す
るものである。
ビーム取り出しの方式は、取り出し効率の高い半整数共
鳴による遅い取り出しと、立ち上がりの速いキッカーに
よる速い取り出しのいずれかが選択できる。従って、遅
い取り出しによりビーム走査による照射野形成も可能と
なる。
速いビーム取り出し効率は理論上100%が可能となり、
超音波による体内に於ける陽子線の到達位置の計測を可
能とすると共に、病巣器官の運動に同期して陽子加速を
開始するかまたは予め加速した陽子ビームをシンクロト
ロン10に蓄積し、病巣器官の運動に同期して陽子ビーム
を取り出すことにより、正常組織の被ばく線量を低減し
た照射が可能となる。
加速器による陽子ビームの加速は、照射制御装置に設け
られたモニタ電離箱(第3図の参照符号86)よりの信号
により行う。遅い取り出しによる陽子ビームも、速い取
り出しによる陽子ビームも、同一のビーム輸送系12に取
り出される。2治療室のうち、第1治療室24には垂直上
下方向ビーム輸送系18、20と水平方向ビーム輸送系28、
他の第2治療室26には垂直上下方向ビーム輸送系18、20
から陽子ビームが供給される。垂直上下方向と水平方向
の選択は振り分け電磁石30による。
ビーム輸送系12に於いては、所要の照射制御装置に陽子
ビームを導くに要する電磁石(例えば第3図の90度偏向
電磁石)以外の電磁石(例えば第1図の参照符号62、64
で示される電磁石)の電源は安全確保の目的で断とす
る。この手順の条件は他の一般的条件と共に全システム
の運転制御盤(図示せず)に格納されたインターロック
システムに組み込まれている。加速器10およびビーム輸
送系12の運転条件の設定は前記運転制御盤に設けられた
電算機により行う。
照射制御装置34の具体的な詳細構成を第3図に示す。図
示の照射制御装置34は、第一治療室24に上下垂直および
水平の3組の照射制御装置を設置した場合において、垂
直上方向ビーム輸送系18からのビームを制御する上垂直
の装置についての詳細な構成を示した。垂直下方向ビー
ム輸送系20のビームと水平方向ビーム輸送系28のビーム
と水平方向ビーム輸送系28のビームを制御する他の2組
についても同様の構成となる。この他の2組は参照符号
70、72により示されている。
各照射制御装置の中心軸に病巣を一致させるように、中
央の治療台36上に患者38を固定する。その位置の確認は
同軸上にX線管39およびイメージインテンシファイア
(I.I.)40を移動させて行う。
陽子線の照射野形成は、細束陽子線を走査用電磁石42で
走査し、また、一次散乱体44により拡大し、リングスト
ッパ46にて、照射位置にほぼ均一強度の20×20cm以上の
分布を形成することによりなされる。患者表面の照射野
形成のビームの広がりの確認は光照射野ミラー80により
なされる。
ビーム軸方向の飛程調整は、エネルギー微調器48によっ
て所要の体内飛程に対応するエネルギーに減弱させ、線
量ピーク幅が病巣厚に合致するようにリッヂフィルタ50
を選択して、その幅を拡大する。また、患者体表面およ
び病巣の形状、体内の不均値病巣の深度に対応させて陽
子線のエネルギー調整を行うためにボーラス82が設けら
れている。ボーラス82の厚みは各位置によって変化して
いて、その各位置を介して陽子線を通過させることによ
り、陽子線のエネルギを吸収する。
病巣形状に一致するようにブロックコリメータ52の形状
および最終コリメータ54の形状を調整する。
リッジフィルタ50とエネルギー微調器48との間にはモニ
タ電離箱90が設けられている。このモニタ電離箱90は、
線量監視部の一部として機能し、その出力電流に対応し
た量の積算値が予定線量に対応したプリセット値を越え
ると、照射停止信号が発生され、陽子線照射が停止され
る。これらの制御は電算機(図示せず)によりなされ
る。
なお、陽子線の照射を行わない治療室の安全確保のため
にシャッター機構84と遮蔽ブロック86が設けられてい
る。
また、この照射装置に設けられた上記各エレメントの配
置状態、条件等は患者38の状態によって調整される。手
動によってもこの調整は可能であるが、患者のデータに
基づき電算機により自動的に調整する方が好ましい。
このような照射装置によれば、上下垂直および水平の3
組の照射制御装置は固定されているので、操作が簡単で
あり、確実な治療ができると共に、メインテナンスが容
易である。
また、走査用電磁石42、一次散乱体44、リングストッパ
46等の各エレメントが照射装置にほぼ固定的に組み込ま
れているので、調整が簡単であり、装置の安全性が高
く、従って正確な治療が達成される。
第4図は、飛程が水中約25cmに鋭いピークを有する陽子
線線量分布と、その鋭い線量ピークの幅を拡大し、飛程
を調整した例を示す。このような飛程調整によっても、
拡大線量ピークの形状および縦軸の線量強度が、極端に
エネルギーを減弱した場合をのぞけば、ほぼ一定であっ
た。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば患者の
病巣に合致して、陽子線の線量分布形状を調整すること
が可能である。この装置による病巣の陽子線線量率は毎
分2−3Gyであり、通常の1回の照射時間は1分以内で
あるので、治療の実施は容易であり、患者の苦痛もな
い。
また、安全確実な治療を達成することができる。
第一表 230MeV陽子シンクロトロン主要パラメータ シンクロトロン格子 全周長 34.939m 平均直径 11.121m 超周期 6 構造 DOFB 直線部長さ 3m 偏向電磁石曲率半径 1.55m 偏向電磁石長さ 1.623m 入射ビーム エネルギー 5MeV β=v/c 0.102826 運動量 0.323536Tm 規格化emittance(水平)(実効10回入射)30πmm.mrad
規格化emittance(垂直)磁場 1.5πmm.mrad 偏向磁場(5MeV) 0.208733T (120MeV) 1.053394T (230MeV) 1.497955T 立ち上がり 2.6T/sec 偏向電磁石偏向角 60度 ギャップ 6.5cm 磁極幅 30cm 端縁角 30度 Q磁石aperture 11.6cm 長さ 20cm Q磁場(F) 5.948308T/m (D) 1.141559T/m 軌道 ν(水平) 1.8 ν(垂直) 1.85 β(水平) 1.8357−6.4391 直線部中央 2.8271 β(垂直) 1.6838−6.9554 直線部中央 2.3254 分散(最大) 2.6 (直線部中央) 2.1 γ(transition) 1.560583 入射時最大ビーム幅(水平) betatron ±4.3cm 分散 ±0.8cm COD ±3cm 合計 ±8.1cm 入射時最大ビーム幅(垂直) betatron ±1.0cm COD ±1.7cm 合計 ±2.7cm 加速高周波 周波数(5−230MeV) 0.882293−5.112299MHz 安定位相(5−230MeV) 20−30度 電圧(5−230MeV) 450−300V 周期 速い(遅い)取り出し 1(0.5)Hz以上
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る陽子線を用いた治療装置の平面
図、 第2図は、第1図の装置のうち振り分け電磁石より下流
のビーム輸送系のII−II線から見た図、 第3図は、本発明の治療装置に用いられている照射制御
装置の垂直上方部分の構成図、 第4図は、本装置により照射された水中約25cmに鋭い線
量ピークを示す加速陽子線と、各飛程に減速されかつ線
量ピーク幅を拡大された陽子線との水中における相対線
量分布を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 早川 吉則 茨城県つくば市並木2丁目1860番地102 棟101号 (72)発明者 多田 順一郎 神奈川県横浜市港北区中川2―1 B― 1203号 (56)参考文献 特開 昭62−74376(JP,A) 特開 昭63−292970(JP,A) 特開 昭63−314498(JP,A) 特開 平1−131675(JP,A) 実開 昭60−193477(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】個々の治療に必要なエネルギー、強度及び
    準定常的もしくはパルス状の時間構造を有する陽子線を
    生成する陽子線加速手段と、 前記加速された陽子を輸送する輸送手段と、 前記加速された陽子線を複数の方向に振り分ける振り分
    け手段と、 前記複数の方向に振り分けられた陽子線を所定の治療室
    に導く手段と、 前記治療室に固定して設けられ、前記治療室に導かれた
    陽子線を制御して、垂直上下方向または水平方向より前
    記陽子線を所定の部位に照射する照射制御手段とを具備
    し、 前記照射制御手段が、 前記陽子線を大照射野に拡大する散乱手段と、 散乱手段に対して独立に設けられ、前記所定の部位の最
    大深に合致する体内飛程をもつエネルギーに前記陽子線
    を調整するエネルギー減速手段と、 前記部位に最大厚に合致する幅に、前記陽子線の線量ピ
    ーク幅を拡げる3次元的照射野形成手段であって、前記
    部位の形状に一致するように形状が調節可能で、かつ前
    記部位からの距離が異なる一対のコリメータを具備する
    3次元的照射野形成手段と、 陽子線の前記部位に与える所要線量を監視するためのモ
    ニタ手段と、 前記モニタ手段のモニタ値を積算し、その積算値がプリ
    セット値に達すると照射停止信号を発生して、前記陽子
    線の線量制御を行う制御手段と、 を具備することを特徴とする陽子線を用いた治療装置。
  2. 【請求項2】前記陽子線加速手段が、 陽子または負水素イオン生成するイオン源と、 前記陽子または負水素イオンを予備加速する予備加速手
    段と、 前記予備加速された陽子または水素を所要のエネルギー
    まで加速する主加速手段と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
JP2325685A 1990-11-29 1990-11-29 陽子線を用いた治療装置 Expired - Lifetime JPH0732806B2 (ja)

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